鉄 道車両用逸脱防止壁の性能評価に関する研究
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(2) 2.逸 脱防止 システムの概要 鉄道車両の逸脱防止 システム として,図‑1に 示す よ うに, 大 きく分 けて3つの段階 を有す る仕組み が考 え られ る.ま ず,(1)に示す よ うな,初 期の脱線を防 ぐ目的の車体取 り付 けタイプの車両逸脱防止 ガイ ド機 構,(2)に示す よ うな,脱 線 後の車 両の初期 の逸脱 を防止す る レール固定台 取 り付 け タイプの逸 脱防止装置,(3)に示す よ うな,車 体の路線 外 への逸脱や転 倒を防止す る防護 壁で ある.そ れ ぞれ,対 象 としている衝突 部位 が異 なってお り,(1)の 車 両逸脱防止ガ イ ド機 構は レール との衝突,(2)の逸脱防止装置は車輪 との 衝突,(3)の防護 壁は車体本体 との衝突が想 定 され る. 本研究で は,(2)の逸脱防止装置(鉄 筋 コンク リー ト製 構. 図‑ 1逸 脱防止 システム. 造物 を仮定)を 解 析対象 とす るが,(2)の逸脱防止装置 は, 逸脱防止 システ ム全体 の中で第2段階 の防 護構造 物であ る こ とか ら,軌道外へ逸脱 しよ うとす る鉄道車両の逸 脱防止. 3.解 析モデルの概要. 性能,も しくは,車 両の進行方 向の 円滑な誘 導 性能につい. 3.1解 析条件. て評価 した.こ れ らを着 目点 として,逸 脱防止壁 の耐 衝撃. 震動 や速度超過 による遠心力,突 風 による浮 き上 が り. 性 能 につ い て数値 シ ミュ レー シ ョン結 果 を用 いて評価 し. な どが,列 車車両の脱線 を誘 発す る要 因 として考え られ,. た.. それ ぞれ の要因 によって,解 析条件 が異 なる と考 え られ る.. 図‑2解 析 モデル全体図. (a)車. 軸 と台車部分の連結部位拡大 図(b)バ 図‑3車. ネ定数. 軸 と台車部分 の連結部位 およびバネ定数. ―460―.
(3) (a)コ. ンク リー ト部 分. (b)鉄 図‑ 4逸. 脱防止 壁モデル. (a)鋼. 図‑5衝. 筋部分. 突車輪モデル. (b)コ. 図‑6応. しか し,本研 究では,逸 脱防 止壁 の性能評価 を実施す るた. ン ク リー ト. 力‑ひ ずみ関係. 連結 してお り,よ り実現 象 を再 現す るこ とに努 めた,図. め,す でに脱線 した列車車両が,予 想 され る入射角度 と列. 3(b)に それ ぞれ のバネ 定数 を示す.初 期のバネ 定数klが, ‑. 車速度 をもって逸脱 防止壁 に衝突す るこ とを想定 した.ま. 所定 の変位量dに 達 すると,台車 と輪 軸が接 増す ることを. た,実 際 の列車車両 は10数 両の車 両によ り構成 されてお. 考慮 してk2に 増大す る非線 形バネ特 性を与 えた.バ ネ定. り,逸 脱防止壁 に衝 突す る際の挙動 は,前 後 の車両の影響. 数 の値 は,実車 両の緩 衝材 を一本のバネ特 性に換算 して入. を受 ける と考 え られ るが,本 研究 では1車 両のみの衝突 を. 力 した.逸 脱防止壁 内の鉄筋 には トラス要素 を用 い,そ れ. 仮定 し,逸 脱防止壁の定量的 な性能評価 を実施 した.. 以外 の列車 車両部分 と逸 脱防止壁 内 コンク リー ト領域 に. 2に 解 析モデル の全体図 を示す.車 体,台 車 図‑ 車軸, 車輪 の重量 は,そ れ ぞれ 実車重量を参 考に して決定 し,各 重 量を簡易 にモデル化 した各部位 の重心位 置に鉛直集 中. は8積 分点を有す るソ リッ ド要素 を用 いた.図‑4に 逸脱 防止 壁 モデル を示す.逸 脱 防 止壁 は,高 さ420mm,幅 200mm,長 さ20000mmの 寸法 を有す る鉄筋 コンク リー ト. 荷重 として与 えた.な お,衝 突解析の精度 を向上 させ るた めに,逸 脱防止壁 と防止壁 に衝突す る車輪(以 後,衝 突車. 構造 とした.特 に高 さについて は,鉄 道車両の通常走行を. 輪 と称す る)に ついては忠実に形状 をモデル化 し,自 重は. は,レ ール 固定台 に連結す る構 造であ ると仮定 したた め,. 各要素 に対 して物体力 と して与 えた.ま た,図‑3(a)に 示. 側面の下方部分の境 界条件を全 固定 とした.ま た,下 面に つい ては鉛直方 向のみ を拘束 した.図‑5に 衝突車輪 モデ. す よ うに,車 軸 と台車はKx,Ky,Kzの. バネ要素 によって. ―461―. 阻害 しない建築高 さ限界を考慮 して決 定 した.逸 脱防 止壁.
(4) ル を示 す.衝 突車輪は実物 の車輪 形状 を元 にモデル化 し, 直径921mm,幅125mm,重. 量4800Nの 鮒. とした.逸 脱. 3.2材. 料 特性. 図‑6に,本. 解 析 で用 いた 構 造 材 料 の 応 力‑ひ ず み 関係. 防止壁 に衝突 しない車輪 については,計 算時間 を短縮 する. を示 す.列 車 車 両 につ い て は,衝 突 車 輪以 外 の部 分 は弾 性. ために,1つ の 円盤形状 の弾 性体モデル とみ な した.車 輪 の初期条件 として,車 両が等速度運動 をす るこ とを前提に. 体 と して モ デル 化 した.衝 突 車 輪 と逸 脱 防止 壁(鉄 筋 を含. 換算 した並進速度 お よび角速度(地 面 と車輪 との間に滑動. 性 は,降 伏 強 度 を300N/mm2と. はないもの と仮定)を,車 輪 自体 が回転運動で変形 を生 じ. 1/100の 剛 性で ひ ず み硬 化す る もの と仮 定 した.ま た,逸. む)は,弾. 塑 性体 と して モデ ル 化 して い る.鋼 材 の材 料 特 し,そ れ 以 降 は初 期 剛 性 の. ないよ うに全節点 に対 して入力 した.ま た,参 考までに図. 脱防 止壁 の コ ン ク リー ト材 料 につ い て は,圧 縮 強 度 を30. 中に最初 に衝突す る位 置 を破線で示す.図 よ り車輪重心位. N/mm2と. 置 よりも衝突位置の方が低い こ とがわか る.この ことか ら,. 硬 化す る材 料 特 性 を与 え た.ま た,引 張域 につ い て は 引張. 衝突体(列 車車両)の 比較的低い位 置で衝突現象が起 こる と考 え られ,本 研 究で対 象 とす る衝突現象の特徴 の一つで. 強 度 を3N/mm2と. ある.列 車車両が横 転す る ことが予想 され るが,本 解 析に. は コ ン ク リー トの圧 壊 は考 慮 して い ない.. し,そ れ 以 降 は 初期 剛 性の1/100の 剛 性 でひ ず み. し,そ れ 以 降 は 引 張 軟 化 を考 慮 して,軟. 化 勾 配 に は20000N/mm2の. 値 を仮 定 した.な お,本 研 究 で. お ける列車速度 お よび入射角度の解 析条件では,一連 の衝 突 による車体の傾 きが小 さし値 を保 つ ことか ら,横 転 しな い こ とが確認 されてい る. また,本 研究では,汎 用解 析 ソフ トMSC.MARC2005r3. 3.3解. 析ケース 7に 示 す図‑ よ うに,後 台 車部 分 が レール 上 に あ り,前. 台 車 部 分 の み が 脱 線 し逸 脱 防 止 壁 に衝 突 す る と考 え る と,. を用いて弾塑 性衝 撃応 答解 析 を行った.直 接時間積 分法に. 壁 と レール との距 離 が230mmで. はシングル ステ ップ フーボル ト法 を用いた.時 間間隔につ いて は,最小時間刻み を1.0×10‑9secと した 自動制御 で行っ. か ら最 大入 射角 度 が約03度. た.. した.ま た,列 車 速 度 は,新 幹 線 の 営 業 速 度 が270km/hで. あ るの で,構 造 上 の特 性. と算 出 で き る.よ っ て,車 両. の 入 射 角度 パ ラ メー タ を0.8・0.5・0.3・0.1度 の4種. 図‑7上 面図. (a)逸. (b)逸 脱防止で きる(記 号◎). 脱 防 止 で きな い(記 号 ×). 図‑8性 能評価方法. ―462―. 類と.
(5) 表‑ 1逸 脱防止壁の性能評価表. (a)270km/h,0.8度. (b)270km/h,0.1度. 図‑9代. (a)270km/h. 表的な解析図. (c)150km/h. (b)200km/h 図‑10車. (a)270km/h. 輪重心位置の鉛直高 さ. (b)200km/h 図‑ 11入. あ ることを考慮 して,270・200・150km/hの3種. (c)150km/h. 射角度 の変化. 類 を列車. 転 じた場合 について も,車両の逸脱 を防止で きた と仮定 し. 速度 パ ラメー タ とした.本 研 究では,入 射角度 と列車速度. た(記 号○).こ. をそれぞれ組み合わせた12ケ ー スを解 析ケー ス とした.. 心 点と後台車 中心点 を結 ぶ直線 と逸脱防止壁 が なす 角度. こで,入 射角度や 離散角度 は,前 台車 中. によ り求 めた もので,車 体全体 と壁 のなす角度の こ とで あ 4.逸 脱 防止壁 の性 能評価方法. る.. 逸 脱防止壁 の 性能 評価方法 として,図‑8(a)に 示す よ う に,衝突車輪底部 が壁 上面 よ りも高い位置 まで跳ね上が り,. 5.解 析結果お よび考察. か つ入射角度 を保 ってい る場 合は,車 両の逸脱 を防止で き ない と仮定 した(記 号 ×).一 方,図‑8(b)に 示 す よ うに, 一連 の衝突現象の 中で ,衝 突車輪底部 が壁上面 よ りも低い. 51車. 両挙動. 位置 を保 ち,かつ入射角度 が減少 して離散角度 に転 じた場. 前述 した要領 に よ り評価 した逸脱 防止壁 の性能 を表‑1 に,代 表 的な解析結果 を図‑9に 示す.全 ケースにおいて. 合 に車両 の逸脱 を防止 し進行方 向 を修正 で きた と仮 定 し. 衝突 車輪底部 が壁上面 よ りも高 く跳ね 上げ られ る結 果が. た(記 号◎).ま. 得 られ たが,い くつ かの衝 突条件 では入射角度 が離散角度 に転 じるこ とが確認 された.最 も厳 しい解析条件で ある列. た,衝 突車 輪底部 が壁上面 よ りも高い位. 置 まで跳 ね上が ることがあ って も,入射角度が離散角度 に. ―463―.
(6) 図‑ 12列. 車車 両衝 突後の相 当塑性 ひずみ分布. 車速度270km/h,入 射角度0.8度 の場合,車 輪 底部 は壁 上. くな るに つれ て,入 射 角 度 は約0.2度 大 き く減 少 す る こ と. 面 よ りも高 く跳 ね上が り,かっ,入 射 角度 が離散角度 に転 じるほ ど低減 しない ことが確認 され,壁 は車両の逸 脱を防. が確認 され た.ま た,初 期 入 射 角 度 が0.8度 か ら0.1度 と 小 さ くな るにつ れ て,衝 突 車 両 を跳 ね返 す 可能 性 が 高 くな. 止 できない と判 定 した.一 方,最 も緩 い解 析条件であ る列. る こ とが確 認 され た.こ れ らの こ と よ り,壁 の逸 脱 防止 の. 車速度150km/h,入 射角度0.1度 の場 合には,車 輪底部 は. 可能 性 は,列 車速度 お よび入 射 角 度 に 大 き く依 存 す る こ と. 壁 上面 よ りも高 く跳 ね上が るが,入射 角度 が離散角度 に転. が 明確 に認 め られ る.. じた ことか ら,壁 は車 両の逸脱 を防止 でき ると判 定 した. 同様 の考 えに基 づき評価す る と,列車速度270km/hの とき 入射角度 は0.1度 まで,列 車速度200km/hの とき入射角度 は0.3度 まで,列 車速度150km/hの. とき入射 角度0.5度 ま. で,壁 は車 両の逸脱 を防止 できる と推測 され る.. 5.2入. 射 角 度 の影 響. 車輪 重 心位 置 の鉛 直 方 向高 さ を図‑10に 示 す.横 太線 は, 逸 脱 防 止 壁 上 面 高 さで あ る235mmを. 示 して い る.車 輪 重. 心位 置 の鉛 直 高 さが横 太線(235mm)を. また,図‑9(a)お よび図‑9(b)に 示す よ うに,列 車速 度. 車輪 は壁 上 面 よ り上 に跳 ね 上 げ られ た と考 えた.ま た初 期. 270km/hの 場 合,車軸 が大 き く変形 してい ることが分か る.. 入 射 角 度(0.8度,0.5度,0.3度,0.1度)に. 図の黒色部分 は相 当塑 性ひずみ が0.2を越 えた部分 であ り,. 区別 表 示 して お り,こ の 表 示 は図‑11と. 鋼 材で ある車軸 が損傷 す る可能 性 生が 高い と考 え られ る部. 越 え た 時 に,衝 突. よ っ て線 種 を 統 一 され て い る.. 10よ り,車 輪重 心位 置 が壁 上 面 よ り上 に跳 ね 上 げ られ 図‑. 分 である.車 軸中央お よび車軸 と衝突 車輪 との接合部分 に. る ま で の時 間 は,270km/hの. 相 当塑 性ひずみ が非常 に大 きな領域 が認 め られ,衝 突条件. の とき が100ms程. に よっては車軸 が損傷す るこ とが推測 され る.こ のこ とか. す る こ とが分 か る.こ れ らの こ とか ら,車 輪 が跳 ね 上 げ ら. ら,実 際の衝突現象では車両の一部破壊 な ど,よ り複雑 な. れ るま で の 時 間 は,初 期 入 射 角 度 に は ほ とん ど依 存せ ず,. 挙動 をす る と考 え られ る.本解 析では車両本体 の破 壊を考. 列 車 速 度 の影 響 を強 く受 け る もの と考 え られ る.. 慮 していないが,車 両本 体の破 壊は一連 の衝突挙動 に影響. と きが50ms〜100ms,200km/h. 度,150km/hの. とき が170ms程. 度 と推 移. ま た,各 列 車速 度 で の 入 射 角 度 の 変 化 を図‑11に. 示 す.. を与える ことが予想 され るため,よ り正確 な判定 を実施す. 図 よ り,入 射 角 度 の 減 少 勾 配 は,初 期 入 射角 度 や 列 車 速 度. るには,そ の影響 を検討 する必要 がある.. に か か わ らず,ほ ぼ 同 程度 の 勾 配 で あ る こ とが分 か る.す. 次に,衝 突車輪が跳 ね上げ られ るまでの入射角度 の減少 程度 を比較 した ところ,列 車速度270km/h,入. 射角度0.8. 度 の解析結果 を基準 として,列 車速度 が約60km/h程 度遅. ―464―. な わ ち,入 射 角 度 の 初 期値 が 小 さい 方 が,入 射 角 度 が離 散 角 度 に転 じ易 い 傾 向 に あ る と言 え る. 10お よび図‑11の 結 果 か ら,車 図‑ 輪 が 跳 ね 上 げ られ る.
(7) までの時間 が長 く(列 車速 度が遅 く),か つ,初 期入射 角 度 が0.8度 か ら0.1度 と小 さくなるにつれ て,壁 は逸脱 を 防止 できる傾 向にある と考 え られ る. 5.3逸 脱防止壁 の破壊 の可能性 12に 列車車 両が衝突 した後 図‑ の逸脱防止壁 の相 当塑性 ひずみ分布(ミ ーゼ スの降伏条件 を仮定)を 示す.車 両 は 左 上方 向か ら右 下方 向に進行 した.コ ンク リー ト材料 は圧 力依存 性を示す ことか ら,ミーゼス換算 の相 当値 は必ず し も適切 ではないが,こ こでは破壊範 囲を知 る 目安 として評 価 を試 みている.図の黒色部分は,相当塑 性ひずみ が3500鉢 (コンク リー ト標準示 方書 に示 され た限界状態 時の コン. (a)3ms. ク リー トの応 カーひずみ 曲線9)の圧縮限界0.35%を 適用) を超過す る領域 を表 してお り,破壊 の可能性がある と仮 定 した部 分であ る.図 よ り,列 車速度 が速 くな るにつれて, かつ入射角度 が深 くなるにつれ て,破壊 が予想 され る領域 が大き くなっている ことが分 かる.特 に270km/h,0.8度 お よび0.5度 の場合では,相 当塑 性ひずみ が3500μを超 え る部分 が,壁 背面のかな り大 きな領域 まで達 してい ること が確 認でき る.こ れ らのこ とか ら,列 車速 度や入射 角度が あ る程 度厳 しい条件での衝 突が予想 され る箇所 では,逸 脱 防止壁 の形 状や材料 を改善 し,破壊 に耐え る構 造 とす る必 要があ ると考え る. また,最 も厳 しい解 析条件であ る列 車速度270km/h,入. (b)10ms. 射角度0.8度 の ときの,逸 脱防 止壁 の変形の進行状況 を調 べた.ミ ーゼ スの降伏条件 を仮定 した逸脱防止壁 の相 当塑 性ひずみ分布 を図‑13に示す.図 の 白色部分 は,相 当塑 性 ひずみが3500uを 超過 した領域で ある.こ の図か らも,逸 脱防 止壁は,衝 突箇所の近傍 において大 きく変形す ること が認め られ る.本 解析 では,相 当塑 性 生ひずみが3500μ を越 えた後 も一定のひずみ硬化特 性を与え,圧 壊が発生す るこ とを考慮 していない.し たがって,危 険側の評価 を してい る可能 性が あるが,破 壊領域が15ms以 降拡大 していない こ とか ら,15msま での間に1回 目の衝突 による破 壊の進 行 は概ね終 了す るこ とが分か る.そ れ以 降は,車 両が跳ね 返 され た り跳 ね上 げ られ た りして壁 と数 回程度衝突 す る. (c)15ms. ものの,車 両は進行 し,新 たな箇所 と衝突す るため,1回 目の衝突部位の変形 はあま り進展 しない と考 えられ る.よ って,列 車速度 が270km/hと 高速の場 合において も,逸 脱 防止壁 の破壊領 域 は壁 の軸方 向に対 して局所的 な もの に なる と推測 され る. 6結. 論. 本研究で は,逸 脱防止壁 の 性能評価 を 目的 として,鉄 道 車 両が逸脱 防止壁 に衝 突す る場合 の数値 シ ミュ レー シ ョ ンを試み,以 下の結果 が得 られた.な お,本 解析はい くつ かの仮定 のも とに計算 してお り,実車衝突実験や簡易 なモ デル実験 等を実施 して,本 解 析結果 の妥 当性 を検討す るこ. (d)20ms. とが重要 である と考 える. 図‑ 13270km/h,0.8度. ―465―. 時 の相 当 塑性 ひず み 分 布.
(8) (1)逸 脱防止壁 が車 両の逸脱 を防止 できる衝突条件 として, 列 車速 度270km/hで 入 射 角 度0.1度 以 下,列 車速 度. とに よ り,よ り実 際 の 現 象に 近 い衝 突 挙動 の再 現 を試 み る こ とが 必 要 で あ る.. 200km/hで 入 射角度0.3度 以下,列 車速度150km/hで 入射 角度0.5度 以下,と3通. りの速 度に対す る限界の入射角度. 参考文献. が推測 された.. 1) 土 木学 会: 衝 撃 実 験 ・解 析 の基 礎 と応 用, 構 造 工 学 シ. (2)列 車速 度270km/hの 場合,車 軸が大 きく変形 し,車 軸 が損傷す ると推測 され る.. 2) 奥 田広 之, 涌 井 一, 田辺 誠:. リー ズ15,. 丸 善, 2004.. フ ロー テ ィ ン グ ラダ ー 軌 道 の衝 撃 応 答 解 析,日 工 学 会 論 文集, No20010009,. (3)車 輪 が跳 ね上げ られ るまでの時間は,列 車速 度の影響 を受け るため,列 車速 度270km/h,入 射角度0.8度 の解析 結果 を基 準 として,列 車速 度が約60km/h程 度遅 くなるに つれ て,入 射角度 は約0.2度 大 きく減少す ることが確認 さ れ た.. レー ル 溶 接 部 凹 凸 に よ る. 3) 井 元 勝 慶, 大 野 友 則, 佐 々木 昇, 小 暮 幹 太,: 下 衝 突 を受 け るRCは. 本計算. 20015 重錘 落. り部 材 の衝 撃 挙 動 ど衝撃 応 答 解. 析 にお け る材 料 の 非 線 形 特 性, 構 造 工 学 論 文集, VoL. 41A,. pp1201‑1212,. 1995.3.. 4) 岸 徳 光, 三 上 浩, 小 室 雅 人, 松 岡健 一:弾 塑 性衝 撃 応 答 解 析 法 のRC梁. へ の 適 用性, 構 造 工学 論 文 集, VoL.43A,. (4)入射角度 の減少勾配 は,列車速度 や初期入 射角度 によ ら ず ほぼ一定で あるこ とか ら,入射角度 の初期値 が小 さい方. pp1579‑1588, 1997.3. 5) 園 田佳 巨, 深 澤 仁, 曽 我 部 正 道: 鉄 道 車 両 逸 脱 防 止壁. が,入射角度 が離 散角度 に転 じ易 い傾 向にある と考 え られ. に 作 用 す る衝 撃 力 の 評 価 に関 す る研 究, 応 用 力 学 論 文. る.. 集, Vol.10, 2007年8月 6) (杜) 目 本 道 路 協 会: 防 護 柵 の 設 置 基 準 ・同 解 説,. (5)列車速度 が270km/hと 高速の場合 で も,逸脱防止壁の破 壊範 囲は壁軸 方向 に関 して局所 的な ものにな るこ とが推 察 された.. 丸 善, 2004. 3 7) 久 田俊 明, 野 口裕 久: 非 線 形有 限 要 素 法 の 基 礎 と応 用, 丸 善, 2002.. 今後,想 定 され る最 も厳 しい衝 突条件 であ る列車 速度 270km/hで 入射角度0.8度 の場合 において も,本 装置のみ で列車車両の逸脱 を防止で きるよ うに,使 用材料や形状の 改善策 を検討 したい また,車 両本体の損傷 を考慮す るこ. ―466―. 8) LawrenceE. Malvem: Introductionto the Mechanicsof a ContinuousMedium,1969. 9) 土木 学 会: 2002年 制 定 コ ン ク リー ト標 準示 方 書 「 構造 性能 照 査 編 」, 丸 善, 2002. (2008年4月14日. 受付).
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