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世界的な金融市場の波乱は 国内の不動産投資市場に特に影響を与えていない 経営環境解説 8 月中旬から中国の元の切り下げ 中国景気の減速懸念の高まりや米国の利上げに対する不透明感を契機として 世界的に株式市場 コモディティ市場が急落 国際金融市場のボラティリティは急激に高まった J-REIT 市場では

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アナリストレポート・プラットフォーム 1

サムティ

(3244・東証 1 部)

㈱ テ ィ ー ・ ア イ ・ ダ ヴ リ ュ

堀部 吉胤

サマリー①(ゴシック・10.5 ポイント) 15/11 期 3Q 累計(12-8 月)決算は、売上高 311 億円(前年同期比 2.3 倍)、営業利益 56.6 億円(同 2.4 倍)と急伸した。7 月末で大型商業施 設の水戸サウスタワーのキーテナントが退去したことに伴う違約金収 入 17.3 億円が利益を押し上げた。レジデンスを主な投資対象とする REIT を 6 月末に上場させたことに伴う物件拠出により約 11 億円の売却 益を計上するなど再生流動化も順調に拡大した。 3Q 累計決算発表とともに通期会社業績予想は小幅修正された。3Q 累 計で利益予想はほぼ達成されているが、4Q(9-11 月)は再生流動化の 売却の予定がほとんどないことなどから、通期業績は修正会社予想線 で着地するとみられる。 10 月 26 日に JASDAQ から東証 1 部に市場変更。これを受け 1 株当り 3 円の記念配当を実施し、期末(年間)配当金は 33 円となる予定。 16/11 期業績は、17.3 億円の違約金収入の反動減を跳ね返して続伸 となろう。牽引するのは、①15/11 期になかった開発流動化の売上高が 100 億円強見込まれること、②投資用マンション分譲の販売戸数の増 加、③水戸サウスタワーの後継テナントの目処が立ち売却が見込まれ るなど、再生流動化が好調を持続するとみられること、④2014 年 12 月 にリニューアルオープンした郊外型大型商業施設の再生案件であるピ エリ守山の利益への本格寄与、などになろう。15/11 期は築古のオフィ スなど固定資産の入替を積極的に行ったことなどにより特別利益が高 水準になった反動で純利益は前期並みにとどまると予想した。

良 好 な 金 融 環 境 を 背 景 に 業 績 続 伸

業 績 動 向 売上高 百万円 前 期 比 営業利益 百万円 前 期 比 経常利益 百万円 前 期 比 当期純利益 百万円 前 期 比 EPS 2015/11 3Q(4-6 月) 実 績 31,143 2.3 倍 5,664 2.4 倍 4,052 3.8 倍 4,397 3.4 倍 203.61 2014/11 3Q(4-6 月) 実 績 13,737 -36.1 2,343 -3.5 1,079 -9.2 1,290 83.0 61.18 2014/11 通 期 実 績 24,363 -11.0 4,042 45.1 2,304 10.2 2,304 38.3 108.21 2015/11 通 期 新 ・ 会 社 予 想 (2015 年 10 月発表) 38,000 56.0 6,000 48.4 4,000 73.6 4,400 91.0 204.34 旧 ・ 会 社 予 想 (2015 年 6 月発表) 37,000 51.9 6,200 53.4 3,800 64.9 3,700 60.6 155.52 新・アナリスト予想 38,100 56.4 6,050 49.7 4,050 75.8 4,420 91.8 207.20 旧・アナリスト予想 (2015 年 6 月発表) 34,000 39.6 5,700 41.0 3,700 60.6 2,740 18.9 123.47 2016/11 通 期 新・アナリスト予想 50,600 32.8 7,700 27.3 5,500 35.8 4,400 -0.5 206.26 旧・アナリスト予想 (2015 年 6 月発表) 37,100 9.1 7,000 22.8 4,800 29.7 3,160 15.3 142.40

2015 年 10 月 27 日

主要指標 2015/10/23 現在 株 価 1,274 円 年 初 来 高 値 1,284 円 (15/10/22) 年 初 来 安 値 741 円 (15/01/07) 発行済株式数 24,035,127 株 売 買 単 位 100 株 時 価 総 額 30,620 百万円 予 想 配 当 ( 会 社 ) 33.0 円 予 想 E P S ( ア ナ リ ス ト ) 207.20 円 実 績 P B R 1.04 倍

15/11 期業績は特殊要因も手伝い大幅増益に

16/11 期業績は開発流動化などが牽引しよう

ア ッ プ デ ー ト レ ポ ー ト

直 前 の レ ポ ー ト 発 行 日 ベ ー シ ッ ク 2015/06/16 リサーチノート 2015/03/06

(2)

アナリストレポート・プラットフォーム 2  経営環境解説 8 月中旬から中国の元の切り下げ、中国景気の減速懸念の高まりや米国の 利上げに対する不透明感を契機として、世界的に株式市場、コモディティ市 場が急落。国際金融市場のボラティリティは急激に高まった。 J-REIT 市場では旺盛な物件取得を受け PO(公募増資)ラッシュが続いた ことも加わり、東証 REIT 指数は、2014 年 10 月末の日銀の追加緩和直前の 水準約 1,600 ポイントを割り込み、9 月 8 日には 1,509 ポイントまで低下し た。その後、①国際金融市場が落ち着きをみせてきたこと、②投資口価格の 下落により予想分配金利回りの魅力が高まったこと、③鑑定評価額の上昇継 続による NAV の向上などから反転し、足元は 1,700 ポイント付近まで回復し ている。物件取得競争の過熱を受け、既にポートフォリオの規模の大きい REIT では、外部成長よりも内部成長に軸足を移してきている。これにより PO ラッシュが一服するとみられること、多くのアセットタイプで緩やかな がら賃料増額の動きが広がっていることから、今後の東証 REIT 指数は底堅 く推移するとみる。東証 REIT 指数が下落するとインプライド・キャップレ ートが上昇し、現物の不動産価格に下落圧力がかかる可能性があるが、当面、 こうした懸念は乏しいだろう。 実際、国際金融市場の混乱、中国の景気減速はこれまでのところ国内の現 物不動産投資市場に特段の影響を与えていない。金融機関の不動産融資姿勢 は引続き非常に積極的であり、特に貸出先に乏しい地銀にその傾向が強い。 アジアなどの海外投資家も、東京をはじめとする日本の不動産投資に対し、 引続き積極姿勢。シンガポールや上海などの不動産と比較し、キャップレー トや単純な坪単価からみて割安感が強いことなどによるとみられる。また、 2015 年 1 月からの相続増税を受け、個人富裕層が中小型のレジデンスやオ フィスなどを機関投資家とは異なった目線で高く買う動きも続いている。 当社の主要投資対象アセットタイプのレジデンスをはじめとして、キャッ プレートの低下は緩やかにはなってきたが、当分、反転しそうな気配はみら れない。オフィスやホテルなど景気に敏感なアセットタイプでは、賃料が緩 やかに上昇している。日銀の追加緩和の可能性もあり、不動産投資市場はホ ットな環境が続こう。  15/11 期 3Q 累計(12-8 月)業績解説 10 月 9 日に発表された 15/11 期 3Q 累計決算は、売上高 311 億円(前年同 期比 2.3 倍)、営業利益 56.6 億円(同 2.4 倍)、経常利益 40.5 億円(同 3.8 倍)、純利益 43.9 億円(同 3.4 倍)。2Q 累計(12-5 月)までの流れを引継い で大幅増収増益の好決算となった。

 会社概要

3Q 累計決算は特

殊 要 因 も あ り 、 前

年 同 期 比 大 幅 増

収増益

世界的な金融市場

の波乱は、国内の

不動産投資市場に

特に影響を与えて

いない

(3)

アナリストレポート・プラットフォーム 3 ただし、大幅増収増益となったのには、大型商業施設水戸サウスタワーの キーテナントであるヤマダ電機(9831)が定借の残存期間 2 年半を残して 7 月末に解約したことによる違約金収入 17.3 億円の発生という特殊要因もあ った。5 頁の表で 2Q(3-5 月)の不動産賃貸事業の売上高、営業利益が膨ら んでいるのはこのためである。なお、ヤマダ電機の退去は、5 月 25 日に発 表された構造改革のための地方店舗を中心とする大規模な店舗閉鎖の一環。 不動産賃貸事業では、地方大型商業施設の再生案件としてメディアからも 注目されたピエリ守山が昨年 12 月にリニューアルオープン。フリーレント の明けたテナントから順次、賃料が発生している。 オープン時の大盛況は時間の経過とともに沈静化。琵琶湖畔に立地し、ア クセスの悪さから平日の集客が厳しく、来場者数、テナント売上高は想定の 下限で推移しているとしている。現状、インバウンド需要をほとんど取り込 めていないため、9 月 1 日に外国人観光客向けに滋賀県で初となる消費税免 税手続き代行カウンターを開設したほか、旅行代理店と組んでインバウンド 需要の取り込みを模索したり、‘爆買い’が期待できるテナントを誘致する など、テコ入れを図っている。現在、稼働率は 90%程度で、期末には 92~ 93%になる見込み。安定稼働すると年間の NOI は 5~6 億円になる見込みと しているが、フリーレントやテナント入居時の内装工事費の一部負担により、 15/11 期はほとんど利益がないもよう。 不動産事業は、売上高 233 億円(前年同期比 2.7 倍)、営業利益 27.6 億円 (同 2.0 倍)。売上高をサブセグメントに細分すると、再生流動化 172 億円 (同 6.7 倍)、投資用マンション分譲 53.2 億円(同 2.8%増)、アセットマ ネジメント 6.9 億円(同 54.9%増)。開発流動化の売上高は立たなかった。 今期は賃貸マンション S-RESIDENCE2 棟が期末に竣工予定だが、リーシング 完了後の売却となるため、通期でも開発流動化の売上高は見込まれていない。 当社がシングルスポンサーを務めるサムティ・レジデンシャル投資法人 (3459)が 6 月 30 日に資産規模 28 棟、305 億円で上場した。当社からは 3 月、5 月、7 月に計 13 物件、約 137 億円を拠出し、売却益約 11 億円を計上 した。REIT 向け以外にも事業会社や個人富裕層などへのレジデンスの売却 が進展した。3Q には当社として初めて台湾の投資家に 1 棟を売却した。 投資用マンション分譲の計上戸数は 322 戸(前年同期比 80 戸減)と戸数 減ながら、戸当り単価の高い東京の比率が高まったこと、東京、大阪とも単 価が上昇傾向であることから売上高は微増となった。 アセットマネジメントでは、サムティ・レジデンシャル投資法人の上場に 伴う物件取得によるアクイジション・フィーも寄与した。

 会社概要

ピエリ守山のテナン

ト売上高は想定の

下限で推移

6 月の系列 REIT 上

場に伴う物件拠出

により売却益約 11

億円を計上

(4)

アナリストレポート・プラットフォーム 4 サムティ・レジデンシャル投資法人は、主要地方都市のレジデンスを主な 投資対象としており、将来的にはホテルやヘルスケア施設も組み入れる方針。 地方物件が多く取得価格に対する減価償却費の割合が高くなるため、長期修 繕計画等に影響を与えない範囲で利益超過分配を行う方針としていること が特徴的。 スポンサーサポート契約に基づき、当社が開発した S-RESIDENCE に関する 優先的売買交渉権を付与している。これまでは、キャピタランド・ジャパン (シンガポールに本部を置くアジア最大級の不動産会社キャピタランドの 日本法人)に S-RESIDENCE に関する優先的売買交渉権(毎期累計 200 億円に 達するまで)を付与していたが、REIT とのスポンサーサポート契約の発効 とともに解消された。 15/11 期の仕入れ計画は、開発用地 90 億円(売上規模 300 億円相当)、収 益不動産が固定資産と棚卸資産を合わせ 400 億円。 3Q 累計の仕入れの進捗は、開発用地が 20 物件(大阪 9 物件、東京 11 物 件)、売上規模 240 億円相当と概ね順調な一方、収益不動産が 26 物件、約 187 億円(販売用不動産として 12 物件、約 90 億円、固定資産として 14 物 件、約 97 億円)と苦戦。 開発用地の仕入れが順調な要因は、①投資用マンション用地は 100 坪程度 あればよく、大手ディベロッパーと競合しない、②不動産価格上昇を受け、 売り時とみた個人や事業法人からの売却が増加している、など。特に東京の 方が、大阪よりも取得しやすいという。大阪は商圏が限られることから同業 他社との取得競争が激しいようだ。 収益不動産の仕入れの苦戦は、良好な資金調達環境を受け取得競争が一段 と過熱する中、無理な取得を行っていないことによる。平均取得キャップレ ートは 6.5%程度と比較的高い水準を確保しており、仕入れにおける規律を 保っている。キャップレートの低下が著しい都心物件は追わず、引続き比較 的大手との競合の少ない主要地方都市のレジデンスを中心に取得を進めて いるほか、長崎のホテル(153 室)やヘルスケア施設を取得した。 良好な売却環境を捉えて築古となった固定資産の入替も積極的に進め、賃 貸ポートフォリオの質の向上を図っている。3Q 累計で 9 物件、簿価で 60 億 円を売却し、売却益(売却損をネット後)19.3 億円を特別利益に計上した (会計処理上、同一物件において、土地で売却益、建物で売却損、あるいは その反対となる場合がある)。また、4Q に売却が決定している大阪のオフィ スで減損損失 2.2 億円を計上。通期の売却は 12 物件、簿価で約 90 億円とな るもよう。4Q の売却益はわずかとみられる。

S-RESIDENCE の

優 先 的 売 買 交 渉

権は、キャピタラン

ドから系列 REIT に

移行

 会社概要

開発用地の取得は

順調な一方、収益

不動産の取得は競

争激化で厳しい

固定資産の入替も

積極推進

(5)

アナリストレポート・プラットフォーム 5 通期の仕入は、開発用地が売上規模で 270 億円程度、収益不動産が 200 億円程度にとどまるとみられる。 仕入れ強化のため、5 月の札幌支店の開設に続き、2016 年 3 月に名古屋支 店を開設すると 9 月 25 日に発表した。大阪、東京、福岡、札幌に続く 5 番 目の事業拠点となる。 四半期業績の推移 (単位)百万円 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q CE 売上高 2,553 7,876 3,308 10,626 3,409 17,513 10,221 6,857 不動産 1,081 6,104 1,582 8,711 1,353 13,651 8,301 4,995 不動産賃貸 1,328 1,538 1,569 1,748 1,899 3,689 1,731 1,581 その他 143 234 157 166 155 174 190 281 売上原価 1,656 5,645 2,126 7,795 2,151 13,112 7,959 na 売上総利益 897 2,230 1,182 2,831 1,257 4,402 2,262 na 販売管理費 575 762 629 1,132 707 812 738 na 営業利益 322 1,467 554 1,699 550 3,590 1,524 336 不動産 88 1,086 219 1,552 48 1,409 1,309 1,734 不動産賃貸 547 679 655 887 833 2,548 495 924 その他 22 43 25 46 41 48 52 259 調整額 ▲ 336 ▲ 341 ▲ 345 ▲ 786 ▲ 373 ▲ 415 ▲ 331 ▲ 2,581 営業外収益 42 15 11 2 9 9 19 na 営業外費用 412 503 416 477 474 659 515 na 支払利息・支払手数料 369 504 416 472 464 630 491 na 経常利益 ▲ 47 978 148 1,225 85 2,939 1,028 ▲ 52 特別利益 273 1,294 221 1,788 560 42 2,610 na 特別損失 36 917 0 1,139 6 2 948 na 税金等調整前純利益 189 1,356 369 1,874 639 2,979 2,690 na 法人税等 96 464 119 892 43 957 927 na 少数株主利益 0 0 ▲ 55 ▲ 31 ▲ 16 0 0 na 純利益 92 893 305 1,014 611 2,023 1,763 3 (出所)決算短信を、会社資料もとにTIW作成 (注)CEは会社予想 4Qの会社予想において営業利益の調整額が膨らんでいるのは、通期の修正予想では 各セグメントへの費用配賦が考慮されていないため 14/11 15/11  15/11 期業績予想 2Q 累計決算発表前の 6 月 17 日に通期会社業績予想は期初予想から上方修 正されていた。上方修正幅は売上高 30 億円、営業利益 6 億円、経常利益 3 億円、純利益 11 億円。上方修正の主因は、水戸サウスタワーにおける違約 金収入 17.3 億円の発生。営業利益の上方修正幅が違約金収入に比べ小さい のは、売却を予定していた物件を一部入れ替えたことによる。純利益の上方 修正幅が大きいのは、資産入替に伴う固定資産の売却益の増加による。 3Q 累計決算発表とともに通期会社業績予想は再度修正された。売上高は 10 億円上方修正、営業利益は 2 億円下方修正、経常利益は 2 億円、純利益 は 7 億円、それぞれ上方修正された。

 会社概要

2016 年 3 月に名

古屋支店を開設へ

今期 2 度目の業績

予想修正を発表

(6)

アナリストレポート・プラットフォーム 6 売上高の上方修正は、16/11 期売却予定だった物件が今期に売却できる見 通しとなったことによる。一方、営業利益が小幅下方修正されたのは、控除 対象外消費税が想定を上回る見通しとなったことにより販管費が増加する ため。これは、物件売却において土地代比率の高い物件が想定よりも多くな ったことによる。 営業利益の下方修正にもかかわらず経常利益が上方修正されたのは、金融 コストが物件取得の遅れや調達条件の改善などで想定を下回ったため。 純利益の上方修正幅が大きいのは、固定資産売却益が想定を上振れる見通 しになったことや税負担の想定を見直したことによる。 修正会社業績予想に対する 3Q 累計の進捗率は、売上高 82.0%、営業利益 94.4%、経常利益 101.3%、純利益 99.9%。利益面では、既にほぼ達成して いる。修正予想は保守的にみえるが、4Q は再生流動化の売却がほとんどな い予定で、賃貸事業と投資用マンション分譲の利益にほぼ限られる一方、控 除対象外消費税の清算により販管費が増加する。このため、ほぼ会社予想線 で着地するとみられる。 なお、投資用マンション分譲の計上戸数は通期では 540 戸程度と 14/11 期の 542 戸並みにとどまる見込みだが、戸当り単価の高い東京の比率上昇と 全体的な価格上昇により売上高は 86 億円(14/11 期 68 億円)と増加見込み。 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 04/11 05/11 06/11 07/11 08/11 09/11 10/11 11/11 12/11 13/11 14/11 15/11E16/11E ファミリータイプ 投資用 売上高(右軸) 分譲マンションの計上戸数の推移 (戸) (出所)会社資料、有価証券報告書 (注)EはTIW予想 (億円)

 会社概要

修正予想線で着地

しよう

(7)

アナリストレポート・プラットフォーム 7  16/11 期業績予想 16/11 期業績は、違約金収入 17.3 億円の剥落を跳ね返し続伸となろう。 業績を牽引するとみられるのは、①15/11 期になかった開発流動化の売上高 が 100 億円強になるとみられること、②投資用マンションの販売戸数の増加 (前頁グラフ参照)、③大型物件の水戸サウスタワーの売却が見込まれるな ど良好な物件売却環境を背景に再生流動化の好調が持続できそうなこと、④ ピエリ守山の利益寄与の本格化、などによる。 開発流動化の売却先は、優先交渉権のあるサムティ・レジデンシャル投資 法人が基本となるが、同投資法人の投資口価格は、IPO 時の公募価格 102,000 円を下回って推移しており、PBR1 倍をかなり下回っている。当期中の PO が 見送られた場合には、外部売却するとみられる。 水戸サウスタワーは、ヤマダ電機の後継テナントをリーシング中。ヤマダ 電機が入居していた 3~9 階部分の一括貸しとフロア貸しの両面でリーシン グ活動をしていたとみられるが、一括貸しでほぼ目処が付いたもよう。販売 用不動産の中で最大の案件であるピエリ守山の売却の可能性もあるだろう が、トラックレコードの蓄積がまだ充分ではないことから TIW 業績予想に織 り込まなかった。仮に売却された場合には売上高は膨らむが、ピエリ守山を 保有する SPC を連結した際や持分の追加取得の際の時価評価により、利益を 先取りしてきたため、売却益は限定的になると考えられる。 TIW 業績予想では 15/11 期ほど固定資産の売却益を見込まなかったことや、 15/11 期の負ののれん発生益 5.5 億円(ピエリ守山を保有する SPC の他社持 分を追加取得し持分を 100%としたことに伴い再度時価評価したことによ るもの)の剥落により、特別利益が減少し、純利益は前期並みにとどまると 予想した。 今後の注目点としては、①ピエリ守山の集客、テナント売上高の動向(売 却価格に影響するため)、②将来の再生流動化の売却益の源泉となる収益不 動産の仕入れの進捗状況、及び取得キャップレート、③サムティ・レジデン シャル投資法人の投資口価格の動向、などが挙げられよう。

開発流動化などが

牽引し、業績続伸

となろう

 会社概要

(8)

アナリストレポート・プラットフォーム 8

損益計算書 (単位)百万円

08/11 09/11 10/11 11/11 12/11 13/11 14/11 15/11CE 15/11E 16/11E 売上高 22,048 15,984 12,903 16,227 10,870 27,374 24,363 38,000 38,100 50,600 不動産 9,890 4,203 7,572 11,547 5,954 21,602 17,478 28,300 28,400 41,700 開発流動化 5,286 800 0 0 0 2,659 4,790 0 0 11,000 再生流動化 4,604 3,403 6,153 8,062 2,732 12,385 4,765 19,000 19,000 20,000 アセットマネジメント 165 19 19 12 8 223 781 800 800 700 投資分譲 6,365 6,012 1,346 3,189 3,023 6,066 6,800 8,450 10,000 住宅分譲 323 95 53 283 189 266 341 150 0 不動産賃貸 4,876 5,235 4,978 4,336 4,343 5,140 6,183 8,900 8,900 7,800 住居 2,412 2,196 1,744 1,466 1,607 1,823 2,587 na 2,750 3,000 オフィス 1,280 1,258 1,599 1,251 972 1,421 1,686 na 950 850 その他 1,183 1,781 1,634 1,619 1,763 1,895 1,910 na 5,200 3,950 その他 427 418 352 343 572 631 700 800 800 1,100 売上原価 15,683 12,046 8,061 11,360 6,992 22,051 17,222 na 28,350 38,900 売上総利益 6,365 3,937 4,842 4,867 3,878 5,323 7,140 na 9,750 11,700 販管費 2,107 1,963 1,911 2,016 2,141 2,537 3,098 na 3,700 4,000 営業利益 4,257 1,974 2,930 2,850 1,737 2,785 4,042 6,000 6,050 7,700 不動産 2,890 513 1,223 2,028 758 1,907 2,945 4,500 3,700 6,300 不動産流動化ほか 1,802 59 na na na na na na 2,500 4,800 不動産分譲 1,088 454 na na na na na na 1,200 1,500 不動産賃貸 2,493 2,331 2,758 2,241 2,135 2,182 2,768 4,800 4,450 3,700 その他 45 105 43 31 93 106 136 400 150 200 調整額 ▲ 1,172 ▲ 975 ▲ 1,095 ▲ 1,450 ▲ 1,250 ▲ 1,410 ▲ 1,808 ▲ 3,700 ▲ 2,250 ▲ 2,500 営業外収益 168 483 148 117 25 1,034 70 na 100 100 営業外費用 2,465 2,265 1,813 1,680 1,577 1,727 1,808 na 2,100 2,300 支払利息・支払手数料 2,240 2,193 1,672 1,642 1,516 1,697 1,761 na 2,000 2,200 経常利益 1,960 192 1,265 1,288 185 2,091 2,304 4,000 4,050 5,500 特別利益 745 1,410 600 223 1,005 430 3,576 na 3,350 1,400 固定資産売却益 554 694 534 221 905 430 2,009 na 2,800 1,350 特別損失 6,399 1,002 746 40 102 220 2,092 na 1,000 100 税金等調整前当期純利益 ▲ 3,693 600 1,119 1,470 1,088 2,302 3,788 na 6,400 6,800 法人税等 833 ▲ 906 16 277 ▲ 43 635 1,571 na 1,980 2,400 少数株主利益 ▲ 4 0 0 0 ▲ 1 0 ▲ 86 na ▲ 20 0 純利益 ▲ 4,522 1,506 1,103 1,192 1,134 1,666 2,304 4,400 4,420 4,400 要約貸借対照表 (単位)百万円、%

08/11 09/11 10/11 11/11 12/11 13/11 14/11 15/11CE 15/11E 16/11E 総資産 88,117 80,113 69,834 64,953 74,259 80,122 99,709 na 113,000 120,000 現預金 5,742 3,588 4,774 4,539 5,425 8,512 10,023 na 12,000 12,000 棚卸資産 21,229 16,842 16,046 15,936 23,240 17,163 34,701 na 36,000 39,000 販売用不動産 na 11,879 11,357 10,312 15,491 7,536 17,377 na - -仕掛販売用不動産 na 4,963 4,689 5,624 7,749 9,627 17,324 na - -有形固定資産 58,133 56,089 46,962 42,055 42,874 49,497 50,846 na 54,000 56,000 有利子負債 69,205 61,480 50,821 44,434 50,504 51,728 65,681 na 75,000 80,000 自己資本 11,577 13,081 14,428 15,884 18,814 22,325 23,237 na 26,953 30,606 (自己資本比率) 13.1 16.3 20.7 24.5 25.3 27.9 23.3 na 23.9 25.5 (出所)決算短信、有価証券報告書、会社資料、会社ヒアリング (注)CEは会社予想、EはTIW予想 15/11期の会社予想の営業利益では各セグメントへの費用配賦が考慮されていない 8,500

 会社概要

(9)

アナリストレポート・プラットフォーム 9  10 月 26 日に東証 1 部に指定替えへ 10 月 19 日に JASDAQ から東証 1 部への市場変更について東京証券取引所 から承認され、10 月 26 日に東証 1 部上場になると発表。合わせて、東証 1 部への市場変更を記念して 1 株当り 3 円の記念配当を実施すると発表した。 15/11 期末配当金は、普通配当 30 円と合わせ 33 円となる予定(中間配当は 行っておらず、これが年間配当となる)。期初の配当金予想は前期比 4 円増 額の 26 円だったが、6 月 17 日の業績予想上方修正時に 4 円増額修正されて いた。 2013 年 10 月に公表した中長期経営計画「Challenge40」では、東証 1 部 への指定替えを特段目標には掲げていなかったが、時価総額が 250 億円を上 回ってきて JASDAQ から東証 1 部への市場変更のための形式要件を充足した ため市場変更を申請していた。 不動産会社は資金調達が生命線。現在は金融機関の不動産融資が極めて緩 和しているため東証 1 部への市場変更により融資条件が目立って改善する ということはないだろうが、将来の金融引き締めを睨むと東証 1 部上場は意 義のあることといえよう。 また、J-REIT 市場においては、スポンサーの信用力が重視される傾向が あるため、今回の東証 1 部への市場変更がサムティ・レジデンシャル投資法 人の投資口価格形成にポジティブな影響を与えることを期待したい。

 会社概要

東証 1 部への市場

変更を記念して 3

円の記念配当を実

施予定

(10)

アナリストレポート・プラットフォーム 10 2012/11 2013/11 2014/11 2015/11 予 (アナリスト) 株 価 推 移 株価(年間高値) 円 538 1,695 934 - 株価(年間安値) 円 252 350 608 - 月 間 平 均 出 来 高 百株 15,074 49,295 18,615 - 業 績 推 移 売 上 高 百万円 10,870 27,374 24,363 38,100 営 業 利 益 百万円 1,737 2,785 4,042 6,050 経 常 利 益 百万円 185 2,091 2,304 4,050 当 期 純 利 益 百万円 1,134 1,666 2,304 4,420 E P S 円 67.68 93.30 108.21 207.20 R O E % 6.5 8.1 10.1 16.4 貸 借 対 照 表 主 要 項 目 流 動 資 産 合 計 百万円 29,579 26,276 45,611 - 固 定 資 産 合 計 百万円 44,670 53,842 54,056 - 資 産 合 計 百万円 74,259 80,122 99,709 - 流 動 負 債 合 計 百万円 19,823 15,774 17,856 - 固 定 負 債 合 計 百万円 35,545 41,893 56,886 - 負 債 合 計 百万円 55,368 57,668 74,742 - 株 主 資 本 合 計 百万円 18,803 22,300 23,201 - 純 資 産 合 計 百万円 18,891 22,453 24,966 - キャッシュフ ロ ー 計 算 書 主 要 項 目 営業活動による CF 百万円 -4,473 9,347 -1,147 - 投資活動による CF 百万円 -2,587 -8,857 -8,780 - 財務活動による CF 百万円 7,751 2,547 11,620 - 現金及び現金同等 物 の 期 末 残 高 百万円 4,644 7,681 9,513 - (出所)㈱QUICK 上記チャート図の一部又は全部を、方法の如何を問わず、また、有償・無償に関わらず第三者に配布してはいけません。 上記チャート図に過誤等がある場合でも㈱QUICK 社及び東京証券取引所は一切責任を負いません。 上記チャート図の複製、改変、第三者への再配布を一切行ってはいけません。

(11)

アナリストレポート・プラットフォーム 11  事業に関するリスク  積極的な資産獲得により業容を拡大していく方針であり、そのためには 一定の自己資本比率を維持するため、エクイティファイナンスを断続的 に行う必要がある。2015 年 3 月発行の CB40 億円が当初転換価格 1,003 円で全て転換されると発行済株式数が約 398 万株増加する。  収益不動産やマンション用地の取得競争の一段の激化。地方自治体の投 資用マンション規制の強化も仕入れに影響する可能性がある。  サムティ・レジデンシャル投資法人の投資口価格が低迷し、PO ができ ないと開発物件の安定的な EXIT 先として活用できない。  東京五輪などを受けた労務逼迫による建築費の一層の上昇。  キャップレートの上昇、賃貸キャッシュフローの悪化により販売用不動 産、固定資産の価格が下落し、棚卸資産評価損や固定資産の減損が発生 する可能性。当社は、地方物件の取得を強化中であり、地方物件は長期 的にみて賃貸キャッシュフローの安定性に欠ける嫌いがある。  ピエリ守山の集客力が時間の経過とともに低下する恐れ。  大地震の発生による保有不動産の損壊。  業界に関するリスク  景気回復を伴わない長期金利の上昇。米国の利上げなどにより海外金利 が上昇した場合、日本国債を売って外債を購入する動きが広がり、長期 金利が上昇する可能性があると考えられる。  金融機関の不動産融資姿勢の厳格化。  投資用マンションの電話勧誘に係る行政の規制強化(ただし、エンドユ ーザーへの直販を行っていないため直接の影響はない)。  2017 年 4 月予定の消費再増税は投資用マンションの価格上昇(利回り 低下)要因となり、需要が減退する可能性(投資用マンションには住宅 ローン減税の恩恵はない)。  少子高齢化の進展、人口の減少。

 会社概要

(12)

アナリストレポート・プラットフォーム 12

デ ィ ス ク レ ー マ ー

 会社概要

<指標の説明について> 本レポートに記載の指標に関する説明は、東京証券取引所ウェブサイトに掲載されております。 参照 URL ⇒ http://www.jpx.co.jp/listing/reports/analyst-report/03.html 1.本レポートは、株式会社東京証券取引所(以下「東証」といいます。)が実施する「アナリストレポー ト・プラットフォーム」を利用して作成されたものであり、東証が作成したものではありません。 2.本レポートは、本レポートの対象となる企業が、その作成費用を支払うことを約束することにより作 成されたものであり、その作成費用は、当該企業が東証に支払った金額すべてが、東証から株式会社テ ィー・アイ・ダヴリュ(以下「レポート作成会社」といいます。)に支払われています。 3.本レポートは、東証によるレビューや承認を受けておりません(ただし、東証が文面上から明らかに 誤りがある場合や適当でない場合にレポート作成会社に対して指摘を行うことを妨げるものではありま せん)。 4.レポート作成会社及び担当アナリストには、この資料に記載された企業との間に本レポートに表示さ れる重大な利益相反以外の重大な利益相反の関係はありません。 5.本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的として作成されたもので、有価証券の 取引及びその他の取引の勧誘又は誘引を目的とするものではありません。有価証券の取引には、相場変 動その他の要因により、損失が生じるおそれがあります。また、本レポートの対象となる企業は、投資 の知識・経験、財産の状況及び投資目的が異なるすべての投資者の方々に、投資対象として、一律に適 合するとは限りません。銘柄の選択、投資判断の最終決定は、投資者ご自身の判断でなされるようにお 願いいたします。 6.本レポート作成にあたり、レポート作成会社は本レポートの対象となる企業との面会等を通じて、当 該企業より情報提供を受けておりますが、本レポートに含まれる仮説や結論は当該企業によるものでは なく、レポート作成会社の分析及び評価によるものです。また、本レポートの内容はすべて作成時点の ものであり、今後予告なく変更されることがあります。 7.本レポートは、レポート作成会社が信頼できると判断した情報に基づき記載されていますが、東証及 びレポート作成会社は、本レポートの記載内容が真実かつ正確であり、そのうちに重要な事項の記載が 欠けていないことやこの資料に記載された企業の発行する有価証券の価値を保証又は承認するものでは ありません。本レポート及び本レポートに含まれる情報は、いかなる目的で使用される場合におきまし ても、投資者の判断と責任において使用されるべきものであり、本レポート及び本レポートに含まれる 情報の使用による結果について、東証及びレポート作成会社は何ら責任を負うものではありません。 8.本レポートの著作権は、レポート作成会社に帰属しますが、レポート作成会社は、本レポートの著作 権を東証に独占的に利用許諾しております。そのため本レポートの情報について、東証の承諾を得ずに 複製、販売、使用、公表及び配布を行うことは法律で禁じられています。

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