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1 環論からの準備

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代数学特論 3

木曜 2 (10:40 12:10) K310 担当教員 : 加塩 朋和 研究室 : 4 号館 3E-mail : kashio [email protected]

この講義では, 1 次元の可換な形式群 (formal group)の基本的な理論と, そのいくつ かの応用を理解することを目標とする. 具体的には以下を紹介する予定である.

形式群の定義.

p 進整数環,p 進体, 局所体, Lubin-Tate の形式群.

楕円曲線の演算・L 関数・不変微分形式, これらに付随する形式群.

もし時間が許せば

形式群の本田理論の概要.

Lubin-Tateの形式群の, 局所類体論への応用.

参考文献

[dS1] E. de Shalit, The explicit reciprocity law in local class field theory, Duke Math. J., vol. 3 (1987), no. 1, 163–176.

及びその解説:

金子昌信, E. de Shalit「The Explicit Reciprocity Law in Local Class Field Theory」 (preprint)の紹介, 数理解析研究所講究録(1986), 589, 105–111.

[dS2] E. de Shalit, Formal Groups, Local Units, and Measures (Chap. I). InIwasawa theory of elliptic curves with complex multiplication,p-adicL functions, Perspect. Math.3, Academic Press, 1987.

[Iw] K. Iwasawa, Local class field theory, Oxford Univ. Press, 1986.

[Sil] J.H. Silverman, The Formal Group of an Elliptic Curve (Chap. IV). In The arith- metic of elliptic curves, GTM 106 (2nd ed.), Springer, 2009.

[西] 西来路文朗, 形式群の本田理論, 中央大学集中講義・講義録, 2008.

[吉] 吉田輝義, Lubin-Tate 理論入門, プレプリント.

(2)

目 次

1 環論からの準備 3

1.1 有限体 . . . . 3

1.2 形式的冪級数環,形式的ローラン級数体 . . . . 3

1.3 p進数体とp 進整数環,局所体とその整数環 . . . . 7

2 形式群の定義と例 13 2.1 形式群の定義 . . . . 13

2.2 Gˆa . . . . 14

2.3 Gˆm . . . . 14

2.4 Ftan . . . . 15

2.5 形式群の準同型写像 . . . . 15

2.6 形式群に付随する群 . . . . 19

3 Lubin-Tate の形式群 22 4 楕円曲線 28 4.1 射影空間 . . . . 28

4.2 標数̸= 2 の体上の楕円曲線 . . . . 30

4.3 楕円曲線の群構造 . . . . 32

4.4 Q 上定義された楕円曲線のL-関数 . . . . 32

4.4.1 Weierstrass 方程式 . . . . 32

4.4.2 Z 係数多項式で定義される楕円曲線の還元 . . . . 34

4.4.3 楕円曲線の L 関数 . . . . 35

4.5 楕円曲線の形式群 . . . . 36

5 微分形式 39 5.1 楕円曲線の微分形式 . . . . 39

5.2 楕円曲線の不変微分形式の積分 . . . . 44

5.3 形式群の不変微分形式 . . . . 49

5.3.1 形式群の不変微分形式の “積分” . . . . 51

6 形式群の本田理論 53 6.1 理論の概要 . . . . 53

6.2 楕円曲線への応用 . . . . 55

7 局所類体論の相互写像 56

(3)

1 環論からの準備

1.1 有限体

定義 1. 集合 F が 体 であるとは, 以下を満たすことである.

(0) 二種類の演算,加法+ :F×F →F, (a, b)7→a+bと乗法·: F×F →F, (a, b)7→a·b が定義されていて, 以下を満たす.

(1) 結合法則: ∀a, b, c∈F, (a+b) +c=a+ (b+c). (a·b)·c=(b·c).

(2) 可換性: ∀a, b∈F,a+b =b+a,a·b =b·a.

(3) 零元と乗法単位元の存在: 0,1∈F s.t. ∀a∈F,a+ 0 =a, 1 =a, 0̸= 1.

(4) 加法逆元の存在: ∀a ∈F, (−a)∈F s.t. a+ (−a) = 0.

(5) 乗法逆元の存在: ∀a ∈F − {0}, ∃a1 ∈F s.t. a·a1 = 1.

(6) 分配法則: ∀a, b, c∈F, (a+b) = (a·b) + (a·c).

さらに n :=|F| <∞ のとき, F は 有限体 または n 元体 と呼ばれる. なお, 乗法逆元の 存在以外を満たすものを 可換環と呼ぶ.

命題 2. p を素数とする. このとき整数環 Z を, 極大イデアル(p) =pZ で割った剰余環 Fp :=Z/pZ={0,1, . . . , p1}

は有限体 (p 元体)となる.

命題 3. 任意の有限体F の標数は素数となる. この素数を p とおくとき, F は Fp の有限 次拡大 (と同型) になる. とくに |F| は, pの拡大次数冪 p[F:Fp] となる.

1.2 形式的冪級数環 , 形式的ローラン級数体

命題 4. R を可換環とする.

(1) x を変数とする, R 係数の 形式的冪級数全体のなす集合 R[[x]] :=

{

i=0

cixi |ci ∈R }

(4)

を考える. R[[x]]は,以下の演算に関して可換環となり, R 係数 の 1 変数形式的冪級数環 と呼ばれる.

i=0

cixi+

i=0

dixi =

i=0

(ci+di)xi, (

i=0

cixi

) (

i=0

dixi )

=

i=0

( i

k=0

ckdik )

xi. 同様に,多変数の形式的冪級数環 R[[x1, x2, . . . , xn]] も定義される.

(2) R 係数の 形式的ローラン級数 全体のなす集合 R((x)) :=

{

i=l

cixi |l∈Z, ci ∈R }

を考える. R((x))は,以下の演算に関して可換環となり, R 係数 の 1 変数形式的ローラン級数環 と呼ばれる

i=l1

cixi+

i=l2

dixi =

i=min(l1,l2)

(ci+di)xi, (

i=l1

cixi

) (

i=2

dixi )

=

i=l1+l2

(∑

k∈Z

ckdik )

xi.

ここで i < l1, j < l2 に対しては ci = 0, dj = 0 として考える. とくに ∑

k∈Z は実 質的に有限和である. 同様に,多変数の形式的冪級数環 R((x1, x2, . . . , xn))も定義さ れる.

(3) F を体とする. このときF((x)), F((x1, x2, . . . , xn))は体となり,

形式的ローラン級数体 と呼ばれる. これらは F[[x]], F[[x1, x2, . . . , xn]] の商体であ る. また

F((x)) =F[[x]][x−1], F((x1, x2, . . . , xn)) =F[[x1, x2, . . . , xn]][x−11 , x−12 , . . . , x−1n ] である. (R[α, β, . . .] は Rα, β, . . . を添加した環を表す.)

補題 5. R を可換環とする. 形式的冪級数の乗法群 (乗法可逆元全体のなす群) は R[[x]]× =

{

i=0

cixi |ci ∈R, c0 ∈R× }

で与えられる. また ∑

i=0cixi ∈R[[x]]× の乗法逆元の定数項はc−10 となる. 証明. 前半を言うにはf(x) =∑

i=0cixi ∈R[[x]] に対して

(5)

∃g(x)∈R[[x]] s.t, f(x)g(x) = 1 ⇔ ∃(⋆) d∈R s.t. c0d = 1 を確かめればよい. g(x) =

i=0dixi とおけば f(x)g(x) = 1⇔

i k=0

ckdik =

{c0d0 = 1 (i= 0) c0di+c1di1+· · ·+cid0 = 0 (i >0) よって d=d0 とおけば (⋆) の () が成立. () を言うには

d0 =d, d1 =−c01c1d0 =dc1d0, . . . , di =d(−c1di1− · · · −cid0) と置いていけばよい. 後半は d0 =d =c−10 より従う.

補題 6. R を可換環とし, f(x) = ∑

i=0cixi ∈R[[x]] とする. (1) c0 = 0 であれば, g(x) =

i=0dixi ∈R[[x]] に対して (g◦f)(x) := (g(f(x)) =d0+d1(

c1x+c2x2+· · ·) +d2(

c1x+c2x2+· · ·)2

+· · ·

=d0+d1c1x+ (d1c2+d2c21)x2+· · · ∈R[[x]]

が定まる.

(2) c0 = 0 とする. このとき

g(x)∈R[[x]] s.t. (f ◦g)(x) = (g◦f)(x) = x.

を満たす g(x)∈R[[x]]f(x)の 逆関数と呼ぶ. 以下は同値: c1 ∈R× f(x)の逆関数が存在する.

またこのときf(x)の逆関数はただ一つに定まる. これを f1(x) で表す.

証明. (1)各k= 0,1,2, . . . に対し,d0+d1(c1x+c2x2+· · ·)+d2(c1x+c2x2+· · ·)2+· · · に表れる k 次の項が, 高々有限個であることを言えばよい. 実際 di(c1x+c2x2+· · ·)ii 次以上の項しか持たないので, k 次の項は

d0+d1(

c1x+c2x2+· · ·)

+· · ·+dk(

c1x+c2x2+· · ·)k

の部分にのみ現れる. また, 各 di(c1x+c2x2+· · ·)i (i = 0,1, . . . , k) に表れる k 次の項 が, 高々有限個であるのは明らかであろう.

(2) g(x) =

i=0dixi とおくと

(g◦f)(x) =d0+d1c1x+ (d1c2+d2c21)x2+· · ·=x

⇔d0 = 0, d1c1 = 1, d1c2+d2c21 = 0, . . . · · · (♯)

である. とくに d1c1 = 1 より『c1 R× f(x) の逆関数が存在』が言えた. あとは

『c1 ∈R× ⇒f(x)の逆関数がただ一つ存在』を言えばよい. このために

(6)

(♯)を満たす (d0, d1, . . .)がただ一組に定まる.

そのg(x) =

i=0dixi が (f◦g)(x) =x も満たす.

を示す. 実際, (♯) を満たす di

d0 = 0, d1 =c11, d2 =−d1c2c12,

...

というふうに順次決定される. (f◦g)(x) =x を満たすことは,例えば以下の手順で示せる:

上の議論を f(x) の代わりに g(x) = 0 +c11x+· · · に対して適用して ∃h(x) s.t.

(h◦g)(x) = x が分かる.

形式的冪級数の合成が結合法則を満たすこと, すなわち ((f1 ◦f2)◦f3)(x) = (f1 (f2◦f3))(x)を示す.

これらより

f(x) = ((h◦g)◦f)(x) = (h(g◦f))(x) = h(x),

すなわち f(x) = h(x)は (f ◦g)(x) = x を満たすことが分かった. 詳細は省略する. 定義 7. 可換環の 射影系 とは, 可換環 Rm (m N) と, 環準同型写像 πn,m: Rn Rm (1≤m≤n) の組で

πm,m = idRm (mN), πn,l =πm,l◦πn,m (1≤l≤m ≤n) を満たすもののことである.

命題 8. 可換環の射影系 {Rm}m∈N,{πn,m}1mn が与えられているとする. このとき lim←−

m

Rm :=

{

(am)m∈N

m∈N

Rm n,m(an) =am (1≤m≤n) }

は, 直積環∏

m∈NRm の部分環となり, とくに可換環となる. lim←−

m

RmRm の 逆極限, ま たは射影極限 と呼ぶ.

問題 1. R を可換環とし, 多項式環 R[x] を考える.

(1) 単項イデアル(xm) による剰余環R[x]/(xm) と, 自然な射影

πn,m: R[x]/(xn)→R[x]/(xm), πn,m(f(x) + (xn)) :=f(x) + (xm) (1≤m≤n) は, 可換環の射影系となっていることを示せ.

(7)

(2) 逆極限 lim

←−m

R[x]/(xm)と,形式的冪級数環 R[[x]] は同型であることを示せ.

(3) R=Zとする. 1−x∈Z[[x]]は可逆元であることを示し,その逆元(1−x)1を求めよ.

また, 同型 Z[[x]] = lim←−

m

Z[x]/(xm) により, (1−x)1 に対応する元 lim

←−m

Z[x]/(xm) を求めよ.

略解. (2) 具体的な写像 R[[x]]→lim

←−m

R[x]/(xm),

i=0

cixi 7→

(m1

i=0

cixi+ (xm) )

m∈N

が同型写像となる.

(3) (1−x)1 = 1 +x+x2+· · ·=∑

i=0xi.

1.3 p 進数体と p 進整数環 , 局所体とその整数環

実数 α R は, 少数展開 α = c.c1c2c3c4. . . (c Z, ci ∈ {0,1, . . . ,9}) の形で表され, なじみ深いものとなっている. 実際は, 実数体 R の構成において, 収束 (0.c1c2c3c4. . . =

i=1ci(101)i),完備性, 同一視 (1 = 0.99999. . .)なども用いた,高度な正当化が行われてい る. これには, とくに

1

10 が小さい数であり, 特にlimn→∞(101 )n = 0 であることが利いている. もし, 逆に

10が小さい数であり, 特にlimn→∞(10)n= 0

(i.e., “10 で何回も割り切れる整数は, とても小さい数である”)

であるような理論を作れれば, 無限桁の 10進展開 . . . c4c3c2c1c0 =∑

i=0ci(10)i が正当化 でき,実数とは異なった数の体系が構築できる. 以下では10 を任意の素数p に変えて

無限桁の p 進展開∑

i=0cipi (ci ∈ {0,1,2, . . . , p1})

に意味を持たせ,実数体 R とは異なる数の世界,p進整数環Zp を得る. 以下, 素数 pを固 定して考える. p 進整数環 Zp を, 3種類の方法で定義する.

定義 9. 整数環 Z 上のp 進付値vp, p 進絶対値| · |p, p 進距離dp を以下で定める. (1) 整数n の (加法的) p 進付値vp(n)∈ {0,1,2, . . . ,} ∪ {∞}

n が “p で丁度 e 回割れる” (i.e.,n ∈peZ−pe+1Z)とき, vp(n) :=e で定める. ただしvp(0) = とする.

(8)

(2) n∈Z の p 進絶対値 |n|p := pv(n)1 .

(3) m, n∈Zに対し dp(m, n) :=|m−n|p = pv(m1n).

dp は Z 上の距離関数 (p 進距離) となる. dp による距離位相を p 進位相 とよび, p 進位 相による Z の完備化をZp,cmpl とおく.

定義 10. 2種類の形式的な(無限) p 進展開 全体のなす集合を考える: Zp,expn :=

{

i=0

cipi |ci ∈ {0,1,2, . . . , p1} }

Z^p,expn :=

{

i=0

cipi |ci Z }

, .

また,写像 π: Z^p,expn Zp,expn, π(

i=0cipi) =∑

i=0dipi を 各 n = 0,1,2, . . . に対し,∑n

i=0dipi (di ∈ {0,1,2, . . . , p1}) は

n

i=0cipipn+1 で割った余り [0, pn+11]を p 進展開し直したもの

で定める. Zp,expn は, 以下の演算により可換環となる.

i=0

cipi+

i=0

dipi =π (

i=0

(ci+di)pi )

, (

i=0

cipi

) (

i=0

dipi )

=π (

i=0

( i

k=0

ckdik )

pi )

. 定義 11. 単項イデアル pmZによる剰余環 Z/pmZ と, 自然な射影

πm,n: Z/pnZZ/pmZ, πn,m(x+pnZ) :=x+pmZ は, 可換環の射影系となる. この射影系の逆極限を

Zp,invl := lim←−

m

Z/pmZ とおく.

命題 12. (1) 定義 9, 10, 11 におけるZp,cmpl,Zp,expn,Zp,invl は,互いに同型である. 各定 義におけるの一般元を

p 進位相による完備化 Zp,cmpl の一般元は [{an}n∈N]. ただし {an} は整数から なるp 進距離に関するCauchy 列で, [ ] は完備化における同値関係

{an}n∈N∼ {bn}n∈N定義

dp(an, bn)0 (n→ ∞) に関する同値類を表す.

p進展開全体 Zp,expn の一般元は ∑

i=0cipi (ci ∈ {0,1,2, . . . , p1}) の形.

(9)

逆極限 Zp,invl の一般元は {xm + pmZ}m∈N の形. ただし xm xn modpm (1≤m≤n)を満たす.

で表す. このとき, 同型写像による元の対応は

Zp,cmpl [{an}n∈N]7→













i=0cipi Zp,expn s.t. 各nに対し∑n

i=0cipiは, 十分大きなNaNp進展開したもの

{xm+pmZ}m∈NZp,invl s.t.xm,

十分大きなNaN ≡xm modpm+1を満たす整数 Zp,expn

i=0

cipi 7→

{[{n

i=0cipi}n∈N]Zp,cmpl

{m1

i=0 cipi+pmZ}m∈NZp,invl

Zp,invl ∋ {xm+pmZ}m∈N7→







[{xn}n∈N]Zp,cmpl

n

i=0cipi Zp,expn s.t. 各nに対し∑n

i=0cipiは, xn+1p進展開したもの

となる. これらの対応で Zp,cmpl,Zp,expn,Zp,invl を同一視し Zp と表す.

(2) 自然な単射 Z,→Zp が存在する. 元の対応は, (1) と同じ一般元の表記を用いると

a7→







[{a}n∈N]Zp,cmpl (定数aからなる Cauchy 列)

i=0cipi Zp,expnap進展開したもの (とくにa 0 なら有限和) {a+pmZ}m∈NZp,invl

とくに Zは Zp の部分環とみなせる.

(3) Z上の p進付値,p 進絶対値,p 進距離, p進位相はZp 上に拡張できる. Zp 上の (加 法的) p 進付値

vp: Zp → {0,1,2, . . . ,} ∪ {∞}

をそれぞれの定義で書くと

vp([{an}n∈N]) := limn→∞vp(an).

vp(∑

i=0cipi) := min(i|ci ̸= 0).

vp({xm+pmZp}m∈N) := min(m|xm ̸≡0 modpm).

さらに dp(a, b) := 1

pvp(a−b) とおくと Zp 上の距離関数 (p 進距離) となり, Zp 上の距 離位相 (p 進位相)を与える.

(4) Zp は整域であり, ただ一つの極大イデアル pZp をもつ局所環である. また pZp ={a∈Zp |vp(a)>0},

Z×p =Zp−pZp ={a∈Zp |vp(a) = 0}. となる.

(10)

問題 2. (1) 8Z3 は, 可逆元であることを示せ.

(2) 81 Z3 を 3進展開の形で表せ.

略解. (1) 例えば v3(8) = 0 を言えばよい.

(2) 8 = 321 なので 81 =(132)1 =(1 + 32+ 34+ 36+· · ·) = 2 + 23 + 132+ 233+ 134+ 235+ 136+· · ·.

命題 13. Qp :=Zp[p1] は, 整域Zp の商体となる. p 進数体と呼ばれる. 注意 14. Z, Q, Zp, Qp の集合としての関係をまとめておく.

(1) 包含関係は

Zp ,→ Qp

,→ ,→

Z ,→ Q である. また Qp を母集合と考えたとき

ZpQ=Z(p):=

{a

b |a, b∈Z, pb }

. ここで mn定義 n /∈mZ “n は m の倍数でない”.

(2) 相異なる素数p, q に対して

Zp Zq, Qp Qq

は “無関係な”集合である (包含関係を持たない). とくに ZpZq

などは意味を持たない. ただし

(ZpQ)(ZqQ) = Z(p)Z(q):=

{a

b |a, b∈Z, p, qb } は正しい式である. さらに

p=2,3,5,7...

(ZpQ) =Z.

(3) 相異なる素数 pにおける Qp 達の “関係”として, (Hilbert 記号に関する)興味深い 結果を一つ紹介しておく: a, b∈Q× に対して以下は同値である:

(a) ax2+by2 =z2 が非自明な解(x, y, z)Q3− {(0,0,0)} をもつ.

(b) Q :=R とおく. 全ての素数 p および p= に関して ax2+by2 =z2 が非 自明な解(x, y, z)Q3p− {(0,0,0)}をもつ.

(11)

定義 15.K が以下のどちらかを満たすとき,K は(非アルキメデス的)局所体である, という.

(1) Kp 進数体Qp の有限次拡大である.

(2) K は, p 元体Fp 係数の 1変数ローラン級数体 Fp((t)) の有限次拡大である. 前者を 標数 0 の局所体, 後者を 標数 p の局所体,と呼び分ける.

命題 16. K を局所体(Qp または Fp((t))の有限次拡大) とする.

(1) 以下を満たす写像

v: K R∪ {∞}

がただ一つ定まる. このvK の 正規加法付値 とよぶ. (a) v(K×) = Z. v(x) = ∞ ⇔x= 0.

(b) x, y ∈K に対してv(xy) =v(x) +v(y),v(x+y)≥min(v(x), v(y)).

とくに v:K×Z は全射群準同型写像である.

(2) K の部分集合

OK :={z ∈K |v(z)0}

K の部分環であり, さらに完備離散付値環 と呼ばれる性質を満たす. とくに (a) ただ一つの極大イデアル

pK :={z ∈K |v(z)>0} をもち, 剰余体

FK :=OK/pK

は有限体となる(|FK|p 冪). またpK は非可逆元の集合である. すなわち OK× =OK pK.

(b) OK は単項イデアル整域である. とくにpK も単項イデアルであり, さらに πK ∈K s.t. v(πK) = 1

を満たす任意の元を用いてpK = (πK) となる.

OK,pK,πK,FK を,それぞれK の整数環 (付値環),付値イデアル (極大イデアル), 素元 (一意化元), 剰余体と呼ぶ.

(12)

(3) K の正規加法付値 v を用いて

|z|K :=

( 1

|FK|

)v(z)

, dK(x, y) :=|x−y|K

と定めると,dKK 上の距離関数となる. K,OK には,この距離位相 (pK 進位相) をいれて考える. | · |KK の 正規乗法付値と呼ばれる.

(4) K, OK は, それぞれ 位相体, 位相環 と呼ばれる性質を満たす. さらに K,OK は完 備であり, OK はコンパクトである. z K の基本近傍系として {z+pnK}n∈N が取 れる. ここで z+pnK =

{

x∈K |dK(x, z)<

( 1

|FK|

)n}

に注意. 問題 3. K =Qp とする. このとき

Qp の正規加法付値,整数環, 付値イデアル, 素元,剰余体, 正規乗法付値, pQp 進位相 を, Zp の定義中の記号で表せ.

(13)

2 形式群の定義と例

簡単のため,以下では R を 整域とする.

2.1 形式群の定義

定義 17. f, g ∈R[[x1, . . . , xn]] (または ∈R[x1, . . . , xn]) を考える. (1) f(x1, . . . , xn) = ∑

0k1,...,kn

ck1,...,knxk11· · ·xknn (ck1,...,kn ∈R) と表すとき,

fm 次斉次部分 := ∑

k1+···+kn=m

ck1,...,knxk11· · ·xknn.

(2) m= 0,1,2, . . . に対し

f ≡g mod degm 定義 f−g の 0 次斉次部分 m−1 次斉次部分が全て 0.

(3) R のイデアル I に対して

f ≡g mod I 定義 f−g の全ての係数 ∈I.

問題 4. m 次斉次部分のみからなる多項式をm 次斉次多項式 と呼ぶ. このとき f(x1, . . . , xn)∈R[[x1, . . . , xn]] が m 次斉次多項式

⇒ ∀λ∈R, f(λx1, . . . , λxn) =λmf(x1, . . . , xn) が成り立つことを示せ. また,この逆が成り立つか考えよ.

定義 18. F(x, y) R[[x, y]] が以下の 3 条件を満たすとき, F(x, y) は R 上の (1 次元可 換) 形式群 (または 形式群則) である, という.

(1) F(x, y)≡x+y mod deg 2.

(2) F(F(x, y), z) =F(x, F(y, z)).

(3) F(x, y) =F(y, x).

(4) invF(t)∈R[[t]] s.t. invF(t)0 mod deg 1,F(x,invF(x)) = 0.

(5) F(x,0) = x,F(0, y) =y.

注意 19. 今考えている条件下では (3), (4), (5) は, (1), (2) から自動的に従うことが示せ る ([西,命題2.1.2, 2.1.3], [Sil, Remark 2.1, Application 5.3]). よって,今の場合は (1), (2) のみを定義としても良い.

(14)

問題 5. F(x, y)∈R[[x, y]] が形式群であるとき

invF(t)≡ −t mod deg 2 であることを示せ.

略解. invF(t) =c0+c1t+c2t2+· · · とおいて,c0 = 0,c1 =1を言えばよい. invF(t)0 mod deg 1, F(x, y)≡x+y mod deg 2, F(x,invF(x)) = 0 を使う.

2.2 G ˆ

a

a(x, y) :=x+y は Z上の形式群であり,加法群 と呼ばれる. 証明. (1), (2), (3), (5)は明らか. (4) は invGˆa(t) := −t とおけばよい.

2.3 G ˆ

m

m(x, y) :=x+y−xyはZ上の形式群であり,乗法群と呼ばれる. ( ˆGm(x, y) := x+y+xy と定義することもある.)

証明. (1), (3), (5)は明らか. (2), (4) を確かめてみる:

m( ˆGm(x, y), z) = (x+y−xy) +z−(x+y−xy)z =x+y+z−xy−yz−zx+xyz,m(x,Gˆm(y, z)) =x+ (y+z−yz)−x(y+z−yz) = x+y+z−xy−yz−zx+xyz より(2) が従う. invGˆ

m(t) := t

t−1 =−t−t2−t3− · · · とおけば Gˆm(x,invGˆm(x)) =x+ x

x−1−x x

x−1 = (x2 −x) +x−x2

x−1 = 0

より(4) が成り立つ.

注意 20. 形式群 (の一部) は, 実際の群演算の “テーラー展開” を表している. ただし

群の単位元を 0∈R へ移して 表記している. 加法群Gˆa =x+yは,単位元が0なので “ 加法 +” をそのまま表している. 乗法群Gˆm(x, y) =x+y−xy の場合は“乗法 ·” の単位 元が1 なので,写像 φ(t) := 1−t で移して展開している. 実際

φ( ˆGm(x, y)) = 1−x−y+xy= (1−x)(1−y) = φ(x)·φ(y) である. 雰囲気としては, 乗法· が定義されている群を Gm とおいて

Gm×Gm −−−−−−→(x,y)7→x·y Gm

φ×φ

x

 xφ R×R −−−−−−−−−→

(x,y)7→x+yxy R が可換となっている.

(15)

2.4 F

tan

Ftan(x, y) := x+y

1−xy = (x+y)(1 +xy+x2y2 +· · ·) は Z 上の形式群である. tan 関数 に付随する形式群, などと呼ばれる.

証明. (1), (3), (5)は明らか. (2), (4) を確かめてみる:

Ftan(Ftan(x, y), z) =Ftan( x+y 1−xy, z) =

x+y 1xy +z

11x+yxyz = x+y+z−xyz 1−xy−yz−zx, Ftan(x, Ftan(y, z)) =Ftan(x, y+z

1−yz) = x+ 1y+zyz

1−x1y+zyz = x+y+z−xyz 1−xy−yz−zx より(2) が従う. invFtan(t) := −t とおけば

Ftan(x,invFtan(x)) = x−x 1 +x2 = 0.

より(4) が成り立つ.

問題 6. (1) tan の加法公式により (形式的に) tan(x+y) =Ftan(tanx,tany) を満たし ていることを確かめよ.

(2) 同様に考えて, sin 関数に付随する形式群や, cos関数に付随する形式群を考えてみよ.

2.5 形式群の準同型写像

定義 21. F, G∈R[[x, y]]R 上の形式群とする. このとき ϕ(t)∈R[[t]]F から G へ の R 上の準同型写像 であるとは

(1) ϕ(t)≡0 mod deg 1.

(2) ϕ(F(x, y)) =G(ϕ(x), ϕ(y)).

を満たすことである. また

HomR(F, G) := {F からGへのR上の準同型全体}, EndR(F) := HomR(F, F) とおく. さらに

ϕ∈HomR(F, G) が 同型写像 定義⇔ ∃ψ HomR(G, F) s.t. (ϕ◦ψ)(t) = (ψ◦ϕ)(t) =t と定める. 同型写像 ϕ∈HomR(F, G) が存在するとき, F, GR 上で同型 であるという.

注意 22. 雰囲気的には, 以下のように考えることができる:形式群則 F(x, y) を考える (今まで略して形式群と呼んでいたが, ここではあえて正式名称の形式群則と呼ぶ.). もし

(16)

形式群則 F(x, y)の “実体” となる群F が存在しているとする. すなわち, 群 F の演算が

F × F → F, (a, b)7→F(a, b)

で与えられていると考える. 同様に, 別の形式群則Gの実体となる群 G を考えると,準同 型写像 ϕ: F →G

F × F −−−→ FF

ϕ×ϕ



y yϕ G × G −−−→

G G

を可換にする写像 (i.e., G◦×ϕ) = ϕ◦F)である.

補題 23. F, G∈ R[[x, y]]R 上の形式群とし, ϕ(t)∈ R[[t]]F からG への準同型写 像であるとする. このとき以下は同値.

(a) ϕ(t) は同型写像.

(b) ϕ(t) は逆関数をもつ. すなわち∃c∈R× s.t.ϕ(t)≡cxmod deg 2.

なお, (b) の c= 1 の場合を 強同型写像 と呼ぶ. (一般の同型写像は 弱同型写像 と呼ぶ).

証明. ϕ(t) は準同型写像なので

(1) ϕ(t)≡0 mod deg 1, (2) ϕ(F(x, y)) =G(ϕ(x), ϕ(y)) を満たしている. 同型写像の定義は

(a’) ψ(x) s.t. (ϕ◦ψ)(t) = (ψ◦ϕ)(t) =t,ψ HomR(G, F)

であった. とくにψ(t)ϕ(t)の逆関数なので,補題6-(2)より (a)(b). 以下(a) (b) を言う. 再び補題 6-(2) より ϕ(t) の逆関数 ψ(t) が取れる. 示すべきは ψ HomR(G, F), すなわち

ψ(G(x, y)) = F(ψ(x), ψ(y)).

実際 (2) 両辺をψ(t)に代入,(ψ ϕ)(t)=t F(x, y) = ψ(G(ϕ(x), ϕ(y))) x, yψ(x), ψ(y)を代入,(ϕψ)(t)=t F(ψ(x), ψ(y)) = ψ(G(x, y)) より従う.

補題 24. (1) ϕ(t)∈ R[[t]] が逆関数を持つ (i.e., ϕ(t) ≡ctmod deg 2 (c R×)) とする.

このとき

F(x, y) := ϕ1(ϕ(x) +ϕ(y))

R 上の形式群になる. さらに ϕ(t) ≡xmod deg 2 (i.e., c= 1) のとき, ϕ(t) を形 式群F(x, y) =ϕ1(ϕ(x) +ϕ(y))の 変換子 と呼ぶ.

(2) 形式群 F(x, y)∈R[[x, y]] に対して以下は同値.

(17)

(a) F は加法群 GˆaR 上同型.

(b) 逆関数をもつϕ(t)∈R[[t]]が存在して F(x, y) = ϕ1(ϕ(x) +ϕ(y))と書ける. 証明. (1) 形式群の定義の各式を一つずつ確かめればよい. 省略.

(2) (a) (b) 同型写像ϕ: F a が (b) の条件を満たす.

(a) (b) 補題 23より, (b) の関数ϕ(t)が,同型写像 ϕ: F a を与える.

注意 25. 実は, R が標数 0 の体であれば, 任意の形式群が加法群と R 上同型である (定 理 70).

問題 7. F, G, H ∈R[[x, y]]R 上の形式群とする.

(1) ϕ∈HomR(F, G),ψ HomR(G, H) ψ◦ϕ∈HomR(F, H)を確かめよ.

(2) 恒等写像idF EndR(F)をidF(t) := tで定める. ϕ HomR(F, G)に対しϕ◦idF = ϕ, idG◦ϕ =ϕ を確かめよ.

命題 26. F ∈R[[x, y]]を R 上の形式群とする. EndR(F)は,演算

(ϕ+˙ ψ)(t) := F(ϕ(t), ψ(t)), (ϕ◦ψ)(t) :=ψ(ϕ(t)) (ϕ, ψ EndR(F)) に関して環になる.

証明. 零元(加法単位元) := 0 = 0 + 0t+ 0t2+· · · ∈R[[t]].

ϕ∈EndR(F)のマイナス元 (加法逆元) =−ϕ:= invF(ϕ).

乗法単位元 :=t.

とおけば, 形式群およびその準同型の定義から, 環の定義の各条件が従う. 例えば 0 が零元の定義を満たすこと. 0 ˙+ϕ=F(0, ϕ)F(0,y)=y= y|y=ϕ=ϕ.

分配法則が成り立つこと. ϕ·(ψ+˙ ψ) = ϕ(F(ψ, ψ)) =F(ϕ(ψ), ϕ(ψ)) =F·ψ, ϕ·ψ) = ϕ·ψϕ·ψ.

他の条件も同様であるので省略する.

問題 8. EndR(F) が環であることを,省略せずに証明してみよ.

命題 27. F ∈R[[x, y]]R 上の形式群とする. m∈Z に対し m 倍写像 [m]EndR(F) を以下で定める.

(1) [0](t) := 0.

(2) [m] が定まっているとき [m+ 1](t) :=F([m](t), t). (m 0).

(3) [m] が定まっているとき [m1](t) :=F([m](t),invF(t)). (m 0).

(18)

このとき

ι: ZEndR(F), m7→[m]

は単射環準同型写像を与える. とくに Zは EndR(F) の部分環とみなせる. さらに [m](t)≡mt mod deg 2

を満たす.

証明. まずm≥1 に対して

[1](t) = [0 + 1](t) =F([0](t),[1](t)) =F(0, t) =y|y=t =t= idF, [2](t) = [1 + 1](t) =F([1](t),[1](t)) = idF + id˙ F,

...

[m](t) = [m1 + 1](t) = F([m](t),[1](t) = id| F· · ·{z + id˙ F}

m

,

[1](t) = [01](t) = F([0](t),invF(t)) =F(0,invF(t)) =y|y=invF(t)= invF(t), [2](t) = [11](t) = F([1](t),[1](t)) = invF(t) ˙+ invF(t),

...

[−m](t) = [1−m−1](t) = F([1−m](t),[1](t) = invF(t) ˙+· · · + inv˙ F(t)

| {z }

m

となることに注意. ι が環準同型であることを言うためには [m+n] = [m] ˙+ [n], [mn] = [m]·[n] を示せばよい. 簡単のため m, n≥1 の場合を考えると

[m+n] = id| F· · ·{z + id˙ F}

m+n

= id| F· · ·{z + id˙ F}

m

+ id˙ | F· · ·{z + id˙ F}

n

= [m] ˙+ [n], [mn] = id| F· · ·{z + id˙ F}

mn

= id| F· · ·{z + id˙ F}

n

· · · + id˙ | F· · ·{z + id˙ F}

n

| {z }

m

= [n] ˙+· · · + [n]˙

| {z }

m

,

[m]·[n] = (id| F· · ·{z + id˙ F}

m

)·[n]分配法則= idF ·[n] ˙+ · · ·+ id˙ F ·[n]

| {z }

m

= [n] ˙+ · · · + [n]˙

| {z }

m

より従う. 他の場合も同様なので省略する. 次にι の単射性を言う. まず (ϕ+˙ ψ)(t) mod (t2) = F(ϕ(t), ψ(t)) mod (t2)

F(x,y)=x+y+2次以上の項

= (ϕ(t) mod (t2)) + (ψ(t) mod (t2)) に注意. よって m≥1 に対して

[m](t) mod deg 2 = (id| F· · ·{z + id˙ F}

m

)(t) mod deg 2 =mtmod deg 2, [−m](t) mod deg 2 = inv| F· · ·{z + inv˙ F}

m

(t) mod deg 2 = −mtmod deg 2

(19)

が言える. よって

kerι={m∈Z|[m](t) = 0} ⊂ {m∈Z|mt≡0 mod deg 2}={0} よりkerι={0} であり, 単射性が従う. 「さらに」の部分は 4 行上で得られている.

2.6 形式群に付随する群

補題 28. O を局所体 K の整数環とする. すなわち

正規加法付値v: K× ↠Z s.t.v(xy) = v(x) +v(y), v(x+y)≥min(v(x), v(y)) であり

O ={z ∈K |v(z)≥0}

と書ける. また剰余体 F=O/p (p={z ∈K |v(z)>0} は付値イデアル) を用いて

|z|:=

(1

|F|

)v(z)

, d(x, y) :=|x−y| と定めると, O は, このd による距離位相 (p 進位相) で完備である.

(1) ∀a, b∈ O, |a+b| ≤max(|a|,|b|).

∀x, y, z ∈ O, d(x, z)≤max(d(x, y), d(y, z)).

(2) |a| ̸=|b| のとき |a+b|= max(|a|,|b|).

d(x, y)̸=d(y, z) のとき d(x, z) = max(d(x, y), d(y, z)).

(3) 点列an ∈ O に対して {n

k=1ak}n∈N が収束列 ⇔ |an| →0 (n → ∞).

点列bn∈ O に対して {bn}n∈N が収束列 ⇔ |bn−bn1| →0 (n→ ∞).

証明. (1) a:=x−y, b:=y−z とおけば a+b =x−z. よって示すべきは

|a+b| ≤max(|a|,|b|) すなわち (

|F|1

)v(a+b)

max(

( 1

|F|

)v(a)

, ( 1

|F|

)v(b)

).

これは v(a+b)≥min(v(a), v(b)) より従う. (2) まず

Claim. |xy|=|x||y|(x, y ∈ O),|1|=| −1|= 1.

を示しておく. v(xy) =v(x) +v(y)より |xy|=|x||y| が従い, よって |1|=|11|=|1||1|, すなわち |1| = 1 である (|1| ̸= 0 は, |x| = 0 v(x) = ∞ ⇔ x = 0 より). さらに 1 =|1|=|(1)(1)|=| −1|| −1| より Claimが従う. (1)と同じ考え方で, 示すべきは

|a| ̸=|b| ⇒ |a+b|= max(|a|,|b|)

参照

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