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鉄 道車両用逸脱防止壁の性能評価に関する研究

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Academic year: 2022

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(1)応 用 力 学 論 文 集Vol.11,pp.459‑466(2008年8月)土. 木 学会. 鉄 道車両用逸脱防止壁の性能評価に関する研究 A study on the crashworthiness estimation of the derailment barrier 深澤. 仁*・ 園 田佳 巨**. Jin Fukazawa and Yoshimi Sonoda. *九州大学大学院博士課程学生 鼎 工博. ,工 学府建設 システ ム工学専攻(〒819‑0395福. ,九 州 大学大 学院教 授,工 学研究院建設デザイ ン部 門(〒819‑0395福. 岡県福岡市西区元岡744番 地) 岡県福 岡市西 区元 岡744番 地). Recently, the risk of derailment accident caused by over-speed, earthquake and other reasons is concerned.. For a bullet train, if derailment occurs, it brings about the unimaginable. catastrophic accident Thus, to prevent derailment accident of the bullet train is regarded as an important issue for the railway technology. stopper. made. crashworthiness. of reinforced. concrete. As one of the effective measure, derailment. is proposed.. As. it is difficult to evaluate. accident. Therefore, this study aims at evaluating the crashworthiness non-linear. the. of the stopper, there are no design concepts for them against derailment. FE analysis under the assumption of dynamic. calculations, the crashworthiness. by 3-dimensional. contact condition. From these. of the stopper could be predicted, and failure possibility is. estimated by analytical results. Key Words: crashworthiness. estimation, derailment stopper, non-linear FE analysis. キークード:性能評 価,逸. 脱. 1.緒 言. 防止壁,非線形有限要素法. この種の装置 を用いて鉄道車両の逸脱 を防止 し,円滑に車 両 の進行方 向を修正 ・誘 導す る 目的 を達成す るた めには,. 2004年10月 に発 生 した新潟県中越 地震において,昭 和 39年 に東海道 新幹 線 が開業 して以 来,初 めて営業 中の新. 鉄 道車両の衝突時の挙動 を熟知す るとともに,逸 脱防止壁 に発生す る衝撃 荷重を正確 に把 握す るこ とが重要 である.. 幹線 が脱線す る とい う事故 が発生 した.事 故発生直後か ら. これ まで,鉄 筋 コンク リー ト構造物 の衝撃挙動 に関す る研. 国土交通 省にお いて は,新幹線脱線 対策協議 会が設置 され,. 究成果 は数多 く報告 され てい るが 胸,そ の大半が重錘落. 当面 の安 全対策 が検討 され てい る.ま た,高 速鉄道で はな いが,2005年4月 に はJR福 知 山線 にお いて脱線事故 が発. 下実験や 数値解析 鋤 を主体 と した研 究な どで あ り,鉄 道 車 輪の よ うに回転 しなが ら衝突す る物体 に よる構 造物の. 生 し,多 くの人命 が失 われ た.こ れ らの事例 は,鉄 道脱線. 衝撃挙動 に関す る研究は殆 ど見受 けられない の.本装置 と. 事 故に対す る十分 な安 全対策 の必要性 を認 識 させ るもの. 同様 の 目的で設置 され る自動車車両の逸脱防護柵は,設 置. で,鉄 道車両の脱 線に対す る安全 対策 には さらなる確実 性 が求め られ ている.. 基 準 ・同解説6)に規 定 され ている性能照査法 をも とに対策 工が施 され,実 車衝突実験や 数値 シ ミュ レー シ ョンによっ. 高速走行 中の鉄道 車両 が地震 等の影響 に よって脱 線 し. て,個 々の防護 柵について安 全 性能が評価 され てい る.し. た場合,減 速 し完全 に停止す るまでの間に,車 両はかな り. か しなが ら,鉄 道車両の逸脱防止装 置につ いては,明 確な. の長 い距離 を走行 し続 けるこ とが予想 され る.鉄道車 両が. 設 置基準がない こ とに加 え,実車 両の衝突実験 は実験 規模. 脱 線 し,速 度 を保 った状態で軌道 を逸脱すれば,対 向車 両. が非常 に大 きい こ とか らコス トや多大な労力 を要 し,実施. や トンネル,そ の他の構 造物 に激突す るな どの最悪 の事態 を誘発す る恐 れ も考 え られ る.そ こで,た とえ脱線 しても. す るこ とは極 めて困難で ある.以 上の ことか ら,鉄 道車両 衝突 シ ミュ レー シ ョンを実施 し,逸脱防止装 置の耐衝撃 性. その後 の鉄 道車両の逸脱 を防止 し,進行方 向を円滑 に誘導. 能 を概ね予測す るこ とが重要であ ると考え られ る.. す るよ うな安 全対策 が必 要である と思 われ る.これ らのこ とを背 景に,本研 究では不測 の事態 に よって生 じる可能 性. 本 研 究 は,脱 線 した 鉄道 車 両 の 車輪 部 分 が,鉄 筋 コ ン ク リー ト製 逸 脱 防 止 壁 に 衝 突 す る際 の衝 撃 挙. がある鉄 道車両の脱線事故 に対 し,その被害 を最小 に抑 え. 動 を 定量 的 に評 価 す るた めに,3次 元 弾 塑 性有 限 要. るための手段 の一つ として,レ ール外側 に鉄筋 コンク リー. 素 解 析7),8)に よ る数 値 シ ミュ レー シ ョン を試 み る. ト製 の逸脱防止壁 を設 ける工法 を対象 とした検討 を行 う.. もの で あ る.. ―459―.

(2) 2.逸 脱防止 システムの概要 鉄道車両の逸脱防止 システム として,図‑1に 示す よ うに, 大 きく分 けて3つの段階 を有す る仕組み が考 え られ る.ま ず,(1)に示す よ うな,初 期の脱線を防 ぐ目的の車体取 り付 けタイプの車両逸脱防止 ガイ ド機 構,(2)に示す よ うな,脱 線 後の車 両の初期 の逸脱 を防止す る レール固定台 取 り付 け タイプの逸 脱防止装置,(3)に示す よ うな,車 体の路線 外 への逸脱や転 倒を防止す る防護 壁で ある.そ れ ぞれ,対 象 としている衝突 部位 が異 なってお り,(1)の 車 両逸脱防止ガ イ ド機 構は レール との衝突,(2)の逸脱防止装置は車輪 との 衝突,(3)の防護 壁は車体本体 との衝突が想 定 され る. 本研究で は,(2)の逸脱防止装置(鉄 筋 コンク リー ト製 構. 図‑ 1逸 脱防止 システム. 造物 を仮定)を 解 析対象 とす るが,(2)の逸脱防止装置 は, 逸脱防止 システ ム全体 の中で第2段階 の防 護構造 物であ る こ とか ら,軌道外へ逸脱 しよ うとす る鉄道車両の逸 脱防止. 3.解 析モデルの概要. 性能,も しくは,車 両の進行方 向の 円滑な誘 導 性能につい. 3.1解 析条件. て評価 した.こ れ らを着 目点 として,逸 脱防止壁 の耐 衝撃. 震動 や速度超過 による遠心力,突 風 による浮 き上 が り. 性 能 につ い て数値 シ ミュ レー シ ョン結 果 を用 いて評価 し. な どが,列 車車両の脱線 を誘 発す る要 因 として考え られ,. た.. それ ぞれ の要因 によって,解 析条件 が異 なる と考 え られ る.. 図‑2解 析 モデル全体図. (a)車. 軸 と台車部分の連結部位拡大 図(b)バ 図‑3車. ネ定数. 軸 と台車部分 の連結部位 およびバネ定数. ―460―.

(3) (a)コ. ンク リー ト部 分. (b)鉄 図‑ 4逸. 脱防止 壁モデル. (a)鋼. 図‑5衝. 筋部分. 突車輪モデル. (b)コ. 図‑6応. しか し,本研 究では,逸 脱防 止壁 の性能評価 を実施す るた. ン ク リー ト. 力‑ひ ずみ関係. 連結 してお り,よ り実現 象 を再 現す るこ とに努 めた,図. め,す でに脱線 した列車車両が,予 想 され る入射角度 と列. 3(b)に それ ぞれ のバネ 定数 を示す.初 期のバネ 定数klが, ‑. 車速度 をもって逸脱 防止壁 に衝突す るこ とを想定 した.ま. 所定 の変位量dに 達 すると,台車 と輪 軸が接 増す ることを. た,実 際 の列車車両 は10数 両の車 両によ り構成 されてお. 考慮 してk2に 増大す る非線 形バネ特 性を与 えた.バ ネ定. り,逸 脱防止壁 に衝 突す る際の挙動 は,前 後 の車両の影響. 数 の値 は,実車 両の緩 衝材 を一本のバネ特 性に換算 して入. を受 ける と考 え られ るが,本 研究 では1車 両のみの衝突 を. 力 した.逸 脱防止壁 内の鉄筋 には トラス要素 を用 い,そ れ. 仮定 し,逸 脱防止壁の定量的 な性能評価 を実施 した.. 以外 の列車 車両部分 と逸 脱防止壁 内 コンク リー ト領域 に. 2に 解 析モデル の全体図 を示す.車 体,台 車 図‑ 車軸, 車輪 の重量 は,そ れ ぞれ 実車重量を参 考に して決定 し,各 重 量を簡易 にモデル化 した各部位 の重心位 置に鉛直集 中. は8積 分点を有す るソ リッ ド要素 を用 いた.図‑4に 逸脱 防止 壁 モデル を示す.逸 脱 防 止壁 は,高 さ420mm,幅 200mm,長 さ20000mmの 寸法 を有す る鉄筋 コンク リー ト. 荷重 として与 えた.な お,衝 突解析の精度 を向上 させ るた めに,逸 脱防止壁 と防止壁 に衝突す る車輪(以 後,衝 突車. 構造 とした.特 に高 さについて は,鉄 道車両の通常走行を. 輪 と称す る)に ついては忠実に形状 をモデル化 し,自 重は. は,レ ール 固定台 に連結す る構 造であ ると仮定 したた め,. 各要素 に対 して物体力 と して与 えた.ま た,図‑3(a)に 示. 側面の下方部分の境 界条件を全 固定 とした.ま た,下 面に つい ては鉛直方 向のみ を拘束 した.図‑5に 衝突車輪 モデ. す よ うに,車 軸 と台車はKx,Ky,Kzの. バネ要素 によって. ―461―. 阻害 しない建築高 さ限界を考慮 して決 定 した.逸 脱防 止壁.

(4) ル を示 す.衝 突車輪は実物 の車輪 形状 を元 にモデル化 し, 直径921mm,幅125mm,重. 量4800Nの 鮒. とした.逸 脱. 3.2材. 料 特性. 図‑6に,本. 解 析 で用 いた 構 造 材 料 の 応 力‑ひ ず み 関係. 防止壁 に衝突 しない車輪 については,計 算時間 を短縮 する. を示 す.列 車 車 両 につ い て は,衝 突 車 輪以 外 の部 分 は弾 性. ために,1つ の 円盤形状 の弾 性体モデル とみ な した.車 輪 の初期条件 として,車 両が等速度運動 をす るこ とを前提に. 体 と して モ デル 化 した.衝 突 車 輪 と逸 脱 防止 壁(鉄 筋 を含. 換算 した並進速度 お よび角速度(地 面 と車輪 との間に滑動. 性 は,降 伏 強 度 を300N/mm2と. はないもの と仮定)を,車 輪 自体 が回転運動で変形 を生 じ. 1/100の 剛 性で ひ ず み硬 化す る もの と仮 定 した.ま た,逸. む)は,弾. 塑 性体 と して モデ ル 化 して い る.鋼 材 の材 料 特 し,そ れ 以 降 は初 期 剛 性 の. ないよ うに全節点 に対 して入力 した.ま た,参 考までに図. 脱防 止壁 の コ ン ク リー ト材 料 につ い て は,圧 縮 強 度 を30. 中に最初 に衝突す る位 置 を破線で示す.図 よ り車輪重心位. N/mm2と. 置 よりも衝突位置の方が低い こ とがわか る.この ことか ら,. 硬 化す る材 料 特 性 を与 え た.ま た,引 張域 につ い て は 引張. 衝突体(列 車車両)の 比較的低い位 置で衝突現象が起 こる と考 え られ,本 研 究で対 象 とす る衝突現象の特徴 の一つで. 強 度 を3N/mm2と. ある.列 車車両が横 転す る ことが予想 され るが,本 解 析に. は コ ン ク リー トの圧 壊 は考 慮 して い ない.. し,そ れ 以 降 は 初期 剛 性の1/100の 剛 性 でひ ず み. し,そ れ 以 降 は 引 張 軟 化 を考 慮 して,軟. 化 勾 配 に は20000N/mm2の. 値 を仮 定 した.な お,本 研 究 で. お ける列車速度 お よび入射角度の解 析条件では,一連 の衝 突 による車体の傾 きが小 さし値 を保 つ ことか ら,横 転 しな い こ とが確認 されてい る. また,本 研究では,汎 用解 析 ソフ トMSC.MARC2005r3. 3.3解. 析ケース 7に 示 す図‑ よ うに,後 台 車部 分 が レール 上 に あ り,前. 台 車 部 分 の み が 脱 線 し逸 脱 防 止 壁 に衝 突 す る と考 え る と,. を用いて弾塑 性衝 撃応 答解 析 を行った.直 接時間積 分法に. 壁 と レール との距 離 が230mmで. はシングル ステ ップ フーボル ト法 を用いた.時 間間隔につ いて は,最小時間刻み を1.0×10‑9secと した 自動制御 で行っ. か ら最 大入 射角 度 が約03度. た.. した.ま た,列 車 速 度 は,新 幹 線 の 営 業 速 度 が270km/hで. あ るの で,構 造 上 の特 性. と算 出 で き る.よ っ て,車 両. の 入 射 角度 パ ラ メー タ を0.8・0.5・0.3・0.1度 の4種. 図‑7上 面図. (a)逸. (b)逸 脱防止で きる(記 号◎). 脱 防 止 で きな い(記 号 ×). 図‑8性 能評価方法. ―462―. 類と.

(5) 表‑ 1逸 脱防止壁の性能評価表. (a)270km/h,0.8度. (b)270km/h,0.1度. 図‑9代. (a)270km/h. 表的な解析図. (c)150km/h. (b)200km/h 図‑10車. (a)270km/h. 輪重心位置の鉛直高 さ. (b)200km/h 図‑ 11入. あ ることを考慮 して,270・200・150km/hの3種. (c)150km/h. 射角度 の変化. 類 を列車. 転 じた場合 について も,車両の逸脱 を防止で きた と仮定 し. 速度 パ ラメー タ とした.本 研 究では,入 射角度 と列車速度. た(記 号○).こ. をそれぞれ組み合わせた12ケ ー スを解 析ケー ス とした.. 心 点と後台車 中心点 を結 ぶ直線 と逸脱防止壁 が なす 角度. こで,入 射角度や 離散角度 は,前 台車 中. によ り求 めた もので,車 体全体 と壁 のなす角度の こ とで あ 4.逸 脱 防止壁 の性 能評価方法. る.. 逸 脱防止壁 の 性能 評価方法 として,図‑8(a)に 示す よ う に,衝突車輪底部 が壁 上面 よ りも高い位置 まで跳ね上が り,. 5.解 析結果お よび考察. か つ入射角度 を保 ってい る場 合は,車 両の逸脱 を防止で き ない と仮定 した(記 号 ×).一 方,図‑8(b)に 示 す よ うに, 一連 の衝突現象の 中で ,衝 突車輪底部 が壁上面 よ りも低い. 51車. 両挙動. 位置 を保 ち,かつ入射角度 が減少 して離散角度 に転 じた場. 前述 した要領 に よ り評価 した逸脱 防止壁 の性能 を表‑1 に,代 表 的な解析結果 を図‑9に 示す.全 ケースにおいて. 合 に車両 の逸脱 を防止 し進行方 向 を修正 で きた と仮 定 し. 衝突 車輪底部 が壁上面 よ りも高 く跳ね 上げ られ る結 果が. た(記 号◎).ま. 得 られ たが,い くつ かの衝 突条件 では入射角度 が離散角度 に転 じるこ とが確認 された.最 も厳 しい解析条件で ある列. た,衝 突車 輪底部 が壁上面 よ りも高い位. 置 まで跳 ね上が ることがあ って も,入射角度が離散角度 に. ―463―.

(6) 図‑ 12列. 車車 両衝 突後の相 当塑性 ひずみ分布. 車速度270km/h,入 射角度0.8度 の場合,車 輪 底部 は壁 上. くな るに つれ て,入 射 角 度 は約0.2度 大 き く減 少 す る こ と. 面 よ りも高 く跳 ね上が り,かっ,入 射 角度 が離散角度 に転 じるほ ど低減 しない ことが確認 され,壁 は車両の逸 脱を防. が確認 され た.ま た,初 期 入 射 角 度 が0.8度 か ら0.1度 と 小 さ くな るにつ れ て,衝 突 車 両 を跳 ね返 す 可能 性 が 高 くな. 止 できない と判 定 した.一 方,最 も緩 い解 析条件であ る列. る こ とが確 認 され た.こ れ らの こ と よ り,壁 の逸 脱 防止 の. 車速度150km/h,入 射角度0.1度 の場 合には,車 輪底部 は. 可能 性 は,列 車速度 お よび入 射 角 度 に 大 き く依 存 す る こ と. 壁 上面 よ りも高 く跳 ね上が るが,入射 角度 が離散角度 に転. が 明確 に認 め られ る.. じた ことか ら,壁 は車 両の逸脱 を防止 でき ると判 定 した. 同様 の考 えに基 づき評価す る と,列車速度270km/hの とき 入射角度 は0.1度 まで,列 車速度200km/hの とき入射角度 は0.3度 まで,列 車速度150km/hの. とき入射 角度0.5度 ま. で,壁 は車 両の逸脱 を防止 できる と推測 され る.. 5.2入. 射 角 度 の影 響. 車輪 重 心位 置 の鉛 直 方 向高 さ を図‑10に 示 す.横 太線 は, 逸 脱 防 止 壁 上 面 高 さで あ る235mmを. 示 して い る.車 輪 重. 心位 置 の鉛 直 高 さが横 太線(235mm)を. また,図‑9(a)お よび図‑9(b)に 示す よ うに,列 車速 度. 車輪 は壁 上 面 よ り上 に跳 ね 上 げ られ た と考 えた.ま た初 期. 270km/hの 場 合,車軸 が大 き く変形 してい ることが分か る.. 入 射 角 度(0.8度,0.5度,0.3度,0.1度)に. 図の黒色部分 は相 当塑 性ひずみ が0.2を越 えた部分 であ り,. 区別 表 示 して お り,こ の 表 示 は図‑11と. 鋼 材で ある車軸 が損傷 す る可能 性 生が 高い と考 え られ る部. 越 え た 時 に,衝 突. よ っ て線 種 を 統 一 され て い る.. 10よ り,車 輪重 心位 置 が壁 上 面 よ り上 に跳 ね 上 げ られ 図‑. 分 である.車 軸中央お よび車軸 と衝突 車輪 との接合部分 に. る ま で の時 間 は,270km/hの. 相 当塑 性ひずみ が非常 に大 きな領域 が認 め られ,衝 突条件. の とき が100ms程. に よっては車軸 が損傷す るこ とが推測 され る.こ のこ とか. す る こ とが分 か る.こ れ らの こ とか ら,車 輪 が跳 ね 上 げ ら. ら,実 際の衝突現象では車両の一部破壊 な ど,よ り複雑 な. れ るま で の 時 間 は,初 期 入 射 角 度 に は ほ とん ど依 存せ ず,. 挙動 をす る と考 え られ る.本解 析では車両本体 の破 壊を考. 列 車 速 度 の影 響 を強 く受 け る もの と考 え られ る.. 慮 していないが,車 両本 体の破 壊は一連 の衝突挙動 に影響. と きが50ms〜100ms,200km/h. 度,150km/hの. とき が170ms程. 度 と推 移. ま た,各 列 車速 度 で の 入 射 角 度 の 変 化 を図‑11に. 示 す.. を与える ことが予想 され るため,よ り正確 な判定 を実施す. 図 よ り,入 射 角 度 の 減 少 勾 配 は,初 期 入 射角 度 や 列 車 速 度. るには,そ の影響 を検討 する必要 がある.. に か か わ らず,ほ ぼ 同 程度 の 勾 配 で あ る こ とが分 か る.す. 次に,衝 突車輪が跳 ね上げ られ るまでの入射角度 の減少 程度 を比較 した ところ,列 車速度270km/h,入. 射角度0.8. 度 の解析結果 を基準 として,列 車速度 が約60km/h程 度遅. ―464―. な わ ち,入 射 角 度 の 初 期値 が 小 さい 方 が,入 射 角 度 が離 散 角 度 に転 じ易 い 傾 向 に あ る と言 え る. 10お よび図‑11の 結 果 か ら,車 図‑ 輪 が 跳 ね 上 げ られ る.

(7) までの時間 が長 く(列 車速 度が遅 く),か つ,初 期入射 角 度 が0.8度 か ら0.1度 と小 さくなるにつれ て,壁 は逸脱 を 防止 できる傾 向にある と考 え られ る. 5.3逸 脱防止壁 の破壊 の可能性 12に 列車車 両が衝突 した後 図‑ の逸脱防止壁 の相 当塑性 ひずみ分布(ミ ーゼ スの降伏条件 を仮定)を 示す.車 両 は 左 上方 向か ら右 下方 向に進行 した.コ ンク リー ト材料 は圧 力依存 性を示す ことか ら,ミーゼス換算 の相 当値 は必ず し も適切 ではないが,こ こでは破壊範 囲を知 る 目安 として評 価 を試 みている.図の黒色部分は,相当塑 性ひずみ が3500鉢 (コンク リー ト標準示 方書 に示 され た限界状態 時の コン. (a)3ms. ク リー トの応 カーひずみ 曲線9)の圧縮限界0.35%を 適用) を超過す る領域 を表 してお り,破壊 の可能性がある と仮 定 した部 分であ る.図 よ り,列 車速度 が速 くな るにつれて, かつ入射角度 が深 くなるにつれ て,破壊 が予想 され る領域 が大き くなっている ことが分 かる.特 に270km/h,0.8度 お よび0.5度 の場合では,相 当塑 性ひずみ が3500μを超 え る部分 が,壁 背面のかな り大 きな領域 まで達 してい ること が確 認でき る.こ れ らのこ とか ら,列 車速 度や入射 角度が あ る程 度厳 しい条件での衝 突が予想 され る箇所 では,逸 脱 防止壁 の形 状や材料 を改善 し,破壊 に耐え る構 造 とす る必 要があ ると考え る. また,最 も厳 しい解 析条件であ る列 車速度270km/h,入. (b)10ms. 射角度0.8度 の ときの,逸 脱防 止壁 の変形の進行状況 を調 べた.ミ ーゼ スの降伏条件 を仮定 した逸脱防止壁 の相 当塑 性ひずみ分布 を図‑13に示す.図 の 白色部分 は,相 当塑 性 ひずみが3500uを 超過 した領域で ある.こ の図か らも,逸 脱防 止壁は,衝 突箇所の近傍 において大 きく変形す ること が認め られ る.本 解析 では,相 当塑 性 生ひずみが3500μ を越 えた後 も一定のひずみ硬化特 性を与え,圧 壊が発生す るこ とを考慮 していない.し たがって,危 険側の評価 を してい る可能 性が あるが,破 壊領域が15ms以 降拡大 していない こ とか ら,15msま での間に1回 目の衝突 による破 壊の進 行 は概ね終 了す るこ とが分か る.そ れ以 降は,車 両が跳ね 返 され た り跳 ね上 げ られ た りして壁 と数 回程度衝突 す る. (c)15ms. ものの,車 両は進行 し,新 たな箇所 と衝突す るため,1回 目の衝突部位の変形 はあま り進展 しない と考 えられ る.よ って,列 車速度 が270km/hと 高速の場 合において も,逸 脱 防止壁 の破壊領 域 は壁 の軸方 向に対 して局所的 な もの に なる と推測 され る. 6結. 論. 本研究で は,逸 脱防止壁 の 性能評価 を 目的 として,鉄 道 車 両が逸脱 防止壁 に衝 突す る場合 の数値 シ ミュ レー シ ョ ンを試み,以 下の結果 が得 られた.な お,本 解析はい くつ かの仮定 のも とに計算 してお り,実車衝突実験や簡易 なモ デル実験 等を実施 して,本 解 析結果 の妥 当性 を検討す るこ. (d)20ms. とが重要 である と考 える. 図‑ 13270km/h,0.8度. ―465―. 時 の相 当 塑性 ひず み 分 布.

(8) (1)逸 脱防止壁 が車 両の逸脱 を防止 できる衝突条件 として, 列 車速 度270km/hで 入 射 角 度0.1度 以 下,列 車速 度. とに よ り,よ り実 際 の 現 象に 近 い衝 突 挙動 の再 現 を試 み る こ とが 必 要 で あ る.. 200km/hで 入 射角度0.3度 以下,列 車速度150km/hで 入射 角度0.5度 以下,と3通. りの速 度に対す る限界の入射角度. 参考文献. が推測 された.. 1) 土 木学 会: 衝 撃 実 験 ・解 析 の基 礎 と応 用, 構 造 工 学 シ. (2)列 車速 度270km/hの 場合,車 軸が大 きく変形 し,車 軸 が損傷す ると推測 され る.. 2) 奥 田広 之, 涌 井 一, 田辺 誠:. リー ズ15,. 丸 善, 2004.. フ ロー テ ィ ン グ ラダ ー 軌 道 の衝 撃 応 答 解 析,日 工 学 会 論 文集, No20010009,. (3)車 輪 が跳 ね上げ られ るまでの時間は,列 車速 度の影響 を受け るため,列 車速 度270km/h,入 射角度0.8度 の解析 結果 を基 準 として,列 車速 度が約60km/h程 度遅 くなるに つれ て,入 射角度 は約0.2度 大 きく減少す ることが確認 さ れ た.. レー ル 溶 接 部 凹 凸 に よ る. 3) 井 元 勝 慶, 大 野 友 則, 佐 々木 昇, 小 暮 幹 太,: 下 衝 突 を受 け るRCは. 本計算. 20015 重錘 落. り部 材 の衝 撃 挙 動 ど衝撃 応 答 解. 析 にお け る材 料 の 非 線 形 特 性, 構 造 工 学 論 文集, VoL. 41A,. pp1201‑1212,. 1995.3.. 4) 岸 徳 光, 三 上 浩, 小 室 雅 人, 松 岡健 一:弾 塑 性衝 撃 応 答 解 析 法 のRC梁. へ の 適 用性, 構 造 工学 論 文 集, VoL.43A,. (4)入射角度 の減少勾配 は,列車速度 や初期入 射角度 によ ら ず ほぼ一定で あるこ とか ら,入射角度 の初期値 が小 さい方. pp1579‑1588, 1997.3. 5) 園 田佳 巨, 深 澤 仁, 曽 我 部 正 道: 鉄 道 車 両 逸 脱 防 止壁. が,入射角度 が離 散角度 に転 じ易 い傾 向にある と考 え られ. に 作 用 す る衝 撃 力 の 評 価 に関 す る研 究, 応 用 力 学 論 文. る.. 集, Vol.10, 2007年8月 6) (杜) 目 本 道 路 協 会: 防 護 柵 の 設 置 基 準 ・同 解 説,. (5)列車速度 が270km/hと 高速の場合 で も,逸脱防止壁の破 壊範 囲は壁軸 方向 に関 して局所 的な ものにな るこ とが推 察 された.. 丸 善, 2004. 3 7) 久 田俊 明, 野 口裕 久: 非 線 形有 限 要 素 法 の 基 礎 と応 用, 丸 善, 2002.. 今後,想 定 され る最 も厳 しい衝 突条件 であ る列車 速度 270km/hで 入射角度0.8度 の場合 において も,本 装置のみ で列車車両の逸脱 を防止で きるよ うに,使 用材料や形状の 改善策 を検討 したい また,車 両本体の損傷 を考慮す るこ. ―466―. 8) LawrenceE. Malvem: Introductionto the Mechanicsof a ContinuousMedium,1969. 9) 土木 学 会: 2002年 制 定 コ ン ク リー ト標 準示 方 書 「 構造 性能 照 査 編 」, 丸 善, 2002. (2008年4月14日. 受付).

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