緊急時対策所について
柏崎刈羽原子力発電所 6号及び7号炉
平成27年9月
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東京電力株式会社
KK67-0013 改05 資料番号
柏崎刈羽原子力発電所6号及び7号炉審査資料 平成27年9月29日 提出年月日
資料2-2-2
目 次
1. 概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.1 設置の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2 拠点配置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.3 新規制基準への適合方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2. 設計方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.1 建物及び収容人数について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.2 電源設備について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.3 遮蔽設計について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.4 換気設備について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.5 必要な情報を把握できる設備について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.6 通信連絡設備について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3. 運用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.1 必要要員の構成,配置について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.2 事象発生後の要員の動きについて ・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.3 汚染持ち込み防止について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.4 配備する資機材の数量及び保管場所に つい て ・・・・・・・・・・・・
4. 耐震設計方針について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5. 添付資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.1 チェンジングエリアについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.2 配備資機材等の数量等について・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.3 通信連絡設備の必要な容量及びデータ回線 容量 につ いて・・・・・・・・
5.4 SPDS のデータ伝送概要とパラメータについて・・・・・・・・・・・・
5.5 緊急時対策所の要員数とその運用について・・・・・・・・・・・・・
5.6 原子力警戒態勢,緊急時態勢について・・・・・・・・・・・・・・・
5.7 対策本部内における各機能班との情報共有について・・・・・・・・・
5.8 免震重要棟内緊急時対策所の耐震性について ・・・・・・・・・・・
5.9 3号炉原子炉建屋内緊急時対策所と3号炉プラント管理について ・・
5.10 設置許可基準規則第6条(外部からの衝撃による損傷の防止)への適合 方針について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.11 原子力防災組織への Incident Command System(ICS)の考え方の導 入について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.12 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 レ イ ア ウ ト の 改 善 に つ い て ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1-1 1-1 1-4 1-5
2-1 2-1 2-14 2-22 2-30 2-45 2-49
3-1 3-1 3-10 3-19 3-21 4-1
5-1 5-1 5-18 5-26 5-29 5-43 5-45 5-53 5-55 5-57 5-60 5-64 5-67
1. 概要
1.1 設置の目的
設置許可基準規則に適合するための緊急時対策所として,柏崎刈羽原子力発電所の事 務 建 屋 のう ち 免震 構 造を 有 す る免 震 重要 棟 の「 免 震 重要 棟 内緊 急 時対 策 所 」と ,3号 炉原子炉建屋内の「3号炉原子炉建屋内緊急時対策所」を設置する。
緊急時対策所は,一次冷却系統に係る発電用原子炉施設の損壊その他の異常が発生し た 場 合 ,並 び に重 大 事故 等 が 発生 し た場 合 にお い て ,中 央 制御 室 以外 の 場 所か ら適切 な指示又は連絡を行うために設置する。
また,緊急時対策所は,重大事故等に対処するための要員がとどまることができるよ う 遮 蔽 ,換 気 につ い て考 慮 し た設 計 とす る と共 に , 代替 交 流電 源 設備 か ら の給 電が可 能な設計とする。
基 準 地 震 動 に よ る 地 震 力 に よ り 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 が 使 用 で き な い 場 合 に お い て も ,3 号 炉原 子 炉建 屋 内 緊急 時 対策 所 によ り , 重大 事 故等 に 対処 す る ため の適切 な措置を講じることができる設計とする。
発電所内に位置的に分散した複数の,かつ多様性を有する緊急時対策所拠点を備える こ と で 重大 事 故等 へ の対 応 性 向上 に ,ま た 更な る 想 定外 事 象へ の 対応 に 資 する ことが 出来る。
(1)緊急時対策所の特徴
免震重要棟内緊急時対策所は免震構造を有した免震重要棟に設置している。免震構造 を 有 し た建 物 は, 発 電施 設 等 に大 き な影 響 が生 じ る 可能 性 があ る 短周 期 地 震に 対して 優 位 性 を有 し てい る こと が 最 大の メ リッ ト であ る 。 加え て ,緊 急 時対 策 所 の設 置位置 が 対 策 要員 の 執務 室 ・宿 直 室 に近 い ため , 利便 性 が 高い う え, 代 替電 源 設 備を はじめ と す る 緊急 時 対策 所 諸設 備 が 常設 さ れて い るこ と か ら, 迅 速な 緊 急時 対 策 所拠 点立ち 上げが可能なこともメリットである。
一方で,非常に大きな長周期成分を含む一部の基準地震動に対しては通常の免震設計 クライテリアを満足しない場合がある。
ただし,免震重要棟は建築基準法告示で規定される地震動を 1.5 倍した地震力に対応 し た 設 計が な され て おり , 原 子炉 建 屋等 発 電設 備 に 大き な 影響 が 生じ る 可 能性 がある 短周期地震に対しては高い耐震性を有していると言える。
一方,3号炉原子炉建屋内緊急時対策所は,基準地震動による地震力に対しても機能 喪 失 し ない た め, 柏 崎刈 羽 原 子力 発 電所 6 号炉 , 7 号炉 に おけ る 想定 事 象 全て におい て緊急時対策所拠点として使用可能であることが最大のメリットである。
また,設計自体の保守性を考慮すると,仮に基準地震動が発生したとしても免震重要 棟 内 緊 急時 対 策所 が 継続 利 用 可能 な 場合 も 想定 出 来 るこ と から , 地震 後 の 損傷 状況を 踏 ま え た上 で ,3 号 炉原 子 炉 建屋 内 緊急 時 対策 所 と の使 い 分け を 行う こ と が, 多様性 の 観 点 から 有 益と 考 える 。 地 震発 生 時の 緊 急時 対 策 所拠 点 の運 用 に関 す る 考え 方につ いては,3.2 にて後述する。
表 1.1-1 各緊急時対策所の特徴
緊急時対策所 特徴
免震重要棟内 緊急時対策所
・発電施設に大きな影響が生じる可能性がある短周期地震に対し て優位性を有している。
・対策要員の執務室・宿直室に近く,本部要員参集等の初動体制 を迅速かつ容易に確立できる。
・事務建屋執務室内にいる所員等,緊急時対策所以外の要員との 連携が比較的容易である。
・代替電源設備をはじめとする緊急時対策所諸設備が常設である ため,緊急時対策所拠点の立ち上げが迅速かつ容易である。
・非常に大きな長周期成分を含む一部の基準地震動に対しては機 能維 持が確認で きていない ため,地震 時に使用で きないおそ れ がある。
3号炉原子炉建屋内 緊急時対策所
・基準地震動を含むすべての重大事故等時において,対策要員が 緊急 時対策所内 にとどまり ,指揮・復 旧活動を行 うことが可 能 である。
なお,免震重要棟内緊急時対策所及び3号炉原子炉建屋内緊急時対策所各々 につ いて , 重大事故時のプルーム通過時においても重大事故等に対処するために必要な指示を行う 要員,原子炉格納容器の破損等による発電所外への放射性物質の拡散を抑制するための対 策に対処するために必要な要員を収容するため,緊急時対策所内に居住性を高めた待避室 を設置する。
免震重要棟内緊急時対策所及び3号炉原子炉建屋内緊急時対策所の機能概要比較を以 下に示す。
表 1.1-2 緊急時対策所の機能概要比較
緊 急 時 対 策 所 場 所 面 積
事 故 想 定 と 拠 点 活 用
緊 急 時 対 策 所 活 用 ケ ー ス 耐 震 性 プ ル ー ム 時
居 住 性 そ の 他(*2)
免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 2 階 対 策 本 部
免 震 重 要 棟
(免 震 構 造 ) 約 810㎡ △(*1) - ○ ケ ー ス 1
免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 1 階 対 策 本 部
( 待 避 室 )
同 上 約225㎡ △(*1) ○ ○ ケ ー ス 2
3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時
対 策 所
3 号 炉 原 子 炉 建 屋
( 剛 構 造 )
約400㎡ ○ - ○ ケ ー ス 3
3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時
対 策 所
( 待 避 室 )
同 上 約229㎡ ○ ○ ○ ケ ー ス 4
< 凡例> ○ :活用可能 ,△ :活用 場合がある ,- :設計 配慮外
(*1) 一部の 基準地 震動に よる地 震力に 対する耐震 性を説 明する ことが困難 である が,建築 基 準 法告示 で規定 される地震 動の 1.5 倍 の地震力 に対 して機 能を喪 失しないた め上記 表の 通 りとし た。
(*2)「 そ の 他 」 と は , 設 計 基 準 事 故 へ の 対 処 ケ ー ス の ほ か , 地 震 の 影 響 を 受 け ず , 重 大 事 故 等 に伴う プルー ム通過の影 響も受 けない ケースを指 す。
1.2 拠点配置
免震重要棟内緊急時対策所及び3号炉原子炉建屋内緊急時対策所の配置図を以下に示 す。
免震重要棟内緊急時対策所は,十分な支持力を有する番 神砂 層の 上に 設置 され てい る 。 また,敷地高さT.M.S.L.+13mに設置しており,発電所への津波による影響を受けない設計 とする。また,6号炉,7号炉中央制御室から直線距離で約1,700m離れた位置(アクセス 道路での移動距離は約2,900m)に設置し,換気設備及び電源設備を6号炉,7号炉中央制 御室から独立させ,6号炉,7号炉中央制御室との共通要因により同時に機能喪失しない 設計する。
また,3号炉原子炉建屋内緊急時対策所は,十分な耐震性を有する3号炉原子炉建屋に 設置する。また3号炉原子炉建屋2階フロア高さT.M.S.L.+12.8mに設置しており,発電所 への津波による影響を受けない設計とする。また,6号炉,7号炉中央制御室から直線距 離で約1,100m離れた位置に設置(アクセス道路での移動距離は約2,800m)し,換気設備及 び電源設備を6号炉,7号炉中央制御室から独立させ,6号炉,7号炉中央制御室との共 通要因により同時に機能喪失しない設計する。
(*T.M.S.L.:東京湾平均海面)
図1-1 免震重要棟内緊急時対策所及び3号炉原子炉建屋内緊急時対策所 配置図
1.3 新規制基準への適合方針
(1)設計基準事象への対処
緊急時対策所に関する設計基準事象への対処のための追加要求事項と,その適合方針は 以下表 1.3-1, 1.3-2 の通りである。
表 1.3-1 「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基 準に関する規則」 第三十四条(緊急時対策所)
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、 構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈
適 合 方 針
( 緊 急 時 対 策 所 )
第 三 十 四 条 工 場 等 に は 、一 次 冷 却 系 統 に 係 る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 損 壊 そ の 他 の 異 常 が 発 生 し た 場 合 に 適 切 な 措 置 を と る た め 、緊 急 時 対 策 所 を 原 子 炉 制 御 室 以 外 の 場 所 に 設 け な け れ ば な ら な い 。
第 3 4 条 ( 緊 急 時 対 策 所 )
一 次 冷 却 系 統 に 係 る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 損 壊 そ の 他 の 異 常 が 発 生 し た 場 合 に 適 切 な 措 置 を と る た め , 6 号 炉 , 7 号 炉 中 央 制 御 室 以 外 の 場 所 に 緊 急 時 対 策 所 を 設 置 す る こ と と し , 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 , 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 を 設 け る 。
表 1.3-2 「実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則」 第 四十六条(緊急時対策所)
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 技 術 基 準 に 関 す る 規 則
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施
設 の 技 術 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈 適 合 方 針
( 緊 急 時 対 策 所 )
第 四 十 六 条 工 場 等 に は 、 一 次 冷 却 系 統 に 係 る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 損 壊 そ の 他 の 異 常 が 発 生 し た 場 合 に 適 切 な 措 置 を と る た め 、緊 急 時 対 策 所 を 原 子 炉 制 御 室 以 外 の 場 所 に 施 設 し な け れ ば な ら な い 。
第 4 6 条 ( 緊 急 時 対 策 所 ) 1 第 4 6 条 に 規 定 す る 「 緊 急 時 対 策 所 」の 機 能 と し て は 、一 次 冷 却 材 喪 失 事 故 等 が 発 生 し た 場 合 に お い て 、関 係 要 員 が 必 要 な 期 間 に わ た り 滞 在 で き 、原 子 炉 制 御 室 内 の 運 転 員 を 介 さ ず に 事 故 状 態 等 を 正 確 に か つ 速 や か に 把 握 で き る こ と 。 ま た 、 発 電 所 内 の 関 係 要 員 に 指 示 で き る 通 信 連 絡 設 備 、並 び に 発 電 所 外 関 連 箇 所 と 専 用 で あ っ て 多 様 性 を 備 え た 通 信 回 線 に て 連 絡 で き る 通 信 連 絡 設 備 及 び デ ー タ を 伝 送 で き る 設 備 を 施 設 し な け れ ば な ら な い 。
一 次 冷 却 系 統 に 係 る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 損 壊 そ の 他 の 異 常 が 発 生 し た 場 合 に 適 切 な 措 置 を と る た め , 6 号 炉 , 7 号 炉 中 央 制 御 室 以 外 の 場 所 に 緊 急 時 対 策 所 を 設 置 す る こ と と し , 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 , 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 を 設 け る 。
ま た 各 々 の 緊 急 時 対 策 所 は 災 害 時 に 必 要 な 154 名 の 対 策 要 員 を 収 容 で き る 設 計 と す る 。
ま た ,中 央 制 御 室 内 の 運 転 員 を 介 さ ず プ ラ ン ト の 状 態 を 把 握 す る た め に 必 要 な パ ラ メ ー タ を 収 集 ・ 表 示 す る た め に 設 置 す る 安 全 パ ラ メ ー タ 表 示 シ ス テ ム ( SPDS) を 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 に 設
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 技 術 基 準 に 関 す る 規 則
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施
設 の 技 術 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈 適 合 方 針
( 緊 急 時 対 策 所 )
第 四 十 六 条 工 場 等 に は 、 一 次 冷 却 系 統 に 係 る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 損 壊 そ の 他 の 異 常 が 発 生 し た 場 合 に 適 切 な 措 置 を と る た め 、緊 急 時 対 策 所 を 原 子 炉 制 御 室 以 外 の 場 所 に 施 設 し な け れ ば な ら な い 。
第 4 6 条 ( 緊 急 時 対 策 所 ) 1 第 4 6 条 に 規 定 す る 「 緊 急 時 対 策 所 」の 機 能 と し て は 、一 次 冷 却 材 喪 失 事 故 等 が 発 生 し た 場 合 に お い て 、関 係 要 員 が 必 要 な 期 間 に わ た り 滞 在 で き 、原 子 炉 制 御 室 内 の 運 転 員 を 介 さ ず に 事 故 状 態 等 を 正 確 に か つ 速 や か に 把 握 で き る こ と 。 ま た 、 発 電 所 内 の 関 係 要 員 に 指 示 で き る 通 信 連 絡 設 備 、並 び に 発 電 所 外 関 連 箇 所 と 専 用 で あ っ て 多 様 性 を 備 え た 通 信 回 線 に て 連 絡 で き る 通 信 連 絡 設 備 及 び デ ー タ を 伝 送 で き る 設 備 を 施 設 し な け れ ば な ら な い 。
さ ら に 、酸 素 濃 度 計 を 施 設 し な け れ ば な ら な い 。酸 素 濃 度 計 は 、設 計 基 準 事 故 時 に お い て 、外 気 か ら 緊 急 時 対 策 所 へ の 空 気 の 取 り 込 み を 、一 時 的 に 停 止 し た 場 合 に 、事 故 対 策 の た め の 活 動 に 支 障 が な い 酸 素 濃 度 の 範 囲 に あ る こ と が 正 確 に 把 握 で き る も の で あ る こ と 。ま た 、所 定 の 精 度 を 保 証 す る も の で あ れ ば 、常 設 設 備 、 可 搬 型 を 問 わ な い 。
ま た ,当 該 発 電 用 原 子 炉 施 設 及 び そ の 境 界 付 近 に お け る 放 射 性 物 質 の 濃 度 及 び 放 射 線 量 を 監 視 及 び 測 定 し 、 並 び に 設 計 基 準 事 故 時 に お け る 迅 速 な 対 応 の た め に 必 要 な 情 報 を 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 に 表 示 で き る 設 備 を 設 け る 。
さ ら に ,所 外 の 緊 急 時 対 策 支 援 シ ス テ ム ( ERSS) へ 必 要 な デ ー タ を 伝 送 で き る 設 備 を , 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 に 設 置 す る 設 計 と す る 。
事 故 に 対 処 す る 発 電 所 内 の 関 係 要 員 に 対 し て 必 要 な 指 示 が 出 来 る 通 信 連 絡 設 備 を 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 に 設 置 す る 。
さ ら に ,発 電 所 外 の 関 連 箇 所 と 必 要 な 通 信 連 絡 を 行 う た め の , 専 用 で あ っ て 多 様 性 を 有 し た 通 信 回 線 で 構 成 す る 通 信 連 絡 設 備 を 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 に 設 置 す る 設 計 と す る 。
一 次 冷 却 系 統 に 係 る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 損 壊 そ の 他 の 異 常 が 発 生 し た 場 合 に 対 策 要 員 の 居 住 性 を 確 保 す る た め , 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 の 送 ・ 排 風 機 に よ り 外 気 を 取 り 入 れ る こ と が で き る 設 計 と し て い る 他 , 必 要 に 応 じ て 換 気 系 を 一 時 的 に 停 止 す る 運 用 と す る 。 ま た , 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 可 搬型空 調 機 に よ り , 必 要 な 換 気 が で き る 設 計 と し て い る 他 , 必 要 に 応 じ て 換 気 系 を 一 時 的 に 停 止 す る 運 用 と す る 。
免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 で は , 空 調 隔 離 時 で も 酸 素 濃 度 計 及 び 二 酸 化 炭 素 濃 度 計 に よ り , 室 内 環 境 を 確 認 す る こ と が で き る 。
以下は,外部からの衝撃による損傷の防止に関する設置許可基準規則条文において定め られる緊急時対策所に関する要求事項と,その適合方針である。
表 1.3-3 「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基 準に関する規則」 第6条(外部からの衝撃による損傷の防止)
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、 構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈
適 合 方 針
( 外 部 か ら の 衝 撃 に よ る 損 傷 の 防 止 )
第 六 条 安 全 施 設 は 、 想 定 さ れ る 自 然 現 象 ( 地 震 及 び 津 波 を 除 く 。 次 項 に お い て 同 じ 。)が 発 生 し た 場 合 に お い て も 安 全 機 能 を 損 な わ な い も の で な け れ ば な ら な い 。
2 重 要 安 全 施 設 は 、 当 該 重 要 安 全 施 設 に 大 き な 影 響 を 及 ぼ す お そ れ が あ る と 想 定 さ れ る 自 然 現 象 に よ り 当 該 重 要 安 全 施 設 に 作 用 す る 衝 撃 及 び 設 計 基 準 事 故 時 に 生 ず る 応 力 を 適 切 に 考 慮 し た も の で な け れ ば な ら な い 。
第 6 条( 外 部 か ら の 衝 撃 に よ る 損 傷 防 止 )
1 第 6 条 は 、 設 計 基 準 に お い て 想 定 さ れ る 自 然 現 象( 地 震 及 び 津 波 を 除 く 。)に 対 し て 、安 全 施設 が 安 全 機 能 を 損 な わ な い た め に 必 要 な 安 全 施 設 以 外 の 施 設 又 は 設 備 等( 重 大 事 故 等 対 処 設 備 を 含 む 。)へ の 措 置 を 含 む 。
2 第 1 項 に 規 定 す る 「 想 定 さ れ る 自 然 現 象 」と は 、敷 地 の 自 然 環 境 を 基 に 、洪 水 、風( 台 風 )、竜 巻 、凍 結 、降 水 、積 雪 、落 雷、地滑 り 、火 山 の 影 響 、生 物 学 的 事 象 又 は 森 林 火 災 等 か ら 適 用 さ れ る も の を い う 。 3 第 1 項 に 規 定 す る 「 想 定 さ れ る 自 然 現 象 ( 地 震 及 び 津 波 を 除 く 。 ) が 発 生 し た 場 合 に お い て も 安 全 機 能 を 損 な わ な い も の 」と は 、設 計 上 の 考 慮 を 要 す る 自 然 現 象 又 は そ の 組 み 合 わ せ に 遭 遇 し た 場 合 に お い て 、自 然 事 象 そ の も の が も た ら す 環 境 条 件 及 び そ の 結 果 と し て 施 設 で 生 じ 得 る 環 境 条 件 に お い て 、そ の 設 備 が 有 す る 安 全 機 能 が 達 成 さ れ る こ と を い う 。
4 第 2 項 に 規 定 す る 「 重 要 安 全 施 設 」に つ い て は 、「 発 電 用軽 水 型 原 子 炉 施 設 の 安 全 機 能 の 重 要 度 分 類 に 関 す る 審 査 指 針 」( 平 成 2 年 8 月 3 0 日 原 子 力 安 全 委 員 会 決 定 ) の
「 Ⅴ .2 .( 2 )自 然 現 象 に 対 す る 設 計 上 の 考 慮 」に 示 さ れ る も の と す る 。
5 第 2 項 に 規 定 す る 「 大 き な 影 響 を 及 ぼ す お そ れ が あ る と 想 定 さ れ る 自 然 現 象 」と は 、対 象 と な る 自 然 現 象 に 対 応 し て 、最 新 の 科 学 的 技 術 的 知 見 を 踏 ま え て 適 切 に 予 想 さ れ る も の を い う 。 な お 、 過 去 の 記 録 、 現 地 調 査 の 結 果 及 び 最 新 知 見 等 を 参 考 に し て 、 必 要 の あ る 場 合 に は 、 異 種 の 自 然 現 象 を 重 畳 さ せ る も の と す る 。
一 次 冷 却 系 統 に 係 る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 損 壊 そ の 他 の 異 常 が 発 生 し た 場 合 に 適 切 な 措 置 を と る た め , 設 計 基 準 に お い て 想 定 さ れ る 自 然 現 象 に 対 し て , 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 が 安 全 機 能 を 損 な わ な い 様 , 必 要 な 措 置 を と っ た 設 計 と す る 。 *
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、 構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈
適 合 方 針
2 重 要 安 全 施 設 は 、 当 該 重 要 安 全 施 設 に 大 き な 影 響 を 及 ぼ す お そ れ が あ る と 想 定 さ れ る 自 然 現 象 に よ り 当 該 重 要 安 全 施 設 に 作 用 す る 衝 撃 及 び 設 計 基 準 事 故 時 に 生 ず る 応 力 を 適 切 に 考 慮 し た も の で な け れ ば な ら な い 。
3 安 全 施 設 は 、 工 場 等 内 又 は そ の 周 辺 に お い て 想 定 さ れ る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 安 全 性 を 損 な わ せ る 原 因 と な る お そ れ が あ る 事 象 で あ っ て 人 為 に よ る も の( 故 意 に よ る も の を 除 く 。)に 対 し て 安 全 機 能 を 損 な わ な い も の で な け れ ば な ら な い 。
6 第 2 項 に 規 定 す る 「 適 切 に 考 慮 し た も の 」と は 、大 き な 影 響 を 及 ぼ す お そ れ が あ る と 想 定 さ れ る 自 然 現 象 に よ り 当 該 重 要 安 全 施 設 に 作 用 す る 衝 撃 及 び 設 計 基 準 事 故 が 発 生 し た 場 合 に 生 じ る 応 力 を 単 純 に 加 算 す る こ と を 必 ず し も 要 求 す る も の で は な く 、そ れ ぞ れ の 因 果 関 係 及 び 時 間 的 変 化 を 考 慮 し て 適 切 に 組 み 合 わ せ た 場 合 を い う 。
7 第 3 項 は 、 設 計 基 準 に お い て 想 定 さ れ る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 安 全 性 を 損 な わ せ る 原 因 と な る お そ れ が あ る 事 象 で あ っ て 人 為 に よ る も の( 故 意 に よ る も の を 除 く。)に 対 し て 、安 全 施 設 が 安 全 機 能 を 損 な わ な い た め に 必 要 な 安 全 施 設 以 外 の 施 設 又 は 設 備 等( 重 大 事 故 等 対 処 設 備 を 含 む 。 ) へ の 措 置 を 含 む 。 8 第 3 項 に 規 定 す る 「 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 安 全 性 を 損 な わ せ る 原 因 と な る お そ れ が あ る 事 象 で あ っ て 人 為 に よ る も の( 故 意 に よ る も の を 除 く 。)」と は 、敷 地 及 び 敷 地 周 辺 の 状 況 を も と に 選 択 さ れ る も の で あ り 、飛 来 物( 航 空 機 落 下 等 )、ダ ム の 崩 壊 、爆 発 、近 隣 工 場等 の 火 災 、 有 毒 ガ ス 、船 舶 の 衝 突 又 は 電 磁 的 障 害 等 を い う 。な お 、上 記 の 航 空 機 落 下 に つ い て は 、「 実 用 発 電 用 原 子 炉 施 設 へ の 航 空 機 落 下 確 率 の 評 価 基 準 に つ い て 」 ( 平 成 14・ 07・ 29 原 院 第 4 号( 平 成 1 4 年 7 月 3 0 日 原 子 力 安 全・保 安 院 制 定 ))等 に 基 づ き 、防 護 設 計 の 要 否 に つ い て 確 認 す る 。
* 「 6.10 設 置 許 可 基 準 規 則 第 6 条 ( 外 部 か ら の 衝 撃 に よ る 損 傷 の 防 止 ) へ の 適 合 方 針 に つ い て 」 と し て 後 述 す る 。
以下は,火災による損傷の防止に関する設置許可基準規則条文において定められる緊急 時対策所に関する要求事項と,その適合方針である。
表 1.3-4 「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基 準に関する規則」 第八条(火災による損傷の防止)
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、 構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈
適 合 方 針
( 火 災 に よ る 損 傷 の 防 止 ) 第 八 条 設 計 基 準 対 象 施 設 は 、 火 災 に よ り 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 安 全 性 が 損 な わ れ な い よ う 、火 災 の 発 生 を 防 止 す る こ と が で き 、 か つ 、早 期 に 火 災 発 生 を 感 知 す る 設 備( 以 下「 火 災 感 知 設 備 」とい う 。)
及 び 消 火 を 行 う 設 備( 以 下「 消 火 設 備 」と い い 、安 全 施 設 に 属 す る も の に 限 る 。)並 び に 火 災 の 影 響 を 軽 減 す る 機 能 を 有 す る も の で な け れ ば な ら な い 。
2 消 火 設 備 ( 安 全 施 設 に 属 す る も の に 限 る 。)は 、破 損 、誤 作 動 又 は 誤 操 作 が 起 き た 場 合 に お い て も 発 電 用 原 子 炉 を 安 全 に 停 止 さ せ る た め の 機 能 を 損 な わ な い も の で な け れ ば な ら な い 。
第 8 条 ( 火 災 に よ る 損 傷 の 防 止 ) 1 第 8 条 に つ い て は 、 設 計 基 準 に お い て 発 生 す る 火 災 に よ り 、発 電 用 原 子 炉 施 設 の 安 全 性 が 損 な わ れ な い よ う に す る た め 、設 計 基 準 対 象 施 設 に 対 し て 必 要 な 機 能( 火 災 の 発 生 防 止 、感 知 及 び 消 火 並 び に 火 災 に よ る 影 響 の 軽 減 )を 有 す る こ と を 求 め て い る 。
ま た 、上 記 の「 発 電 用 原 子炉 施 設 の 安 全 性 が 損 な わ れ な い 」とは 、安 全 施 設 が 安 全 機 能 を 損 な わ な い こ と を 求 め て い る 。
し た が っ て 、安 全 施 設 の 安 全 機 能 が 損 な わ れ る お そ れ が あ る 火 災 に 対 し て 、発 電 用 原 子 炉 施 設 に 対 し て 必 要 な 措 置 が 求 め ら れ る 。
2 第 8 条 に つ い て 、別 途 定め る「 実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 火 災 防 護 に 係 る 審 査 基 準 」( 原 規 技 発 第 1306195 号( 平 成 2 5 年 6 月 1 9 日 原 子 力 規 制 委 員 会 決 定 ))に 適 合 す る も の で あ る こ と 。
3 第 2 項 の 規 定 に つ い て 、 消 火 設 備 の 破 損 、誤 作 動 又 は 誤 操 作 が 起 き た 場 合 の ほ か 、 火 災 感 知 設 備 の 破 損 、誤 作 動 又 は 誤 操 作 が 起 き た こ と に よ り 消 火 設 備 が 作 動 し た 場 合 に お い て も 、発 電 用 原 子 炉 を 安 全 に 停 止 さ せ る た め の 機 能 を 損 な わ な い も の で あ る こ と 。
免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 の 建 物 及 び 各 々 の 緊 急 時 対 策 所 機 能 と し て 設 置 す る 換 気 設 備 , 電 源 設 備 , 必 要 な 情 報 を 把 握 で き る 設 備 , 通 信 連 絡 設 備 及 び そ れ ら へ の ア ク セ ス ル ー ト に 対 し て , 不 燃 性 材 料 又 は 難 燃 性 材 料 の 使 用 に よ る 火 災 の 発 生 防 止 対 策 を 実 施 す る 設 計 と す る 。
万 一 , 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 ( 緊 急 時 対 策 所 周 辺 に 設 置 す る 関 連 設 備 , 及 び そ れ ら へ の ア ク セ ス ル ー ト を 含 む ) に 火 災 が 発 生 し た 場 合 に お い て も , 消 防 法 に 準 拠 し た 火 災 感 知 器 , 消 火 設 備 を 設 置 し て お り , 当 該 機 器 等 に 発 生 し た 火 災 を 速 や か に 感 知 し 消 火 す る こ と に よ っ て , 当 該 緊 急 時 対 策 所 に 設 置 す る 機 器 等 の 損 傷 を 最 小 限 に 抑 え る こ と が で き る 。
(2)重大事故等への対処
緊急時対策所に関する重大事故等への対処のための追加要求事項と,その適合方針は以 下の通りである。
表 1.3-5 「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基 準に関する規則」 第六十一条(緊急時対策所)
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、 構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈
適 合 方 針
( 緊 急 時 対 策 所 )
第 六 十 一 条 第 三 十 四 条 の規 定 に よ り 設 置 さ れ る 緊 急 時 対 策 所 は 、 重 大 事 故 等 が 発 生 し た 場 合 に お い て も 当 該 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め の 適 切 な 措 置 が 講 じ ら れ る よ う 、次 に 掲 げ る も の で な け れ ば な ら な い 。
一 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め に 必 要 な 指 示 を 行 う 要 員 が と ど ま る こ と が で き る よ う 、 適 切 な 措 置 を 講 じ た も の で あ る こ と 。 二 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め に 必 要 な 指 示 が で き る よ う 、 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め に 必 要 な 情 報 を 把 握 で き る 設 備 を 設 け た も の で あ る こ と 。
三 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 内 外 の 通 信 連 絡 を す る 必 要 の あ る 場 所 と 通 信 連 絡 を 行 う た め に 必 要 な 設 備 を 設 け た も の で あ る こ と 。
2 緊 急 時 対 策 所 は 、 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め に 必 要 な 数 の 要 員 を 収 容 す る こ と が で き る も の で な け れ ば な ら な い 。
第 6 1 条 ( 緊 急 時 対 策 所 ) 1 第 1 項 及 び 第 2 項 の 要 件 を 満 た す 緊 急 時 対 策 所 と は 、以 下 に 掲 げ る 措 置 又 は こ れ ら と 同 等 以 上 の 効 果 を 有 す る 措 置 を 行 う た め の 設 備 を 備 え た も の を い う 。
a ) 基 準 地 震 動 に よ る 地 震 力 に 対 し 、免 震 機 能 等 に よ り 、緊 急 時 対 策 所 の 機 能 を 喪 失 し な い よ う に す る と と も に 、基 準 津 波 の 影 響 を 受 け な い こ と 。
b )緊 急 時 対 策 所 と 原 子 炉 制 御 室 は 共 通 要 因 に よ り 同 時 に 機 能 喪 失 し な い こ と 。
c )緊 急 時 対 策 所 は 、代 替 交 流 電 源 か ら の 給 電 を 可 能 と す る こ と 。 ま た 、当 該 代 替 電 源 設 備 を 含 め て 緊 急 時 対 策 所 の 電 源 設 備 は 、多 重 性 又 は 多 様 性 を 有 す る こ と 。
d )緊 急 時 対 策 所 の 居 住 性 が 確 保 さ れ る よ う に 、適 切 な 遮 蔽 設 計 及 び 換 気 設 計 を 行 う こ と 。
e )緊 急 時 対 策 所 の 居 住 性 に つ い て は 、次 の 要 件 を 満 た す も の で あ る こ と 。
① 想 定 す る 放 射 性 物 質 の 放 出 量 等 は 東 京 電 力 株 式 会 社 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 事 故 と 同 等 と す る こ と 。
② プ ル ー ム 通 過 時 等 に 特 別 な 防 護 措 置 を 講 じ る 場 合 を 除 き 、対 策 要 員 は 緊 急 時 対 策 所 内 で の マ ス ク の 着 用 な し と し て 評 価 す る こ と 。
③ 交 代 要 員 体 制 、 安 定 ヨ ウ 素 剤 の 服 用 、 仮 設 設 備 等 を 考 慮 し て も よ い 。た だ し 、そ の 場 合 は 、実 施 の た め の 体 制 を 整 備 す る こ と 。
④ 判 断 基 準 は 、 対 策 要 員 の 実 効 線 量 が 7 日 間 で 100mSv を 超 え な い こ と 。
f )緊 急 時 対 策 所 の 外 側 が 放 射 性 物 質 に よ り 汚 染 し た よ う な 状 況 下 に お い て 、緊 急 時 対 策 所 へ の 汚 染 の 持 ち 込 み を 防 止 す る た め 、モ ニ タ リ ン グ 及 び 作 業 服 の 着 替 え 等 を 行 う た め の 区 画 を 設 け る こ と 。
*本 表 欄 外 下 部 に 示 す
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、 構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈
設 計 方 針
2 第 2 項 に 規 定 す る 「 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め に 必 要 な 数 の 要 員 」 と は 、第 1 項 第 1 号 に 規 定 す る「 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め に 必 要 な 指 示 を 行 う 要 員 」に 加 え 、少 な く と も 原 子 炉 格 納 容 器 の 破 損 等 に よ る 工 場 等 外 へ の 放 射 性 物 質 の 拡 散 を 抑 制 す る た め の 対 策 に 対 処 す る た め に 必 要 な 数 の 要 員 を 含 む も の と す る 。
*本 表 欄 外 下 部 に 示 す
(*) 以下,表 1.3-5 の適合方針について説明する。
a.要員 (規則第六十一条2項,規則解釈第61条2)
免震重要棟内緊急時対策所及び3号炉原子炉建屋内緊急時対策所には,重大事故等 に 対処す るため に必要な 指示を 行う要 員に加え ,原子 炉格納 容器の破 損等に よる発 電 所外へ の放射 性物質の 拡散を 抑制す るための 対策に 対処す るために 必要な 数の要 員として最大 55名を収容できる設計とする。
b.同時機能喪失回避 (規則解釈第61条1のb)
免震重要棟内緊急時対策所は,6号炉,7号炉中央制御室から十分離れていること
(約 1,700m),換気設備及び電源設備を6号炉,7号炉中央制御室から独立させ,6 号 炉,7 号炉中 央制御室 との共 通要因 により同 時に機 能喪失 しない設 計とす る。ま た ,3号 炉原子 炉建屋内 緊急時 対策所 は,6号 炉,7 号炉中 央制御室 から十 分離れ ていること(約 1,100m),換気設備及び電源設備を6号炉,7号炉中央制御室から独 立 させ, 6号炉 ,7号炉 中央制 御室と の共通要 因によ り同時 に機能喪 失しな い設計 とする。
c.電源設備 (規則解釈第61条1のc)
免震重要棟内緊急時対策所及び3号炉原子炉建屋内緊急時対策所は,通常,発電所 内 の常用 電源, 非常用電 源から の給電 を受け稼 動する 設計と している 。なお ,免震 重 要棟内 緊急時 対策所及 び3号 炉原子 炉建屋内 緊急時 対策所 とも,各 々の緊 急時対
d.居住性対策 (規則解釈第61条1のd,e)
免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 の 重 大 事 故 等 の 対策要員の居住性が確保されるように,適切な遮蔽設計及び換気設計を行う。
免震重要棟内緊急時対策所では重大事故等において必要な対策活動を行うため,免 震 重要棟 内1階 に免震重 要棟内 緊急時 対策所1 階対策 本部, 更に1階 対策本 部内に プ ル ー ム 通 過 中 の 必 要 要 員 収 納 の た め の 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 1 階 対 策 本 部
(待避室)を設置する。免震重要棟内緊急時対策所1階対策本部(待避室)は上部,
及 び側面 に生体 遮蔽を設 置する ことで 直接線, スカイ シャイ ン線,及 びグラ ンドシ ャ インに よる外 部被ばく を抑制 する。 また,免 震重要 棟内緊 急時対策 所1階 対策本 部 及び免 震重要 棟内緊急 時対策 所1階 対策本部 (待避 室)を 可搬型空 調機を 用いて 加 圧し, 重大事 故等に伴 うプル ーム通 過中,及 びプル ーム通 過後の意 図しな い放射 性 物質の 流入に よる内・ 外部被 ばくを 抑制する 。さら に免震 重要棟内 緊急時 対策所 の 建屋外 周にコ ンクリー ト遮蔽を設置 し,グラ ンドシ ャイン による外 部被ば くを抑 制する。
3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 で は 重 大 事 故 等 時 に お い て 必 要 な 対 策 活 動 を 行 う ため, 3号炉 原子炉建 屋内緊 急時対 策所設置 エリア 内に3 号炉原子 炉建屋 内緊急 時 対策所 (待避 室)を設 置する 。3号 炉原子炉 建屋内 緊急時 対策所は 上部, 及び側 面 に生体 遮蔽を 設置する ことで 直接線 ,スカイ シャイ ン線, 及びグラ ンドシ ャイン に よる外 部被ば くを抑制 すると ともに ,3号炉 原子炉 建屋内 緊急時対 策所を 可搬型 空 調機を 用いて 加圧し, 重大事 故等に 伴うプル ーム通 過中, 及びプル ーム通 過後の 意図しない放射性物質の流入による内部・外部被ばくを抑制する。
遮 蔽 設 計 及 び 換 気 設 計 に よ り 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊急時対策所の居住性については,「実用発電用原子炉に係る重大事故等時の制御室 及 び緊急 時対策 所の居住 性に係 る被ば く評価に 関する 審査ガ イド」に 基づき 評価し た結果,対策要員の実効線量は7日間で約 94mSv(免震重要棟内緊急時対策所),約 33mSv( 3号炉 原子 炉建屋 内緊 急時 対策 所)であ り, 対策 要員 の実効線 量が 100mSv を超えないことを確認している。
e.必要な情報を把握できる設備 (規則第六十一条1項の二)
免震重要棟内緊急時対策所及び3号炉原子炉建屋内緊急時対策所には,重大事故等
時 のプラ ントの 状態並び に環境 放射線 量・気象 状況を 把握す るために 必要な パラメ ータを収集・表示するための安全パラメータ表示システム(SPDS)を設置する。
f.通信連絡設備 (規則第六十一条1項の三)
免震重要棟内緊急時対策所及び3号炉原子炉建屋内緊急時対策所には,重大事故等 に 対処す る発電 所内の関 係要員 に対し て必要な 指示が 出来る 通信連絡 設備を 設置す る 。また ,免震 重要棟内 緊急時 対策所 及び3号 炉原子 炉建屋 内緊急時 対策所 には,
発電所外の関連箇所と必要な通信連絡を行うための通信連絡設備を設置する。
g.汚染の持ち込み防止 (規則解釈第61条1のf)
重 大 事 故 等 時 に 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 の 外側が 放射性 物質によ り汚染 したよ うな状況 下にお いて, 緊急時対 策所へ の汚染 の 持ち込 みを防 止するた め,モ ニタリ ング及び 作業服 の着替 え等を行 うため の区画 を ,免震 重要棟 建屋内の 免震重 要棟内 緊急時対 策所出 入口付 近に,及 び3号 炉原子 炉建屋内の3号炉原子炉建屋内緊急時対策所出入口付近にそれぞれ設ける。
h.資機材配備 (規則第六十一条1項の一)
免震重要棟内緊急時対策所及び3号炉原子炉建屋内緊急時対策所には,必要な要員 が 緊急時 対策所 内に7日 間とど まり, 重大事故 等に対 処する ために必 要な食 料と飲 料 水を配 備する 。また対 策要員 が7日 間緊急時 対策所 内にと どまり, 現場で の復旧 作業に必要な数量の放射線防護資機材(着替え,マスク等)を配備する。
i.地震 (規則解釈第61条1のa)
免震重要棟内緊急時対策所は,免震重要棟は建築基準法告示で規定される地震動を 1.5 倍した地震力に対応した設計としている。非常に大きな長周期成分を含む一部の 基 準地震 動に対 しては通 常の免 震設計 クライテ リアを 満足し ない場合 があり ,その 際 には構 造物・ 設備の損 傷が発 生する 可能性が あると 想定さ れる。そ のため ,一部 の基準地震動に対しては機能喪失すると判断する。
3 号炉 原子 炉建屋 内緊急 時対 策所 は3号 炉原子 炉建 屋内 に設置 してい るこ とか ら,
基準地震動による地震力に対し,機能を喪失することはない。
情報を把握できる設備,通信連絡設備等については,転倒防止措置等を施すことで,
基準地震動に対し機能を喪失しない設計とする。
(代替手段)
免震重要棟内緊急時対策所が機能喪失する様な事態を想定した場合であっても,3 号 炉原子 炉建屋 内緊急時 対策所 を設置 すること で,基 準地震 動による 地震力 を考慮 し た際の 柏崎刈 羽原子力 発電所 の緊急 時対策所 機能を 維持で きる。な お,免 震重要 棟 内緊急 時対策 所は免震 装置を 有した 構造であ ること から, 基準地震 動によ る地震 力 のうち 発電施 設等に大 きな影 響が生 じる可能 性があ る短周 期地震に 対して 優位性 を有しており,機能を維持できるものと想定される。
j.津波 (規則解釈第61条1のa)
免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 を 設 置 す る 敷 地
(防潮堤位置)における基準津波の最高水位は T.M.S.L.*+8.5m 程度である。
免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 は 事 務 建 屋 の う ち 免 震 構 造 を 有 す る 免 震 重 要 棟
(T.M.S.L.+13m の敷地に設置)に,また3号炉原子炉建屋内緊急時対策所は3号炉 原 子 炉建 屋2 階フ ロア( T.M.S.L.+12.8m) に設 置 する 。ま た, 各緊急 時 対策 所を 設 置する敷地に対しては T.M.S.L.約+15m の防潮堤を設けること等により,津波の敷地 へ の流入 防止を 図ること として いる。 以上によ り,各 緊急時 対策所( 緊急時 対策所 と,緊急時対策所周辺に設置する関連設備,及びそれらへのアクセスルートを含む)
は基準津波の影響を受けない設計とする。
(*T.M.S.L.:東京湾平均海面)
以 下 は 火 災 に よ る 損傷 の 防 止 に 関 す る 設 置許 可 基 準 規 則 条 文 に おい て 定 め ら れ る 緊 急 時対策所に関する要求事項と,その適合方針である。
表 1.3-6 「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基 準に関する規則」 第四十一条(火災による損傷の防止)
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、 構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則
実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈
設 計 方 針
( 火 災 に よ る 損 傷 の 防 止 ) 第 四 十 一 条 重 大 事 故 等 対処 施 設 は 、火 災 に よ り 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め に 必 要 な 機 能 を 損 な う お そ れ が な い よ う 、火 災 の 発 生 を 防 止 す る こ と が で き 、か つ 、火 災 感 知 設 備 及 び 消 火 設 備 を 有 す る も の で な け れ ば な ら な い 。
第 4 1 条 ( 火 災 に よ る 損 傷 の 防 止 ) 1 第 4 1 条 の 適 用 に 当 たっ て は 、 第 8 条 第 1 項 の 解 釈 に 準 ず る も の と す る 。
第 8 条 ( 火 災 に よ る 損 傷 の 防 止 ) 1 第 8 条 に つ い て は 、 設計 基 準 に お い て 発 生 す る 火 災 に よ り 、発 電 用 原 子 炉 施 設 の 安 全 性 が 損 な わ れ な い よ う に す る た め 、設 計 基 準 対 象 施 設 に 対 し て 必 要 な 機 能( 火 災 の 発 生 防 止 、感 知 及 び 消 火 並 び に 火 災 に よ る 影 響 の 軽 減 )を 有 す る こ と を 求 め て い る 。
ま た 、上 記 の「 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 安 全 性 が 損 な わ れ な い 」と は 、安 全 施 設 が 安 全 機 能 を 損 な わ な い こ と を 求 め て い る 。
し た が っ て 、安 全 施 設 の 安 全 機 能 が 損 な わ れ る お そ れ が あ る 火 災 に 対 し て 、発 電 用 原 子 炉 施 設 に 対 し て 必 要 な 措 置 が 求 め ら れ る 。
*本 表 欄 外 下 部 に 示 す
(*) 以下,表 1.3-6 の適合方針について説明する。
k.火災防護 (規則解釈第41条)
免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 は 火 災 に よ り 緊 急 時対策 所に必 要な機能 を損な うおそ れがない よう, 火災の 発生を防 止する ことが でき,かつ,火災感知設備及び消火設備を有する設計とする。
火災の発生を防止するため,免震重要棟内緊急時対策所及び3号炉原子炉建屋内緊 急 時対策 所(緊 急時対策 所周辺 に設置 する関連 設備, 及びそ れらへの アクセ スルー ト を含む )は, 系統内に 水素が 滞留す ることを 防止す る設計 としてい る。ま た,主 要構造物,設備は不燃性材料を使用し,ケーブルは自己消火 性( UL 垂 直燃 焼試 験 )・
耐延焼性(IEEE383)の実証試験に合格する線種を使用する設計とする。地震への対 策 としては 「1.3(2)i 地 震」に記 載する 耐震設 計とする ことに よって 火災発生 の防
火災感知及び消火については,免震重要棟内緊急時対策所及び3号炉原子炉建屋内 緊 急時対 策所( 緊急時対 策所周 辺に設 置する関 連設備 ,及び それらへ のアク セスル ー トを含 む)と も,消防 法に基 づき火 災感知器 を設置 してい る。特に ,緊急 時対策 所 を設置 する屋 内のケー ブル布 設箇所 等には, 火災時 に炎が 生じる前 の発煙 段階か ら感知できる煙感知器に加え,異なる 2 種類目の感知器として熱感知器を設置する 設 計とす る。感 知器は, 外部電 源が喪 失した場 合にお いても 電源を確 保する 設計と し,6号炉,7号炉中央制御室等にて適切に監視できる設計とする。
消火設備としては消火栓及び消火器を適切に設置している。免震重要棟内緊急時対 策所及び3号炉原子炉建屋内緊急時対策所(緊急時対策所周辺に設置する関連設備,
及 びそれ らへの アクセス ルート を含む )のうち ,火災 によっ て煙が充 満し消 火が困 難となる可能性のある室内には,固定式消火設備を配備する設計とする。
なお,3号炉原子炉建屋内緊急時対策所,免震重要棟内緊急時対策所に設置する設備の うち,重大事故対処設備に関する概要を表 1.3-7 に示す。
表 1.3-7 重大事故対処設備に関する概要(61 条 緊急時対策所) (1/2)
系統機能 主要設備
代替する機能を有する 設計基準事故対処設備
設備
種別 設備分類
設備 耐震重要
度分類
常設
可搬型 分類 機器
クラス 居住性の確保
(3号炉原子炉建屋内緊急時対策所)
緊急時対策所
(3号炉原子炉建屋内緊急時対策所)
緊急時対策所
(3号炉原子炉建屋内緊急時対策所) C 常設 常設耐震重要重大事故防止設備
常設重大事故緩和設備 - 3 号炉原子炉建屋内
緊急時対策所生体遮蔽 - - 常設 常設耐震重要重大事故防止設備
常設重大事故緩和設備 - 3 号炉原子炉建屋内緊急時
対策所(待避室)生体遮蔽 常設 常設耐震重要重大事故防止設備
常設重大事故緩和設備 -
可搬型空調機 可搬 可搬型重大事故防止設備
可搬型重大事故緩和設備 SA-3
可搬型照明 可搬 可搬型重大事故等対処設備
(防止でも緩和でもない設備) -
酸素濃度計 可搬 可搬型重大事故等対処設備
(防止でも緩和でもない設備) -
二酸化炭素濃度計 可搬 可搬型重大事故等対処設備
(防止でも緩和でもない設備) - 必要な情報の把握
(3号炉原子炉建屋内緊急時対策所) SPDS 表示装置 - - 常設 常設重大事故等対処設備
(防止でも緩和でもない設備) - 緊急時対策支援システム
伝送装置 常設 常設重大事故等対処設備
(防止でも緩和でもない設備) - 通信連絡
(3号炉原子炉建屋内緊急時対策所) 無線連絡設備(据置型) 送受話器(ページング),
電力保安通信用電話設備 - 常設 常設耐震重要重大事故防止設備
常設重大事故緩和設備 -
無線連絡設備(携帯型) - 可搬 常設耐震重要重大事故防止設備
常設重大事故緩和設備 -
衛星電話機(据置型) 常設 常設重大事故等対処設備
(防止でも緩和でもない設備) -
衛星電話機(携帯型) 可搬 可搬型重大事故等対処設備
(防止でも緩和でもない設備) - 電源の確保
(3号炉原子炉建屋内緊急時対策所)
3号炉原子炉建屋内緊急時
対策所用電源車 - - 常設 常設耐震重要重大事故防止設備
常設重大事故緩和設備 -
表 1.3-7 重大事故対処設備に関する概要(61 条 緊急時対策所) (2/2)
系統機能 主要設備
代替する機能を有する 設計基準事故対処設備
設備
種別 設備分類
設備 耐震重要
度分類
常設
可搬型 分類 機器
クラス 居住性の確保
(免震重要棟内緊急時対策所)
緊急時対策所
(免震重要棟内緊急時対策所)
緊急時対策所
(免震重要棟内緊急時対策所) C 常設 常設重大事故防止設備
常設重大事故緩和設備 -
免震重要棟内
緊急時対策所生体遮蔽 - - 常設 常設重大事故防止設備
常設重大事故緩和設備 -
免震重要棟内緊急時
対策所(待避室)生体遮蔽 常設 常設重大事故防止設備
常設重大事故緩和設備 -
可搬型空調機 可搬 常設重大事故防止設備
常設重大事故緩和設備 SA-3
可搬型照明 可搬 可搬型重大事故等対処設備
(防止でも緩和でもない設備) -
酸素濃度計 可搬 可搬型重大事故等対処設備
(防止でも緩和でもない設備) -
二酸化炭素濃度計 可搬 可搬型重大事故等対処設備
(防止でも緩和でもない設備) - 必要な情報の把握
(免震重要棟内緊急時対策所) SPDS 表示装置 - - 常設 常設重大事故等対処設備
(防止でも緩和でもない設備) - 緊急時対策支援システム
伝送装置 常設 常設重大事故等対処設備
(防止でも緩和でもない設備) - 通信連絡
(免震重要棟内緊急時対策所) 無線連絡設備(据置型) 送受話器(ページング),
電力保安通信用電話設備 - 常設 常設重大事故防止設備
常設重大事故緩和設備 -
無線連絡設備(携帯型) - 可搬 常設重大事故防止設備
常設重大事故緩和設備 -
衛星電話機(据置型) 常設 常設重大事故等対処設備
(防止でも緩和でもない設備) -
衛星電話機(携帯型) 可搬 可搬型重大事故等対処設備
(防止でも緩和でもない設備) - 電源の確保
(免震重要棟内緊急時対策所)
免震重要棟
ガスタービン発電機 - - 常設 常設重大事故防止設備
常設重大事故緩和設備 -
2. 設 計 方 針
本 項 で は , 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 の 主 と し て 設 計 基 準 対 象 設 備 と し て の 緊 急 時 対 策 所 拠 点 と , 各 々 に 設 置 す る 重 大 事 故 等 対 処 拠 点 の 設 備 設 計 方 針 に つ い て , ケ ー ス 1 ~ ケ ー ス 4 と し て 説 明 す る 。 以 下 に , 各 ケ ー ス の 設 計 上 の 拠 点 の 考 え 方 に つ い て 概 略 を 示 す 。
表 2-1 緊 急 時 対 策 所 の 拠 点 の 考 え 方 緊 急 時 対 策 所
名 称 設 置 場 所 拠 点 の 考 え 方
ケ ー ス 1
免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 2 階 対 策 本 部
免 震 重 要 棟 2 階
・ 設 計 基 準 対 処 時 の 拠 点 と し て 活 用 で き る よ う 設 計 す る 。
・ 地 震 ・ プ ル ー ム を 伴 わ な い 重 大 事 故 等 対 処 拠 点 と し て 活 用 で き る よ う 設 計 す る 。
ケ ー ス 2
免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 1 階 対 策 本 部
( 待 避 室 )
免 震 重 要 棟 1 階
・ 設 計 基 準 対 処 時 の 拠 点 と し て 活 用 で き る よ う 設 計 す る 。
・ 地 震 を 伴 わ な い 重 大 事 故 等 対 処 拠 点 と し て 活 用 で き る よ う 設 計 す る 。 ( プ ル ー ム に 対 処 で き る 設 計 と す る 。 )
ケ ー ス 3
3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時
対 策 所
3 号 炉 原 子 炉 建 屋 中 央 制 御 室 近 傍
( 日 勤 控 室 ,食 堂 , 及 び プ ロ セ ス 計 算
機 室 等 )
・ 設 計 基 準 対 処 時 の 拠 点 と し て 活 用 で き る よ う 設 計 す る 。
・ プ ル ー ム を 伴 わ な い 重 大 事 故 等 対 処 拠 点 と し て 活 用 で き る よ う 設 計 す る 。 ( 基 準 地 震 動 に 対 処 で き る 設 計 と す る 。 )
ケ ー ス 4
3 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時
対 策 所
( 待 避 室 )
3 号 炉 原 子 炉 建 屋 中 央 制 御 室 近 傍
(日 勤 控 室 等)
・ 設 計 基 準 対 処 時 の 拠 点 と し て 活 用 で き る よ う 設 計 す る 。
・ 重 大 事 故 等 対 処 拠 点 と し て 活 用 で き る よ う 設 計 す る 。 ( 基 準 地 震 動 , プ ル ー ム に 対 処 で き る 設 計 と す る 。 )
2.1 建 物 及 び 収 容 人 数 に つ い て
( 1 ) 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所
免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 は , 事 務 建 屋 内 に 免 震 機 能 を 備 え た 免 震 重 要 棟 が あ り そ の 中 に 設 置 さ れ て い る 。
免 震 重 要 棟 は , 鉄 骨 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 造 ( 一 部 鉄 骨 造 ) の 建 物 で あ り ,地 上 2 階 建 て ,延 べ 床 面 積 約 4,100 ㎡ を 有 す る 建 物 で あ る 。
免 震 装 置 は , 1 階 と 基 礎 と の 間 ( 免 震 層 ) に 鉛 プ ラ グ 入 り 積 層 ゴ ム と 剛 す べ り 支 承 を バ ラ ン ス よ く 配 置 し て い る 。
設 計 用 地 震 動 は ,建 築 基 準 法 第 20 条 及 び 平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1461 号 で 規 定 さ れ る 極 め て 稀 に 発 生 す る 地 震 動 の 1.5 倍 の 入 力 レ ベ ル を 考 慮 し , そ の 位 相 特 性 に は 実 地 震 波 の 八 戸 位 相 , JMA 神 戸 位 相 及 び 一 様 乱 数 位 相 の 異 な る 3 波 を 採 用 す る 。
免 震 重 要 棟 の 上 部 構 造 に つ い て は , 塑 性 変 形 し た 場 合 , 急 激 に 塑 性 変 形 が 進 展 す る 可 能 性 が あ る こ と を 考 慮 し , 弾 性 範 囲 の 応 答 に 入 っ て い る こ と を 確 認 し て お り 遮 蔽 性 能 等 に つ い て 機 能 喪 失 し な い こ と を 確 認 し て い る 。
図 2.1-1 免 震 重 要 棟 1 階 平 面 図
図 2.1-2 免 震 重 要 棟 2 階 平 面 図
図 2.1-3 免 震 装 置 の 配 置 図
図 2.1-4 免 震 重 要 棟 断 面 図 ( NS 方 向 )
図 2.1-5 免 震 重 要 棟 断 面 図 ( EW 方 向 )
a . 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 2 階 対 策 本 部 ( ケ ー ス 1 )
免 震 重 要 棟 2 階 に は 緊 急 時 対 策 本 部 と し て 約 810 ㎡ を 確 保 し て い る 。 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 2 階 対 策 本 部 は ,一 部 の 基 準 地 震 動 を 除 い た 地 震 被 災 対 応 の た め ,及 び 重 大 事 故 等 時 の プ ル ー ム 通 過 時 以 外 の 対 応 の た め ,154 名 の 対 策 要 員 が 活 動 す る こ と を 想 定 し , 十 分 な 広 さ と 機 能 を 有 し た 設 計 と し て い る 。
図 2.1-6 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 2 階 対 策 本 部 の 部 屋 見 取 り 図
( 注 ) レ イ ア ウ ト に つ い て は , 訓 練 等 で 有 効 性 を 確 認 し 適 宜 見 直 し て い く 図 2.1-7 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 2 階 対 策 本 部 レ イ ア ウ ト イ メ ー ジ
b . 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 1 階 対 策 本 部 ( 待 避 室 ) ( ケ ー ス 2 )
免 震 重 要 棟 1 階 に は 重 大 事 故 等 対 応 時 の 緊 急 時 対 策 本 部( 待 避 室 )と し て 約 225m2を 確 保 し て い る 。
免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 1 階 対 策 本 部( 待 避 室 )は ,一 部 の 基 準 地 震 動 を 除 い た 地 震 被 災 対 応 の た め , 及 び 重 大 事 故 等 の プ ル ー ム 通 過 に 備 え た 十 分 な 広 さ と 機 能 を 有 し た 設 計 と し ,プ ル ー ム 通 過 中 に お い て も ,重 大 事 故 等 に 対 処 す る 為 に 必 要 な 指 示 を 行 う 要 員 及 び 原 子 炉 格 納 容 器 の 破 損 等 に よ る 発 電 所 外 へ の 放 射 性 物 質 の 拡 散 を 抑 制 す る た め の 対 策 に 必 要 な 要 員 を 含 め ,最 大 55 名 の 対 策 要 員 が 活 動 す る こ と を 想 定 し , 十 分 な 広 さ と 機 能 を 有 し た 設 計 と し て い る 。
更 に プ ル ー ム 通 過 後 に お い て は , プ ル ー ム 通 過 に 備 え る 必 要 最 低 限 の 重 大 事 故 等 対 策 要 員 に 限 定 し た 以 前 の 体 制 へ と 移 行 さ せ る 。 そ の た め 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 1 階 対 策 本 部 は そ の 中 央 部 の 待 避 室 も 含 め た , 約 473 ㎡ を 確 保 し て い る 。 最 大 154 名 の 対 策 要 員 が 活 動 す る こ と を 想 定 し , 十 分 な 広 さ と 機 能 を 有
【 凡 例 】
●: 緊 急 時 対 策 所 本 部 要 員
●: 緊 急 時 対 策 所 現 場 要 員
し た 設 計 と し て い る 。
重 大 事 故 等 対 処 に 伴 う 体 制 の 縮 小 ・ 拡 大 に 際 し て も , 必 要 な 指 揮 命 令 , 及 び 現 場 復 旧 活 動 が 円 滑 に 行 う こ と が 出 来 る よ う , 原 子 力 防 災 組 織 の 編 成 に つ い て は Incident Command System( ICS) の 考 え 方 を 導 入 し て い る 。
免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 は , 緊 急 時 対 策 所 の 外 側 が 汚 染 し た よ う な 状 況 下 に お い て , 緊 急 時 対 策 所 へ の 汚 染 の 持 ち 込 み を 防 止 す る た め , モ ニ タ リ ン グ 及 び 作 業 服 の 着 替 え 等 を 行 う た め の 区 画( 以 下 ,「 チ ェ ン ジ ン グ エ リ ア 」と い う 。)
を 設 け る 。 チ ェ ン ジ ン グ エ リ ア は , 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 に 併 設 す る 設 計 と し , 対 策 要 員 の 被 ば く 低 減 の 観 点 か ら 免 震 重 要 棟 内 に 設 営 す る 。
図 2.1-8 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 1 階 対 策 本 部( 待 避 室 )の 部 屋 見 取 り 図
図 2.1-9 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 1 階 対 策 本 部 の 部 屋 見 取 り 図
免 震 重 要 棟 1 階
( 注 ) レ イ ア ウ ト に つ い て は , 訓 練 等 で 有 効 性 を 確 認 し 適 宜 見 直 し て い く 図 2.1-10 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 1 階 対 策 本 部 ( 待 避 室 )
レ イ ア ウ ト イ メ ー ジ ( プ ル ー ム 通 過 前 )
( 注 ) レ イ ア ウ ト に つ い て は , 訓 練 等 で 有 効 性 を 確 認 し 適 宜 見 直 し て い く 図 2.1-11 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 1 階 対 策 本 部 ( 待 避 室 )
レ イ ア ウ ト イ メ ー ジ ( プ ル ー ム 通 過 中 )
【 凡 例 】
■: 緊 急 時 対 策 所 本 部 要 員
■: 緊 急 時 対 策 所 現 場 要 員
【 凡 例 】
■: 緊 急 時 対 策 所 本 部 要 員
■: 緊 急 時 対 策 所 現 場 要 員