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ノダとワケダか ら見た国会議員の語 り方 について

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岡山大学大学院教育学研究科研究集録 148号 (2011)77‑85

ノダとワケダか ら見た国会議員の語 り方 について

伊土 柿平

ノダとワケダ (ともにモ ダリテ ィ形式)の使用率 によって, 国会議員の語 り方 をA‑ D型 の四つ に分類す る。それぞれの特徴 は, まず両者の使用率が高いA型 は.硬軟織 り交ぜ た語 り方である。 ノダの使用率のみが高いB型 は,問題点 な どを主観 的に強調 し,一方的に語 る タイプである。B型 は質問者 に多い。両者の使用率が低 いC型 は,淡 々と語 る タイプである

ワケ ダの使用率のみが高 いD型 は.問題点, あるいは,すで に実施 されている対策 な どの存 在 を,客観性 を強調 して提示 ・説明 しようとす る タイプである。答弁者 はC型が多 く,D型 がそれに次 ぐ。

Keywords:国会会議録

,

「のだ

」 ,

「わけだ

,提示,説明

1. は じめに

筆者 は国会討論 (具体 的には衆/参議 院予算委員 会)の文字化 テキス トを用 いて, ノダとワケダ (と もにモ ダリテ ィ形式)の使用実態 を分析 して きた。

まず拙稿2010において,質問者が ノダを多 く使 い.

答弁者が ワケ ダを多 く使 うことを明 らか に した。言 わば, ノダで攻め, ワケ ダで守 るのであ る, これは 2009年8月の,いわゆる政権交代 の前 の話 なのであ るが,政権交代後 において も,質問者が ノダを多 く 使 う傾 向 は変化 が なか った (拙 稿2011)。つ ま り,

人間が入れ代 わったに も関わ らず,質問者 とい う立 場では同 じようにノダを多 く使 うのであ る。 これは なかなか興味深 い事実であるD しか しワケ ダについ ては,政権交代後の民主党政権 では使用率が下が っ て しまった。 よって, ワケ ダで守 る とは, あ ま り言 えな くなって しまった (民主党政権 は.交代前 の 自 民党政権 に比べ て淡 々と語 る傾 向が強いのであ る)。

さて,本稿 では個 人の語 り万 に注 目す る。 ノダと ワケダの使用率 に よって, 国会議員の語 り方 を四つ に分類す るのである。す なわ ち,両方の使用率が高 いA型, ノダの使用率のみが高いB型,両方の使用 率が低 いC型, ワケ ダの使用率のみが高いD型 であ る。それぞれの語 りの特徴 を記述す るのが本稿 の 目 的であ る

なお,以 下では 「のです

「のであ ります

「んだ」

「んです」 な どを一括 し (ノダと表記)

,

「わけです」

「わけで ござい ます」 な どを一括す る (ワケダと表 記) ことにす る。

2.先行研 究

本論 に入 る前 に先行研究 を概観 してお く。前稿 に も述べ たので ここで は必要最小 限にす るが, まず, ノダ とワケ ダを対照的 に研究 した ものの中で. よ く まとまった もの として,宮崎他2002 (p.239ff)と.

ほぼ同 じメ ンバ ーによる 日本語記述文法研究会 (以 下 「記 文研」)編2003が あ る。後者 の ほ うが標準 的 である と考 え られ るので, ここでは後者 に よる

そ こでは,ノダ・ワケダともに「説明のモ ダリテ ィ」

を表 し,説 明のモ ダリテ ィとはその文 と先行文脈 と の関係づ けを表す ものであ る,とされ る (p.189ff)

それぞれの用法 について, まず ノダは 「関係づ け /非関係づ け

「提示/把握」とい う二つの軸 によっ て分類 される。 国会討論 においては揺示 ・非 関係づ け相法 が多 いが (例 :「じつ は○○ とい う問題 が あ るんです。」), これ は 「す で に定 まってい るが 聞 き 手は認識 していない事態 を提示 し,認識 させ ようと す る」 ものであ る (p.201)O なお,以上 の枠組 は野 田1997 (p.67な ど) を踏 まえている。

岡山大学大学院教育学研究科社会 ・言語教育学系 700‑8530 岡山市北 区津島中3‑1‑1 TheMannerofSpeakingofMembersoftheDietintermsof"Noda"and"Wakeda"

KoheiIDO

DivisionorSocialStudiesandLanguageEducation,GraduateSchoolofEducation,OkayamaUniverslty,31‑1 Tsushima‑naka,Kita‑ku,Okayama700‑8530

(2)

伊土 耕平

一九 ワケダは論理的必然性のある帰結や結果を 提示/把握することを表す。その論理性がやや低 く なると 「換言」に近づ き, さらに低 くなると 「話 し ことばなどで軽 く用い られ,その文の内容がた しか に存在することを聞き手に示す ような用法」 となる

(例 :「私 ぜんぜんわかんなかった12ii。」)。

この,最後の用法が国会討論では多いが, この用 法 については, はや く寺村1984(p.285)が次の よ

うに述べている

p‑ Qとい う推論の過程は示 さず, Qとい うこ とを, 自分がただ主観的にそ う言っているので な く,ある確かな根拠があっての立言 なのだ と いうことを言外に言お うとする言いかた。乱用 すると独断的な,押 しつけ的な印象 を与 える

寺村 は 「確かな根拠があ」るとし,記文研2003は

「その文の内容がた しかに存在す る」, さらに宮崎 他2002(p.237f)は 「客観性の付与」であるとする

国会討論のデー タを見る限 りでは,客観的事実が確 かに存在することを強調する例が多い。つ まり.寺 村 など三者の意見を混ぜたような考え方である。

また,記文研2003によれば,ノダとワケダは多 く は置 き換 え可能であるが,不可能な場合 も少な くな い。それは例えば以下のような場合である

ノダのみ ‑言語化 されていない状況について, その事情 を提示する

ワケダのみ ‑すで に認識 していた事態 につ い て,その事情 を知 り,必然性 を納得する,J

これ らは国会討論 においてはほ とん ど出現 しな い。討論は言葉で明示的になされるものであるし, 討論中に「納得」することはあまりないか らである

逆に言えば,国会討論において, ノダとワケダはほ とんど置 き換 え可能であると考えて よい。 ここに両 者 を対照 させて観察する根拠の一つがある

ノダとワケダを対照 させた研究では松 岡1987,同 1993が有名である。そこでは, ノダ ・ワケダとも二 つの事柄の関係 を認定するものであるが, ノダは話 し手の責任 において主張するときに, ワケダは話 し 手が納得するときに使 う, と説明 している。が,上 述のように国会討論でのワケダを 「納得」 という言 い方で理解するのは難 しい。

以上,文法的な研究は多い。 しか し, ノダとワケ デを個人の語 り方に関係づけようとする,言わば文 体論的な研究は.管見の限 り,ない。本稿では,国 会討論における語 り方をノダとワケダによって特徴 づけようとする

3.データと方法について

本稿 で使用す るデー タは,拙稿2011の もの と同

じである。す なわち

,

「国会会議録検索 システム」

(http://www.kokkai.ndl.go.jp/)か らダウ ンロー ドしたテキス ト・ファイルで,それぞれその 日の議 事内容全部である。 日付 と衆/参議院の区別は以下 の とお り (091106‑2009年11月6日の意)。

(1)資料 とした議事録

鳩山由紀夫内閣:0011(泊参院,001109参院,脚1110 参院,100226衆院,100301衆院,100302衆院 菅直人内閣 :101101衆院,101108衆院,101109

衆院.101118参院,101119参院,101126参院 二人の総理大臣それぞれにつ き6日ずつ,かつ.

衆議院 と参議院では所属議員が異 なるので,両院か ら採取 したのである。いずれ も予算委員会であるが, そこでは実際の政策 をめ ぐって与野党が鋭 く対立す るO なお, 日付に特 に意味はない。

ダウンロー ドしたテキス トを,句点 ごとに改行 し, 表計算 ソフ トに読み込み,一文一行の形式にする

この とき,議長や参考人など,議員 ・大臣以外の人 の発言は除外する

次に 「んです

「んだけれ ども」などの形 を検索 などを発見 しやす く, また,字数の計算 もしやすい のである

なお,「のですか

「ので しょう

「わけであれば」

「わけではあ りません

「わけだった

「んですね ?

などの疑問形 ・推量形 ・仮定形 ・否定形 ・過去形 ・ 念押 しの形は除 く。いわゆる説明のモダリテ ィを直 接的に表わす例 を採取の対象 とするのである。 よっ て 「んです」などの終止形 と

,

「のだか ら

「わけで して」などの,あ とに続 く形の一部 とを採 ることに なる。 また,引用文中にあるものも,発話者 自身の 言葉ではないので採 らない。

その後,発言者別にノダ/ワケダの個数 と字数を 集計する。字数には,句読点やカギカッコなども含 む。なお,菅直人氏 については内閣府特命担当大臣 の ときと総理大臣の ときとを別々に集計 した。また, 福島みずほ氏 は大臣つ まり答弁者であったが,社民 党が内閣を離脱 し,質問者 となった。この場合 も別々 に集計 した。拙稿2011で述べたように,同一人物で あって も,質問と答弁でノダ/ノヮヶダの使用率が変 わることが多いか らである

最後に,政権 には他の党の議員を含むこともある が,以下では便宜的に,例 えば 「民主党政権」など と呼ぶことにする。 また,肩書は,すべてその当時 の ものである。

78 ‑

(3)

4.結果 と考察 4.1概観

ノダとワケダから見た国会識月の語 り方について

のであるこ,の

ベ9 8

名 となった (ヒ述の ように

,

砦氏 と福 島氏 はそれぞれ2名 と数 える)a

まず, /ダ/ ワケダ使用率の

1 2

日間全体 の平均 は

(2)0)よ うであ る。使用 率 とは,100字 あた りの ノダ (2)全体 の平均値

′/ワケ 夕の個数である。 これ らの もととなる数字 に ノダ

0 , 2 3

(標準偏差

0 . 2 4 )

ついては,下表の総計欄 をご覧いただ きたい。なお. ワケ ダ

0 . 1 2(

0 . l l )

このデー タは.あ る程度発言量 (ここで は字数)め

多い人 (仮 に

3 0 0 0

字以上 とした)のみ を集計 した も 次 に,質問者/答弁者別の使用率 は,(31の ようで 表.A‑ D型の典型的議 員

型 発 言 者 (政 党 名 ) ノ ダ 率 ワ ケ ダ 合 計 字 数 A 小 池 晃 (共 産 )

25 0. 59 ll 0. 26 4249

A 坂 口力 (公 明 )

40 0. 49 20 0. 25 8090

A 谷 合 正 明 (公 明 )

20 0ー 48 1 0 0. 24 41 61

A 宮 沢 洋 一 (自民 )

52 0̲ 48 3 8 0. 35 1 0844

B 脇 雅 史 (自民 )

1 42 1 . 1 6 5 0. 04 1 21 98

B 片 山虎 之助 (たちあがれ)

43 1 . 09 2 0. 05 3930

B 木 庭 健 太 郎 (公 明 )

63 0. 72 4 0. 05 8809

B 荒 井 広 幸 (自民 )

69 0. 68 2 0. 02 1 0086

B 棚 橋 泰 文 (自民 )

46 0. 61 1 0. 01 7594

B 赤 津 亮 正 (自民 )

54 0. 59 1 0. 01 907 9

B 小 野 次 郎 (み ん な)

45 0. 59 3 0. 04 7 649

B 市 田忠 義 (共 産 )

22 0. 55

0 0.00

3983

B 加 藤 紘 一 (自民 )

60 0. 55 2 0. 02 1 0937

B 林 芳 正 (自民 )

55 0. 50 4 0. 04 1 0995

C 友 近 聡 朗 (民 主 )

5 0. 05 2 0. 02 11 022

C 大 畠 章 宏 大 臣

2 0. 04 2 0. 04 4924

C 高 木 義 明 大 臣

1 0. 03 0 0

.00

3333

C 原 口一 博 大 臣

1 0. 03 1 0̲ 03 3475

C 柳 田稔 大 臣

2 0. 02 3 0. 03 1 0549

C 松 本龍 大 臣

0 0

.00

1 0. 02 5229

C 桜 内文 城 (み ん な) 0

0. 00 0 0. 00 31 53

D 田 中康 夫 (新 党 日本 )

3 0. 02 35 0ー 29 1 2237

D 鹿 野 道 彦 大 臣

1 0. 01 24 0. 32 7 61 7

D 松 原 仁 (民 主 )

0 0

.

00 1 2 0. 31 3828

上記 以 外 .計

1 84 8 0. 1 9 11 84 0. 1 2 9587 06

ワケダ

i

0.0.

0 0

0.

0 . . .

40D50

3 2 0

10

0 0 00 . 0

● ̲ ー

〆 二 、 ヽ

▼ ◆ ◆

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出 一 一 一 一

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l一 一. '

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ノダ

図.ノダとワケダの使用率 の分布

(4)

伊 土 耕平

ある。集計方法が多少異なるのだが,拙稿2011のデー タとほぼ同 じとなった。質問者の ノダ使用率が高い こと,答弁者の中で見ればノダよ りもワケダの使用 率のほ うが高い こと, に注意 されたい。

(3)質問者/答弁者別の平均値

質問者 : ノダ 0.35, ワケダ0.13 答弁者 : ノダ 0.07. ワケダ0.ll

今回対象 となった人すべてについて, ノダ使用率 を横軸, ワケダ使用率 を縦軸 に配 してプロッ トする と図の ようになる。図中に(2)の平均値 を点線で記入 してあるが,大 まかに言えば,その線の右上がA型 (ノダ ・ワケ ダともに高率),右下がB型 (ノダの み高率),左下がC型 (ノダ ・ワケダともに低率), 左上がD型 (ワケダのみ高率) となるわけである

その うち,平均値か らなるべ く離れている人 を選 んで典型 とみなすが,高い方 については平均値か ら 標準偏差分以上離れていることを基準 とした。低 い 万 は.標準偏差分 を平均値か ら引 くとマ イナスか, それに近 くなって しまうので,仮 に, ノダ ・ワケダ

ともに0.05以下 とした。

リス トア ップの結果は表の ようになる。表はA‑

Dの型別に,同 じ型の中ではノダ使用率の高い順 に, 並べてある。図では.A‑Dに属す る人をマルで囲 んだ。

以下,型 ごとに例 を挙げて,語 り方について観察 しよう (例文中のカギ カッコ内は筆者 による補足説 明 と出典である)。その人の イメー ジが浮かびやす い ように,例にはなるべ く有名な人 を選ぶ。

4.2具体例 による考察

A型 (ノダ ・ワケダともに高率)

先行研究 に従 えば, ノダ ・ワケダともに提示機能 を持つ。 さらに, ワケダはその文が表す コ トが客観 的に確かに存在す ることを合意する。その ワケダに 比べれば, ノダは主観的 といって よいだろ う。それ ら両方 を多 く含 む語 りは.主客混交の語 りとなるこ とが予想 される。

具体例 を観察 してみ よう。表のAの中では坂 口カ 議員 (公明党)が.厚生労働大臣 も務めたこともあ り,有名であろう。下 に発言の例 を挙げるが, この ときは野党側で質問者である。氏の, ノダの平均使 用率は0.49で質問者 (‑ノダが高率)の平均(3)よ り

も高 く, ワケダも0.25と高い。下 に引いた部分 は, 562字 に ノダが3個 (100字あた り0,53。以下 同 じ), ワケダが2個 (0.36)で.氏の特徴が出ている と思 われる。

(4)きょう,亀井大臣にわざわ ざお越 しをいただ きま したのは,去年の七月ごろ,国民新党の方が民主党 か らいろいろ と年金の制 度のことについてお聞 きに なっている。それはオープ ンでおや りになった もの ですか ら,そのペーパーが出てお りまして,私は, もう昨年 にな ります けれ ども,それを拝見 させてい ただいて, なるほ ど,国民新党はいい ところをつい て質問 を しているな と実 は思 ったaわけです。その 一つは, 自営業の皆 さん方や農業の皆 さん方は全額 払わなければな らない ことにな りますね, しか も, 保険料は収入の一五 % とい うことになっている, こ れは払 えます かね とい うお話が質問 と して出てい る。亀井大臣はその ときにはおみえにな らなかった。

もう一人の,幹事長の亀井 さん と自兄 さん,その他 四,五人の方が出ておみえになった。

こうい うことでございますが, この一元化 とい う のは,一見 していい ように思 うb友壬生 けれ ども, 今 まで違 う路線 を進めて きた ものを一つに しな きゃ な らない。わけですか ら, 同 じ所得があった ら同 じ 財源 を払い ます, こうい うことが書いてはあるd左 壬生けれ ども,同 じ所得で も,一方の 自営業や農業 の皆 さん方は倍払わなきゃいかぬですね。 もらう年 金の額 は一緒 なe左̲竺宜。保 険料 は倍払 わにゃいか ぬ とい うことになる。それに対 していろいろ御意見 が出てお りま したが,ち ょっと御意見を伺いたい。

[100226衆院]

用法 を確認 してい くと,まずaの ワケダは了実 は」

とあるので提示用法であることは確かである。 さら に 「自分が思 った」 とい う過去の出来事 を確かに存 在する と強調す る意味 もあるとは思 うが,それは言 い換 えれば, 自分の行為 を客体化す ることである その ような表現 は国会 など,公の場で しば しば使 わ れる。例 えば

,

「調査 してお ります」 と言 えば済む ところを 「調査 しておると三̲互であ ります」 な どと 言う.。 自分 (逮)の行為 を客体化 して表現 し,間接 化 L ノダに比べ,穏やかな印象がある

b,d,eの ノダは問題点 を提示 している。す なわ ち,bは 「一見すれば よい」,dは 「書いてはある

」 ,

eは 「保険料 を倍払 って も年金の額 は一緒」 とい う 問題点 を, ワケ ダよ りも主観的に提示 している。 C

のワケダも「違 うものを一つ にしな くてはならない」

ことを提示 しているが, "誰が見て もそ うしな くて はな らない●'とい う意味合いで客観性が付与 されて いる点, ノダに比 して穏やかに説明 しているように 思われる。 なお本稿 においては

,

「説明」 とい う語 を ̀■事情 などを穏やかに相手に理解 させ る" とい う 意味で使用す る。先 に見た記文研の "関係づげ 'と

‑80‑

(5)

ノダとワケダか ら見た国会議員の語 り方について い う意味では使用 しない。

以上 をまとめれば,坂 口氏の語 り方 は,主観的な 提示 と穏やか な説明 とが混 ざった,硬軟織 り交ぜ た 語 り, となる

もう一 人,宮沢洋一議員 (自民党)の発言 を挙 げ よう。氏 は宮沢喜一元首相 の甥 にあたる。使相率の 平均 は ノ ダが0.48, ワケ ダが0.35で (表 よ り), と もに質問者の平均(3は り高 い。下 に引用 した部分 は, 724字 中にノダが3個 (0.41),ワケ ダが2個 (0.28) で,氏 の平均 とだいたい同 じであ る

(5)[尖 閣諸 島問題。]私 は,総理 は この私 の質 問に 立ってか らず っ と起 きてい られた とばか り思 ってい たa左 壬 生 けれ ども, どう も全部 聞かれ てい なか っ た ような。といい ますのは,今 この処分請訓規程 は, 最初 は私 は柳 田大 臣に中身の説明 を求めて,柳 田大 臣が答弁 されたbわけです。私が勝手 に 申 し上 げて い るわ けで は ないC左ヱ土 。 そ して,私 がず っ と申 し上げて きたのは, 内乱罪,外患罪 もあるけ ど.外 国の使節 に対す る罪 とい うの もあ りますね と. そ う い うもの との比較 において どうですか とい うこ とを 申 し上 げて, そ して総理 に答弁 を求 め たdわけです が,それはなかなかす ぐに総理 として もうん と言 え る話 ではないで しょう。 しか し, 今回の話が,大 臣 いろいろ右往左往 されてい ます けれ ども, まさにそ うい う処分 請訓規程 とい う, 当初 は これ は もう戦 後,昭和二十三年ですか ら, もう一回見直 して もい いんだろ うと思い ます。その ときにで きた,指揮権 発動 をまさに どうして もや らなければいけないケー スを定めた訓令です よねO こうい うものがあって指 揮権発動 しなければいけない場合があって,そ うい う場合 に比べ て,どう考 えて も我 々国民か らすれば, 決 して.それ に比べ て この方が軽 い じゃないか, 日 本の国に とって重要でないん じゃないか とい うよ り は, はるかに 日本の外交 に,安全保 障 に, まさに前 原大 臣が一番気 にな されている 日本の安全保 障,そ して 日本の主権 に一番 に響 くような話 だったに もか かわ らず残念 な結果 になっているか ら,そ うな らな い ように,次 に来た ときには しっか りと政治が判断 で きる ように しておいた らいい じゃないですか とい うことを申 し上 げたe友 壬生が,残念 なが ら,慎重 に, 中身が よ く分か らないか らとい うことで,今 日は も うこれ以上 この件 については追及 いた しませ んが。

[101118参院]

a〜 eいず れ も問題点 (確認 したい こ とな ど) を 提 示 して い る。 そ の 中でbとdの ワケ ダは, 客観 的事実 であ るこ とを穏 やか に述べ てい る。 Cと eの

ノダは,主観 的 に強 く主張 している。aは 「総理 は 起 きていた と思 っていた」 ことをことさら提示 し, 結果 的に 「総理 は寝 ていた (‑聞いていなか った

) 」

と皮 肉っている

宮沢氏 の場合 も.硬軟織 り交ぜ た語 り方 と言 える だろ う。 と くに次のB型が押 しの強い一方的 な語 り 方であるの に比べ て, このA型 はその ような感 じは

しない。

ただ し,坂 口氏 が 「‑んです けれ ども,‑わけで すか ら‑」 な どと後へ続 く表現が多いの に対 して, 宮沢氏 は 「・‑わけです。 ‑んです。」 な どと言い切 るこ とが 目立ち,強弱 の メリハ リを感 じる。 同 じ硬 軟織 り交ぜ型 であ って も,宮沢氏のほ うが厳 しい語

り方である

B型 (ノダのみ高率)

ノダは, ワケ ダに比べ れば主観 的であるO ノダを 多用す る語 り方では,押 しの強 さが予想 され る

例 として, まず 岡山県 を地盤 とす る片山虎之助議 良 (たちあがれ 日本)の発言 を取 り上げる。使用率 の平均 は ノ ダが1.09と, か な り高 い。 ワケ ダは0.05 で, か な り低 い (表 よ り)。下 に引用 した部分 は, 純3字 中に,ノダが6個 (0.90),ワケ ダが1個 (0.15) で,氏の傾 向を示 してい る。

(6)早速質問 を始 め ます。北朝鮮 の砲撃事件 な ど大変 心配 なことが起 こってお ります けれ ども.や っぱ り 私 は尖 閣列 島が まだ気 になる。左互 生。前 回 に続 い てその点 を是非お伺 い したい と, こうい うふ うに思 い ます。

この事件 で は, 中国 も大変厳 しい国際世論 に さら され ま したO 日本 と同 じです. しか し,私 は,中国 はそれな りに納得 しているん じゃなかろ うか と, こ うい うふ うに思 ってお ります。 とい うのは,我が国 は領土 問題 が ないb左̲竺主 よO 中国 は領土 問題 に し たか った。友 笠主 よ。領土 問題 にで きたd左壬生 よね。

どうも, この事件 が偶発 的なのか意図的なのか. よ く分か りませ ん。分か りませ んが,少 な くともあの ビデ オを見る と, あの漁船 のゆ と りやあるいは挑戦 的な態度か ら見る と.私 は意図的な感 じが して しょ うが ない。元 々, 中国は海洋進 乱 海洋権益 の拡大 とい うのは悲願ですか ら。そ うい う意味では,あれ を我 が領土 と言 い出 してか ら,私 は,かな り戦略的 にいろいろな ことをや ったのか な と, こうい う今気 が している。わけであ ります。

そ こで,恐 ら く, どうい う形か分か りませ んが.

同 じような事件が これか ら起 こって くる, あ きらめ ない限 り。 どうい うふ うに対応す るか, これは危機

(6)

伊土 耕平

管理 の問題で もあ りますが, この前 も少 し述べ ま し たが,私 はや っぱ り実効支配 を強化す る しか仕方が ない んで は なか ろ うか, しか もそれ をなだ らか に や ってい くと, こうい うことが必要 じゃなかろ うか と思 ってい るf友 互生。実効支配 してい るんだか ら しようが ないか なと,仕方が ないか な と中国に思 わ せ る, こうい うことが これか らの努力 じゃなか ろ う か と思 うg友 互生ね。[101126参 院]

押 しの強い,一一万的 な語 り方であ る。 自分の考 え や注 目すべ き事柄 を強 く提示 してい る。典型的なB 型 と言 え よう。先 にワケダに「説明」とい う語 を使 っ たが,(6)に見 られるノダについては 「主張」 とい う 語 を使いたい。"一方的に考 えな どを言 う''意である。

中でeだけワケダであるが, これは先の(4)のaと 同 じく,客体化 し,間接化 して,少 し トー ンダウ ン

している と考 える

もう一人,加藤紘一議員 (自民党)を取 り上 げるo 使用率の平均 は ノダが0.55と,片山氏 よ りは低 いが, それで も平均 よ りはか な り高い。 ワケ ダは0.02で, か な り低 い (表 よ り)。下 に引用 した部分 は,559字 中にノダが5個 (0.89),ワケ ダが 0個 (0.00)で, 氏の平均 よ り高 いが,氏の語 りの特徴 を示 している

とは言 える。

(7)[長崎県知事 選挙 につ いて。] そ うです。私 は政 治 と金 だ と思い ます。それで,選挙の神様,小沢一 郎 さんが行 って も,政治 と金の このあ らしはお さま らなか った。 そ して, 当人が行 ったa左是 か らさ ら に吹 き荒れた。 これは もう明確 なこ とです。 これは 新 聞に も書 いてあるか らもう言 わない。

もう一つある。それは.私の見た ところ, じげ も んパ ワー とい うb左壬生 。 じげ もん とい うの は, よ く長崎 に行 った ら新聞に書 いてあ るか ら, どうい う ことですか と言 った ら,地元の人間の こと。それは いいニュア ンスの言葉か と聞いた ら,いいニュア ン スです。東京か らいろいろな者が来 た。橋 をつ くる だの,組合長だか ら集め られて,水産庁長官が来 る とか,物す ごい権力 を使 った。 よ し,見せ てや る

じげ もんの気持 ちを見せてや る。 じげ もん じゃなか らんばわか らんたい とか言 ってい る。んです。 じげ もんで なければわか らないんだ, この我 々の気持 ち はOそ う言 って,泣 くように勝負 してい ま した よ

久万ぶ りにいい選挙 を見た。それは.いろいろな 偉 い人が行 って.島原道路 をつ くるだの,いろいろ なことを言 う。水産庁 関係では,何 か冷凍施設 をつ くるの,マ グロの養殖 をやるだの,それ も全部振 り 払 って彼 らは頑張 ったd友 三五oそ して,地元 の人

間の誇 りをあ らわ したe友 互生ね。そ うい うときに は,東京か ら総理が言 う地域主権 なん とい う言葉が そ らぞ らしく聞 こえる。[100302衆 院]

a

は,前 の文で述べ た事柄 を問題点 として提示 し ている。b以 降は,相手の知 らないであろ う事実 (広 い意味では問題点) を,次 々に提 示 してゆ く。 片山 氏 ほ ど強烈で はないが,語 り方 と しては同 じ 押 し の強い,一方的 な主張 と言 って よい。

以 上B型の2名の語 りを見た。 この ような タイプ は,(3)のデー タか らも予想 されるが,質問者 に多い のである (‑ 5節)。

C型 (ノダ ・ワケ ダともに低率)

この型 は, 主観的 に主張す るこ とも客観性 を強調 して説 明す ることもない。一言で言 えば,淡 々 とし た語 り方であ ることが予想 される

例 として まず,原 口一博 ・地域主権推進担 当大 臣 の発言 を取 り上げる。使用率の平均 は ノダが0.03, ワケ ダが0.03と. いずれ も低 い。下 に引用 した部分 は,421字 中, ノダ ・ワケ ダいずれ も0個である

(8)[過疎法立法 の方 向性 を聞かれてO]平野先生 に お答 えいた します。 平野先生の,誇 りの持 てる農林 水産業の推進 に取 り組 まれた御尽力 にまず敬意 を表

したい と思い ます。

まさに,総合的 な農 山村振興の政策の実施 は過疎 対策の中心 です。先 ほ ど荒井委員にお答 えを しま し たが.私 たちは,マニ フェス トと一体の インデ ック ス にお いて, 約六 か所 に この過疎 対 策 とい うの を

。入れてい ます。その中で もやは り一番必要 なのは, よ く財務大 臣がおっ しゃいますが,三位一体改革で, 財政力が弱 け りゃ弱 い ところほ ど余計 ひ どい財政の 切 り込み をされて しまっている とい うことで ござい ます。 そ して. この過疎債 についてはソフ ト化 に使 いたい。

特 に過疎地域 で一番 問題 となってい ますのは医療 ですねLlお医者 さんがい らっ しゃらない。医療 に使 いたいb左是 け ど,今の,現行ではなかなか使 えない。

ですか ら, これを基金に して,そ してそれを後で七 割の交付税 で元利 を償還す る とか.そ うい う柔軟 な 更に拡大の方 向で この過疎債 を考えていけた らと, この ように考えてお ります。[091106参院]

bに 「左是 け ど」 とい う形があるが, これは不特 定者の発言の ようで,引用 と判断 し,原 口氏 の言葉

としては採 らなか った。

「思い ます」とか

〜たい」な どの形があるので,

‑82‑

(7)

ノダとワケダから見た国会議員の語 り方について 自分の意見や願望 も述べてはいるのだが, ノダや ワ

ケダによる強調 を行 なわないO例 えば, もし過疎対 策をしっか りやっていることを強調 したいのであれ ば,aを 「・・.過疎対策 とい うの を入れているを 吐壬 生」な どと, ワケダを使 って言 うこともで きるであ ろう。 しか し,それをしない

。A

型や

B

型 と比べれ ば.淡 々とした語 りと言 えるO前稿2011で述べた よ うに,政権交代後の民主党政権では, この ようなワ ケダの少 ない語 り方が増 えたのである

もう一人,松本龍 ・環境大臣を取 り上 げる。周知 の ように,氏 は後の2011年6月末に復興 ・防災担当 大臣に就任 したのであるが,宮城県知事 に対す る暴 言などが批判 され,9日目に大臣を辞任 した。2010 年 の環境 大 臣当時の発言 につ いて見れ ば, ノダが 0.00,ワケ ダが0.02と, ともに低 い (表 よ り)。 下 に引用す る部分 は,603字 中, ノダ ・ワケダともに 0個である

(9)お答 えいた します。アスベ ス トにつ きましては, 今月の初めにたまたまテ レビを見てお りました ら, 三十年前 に亡 くなったあのステ ィーブ ・マ ックイー ンが中皮腫で亡 くなった と聞 きました。 今,二十年 一五十年 と言われ ましたけれ ども,五十歳であ りま した。それだけ予後が悪い とい うことで,大変な重 要な御指摘 だ というふ うに思 ってお ります。

再生砕石 につ きましては最上流で見ていかなけれ ばな らない とい うことで,一部の解体 リサ イクル現 場 においては管理が不徹底 であることか ら, コンク リー ト等の資材 にアスベス トが付着,混入 して,そ うした資材 を材料 に して,原料 に して再生砕石が製 造 されています。 これ らが駐車場等で利用 されてい る例があることが今問題 になっていると思い ます。

混入防止のためには,解体現場 において建設 リサイ クル法 に基づ く特定建設資材 にアスベ ス ト等の有害 物質を含む建材が付着,混入す ることがない よう, 今おっ しゃいましたけれ ども.分別解体 を徹底す る こと。 また.破砕施設においてアスベス ト含有産業 廃棄物が再生砕石等の リサ イクル製品に混入す るこ とがないよう,廃棄物の処理 を行 う際には廃棄物処 理法 に基づ く処理基準 を遵守す ることが必要である と思い ます。なお,現在,更 なる利用実態 といい ま すか実態把握のために,再生砕石 を製造す る破砕業 者について各都道府県 を通 じ実情 を把握 していると ころであ り,調査結果 を踏 まえて適切 に対処 してま い りたい と思い ます。[101119参院]

この発言 も, ノダ ・ワケダによる強調がない とい う点では,淡 々とした語 り方である。下線部 な ど,

問題点の存在 を強調 したいのであれば,「‑問題 に なっているわけです」 な どと言 うことがで きる

また,文末が 「思います」の連発で,単調である

この点 も淡 々 とした語 りに一役かっている

。B

型で あれば (例 えば(6)のf,gな ど)

,

「思 う友 互生」が 混 じる ところである。

以上,C型が淡 々とした語 り方であることを見た。

D型 (ワケ ダのみ高率)

この型 は,客観性 を強調 して説明す る語 り方 とな ることが予想 される

例 として まず,鹿野遺彦 ・農林水産大臣の答弁 を 見 よう。氏 は.使用率の平均 は ノダが0.01, ワケダ が0.32で (表 よ り), ワケ ダ使用率が全体 の平均 よ りも高い。下 に引用 した部分 は,390字中にノダが 0個 で, ワケ ダが3個 (0.77)であ り,氏 の平均 か ら見れば, ワケ ダの使用が強調 された例 とはなる が,D型の特徴 を見 るには適当であろ う。

uo)[余った米 を買い取 る施策が必要ではないか と質 問 され。] この所得補償制度 を導入す るこ とによっ て過剰作付 は約八千ヘ クタールほ ど減少 してい る

aわけであ りま して, これは まさしく, この制度そ の ものに参加 を していただ くとい うふ うな意味がそ こにも示 されているのではないか と思 ってお ります。

[質問者か ら,答弁の方向が違 うと言 われ。]以前 か ら御党か らも.米 を需給調整のために買い上げた らどうか とい うような,そ うい う考え方が示 されて きたbわけであ ります けれ ども,基本 的に今 日の食 糧法 にお きましては,お米の価格上昇のために買い 入れ る とい うふ うな制度 にはなってお らない。廻 土 であ りま して,あ くまで もお米が不足 した場合 に備 蓄用 として買い入れる, こうい うふ うなことになっ ているとい うことは委員御承知の とお りであ ります。

そ して,私 どもとしては, この戸別所得補償制度 とい うものは,下落 した場合には,下落への対応 と い うふ うな もの も,その中に下落分 として設定 され ているとい うふ うなことで御理解 をいただ きたい と 思います。[101109衆院]

a

は,よい結果が客観的に存在す ることを強調 し, 反論 している。bは,相手 (‑自民党)の指摘 した ことについて,その ようなことが客観的にあった と, 再確認 してい る (「再確 認」 も,相手 に認識 させ よ うとす る点 で は提 示 の一種 であ る)。 Cも,現行制 度の在 り方を再確認 している。全体 的に,説明 しよ うという態度 は見 られる。 ノダを使わない分,押 し つけが ましさはない。丁寧 に説明 しようとしている

(8)

伊土 耕平

ように感 じられるO

さて, ワケダに も提示機能はあるので,質問者 も 使 うことがで きる(拙稿2010)。 ここでは例 として,

田中康夫議員 (新党 日本)の発言 を見てみ よう。氏 の平均 は, ノダが0.02,ワケ ダが0.29で (表 よ り), ワケダ使用率が平均 よ りも高い。下 に引用 した部分 は,726字中にノダが 0個で, ワケダが4個 (0.55) であ り.先の(10)と同 じく, ワケダの使用が強調 され た例ではある。

(ll)ところで, 自治体の側 は扶助費が高い高い と言っ てお りますが, なぜ具体的に悲鳴 を上げないのか と いい ます と,国が四分の三 を負担す ると言ってお り ます。 しか し,残 りの四分の‑ ち, これは交付税で 全額 国が負担 を しているaわけで ござい ます。そ し て, ケース ワー カーの,福祉 事務所 の方 々の人件 費 とい う もの も, これ は国が全額 を負担 してい る

bわけで ござい ます。 したが って, あ る種 のモ ラル ハザー ドが起 きて きてはいないか とい うことです。

他方で,地域 の民生児童委員の方々は生活保護の 万 々と向 き合ってお りますが, これ らの方 々は まさ に無給 な。わけで ござい まして, こ うい う形で私が 連載 をしている雑誌や新 聞に寄稿 しました ところ.

現場のはぎまで苦 しむケースワーカーや民生委員の 方々か ら多 くの賛同のお便 りをいただ きました。私 は,やは り真 っ当に働き,学 び,暮 らしている者が きちん と報われる社会 にしな くてはいけない と思 っ てお ります。そ して,生活保護の方 々は,残念 なが ら,収入がふえて翌年度に生活保護か ら脱却する方 は.生活保護世帯全体 の二 三%にす ぎないd

廻 土

でござい ますC

ち ょっ とこの点 をまず御認識いただいた上で,他 方で, 日本の人口とい うのは,皆 さん御存 じの よう に,二〇五五年 には九千万人 と,今か ら三千万人減 少すると厚生労働省が述べてお ります.そ ういた し

ます と, 一年間に約八十八万人ずつ人口が減少 しま すので,二十三区で一番大 きな世 田谷区の八十六万 人の人口よりも多 くの人口が これか ら急激 に減少 し てい く。すると,逆 ピラ ミッ ド構造で ございますか ら.百年安心年金な どとい うものは,旧与党の方 々 がおっ しゃったのが間違いであった と同様 に, これ か ら年金の システムとい うものを抜本的に変 えな く

ちゃいけない と思 ってお ります。[101109衆 院]

「で ござい ます」 とともに使 われているので,丁 寧 な,上品な (女性的な ?)語 り口 となっている

それは ともか く,a〜dいずれ も問題点 を提示 して いる。 ノダで強烈に提示するよ りも.穏やかで押 し

つけが ましくない。相手に理解 して もらお うとする

"説明"である

以上,D型 は,穏やかに丁寧に説明 しようとす る 語 り万である。

5.あわりに

以上,国会議員の語 りを四分類 し,それぞれの特 徴 を考 えた。簡単 にまとめれば,A型は硬軟織 り交 ぜた語 り方, B型 は一方的に主張す る語 り方

,

C型

は淡 々 とした語 り方,D型 は穏やかに丁寧に説明 し ようとす る語 り方である。

ノダとワケダの用法 についてまとめれば, ともに 事柄 を提示す る用法があるが, ノダは主観的に一方 的に主張す るのに対 し, ワケダは客体化 して穏やか に説明す る。

最後 に,型別に質問者//答弁者の数 を出 して見 よ うoすべての議員を単純 に平均値 よりも上か下かで

A‑D型のいずれかに所属 させ る と,(12)のようにな る

(12)型 ごとの質問者//答弁者数 型 質問者 答弁者 計 A 19 1 20 B 27 1 28 C 10 20 D 13

69

3098

B型 は,質問者が多いことが確認で きる。逆 に質 問者か ら見て もB型が一番多い (390/.)o また,A 型 も質問者が多いが. ノダを多 く使 う点は

B

型 と同 じである。つ ま り,先述 したように,国会討論 にお いては ノダを使 って質問す るとい う傾向があるので ある。 しか しワケダについては,あま り明確 なこと は言えないO答弁者はワケダの少ないC型が多い し, ワケダの多いD型 には質問者 も多 く含む。ただ,答 弁者の中だけでみれば,D型が二番 目に多 く,答弁 者はワケダを使 うとい う傾向が少 し見 られるのであ る。

以上 ノダとワケダの使用率によって,国会議員 の語 り方 を特徴づけてみた。一つの観点だけで十分 な文体分析 (語 り方の分析) を行 うことは無理であ る。 しか し主張や説明など,討論 における重要 な要 素 を観点 としたことで.少 しは興味深い分析 となっ た と思 う

‑84‑

(9)

ノダとワケダか ら見た国会議員の語 り方について

引用文献

寺村秀 夫

1 9 8 4

『日本語 の シ ンタクス と意味 Ⅱ』 くろ しお 出版

日本語記述文法研 究会編2003(野 田春美他 執筆)『現 代 日本語 文 法4第8部 モ ダ リテ ィ』 くろ しお 出 版

野 田春美

1 9 9 7 『

「の (だ

)

」 の機能』 くろ しお 出版 松 岡 弘

1 9 8 7 「

のだ』 の文

,

わ けだ」1の文 に関す

る一考察

言語文化124,一橋 大学

1 9 9 3

「再説‑ 『のだ』の文 ・『わけだ』の文

語 文化』30, 同上

松 田謙二郎編2008『国会会議録 を使 った 日本語研究』

ひつ じ書房

宮 崎 和 人 ・野 田春 美 他2002『新 日本 語 文 法 選 書4 モ ダ リテ /‖l,くろ しお 出版

伊 土柿 平2010「ノ ダ とワケ ダ ー 国会討 論 にお け る 分布

‑ 」

『岡山大学 国語研究』24

同 201

1

「国会 討論 にお け る ノダ とワケ ダ」『岡 山 大学大学 院教 育学研 究科研 究集録

』1 4 7

参照

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