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Academic year: 2022

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氏 名 山元 誉子

授 与 し た 学 位 博士

専攻分野の名称 薬学

学位記授与番号 博甲第3863号

学位授与の日付 平成21年3月25日

学位授与の要件 博士の学位論文提出者

(学位規則第5条第12項該当)

学位論文の題目 各種薬物誘発記憶障害モデルの作製と認知症治療薬の効果

論 文 審 査 委 員 教 授 龜 井 千 晃 教 授 波 多野 力 准 教 授 井上 剛 教授 川崎 博己

学位論文内容の要旨

近年,高齢化社会を迎え,それに伴いアルツハイマー病患者数も増加の一途をたどっている.

しかしながら,アルツハイマー病治療薬の効果は症状の進行抑制,すなわち対症療法であり,新 たな治療薬の開発が望まれている.

学習・記憶にはコリン神経系,ヒスタミン神経系,グルタミン酸神経系およびγ-aminobutyric acid(GABA)神経系などの様々な神経系の関与が示唆されている.しかしながら,学習・記憶 に対するこれらの神経系の関与については不明な点が多く,未だ新薬への開発に繋がっていない のが現状である.

そこで本研究では,8方向放射状迷路課題を用いて各種薬物誘発記憶障害モデルを作製し,既 存の認知症治療薬の作用プロフィールを検討することにより,新たな認知症治療薬開発への可能 性について探索することを目的とした.はじめに8方向放射状迷路課題における記憶の獲得と抗 コリン薬誘発記憶障害のモデルに対する認知症治療薬の効果について検討した(第Ⅰ章).また,

ヒスタミンH1受容体拮抗薬誘発記憶障害のモデルに対する効果(第Ⅱ章),NMDA受容体拮抗 薬誘発記憶障害モデルに対する効果(第Ⅲ章)およびGABAA受容体作動薬誘発記憶障害のモデ ルに対する効果(第Ⅳ章)について検討した.

その結果,学習・記憶には,種々の神経系が関与することが明らかとなった.また,認知症治 療薬を用いた検討において,それらの薬物の既知の作用メカニズム以外に,ヒスタミン神経系あ るいはGABA神経系の関与が示唆された.すなわち,ヒスタミン神経系およびGABA神経系は,

新たな認知症治療薬のターゲットとなりうる可能性が考えられた.一方,NMDA 受容体拮抗薬 誘発記憶障害に対し,既存の認知症治療薬は改善作用を示さなかった.従って,既存の治療薬の 有効性が著明でない場合,グルタミン酸神経系が深く関与した認知障害である可能性が考えられ た.

(2)

論文審査結果の要旨

本研究は,新たな認知症治療薬開発への可能性について探索することを目的 として,8方向放射状迷路課題を用いて各種薬物誘発記憶障害モデルを作製し,

既存の認知症治療薬の作用プロフィールを検討した.はじめに8方向放射状迷 路課題における記憶の獲得と抗コリン薬誘発記憶障害のモデルに対する認知症 治療薬の効果について検討した(第Ⅰ章).また,ヒスタミン H

1

受容体拮抗薬 誘発記憶障害のモデルに対する効果(第Ⅱ章) , NMDA 受容体拮抗薬誘発記憶障 害モデルに対する効果(第Ⅲ章)および GABA

A

受容体作動薬誘発記憶障害のモ デルに対する効果(第Ⅳ章)について検討した.

その結果,学習・記憶には,種々の神経系が関与することが明らかとなった.

また,認知症治療薬を用いた検討において,それらの薬物の既知の作用メカニ ズム以外に,ヒスタミン神経系あるいは GABA 神経系の関与が示唆された.す なわち,ヒスタミン神経系および GABA 神経系は,新たな認知症治療薬のター ゲットとなりうる可能性が考えられた.一方,NMDA 受容体拮抗薬誘発記憶障 害に対し,既存の認知症治療薬は改善作用を示さなかった.従って,既存の治 療薬の有効性が著明でない場合,グルタミン酸神経系が深く関与した認知障害 である可能性が考えられた.

以上の成績は,各種薬物により誘発された新しい記憶障害モデルの作製なら

びに既存薬物の効果を検討し,新しい認知症治療薬の開発の可能性を見出した

点で新規であり,博士(薬学)の学位に値すると判断した.

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