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飛鳥出土の二つの尖頭器

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Academic year: 2021

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飛鳥出土の二つの尖頭器

はじめに現在調査巾の飛鳥池遺跡は、I I f 代の総合工房 として注目を集めているが、同遺跡からは純文時代や弥 生時代の遺物も出土している。今回は細文時代草創期の 二点の尖頭器について紹介する。

出土した尖頭器は水菜形尖頭器(飛烏膝原第8 4 次洲在)

と有舌尖頭器(飛鳥藤原第8 7 次調査)で、2点とも原位 侭を離れた7世紀の盤地土層から発見された。

木葉形尖頭器(図左)裏面左に残る剥離面から横長剥片 を素材としたことがわかる。現存長は9 . 1 c m、先端をわず かに欠損するが10c mほどに復原できる。雄大幅(3 . 7 c m)

は胴部中央にあり、先端、末端へと弧状にのび、基部は やや丸みをもつ。雄大厚は1 . 0 c m・尖頭部は基部に比して 厚くするために剥離角が小さく、逆に基部は器厚を薄く するため剥離が器体深部にまで達する。尖頭部に強度を もたせ、基部は器厚を薄くして着柄しやすくするための 加工であろう。周辺に細かい最終調盤を施して形状を整 えている。

有舌尖頭器(図右)先端と舌部を欠扱するが、全長7cm ほどに復原できる。現存岐大幅2 . 6 c m・現存雄大厚0 . 5 c m・

基部は幅広で逆刺を持たず、逆三角形状の舌部両側が内 簿する。形態的には西1 ‑ 1 本に広く分布する柳又型の範鴫 に入る。表面、裏面とも明瞭な抑圧剥離が施され、細か い調整加工で舌部と器体周辺を整えている。素材剥片の

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飛鳥池遺跡出十の木葉形尖頭器と有舌尖頭器1:2

剥離面は残っていない。有舌尖頭器は奈良県内では他に 明日香村桁前・脇田巡跡(北村1 9 8 8 )の奈良時代後半の 溝出.k 例、柵原市川西町採集例(秋枝1 9 7 2 ) 、榛原町内 牧採集例(柳沢1 9 9 0 )などがある。有舌尖頭器は投げ槍 の一睡として使用されたと考えられ、その使用法からも 単独出土例が多い。近畿地方でも表面採集か、二次的に 移動した状態での発掘例がほとんどで、土器や他の器種 の石器などと共作することもなく、遺物組成に関しては 不明な点が多い。他地域の迩物組成による編年(増田 1 9 8 1 )によれば、細隆起線文土器および石雛を伴う第Ⅲ 段階として位瞳づけられている。

尖頭器の年代二点ともサヌカイト製の尖頭器であるが、

両者には風化の度合に明瞭な差が認められる。すなわち 木葉形尖頭器がより風化の進んだ灰色を呈するのに対し て、有舌尖頭器はより原材に近い暗灰色を呈している。

この差がI l 1 j 者の製作の時期差を示すのか、あるいは土中 の環境の違いに起因した現象であるのかは定かではない。

しかし該期の有舌尖頭器に水菜形尖頭器が伴うことは、

十分あり得ることである。周辺における旧石器時代の遺 跡が未発兇である以上、この木葉形尖頭器も右舌尖頭器 と近い時期、あるいは同時期の所産と考えた方がよいだ ろう。

まとめ7世紀の整地土府出上の遺物ではあるが、飛鳥 池周辺、特に飛鳥川右岸の飛鳥池から南東方 向にのびる丘陵kに未発見の細文時代草創期 の遺跡があり、往時にはこの二つの尖頭器を 使って狩りをしていたことが偲ばれる。この ことは二本とも先端部が尖頭器通有の折れを示 していることからも明らかである。

識 、 ( 水 戸 部 秀 樹 ・ 松 村 恵 司 / 飛 鳥 藤 服 寓 跡 発 捌 捌 炎 部 )

参ど文献北村懸彦:1988「愉前・脇1 1 1 遺跡」「明Ⅱ祷村遺跡洲在概報」

昭和6 2 年度明1 1 芥村数行委此会

秋枝芳:1972「奈良県柵原I l i 川1 1 W町発兄の有舌尖頭器」

「 i I f 代学研究』第6 3 妙I I i 代峨研究会

柳沢.宏:1990「奈良リ ! ↓ ' i : 陀郡榛脈町内牧採集のイ 『舌尖馴 器」『l I Mi 器考占学」. l l l I l イ i 器文化談話会

j WI I I ‑ 裕:1981「イ 活尖飢器の再検討」1 . 1 1 1 イ i 器碁古学j22 Illイ i 器文化談話会

奈 文 研 年 慨 / 1 9 9 9 ‑ 1 7

参照

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