平成29年度 小牧市教職員研修講座
思考力を鍛える
-小学校算数での工夫-
愛知教育大学 志水 廣
主体的・対話的で深い学び
何が深い学びか
深い学びとは
「教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)」
(平成28年8月26日、文科省)
ⅰ)習得・活用・探究という学習プロセスの中で、問題 発見・解決を念頭においた深い学びの過程が実現で きているかどうか。
• 新しい知識や技能を修得したり、それを実際に活用 して、問題解決に向けた探究活動を行ったりする中 で、資質・能力の三つの柱に示す力に示す力が総 合的に活用・発揮される場面と、子供たちに思考・
判断・表現させる場面を効果的に設計し関連させな がら指導していくことが求められる。
「主体的・対話的で深い学び」へ
• 何か・・・・・・・・・・・・・ what
• 何のために・・・・・・・・ why
• どこを目指すのか・・・・goal
• どうやって・・・・・・・・・ how
本日の講演
「思考力」を算数の授業で
活用問題で考える 6年
この後、どんな問題を考えさせたいか
(深い学びへ)
ここでの深い学びとは何か
もう一歩考えたことによる深い学び
• 2つの式は同じと見ること ができる。
• 図形の移動(等積変形)、
合体
• 全体-部分
• 全体-部分において、全 体の内部であれば移動し ても面積は不変
• 内部からはみ出ると同じ ではない。
• 全体の形、部分の形は
変形してもよい 定式 A-B=P 不変
4年 下p17
たしかめましょう算数の見方・考え方の基本 何を考えるのか
その結果、何が生まれたのか
R (きまり)
A B
数字を見て「きまり」を導く
• 3年 重さ
• はかりのしくみ
• きまりを導く
• きまりを使う
• 提示手法 一部を隠す
算数の見方・考え方の基本①
何を考えるのか
その結果、何が生まれたのか
A R
という問題 (きまりを導き出した)
教科書にある 普通の教材で
「考える」ことの 吟味
3年 p52
何について考えるのか どんな方法で考えるのか
3年 p52
①分数の大小を比較しよ う。
②結果の見通し(予想)
③方法の見通し(どう やって調べるか)
→数直線で 左右位置で 大きさを判断
④結論 5/8は3/8よ り大きい。
3年 p52
思考の過程
①分数の大小を比較しよ う。
②結果の見通し(予想)
③方法の見通し(どう やって調べるか)
→数直線で 左右位置で 大きさを判断
④結論 5/8は3/8よ り大きい。
不等号> <で表現
3年 p52
一般化 きまり R
分母が同じとき、
分子が大きい方 が大きい。
言い換え、分子が小さい 方が小さい。
1(整数)と分数を比 べるときは、分数の分 母とそろえた分数と比 較するとよい。
3年 p52
その他の記載事項
その他 等号 不等 号の意味
・図の意味
・読み方 8/8=1
・3/8と5/8の比較方法 は数直線だけか
算数の見方・考え方の基本2
生み出されたきまりを使って 新しい問題を解く
R (きまり)を使う
問題 B Cを生み出す
何のために考えるのか
1 数学的なきまりを創るために
きまりR 分母が同じ分数は、分子どうしで 比べることができる。
[押さえるべきこと]
考える視点・道具
解決方法① 数直線を使って
② 1/5がいくつ分で
2 きまりを使って新しい答えを導くために
下の写真から2つの三角定規を見て
きまりを生み出す
しかけ1 しかけ2
本時の課題 活用・発展
(深い学び)1 きまりを類推する 2 迷う場面をつくる 3 比べる
4 ものをつくる
5 定義を確認・補足する 6 単純化・具体化する 7 隠す
8 視覚化する 9 逆を考える
① 数・形を拡張する
② 項を増やす
③ 演算を変える
④ 形を変える
⑤ □をつかう
⑥ 場面を変える
⑦ 逆を考える
⑧ if~notで考える
⑨ 別の内容と組み 合わせる
②次の分数の大小を等号、不等号を 使って式に表しましょう。
ア □はいくつですか。
2 3 □ 3 < 5 5 5 5
□、△はいくつですか。
□ △
<
5 5
「考える」ことの指導の留意点1
「教えることと」、「考えさせること」は明確に分けて 指導すること
•
算数科の内容は、定義と定理(きまり)に分け られることができる。
•
つまり、定義は教えるべきこと
•
定理は考えさせるべきこと
「考える」ことの留意点2
考えた足跡、つまり学習過程を残すこと
ノートに残す
板書に残す
「考える」ことの指導の留意点3
• 自力解決
• 見通しを立てること
• 問題の観察によって見 通しが立つ
• 安易に、二人学習、
グループ学習へと走ら ないこと
「考える」ことの指導の留意点4
• 考えることは時が経つと 忘れる。
• だから、毎日、文章題の 練習が必要。
• 継続的、系統的に練習 すること
②次の分数の大小を等号、不等号を 使って式に表しましょう。
ア イ ウ
2 3 2 10
1 1 5 5 3 10
②次の分数の大小を等号、不等号を 使って式に表しましょう。
ア イ ウ
2 3 2 10
1 1 5 5 3 10
考えている
子どもが
考えている授業
その証拠は授業の場面で、どこにあるのか
子どもが
考えていない授業
もんだい【問題】
①答えさせるための問い。解答を必要とする問い。題。
「算数の-を出す」 「英語の-を解く」
②取り上げて討論・研究してみる必要がある事柄。解決を要する事 項。
「それは-だ」 「 -を解決する」 「大臣の失言を-にする」 「 - 点を整理する」
③取り扱いや処理をせまられている事柄。
「就職の-で悩んでいる」 「それとこれとは別-だ」
④世間の関心や注目が集まっているもの。噂うわさのたね。
「 -の人物」
⑤面倒な事件。厄介な事。ごたごた。 「 -を起こす」
• 大辞林 第三版の解説
「題」 とは
1 書物、または文章・芸術作品などの趣旨・内容を 簡潔に、総括的に示す見出しの語句。標題。
タイトル。 「題をつける」
2 詩歌などに詠み込む事柄。
「秋の風物を題に歌を詠む」
3 解答を求めて出す質問。問題。
[接尾]助数詞。試験などの問題を数えるのに 用いる。 「五題できた」
•
デジタル大辞泉
「考える」ことの保証
○ 黒板に問題文がある こと
○ 何を基に考えて、新し いきまり(性質)を導い たか・・・問題解決過程 の明示
○ 図、数直線、線分図、
関係図
×問題文がない
×基になることがない
×推論がない
×過程がない。結果のみ
×根拠となる操作や図が ない
し こう 【思考】
①考えること。また,その考え。
② 〘哲〙 〔
thinking〕
意志・感覚・感情・直観などと区別される人間 の知的作用の総称。
ⅰ 物事の表象を分析して整理し,あるいはこ
れを結合して新たな表象を得ること。
ⅱ 狭義には概念・判断・推理の作用による合
理的・抽象的な形式の把握をさす。
かんがえる【考える・勘える】
① 物事について、論理的に筋道を追って答えを出そうとする。思考する。
② さまざまなことを材料として結論・判断・評価などを導き出そうとする。
③ (形容詞・形容動詞の連用形に付いて)それが…である、という感情や評 価をもつ。…だと感ずる。
④ 結論を出すための材料の一つとみなす
⑤ 計画する。意図する。
⑥ 工夫して新しいものを作る。
⑦ 罪を問いただす。処罰する。
⑧ 比較検討や占いの結果に基づいて判断する 三省堂 大辞林より
考える力
大枠では、類推の考え
帰納の考え:実験的な活動からあるきまりを 創る。算数的な活動のほとんど。
演繹的な考え:論理の積み重ね。
AならばB、BならばC
背理法:もし~~したら、~~が成り立つかどう
か。
深い学び
•
一般化すること・・・いつでも成り立つか
•
問題・法則が成り立つ前提条件・・・どういう場 合に成り立つか
•
問題の中の条件の拡張
ごく普通の教材での深い学びは
•
問題を発見し、解決すること
•
自ら考えること
•
考えていることの過程を討議すること
→
結果の発表会ではない。
→
答え合わせの授業ではない。
・どんな発想をもったかを振り返ること。
この発想が次への学ぶ力となる。
日常生活へ
深い学び
•
一般化すること・・・いつでも成り立つか
•
問題・法則が成り立つ前提条件・・・どういう場 合に成り立つか
•
問題の中の条件の拡張
認知プロセスの外化
• 音声言語(話し言葉)
• 子どもの発言、つぶや き、オノマトペ
• 記述言語
• ノート、ワークシート
外化を促す:表現させる
キャッチ&リスポンス能力の向上
机間指導と意味付け復唱法
• 2つのしかけ
• アクティブラーニング
• 算数のきまり
• わくわく
• 問題解決的な学習
しかけ1 しかけ2
本時の課題 活用・発展
(深い学び)1 きまりを類推する 2 迷う場面をつくる 3 比べる
4 ものをつくる
5 定義を確認・補足する 6 単純化・具体化する 7 隠す
8 視覚化する・見える化 9 逆を考える
① 数・形を拡張する
② 項を増やす
③ 演算を変える
④ 形を変える
⑤ □をつかう
⑥ 場面を変える
⑦ 逆を考える
⑧ if~notで考える
⑨ 別の内容と組み 合わせる