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薮田和利

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Academic year: 2022

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(1)

学位論文審査結果の報告書

薮田和利

生年月日 名

本籍(国籍)

学位の種類

学位記番号 学位授与の条件

(博士の学位) 論文題目

昭和 35年12月

日本

医第ル子6 号

学位規程第5条該当

24日

(医学)

高エネルギーX線治療におけるCR‑39を用いた

審査委員

中陛子測定システム

(主査) (副主査) (副主査) (副査)

亙>耳下共ト,9

郊田男子

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(2)

【背景、目的】

医療用直線加速器において10MVを超える高エネルギーX線装置では中性子が発生するため、二次発 がんに注意すべきで、その中性子線量を正確に把握することは重要である。しかし、中性子は直接電離作 用を持たないうぇ、 X線との分離測定や、中性子エネルギーにより実効線量評価値が大きく変わることな

どの理由からその把握は困難であり、実用的で精度の高い測定方法の確立が望まれている。

本研究では、中性子エネルギーによるエネルギー応答特性を持つ固体飛跡検出器の1種であるCR39 プラスチック検出器(CR39)を用いて、医療用直線加速器で規格化されている X線のエネルギー 10,15, 18,20 MV における照射野内の中性子エネルギースペクトル分布を特定、その応答特性に応じた補正によ

り実効線量を測定可能なシステムを構築した。また、複数のCR39検出器のエネルギー応答特性を取得 したうぇで、その検出器により医療用直線加速器の中性子実効線量の測定評価を行い実用性にっいて検討

した。

【方法】

中性子国家一次標準場の産業技術総合研究所における単色エネルギーの中性子ビームを用い、検出器が 個別にもっ、中性子エネルギーに対する応答特性を確認した。 X線ビーム軸上で光核反応により発生する 二次中性子のエネルギースペクトルをモンテカルロ計算コードP亶ITS252にて求めた。校正エネルギー5 点の寄与率から、中性子実効線量の計算を行った。 CR・39検出器に対して医療用直線電子加速器を用いて 二種類のエネルギーのX線照射を行い線量当量の評価を行った。

【結果】

標準照射による、それぞれのCR39検出器における、中性子フルエンスに対する全エネルギーのピツ ト形成率はBaryotrak と CI00 は 82×10、3,5.O×10、3 と高く、高エネルギー特性を改善する目的で添加物 が増やされた TD、1, TNF、1 と、 ortho、carborane が配合された C95 は 3.4× 10、3,23× 10、3,2.6× 10、3 と低

値を示した。

二次中性子のエネルギースペクトルは、加速電圧15‑20 MVでは、 50okeVからI MeVのエネルギー 領域にピークを認めるが、加速電圧10 MVではピークエネルギーが50okeV以下に低下し、 10okeV よ

り低いエネルギー成分の割合が増加している。標準照射における校正エネルギー別の寄与率は中性子エネ ルギー 144 kev :565 kev :25 Mev :5.O Mev :14.8 MeV に対して、 20 MV・X 線では 19:64:15:2:0、

18 MV、X 線では 20:66:13:1:0、 15 MV、X 線では 20:70:10:0:0、 10 MV・X 線では 40:60:0:0 0であった。

10 MV、X線における照射野中心軸上体表面の中性子実効線量は0.045土0.017 msv/Gy、 20 MV・X線の 場合は0.85土0.61msv/Gyであった。高エネルギーX線照射に伴う中性子被ばくはX線エネルギーによ

り大きな違いがあったが、実測した線量はX糸聨泉量のν1000以下であり、臨床的には問題のないレベル

であることが確認された。

【結論】

CR39のエネルギー応答特性を確認したうえで、医療用直線加速器で発生する中性子エネルギースペク トルを特定し、寄与率を補正する本測定システムは、実用的中性子線量測定法となりうることが示された。

論文内容の要旨

(3)

ノ\

平成27年

ノ『、

公表予定

出版物の種類及び名称

出版物名 医学物理

第34巻第3号

博士論文の印刷公表

(4)

医療用直〒加L器において10 Wを超える高エネルギー蹄装置 では中陛子が発生する。その中性子線量を正確に把握することは 重要であるが、中陛子は直接電離作用を持たないうえ、X線との 分離測定や、中陛子エネルギーにより実効線量評価値が大きく変 わることなどの理由からその把握は困難であり、実用的で精度の 高い測定方法の確立が望まれている。薮田和利君は、固体飛跡検

出器の1種であるCR‑39プラスチック検出器(CR‑39)を用いて、

医療用直線加速器で用いられる10 20 W‑X線における照射野内 の中性子エネルギースペクトル分布を特定、その応答特性に応じ た補正により実効線量を測定可能なシステムを構築した。

CR‑39検出器における、中性子フルエンスに対するピット形成 率は、 2.3×10、3から8.2×10、3であった。二次中性子のエネノレ

ギースペクトノレは、 15 20 MV‑X線では、 50o keVからI MeVの工 ネルギー領域にピークを認めるが、10MV‑X線ではピークエネノレ ギーが50okeV以下に低下していた。標準照射における中性子工 ネルギー144 kev:565 keVの寄与率は、 10 MV‑X線では 40:60、 15

20 MVでは20:70であった。 10 W‑X線における照射野中心軸上 体表面の中性子実効線量は0.0妬土0.017 msv/Gy、 20 MV‑X線の場 合は0.85士0.61msvGyであった。中性子被ばくはX線エネルギー により大きな違いがあったが、実測した線量はX線線量のVI000 以下であり、臨床的には問題のないレベルであることが確認され た。本研究は、 CR‑39を用いた中性子測定システムが実用的中性 子線量測定法となりうることを明らかにした。

本研究は医学物理学会の機関誌「医学物理」に掲載予定であ リ、医学物理学コースの学位論文にふさわしい内容である。

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文 査

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(5)

2015年2月5日に行われた公聴会で、'田和利君は上記研究内容 を報告し、その後副主査の伊木教授および細野教授、主査の西村 教授からの質疑に移った。審査委員からは、CR‑39の盤面の形成

されたピットの大きさ、深さは結果に影響を与えないのか、CR‑

39の盤面の形成されたピットの数え方、その視野の設定方法、単

色中桂子の照射実験は何度行ったか、革性子と反跳陽子の生哉数

は等しいのか、りニアックで発生する中陛子被ばくは人体に問題 ないのか、この測定法を実用化する課題は、モンテカルロ法によ る計算はどれくらい正確かなどについて質問があり、薮田和利君 は的確に回答した。以上より、最終試験は合格とし、論文の内容 および本人の学識ともに医学博士の学位を授与するに十分である

と判断された。

(6)

博士学位論文最終試験結果の報告書

審査委

.査西式1赤、

学位申請者氏名

副主査

課博論博

平成 27年

'住査イヲ太Z命之̲̲̲

邦田ヲ弓

文題

要旨

薮田和利君は、現在測定困難な高エネルギーX線治療に伴う中陛子線量を、固体飛跡 検出器の1種であるCR‑39プラスチック検出器(CR‑39)を用いて、その応答特性に応じ た補正により実効線量を測定可能なシステムを構築した。二次中性子のエネルギースペ クトノレは、 15 20 MV‑X線では、 50o k.VからIMOVのエネノレギー領域にピークを認める が、10MV‑X線ではビークエネルギーが50okeV以下に低下していた。標準照射における 中性子エネルギー144 kev:5鉐 keVの寄与率は、 10 W‑X線では 40:60、 15 20 MVでは 20:70であった。 10MV‑X線における照射野中心軸上体表面の中性子実効線量は0.045士 0.017 msv/Gy、 20 MV‑X線の場合は0.85士0.61 msv/Gyであった。中性子被ばくはX線工 ネルギーにより大きな違いがあったが、その線量はX線線量のVI000以下であり、臨床 的には問題のないレベルであることが確認された。本研究は医学物理学会の機関誌「医 学物理」に掲載予定であり、学位論文にふさわしい内容である。

2015年2月5日に行われた公聴会で、薮田和利君は上記研究内容を報告し、その後副主 査の伊木教授および細野教授、主査の西村教授からの質疑に移った。審査委員からは、

CR‑39の盤面の形成されたピットの大きさ、深さは結果に影響を与えないのか、 CR‑39の 盤面の形成されたピットの数え方、単色中性子の照射実験は何度行ったか、中陛子と反 跳陽子の生成数は等しいのか、りニアックで発生する中性子被ばくは人体に問題ないの か、この測定法を実用化する課題は、モンテカルロ法による計算はどれくらい正確かな どについて質問があり、薮田和利君は的確に回答した。審査委員は、この研究が薮田和 利君の研究成果であることを確認した。

副査

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高エネルギーX線治療におけるCR‑39を用いた 中陛子測定システム

薮田和利

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参照

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