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発展途上国の工業化の現状と問題点

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(1)

発展途上国の工業化の現状と問題点

まえがきっ発展途上国の工業の現状

1鉱工業生産の内容

qh﹁援助﹂による成長縫持 二発展途上国の農業の現状

‑農業生産の内容

2

﹁緑

の革

命﹂

三インドの工業化について

‑国民会議派による土地改革 2アメリカ︑ソ連への経済的従属

3世界政治におけるインドの地位

要 約 四

発展途上国の工業化の現状と問題点

秋 太

良 戸

(2)

発展

途上

国の

工業

化の

現状

と問

題点

まえがき

一九一一一年の第三インタナショナル第三回大会で︑民族解放闘争が将来の世界革命の中で︑

くわれわれが期待しているよりずっと大きな革命的役割を演ずるであろう﹂と予見したが︑その後の世界史は︑この レl

ニン

は︑

﹁お

そら

レlニンの指摘したとおりの発展を示している︒とりわけ︑第二次大戦後︑民族解放闘争は全世界で大きく高揚し︑

多くの新興民族国家が形成されたGその数五

O

余︑人口にして世界の約半分︑一五億人に達する︒この民族解放闘争

の一大高揚が︑社会主義世界体制の成立︑帝国主義圏内部における先働運動の高揚と相倹って︑資本主義の全般的危

機を一層深化させたのである︒

だが︑五

O

余の新興国家が形成されたといっても︑それらの大部分における政治的独立は十分なものではなく︑完

人王な員族解放のための多くの政治的・経済的課題が依然として残されていた︒戦後二

O

数午問の舟界史は︑全般的危

機の沫化に対応する帝国主義の必死のまきかえしH新植民地主義にたいする︑

一方

では

一部民族によるこの課題の

徹底的遂行日民族解放革命闘争と︑他方では︑多くの新興国の従属とを示している︒しかし︑この後者︑すなわち新

植民地主義への従属という点についても︑種々の形態・問題が絡み合って事態は複雑であり︑慎重な検討の必要とさ

れるところである︒新植民地主義の大きな特徴は︑経済﹁援助﹂を通じて新興国日発展途上国の国民経済を帝国主義

に従属させようとすることである︒その際︑発展途上国の土地改革を不徹底に終らせ︑農業生産を永続的に停滞させ

たまま︑農業とは係わりなく︑﹁資源・工業開発﹂の名のもとに重工業建設を上から強力的に推し進めるのが︑

助﹂の重要な内容となっている︒そこで私は︑帝国主義の新しい支配のあり方H新植民地主義宏理解するうえで︑そ

(3)

のもっとも基本的なことと考えられる右の﹁援助しの内容を考察してみたいと思う︒

発 展 途 上 国 の 工 業 の 現 状 1 

鉱工業生産の内容

最初に︑最近の発展途上国の鉱工業生産成長度を一瞥してみよう︒第一表は︑鉱工業生産について︑一九六OI七

一年の十一年間における世界の鉱工業生産の伸びを示したものである︒これによると︑一九六OI七一年に﹁先進国﹂

は平均五・八%鉱工業生産が伸びたことに対して︑発展途上国は七・二%の伸びを示している︒最近年一九七

01

一年

ι

は ︑

﹁先進国﹂の不況つ一・O労という低い鉱工業生産の伸び率がこれを示していろ︺の影響で︑発展途上国

の鉱工業生産は六・六%と一

0

年間の平均を下回ったが︑それでも﹁先進国﹂を四・六

も上回っている︒地域別にM m

みると︑アジアの発展途上国の鉱工業生産の伸びが︑一九六CI七C年平均七・四%と極めて高く︑ついで表にはな

いが中東の伸びが著しい︒

鉱エ業生産の成長について︑もう少し詳しくみてみよう︒第二表は︑鉱工業を鉱業と製造業とに分けて︑発展途上

固と﹁先進国﹂の伸びを比較したものである︒まず鉱業については︑石炭︑原油・天然ガス︑金属のいずれも︑発展

途上国の伸び率は近年﹁先進国﹂を上問って高い(ただし︑発展途よ国の中での格差については後述﹀︒一九六六年

以後

﹁先進国﹂では生産縮小のおこなわれた石炭は︑発展途上国でほ逆に年間平均二・一二%ながら生産拡大がおこ

なわれている︒また︑原油・天然ガス生産は一九六七年以後︑年間平均一O%以上の高い伸び率を示し︑一九七一年

には六三年の二倍の生産高に達している︒つぎに製造業をみてみると︑一九六六年以後︑軽工業の年間平均伸び率五

発展

途上

国の

工業

化の

現状

と問

題点

四五

(4)

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G

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盟担i

1表鉱工業生産指数1463=100

1960 ""'70 

晴琢!

1960 "'65  1965 1969 1970 

世界計先進国計

発展途上国計

ラテンアメリカ

アジア

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54169

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︒︒︒︒

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(出所通産省『経済協力の現状と問題点~1972 P 11) 

第2表鉱業と製造業の生産指数1963=100

1955

966

1969 

1970 

1971 

一一一五一司去孟;配づ百円?引っす i23 口 ii‑

鉱業J

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I

主星雲占 ‑L2121jlLJ 上 i?

軽工業│芸品上国

l ;ji  iiU  3l  121  1Z 

製造業│重工業│完辰差上国

1 2│  igi  ii;i  !?;│  !?3  ~t '‑誠旦し EJ 12il  !??L13! 喧‑

(出所『国連統計年錨~1672 P16~17) fく

(5)

‑六銘に対して重工業は八・六

M m ︑

一九

六三

t

七一年一・九四倍と大幅に伸び︑この点でも発展途上国は﹁先進国﹂

の製造業年間平均伸び率四・二%を上回っている︒

このように︑発展途上国の鉱工業生産成長率は︑数字のうえでは﹁先進国﹂を上回る勢いを示している︒だが︑こ

のことは︑はたして発展途上国が首尾よく工業化を果して経済自立への道をすすんでいるととをあらわすものであろ

う か

?

さらに考察をすすめる必要がある︒

まず︑右にみたような発展途上国の比較的高い鉱工業生産成長率は︑基準年(一九六三年)の生産絶対額が低いと

ころから生じている︒生産絶対額を﹁先進国﹂と比べてみると︑一九七一年度の﹁GNP

﹂で

﹁先

進国

﹂二

O

九億ドル︑世界(﹁中央計画諸国﹂も含めて)の六六

w m に

対し

て︑

七ぎは四二三三億ドルで世界の一四銘にしか満た丸一川︒さ︑りに︑世界の1一2を占める発展途上国の人口が一九六

O

一‑一忽︑総計一四符増加ム此ことを考えあわせろと︑発展途上国の一人当 発展途上国(国連加盟一

O

ニカ

国︑

国連全体の七

i

Q

年に年平均二・五%(﹁先進国

りの﹁GNP﹂の伸び率は︑

一九

Ot

六五年に﹁先進国﹂の四・

OM

にたいしてニ・七

M m ︑

一九

六五

1

七一年に

‑ 六

M m にたいして三・一銘と︑発展途上国が﹁先進国﹂を下回ってさきの鉱工業生産の伸び率とは反対の結果とな

り 比 て ー そ 人

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12の に 絶

す 対 ざ 額 な(に L

、 ε

て も

一九七一年には二四七ドルと︑﹁先進国﹂フランス︑西ドイツの三

0 0

0

ドルに

っさに︑さきの発展途上国の製造業の成長の内容について︑一歩たち入ってみてみよう︒第三表は製造業の主要部

門をとりだし︑各々の成長を示したものである︒まず軽工業部門についてみると︑いずれも︑近年︑年平均六

1

M m

と︑比較的高いのびを示している︒だが︑この軽工業部門の生産物には︑つ︑きのようなものが大きな比重を占めてい

発展

途上

国の

工業

化の

現状

と問

題点

(6)

F l i E I l E i   l j

I

~瓦El

発展

途上

国の

工業

化の

現状

と問

題点

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る︒すなわち︑﹁食料・飲料﹂には︑植物油やコーヒー︑

ミ.N HU AH   NH ()  

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﹁木製品﹂はベニア板︑角材︑﹁紙﹂はパルプ︑等の農林一次加工原料製品であるG ココア︑茶︑﹁繊維しは綿糸︑合成繊維︑﹁皮製品﹂は皮革︑

つきに重工業部門をみると︑い

ずれも︑年平均伸び率は軽工業のそれを上回り︑石油製品は一九六九

1

七一年に平均九・四銘増大し︑

は六三年の一・八九倍︑非金属鉱物製品入・六%︑ 一九七一年に

び亜鉛の六金属)五%︑ 一・八五倍︑卑金属(アルミニウム︑鋼︑鉛︑ニッケル︑錫およ

‑七倍︑金属製品に至っては一一鋭︑二・コ一五倍に達している︒これらはいずれも発展途

上国に豊富な埋蔵量を誇る鉱物資源の︑原料・動力用一次加工製品生産の増大を意味する︒このように発展途上国の

軽工業︑重工業の両部門におけるーーーとりわけ後者の││高い生産の伸びには︑農林産品・鉱物資源の一次加工製品

の生産増大が大きな比重を占めているが︑このことはつぎのことをあらわしている︒それは︑戦後一五

t

0

年間に

(7)

﹁先進嗣﹂では独占資本の復興を経︑資本の﹁過剰﹂が顕著となって﹁民間﹂資本輸出が︑泊発化し︑また独占資本の

高成長に伴う﹁先進国﹂間の資源獲得競争が激化し︑さらに反﹁公害﹂闘争高揚による工場立地難に促されて︑これ

までのように発展途上国の原料資源を直接輸入して本国で加工することから︑発展途上国の豊富な立地・安価労働・

低地価による利潤幅増大をねら︑7

︑製

鉄︑

アルミ精練︑石油精製︑石油化学︑パルプ︑製材︑製皮︑製糸等︑近代工

場の﹁原地進出﹂││これによって同時に︑資源収奪を﹁原地﹂住民に隠蔽することをも意図される!が急増して

いることをあらわしている︒さらに︑原料加工ばかりでなく︑衣料・食品等消費資料生産︑電機器具・機械部品生産

市一守の省方化困難な労働集約部門の伸びも外国企業あるいは合弁企業によるものが多く︑近午はさらに︑

一次

・二

次・

三次加工の一貫生産体制をめざす工場進出の増大傾向もみ︑りれるのである︒

このような内容の︑発展途上国の鉱工業生産の増大は︑はたして発展途上国の工業化に役立っているかとうかを︑

つ︑きに発展途上国の貿易の現状から検討してみよう︒第四去の︑発展途上国から﹁先進国Lへの輸出をみてみると︑

一九

六年には食料︑原材料︑燃料の順に輸出額は多く︑前二者は全輸出額のそれぞれコ一一・五%︑二人・九%をし

O

め︑この二者で全体の約六C%安占めていた︒﹁原材料﹂というのは鉱石︑原木︑原皮︑綿突などの未加工一次産品

である︒ところが︑

その

後一

0

年間に輸出状況は変化した︒すなわち︑食料︑

原材

料は

絶対額ではわずかずつふ

︑ ぇ ︑

0

年間にそれぞれ一・六倍︑一・四倍になったものの︑構成比は逓減し︑一九七一午度にはそれぞれ二ニ・

一七・四形に落ちこんでいる︒これに対し︑燃料は︑一九六C年の五一・七億ドル︑構成比二六・七%が一九七

一年度には一八三・二億ドルへと三・五倍︑構成比三五・二

M m に達し︑全輸出中の首位に立った︒とりわけ近年の燃

料の伸びは著しく︑一九七一年度は対前年三一%も増大している︒原油ならびに精製石油製品の輸出増大がはっきり

発展

途上

国の

工業

化の

現状

と問

題点

(8)

発展途上底の工業化の現状と問題点 発 展 途 上 国 の 商 品 別 輸 出 入 ( 名 目 価 格 単 位10億ドル〕

取明示 5 1 l 9 6 9 l 日

70

971

6.24 I 31.5  5.73 i 28.9  5.17 ! 26.7 

22.3  17.4  10.24 

7.99  9.52  7.17  8.37  6.99  7.29  6.13  第 4表

食料など 原 材 料

1960 

13.95  12.48 

1.0 

1.4 

100  10.9  5. J 

1.4 

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5.23  2.41  0.65  0.63  4.49  17:36  11. 98  2.01  0.35  0.56 

3

4 2

4刈守一

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0.55 

15.52  10.64  4.01  8.37  燃料など

0.9  0.3  0.18  0.05  2.38  化学製品

機 械 その他の 製品

メ主

食料など 原 材 料

9.3  燃料など

化学製品 機 械 その他の 製 品

t .  

三 一 42.49 .  100 

2.15 

1.93 

24.7 

1.51 

食料など

4.30 I 34.8  0.49 

0.66 i 

2.70! 23.0  12.34 I 

13.0 

1.60 

1.38 

3.76 

五 4.0 

5.0 

100  3.54 

1.07 

2.64 

0.25  0'39  18.2 

37.2 

0.41 

0.92  15.8 

6.10 100 

『国連涜計年鑓~ 1972  P 44~45)

l.U 

2.27 

0.51  2.51  10.33  原 材 料

燃料など

0.29 

1.38 

7.65 

1.8 

2.3  0.11  0.14  化学製品

機 械 製口その他の

口 "

t .  

i

発展途上国

ll

v発展途上国

(9)

あらわれている︒これと並んで﹁その他の製品﹂が急増し︑

一九

O

年に一三一・八億ドル︑構成比一一・七労が一九

七一年度には八二・一一億ドルへと三・五倍︑構成比二二・七銘に達している︒そしてこの燃料と﹁その他の製品L

二者が合計二六五・四億ドルと︑人主輸出額中の約六

O%

を占めるようになっている︒この﹁その他の製品﹂の中には

﹁先進国﹂か︑勺進出してきた労働集約的工菜の製品の他に︑ささにみた生産伸長著しい

11

iこれも外資系企業による

11

1 鉄鋼︑卑金属︑ゴム︑皮革︑繊維︑木製品等︑工業用一次加工原料製品が大量を占めている︒さらに︑発展途上

国域内貿易をみると︑これらの燃料︑その他の製品は絶対額では七

O

億ドルと﹁先進国﹂むけ輸出の約1一4にすぎな

ぃ︒この事実か︑り︑近年︑発展途上国で増産が続けられている石油製品︑鉄鋼︑その他の原料一次加工製品は︑

(/) 

大部分が﹁先進国﹂の需要を満たすために輸出され︑発展途上国域内では僅かの部分しか利用されていないとい︑っこ

とになる︒その典型例は中東の石油であるQ中東のエネルギー生産は一九六三年四二五(石炭換算百万メートル﹀は

一九七一年に四一

OO

となり︑そのうち輸出は四

O

一から三九九六と生産に正確に比例して増大し︑他方エネルギー

消費は船舶用以外は︑わずか一九六一二年三七三人当り四三一旬)から一九七一年八五(七八三旬﹀へと増大したに

すぎず︑これはヨーロッパのエネルギー消費の1

一 日

(1

一5︺にすぎない︒そして︑たとえばサウジアラビア︑

クヱ

l

トでは︑石油生産は国民総生産の王

CM

以上︑石油輸出による外貨収入は︑財政収入の七

01

C%

を占めていろG

﹂のように︑発展途上国は︑﹁先進国﹂すなわち帝国主義国により︑年々定大な原料・動力資源を収奪されており︑

さらにこの原料加工に支出される発展途上国人民の剰余労働ならびに必要労働をもあわせて収奪されているのであ

る。

ついで︑発展途上国の﹁先進国﹂からの輸入をみてみよう︒まず食料は︑構成比では一九六

O

年の一一ニ・五銘から

発展

途上

国の

工業

化の

現状

と問

題点

(10)

発展

途上

国の

工業

化の

現状

と問

題点

一九

七一

年に

0

・九勿へと減少したが︑絶対額では二九・五億ドルから宜二・三億ドルへと一・八倍に増大してい

る︒このことの意味は次節で検討することにしよう︒とくに変化の顕著なのは化学製品︑機械︑その他の製品の増大

であり︑いずれもこの一

0

年間に二倍以上︑とりわけ機械は一九六

Q

年の七五・九億ドル︑構成比三四・八%が︑

九七一年にニ

C

一億ドルへと二・七倍︑構成比四六・一労へと増大が著しい︒これらの増大は︑﹁先進国﹂金業

1 1

とくに原料加工︑労働集約部門ーーーの﹁原地﹂進出の急伸に対応するものであり︑製鉄・精油プラント︑その他工作

機械︑また鉄鋼︑塩化ピニル等工業用原料の受入れ増大をあらわしている︒そしてこの機械︑化学製品︑工業用原料

の﹁先進国﹂よりの受け入れ増大が︑発展途上国の工業化に役立りていないことは︑発展途上国の機械︑化学製品の

輸出が︑対﹁先進国﹂一

O

億ドル︑構成比二・四形︑対域内一

O

億ドル︑構成比九・

O M

と極めて僅かであることか

らも確められるω

﹁先

進国

H帝国主義国の発展途上国への企業進出は︑あくまで資源獲得︑利潤増大をねらうむの

であるのと同時に︑過剰商品のはけ口ともなっており︑けっして発展途上国の自立的な工業化を許すものとはなりえ

ない︒機械や化学製品の受け入れ増大という事実は︑したがってまた︑発展途上国の伝統的民族工業の破壊という意

味をもあらわしているのである︒

このように︑発展途上国の近年の鉱工業生産の表面上の比較的高い伸びも︑その内訳と貿易の現状をみてみると︑

けっして発展途上国の工業化が順調に進められて︑自立的な民族経済が建設されていることを意味しておらず︑反対

﹁先進国﹂日帝国主義国によって新しい方法で︑貴重な動力・原料資源を収奪され続け︑伝統的な民族工業を破

壊され続け︑勤労人民の剰余労働・必要労働をますます激しく搾取・収奪され続けていることを意味する︒

つま

り︑

発展途上国の︑数字に争りわれた﹁先進国﹂を上まわる鉱工業生産の高度成長は︑じつは︑外国独占資本の高度成長

(11)

であり︑発展途上国の帝国主義への従属の深化をあらわすものである︒このことをつぎに︑発展途上国の﹁先進国﹂

からの﹁援助﹂受け入れという点から︑再度考察してみることにしよう︒

( 1 )

表中の一先進国﹂とは︑国連統計局の定義にしたがって︑北アメリカ(カナダおよびアメリカ合衆国)︑ヨーロッパ(東

ヨーロッパを除く)︑オーストラリア︑イスラエル︑日本︑ニュlジランド︑南アフリカを指す︒その数は︑国連加盟=ニ二

刀国

中三

0カ国である︒そのうち発展途上函への﹁援助﹂供与国は︑OECD(経済協力開発機構)の中に設けられたDAC

(開発援助委員会)に結集しており︑アメリカ︑フランス︑イギリス︑西ドイツ︑ベルギー︑イタリア︑ポルトガル︑スイス

オーストリア︑デンマーク︑オランダ︑ノルウェー︑スェlデン︑一カナダ︑日本︑オーストラリアの十六カ国が数えられる︒

さらにそのうち︑アメリカ︑フランス︑イギリス︑西ドイツ︑日本の五カ国の﹁援助﹂供与額は群を抜いており︑DAC加盟国総﹁援助﹂供与額一九七0年度一五五億ドルのうち︑五カ国合計は一二四億ドルと︑八割を︑また﹁国民所得総額﹂で八割

五分を占めている︒ーーさらにそのうち︑アメリカ一図が半分を占めている︒それ故︑﹁先進国﹂概念のもつ意義の大部分を

これら五カ国が占め︑したがって︑当面の考察では︑﹁先進国﹂という場合︑もっぱらこれら五カ国が問題とされる︒

(2

﹀発展途上国とは︑函連の定義にしたがって︑ヵリブ海諸国︿キューバを除く)︑中南米︑アフリカ(南アを除く)︑中東お

よび東南アジア(イスラエル︑日本︑中国︑北朝鮮︑モンゴル︑北ベトナムを除く)の諸国を指す︒

( 3 )

﹃経済協力の現状と問題点﹄通産省一九七二年版四ページ

( 4 )

﹃世界経済白書﹄一九七二年版一六六ページ

(5

﹀明経済協力の現状と問題点﹄一九七二年版九ページ

( 6 )

﹃国連統計年鑑﹄一九七二年版三八

1

三九ベ!?

( 7 )

﹃世界経済白書﹄一九七一年版二七五ページ

﹁援助﹂による成長維持 まず発展途上国全体について︑

﹁先進国﹂からの﹁援助﹂流入についてみてみよう︒第五衰によると︑

﹁先

進国

発展途上国の工業化の現状と問題点

(12)

保田高畑斗回Q判事棋会28型車:'J$--\)l:l[~盟抱i同国

5表DAC加盟国の援助総額の形態別構成(単位百万ドル〕

1971 1960 1965 1969 1970 実績I対の前び率年I構成比

政2国間贈与3,692 3,714 3,250 3,354 3,681 9.7 20.1 

府2国間借款439 1,854 2,324 2,396 2,785 16.2 15,2 開

発 多国間援助534 348 1,047 1.124 1.262 12.3 6.9  援その他300 283 570 1,144 1.279 11.8 7.0  JljJ J日』3十4,965 6,199 7,192 8,017 9,007 11.1 42.3  民直接投資1,767 2,468 2,910 3,557 4,075 14.6 22.3 Itlj 

'" 

輸出信用546 751 2,047 2,211 2,802 26.7 15.3 

スその他837 902 1,630 1.249 1.506 10.6 17.2 

金資J日』言十3,150 4,121 6,587 7,019 8,383 19.4 45.9 

政府・民間合計8,115: 10,320 13,779, 15,036, 17,390, 15.0, 100 11 .L,VJVL.lV.1.'‑', II "'1 .J.'‑"I .J 'oJ.JVj J.vvl 

(:封所『経済協力の現状と問題点』通産省1972年版P37) 

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G  I

鞘醤

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GllSペ~'4刑法ベJ,.__)ド壮E陽一者10-1阿波:トο型~+<,.__)\'-ノおむ,1・只4-11社側~べ騎

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1.11

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唱E白書,

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(13)

贈与の伸びが停滞し︑これにかわって借款の伸びが増大している︒だが︑さらに顕著なのは︑六

0

年代後半﹁民間﹂

ベース﹁資金﹂の伸びが大幅であることであるeすなわち︑直接投資は︑

一九

年の一七・六七億ドルが一九七六

O O

年には三五・五七億ドルへ二倍強に︑さらに一九七一年には四

0

・七五億ドルと︑対前年一四・六%増大し︑また輸

出信

用は

一九

O

年の五・四六億ドルが一九六五年に七・五一億ドルと伸びの僅少であったものが︑

一九

O

年に

は二二・一一億ドルへと四倍強に︑さらに一九七一年には二八億ドルへと対前年二六・七銘の伸びを示している︒そ

してこの両者の合計額は︑

一九

一九七一年には四五・九六

O

年に政府・﹁民間﹂合計額の三八銘であったものが︑

M m

へと増大して政府﹁援助﹂を追い越し︑今後ますます増え続ける傾向を示している︒このことは︑発展途上国の六

O

年代を通じての外資導入が︑政府借款・贈与中心で︑借金経済の重圧がかかってきたため

(後

述)

0

年代を前後

して︑民間資本を積極的にとり入れる方策をうち出しはじめたためであり︑他方︑﹁先進国﹂の側からすると︑六

O

年代中頃までは発展途上国の反共弱体政権の強化をねらう︑政治的性格の濃厚な︑かつ﹁民間﹂資本が出てゆくため

の環境づくりという意味合いを強くもった政府﹁援助﹂にかわって︑六

0

年代後半からは資本﹁過剰﹂の膨大化と相

侯っていよいよ本格的な超過利潤追求の私的独占資本の投資活動が活発化したためであると考えられる︒

このような﹁先進国﹂から発展途上国への﹁資金﹂の流入と︑発展途上国の鉱工業生産の伸びとが︑比例した関係

にあることは︑第六表にはっきりとあらわれている︒発展途上地域のうち︑中東と並んでもっとも鉱工業生産の伸び

の高い東南アジア諸国をみてみると︑いずれも﹁先進国﹂からの﹁援助﹂受入れは極めて高く︑この地域だけで︑発

展途上国全体の半分の﹁援助﹂を受け入れている︒なかでも︑一九六九

t

七一年の年平均政府﹁援助﹂受入額︑イン

ド九億ドル︑韓国三・三億ドル︑パキスタン四・四億ドル︑南ベトナム四・五億ドル︑イラン一・六億ドル(﹁中央計

発展途上国の工業化の現状と問題点

五五

(14)

(アジア) イ ン

ノ、

イ ン ド

(中東〉

イ ラ イ ス ラ エ

(ラテンアメリ方〉

ア ノ レ ゼ ン チ チ リ メ キ ベ ネ

ノ、

フ コ

発展途上国の鉱工業生産の伸び率と公的援助受け入れ額 (69~71 年年平均〉

l

酬 援 助 受 け 入 灼 額 百 万 ド ルl

鉱工業生産 の ぴ 率 劣 第6表

発展途上国の工業化の現状と問題点

68~70年平均

68""70年平均 68""70年平均

906.8  330.5  437.2  78.9  452.1  38.5  89.7  457 5  5.1 

18.6  8.3  3.5  19.2  16.6  8.8  6.5  ド

国 ン ン ム ル イ ア キ ス タ

ィ リ ピ ベ ト ナ

グ ボ

製造業のみ

65""'66年のの 製造業のみ 68'""'70年平均 68"‑'70年平均 35.9 

62.8  67.9  81.4  141.6  15.1  22.8  42.1  260.3  177.5  23.4  22.3  53.4  14.3  16.8 

12. J  7.8  9.1  8.2  1.9  6.2  8.6  10.4  8  10 

5.2  8.9  4.9 

ノ レ

コ ラ マ ア ル ア ル イ

ピ ド ア ピ ジ ネ

五六

68""'70年平均

68"‑'70年平均

業造

﹀ 日 成 み

一作

日の 一︑

一ムHM

li

li

‑‑

l‑

J

L } 

9 '

︒ ︒

 

116  61.3  104.6  121.2  20.2  30.4  71. 3.5 

3.2  6.1  8.5  2.5  3.1  5.7  イ

ア ナ ゴ ア ア ル ア

H Y  ツ ビ カ ロ ク ラ

グ ノ レ レノ グ (アフリカ〉

ア ル ジ ヱ

モ チ

ン ネ

ズ ナ

エ パ ベ

通産省『経済協力の現状と問題点~ 1972 

(出所

(15)

両諸国﹂よりの受け入れを含めて)︑

タイ

0

・九億ドル(政府・﹁民間﹂合計では一一一億ドル)︑インドネシア四・六億

ドルは︑発展途上国のなかでも群を抜いて高く︑

一九

六九

t

七)年の年平均鉱工業生産成長率はそれぞれインド五・

一%︑韓国一人・六一泊︑パキスタン入・三街︑南ベトナム一九・二労︑イラソ一六・入第︑タイ八・人労(﹁

GNP

﹂で

)︑

インドネシアムハ・五%(向)とやはり高く︑インド以外はいずれも第六表平均成長率八・

OM

m(

一GNP

﹂平均は六・

OM

m)

含上まわっているQさらに︑ラテンアメリカでは︑チリi︑メキシコ︑ブラジル︑コロンビア︑ペルl

︑ア

フリ

カではチュニジアが︑年平均一億ドル前後の政府﹁援助﹂を受け入れており︑鉱工業生産成長率はそれぞれチリ!九

一 %

メキシコ八・二第︑ブラジル一

0

・四

%︑

コロンビア八%︑ペルi八・九鋭︑チュニジア八・五

M m といずれ

も平均を上回っているν

そし

て︑

フィ

リピ

ン︑

ベネズェラ︑パナマ︑バラグアィ︑ウルグアイ︑ガiナ︑ザンビア︑

セネガル︑ケニアといった低鉱工業生産成長率の国では︑多くが﹁援助﹂受け入れは年平均四千万ドルに満たない︒

さらに︑第七表の一九七一年十一月︑国連が採択したいわゆる﹁後発発展途上国﹂の二五力国リストをみてみると︑

一九

Ot

六八年﹁

GNP

しで年間平均三・五労しか伸びておらず︑公的﹁援助﹂受入れ額も一九六九

1

七一年平均

二千三百万ドルであり︑これは﹁主要発展途上国﹂三

0

カ国の﹁

GN PL 成 長 率 平 均 六 二 勇 三 九 六

t

七(肖)

公的﹁援助﹂受入れ一億三千八百万ドル(一九六九

t

七一年)にくらべて成長率約1一2︑﹁援助し受入れ約1一6

であ

Qこのような低﹁援助一受入れ国は︑概して人口少く︑重要鉱物資源未発見であり︑工業の初歩的条件未発展の︑

したがって資本輸出の﹃可能性﹄の少い国であるといえる︒こうして﹁先進国﹂から発展途上国への﹁援助﹂の多寡

が︑発展途上国聞の鉱工業生産成長率(あるいは﹁経済成長率﹂)の大小格差を生み││ただし︑﹁援助﹂による高度

成長は外国独占資本の高度成長であることは1でみたとおり

! i

︑富国と貧困との対立を生みだしている︒とくに重

発展

途上

国の

工業

化の

現状

と問

題点

五七

(16)

第7表 「後発発展途上国」の経済成長率と公的援助受入額

l~…平均 68'"叩均GNP成長率

l

公的援助受入

(%)  額百万ドノレ

発展途上国の工業化の現状と問題点

28.89  0.15  15.23  17.45  23.44  17.93  48.31  24,91  4.91  69.13  12.86  31.67  0.38  23.74  17.95  36.36  21.38  32.25  10.58  55,14  29.45  25.38 

1.17 

8.28 

QUQU

4 4

τA

U P O A

FUPO

μQQqMaιτ0041

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/

dnvnu

︒ ︒

t i t A Q d ヮヴ 4 4 A A τ F U

1ょ っ

AQU9hqυり白うA

4 1 L

4

iuqOA

10b

五八 23.2  P28と32

4.8 

(出所 退産省、『伝済協力のJ党主どとi色 点lj1972  ら作);:よ〕

ア イ

ー 夕 、 ン ザ

サ コ ニ

3.5  平 均

要鉱物資源産出国︑たこえば石油を産する中東諸国は︑帝国主義の﹁援助﹂が集中し︑そこでの支配階級は莫大な石

︒ ︑

7

rF HV J 

油収入

1 1

今日︑数百億ドルにものぼるといわれる﹁オイルダラi﹂がユl口市場で利ザヤ稼ぎに暗躍し︑国際通貨

危機の陰の主人公となっているーーを得︑他の﹁持たざる国﹂との貧富の差を著しくして対立関係すら生みだし︑今

ノ レ

ノ レ

マモマネ‑一

西

二L

ハ ラ レ

(17)

i 4 1 1 1 8 l  

『経済協力の現状と問題点』通産省1972

め 下 ブ 吋

HU

一ト ス

f引一ツン一作

官 一 ネ ラ ア (

49  44  発展途上国 (80カ国〉への資金の流れと債務返済

(単位

i z

ごトフ

(3)(1)(2)

済 額

1966 

9  ]0 

(2)I利

26  28  返 第8表

供与需[元

82  84  1965 

57 

11 

29  97 

1967 

59  70 

45  13 

33  102 

1968 

59  53  71 

70  50 

59  15 

35  107 

1]2  1969 

]970 

発展

途上

国の

工業

化の

現状

と問

題点

﹁南の中の南北問題﹂︑あるいは

﹁南

々問

題﹂

といわれる現象

を生みだしている︒

かくして︑発展途上国ほ︑﹁先進国﹂からの﹁援助﹂に依存する

P22) 

ことによってのみ︑工業生産を維持し︑財政破綻から免れている︒

すなわち︑経常収支の赤字を資本収支の黒字が埋めているのであ

る︒発展途上国全体をみれば︑恒常的入超を主要因とする経常収支

の赤

字は

一九

O

年には六

O

億ドルにものぼり︑これを資本収支

の黒字が埋め︑総合収支としては一九六三年以降三

O

情ドルの黒字

を維持し︑外貨準備高も一九六

Ot

O

年平

均七

・一

ニ勿

増え

続け

一九

O O

億ドルに達している年には二一このことは︑多くの発Q

展途上国の︑常国主義の新植民地主義への従属化を意味するに他な

らないが︑それをもっとも端的にあらわすのが︑年年ふえ続ける

﹁先進国しからの債務累積H借金増大をかえすために︑さらに﹁先

c : t

i所

進国﹂からますます多額の資本導入H借金をしなければな︑りないと

いう︑発展途上国の債務奴隷への転落である︒

一九

O

末現在︑発

展途上国全体の債務は六七

O

億ドルという巨額に達してい日︒

一九

O

年を前後して︑六

0

年代初めに受け入れた長期借款の元本償還

五 九

(18)

発展

途上

国の

工業

化の

現状

と問

題点

ノ ¥

が開始され︑また︑近年輸出信用をはじめ厳しい条件の商業べ!ス債務が大きく伸びたため︑発展途上国の債務返済

額も急速に伸びはじめている︒第八表は発展途上国への﹁資金﹂供与額と債務返済について示したものであるが︑供与

額の増大に対して︑返済額も元本︑利息とも増大しており︑なかでも一九七

0

年度は返済額五九億ドルと︑

一九

六九

年まで年一

O M

m

の伸びに対して一入勿も伸びている︒そして︑供与額の五

O%

が債務返済にあてられている︒また︑

債務返済比率(債務返済額が全輸出中で占める割合﹀も年々増大し︑

一九

0

年度には発展途上の九カ国(インド︑

パキスタン︑韓国︑ブラジル︑

アル

ゼン

チン

メキシコ︑チュニジア︑アフガニスタン︑

トル

コ)

が︑

一 五

t

一 一 五

M m

の比率を占め︑さらにこの傾向が続くならば一九人

O

年には一七カ国が一五

t

O%

︑一

0

カ国が二

OJ

一 ニ

O M

m

︿5つまりコ一四カ国もの国が一五

M m

以上の比率を占めることになると予測されている︒そのた

して

七カ

国が

コ六

一一

) M m

以上

め︑こうした借金重圧のなかで発展途上国はなおかつ﹁成長﹂を維持するために︑近年︑外国﹁民間﹂資本による直

接投資に門戸を広く開放し︑ますます帝国主義への経済的従属を深めてゆかざるをえなくなっている︒たとえば韓国

では﹁民間﹂直接投資は一九六五年までは年間二千万ドルそこそこであったが︑一九六六年以後一挙に年間二億

1

億ドルにふくれあがっている︒このような借金経済においては︑﹁先進国﹂からの﹁援助﹂がわずかばかり減少きれ

ただけで︑たちまち績務返済不能︑﹁成長﹂停止あるいはマイナスという破産をきたさざるをえない︒こうして発展

途上国は︑いずれも﹁経済協力﹂︑﹁開発援助﹂と銘うった︑帝国主義からの政府借款によってはますます多くの利子

とひもつきによる特別利潤を横奪され︑﹁民間﹂資本投下によってはますます多量の人民の剰余労働・必要労働︑貴

﹁外国民間投資は当該天然資源の本当の市場価値を発見し︑天

然資源の保存と開発の経済的重要さを強調する役割を果たす﹂という︑御用学者のもっともらしい理由を付されて遂 重な原料・動力資源を収奪されている︒この収奪は︑

(19)

行されているのである︒

ところで︑第二次大戦前後の植民地の反帝独立運動では︑多くの場合基本的には民族ブルジョアジーに運動の指導

権を許し︑民族フルジヨア政権の樹立をみたが︑この政権は︑帝国主義の新植民地主義的攻勢

1

1ーその中核が経済﹁援

助 ﹂

1l

iの前に︑今日では﹁援助L導入・依存の大きくなるにつれ︑常国主義への従属的性格を一一属強めている︒民

族ブルジョア政権のもとでの﹁国家セクターしの創出・拡大は︑帝国主義の新植民地主義的支配を許しやすくした一

要因であったQすなわち︑帝国主義は﹁国家セクター﹂を﹁援助﹂侵透の絶好の通路として利用したのであり︑外資

導入に際して帝国主義に﹁便宜﹂を計︑

? 7

政府高級官僚には莫大な﹁手数料﹂・賄賂で私腹を肥やさせ︑これと結びつ

きを強める圏内資本家には外国独占資本との合弁で利潤を得させ︑こうして帝国主義に依存・従属を強めるいわば官

僚的な︑民族ブルジョア右派を育成し︑その政治指導力を強めさせることになったのであるιこのように帝国主義は

﹁援助﹂を通じて発展途上国経済を自らに従属させながら︑同時に︑その政権をも従属させてゆき︑軍事同盟に加入

させたり︑自主外交を剥奪したりして︑発展途上国の政治的独立をも無内容化させているcこのように︑帝国主義よ

りの﹁援助﹂依存を強めることによってのみ︑自らの存続・支配を図るようになっている民族ブルジョア政権のもと

では︑帝国主義によるつ開発﹂H出発展途上国の貴重なF目然資源︑人的資源の存分の収奪・搾取を許し︑それによって

国内の階級分裂と貧富の差を拡大させ︑また債務返済額の増大を人民の肩に転化

li

すなわち︑債務返済額の増大は

その財源として発展途上国政府に租税収入増大︑公債発行増大を迫らざるをえないが︑これが税金とりわけ間接税の

増大とインフレーションによる物価高騰によって︑人民の血肉を削りとるのである│!せざるをえなくなっている︑

li

このことによって︑その数を増大させつつある労働者階級を先頭とする広範な勤労人民大衆が︑帝国主義なちび

発展

途上

国の

工業

化の

現状

と問

題点

(20)

発展途上国の工業化の現状と問題点

ノ、

にこれと結合を強める民族ブルジョアジーの支配の聴から脱するために︑立ちあがらざるをえない条件が今日急速に

形成されている︒

かくして︑以上の考察より明らかになったことは︑発展途上国の現在の表面上の高い鉱工業生産の伸びが︑工業化

の順一調な進行を意味するもめではなく︑じつは外国独占資本の高度成長を意味し︑帝国主義による天然資涼ならびに

人的資源の収奪強化をあらわすものであり︑人民の生活を犠牲にした債務奴隷︑すなわち帝国主義の新植民地主義へ

の従属の深化をあらわすものである︒しかも重要なことは︑このような従属的﹁工業化﹂が︑発展途上国の農業生産

を極めて低い水準に低滞させたままに︑およそ農業と関係なく︑おしすすめられていることである︒これは帝国主義

の新植民地主義のもっとも重要な政策の一つである︒つぎにこの点を︑発展途上国の農業の現状をみることにより考

察してみよう︒

( 1 )   ( 2 )  

(3

( 4 )   ( 5 )   ( 6 )  

﹃世界経済白書﹄一九七一年版三三六ページ﹃国連統計年鑑﹄一九七二年版一五四ページ﹃世界経済白書﹄一九七二年版三三八

1

三三

九ペ

ージ

﹃経済協力の現状と問題点﹄一九七二年版一二ページ同二三ページと二六ページ

﹃ 七 0年代の東南アタア経済﹄ラ・ミント著日本経済新聞社一Q

三ペ

ージ

発 展 途 上 国 の 農 業 の 現 状 1 

農業生産の内容

(21)

発 展 途 上

国σ

工 業 化

~

現 状 と 題 問

J~

第9表 農 業 生 産 指 数

(1952'"""'56年の平均=100)

11

叶 臨 │ 澗 │ 州

1971 年 ち の 率

I tl'i己数 │対ひ削。率年11960  3965  4960  の '"""'65' '"""'70  '"""'70  133:  148 152!  158  3.9 2.3  2.7j  2.5 

先 進 国 計 156  1.9  2.5  2.2 

発展途上国計 121  138  154  1.9  2.7  2.9  2.8 

ア フ リ カ 1201 133  145  149  154  3.4  2.1  2.3  2.2  ラテン

アメリカ 124  144  154  153  159  0.6  3.7  1.9  2.8 

中 東 1641  163'  170'  2.4  2.8 

東 南 ア ジ ア 121  13  155  161  1. 91 2.0:  3.7  2.9 

<産>1人当り生

世 界 計

~~~I

107  111 

先 進 国 計 110  114  12]  123  1281  4.11  0.71  1. 51  1 .1 

発展途上国計 105  105  106 106  1

0.9 0

ア フ リ カ 104  102  101  101  101'  0 ‑0.41  ‑0.21  ‑0.3  ラテンアメリカ 1021 106  101  101  9 8 3 0 l 0 8 0 8 0 1  

中 東 109  111  107 

東 南 ア ジ ア 104  108  109 

明ー

0.9 0.41 0.91  0.3 

(資料 FAO 出所通産省『経済協力の現状と問題点~ 1972年版

P12"""'13) 

(22)

発展途上国の工業化の現状と問題点

主.W 

10表

4.23  4.13  1081 11.48  3.16  10.48  58.36 

17.46  19.521 

l西 欧 │ 北

; ; ; : (  

17.74  麦

麦 麦 ピ キ コ ロ イ ' ワウ モ

6iO31

2.69

CU:ijTFAO~世界農業白書~ 1971年版 付表より作成,極東l土中国,日本,

iヰ束はイスラエル,アアi);方は南アをそれぞれ除く)

6.44  2.78  0.35 

1. 75 

1.09 

1.98 

3.06  0.07  3.25  4.37  2.55 

1.31 

1.01 

0.17  0.96  米 l

叫戸!?子 L 己 1

7 7i) jJ 

10.27 

1.00 

6.26  10.27  6.56  18.44  0.74 

1.

6 6  

0.15  2.62  3.03  7.52  J 6.59 

2.43i  2.58 

1.17 

18.75  2.691 

od 

3.021 

1.67 

0.241 

AU

 

FA J 

μ

118.27  2.681  16.51  61.27  24.09  4.40  3.491  10.31!  21.79 

59.87  116.62  18.52  4.47i  11. 66!  5.891 

20.151 

1.16 

1.80 

11.03 

日寸

ン コ 橘 類 ナ ナ 豆 類 大 豆 寸')ーブ?出 野 菜 油 落 花 生 砂 糖 ゴ ー ヒ ー

0.18  コ

綿 コ フ フ ジニL ー ド 羊 毛 ゴ ム

Tガ イ モ

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六四

0.05  0.19  0.141 

(23)

まず︑発展途上国全体の農業生産の伸びをみてみよう︒

一九

01

O

年の

O

年聞の年平均伸び率は﹁先進国﹂

二・二%にたいして発展途上国二・八

M m と ︑

﹁先進国﹂をわずかばかり上回っており︑一九七一年には一九五五年当

時の一・六倍になっている︒地域的には東南アジア︑中東の伸びが高く︑六

O

代年後半の東南アジアは比較的高い伸

びを示している︒だが︑発展途上国の人口増大を考慮に入れて︑一人当り生産をみてみると︑

一九

01

O

年の

0

年間に﹁先進国﹂一・一銘の伸びに対して

0

・一

%の

伸び

つまり人口増加率と変らず︑全く停滞しているといわ

ねば

なら

ない

アフリカ︑ラテンアメリカなどは︑この一

0

年間に一人当り生産は減少している︒つまり︑農業生産

の伸びが人口増加に追いつかないという飢餓状態を生みだしている︒

さらに農業生産の内訳をみてみよう︒第一

O

表は︑ソ連︑中国︑東欧を除いた世界各地域の主要農産物の生産高を

示したものである︒これをみると︑発展途上国の基本的食糧︑すなわち穀物︑肉類等の生産高は︑米を例外に﹁先進

国﹂より断然低いことがわかる︒たとえば発展途上国全体の小麦の生産高は表中の三五労︑ミルク二九%︑肉二八銘

である︒これに対して︑発展途上国が多く生産しているものは︑豆類︑野菜油類︑砂糖︑

コ ヒ

ココ

ア笠

守の

執辺

性食糧・飲料︑また綿︑ジュート︑ゴム等工業原料用農産物である︒さきの発展途上国の農業生産の伸びには︑これ

らの部分の増大が大きな比重を占めているのである︒世界の半分以上の人口をかかえる発展途上国は︑このように︑

基本的食糧生産の低いままに︑奪修用・原料用熱帯性農産物生産に力を入れていることがわかる︒

このことから︑発展途上国は﹁先進国﹂から︑基本的食糧を年々大量に輸入しながら︑他方︑熱帯性農産物はこれ

を﹁先進国﹂に輸出して︑外貨収入の大部とするという状態が生みだされている︒第十一表はそれを明白に示してい

一九六九年度︑発展途上国は全体として﹁先進国﹂から︑発展途上国の小麦生産量の1一3にあたる二千万トン以

発展途上国の工業化の現状と問題点

六五

(24)

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11

表発展途上国の主要農産物輸出入数量(69年度,百万トン〕

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〈出所,FAO ~世界農業白書~1971年版

l有アをそれぞれ除く〕 1( 1( 

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(25)

発展途上国の一次産品特化率 (69年度〕

│日名[諸星雲

12表

0 4 6 4 0 4 0 0 4 3 7 0 0 2 2 7 0 6 0 0 4 0 0 8 0 7 4 2  

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│ 翌 日 ' ブ

) 綿 花

│ 原 油 ダ イ ア i

燃 料 i 石 袖 石 油 鉄 鉱 原 油

銅 ;

燃 料i

金 属 木 材 錫 鉱

『国連貿易統計年鑑~ 1969年版より

L m・ ノ 、 ク ア ド ノ レ イ ロ ン キ ス タ ン シ ン ガ ポ ー ル

カ ン ホ 、 ジ ア 中 央 ア フ リ カ 共 和 国 カ 守 ン ピ ア ガ ー ナ エ チ オ ピ ア ニ ジ エ ー ル セ ネ ガ ル ス ー ダ ン シ リ ア ア ノ レ ジ エ リ ア コ ン ゴ 民 主 共 和 函 イ ラ ン イ ラ ク ク ウ ェ ー ト リ ベ リ ア リ ビ ア チ リ ー イ ン ド ネ シ ア フ ィ リ ピ ン ボ リ ビ ア

‑ フ

プ コ キ エ セ パ

(出所 作成〕

(2

入総額は四六億ドルに達し︑年年三一

O%

ずつ増大している︒他方︑輸出の方をみると︑表の右半分に種々の著修用・

原料用熱帯性農産物が掲げられている︒それ故︑さきの発展途上国の農業生産の現状︑すなわち︑基本的食糧の生産

なる

小︑熱帯性農産物の生産大が︑前者の輸入大︑後者の輸出大という農産物貿易の現状を生みだしていることが明白と

さらに︑熱帯性農産物の生産︑輪出が︑発展途上国の外貨収入にどれほど大きな比重を占めているかを確かめてお

こう︒第十二表から︑特定の一次農産物輸出額が表中の発展途上各国の輸出総額の四

I

六割を占めており︑鉱業産品

発展

途上

国の

工業

化の

現状

と問

題点

参照

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