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見られた時点で実験を終了し,剥離強度を求めた.

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Academic year: 2022

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(1)第 40 回土木学会関東支部技術研究発表会. 第 I 部門. 歴史的レンガ造構造物における目地部の剥離・せん断強度に関する実験的検討 関東学院大学 学生会員 ○瀧深 瑞翔 関東学院大学 関東学院大学. 正会員. 1.はじめに. 岸. 祐介 関東学院大学. 正会員. 冨岡. 大暉. 北原. 武嗣. 直下向きに荷重を漸増させ,目地位置において剥離が. 日本におけるレンガ造構造物の地震被害事例を振. 見られた時点で実験を終了し,剥離強度を求めた.. り返ると,レンガ部分よりも,目地位置での破壊や剥 鉛直載荷. 離が多く見受けられる.つまり,地震によるレンガ造 構造物の崩壊の原因として,レンガ-目地間での剥離 破壊,せん断破壊が一つの要因と考えられる. 明治・大正期には,レンガ同士の凝結剤として石灰 入りのモルタルが使用されており,現行基準のモルタ ルと比べ材料特性が,異なっていたと考えられる.. 支持. 一般的にはレンガ造構造物の耐震性能は低いもの と認識されており,将来的に大規模地震が発生した場. 図-1 剥離強度試験. 合,現状のままでは耐えられない可能性もある.その ため,今後もより良い状態で供用し続けていくには,. 2.2 せん断強度試験. 最新の技術を用いてレンガ造構造物の補修・補強を行. せん断強度試験においては,図-2 に示すような 3 段. う必要がある.補修・補強手法を検討するためにも,. 積みのレンガ造試験体を作製し,目地には剥離強度試. まずは破壊形態について十分把握する必要がある.. 験体と同様,2 種類のモルタルを用いた.せん断強度. そこで本研究では,現行基準のモルタルと石灰入り. 試験は図-2 に示すように油圧ジャッキを用いて試験. モルタルを使用した場合のレンガ造試験体に関して,. 体の鉛直方向を拘束し,その拘束のもと,水平方向か. 破壊強度に着目し検討を行った.. らアクチュエーターを用いて漸増荷重を加えた.レン ガと目地部分がせん断破壊した時の荷重を計測し,せ. 2.実験内容. ん断強度とした.. 本研究では,剥離強度試験体とせん断強度試験体の 2 種類のレンガ造試験体を作製し,目地部材には配合 レンガ. 質量比の異なる 2 種類のモルタルを使用した.配合に 関して,現行基準のモルタルはセメント:石灰:砂を. モルタル. 1:0:3 の質量比,石灰入りのモルタルは 1:1:3 の. 水平荷重. 質量比で配合している.水セメント比に関しては,ど ちらのモルタルも 50%とした.これらの試験体に対し て,剥離強度試験およびせん断強度試験をそれぞれ行. 鉛直方向の拘束. い,比較・検討を行なった.. 図-2 せん断強度試験. 2.1 剥離強度試験 剥離強度試験においては,図-1 に示すような 2 枚の レンガを互い違いに合わせ,目地には 2 種類のモルタ 1). ルを用いた試験体を作製した.Khalaf の実験 を参考 に,図-1 に示す要領試験体の両端を支持した状態で鉛 キーワード 連絡先. 3.実験結果 3.1 モルタル強度試験 目地材の材料特性について 2 種類のモルタルの圧縮 強度,引張強度および弾性係数を表-1 示す.. レンガ造構造物,破壊強度試験,剥離強度,せん断強度,石灰入りモルタル. 〒236-8501 横浜市金沢区六浦東 1-50-1 関東学院大学 TEL045-786-7807 E-mail:[email protected].

(2) 第 40 回土木学会関東支部技術研究発表会. 第 I 部門. 目地材の材料特性を比較すると,圧縮強度,引張強. 表-3 せん断強度試験結果. 度ともに現行基準モルタルの値が大きく,弾性係数も. 現行基準モルタル. 石灰入りモルタル. の方が単位質量あたりのセメントの配合質量が多く,. 拘束 荷重 (kN). せん断 強度 (MPa). 変動 係数 (%). せん断 強度 (MPa). 変動 係数 (%). 水和反応が促進されているためであると考えられる.. 0. 1.34. 19.1. 1.04. 15.6. 10. 1.66. 50.9. 1.25. 16.2. 20. 2.07. 20.1. 1.39. 19.1. 30. 2.53. 21.1. 1.77. 21.1. 大きい.石灰入りモルタルに比べて現行基準モルタル. 表-1 モルタルの物性 現行基準モルタル. 石灰入りモルタル. 圧縮強度. 43.9. 12.3. 引張強度. 2.58. 0.88 4. 2.78×10. 4.0. 9.88×10³. (単位:MPa) 3.2 剥離強度試験 剥離強度試験の結果を表-2 に示す.現行基準モルタ ルの剥離強度平均値は 0.47N/mm²,石灰入りモルタル の剥離強度平均値は 0.37N/mm²となり,比較すると現 行基準モルタルを用いた試験体の方が 1.3 倍程度,剥 離強度が大きく,モルタルの配合質量比の違いがレン ガと目地の接着強度に影響すると考えられる. また,変動係数を見ると,現行基準モルタルが 40% を超えており,石灰入りモルタルよりもばらつきが大 きかった.. 現行基準モルタル(平均値). 3.5 せん断強度 (MPa). 弾性係数. 石灰入りモルタル(平均値). 3.0. 現行基準モルタル回帰直線. 2.5. 石灰入りモルタル回帰直線. 2.0. 1.5 1.0 0.5. 0.0 0. 10 20 拘束荷重 (kN). 30. 図-3 拘束荷重-せん断強度の回帰分析結果 4.まとめ 本研究では,現行基準モルタルと石灰モルタルを使 用した場合の 2 種類のレンガ造試験体に関して,剥離 強度およびせん断強度の検討を行なった.以下に本研. 表-2 剥離強度試験結果(平均値) 現行基準モルタル. 石灰入りモルタル. 剥離強度. 0.47 MPa. 0.37 MPa. 変動係数. 40.3 %. 27.9 %. 究で明らかとなったことを記す. (1) 剥離強度試験においては上部のレンガと目地材 の部分で剥離し,現行基準モルタルを用いた場合 の方が石灰入りモルタル を用いた場合より 0.1N/mm²程大きい値となった. (2) せん断強度試験においては,現行基準モルタルを. 3.3 せん断強度 せん断強度試験の結果を表-3 に示す.表-3 から現. 用いた試験体の方が,石灰入りモルタルを用いた 試験体に比べて約 1.39 倍強度が大きくなった.ま. 行基準モルタル,石灰入りモルタルのどちらも拘束圧. た,せん断強度と拘束荷重には線形関係があり,. が大きくなるとせん断強度も大きくなっている.. 拘束荷重が大きくなると,せん断強度も大きくな. 変動係数を見ると,現行基準モルタルはいずれの拘. る傾向がある.. 束圧においても 20%を超えている.石灰入りモルタル. 謝辞:本研究は平成24 年度JSPS 科研費 (若手研究(B),. ではどの値も 15%を超えているが,剥離強度試験より. 課題番号 24700929,代表:岸祐介)の助成を得た.記. はばらつきが小さい結果となった.. して謝意を表する.. 図-3 に拘束荷重-せん断強度関係を示す.図-3 よ. 参考文献. り,現行基準モルタルも石灰入りモルタルもせん断強. 1) Fouad M. Khalaf, “New Test for Determination of Masonry. 度の平均値がほぼ回帰直線上にあり,拘束荷重とせん. Tensile Bond Strength.” Journal of Materials in Civil. 断強度の間には線形関係があることがわかる.. Engineering, Vol.17, No.6, pp.725-732, 2005..

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