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ゲーム理論入門

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Academic year: 2021

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一橋大学 「経済システム論I」 冬学期集中講義 2002年12月17日―20日 講義ノート 京都大学経済研究所教授 岡田 章(おかだ あきら) 〒606-8501 京都市左京区吉田本町 Tel. 075-753-7145 e-mail. [email protected] 0. 授業の紹介:「4日でわかるゲーム理論」 成績評価:レポート提出 (学部生) 課題:ゲーム理論についてのエッセイ(質問、感想、随筆、オリジナルな小論文、など) A4版、枚数制限なし 提出期限 2002年1月(詳しい日程は授業で説明) 提出先 経済学部事務室 (大学院生) 課題:出題された問題の解答 提出期限 2002年1月(詳しい日程は授業で説明) 提出先 経済学研究科事務室 教科書 岡田章「ゲーム理論」、有斐閣、1996 年 参考書 武藤滋夫「ゲーム理論入門」、日経文庫、2001 年 梶井厚志「戦略的思考の技術−ゲーム理論を実践する」、中公新書、2002 年 中山幹夫「はじめてのゲーム理論」、有斐閣、1997 年 岡田章「経済学・経営学のための数学」、東洋経済新報社、2001 年 今井晴雄・岡田章(編)「ゲーム理論の新展開」、勁草書房、2002 年 授業の予定 12月17日 ゲーム理論とは何か(第1章)、戦略形ゲーム(第2章) 12月18日 展開形ゲーム(第3章)、完全均衡点(第4章)、限定合理性(第12章) 12月19日 情報不完備ゲーム(第5章)、繰り返しゲーム(第6章)、 12月20日 交渉ゲーム(第8章)、まとめ

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1. ゲーム理論とは何か? 1.1 ゲーム理論への招待

誰がいつ始めたの?

数学者John von Neumann (1903-1957) 経済学者 Oskar Morgenstern (1902-1977) 1944年「ゲームの理論と経済行動」、プリンストン大学出版局 von Neumann (1928) : “社会的ゲームの理論について” ゲッチンゲン大学数学論文誌 フォン・ノイマンは、どんな人? アインシュタインと並ぶ20世紀の天才 数学、物理学、コンピュータ、工学、経済学、原水爆開発 ブタベスト(ハンガリー)生まれ、ユダヤ人 19才 最初の数学論文「ある最小多項式の零点の位置について」、ドイツ数学会雑誌 24才 学位論文「集合論の公理化」 29才 「量子力学の数学的基礎」 (ノーマン・マクレイ:「フォン・ノイマンの生涯」(渡辺正他訳)、朝日選書) オスカー・モルゲンシュテルンは、どんな人? オーストリア(ウイ−ン)学派の経済学者 フォン・ノイマンとの出会い 一橋大学は日本のゲーム理論研究発祥の地 山田雄三先生 (城山三郎 「花失せては面白からず−山田教授の生き方・考え方」、角川書店) ジョン・ナッシュ (John Nash 1928-) 非協力ゲーム理論(ナッシュ均衡)の基礎を確立 映画「ビューティフル・マインド」のモデル 何を研究するの? 課題:経済や社会における複数の行動主体の相互に依存する意思決定を研究する 研究方法:理論モデルを作り分析する−仮説命題を演繹する−命題の妥当性を経験的に(実験、 実証)検討する、という科学的探求の繰り返し

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役に立たないこと 競馬やパチンコに勝つこと 将棋、碁、チェス、ポーカーに強くなること 株でもうけること 役に立つこと(または、目標) 相互に依存する意思決定の構造や論理を厳密に洞察できる 人間や社会をよりよく理解できる ビジネス交渉、買い物、合コンにも役に立つ(梶井「戦略的思考の技術」)(?) どんな分野に応用されているの? 経済学、経営学、政治学、社会学、法学、社会心理学、哲学、倫理学、物理学、生物学、計算機 科学、工学、など なぜ経済学と関係するの? バブル、景気、市場、企業、金融、貿易、...すべて人間の営みの結果 マーシャル(A. Marshall 1842-1924), 「経済学原理」, 1890年

“Political Economy or Economics is a study of mankind in the ordinary business of life. … it is on the one side a study of wealth; and on the other, and more important side, a part of the study of man.” 経済学は、日常生活の通常の営みにおける人間を研究する学問である。経済学は、日常生活にお いて生活し、動き、考える人間の学問である。 1.2 ゲームの特徴 どうしてゲーム理論というの? さまざまなゲームの例−囲碁、将棋、トランプ、野球、サッカー、マネーゲーム、日米の政策 ゲーム、「ビジネスはゲームだ」、男と女の恋愛ゲーム、「人生はゲームだ」、−をみると、「ゲー ム」と呼ばれるものに共通した特徴があることに気づく。 1. 複数の行動主体(プレイヤー)がある(一人ゲームは例外) 2. プレイヤーはそれぞれの目標を達成しようとしていくつかの可能な行動の中から一つ(また は複数)を選択する。 3. プレイヤーの目標の達成は、自分自身の行動の選択ばかりでなく他のプレイヤーの行動の選

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択にも依存する(相互依存関係)。 4. プレイヤーは一定の規則(ゲームのルール)を守らなければならない。 1.3 人間社会のゲーム 社会は、複数の個人が社会のルール(法、慣習、文化、道徳、マナーなど)を守りながらそれ ぞれに固有の目的や価値を実現しようと、ときには互いに競い合い、ときには協力し合う一種の 「ゲーム」のようである。人間社会はゲームである。 ゲームとして経済社会をみる: アダム・スミス(1723-1790)

「道徳情操論」(The Theory of Moral Sentiments)、1759 年 第6部「有徳の性格について」

「人間社会という偉大なるチェス盤の上では、個々の駒は立法府が押しつけようとする行動原理 とは異なるそれ自身の行動原理を有する。もし二つの行動原理が一致するならば、人間社会のゲ ーム (the game of human society) は困難なく調和的に進み、幸福で成功的である可能性が非常 に高い。しかし、もし異なるならば、ゲームは悲惨であり社会は大きな混乱に陥る。」

‘but that, in the great chess-board of human society, even single pieces has a principle of motion of its own, altogether different from that which the legislature might choose to impress upon it. If those two principles coincide and act in the same direction, the game of human society will go on easily and harmoniously, and is very likely to be happy and successful. If they are opposite or different, the game will go on miserably, and the society must be at all times in the highest degree of disorder.’

(p. 234 in Smith, A. [1759]: The Theory of Moral Sentiments )

二つの合理性の対立

個人的合理性: 個人が自分の価値や目的を可能な限り追求する

社会的合理性: 社会全体にとって(ある規準からみて)望ましい状態を実現しようとする

ゲーム理論の研究課題: この二つの合理性を深く研究し、どのようにしてそれぞれの個人にと って「幸福で成功的な社会」を作っていけばよいのだろうか?

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1.4 ゲーム理論のキーワード ゲーム的状況(game situation): 社会や経済の相互依存状況、 ゲーム: ゲーム的状況の数学モデル ゲーム理論とは、ゲーム的状況(異なる主体がそれぞれの目的を実現しようとする相互依存状 況)を解明する数学的理論である。 プレイヤー: 意思決定し行動する最小単位(個人、企業、政府、生物個体、遺伝子など) 戦略:ゲームをプレイするための行動計画 結果:ゲームが終了したときの状態を記述したもの 利得:ゲームの可能な結果に対してプレイヤーの目標に従って数値化したもの。効用。 ゲームのルール:上の4つの要素やゲームの具体的な進行を定める一連の規則。 ゲーム理論における人間モデル (1)「合理的な人間」 (a) 利得の最大化 目的志向(goal-oriented):明確な目標をもっていてそれを可能な限り実現しようとする。 (b) 相手の行動を可能な限り推論する (2)「理性的な人間」 相手の立場にたってものを考えられる。想像力と洞察力。「もし私が相手の立場だったらこうす るだろう」。相手の気持ちがわかる、思いやり。自己と他者の関係。 (3)共有知識:ゲームに参加するすべてのプレイヤーは、(1)と(2)の事実を共通によく 理解している。互いの行動を可能な限り推論する。戦略の読み合い。 上の前提に立つ分析方法を、合理性アプローチという。これ以外のアプローチ(限定合理性アプ ローチ)の関心も近年高まっている (時間があれば、説明する。) 1.5 ゲーム理論の方法論 ゲーム理論の標準的な分析方法の二つの特徴:合理性アプローチ、方法論的個人主義(分析の基 礎を個人のレベルにおく) 方法論的個人主義に対するよくみかける誤解

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要素還元主義である。 個々の人間をばらばらに分析しても社会を理解できない。全体は単なる 部分の和ではない。個人(の決定)は社会によって規定される。社会は「全体として」理解しな ければならない! 「方法論的全体主義」 反論:ゲーム理論では、 (1)複数の「孤立した」個人を分析するのではなく、個人の相互依存関係を分析する、 (2)個人の行動や意思決定は、他の人々の行動や意思決定に依存する、個人と社会(他の人々 を含む)が相互関連をもつことは当然でそのことを分析する、 (3)理論を構成する基本単位は自由で自律した個人であり、集団、組織、社会はそのような個 人によって構成されていると考える。社会を、個人とは独立した一つの「生き物」のよう には考えない。 カール・ポパー(Karl Popper, 1902-1996) 「社会的理論の課題がさまざまな社会学的モデルを構築し、またそれらの叙述的な、あるいは唯 名論的な見地から注意深く分析すること、すなわち、もろもろの個体(人)という見地から、ま た諸個人の態度、期待、諸関係等々といった見地から分析することにあるからである。この公準 は、「方法論的個体主義」 (methodological individualism) と呼ばれてもいいであろう。」 (「歴史主義の貧困」(“the Poverty of Historicism”, 1957) 久野収、市井三郎訳、中央公論社.) (社会的理論をゲーム理論、社会学的モデルをゲームモデルとおき換えれば、ゲーム理論の研究 をかなり的確に説明していると思います)

ポパー「科学的発見の論理」(The Logic of Scientific Discovery), 1934 年

「私は、すべての思索する人たちが関心をもつ一つの哲学的問題があると考える。それは、宇宙 論(cosmology)の問題:世界―私たち自身と私たちの知識を含む世界―を理解する問題である。 すべての科学は宇宙論であると、私は信じる。」 「科学者は、理論家であれ実験家であれ、言明(statement)もしくは言明の体系を提示し、それ らを一歩一歩着実にテストする。経験科学では、とりわけ、科学者は仮説または理論の体系を構 成し、それらを観察と実験による経験につきあわせてテストする。」 仮説・演繹的方法(仮説の方法)

「科学のゲーム(the game of science)は、原則上、終りがない。いつか、科学的言明をもうこれ 以上テストする必要がなく、それらの言明を究極的に実証されたものと決定する人は、ゲームか ら退出する。」

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科学的方法論とは反証可能な命題(仮説)の提示と検証の際限ない繰り返しであり、これは自然 科学と社会科学で基本的に同じである。 合理的議論(rational discussion)の方法 「わたしたちの問題をはっきりと述べ、それに対して提示されるさまざまな解を批判的に検討す る方法である。」 2. 戦略形ゲーム 市場シェアゲーム 戦略形n 人ゲームのモデル 囚人のジレンマと男女の争い ナッシュ均衡点と最適応答 戦略の支配、パレート最適性 硬貨合わせゲーム 混合戦略と期待利得 ナッシュ均衡点の存在証明と計算方法(2×2双行列ゲーム) 応用例(寄付金ゲーム、公共財の供給、電力消費ゲーム、査察ゲーム) 3. 展開形ゲーム 不確実性下での寡占市場の例 展開形ゲームのモデル 戦略(行動計画)と均衡点 ゲームの分解と合成(定理3.1と定理3.2) 完全情報ゲーム コミットメント(レディ・ファーストの例) 完全記憶ゲーム 応用例(政策のアナウンスメント効果) 4. 完全均衡点 ナッシュ均衡点と自己拘束性 部分ゲーム均衡点、チェーンストアゲーム 不完全情報ゲームにおける完全均衡点(ゼルテンの3人ゲーム) 完全均衡点の定義、変動ゲーム 最適化原理と逐次均衡点

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5. 限定合理性アプローチ ゲーム理論の伝統的な分析アプローチ:合理性アプローチ 合理性に関する標準的な考え (1)カール・ポパー(Karl Popper) 仮説・演繹的方法(仮説の方法)を用いる科学的方法論は、自然科学と社会科学で基本的に同じ である。しかし、社会科学と自然科学の違いはある−合理性の仮定。 「社会的事態のすべてではないにしても、その大部分においては、合理性の要素が存在している。 疑いもなく、人間というのはまったく合理的に行動することはまずない、といっていい。(すな わち、どのような目的をもとうともその目的を達成するために利用しうるあらゆる情報を最適に 利用するとすれば、その場合にとるであるような行動を十全にとることはまずない。)しかし、 人間はそれにもかかわらず、多かれ少なかれ合理的に行動するのである。そしてこのことが、人 間の行動や相互行動について比較的単純なモデルを構築することを可能ならしめるのであり、ま たそのモデルを近似として用いることを可能ならしめている。 いま述べた最後の論点こそ、まさに自然科学と社会科学との間の少なからぬある相違を示唆す るように思われる。おそらくそれは、両者の方法におけるもっとも重要な相違であろう。... わ たしが(もっとも重要な相違と)いっているのは、社会科学においては論理的ないしは合理的構 成の方法とも呼びうるもの、あるいはおそらく「ゼロ方法」と呼んでいいようなものを採用しう る可能性があることなのだ。「ゼロ方法」というのは、介在する諸個人がすべてまったき合理性 をもつという仮定(そしておそらく、十全な情報をもつという仮定)の上にモデルを構築して、 人々の現実の行動がそのモデルの行動とどれほど偏差するかを、一種のゼロ座標として後者を用 いながら評価する方法のことを意味している。」(「歴史主義の貧困」) (これが、社会科学とくに経済学やゲーム理論で合理性の仮定を基礎にして研究をすることの標 準的で「健康的な」理由です。)

(2)ミルトン・フリードマン(Milton Friedman) “The Methodology of Positive Economics”

The ultimate goal of a positive science is the development of a “theory” or “hypothesis” that yields valid and meaningful (i.e., not truistic) predictions about phenomena not yet observed.

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Viewed as a body of substantive hypotheses, theory is to be judged by its predictive power for the class of phenomena which is intended to “explain.” Only factual evidence can show whether it is “right” or “wrong” or better, tentatively “accepted” as valid or “rejected.”

Factual evidence can never “prove” a hypothesis; it can only fail to disprove it,

The relevant question to ask about “assumptions” of a theory is not whether they are descriptively “realistic,” for they never are, but whether they are sufficiently good approximations for the purpose in hand.

(収益最大化は非現実的な”仮定”だから限界分析は意味がないという議論に対して) the lengthy discussion on marginal analysis in the American Economic Review in 1940s the main issue-the conformity to experience of the implications of the marginal analysis the largely irrelevant question whether businessmen do or do not in fact reach their decisions by consulting schedules, or curves or multivariable functions showing marginal costs and marginal revenue.

自由落下、植物の葉の分布の例

the economic hypothesis that under a wide range of circumstances individuals firms behave as if they were seeking rationally to maximize their expected returns (generally if misleadingly called “profits”) and full knowledge of the data needed to succeed in this attempt; as if, that is, they knew the relevant cost and demand functions, calculated marginal cost and marginal revenue from all actions open to them, and pushed each line of action to the point at which the relevant marginal costs and marginal revenue were equal. (これが有名なフリードマンのas if 仮説です)

要約すると、

a theory can not be tested by the “realism” of the “assumptions” 重要なのは、valid and meaningful predictions ができるかどうか。

(以上が、多くの正統派経済学の研究者がもっている見解です)

では、これまでの合理性を前提とする理論は十分な成果を挙げてきたのか?

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しかし、近年、多くのゲーム実験によって理論予測と実際の行動との乖離が報告されている。 (これを深刻なものととらえるかどうかは、研究者によって異なる) 合理性アプローチに関する標準的な考えに対して、1990 年代以後、新しい分析アプローチ(限 定合理性)を目指す研究への関心が大きくなっている。 ゲーム実験によって明らかにされた理論と現実との乖離 (1)最終提案ゲーム、 (2)ケインズの美人投票ゲーム、 (3)ゼルテンのチェーンストア・パラドックス (1) 1人の相手との交渉 最終提案ゲーム(283ページ) 理論予測 提案者がほとんどすべての利得を要求し、応答者は受け入れる 実験結果 提案者は6割弱を提案し、合意成立。 理論のどこが悪いの? (2)多数の相手とのゲーム ケインズの美人投票ゲーム J.M. ケインズ(1936))「雇用・利子および貨幣の一般理論」:塩野谷裕一(訳)、東洋経済新報社、 1995 年。 第4編 投資誘因 投機的な玄人筋の行なう株式投資の特徴はいかに他の投資家を出し抜くか、いかに一般の投資 家の裏をかくかということであって、投資に対する収益の長期的な予測にはあまり関心がない。 投機家の株式投資の比喩として、「美人投票」の物語: 「玄人筋の行う投資は、投票者が一〇〇枚の写真の中から最も容貌の美しい六人を選び、その選 択が投票者全体の平均的な好みに最も近かった者に商品が与えられるという新聞投票に見立て ることができよう。この場合、各投票者は彼自身が最も美しいと思う容貌を選ぶのではなく、他 の投票者の好みに最もよく合うと思う容貌を選択しなければならず、しかも投票者のすべてが問 題を同じ観点から眺めているのである。」 投機的な投資家たちが演ずるゲームは音楽の止まったときに他のプレイヤーよりも一早く椅

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子を確保したプレイヤーが勝ついす取りゲーム(musical chair)に似ていて、美人投票の物語 から次のようなゲームを考案する。 平均値推測ゲーム n人のプレイヤーが、それぞれ他のプレイヤーとは独立に0から100までの数字を一つ選ぶ。 選ばれたn個の数字x1, …, xnの平均値(x1+…+ xn)/n の p ( 0 < p < 1)倍した数字に最も近い数字 を選んだプレイヤーがゲームの勝者で賞金 M 円を獲得する。もし勝者が二人以上の場合は、賞 金は勝者の間で均等に分配される。(ケインズの美人投票では p=1 である。) 平均値推測ゲームの実験 (1)Nagel(1995)の実験 被験者:ボン大学(ドイツ)の大学生 実験の概要: 一つのセッションは15 人から 18 人の被験者が同じゲームを 4 回プレイ。一回のゲームが終 わる毎にすべての選ばれた数字、平均値、目標値 p が黒板に書かれ、ゲームの勝者とその利得 が公表された。実験での賞金は20 ドイツマルク。 p=2/3 の場合の実験結果: 1.初回のゲームでは4 つのグループとも選ばれた数字の平均値は 30 から 40 の間(四つのグ ループ全体の平均値は36.73 である)。 (2)Camerer(1997)の実験 被験者:ポートフォリオ・マネジャー、経済学Ph.D、カリフォルニア工科大学の評議員 および学部生、高校生 実験の概要:ゲームは一回だけプレイ。p=0.7 で賞金は 20 ドル。 実験結果:選択された数字の平均値は20 から 45 の間。 (2)京都大学(1998, 1999)での実験 (その1:1998) 被験者:経済学部生13 人 実験の概要: p=0.7。賞金は授業の評価点 10 点。 実験結果:選択された数字の平均値は37.15、メディアンは 35。 (その2:1999) 被験者:文系と理系学部生66 人 実験の概要: p=0.7。賞金は授業の評価点 80 点。

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実験結果:選択された数字の平均値は30.12、メディアンは 29。 (3)一橋大学(2000)での実験 被験者:学部生と大学院生60 人 実験の概要: p=0.7。賞金は授業の評価点90 点。 実験結果:選択された数字の平均値は29.93。 (実験結果) 観察データは、明らかにナッシュ均衡点(全員が0を選択)と異なる。 観察データに基づく行動仮説(Nagel): 「区間[0, 100]の中間値 50 から始めて 1,2 回の深さの推論で弱支配される数字を除去し、50p か ら50p2 の近くの数字を選択する」 (含意)平均値推測ゲーム(1回限り)では、 1. ナッシュ均衡点は被験者の行動予測に有効ではない。 2. ナッシュ均衡点はとるべき行動の指針を与える理論として役に立たない。 (合理的行動の理論は、被験者の行動に関する記述的理論として十分でない!) ナッシュ均衡点が私たちに教えてくれること: 「もし被験者全員が Nagel による行動仮説を知り、各被験者が他の被験者の行動が仮説に従う ものと予想するならば、当の被験者は行動仮説と異なる行動をとる(ゲームに勝つためにより小 さい数字を選ぶ)動機をもつ。すなわち、Nagel による行動仮説は自己破滅的 (self-destroying) である。ナッシュ均衡点以外の行動指針はすべて自己破滅的である。」 被験者は「全員が数字0を選ぶ」というナッシュ均衡点のみが自己破滅的でない合理的な解で あることを理解し発見したとしても(実際、数人の被験者は実験終了後このような感想を述べた)、 他の被験者も同じ結論に達する確証はなく、ナッシュ均衡点以外の何らかの理由によって行動を 選択することになる。 結論 1.平均値推測ゲームの実験は、単純なルールのゲームでもプレイヤーの意思決定の構造は高度 に複雑であることを示している。相手の行動をいかに推測するかが重要。 2.実生活への教訓−読み過ぎの失敗 「組織のなかでは平均的な構成員よりワンステップだけ賢くあれ、賢いことも度が過ぎてはいけ ない。」

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(3)動学的なゲームにおける意思決定−チェーンストア・パラドックス 部分ゲーム完全均衡点(あるいは、後ろ向き帰納法)は動学的ゲームの合理的行動の論理と して強い説得力がある。したがって、当然、実際にとるべき行動の指針を与える理論としても優 れているはずである! ゼルテンのチェーンストア・パラドックスの発見 チェーンストア対多数の投資家のゲーム(151ページ) チェーンストア対投資家のゲームをさらに考えてみよう.チェーンストアは町1,…,町20 に支店をもっていて各支店はそれぞれの町である商品を独占販売している.いま、それぞれの町 k(k=1,…,20)に投資家kがいて、最初のゲームでの投資家と同じ選択に直面している. 町1から町20までのゲームが順次、プレイされるとする.ただし、チェーンストアと投資家は それ以前のすべての町におけるゲームの結果を完全に知った上で行動を選択できるとする.各町 での投資家の利潤は最初のゲームと同じである.チェーンストアの利潤はすべての町での利潤の 合計とする.このゲームは、有限の長さをもつ完全情報ゲームとして表わすことができる. 問 このゲームの部分ゲーム完全均衡点を求めなさい。部分ゲーム完全均衡点が指示するチェー ンストアの行動ははたして現実的な意味で妥当であろうか?もし君がチェーンストアの経営者 だったら、そのように行動するか? ゼルテンの考え 1.チェーンストアゲームにおける部分ゲーム完全均衡点の概念は意思決定の論理としては強 い説得力をもつが、われわれが現実的にもっともらしいと考える行動とは異なる:「チェー ンストアパラドックス」。このパラドックスはどこから来るのか?現実の意思決定主体は合 理的行動の理論に従わないということ?現実の人間は合理的でないということ?現実の人 間のもつ合理性は「限定」されているということ? 2.チェーンストアゲームの部分ゲーム完全均衡点を計算することは、容易である。多くの計算 能力を必要としない。通常、「限定合理性」の概念は、計算能力や情報処理能力の有限性を 意味すると考えられているが、「チェーンストアパラドックス」の例は、人間のもつ「限定 合理性」の性質はそれだけでないことを示している。 認知の限界(cognitive limit) 計算能力や情報処理能力の有限性 動機の限界(motivational limit) 認識(理解)と決定の分離 「頭ではわかっているけど、どうしてもそうできない」

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合理性と限定合理性に関する研究の現状

限定合理性アプローチの重要性の認識は研究者によって異なるし、限定合理性アプローチとは 何か、についても研究者の間でさまざまな意見がある、統一された見解はない。

二つの極端な見方

(1) naïve rationalism: “ what is rational is real, and what is real is rational.” (理論は正しい、間違っているのは現実である!) 人間行動に関する多くの実験データは、naïve rationalism を反証している。 (2)naïve anti-rationalism(反合理性主義) 現実の経済主体は合理的ではないから、合理性を仮定する理論は間違いであり、役に立たない。 (理論と仮定の関係を誤解) (これに対して) (3)方法論的二元主義 (methodological dualism)の立場 「どちらがより重要なのではなく両方が重要である。しかし、それぞれは異なる性格の理論であ り、両者は明確に区別すべきである。」 現代のゲーム理論の二つの主要問題 1.合理的な行動とは何か、を探求する(その性質を知りたい、合理的理論を構築したい) 2.実際の人々(動物、植物)はどう行動するかを説明する

1 は normative game theory 理想的な合理性に関する数学原理を探求

The problem is philosophical, not empirical – empirical arguments are irrelevant. (例 The Harsanyi and Selten’s equilibrium selection theory)

2 は、descriptive game theory

The problem is empirical – only empirical arguments count. (例 ゲーム実験, 進化と学習のゲーム理論、生物のゲーム理論)

限定合理性アプローチ

研究者の間で統一的な見解はないが、三つの基本要素が少なくとも重要であるという理解は多 くの研究者がもつ。

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適応(adaptation):学習と進化のプロセス、規範や慣習の成立、文化の継承 認知(cognition):計算能力、推論のメカニズム 6. 情報不完備ゲーム 情報不完備ゲームのモデル ベイジアン仮説 ハルサニ(J.C.Harsanyi, 1920-2000)の考え ベイジアンゲームとベイジアン均衡 応用例:労働市場のシグナリング 7. 繰り返しゲーム 囚人のジレンマの繰り返し トリガー戦略としっぺ返し戦略 フォーク定理 応用例:贈り物ゲーム 8. 交渉理論 2人の交渉問題 例 A 君と B 君が100万円をどのように分配するかを話し合い(交渉)で決めようとしている。 ただし、もし交渉が決裂したら、二人は何も得られない。 常識 50万円ずつ分けるのが妥当な分配案であり、A 君と B 君が合理的だったら、そうするだ ろう。 交渉問題への二つのゲーム理論的アプローチ すべてはナッシュの研究が始まり (1) 公理論的アプローチ (axiomatic approach) 合理的な交渉主体による交渉の妥結点が満たすべき基準(公理)を考え、公理系から一意な 交渉の妥結点を導出する。

1950 年 論文 “The Bargaining Problem, ” Econometrica.

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Rubinstein の評価

“If I had to select a paper for presentation to a group of intelligent students who wish to know what economic theory is about, I would select Nash’s 1950 Econometrica paper without hesitation. This is my ideal paper in almost all respects above all, it is just ... beautiful. Every sentence is measured and appropriate. The construction of the model is so logical. The result is surprising. There are plenty of leftover issues. The paper constitutes economic theory in its purest form.” (Rubinstein, A. (1995)).

(2) 戦略的アプローチ (strategic approach)

交渉のプロセスを、ダイナミックゲームとしてモデル化して、交渉でプレイヤーをどのよう に行動し、交渉の結果はどのようになるかを分析する。交渉における戦略的行動の分析 1953 年 論文 “Two-Person Cooperative Games,” Econometrica.

Rubinstein の交渉モデル 交渉ラウンドが有限回の場合の分析例 二人のプレイヤーの割引き因子はともにδとする。ラウンド n で終了する交渉ゲームをΓn とお く。ゲームΓn における 1 ラウンドでの回答者の受諾可能な利得の最小値を zn とおく。このと き、漸化式 (1) z1 = 0 (2) zn =δ(1 − zn-1 ) が成り立つ。n→∞ のとき、 zn は

z* =

δ

1 +

δ

に収束する。交渉の回数が無限に大きいゲームでは、最初の交渉で分配 (1-z*, z*) が合意され る。

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授業のまとめ 授業ではゲーム理論の基礎について講義したが、説明できなかった内容は多い(たとえば、進 化(学習)ゲーム理論、協力ゲーム理論、非協力ゲーム理論と協力ゲーム理論の統合化など)。 また、現在、ゲーム理論はさまざまな方向に発展していて経済学以外の分野でもその進展は著し い。最近の経済学、経営学、生物学、社会心理学の分野におけるゲーム理論の研究動向について は、 今井晴雄・岡田章(編)「ゲーム理論の新展開」、勁草書房、2002 年 を参照して下さい。 追加事項 倫理と道徳 これまであまりゲーム理論の枠組みの中で倫理や道徳の問題は十分に考察されてこなかった が、ゲーム理論と倫理や道徳の問題が関係ないわけでは決してない。 Harsanyi (1977)の「合理的行動の一般理論」の分類 (1)個人の決定理論(効用理論) 確実性 リスク 不確実性 (2)社会的状況における合理的行動の理論 ゲーム理論

倫理 (Rational pursuit of the interests of society as a whole)

Kenn Binmore (1994): Game Theory and the Social Contract Vol. 1: Playing Fair, MIT Press.

道徳のゲーム理論的課題の一部(記述的分析)

1. 人間は道徳的感情をいかにしてもつようになったか?(生物の進化、社会的相互依存関係と 道徳的感情の発達)

2. 倫理や道徳的感情が人間(動物)行動や社会的秩序の形成にどのように関わってきたか?

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1.教育改革国民会議 総理大臣(小渕元首相、森前首相)の私的諮問機関(平成12年3月発足、12月最終報告) 第1分科会(人間性)の中間報告(17の提案の一つ) ◎ 奉仕活動を全員が行うようにする (1) 小・中学校では2週間、高等学校では1ヶ月間、共同生活などによる奉仕活動を行 う。 (2) 将来的には、一定の試験期間をおいて、満18歳の国民すべてに1年間程度、農作 業や森林の整備、高齢者介護などの奉仕活動を義務付けることを検討する。 (3) 奉仕活動の指導には、各業種の熟練者、青年海外活動協力隊の経験者、青少年活動 指導者などの参加を求める。奉仕活動の具体的な内容は、子どもの成長段階などに 応じたものとする。 委員の意見(第1分科会議事録より) 「人間というのは、放ったらかしにすると野性化する、野獣化する、それをどう飼い馴らすか− そこでいろいろな文化的装置が考え出された」 「学校は文化を押し付ける場であり、強制は免れない」 「満18歳で国民を奉仕役に動員することです。…そこで共同生活、質素な生活、暑さ寒さに耐 えること、労働に耐えること、このような基本をやることです」 「誰があなた達に冷えたビールを飲める体制を作ってくれたか。」 人間性および個人と社会(公共の秩序)の関わりに関するこれらの考えは、(私が理解する)ゲ ーム理論の前提とは異なる。 第1分科会とは別の考え(夏目漱石) 人間性について 「元々社会があればこそ義務的の行動を余儀なくされる人間も放り出しておけばどこまでも自 我本位に立脚するのは当然だから自分の好いた刺激に精神なり身体なりを消費しようとするの は致し方もない仕儀である。 もっとも好いた刺激に反応して自由に活力を消耗するといったって何も悪い事をするとは限 らない。」(夏目漱石、「現代日本の開化」)

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道徳と自由について 「私は明治以前の道徳をロマンチックの道徳と呼び明治以後の道徳をナチュラリスチックの道 徳と名づけますが、さて吾々が眼にこの二大区別を控えて向後我邦の道徳はどんな傾向を帯びて 発展するだろうかの問題に移るならば私は下のごとく敢ていいたい。「ロマンチックの道徳は大 体において過ぎ去ったものである。」貴方方が何故かと詰問なさるならば人間の智識がそれだけ 進んだからとただ一言答えるだけである。… 人間の智識が発達すれば昔のようにロマンチック な道徳を人に強いても、人は誰も躬行するものではない。出来ない相談だという事がよく分かっ て来るからある。 … 吾々は日に月に個人主義の立場からして世の中を見渡すようになってい る。従って吾々の道徳も自然個人を本位として組み立てられるようになっている。すなわち自我 からして道徳律を割り出そうと試みるようになっている。これが現代日本の大勢だとすればロマ ンチックな道徳換言すれば我が利益のすべてを犠牲に供して他のために行動せねば不徳義であ ると主張するようなアルトルイスチック一方の見解はどうしても空疎になって来なければなら ない。昔の道徳すなわち忠とか孝とか貞とかいう字を吟味して見ると、当時の社会制度にあって 絶対の権利を有しておった片方にのみ非常に都合の好いような義務の負担に過ぎないのであり ます。… 冷静な科学的観察が進んでその偽りに気が付くと同時に、権威ある道徳律として存在 出来なくなるのは己むを得ない上に、社会組織が漸漸変化して余儀なく個人主義が発展の歩武を 進めてくるならばなおさら打撃を蒙るのは明らかであります。」(夏目漱石、「文芸と道徳」) 「要するに義務心を持っていない自由は本当の自由ではないと考えます。というものは、そう したな自由は決して社会に存在し得ないからであります。よし存在してもすぐ他から排斥され踏 み潰されるに極まっているからです。私は貴方が自由であらん事を切望するものであります。同 時に貴方がたが義務というものを納得せられん事を願って己まないのですあります。こういう意 味において、私は個人主義だと公言して憚らない積りです。」 「ただもう一つ御注意までに申し上げたいのは、国家的道徳というものは個人的道徳に比べる と、ずっと段の低いもののように見える事です。元来国と国とは辞令はいくら八釜しくっても、 徳義心はそんなにありゃしません。詐欺をやる、誤魔化しをやる、ペテンに掛ける、滅茶苦茶な ものであります。だから、国家を標準とする以上、国家を一団と見る以上、よほど低級な道徳に 甘んじて平気でいられなくてはならないのに、個人主義の基礎から考えると、それが大変高くな ってくるのですから考えなければなりません。だから国家の平穏な時には、徳義心の高い個人主 義にやはり重きを置く方が、私には当然のように思われます。その辺は時間がないから今日はそ れ以上申し上げるわけには参りません。」 (夏目漱石、「私の個人主義」)、大正3年11月25日学習院輔仁会において述)

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3.中央教育審議会中間報告(2002 年 11 月 14 日) 新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について(中央教育審議会 中 間報告 概要

以下文部科学省ホームページからの抜粋 ■第1章 教育の課題と今後の教育の基本的方向について 1 教育の現状と課題 ○ 国民の間での自信の喪失とモラルの低下、青少年の凶悪犯罪やいじめ・不登校・中途退学・ 学級崩壊など、現在の我が国社会と教育は深刻な危機に直面。 ○ 一方、世界的には、教育が国民の未来や国の行く末を左右する重要課題と認識され、各国に おいて「国家戦略としての教育改革」が急速に進行。 ○ この状況を踏まえ、教育の在り方を根本にまでさかのぼって見直すことが必要 (略) 教育基本法 前文 われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人 類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべ きものである。 われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的 にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。 ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立す るため、この法律を制定する。 ○ 前文については、法全体の見直しの考え方が決まった後で、あらためて検討。 ■ 教育の基本理念 第一条(教育の目的) 教育は、人格 の完成をめざし、平和的な国家及 び社会の形成者として、真理と正 義を愛し、個人の価値をたつとび、 勤労と責任を重んじ、自主的精神 に充ちた心身ともに健康な国民の 育成を期して行われなければなら ない。 第二条(教育の方針) 教育の目的は、 ○ 現行法の基本理念に加え、以下を規定すべきとの意見 があり、引き続き検討。 ▲個人の自己実現と個性・能力の伸長、創造性の涵養 ▲感性、自然や環境との関わり ▲社会の形成に主体的に参画する「公共」の精神、道徳 心、自律心 ▲日本人としてのアイデンティティ(伝統、文化の尊重、 郷土や国を愛する心)と、国際性(国際社会の一員と しての意識)

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あらゆる機会に、あらゆる場所に おいて実現されなければならな い。この目的を達成するためには、 学問の自由を尊重し、実際生活に 即し、自発的精神を養い、自他の 敬愛と協力によつて、文化の創造 と発展に貢献するように努めなけ ればならない。 ▲生涯学習の理念 ▲時代や社会の変化に対応した教育 ▲職業生活との関連の明確化

参照

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