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Microsoft PowerPoint 西ジャワ震災(地震研)

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(1)

2009年西ジャワ震災に見る

災害対応と防災意識

西 芳実

東京大学大学院総合文化研究科 「人間の安全保障」プログラム [email protected]‐tokyo.ac.jp 理学・防災・地域研究共同ワークショップ 「インドネシアにおける地震防災・復興研究への総合的アプローチ ――2009年西ジャワ震災の事例から」

1.インドネシアの災害情報発信状況

• 被害の規模と広がり

– 死者79人、行方不明21人

– 損壊した建物16万棟(うち重度の損壊6万7000棟)

– 避難者21万人

[2009年9月8日報道]

– 人的・物的被害は西ジャワ州の南側に集中。地震の揺れ

はジャワ島の広い範囲で体感される。

2つの災害対応

– 物的人的被害は小さいが人口が密集する都市・・・避難

– 物的人的被害が大きい被災・・・緊急支援と復興再建

• 災害対応

2004年スマトラ沖地震(2004年12月24日)

2005年スマトラ沖地震(2005年3月29日)

2006年ジャワ島中部地震(2006年5月27日)

2006年ジャワ島南西沖地震(2006年7月17日)

2007年ベンクル地震(2007年9月12日)

2009年西パプア地震(2009年1月4日)

• 情報発信・交換の状況

– 既存メディア(新聞・テレビ・ラジオ)に加えて携帯電話に

よる情報収集

– インターネット上での情報発信・交換

全国紙ウェブサイトに

おける特設ページ

『コンパス』紙ウェブサイト に設置された「タシクマラ ヤ地震」コーナー。

アーカイブ化

オンラインでの情報配信を 行う『オケゾネ』の「南岸地 震」関連記事のアーカイブ

(2)

通信状況に関する

情報提供

オンラインで情報の配信を 行う 『デティク』の通 信関連記事専用ページ

コメント欄を通じた

意見交換

『コンパス』紙の記事への コメント欄

2.被害と情報の食い違い

• 対応の早さと情報量の多さ

– 地震発生から1時間以内に38件

72時間以内に335件

• どのような情報が発信されたか?

地震発生後72時間の情報発信

死者数 記事数 (0-24h) (24-48h)記事数 (48-72h)記事数 記事数合計 ジャカルタ 0 67 8 1 76 ボゴール 2 3 2 0 5 スカブミ 2 8 0 0 8 チアンジュル 31 (21) 21 6 7 34 バンドン 18 14 9 9 32 ガルト 9 11 2 3 16 タシクマラヤ 10 24 7 5 36 チアミス 7 4 2 0 6 他の地域 0 22 9 3 34 他の情報 - 0 46 31 119 合計 79 185 91 59 335 表 主要オンライン情報紙(2紙)に掲載された2009年ジャワ地震の記事数(件) 図表 避難者数(県別)と死者数(州・県別)( 2009年9月8日、OCHAほか)

地域別に見た被害状況

スカブミ ボゴール チアンジュル バンドン ガルト タシクマラヤ チアミス チラチャップ クニンガン ジャカルタ

地域別に見た被害状況と

情報発信

(3)

• 情報の多さと被害の規模は必ずしも対応しない

– 情報が多いのはジャカルタと近隣地域

2日目以降、特定の被災地を対象としない情報(「他の情

報」)が増える。

– 「他の情報」・・・「地震」「被害」「支援」「解説」等。ジャカル

タでの人々の対応を踏まえた専門家たちの見解なども。

• 2つの異なる災害対応

– 人的物的被害の小さい都市・・・ジャカルタ

– 人的物的被害の大きい被災地・・・西ジャワ州

3.人的・物的被害が小さい「首都」

• 物理的な被害は小さいが広範囲にわたり多くの人

々が揺れを感じ、地震発生に対応して行動した。

⇒ジャカルタ全域が「被災」を経験

– 高層ビルから避難した人々が道にあふれた

– 帰宅ラッシュで幹線道路が渋滞した

– 情報を求めて電話がつながりにくくなった

– 近隣地域の被災が都市インフラ(交通・通信・電気・水)に

影響を及ぼす

(1)ジャカルタの被災

Hotel Nikko9/2 日航ホテルの宿泊 客は落ち着いて屋外へ 避難 Sudirman 9/2 スディルマン通り沿 いのオフィス・ビルから 続々と屋外に避難国会 議員、揺れにもかかわら ず会議を継続 9/2 スディルマン地区 の大学生数百人が屋外 へ避難 9/2 地震で屋外に避難 した人々のためスディル マン通りが混乱 Kuningan 9/2 クニンガン地区で パニックになった学生1 名が気絶 9/2クニンガン地区周辺 は帰宅者で大渋滞に Senayan 9/2 国会議員、揺れに もかかわらず会議を継 続 Kampung Rambutan 9/2 地震のためジャカ ルタ市内でバスから乗 客が飛び降りる

(2)地震や災害対応に関する解説記事

地震や災害対応の専門家による解説記事

• 地震、地震予知

• 地震とは何か(9/3 0:12) • 地震専門家「タシクマラヤ地震の発生原因には2つの可能性がある」(9/3  3:46) • 「タシクマラヤで地震が起こることは事前に予想されていた」(9/3 10:03) • バンドンの気象地球物理庁担当者「西ジャワ南岸は地震多発地帯、10~50 年に1度の頻度で地震が起こる」(9/3 20:07) • 地震予知の手段を求める努力(9/4 3:02) • 重力計を使った地震予知の試み(9/4 8:21) • 地震工学研究所(CEEDEDS)「今後6年の間は余震が起こりうる」(9/4 10:54) • インドネシア・イスラム大学の地震災害専門家「インドネシアは構造の上で地 震多発地域なのであり、最近特に地震が多くなっているわけではない」(9/4  12:43)

• 地震発生時の対応

• ジャカルタ州建設計画監視局長「地震が起きたら屋外に避難するより机の下 に隠れる方が安全」(9/3 11:02) • 地震が起こったらどう行動すべきか(9/3 0:16) • アメリカの基準では地震発生時に非常階段で避難するのはよくない(9/3  22:37)

• 災害に強い都市

• トリサクティ大学の都市計画専門家「インドネシアは地震が多いため建造物 は一般住宅も含めて強度が必要」(9/3 13:47) • トリサクティ大学の都市計画専門家「地震直後にジャカルタの通りが人で溢 れたのは一時待避所となる緑地帯が少ないため」(9/3 14:00) • バンドン工科大学の防災専門家「インドネシアの建造物の多くは耐震性が極 めて低い」(9/3 13:43) • インドネシア建築家協会の名誉会長「ジャカルタの高層建築の耐震強度は50 年間もつ」(9/3 14:02) • 地震に耐える建物とは(9/4 3:55)

• 防災教育

• 防災教育はまだ最低レベル(9/4 20:18)

(3)通信状況に関する記事

電話通信やオンライン情報の利用に関する情報

– 地震直後、気象地球物理庁のサイトがアクセス激増のため開けず(9/2 16:07 ) – 地震でTwitterも大揺れ(9/2 16:22) – Flexiによるジャカルタへの通信量が激増(9/2 17:10) – AXISとTRIの電話通信網は平常通り(9/2 17:19) – 固定無線アクセスEsiaの通信量が倍増(9/2 17:41) – Twitterでインドネシア人名による検索数が激増(9/2 17:47) – 地震で障害が生じていたテレコム社の電話通信が回復(9/2 20:16) – 地震後、携帯電話の通信量が激増(9/4 3:55) – XLが被災者向けに無料の公衆電話を設置(9/4 21:09)

(4)

• 防災意識の形成と浸透の場としてのメディア

– オンライン報道を含む各種メディアを通じて、ジャカルタで

の人々の実際の行動をもとに、専門家の意見を交えて、

災害対応をより適切なものにするために必要なことを検

討している。

– 災害対応に問題があることが多くの人々の間で共有され

るきっかけとなった。

• 災害発生時の情報共有手段としての携帯電話+オ

ンライン情報

4.人的・物的被害が大きい被災地

• 地域ごとに異なる被災と支援の状況

– ボゴール、バンドン・・・ジャカルタから日帰り圏内

– ボゴール・バンドン周辺の山間部

– ジャワ島南岸の沿岸部地域

• 政府の対応

14日間の緊急対応期間

– 緊急支援として西ジャワ州に50億ルピアを供与

– バンドンを拠点にした支援活動

– 外国からの支援は必要としない

• 被災状況

– 建物が損壊し避難者が発生

– 地震により発生した地滑りによる死者が多数出た

– 海岸部で津波警報が十分に機能しなかった

図表 避難者数(県別)と死者数(州・県別)( 2009年9月8日、OCHAほか)

地域別に見た被害状況

(1)チアンジュル

Sindangbarang 9/10 シンダンバラン郡 の被災者は約9000人、 テントで寝泊まり Cibinong 9/2 パモヤナン村で倒 壊した建物の下敷きに なって住民2人が死亡 9/4 避難者の3割が乳 幼児、避難所では薬と 乳幼児用品が不足 Cibinong 9/3 チチャンカレン村で地滑り、 12人を遺体で発見、なお25人 が行方不明 9/3 大統領が被災現場を訪問 9/5 捜索現場で重機を使用 9/6 41人が行方不明 9/8 地すべり再発の可能性も

(2)バンドン

Chimenyan 9/2 製菓工場 職員十数人が パニックで気 絶 Pangalengan 9/2 パンガレンガン村 で9人が死亡 9/4 大通りに義捐金 を求めるポストが並 ぶ 9/11 政党(PDI)が被 災地を訪問 Rancabali 9/2 ランチャ バリ郡一帯 で建物に被 害 Bandung 9/2 ハサンサディ キン病院で数百人 が逃げまどう Pangalengan 9/3 チレウン チャ・ダムは被 害なし

(5)

(3)タシクマラヤ

Cigalontang 9/2 被災者が清 浄な水を求める。 被災2ヵ月前から 水不足

(4)チラチャップ

Pantai Teulk Penyu 9/2 チラチャップの沿 岸部住民、地震発生 直後に自発的に海面 の状況を観察 9/3 ドイツの援助で チラチャップに設置さ れた津波警報装置3 基が機能していない ことが判明

(5)チアミス

Pantai Ciamis Selatan 9/2 チアミス県で地 震のため漁民の多く が海岸を離れ親戚な どの家に避難 9/3 津波警報は鳴ら ず 住民によれば盗 難や停電のため

• ボゴール

– ボゴールで2名が死亡(9/3 6:13) – ボゴールで住宅702棟に被害(9/3 18:24)

• スカブミ

– スカブミで地震、停電に(9/2 15:15) – 地震の恐怖のため住民100人が家に帰らず華人墓地で夜を過ごす(9/2 21:55) – スカブミ軍小分区司令官「スカブミでは建物1082棟に被害、5人が負傷」(9/3 4:14)

• ガルト

– ガルトで数十棟の住宅が倒壊、1人死亡(9/2 16:52) – 地震による停電のためガルトは真っ暗闇に(9/2 20:53) – ガルトで電力回復、地震後の灯りがともる(9/2 22:12)

(6)ボゴール、スカブミ、ガルト

災害報道から見える西ジャワ州

• 首都ジャカルタとの連続性

– 日帰り圏、避暑地、水がめ

• 開発の歴史

– オランダ時代の建造物、高等教育機関(ITB、IPB)

• 地滑り多発地帯

– 死者は地滑りによるもの、地滑り危険地帯マップ

• 域外への労働移出

– 海外出稼ぎ労働者、域外居住者を通じた支援

• イスラム教

– イスラム教ネットワークによる支援

結び

• 2つの災害対応

(1)人的・物的被害が小さい「首都」

(2)人的・物的被害が大きい被災地

参照

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