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症例発表する意義について 大阪市北ブロック ブロック長 山下 彰 大阪市北ブロックでは学術技能を研鑽し 区域における理学療法技術の普及向上を図ると共に 区民の保健 医療 福祉の発展に寄与することを大きな目的としております 現在 日本の医療 介護は医療保険から介護保険へ急速にシフトし 地域包括ケアシス

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第8回

大阪市北ブロック学会 新人症例発表会

会期 平成 29 年 1 月 29 日(日)

会場 大阪コロナホテル

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症例発表する意義について

大阪市北ブロック

ブロック長 山下 彰

大阪市北ブロックでは学術技能を研鑽し、区域における理学療法技術の普及向上を図ると共に、 区民の保健・医療・福祉の発展に寄与することを大きな目的としております。 現在、日本の医療・介護は医療保険から介護保険へ急速にシフトし、地域包括ケアシステムの構 築を進めています。団塊の世代がすべて 75 歳以上となる平成 37 年の社会見据え、大阪市の総合 事業の目的は在宅生活の安心を確保できる多様なサービス、介護予防の推進です。その中で理学療 法士は何をすべきでしょうか。平成 28 年で理学療法士は 13 万人を越えております。平成 24 年か ら 28 年までは毎年 9000 から 10000 人の理学療法士が誕生しております。実際にこれだけのセラ ピストが地域のニーズに答えられるだけの多様なスキルを習得しているのでしょうか。 地域のニードに対応するには、福祉も含めた総合的な知識が要求されます。ただし、我々は学術 集団です。例えば、環境支援だけしていれば患者様は良くなりますでしょうか。それではセラピス トでなくても対処できるわけです。目の前の患者様の状態をきちんと評価と治療ができなければ、 QOL の向上・維持は難しいのが現状です。理学療法士は精神面も含め、最終的に機能障害を改善 していく職種です。では、どのように改善していけるのでしょうか。 大阪市北ブロックの新人症例発表会では、新人の先生方の学会発表の第一歩と位置付けても良い ですが、研究の要素を持った症例報告も期待しております。そのためには、発表者と聴講者がより 良い議論を提供できる場を作る最善の努力をさせて頂きます。新人症例発表会の意義は参加者全員 が得られた利益を持ち帰ることで患者様へ還元することです。

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会場案内

JR 線新大阪駅 東口出口

◆大阪コロナホテル 会場は別館の1階 〒533-0031 大阪市東淀川区西淡路 1-3-21 http://osakacoronahotel.co.jp/acc ess.html 当日連絡先 070-5267-1297 (大会事務局宛)

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第1会場 第2会場

受付

第1会場 第2会場

受付

第1会場 第2会場

受付

別館 1 階 (本館に隣接)

※ホテル正面玄関を入ると、ホテル受付が正面にありますが、

それは本館になります。

受付の左方通路から別館に渡り、エレベーターもしくは階段か

ら 1 階に下りて下さい。

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タイムスケジュール

第1会場(100A室) 第2会場(100B室) 9:20~ 9:45 受付 (会場前にて実施) 9:45~ 9:50 開会(大会長挨拶) 山下 彰 大会長(ブロック長) 事務アナウンス 運営委員 聴講者の一部 第2会場へ移動 9:55~ 11:15 セクション①(6演題) 大阪回生病院 セクション②(6演題) 関西電力病院 春本 千保子先生 尾崎 新平先生 休憩(10分) 11:25~ 12:45 セクション③(6演題) 関西電力病院 セクション④(6演題) 大阪医療福祉専門学校 草場 正彦先生 永吉 啓吾先生 昼休憩(45分) 13:30~ 14:40 セクション⑤(5演題) 大阪医療福祉専門学校 セクション⑥(5演題) 大阪リハビリテーション専門学校 菊地 淳先生 西村 朋浩 先生 14:40~ 14:50 閉会挨拶 山下 修平 準備委員長 事務連絡 運営委員

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大会ルール

1) 演者の持ち時間について

・一人につき、発表時間 7 分、発表後のスピーチ時間 1 分、質疑応答時間 5 分の計 13 分 とします。 ・当新人症例発表会においては、経験の若い理学療法士の研鑽の場であることを考慮し、 発表時間の多少の過不足については可とします。 ・質疑応答の盛り上がりにより、予定持ち時間 13 分をオーバーした場合、座長の判断に多 少の延長は可とします。

2) 各セクションについて

・1 セクションにつき、最大 6 演題とします。 ・2 会場それぞれの扉付近に、各会場の演題プログラムを用意しているため、そちらを参 考に自由に移動して頂いて結構です。

3)今回からの変更点について

・各演者の発表後、演者は 1 分間程度のスピーチを行います。 ・発表に至るまでに苦労した点、症例患者・利用者の評価治療で苦慮した点、実際発表し てみてどうだったか感想など、スピーチ内容は自由とします。(新人症例発表会が、発表 の場に留まらず、演者・座長・聴講者の横の繋がりを作っていくための交流の場にして いきたい思いで、質問やアドバイスをしやすいよう、このような取組みを今年度は実施 させて頂きました。ご了承願います。

4)質疑応答について

・座長の案内後より、挙手にてお願いします。 ・座長からの指名後に係がマイクを持っていきますので、お待ち下さい。 ・演者が勇気を持って発表して下さいましたので、聴講者の方々は、明日からの臨床に繋 がるよう、アドバイス等もお願い出来ればと思います。

5)優秀演題について

・例年、新人症例発表会の終了後に優秀演題を 1 演題決め、大阪府理学療法士会学術大会に ブロック推薦枠として提出致します。 ・各セクションの座長、運営委員の意見などを基に選出致します。 ・選出後、該当演者には当運営委員より該当者に連絡致しますので、府士会学会発表に向け

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・辞退も特に問題ありませんので、連絡が来た時にその旨を運営委員にお伝え下さい。

6)会場について

・当会場は、本館と別館に分かれており、発表会の会場は別館の 1 階になります。ホテル受 付(本館 1 階)の左方から別館への通路を渡り、エレベーターにて 1 階に下りて下さい。 ・発表会場内は飲食禁止ですが、万が一ゴミが出た場合は各自でお持ち帰り下さい。 以上、よろしくお願いします。 発表会 準備委員長

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演題プログラム

9:55~11:15 第 1 セクション(会場:100A 号室) 座長 大阪回生病院 春本千保子 1.両側性原発性膝関節症により右人工膝関節置換術を施行した症例~立脚後期に着目して~ 北野病院 小出 沙紀 P.11 2. 術後生じたデュシェンヌ歩行により、長内転筋の疼痛が生じた症例 牧病院 中西 勝則 P.12 3. 腰部脊柱管狭窄症によって生じた左大内転筋部に対する介入~足関節制御に着目して~ 加納総合病院 渋谷 亮太 P.13 4. 右肩腱板損傷に対し鏡視下腱板修復術を施行された1症例~胸郭出口症候群様の症状に着目した理学療法経験~ 北野病院 大泉 湧 P.14 5. 座位での自動肩関節屈曲が困難な中心性脊髄損傷の症例~姿勢変化時の筋活動に着目して~ 加納総合病院 河東 誠 P.15 6.早期から理学療法介入した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の一症例 淀川キリスト教病院 小林 征平 P.16 9:55~11:15 第 2 セクション(会場:100B 号室) 座長 関西電力病院 尾崎 新平 7. 左片麻痺により変形性膝関節症の疼痛が増悪した症例:身体重心を目視させた重心移動練習 名取病院 宇井 比呂 P.17 8. 左被殻出血後、転倒が繰り返された一症例~姿勢戦略に着目して~ 西大阪訪問看護ステーション 仲宗根 朝暁 P.18 9. 脳幹再梗塞後,移乗動作改善を目指した一症例~早期 ADL における麻痺側参加の試み~ 大阪回生病院 高橋 郁美 P.19 10. 左橋梗塞にて歩行障害をきたした症例~四肢近位部・体幹の筋緊張低下に着目して~ 北野病院 甲斐 太陽 P.20 11. 間質性肺炎の増悪により身体機能の低下を来たした症例 北野病院 則政 里沙 P.21 12. 低左心機能の冠動脈バイパス患者の術後運動耐容能低下に対する要因の考察 北野病院 辻本 実奈美 P.22

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11:25~12:45 第 3 セクション(会場:100A 号室) 座長 関西電力病院 草場正彦 13. 多種神経症状患者に対する治療展開 ~歩行と下衣脱衣動作の共通要素に着目して~ 大阪回生病院 金岡 佑美香 P.23 14. 強い痺れを呈した患者に対し非麻痺側への介入にて歩行獲得に至った症例 森之宮病院 前垣 貴之 P.24 15. 頭部外傷から職場復帰を目指した一症例 森之宮病院 後藤 大樹 P.25 16.硬膜動静脈瘻に対して脳表静脈への逆流離断術実施後に右麻痺症状を呈した 1 症例 医誠会病院 東村 圭 P.26 17.肺炎後廃用を呈した陳旧性脳梗塞患者の早期退院を図り、tilt table 起立訓練を行った症例 神原病院 古川 大貴 P.27 18.急性リンパ性白血病に心筋梗塞を合併した1症例 ~運動負荷強度の設定について~ 淀川キリスト教病院 土井 陽介 P.28 11:25~12:45 第 4 セクション(会場:100B 号室) 座長 大阪医療福祉専門学校 永吉啓吾 19.人工股関節全置換術施行後、歩行獲得に向けて 体幹機能に着目しアプローチした一症例 大阪暁明館病院 前田 貴基 P.29 20.変形性股関節症患者に対して、股関節内転角度に着目し歩容の改善に取り組んだ症例 大阪府済生会中津病院 西岡 俊之介 P.30 21. THA 術後股関節伸展制限が残存した歩行に対する一考察~大殿筋上部線維に着目して~ 関西電力病院 斉藤 愛美 P.31 22.大腿骨頭壊死に対して人工股関節全置換術を施行された症例 ~和式生活の ADL 動作獲得を目指して~ 北野病院 富 謙伸 P.32 23.歩行改善に難渋した外傷性多発骨折の一症例 -疼痛管理と活動性に着目して- 大阪回生病院 酒井 宏介 P.33 24. 右上下肢多発骨折患者における趣味再開の試み ~歩行と上肢操作に着目して~ 大阪回生病院 本田 丈歩 P.34

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13:30~14:40 第 5 セクション(会場:100A 号室) 座長 大阪医療福祉専門学校 菊地淳 25.立脚期に生じた膝屈曲位での歩様に対して理学療法を施行し、改善が認められた TKA 症例 牧病院 宮崎 剛史 P.35 26.転倒恐怖感の強い大腿骨転子部骨折患者に対して Mini-BESTest の有用性 加納総合病院 高木 恒介 P.36 27.小児麻痺後遺症を持つ TKA 患者の自転車駆動と歩容改善の試み 大阪回生病院 川口 徹 P.37 28.左人工股関節全置換術後の職場復帰 大阪府済生会中津病院 大島 淳一郎 P.38 29. 人工股関節全置換術後、腰痛改善のために歩容へのアプローチを行なった一症例 大阪府済生会中津病院 畑 佳穂 P.39 13:30~14:40 第 6 セクション(会場:100B 号室) 座長 大阪リハビリテーション専門学校 西村朋浩 30.大腿骨頚部骨折患者に対する転倒対策を考慮した理学療法の試み 大阪回生病院 太田 尚吾 P.40 31.上肢機能獲得に難渋した左上腕骨外科頸骨折後の一症例~自宅退院に向けた試み~ 大阪回生病院 福田 亮 P.41 32.呼吸リハビリテーションを通して 運動耐容能や呼吸困難感、不安の改善が図れた症例 北野病院 鹿島 愛香 P.42 33.間質性肺炎患者の在宅酸素療法下における ADL 指導の経験 関西電力病院 宇多 恵一郎 P.43 34.肺気腫と間質性肺炎を合併し長期酸素療法導入となった一症例~酸素流量調整の検討~ 淀川キリスト教病院 古賀 康暉 P.44

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1. 両側性原発性膝関節症により右人工膝関節置換術を施行した症例~

立脚後期に着目して~

小出沙紀1) 1)北野病院 リハビリテーションセンター 【keyword】両側性原発性膝関節症、股関節伸展制限 【背景】今回、両側性原発性膝関節症により右人工膝関節置換術を施行された症例を担当した。一 般的な TKA に対する治療行っていたが、歩行時の Mid Stance(以下、MSt)~Terminal Stance (以下、TSt)にかけての問題が改善せず、隣接関節である股関節に着目しアプローチした結果、 歩容の改善を認めたため報告する。 【症例紹介】当院にて右 TKA を施行した 60 歳代女性。2012 年より右膝痛が出現し、近医にて関 節注射等で経過をみていてが、疼痛が増強し、TKA 目的で 7/25 入院。既往に左アキレス腱断裂、 L3 前方すべりがある。術翌日より PT 介入。尚、発表に際し本症例に同意を得た。 【理学療法評価】(術後 10 日目)疼痛(以下、NRS)安静時 0/10、労作時 2/10。ROM では腹臥 位での膝関節屈曲 70°、膝関節伸展-5°、足関節背屈 0°と制限あり。杖歩行自立であり、MSt~ TSt にかけて右膝関節軽度屈曲、股関節伸展不足がみられる。 (最終評価:術後 28 日目)右脛骨上部外側に熱感・腫脹・疼痛が残存し、NRS 安静時 0/10、労作 時 3~4/10。ROM-T では、腹臥位での膝関節屈曲 115°、膝関節伸展 0°、足関節背屈 5°と改 善がみられた。その結果、MSt~TSt にかけて股関節伸展、膝関節伸展、足関節背屈出現。 【治療プログラム】歩行において MSt~TSt にかけての股関節伸展可動域拡大を目指し、大腿直筋 の短縮に着目し、自動、自動介助運動行い大腿直筋にリラクセーションとストレッチ実施。その後、 股・膝関節伸展位で大殿筋と大腿四頭筋の同時収縮促し、右下肢伸展活動促した。 【結語】本症例では最終時に大腿直筋の短縮が改善し、結果的に純粋な股関節伸展可動域が獲得で きた。膝関節だけでなく隣接する股関節にアプローチすることで骨盤・体幹のアライメント調整で き歩容が改善した。

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2.術後生じたデュシャンヌ歩行により、長内転筋の疼痛が生じた症例

中西勝則1) 1)牧病院 リハビリテーション科 【key word】長内転筋、デュシャンヌ歩行 【緒言】今回、右大腿骨頸部骨折を呈しハンソンピンロックを施行された症例の大腿内側・前外側部痛に着 目し理学療法を行った結果、歩容の改善が認められたためここに報告する。 尚、本症例に主旨を説明し発表の同意を得た。 【症例紹介】40 歳代男性、診断名は右大腿骨頸部骨折。マウンテンバイク走行中に転倒。上記診断により ハンソンピンロック施行。 【理学療法評価と経過】 初期・最終を表 1.2 に示す 表 1 初期(術後 3~6 日後)最終(術後 12~13 日後) 初期 最終 MMT 右股関 節 外転 3(P1) 4(P1) 内転 2※ 4(P2) NRS 安静時(大腿外 側) 4~5 0 T-cane/独歩 3~4/5~ 6(P3) 0/1~ 2(P3) P1:大腿筋膜張筋に収縮時痛 P2:長内転筋に収縮時痛 P3:立脚初期~中期に大腿内側部痛 ※:右側臥位困難なため背臥位にて測定 表 2 血液データ 術翌日 術後6日 CRP 8.6mg/l 1.0mg/l 歩行観察(独歩):初期では右立脚初期~中期にデュシャンヌ歩行が生じる。最終で跛行は軽減した。 治療プログラム:術翌日から術後 6 日目まで疼痛部位に対し徒手療法、炎症に対しアイシング、術後 7 日目 からは徒手療法に加え、立脚初期~中期を想定した荷重練習で動作学習を促した。 【考察】本症例では、右立脚初期~中期にデュシャンヌ歩行が出現し、長内転筋の収縮時痛を認めた。鈴木 らは、立脚初期に股関節には重力により外転位に崩れる力が生じ、その際に内転筋は股関節を外転位に保持 するために作用すると示唆している¹⁾ 。本症例においては手術侵襲による大腿筋膜張筋の収縮時痛がある ため、痛みを生じさせないようにデュシャンヌ歩行が出現していると考えた。そのため正常歩行に比べ内転 筋に掛かる負荷が強まり、長内転筋に収縮時痛が生じていると考えた。炎症の軽減とともに大腿筋膜張筋の 収縮時痛は改善したが跛行は残存していた。そのため炎症が軽減した術後 7 日目からは徒手療法に加え荷 重練習で動作学習を促した結果、デュシャンヌ歩行が改善し内転筋の負荷が軽減したことで長内転筋の収 縮時痛も軽減したと考える。 【参考文献】

1)鈴木敏明:The Center of the Body-体幹の謎を探る-第 5 版 (株)アイペック P170-172 2013 年 10 月 25 日

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3.腰部脊柱管狭窄症によって生じた左大内転筋部に対する介入~足関節制

御に着目して~

渋谷 亮太1) 1)加納総合病院 リハビリテーション科 【key word】殿部離床・前脛骨筋・足関節制御 【はじめに】 立ち上がり動作時に左大内転筋部痛を訴えた症例を担当した。足関節制御に着目して評価・治療を行い、 疼痛の軽減を得られたため、考察を加え報告する。 【症例紹介】 発表について説明し、同意を得た 80 歳代女性。第 4 腰椎圧迫骨折受傷後、腰部脊柱管狭窄症を合併。左大 内転筋部の疼痛を訴えられ、L4-5 椎弓切除術を施行も疼痛の軽減は得られなかった。術後 45 日より回復期 病棟へ転棟し、介入開始となる。 【理学療法評価】 (初期評価:術後 45 日、Rt/Lt、疼痛:P) 疼痛は立ち上がり時、左大内転筋に NRS6/10。 ROM(°)は股関節外転 25/15(P)。 MMT は前脛骨筋 4/2、下腿三頭筋 3/2+(P)、大腿四頭筋 4/4、大殿筋 4/2(P)。 左 L5-S1 表在感覚は 6/10、足関節深部感覚は 3/5。 立ち上がり動作は殿部離床時の左下腿前傾過多で、足関節による下腿の制御に拙劣さを認めた。また、左股 関節内転・内旋変位を認めた。 【理学療法と結果】 左前脛骨筋に対し、低周波を併用した促通運動実施。また、鏡・動画を用いた起座動作練習にて動作内容を feedback し、足関節を用いた下腿制御の再学習を促した。さらに固有感覚入力を目的に、前足部・踵部に物 品を挟んだ体重移動練習を実施。術後 63 日目には、殿部離床時の足関節による下腿前傾制御が改善し、左 股関節内転・内旋変位が軽減。大内転筋部疼痛は NRS2/10 まで改善した。 【考察】 殿部離床には、前脛骨筋による下腿前傾が大腿四頭筋による大腿骨の前方回転や大殿筋との協調的な股関 節伸展を行う基盤となる。本氏は足関節を中心とした治療展開を行う事で、殿部離床における足関節制御が 向上し疼痛の軽減に繋がったと考える。以上より、疼痛部位に囚われない全身的な評価の重要性を再認識し た。

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4.右肩腱板損傷に対し鏡視下腱板修復術を施行された 1 症例~胸郭出口症

候群様の症状に着目した理学療法経験~

大泉 湧1) 1)北野病院 リハビリテーションセンター 【key word】腱板損傷・胸郭出口症候群・可動域制限 【背景】 今回、右肩腱板損傷に対し、鏡視下腱板修復術を施行された症例を担当した。術後出現した胸郭出口症候 群様の症状(以下 TOS)により関節可動域(以下 ROM)改善に難渋した症例を経験したためここに報告する。な お、本発表に関して本人には十分に説明し同意を得た。 【症例紹介】 60歳代女性であり自営業。本年3月転倒により右肩に痛み有り。右棘上筋部に断裂認め当院手術目的で 入院。術後ウルトラスリング固定で理学療法介入開始。術後3週まで他動運動を行い術後4週で退院。術後 7週より自動運動開始となった。術後7週目の時点で安静時痛は認めず夜間痛あり。右僧帽筋上部線維、大 胸筋、小胸筋、烏口腕筋、上腕二頭筋長頭、小円筋、大円筋、上腕三頭筋、斜角筋に圧痛および高緊張を 認めた。肩甲骨アライメントは右肩甲骨下制、外転、下方回旋、winggingを認めた。肩引き下げテスト、 adsonテストは右陽性であった。他動ROMは右肩関節屈曲100°外転90°外旋10°であり、頚部屈曲30° 左側屈20°回旋35°と制限を認めた。 【治療プログラム】 当院プロトコールに則り、右肩関節他動運動・振子運動、自動介助運動、自動運動と徐々に負荷量をあ げ介入を行った。TOSに対し頚部リラクゼーション・肩甲帯のアライメント改善を行った。 【結果】 頚部のROM改善、筋緊張緩和により肩引き下げテスト、adsonテストは陰性となりTOSは消失した。肩 甲骨のアライメントは是正され広範囲に認めた圧痛も改善したが、右肩他動屈曲110°とROM制限は残存 した。 【考察】 本症例は肩甲骨のアライメント不良に加え、肩関節周囲の筋力低下により腕神経叢への牽引刺激が加わ りやすい状態であったと考えられた。術後の収縮不全から回旋筋腱板の筋出力低下および腋窩後面筋・関 節包の伸張性の低下がROM制限に影響していると考えられた。

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5.座位での自動肩関節屈曲が困難な中心性脊髄損傷の症例~姿勢

変化時の筋活動に着目して~

河東 誠1)

1)加納総合病院 リハビリテーション科 【はじめに】

中心性脊髄損傷により座位での自動肩関節屈曲(Active shoulder flexion 以下 ASF)制限に対する問 題点抽出に難渋した症例を経験したので報告する。本症例には発表の主旨を説明し同意を得た。 【症例紹介】

転倒により中心性脊髄損傷(Frankel 分類:GradeC ASIA:GradeD)を受傷した 70 代男性。保 存的加療により受傷翌日から理学療法開始。介入時は臥位での ASF も困難であり、受傷 3 週~5 週 までは三角筋前部線維(以下 DA)の筋力増強練習を中心に実施した。 【理学療法評価】初期:受傷 5 週⇒最終:受傷 8 週 ROM(Rt/Lt):肩関節屈曲[他動]160/160⇒160/160[自動](臥位)90/160⇒160/160(座位)30/70⇒ 70/130 MMT(Rt/Lt):肩関節屈曲 2/2⇒2/3、外旋 3/4⇒4/4、内旋 3/4⇒4/4 肩甲骨挙上 4/4⇒5/5、内転 2/2⇒3/4、外転・上方回旋 4/4⇒4/4、内転・下方回旋 2/2⇒3/4。座位での ASF 時、肩甲骨の過度 な挙上、外転、上方回旋を認めた。 【治療プログラム】 受傷 5 週~8 週は DA に加え、僧帽筋下部線維(以下 LT)の筋力増強練習を実施した。 【考察】 臥位と比較して座位での ASF が困難な要因として福島ら(2009)は肩関節屈曲角度の増加に伴い、 座位では LT の筋活動が増加、臥位では低下すると報告している。この事から臥位での ASF では 相対的に LT の活動が増し、肩甲骨の代償が是正される事で、ASF 角度が増加したと考えた。また 座位でも LT の筋力増強練習により、肩甲骨の代償が軽減し、ASF 角度が改善したと考えた。本症 例を通して、姿勢変化に伴う肩甲骨周囲の筋活動の違いが座位での ASF に大きな影響を及ぼす事 が再認識できた。

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6.早期から理学療法介入した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の一

症例

小林征平1) 川上和子1) 米本早予子1) 白恭烈1) 福山恵子1) 仲村渠亮1) 石丸到1) 1)淀川キリスト教病院 リハビリテーション課 【はじめに】 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は血管に炎症が起きることで、色々な臓器に様々な症 状が出現する疾患である。今回、下肢の末梢神経障害を著明に呈した EGPA 症例に対し、早期か ら理学療法介入したので報告する。 【症例紹介】 50 歳代の男性会社員。下肢の痺れ、歩行障害を主訴に入院。EGPA と診断され、第 4 病日から 理学療法を開始した。 【初期評価】 筋力 MMT(右/左)股関節屈曲、外転、膝伸展 4/4、足関節底屈、背屈 1/1、足趾屈筋、伸筋 1/1 であり、上肢の著明な筋力低下は認められなかった。 感覚障害は(右/左)、表在・深部とも、重度鈍麻/脱失であった。起立、立位保持は介助を要し、歩 行は不可能であった。 【治療経過】 入院 5 日前からステロイド治療を開始。改善が乏しく、第 3 病日からステロイドパルス療法を開 始。第 6 病日からステロイドの減量を開始した。 【最終評価】 筋力 MMT(右/左)股関節屈曲、外転、膝伸展 5/5、足関節底屈 2+/2、背屈 1/2 、足趾屈筋 2/1 、伸筋 1/1 となった。感覚障害は(右/左)表在・深部とも、軽度鈍麻/重度鈍麻となった。起 立・立位保持は自立、歩行は AFO 装着下でロフストランド杖を使用し自立、階段昇降も自立し、 第 70 病日目に退院となった。 【考察】 本症例は、血管炎由来の末梢神経障害と治療に大量のステロイドが投与されていたため、療法中 や療法後、翌日に疲労が残らないように負荷を調節し、また好酸球数、CRP 値、CK 値にも注意し た。 EGPA の神経障害は難治性であることが多い。本症例は復職が目標であったため、実用的な装具 や歩行補助具も適宜検討した。 その結果、早期介入により廃用を予防でき、また原疾患の増悪や over work 所見もなく、装具と 杖を使用し歩行自立に繋がった。 【参考文献】 1) 瀬戸川 啓・他:理学療法を実施した Churg-strauss 症状群の1症例.臨床理学療法研究所 Vol.28 103-106,2011

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7.左片麻痺により変形性膝関節症の疼痛が増悪した症例:

身体重心を目視さ

せた重心移動練習

宇井 比呂1) 1)名取病院 リハビリテーション科 【key word】変形性膝関節症・身体重心・KAM 【背景】 本症例は脳卒中により左下肢筋力低下がみられ既往である左変形性膝関節症(以下膝 OA)の疼痛が増悪し た。筋力増強により疼痛軽減するも、まれに疼痛が増悪し QOL を低下させていた。膝関節疼痛緩和を図り、 膝関節内転モーメント(以下 KAM)の軽減を目指し、身体重心を意識付けした重心移動練習を実施した。 【症例紹介】 右橋梗塞発症約 2 か月。入院前 ADL は膝の痛みあるも全て自立。屋内伝い歩き、買い物のための屋外歩行 の獲得を望んでいる。なお被験者には、この研究を行うにあたり、書面にて同意を得た。 【理学療法評価】 HDS-R 24 BRS-t:左下肢Ⅳ ROM:両膝関節伸展-5 MMT:中殿筋 R5L2 大腿四頭筋 R5L4 前脛骨筋 R5L1 動作観察:伝い歩き:リハのみ実施。左 St トレンデレンブルク徴候、lateral thrust(+)。2~5m で左膝(P)。 下腿傾斜角 74°歩行器:屋外見守り。歩容伝い歩き同様。50~80m で左膝(P)。下腿傾斜角 74° 【理学療法と経過】 各歩行の左立脚期の KAM の増大に着目した。KAM 減少を目的に身体重心を意識した重心移動練習を 1 ヶ 月間実施。三次元動作解析装置等の特別な装置を用いず症例が身体重心を意識できるよう工夫した。トレー ニングにより各歩行時の左立脚期下腿傾斜角が約 80°となり、疼痛軽減、歩行距離延長となった。伝い歩 きは棟内見守り、屋外歩行自立レベルとなった。 【結語】 身体重心等のタスクを動作目的にした運動では自由度の高い姿勢制御が実現できる。それは質量中心の安 定に繋がると報告がある。身体重心を意識した重心移動練習により床反力を安定して下腿軸に近づけるこ とが可能となった。そのため KAM が減少し膝関節疼痛が軽減したと考えた。

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8.左被殻出血後、転倒が繰り返された一症例 ~姿勢戦略に着目

して~

仲宗根 朝暁1) 1)西大阪訪問看護ステーション 【はじめに】今回、左被殻出血を発症した症例の訪問リハビリを担当した。退院後、転倒が頻回に 認められた。転倒場面の一つである後方歩行改善の為、ウェイトトランスファー(以下:WT)に着 目し治療展開した結果、転倒予防に繋がったので報告する。 【症例紹介】発表の趣旨に同意を得た 60 代女性。診断名は左被殻出血。退院後、2 カ月で 4 度転 倒が認められた。尚、退院後 1 カ月を初期評価、3 カ月を最終評価とした。 【初期評価】脳卒中機能評価(以下 SIAS)54/76 点。関節可動域測定(以下 ROM、単位:°、右/左) 足関節背屈 0/0。Berg Balance Scale(以下 BBS)31/56 点。閉眼立位 10 秒。右足底表在・足関節運 動覚 8/10。触診にて、右大殿筋・中殿筋の低緊張が認められた。WT・後方歩行は、視線が下方を 向き、足関節運動は認められず股関節戦略優位であった。 【治療】足関節・足部のモビライゼーション、WT・後方歩行を徒手誘導下で行い、足関節運動を 促通。結果のフィードバックを行い、足関節運動・大殿筋・中殿筋の収縮を確認しながら徐々にハ ンズオフへと展開した。 【最終評価】SIAS・感覚変化なし。ROM 足関節背屈 5/5 。BBS36 点。閉眼立位 60 秒。右大殿筋・中殿筋の低緊張軽度改善。各動作での足関節運動出現し、 転倒は認められなくなった。 【考察】本症例は、足底感覚情報を基に姿勢制御が出来ず股関節戦略を多用し視覚代償を用いてい た。足底や足関節からの固有感覚入力を目的とした治療を展開した結果、足関節での姿勢制御が可 能となり、大殿筋・中殿筋の出力も向上、各動作での視覚代償が軽減し、転倒予防に繋がったと考 える。

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9.脳幹再梗塞後,移乗動作改善を目指した一症例~早期 ADL にお

ける麻痺側参加の試み~

髙橋郁美1) 柴大樹1)西河和也 1) 森憲一1) 1)大阪回生病院リハビリテーションセンター理学療法士 【Key Word】脳浮腫,体幹機能,ADL 動作 【はじめに】 今回,二度の脳幹梗塞により離床に時間を要した症例を担当した.ADL 拡大にあたり,移乗動作へ の介入を行った結果,若干の改善を得たため考察を加え報告する. 【症例紹介】本発表に同意を得た 50 歳代前半男性.多発性ラクナ梗塞(橋・被殻・放線冠)発症後,右 片麻痺出現.再梗塞により橋部の梗塞巣が拡大した.既往歴:Ⅱ型糖尿病,高血圧症. 【理学療法評価(初期:17 病日→最終:37 病日)】 脳卒中機能評価:35→42/76.臨床的体幹機能検査:6→13/20.機能的自立度評価 表:64→95/126.NRS:腰背部痛 5→2/10.座位において腹部低緊張がみられた.移乗動作において,体 幹動揺・左側屈が出現.左上肢で支持物を過剰に引き込み,麻痺側下肢に荷重せず移乗していた. 【理学療法と経過】 支持面が広く動揺が出現しにくい臥位にて介入.体幹安定性の向上に伴い,立位での治療に移行し た.体幹左側屈を制約した環境で,移乗動作の再学習に向けて治療を展開し改善が得られた. 【考察】 本症例は ADL 動作にて体幹動揺が出現し,左上肢への依存が生じていた.経過の中で右下肢の筋 活動がみられ,麻痺側回復に向け病棟内の移乗動作再学習が必要であった.画像の損傷部位と身体所 見が一致せず,

体幹機能低下は脳浮腫の影響と推察した.脳浮腫軽減後の回復を期待し,

離床後早期に重点的な介入を実施した.

体幹の安定性向上は麻痺側下肢を使用した実用的移 乗動作獲得に繋がったと考える.早期 ADL 拡大に向けて多くの症例で非麻痺上下肢に依存的にな ることを経験する.急性期の過程で麻痺側の不使用を防ぎ ADL 拡大を図れた事により良好な回復 に繋がったと考える.

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10.左橋梗塞にて歩行障害をきたした症例

~四肢近位部・体幹の筋緊張低下に着目して~

甲斐太陽1) 1)北野病院 リハビリテーションセンター 【key word】脳梗塞・筋緊張・歩行障害 【背景】 今回、左橋梗塞により歩行障害をきたした症例を担当。四肢近位部・体幹の筋緊張低下に着目して 治療展開した症例について報告する。 【症例紹介】 82 歳男性。左橋梗塞指摘され、緊急入院。MRI にて左脳幹穿通枝領域に脳梗塞像あり。入院翌日、 PT・OT・ST 開始。変形性脊椎症・前立腺肥大・尿路結石の既往あり。 【理学療法評価】(入院 2 日目) 意識:JCS0。GMT(R/L):股屈曲 4/4、膝伸展 5/5、足背屈 5/5。BRS:下肢Ⅴ。筋緊張:右肩甲 帯周囲筋・右体幹筋・右股関節伸展筋低緊張。片脚立位:両側不可。歩行:独歩・近位監視レベル。 右立脚期での股関節伸展筋出力低下・両側体幹立ち直り反応低下・左立脚中期でのトレンデレンブ ルグ徴候・右立脚中期でのデュシェンヌ徴候。TUG:左 16.18 秒、右 15.18 秒。10M 歩行:6.28 秒 13 歩。 【理学療法と経過】 橋梗塞による筋緊張の低下を問題点とし、理学療法アプローチを考案。筋緊張低下がある部位の賦 活・筋緊張の正常化により意図した運動の実現を目指し、アプローチ実施。低緊張部位には、ブリ ッジ動作・左右への重心移動練習、上部体幹は肩甲帯周囲筋の賦活、立位姿勢は矢状面アライメン トにて肩・股・膝・足関節軸をそろえた状態での徒手的な荷重刺激などを行った。 【最終評価】(入院 14 日目) BRS:著変なし。筋緊張:初期評価に比べ改善。歩行:自立。初期接地から荷重応答期での重心移 動・立脚期での下肢・体幹の支持性の改善。TUG:左 9.25 秒、右 8.18 秒。10M 歩行:5.67 秒 13 歩。 【結語】 筋緊張の低下により歩行障害をきたした症例に対して、PT プログラムを立案。その結果、初期接 地から荷重応答期での重心移動の改善、立脚期での下肢・体幹の支持性が改善され、歩行パフォー マンスの改善に至った。

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11.間質性肺炎の増悪により身体機能の低下を来たした症例

則政里沙1) 1)北野病院 リハビリテーションセンター 【key word】胸郭可動性、呼吸困難感、運動耐容能 【背景】今回、間質性肺炎によって呼吸困難感が増悪した症例に対し、理学療法によって身体機能 の向上が認められたためここに報告する。また今回の発表にあたり被験者は、この研究を行うにあ たり、書面にて同意を得た。 【症例紹介】80 歳男性。現病歴より、CT で胸部異常陰影の指摘あり、KL-6/SP-D 高値より間質 性肺炎と診断。労作時の呼吸困難感増悪し、気管支鏡での原因精査・HOT 導入目的に入院し、 HOT3L で自宅退院。既往歴より膵嚢胞性病変、脂質異常症、前立腺癌(stageⅣ)

【理学療法評価】体重 68.2 ㎏(10/7)、RR20 回、SpO292%(O2:1L 安静時)、呼吸様式:腹式呼吸 胸郭拡張差 (㎝) 最大吸気/呼 気 差 腋窩 95.5 / 94.5 1.0 剣状突起 100.0 / 99.0 1.0 第 10 肋骨 96.5 / 93.5 3.0 6MWT240m(O2:4L 連続、RR32 回、SpO288%、修正 Borg4/4)。

【理学療法と経過】労作時の呼吸困難感を問題点として挙げ、それに関わる因子として、低酸素血 症、上部胸郭の可動性低下、運動耐容能低下などが考えられる。これに対して胸郭モビライゼーシ ョン、歩行による持久力訓練を実施。運動強度は karvonen 法や修正 Borg scale:4(ややきつい)を 超えない強度で実施。

【最終評価】体重 64.6 ㎏(11/4)、RR20 回、SpO2:96(room air)、呼吸様式:胸腹式呼吸

胸郭拡張差 (㎝) 最大吸気/呼 気 差 腋窩 94.5 / 91.5 3.0 剣状突起 98.5 / 94.5 4.0

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12.低左心機能の冠動脈バイパス患者の術後運動耐容能低下に対す

る要因の考察

辻本実奈美1) 1)北野病院 リハビリテーションセンター 【key word】冠動脈バイパス術、低左心機能、運動耐容能 【背景】心疾患患者において運動耐容能は強力な予後規定因子である。低左心機能の冠動脈バイパ ス術(CABG)後患者において運動耐容能低下の要因を考察した。 【症例紹介】60 歳代、男性。心不全増悪のため当院入院。冠動脈カテーテル検査において左冠動 脈主幹部に 99%の有意狭窄確認、第 14 病日に CABG を施行された。手術時間 259 分、麻酔時間 372 分、大動脈遮断時間 72 分、人工心肺時間 99 分。術前の left ventricular ejection fraction(LVEF) 32%、E/e’33.0。Bioelectrical Impedance Analysis 法にて測定した全身骨格筋量は 26.0kg。症例 には、発表を行うにあたり同意を得た。

【理学療法と経過】postoperative day 1(POD1):抜管。POD2:離床開始。POD5:100m 歩行自 立。POD9:運動療法開始。運動負荷は Karvonen 法にて目標心拍数を設定し、主観的運動強度は 修正 Borg scale にて 4 以下とした。有酸素運動に加えて、レジスタンストレーニングも行った。 POD18:心肺運動負荷試験施行。

【退院時評価】LVEF25%、E/e’19.1。握力は 23.5/16.5kg(右/左)、膝伸展筋力は 0.54/0.48kg/weight。 全身骨格筋量は 24.9kg。運動耐容能は peak VO2/W:15.9ml/kg/min(基準値の 68%)、AT: 9.9ml/kg/min(基準値の 60%)。 【考察】運動耐容能低下の要因は、Fick の理論式より左室収縮能や左室拡張能の低下、末梢骨格筋 力の低下と考えられた。心不全患者において、心拍出量や LVEF 等の中枢性効果よりも末梢循環や 骨格筋機能等の末梢性効果が運動耐容能増加の主たる要因と報告されている。よって本症例は末梢 骨格筋力の低下に対してレジスタンストレーニング、有酸素運動の介入が必要と思われた。 【結語】本症例は術後の理学療法経過は良好であったが、退院時の運動耐容能は低値を示した。低 左心機能の CABG 患者の術後運動耐容能改善には、退院後も運動療法を継続し、末梢循環や骨格 筋機能の向上を図ることが重要である。

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13.多種神経症状患者に対する治療展開

歩行と下衣脱衣動作の共通要素に着目して

~ 金岡佑美香1) 太田尚吾1) 西浦志郎1) 是澤克彦1) 佐伯訓明1) 森憲一1) 1)大阪回生病院リハビリテーションセンター 【key word】多種神経症状・下衣脱衣動作・転倒 【はじめに】 今回、ラクナ梗塞・頸椎症性脊髄症・パーキンソン症候群等、多種の神経症状を既往に持つ糖尿 病患者を担当した。易転倒性が顕著である歩行・下衣脱衣を分析し、機能改善と転倒リスク軽減を 目的に治療を展開した。若干の改善を得たため考察を加え報告する。 【症例紹介】 本発表に同意を得た 70 歳代男性。転倒増加に伴い車椅子生活となり、サービス付き高齢者向け 住宅入居。当院入院 1 ヶ月前に転倒し臥床状態であった。血糖コントロール及び身体機能改善目的 にて入院となる。 【理学療法評価】 初期入院 7 日→最終入院 21 日目と記載。足背屈(右/左)関節可動域(°) 5/5→5/10。徒手筋力検 査 右股伸展 3→3、外転 3→4、足底屈 2/2→2+/2+。足部運動覚 5/6→7/8。触察での筋緊張検査 にて両股関節屈筋・内転筋過緊張→緊張軽減。立位体幹前傾位 wide→narrow base。歩行 右 IC で 体幹前傾増強、TSt で下腿前傾不足。10m歩行 19.8→13.7 秒、52→29 歩。下衣脱衣は下腿前傾不 足、後方易転倒で遂行困難→下腿前傾出現し下衣脱衣可能。カナダ作業遂行測定(遂行度・満足度) 「施設内を歩ける」1→6・1→8、「安全にトイレ動作ができる」6→6・1→3。 【治療プログラム】 徒手、物理療法より循環・足部固有感覚改善を図った。立ち座りで股・足関節機能を促し、共通 の構成要素改善を試みた。 【考察】 歩行・下衣脱衣は股・足関節を用いた姿勢制御が重要である。本症例は、既往歴より体性感覚減 少、視覚・前庭覚優位の姿勢戦略を呈していた。混在する病態と不使用による問題に対し治療を展 開した結果、活動改善が得られたと考える。

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14.強い痺れを呈した片麻痺患者に対し非麻痺側への介入にて歩行獲得に

至った症例

前垣貴之1) 1)森之宮病院 リハビリテーション部 【はじめに】 麻痺側(左)立脚初期に足部から広がる強い痺れを訴え歩行困難であった右視床出血患者に対し、 理学療法介入により左立脚期の痺れが軽減し、T字杖歩行を獲得できた為報告する。なお、今回の 症例は倫理員会にて承諾を得ている。 【症例紹介】 60 代女性、診断名は右視床出血。発症 30 日後リハビリテーション目的で当院入院。発症 50 日 程から血腫の吸収に伴い麻痺側上下肢に痺れが出現し始めた。Needs は痺れの軽減に伴う歩行の獲 得であった。 【初期評価 68 病日】 Fugl-Meyer Assessment(FMA)は上肢 44、下肢 20 と随意性は比較的良好。異常感覚が強く安静 時の痺れ NRS5~7、歩行時(左立脚初期)は NRS10 であった。 投薬はリリカ 25ml を内服。歩行は困難であった。 【治療プログラム】 右立脚期での体幹、右下肢の抗重力伸展活動を促し、左下肢の努力的な降り出しに伴う足関節内 反、底屈を抑制した中で歩行練習を実施した。 【最終評価 146 病日】 FMA は上肢 44、下肢 20 と著変なし。リリカ 75ml を内服。異常感覚は残存したが、安静時の痺 れ NRS5~10、歩行時(左立脚初期)NRS0~1と軽減し、400m 以上の杖歩行が可能となった。 【結果】 歩行時の右立脚期が安定すると、左立脚初期での強い痺れが軽減し、杖歩行の獲得に至った。 【考察】 右立脚期での体幹、右下肢の抗重力伸展活動の向上は、左下肢の降り出しを容易にし、左立脚初 期の左足関節内反底屈を軽減させた。網様体脊髄システムの賦活により立脚側が安定した事で遊脚 側の過度な筋活動が抑制され、足部からの筋伸長刺激が軽減し、左立脚初期における強い痺れの改 善に至ったものと考える。

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15.頭部外傷から職場復帰を目指した一症例

後藤大樹1) 1)森之宮病院 リハビリテーション部 【はじめに】20 歳代男性で頭部外傷および多発骨折の症例を担当した。本症例はとび職の復帰を 希望していた。本症例は若年であり、MRI 画像所見および運動機能の回復状況より、とび職復帰を 目指してアプローチしたので報告する。 【症例紹介】20 歳代男性。発症 30 日後、リハビリテーション目的で転院し理学療法開始となる。 【説明と同意】症例には本発表の趣旨を書面にて同意を得た。

【初期評価(入院 54 日目)】ADL は FIM126/126 点、左下肢の Fugl-Meyer34/34 と麻痺は認めら れない、感覚障害も正常レベル。10m 歩行速度は 7 秒/15 歩。MMT は(右/左)股関節伸展 2/5、 股関節外転 2/5、膝関節伸展 2/5、足関節底屈 3/5 であった。ROM(右/左)足関節背屈 0°/5°。 とび職復帰に向けた評価として、片脚ジャンプ動作を行い、両側下肢とも着地後安定せず、特に右 下肢では片脚立位の維持が困難であった。 【治療プログラム】右片脚ジャンプ着地時に必要な右体幹、下肢の伸展活動と骨盤の側方制御、下 腿三頭筋の遠心性収縮が行えるように筋力トレーニングおよび片脚ジャンプの動作練習を繰り返 し行った。 【最終評価(入院 93 日目)】10m 歩行 7 秒/13 歩。MMT は(右/左)股関節伸展 3/5、股関節外 転 2/5、膝関節伸展 3/5、足関節底屈 4/5 であった。ROM(右/左)足関節背屈 5°/5°片脚ジャ ンプ動作では両側下肢ともに着地後片脚立位保持ができるようになった。 【考察】筋力トレーニングおよび動作練習を繰り返し行うことで、ターゲットにしていた動作の獲 得は得られた。しかしながら、歩容あるいは片脚立位姿勢などには、大きな変化がなく、介入の仕 方について再検討を要すると考えている。

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16.硬膜動静脈瘻に対して脳表静脈への逆流離断術実施後に右麻痺

症状を呈した 1 症例

東村 圭1) 1)医誠会病院 リハビリテーション部 【Key word】硬膜動静脈瘻,理学療法,体幹機能 【はじめに】本症例は術後画像所見上では、運動麻痺を呈する様な所見はなかったが、術後に体幹 機能や下肢運動麻痺を認めた。主治医との情報交換や理学療法評価に基づく障害像を比較しつつ病 態の把握を試みた。体幹機能向上に伴う姿勢制御再獲得を目標に介入し、起立/移乗動作の改善を 認めた為ここに報告する。 【症例紹介】診断名:硬膜動静脈瘻、年齢:50 歳代、性別:男性 職業:事務職、入院前 ADL: 自立、既往歴:脳梗塞(小脳)/HT、投薬:降圧剤、Hope:歩きたい,Needs:体幹機能の安定性向上 【理学療法評価】機能面では BRS:右上肢Ⅴ/手指Ⅴ~Ⅵ/下肢Ⅱ~Ⅲ、Barre sign/Mingazzini 試験 は共に陽性、表在/深部感覚:軽度鈍麻で右顔面/上下肢に痺れ、体幹機能評価では腹圧を維持でき ない状態であり、筋緊張:脊柱起立筋群で高緊張(R<L)あり、GMT:上下肢共に 4-レベル。動作 面では起居:軽介助、端座位可能も起立/移乗時にふらつきがあり、体幹の介助が必要な状態であ った。 【理学療法と経過】体幹機能の回復に重点を置いて介入した。8 月 X 日より理学療法開始となり、 約 1 ヵ月間のリハビリを実施した。今回の介入では Core stability 向上を目指し治療を行った事 で、姿勢制御の再獲得を認めた。その後、姿勢・動作の安定性が向上し起立/移乗動作は自力で可能 となり X+28 日転院となった。 【考察】今回、術後生じた症状に対して主治医からの手術情報や理学療法評価に基づく障害像を比 較しつつ、解剖学的な視点から障害部位を考察した。延髄周囲組織の損傷に伴う症状と捉えて体幹 機能向上を中心にアプローチした結果、動作能力の向上につながったと考える。

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17.肺炎後廃用を呈した陳旧性脳梗塞患者の早期退院を図り、tilt

table 起立訓練を行った症例

古川 大貴1) 1)神原病院 リハビリテーション科 【症例紹介】 症例は 60 代の男性。既往歴に脳梗塞と右大腿骨頸部骨折(観血的骨接合術)がある。 現病歴は平成 X 年 Y 日、38 度台の発熱があり、胸部 CT により両肺の気管支肺炎像を認め、肺炎と診断。そし て Y+2 日後に当院入院となった。肺炎に対しては抗生剤投与し Y+4 日後に炎症所見沈静化した が、ADL 低下を認めたため理学療法が開始となった。 【説明と同意】 症例と家族には本発表についての説明を行い、書面にて同意を得た。 【初期評価】 JCSⅠ‐1。シンプルオーダー可能、発語困難。MMT は右上下肢精査困難、左上下肢4。Brs は 右上肢・手指Ⅰ~Ⅱ、右下肢Ⅱ。基本動作は、端座位保持が一部介助、起立・立位が全介助、移乗 が全介助、移動が車椅子全介助。 【ゴール設定】 妻による介助で、ベッドから車椅子の移乗が行える。 【理学療法プログラムと経過】

Y+5 日より理学療法開始、起立に二人介助を要することとリスク管理面から tilt table を用いた起 立訓練を実施。訓練後、端座位は体幹の抗重力伸展活動が改善し、ベッド柵把持で見守りレベル、 立位保持は両下肢の支持性が向上し、一人介助による中等度介助で可能になった。Y+16 日後に立 位保持が軽介助で可能になり、介助歩行訓練と移乗訓練を開始。Y+24 日後にベッドから車椅子へ の移乗が軽介助で可能。Y+25 日後に本人参加の退院前訪問指導実施、自宅環境で妻の介助でベッ ドから車椅子への移乗が可能。Y+30 日で自宅退院となった。 【考察】 早期から tilt table を用いて起立訓練を行ったことで、座位・立位機能が改善し¹⁾、早期退院につな がったと考える。本症例から早期離床、座位・立位機能改善を目的とした、tilt table 起立訓練の重 要性を再認識することができた。

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18.急性リンパ性白血病に心筋梗塞を合併した1症例 ~運動負荷

強度の設定について~

土井陽介1)岡田努1)龍昌伸1)中口宏美1)須山宏一1) 1)淀川キリスト教病院 リハビリテーション課 【緒言】 心筋梗塞(以下 MI)の既往歴があり、急性リンパ性白血病(以下 ALL)を発症した症例を経験した。 kcal と METs を用いて運動負荷強度の設定を行ったので報告する。 【症例紹介】 50 歳代男性。持続する熱発、体重減少を主訴に受診、ALL にて入院加療となる。ALL 発症の 3 ヵ 月前に MI を発症。Demand としては”5 ヵ月後、息子の結婚式に出席したい”であった。 【概要】 入院当日クリーンルーム内での化学療法開始。2 クール終了後の第 61 病日に自宅退院。その後自 宅にて AMI 発症。心停止からの蘇生後は他院で PCI 施行し、再度当院での化学療法実施となる。 通算 4 クールの治療後、第 141 病日に結婚式に出席した。 【理学療法経過】

理学療法開始時、身体機能は Performance Status(以下 PS)1、cancer Functional Assessment Set(以 下 cFAS):94 点。そこで 1 週間の運動量として、1,450kcal(8,000~10,000 歩/日、2.8~3.0METs/ 回に相当)を設定した。自転車エルゴメーターを用いた全身調整運動を選択し、1 回あたりの運動 負荷強度を負荷 30watt、心拍数 82~100 回/分、主観的運動強度(Rate of perceived exertion 以下: RPE)12 以下で設定、実施した。しかし AMI 発症以降は PS3、cFAS82 点と身体機能の低下を認 め、負荷 10watt の強度で心拍数 114 回/分、RPE14 を示し、自転車エルゴメーターでの運動を継 続することが困難となった。さらに第 118 病日以降は、ベッド上での実施が中心となり kcal と METs 用いての運動強度の設定にまでは至らなかった。 【結語】 本症例は MI を合併した ALL 患者であること、またクリーンルーム内という閉鎖された空間での 理学療法、そして症例の要望を叶えるために身体機能の最大限の維持を目標とした点で運動強度の 負荷設定が問題となった。kcal と

METs を利用した負荷設定は有用であるかに思えた。

AMI 後の負荷設定はできなかったことは今後の課題と考える。

参考文献

心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012 年改訂版) P28

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19.人工股関節全置換術施行後、歩行獲得に向けて体幹機能に着目

しアプローチした一症例

前田 貴基1) 1)大阪暁明館病院 リハビリテーション科 【key word】人工股関節全置換術・体幹機能 【背景】 左人工股関節全置換術(以下 THA)を施行した症例を担当し、体幹機能に着目してアプローチし た結果、屋内歩行器歩行が自立したので報告する。なお、症例には発表の趣旨を伝え書面にて同意 を得た。 【症例紹介】 70 歳代女性。左変形性股関節症のため左 THA 施行。術後 2 日目より理学療法開始。既往に第 2 頸 椎脱臼骨折があり後方固定術施行。 【理学療法評価】 初期評価(術後 28 日目)では、ROM は左股関節伸展 5°、MMT は左股関節伸展・外転 2、体幹 屈曲 2、伸展 3。立位は肩甲帯挙上、体幹屈曲右側屈右後方回旋、両股関節屈曲外旋、右膝関節過 伸展、左膝関節屈曲しており(図 1)、荷重量は右 30 ㎏、左 15 ㎏であった。平行棒内歩行は左立 脚期で介助を要した。 最終評価(術後 58 日目)では ROM は左股関節伸展 10°、MMT は左股関節伸展・外転 3、体幹 屈曲・伸展 3、立位は体幹屈曲および非対称性が軽減、右膝関節過伸展と左膝関節屈曲(図 2)も 改善し荷重量は右 23 ㎏、左 22 ㎏、屋内歩行は歩行器を使用して自立した。 図 1(初期評価時) 図 2(最終評価時) 【理学療法】 ①座位で体幹のアライメント修正し、重心移動を誘導して体幹深部筋を賦活。②起立練習で股関

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20.変形性股関節症患者に対して、股関節内転角度に着目し歩容の

改善に取り組んだ症例

西岡俊之介1) 1)大阪府済生会中津病院 リハビリテーション技術部 【key word】デュシャンヌ歩行、股関節内転角度 【はじめに】左変形性股関節症によりデュシャンヌ歩行を呈した患者に対して、人工股関節全置換 術(以下 THA)を行い、術後の股関節内転角度の増大によって跛行の改善に繋がった症例につい て報告する。 【症例紹介】84 歳女性。身長 149cm、体重 46.9kg。左変形性股関節症と診断され、その後 THA 目的で入院されるも同日にベッドサイドで転倒し Th12 圧迫骨折を受傷。THA は延期し保存療法 により約 1 ヶ月後に自宅へ退院。約1ヶ月後に再度入院し、THA 施行し約 5 週間の治療介入を行 った。 既往歴に両変形性膝関節症(両 TKA)、迷走神経反射。 【説明と同意】本症例には発表の趣旨を書面にて同意を得た。 【初期(術前)→最終(術後 5 週目)評価】 ROM:股関節内転 0°→10° HHD(N):股関節外転 60→82 10m 歩行:19.28 秒 24 歩→20.84 秒 23 歩 歩行時痛 VAS(左股関節):49→ 0 歩行観察 初期:歩行全周期を通して、左下肢は外転・外旋位でワイドベース。左立脚中期~立脚後期で体幹 の左側屈あり。 最終:左下肢の外転・外旋位でワイドベース改善。左立脚中期~立脚後期で体幹の左側への側屈は 軽減。 【考察】今回デュシャンヌ歩行を呈した患者に対し、股関節内転角度制限に着目し介入した。その 理由として、左立脚中期で股関節外転位を取ることで、股関節外転筋筋力が発揮し難いアライメン トにあったこと。また、外転位での動作を強いることになり立脚側への重心移動の代償として体幹 側屈が起こるのではないかと考えた。よって歩行時のアライメントの修正を図るべく治療介入を行 った。治療内容としては、中殿筋や大腿筋膜張筋の過緊張に対してストレッチや可動域訓練を実施。 その結果、股関節内転角度の増大を認め、デュシャンヌ歩行の改善に繋がったと考える。

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21.THA 術後股関節伸展制限が残存した歩行に対する一考察~大

殿筋上部線維に着目して~

斉藤愛美1) 1)関西電力病院 リハビリテーション部 【key word】変形性股関節症・大殿筋上部線維・股関節伸展制限 【背景】 変形性股関節症(以下,股 OA)に対し人工股関節全置換術(以下,THA)を施行し股関節伸展制限の 残存した症例を担当した.股関節伸展制限のある歩行では外転要素として大殿筋上部線維(以 下,GMa)の活動量が増加し,その際骨盤側方安定性は GMa の活動量の増加により補償されたと報告 されている.骨盤の側方動揺はトレンデレンブルグ徴候など跛行の原因となることから,今回術後 の跛行改善に対して GMa に着目し筋力増強練習を実施し若干の知見を得たので報告する. 【症例紹介】 70 歳代男性.10 歳代より股関節痛あり,臼蓋形成不全に対し左大腿骨骨切り術施行.問題なく経 過していたが今回,疼痛増悪したため左股 OA に対し THA・大腿骨骨切り術・内転筋腱切離術施行. 翌日より免荷で理学療法開始.なお発表に対して趣旨を説明,本人から同意を得た. 【術前評価】 左股関節可動域は屈曲 80°,伸展−5°,外転 5°,内転 10°,股関節筋力は MMT4 レベル(健側 MMT5 レベル).歩容は

立脚期を通してトレンデレンブルグ徴候を呈し,股関節痛を認めた.

術 中角度は股関節伸展 0°,術中所見で大殿筋萎縮が著明であった. 【理学療法と経過】 術後翌日より患肢免荷,

3 週より 1/3 荷重,6 週で全荷重となった

.理学療法は関節可動域 練習,GMa の筋力増強を目的に腹臥位で股関節外転運動を実施.全荷重開始時,左股関節可動域は屈 曲 100°,伸展-5°,内外転 15°,MMT4 レベル.歩行は杖歩行で股関節痛は認めず,トレンデレンブル グ徴候は改善した.

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22.大腿骨頭壊死に対して人工股関節全置換術を施行された症例

~和式生活の ADL 動作獲得を目指して~

富 謙伸1) 1)北野病院 リハビリテーションセンター 【key word】THA 床からの立ち上がり 【背景】 今回右大腿骨頭壊死に対して人工股関節全置換術(以下 THA)を施行され、和式の生活様式を獲 得した症例を担当する機会を得たため報告する。 【症例紹介】 40 歳女性。16 歳で SLE 発症。2 ヶ月前より股関節痛増強。今回右 THA 目的で入院。術前より理 学療法介入。 【理学療法評価 術後 5 日目】 表;ROM ROM-t (右/左) 術前 術後 5 日 目 最終評価 股関節屈曲 90/110 90p/110 110/110 股関節伸展 20/20 10/0 15/20 疼痛(NRS):術創部痛 8 レベル。殿筋の伸張痛 8 レベル。 MMT(右/左):股関節屈曲(4/5)股関節外転(3/5)膝関節伸展(5/5)歩行:杖歩行自立。端座 位からの立ち上がりは体幹の前傾減少。床からの立ち上がりは下肢への荷重が不十分なまま体幹を 伸展、後方に不安定。 【理学療法と経過】 床からの立ち上がりで重心を上方へ移動する際に、後方へ重心が残ることによって動作が不安定と なる。これは下肢への荷重が不十分であり生じると考え、プログラムを立案し治療介入を行った。 【最終評価 術後 15 日】 疼痛(NRS):右殿部に 5 レベルの伸張痛残存。独歩自立。床からの立ち上がり動作では下肢への 荷重も良好であり、動作も安定。 【考察】 今回床上動作の獲得に着目して介入を行った。本症例では床からの立ち上がりで動作に不安定性が 目立った。これは端座位からの立ち上がり動作の殿部離床から体幹伸展相にかけて必要な要素と類 似していると考え介入。実際に端座位からの立ち上がり動作の改善に伴って、床からの立ち上がり 動作に改善がみられた。

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23.歩行改善に難渋した外傷性多発骨折の一症例 -疼痛管理と活

動性に着目して-

酒井 宏介1)巖田 将人1)山岡 明広1) 渡邉 祥文1) 東山 学史1)石田 文香1) 森 憲一1) 1)大阪回生病院リハビリテーションセンター理学療法士 【key word】 外傷性多発骨折・疼痛管理・活動参加 【はじめに】 仕事中,搬送用車両と壁に挟まれ多発性骨折となった患者を経験した.歩行改善に難渋し,退院後, 疼痛の悪化により活動量が減少し,筋ポンプ作用の低下から循環障害が生じた.疼痛管理と活動・参 加の介入が QOL 向上に繋がると考え,治療を展開し若干の改善が得られたので報告する. 【症例紹介】 本発表の趣旨を説明し同意を得た 70 歳代後半男性.右大腿骨骨幹部骨折,右坐骨骨折,両側恥骨骨 折後,骨接合術施行.術後 16 週で退院,外来治療開始. 【理学療法評価(初期:術後 24 週→最終:術後 29 週)】 カナダ作業遂行測定(遂行度・満足度の順で表記)は①何も持たずスーパーまで歩く(1・1)→(4・4) ②寺巡りをする(1・1)→(4・4)③温泉に行く(1・1)→(4・4).関節可動域測定(単位°,右側のみ記 載) 股関節伸展-5→0,外転 10→25,内旋 20→30,外旋 10→25.徒手筋力検査(右側のみ記載),股関節 伸展 2→3,外転 3→3,膝伸展 2→2.疼痛は Numerical Rating Scale で歩行時,右内転筋群に 8→1/10, 腰背部に 8→5/10.歩容は右立脚期の体幹前傾,右側屈位,右股関節外転位が軽減.SF-36v2TMは全項目 の数値が向上した. 【治療プログラム】 疼痛や筋出力低下に対して物理療法,筋徒手療法,治療的誘導を行い,それらに加え疼痛管理や外 出練習等の介入を行った. 【考察】 疼痛悪化の悪循環が生じていた症例に対し,疼痛に対する介入だけでなく外出機会も促した結 果,疼痛・歩容改善・QOL 向上が認められた.心身機能のみでなく,活動・参加からの双方向的なア プローチが必要であった.

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24.右上下肢多発骨折患者における趣味再開の試み ~歩行と上肢

操作に着目して~

本田丈歩1) 森山 僚1) 岡野真伍1) 宮崎喬平1)

花崎太一1) 森 憲一1)

1)大阪回生病院 リハビリテーションセンター 【key word】趣味 QOL SF-36v2TM

【はじめに】今回、屋外歩行時の転倒により右上下肢多発骨折を呈した症例を経験した。独居であ り歩行能力の再獲得が必要であった。趣味の再開を強く希望され、それらの活動と歩行動作の共通 問題点に着目した評価・治療を展開した。結果、ADL および QOL に若干の改善が得られたため、 考察を加え報告する。 【症例紹介】発表の趣旨に同意を得た 80 代女性。疾患名は右肘頭骨折(骨接合術施行)・右恥骨骨 折(保存療法)。受傷前は趣味である銭太鼓の練習を週 3 回程度行っていた。 【評価(初期:術後 6 週目→最終:術後 10 週目)】関節可動域検査(自動運動)は右肘関節伸展-45°→ -20°、右股関節屈曲 70p°→120°。徒手筋力検査は右肘関節伸展 2p→3、右股関節屈曲 3p→4、 伸展 2→3。疼痛(部位・運動/Numerical Rating Scale)は右前腕屈筋群・前下方リーチ時/10→5、右 内転筋群・歩行時/7→0。Timed up and go test は 18.7 秒→13.0 秒。Berg Balance Scale は 36 点→ 46 点。銭太鼓・歩行動作の共通する問題点として右上肢の自由度低下、胸椎過屈曲、右股関節伸 展筋出力低下が挙げられたが、最終評価時で改善。カナダ作業遂行測定(以下 COPM、遂行度・満 足度で記載)は「銭太鼓をする」1・1→5・5、「30 分以上連続して歩く」5・5→8・8。SF-36v2TM では、身体の痛み 0→60、活力 43.75→68.75、心の健康 35→60 と向上した。 【治療プログラム】関節可動域・末梢循環改善を目的とした物理療法・筋徒手療法。右股関節伸展 筋出力向上および、姿勢アライメントに留意した右肩甲骨下制・内転の治療的誘導、自主練習を実 施した。 【考察】趣味の継続が、活動と参加や精神的健康にとって重要と考える。今回、COPM を用いて 個別性を重視した問題点を抽出し、治療を展開した。結果、ADL 改善に加え SF-36v2TM での活 力、心の健康の改善に至ったと推察する。

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25.立脚期に生じた膝屈曲位での歩様に対して理学療法を施行し、改善が

認められた TKA 症例

宮崎剛史1) 1)牧病院 リハビリテーション科 【key word】膝伸展制限・大腿四頭筋 【諸言】 今回、右人工膝関節全置換術(以下 TKA)を施行され、右立脚初期から中期に生じた骨盤前傾・股関 節屈曲、膝関節軽度屈曲位での歩容に対して理学療法を行った結果、歩容の改善が認められた症例を報告する。 尚、本症例に発表の主旨を説明し、同意を得た。 【症例紹介】 70 歳代女性、右変形性膝関節症。数年前から歩行時に右膝関節痛が生じ、その後疼痛増悪し当院 にて TKA 施行。 【理学療法評価と経過】 術前・初期・最終を表に示す。 表 理学療法評価(初期:術後 9~11 日 最終:術後 18~20 日) 右 術前 初期 最終 膝伸展 ROM (他動/自動) 0°/0° -10°p/-25° -5p°/-10° 膝伸展 MMT 5 2 5 NRS (荷重時) 膝内側部 8 膝蓋骨上方 6 膝蓋骨上 方 3 大腿周径 ( 膝 蓋 骨 直 上) (左右差) +1.0cm +4.0cm +2.5cm ※股関節機能に著明な低下なし P:膝窩部に伸張痛 歩行観察:(術前)右立脚初期から中期にかけて骨盤前傾・股関節屈曲、膝関節伸展位での歩行を行う。 (初期)右立脚初期から中期にかけて骨盤前傾・股関節屈曲・膝関節軽度屈曲位での歩行を行う。 (最終)右立脚初期から中期にかけて骨盤前傾減少・股関節屈曲減少、膝関節伸展が出現した歩行を行う。

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26.転倒恐怖感の強い大腿骨転子部骨折患者に対して

Mini-BESTest の有用性

高木恒介1) 1)加納総合病院 【はじめに】 独歩時の転倒恐怖心が強い症例を担当した。転倒と相関の高い Mini-BESTest(以下 MBT)を用 いて評価、治療する事で良好な結果が得られたため、考察を加え報告する。 【症例紹介】(初期:術後 11 週目 最終:14 週目) 左急性硬膜下血腫で入院中の 80 代女性を担当し、屋外独歩自立レベルまで改善した。しかし、 退院直前に病院で転倒し右大腿骨転子部骨折を呈した(EVANS 分類 Type1 group1)。翌日に観血的 骨接合術を施行し、術後 1 週目に回復期病棟に転棟した。その後、身体機能など順調に改善するも 転倒恐怖心が強く出現していた。症例には、本発表の主旨を説明し同意を得た。

【理学療法評価】(初期:術後 11 週目 最終:14 週目)

SIAS72 点→72 点、ROM 右股関節外転 15°→15°、MMT 右股関節外転 3→3+ 右股関節外旋 3→3、Berg Balance Scale(以下 BBS)51→51、MBT11→18(反応的姿勢制御 0→3)、Ten Step Test16.12 秒→14.10 秒、10m歩行 12.40 秒→11.78 秒、Modified-Gait Efficacy Scale52→60 【考察】 BBS では変化が見られなかったが、MBT では向上を認め、歩行機能と転倒恐怖感においても改 善した。これは難易度の高い支持基底面を変えながらのバランスや重心が支持基底面から出た際の バランス評価により BBS では捉えきれない問題点を MBT では抽出できたためと考えられる。こ のことより、BBS の点数が高い症例に対して MBT を使用することで、転倒の問題点をより明確に 評価できる事が分かった。

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27.小児麻痺後遺症を持つ TKA 患者の自転車駆動と歩容改善の試

川口 徹1)下見 将弘1) 吉本 幸恵2)森下 健1) 原田 宏隆1) 森 憲一1) 1)大阪回生病院リハビリテーションセンター理学療法士 2)大阪回生病院リハビリテーションセンター作業療法士 【key word】TKA、小児麻痺後遺症、自転車駆動 【はじめに】小児麻痺後遺症(左凹足変形)を持つ右 TKA 患者を担当した。術後の疼痛・可動域・ 筋力は早期に改善し歩行の獲得に至った。しかし、歩行の左立脚期・自転車の左踏込期に不安定性 を認め、これらの共通要素に対し治療を展開した。若干の改善を得たため考察を加え報告する。 【症例紹介】本発表に同意を得た 70 代女性。右膝関節痛により歩行・自転車駆動困難となり右変 形性膝関節症と診断され、TKA 施行。 【評価・経過】初期で T 字杖歩行、中間で独歩・自転車駆動を獲得したが、歩行の左 IC-TSt・自 転車駆動の左踏込期において体幹左側屈・右側骨盤挙上を認めた。最終ではこれらが軽減し、カナ ダ作業遂行測定において改善を認めた。評価結果を初期→最終で表記。疼痛評価(Numerical Rating Scale)創部痛 7→1/10 。関節可動域測定(単位°)は右膝関節伸展-15→-5、屈曲 100→120。徒 手筋力検査は右膝関節伸展 2→4、左足関節底屈 2→2、左股関節伸展 3→4。左舟状骨高は 4.5cm→ 4.5cm。触診にて右大腿四頭筋、左後脛骨筋、左下腿三頭筋に過緊張を認めたが軽減した。(初期: 術後 12 日、中間:24 日、最終:32 日) 【治療プログラム】初期では右膝関節可動域練習、循環改善目的に治療を実施。その後歩容・自転 車駆動の改善のために、左下腿三頭筋・殿筋群強化を目的に治療を展開した。 【考察】 術後は疼痛軽減や可動域改善を最優先し歩行の獲得に至った。しかし本症例において歩容・自転車 駆動改善のためには、変形に至った原因の治療が必要であり左下肢に治療を展開した。結果、動作 改善に至り活動・参加が促されたと考える。

参照

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