労働組合と若年女性
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(2) 労働組合と若年女性. 173. 労働者の8割以上が未組織という状況が続いて. け,組織拡大戦略と人的・組織的・財政的位置. いる。また,労働組合員数も2007年は約1,008. づけ,組織拡大の達成度についての検証が行わ. 万人と増加に転じたものの,1994年の1,269. れており,ナショナルセンターの地方組織が企. 万9千人をピークにその数は減少を続けきた。. 業別組合,産業別組織の組織化努力を補うこと. こうした現状を踏まえ,本節では,1990年代. の必要性や新しく結成される労働組合の組織構. 以降の労働組合の動向を対象としたいくつかの. 築の方法が提示されている。. 研究と最近の労働組合研究から主に2つの研究. また,日本の労働組合における組織拡大に. をとりあげる。 ひとつは,中村圭介・連合総研. は,産業別組織の役割が大きいが,各組織との. 編(2005)『衰退か再生か:労働組合活性化へ. 役割分担,人的・財政的体制,さらに組織化に. の道』,もうひとつは鈴木玲・早川征一郎編著. 向けたモデルの選択には,企業別組合の企業規. (2006)『労働組合の組織拡大戦略』である。. 模や産業によって違いがみられる。. これら2つの研究は,手法や分析の対象には. では,「労働組合再活性化」研究(2)の分析枠組. 違いがみられるものの,研究の背景やその目的. みに基づき,企業別に分散化した団体交渉制. は共通している。 研究の背景には,労働組合の. 度,労働組合に対する制度的支援の欠如といっ. 組織率の低下があり,その1つの要因として非. た日本の労使関係制度の特敬,また労使関係制. 正規労働者の増加に注目をしている。. また,両. 研究の目的は,労働組合の現状の把握と再活性 化に向けた対応策の検討といえるだろう。. そこ. 鈴木・早川. 度の変化(3)から日本の産業別組織の組織拡大戦 その結果,大企業労組の影 略を分析している。 響が強く,組合が企業レベルの労使関係制度に. では,現在の労働組合の停滞を克服するために. 「埋め込まれている」程度の高い産業別組織で. は,既存の組合員の減少を食い止め,未組織労. は,「パートナーシップ・モデル」(労働組合が. 働者を労働組合運動に取り込むことが急務であ. 経営者と労使協調や生産性向上などに基づいた. る,とされている。. つまり,労働組合にとって. パートナーシップ協定を結ぶことによって,す. 組織拡大が最重要課題であるということが共通. でに組織化されている企業の組合と団体交渉権. の認識となっており,組織拡大に向けた既存の. を維持し,未組織企業‑の組織拡大を行う)が. 労働組合(の活動)の見直しや労働組合の新た. とられており,企業レベルの労使関係制度に. な転換の必要性が提起されている。. 「埋め込まれている」程度が低い中小企業組合 やコミュニティユニオンでは,「組織化モデル」. (1)組合の組織構造と組織拡大. (一般組合員の労働組合‑の関与を強めて職場. ①ナショナルセンター,産業別組織,企業別. の組合活動を活性化させ,活動家と一部の組合. 組合 鈴木・早川は,労働組合組織の各レベル,各 形態での組織拡大戦略を提起している。. そこで. 員が末粗放労働者を積極的な方法で組織化)を しかし,こうし 採用する傾向がある,とする。 た制度的説明では現在の産業別組織の組織拡大. は,ナショナルセンターが主体になる組織化に. 戦略を十分に説明することは難しく,産業別組. ついて,労働組合運動全体での組織化の位置づ. 織の組織拡大戦略には,各産別の加盟組合に対.
(3) 174. する権限の違い,すなわち,産別専従役員の加 政策制度要求や雇用政策への関与,社会参加活 盟組合の影響からの自立性が関連しており,さ 動等の事例が紹介されている[中村・連合総研 らに産業別組織の幹部の労使関係に対する考え 2005:193‑215]o 方やビジョンの違いが組織拡大戦略の方向性に また,鈴木・早川は,地方組織(ローカルセ [鈴木・ 大きな影響を及ぼしている,'とする。. ンター)における組織化に関連して,企業別組. 早川2006:285‑303]c. 合主義を維持したままでの組織拡大の是非を問. 、さらに,企業別組合に目を向けると,企業規 い[鈴木・早川2006:119‑121],また,パート 模によって必要な戦略は異なり,大企業で既に 労働者の組織化に関しては,企業内階層横断的 組織されている企業別組合では,管理職・専門 組織化の追求だけでなく,業種・職種・地域別 職,出向・転籍した従業員,独立関連企業の従 の組織形態への改変の必要性を提起している 業員,また同じ職場で働く非正規労働者といっ [i」*‑‑・‑JII2006:145‑146] 2つの研究に共通する視点として,労働組合 たように労働者属性別に切り分けた組織化が必 要であり,各レベルの組織化主体の役割分担. という枠組みだけでなく,労働組合と市民活動. の必要性が提起されている[鈴木・早川2006: やNPO等との連携を取り上げていることも注 一方,未組織企業の多い中小企業に しかし,山口はNPOと労 目すべき点である。 171‑176]。 ついては,組織拡大は重要課題であり,専従の 働組合との関係について,労働組合は企業内組 全国オルグの配置,地域組織への個人加入とい 合であり実質的に組合員の共益団体という機能 う方法が中心的な取り組みになる,としている が強く,そのことから労働組合は企業と同様に [鈴木・早川2006:203‑206]c. 社会貢献団体の1つとしてNPOと関係してい くことが予測されるが,NPOやボランティア. ②企業を超えた労働組合. 活動を通じた労働組合の組織化や組織拡大は困. これまで日本の労働組合は「企業別」中心と 難であると指摘しており,NPOとの連携の難 されていたが,最近の研究では,地域組織の活 しさを示唆している[山口2003:30‑31]。 加えて,その他の組織拡大の主体として,鈴 動や地域・職種横断的な労働組合など企業の枠 木・早川では,公務員の労働組合や管理職組 組みを超えた労働組合の姿も取り上げられてい る。. 合,さらに,日本では新しい労働組合の形態. まず,中村・連合総研では,地域組織の専従 である「労働者供給・派遣業を通じた組織化」 者の存在が組織拡大に重要な役割を担うことが の事例が挙げられている[鈴木・早川2006: また,地域組織の機能につい 提示されている。. 26ト280]cこれは,主に自動車運送,港湾運送,. て,労働組合の信頼感の向上,組織化,政治活. 看護師,家政婦などの職種に限定されている. 動に好影響を与える可能性を持つという視点か が,企業別の組織化ではなく,横断的労働市場 ら,先進的な活動を行う地方連合会(連合の地 における職種別の組織化という点で,組織拡大 方組織)を取り上げ,「市民に顔を見せる活動 を担う」活動として,労働相談,地域における. の新たな戦略として今後注目される1つの形態 といえるだろう。.
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(5) 176. 献する,とするつ本田⊥成2006:71]。. の理解度をみると,回答者のうち半数以上が理. 以上のように,最近の研究では,パートタイ. 解している項目は「法定黄賃」のみで,それ以. ム労働者の組織化は労働組合の組織拡大に必須外の権利を理解しているものは半数以下と労働 の取り組みとされており,パートタイム労働者 者の権利が十分に理解されていないことが明ら また,同分析では,労働者の かとなっている。 の組織化がもたらす効果,さ・らに間接雇用の非 正規労働者の活用に対する組合の関与の必要性権利を理解している労働者で「労働組合は必 が示されている。. 要」′とする比率が高いことに注目し,組織拡大 を進めていく上で,労働者の権利理解を高める. (3)「組合離れ」と権利理解. 取り組みの必要性を提起している[中村・連合. 組織率が低下し,組合員が減少する中で,組. 総研2005:47‑681、。. 合員の「組合離れ」という現象も,労働組合に とって重要な課題である。 この「組合離れ」に. 3. 若年女性からみた労働組合. 関連して,都留は賃金水準や雇用の安定などの 上記のような研究動向を踏まえ,次に,本稿 基本的な労働条件に対する労働組合の取組みにの対象とする「若年女性」について,女性や若 対する評価,それらの部面での組合の有効性の 者に関するデータから,労働組合との関係を確 認識の低さが組合員の低参加に帰結している, 認する。 また,中村・連合総 とする[都留2002:136]。 研では,組合員による利害の共有,組合が利害 (1)女性の低い組織率 追求・擁護のために信頼でき有効であることを総務省統計局丁労働力調査」によると,1970 アピールすることの必要性を指摘しており,住 年以降,女性の雇用者数は増加をたどり,1970 民運動に対する意識との比較において,組合員 年の1,068万人から2007年には2,230万人とその による労働組合に対する信頼や期待が低下して数は倍増している(5)しかし,女性の労働組合 また,従来のようなイベン いる,と分析す、る。. 組織率は,男性のそれを下回る形で低下を続け. トを企画したり∴組合員同士の人間関係を親 ており,2007年には12.2%と女性雇用労働者の 密化させ,労働組合に親近感をもたせる方法. うち組合員であるものは1割強に過ぎない,と. つまり,女性の雇用労働者が は,濃密な人間関係を嫌うようになった一般的 いう現状である。 趨勢に反していると指摘する[中村・連合総研 倍増したにもかかわらず,それが組合組織率の 2005:123‑1431c. 変化に結びついていないのである。. また,中村・連合総研では,労働者の権利理. ・女性の場合,企業規模,産業,雇用形態にお. 解について,「労働組合の必要性」に対する意 ける分布が男性と異なり,これらが男性に比べ 民間雇用労働者を 識とのト関係を分析している。. 特に,女性の非 低い組織率をもたらしている。. 対象としたアンケート調査から,法律で定めら 正規職員・従業員割合(「労働力調査」)は2007 れている6つの権利(団結権,育児休業,残業. 年には53.5%と雇用者の半数以上を占める。 非. 有給休暇,未払賃金請求権) 割増,法定最賃,.. 正規化の動きと組織率の動向をみると,女性の.
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(7) 178. の制約上,性・年代別に詳細を確認することは をみることにする。 女性の労働組合に対する意 できないが,若年女性は最も組織率の低い層で 識を明らかにした数少ない研究の1つとして, あることが推測できるだろう。. この研究では, コリン・J・ボイルズがある。 組合加入・非加入別かつ年齢別の分析を行って. (3)若年女性による労働組合についての認知. おり,組合に加入している20代女性は,労働組. 日本の女性の就業パターンは結婚・出産を期. 合に対して最も肯定的なイメージを持ってお. に労働市場から追出し,子育てが一段落した. り,未組織の若い女性についても若い男性に比. 後,労働市場に再参入する,いわゆる「M字. べて組合に対して好意的であることが示されて. 型就労」という特徴があり,そのため若い女性 いる[コリンー・l・ボイルズ1994:3ト47]cで の就業は結婚・出産までの一時的なものであるは,現在の若年女性たちは労働組合に対してど とされてきた。 しかし,総務省統計局「労働力調査」から. のような意識を持っているのだろうか。 以下では,連合総合生活開発研究所(連合総. 1970年以降の年齢階級別の労働力率をみると, 研)が実施した「第13回勤労者短観勤労者の 女性の就業パターンには着実に変化がみられ. 仕事と暮らしについてのアンケート」(2007年. 依然としてM字型の形を残しているもの る。. 4月調査(7)のデータを使用して,最近の若年. の,高学歴化に伴う婚姻年齢,第一子出産年. このアン 女性の労働組合に対する意識をみる。. 齢の上昇等により労働市場から(一時)退出,. ケート調査は,調査対象が都市部に居住する民. 再参入の時期は後ろにずれ,また(一時)退. 間雇用労働者に限定されていることに留意が必. 出の時期にあたるM字の谷の部分は確実に引. 要であるが,雇用労働者の労働組合に対する意. き上げられている1970年では,M字の谷の. 識を把握できる数少ない調査の1つであり,ま. 部分(25‑29歳層)の労働力率は45.5%と5割. た,性・年齢を考慮し,再集計を行うことに. に満たなかったのに対し,2007年には,谷の部. よって,若年女性による労働組合の認知の状況. 分(30‑34歳層)の労働力率は64.0%と結婚・. が明らかとなる。. 出産期にあたる年齢層の女性においても,6割. まず,雇用形態別の分布をみると,34歳以下. の女性の正社員比率は56.0%となっており,労 以上が労働市場にとどまるようになったのであ つまり,若年女性の就業は一時的なもので 働力調査の分布に比べ,やや非正規労働者比率 る。 はなくなっており,このことは同時に彼女たち が高い(図2)0 が組合に加入しているのであれば,一時的な組 労働組合の加入状況をみると,勤め克,勤め 合員ではない,ということを意味するだろう。 先以外の労働組合に加入している比率は34歳 しかし,前述のように,若年女性は最も組織. 以下の女性で23.3%となっている034歳以下の. 率の低い層であり,そのため,若年女性と労働. 若年女性は35歳以上の女性に比べ,「勤め先に. 組合との関係は,労働組合に関するデータから ある労働組合に加入している」(19.0%)の比 そこで,既存の 導き出すことは容易ではない。. 率は高いが,「加入したことがない」の比率は. 意識調査から若年女性の労働組合に対する意識74.1%と35歳以上の女性,男性と比較して大幅.
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(9) 180. の設問を行っている。 調査結果をみると,34歳. の面からみても,他の年齢層の女性,また同年. 以下の若年女性が他の年齢層,男性に比べて認 齢層の男性と比較して,若年女性にとって労働 意識調 知している比率が高いのは,「育児休業制度」 組合は遠い存在であるといえるだろう。 それ以外の項目では, (51.7%)だけである。. 査からみる限り,彼女たちは労働組合を否定し. 同年代の34歳以下の男性と比べ,全ての項目で ているのではなく,その存在すらも意識してい また,労働者の権利理解に関 認知の比率は下回っており,また35歳以上の女 ないようである。 性と比較しても,「残業割り増し」以外の項目 しても,若年女性は他の年齢層の女性,また同 さらに,団結権に で認知している比率は低い。. 年齢層の男性と比較して,全般的に認知度が低. ついては,男女,年齢にかかわりなく,他の項. い傾向があり,特に,「団結権」を理解してい. 若年女性は非正規 目と比較して認知度合いが低いが,特に34歳以 る者は,1割強に過ぎない。 下の若年女性の認知の比率は12.1%と最低値を 労働者比率が高く,労働者の権利の理解度も低 示している(図6)0. 本来ならば労働組合によるサポートを最も い。. 以上のように,組織率からみても,また意識. 必要としている層であるにもかかわらず,労働. 図5 労働組合は必要か 0%. 20%. 40%. 60%. 80%. 00%. 田労働組合はどちらかといえばあった方がよい. 団労働組合は是非必要だ □労働組合はあつてもなく てもよい ■無回答. Eg 労働組合はない方がよい.. 出所:連合総研2007より筆者集計. 図6社会保障制度,労働法の認知度. し 0.020.040.060.080.0100.0 年金給付. ‑. gj脚 脚. ‑. 榔 FPq脚榊咽 Ⅶ さ 肘2脚. ‑. 還 蒜 扇 扇 還 扇 澗‑ ■. ゴ iコ こ 桝洲洲 ゴ Sffi P iSS S蔽ま i& sSBSiiニ iミ jこ m m m m揃う ミ 213ミ ミ 2ヨ ミ ミ う う 繭脳. 失業手当給付. 蒜題 " " " " ■ 崩ゴ 1 7 7 ̀ミ. 法定最低賃金 残業割り増し X. …肋 ミ プ ご ゴ ミ て ミ ミ 此 ミ ご ゴ と こ ミ ご ミ ゴ ゴ ゴ 思 肌淵ゴ ゴ ミ て ミ. ヨ 弧ミ こ ヨ コ ヨ S L B 8 .1 ヨ. 年次有給休暇 M 1 ウl …. 団結権 洲 、.Hナ. こ㌫こ. ナ+† H∵ +十 十 =. 育児休業. 出所:連合総研(2007)より筆者集計. 3 5 1 .7. こ. 岡 女 性. 34 歳 以 下. 田 女 性. 3 5歳 以 上. ロ 男 性. 3 4歳 以 下. EB 男 性. 3 5歳 以 上.
(10) 労働組合と若年女性 組合に関する情報が不足しているのである。. 181. 専従役員のキャリアの検討は組合内でのキャリ アアップやリーダー形成につながりうる。. 4. 労働組合にとっての若年女性. 他方で,ここ数年,非正規労働者の1つの形. 先にみた最近の研究においては,これまで労. 態として,請負労働者の増加に注目が集まり,. 働組合によるアプローチが届かなかった層,つ. またその働き方が問題視されている。. まり女性や若者,特に若年女性との関係につい. おける請負労働者は他の非正規労働者と比較し. ての議論はほとんど行われていない。. しかし,. 製造業に. このよう. て,若年男性の占める比率が高い(8)。. 若年男性や他の年齢層の女性と同様,若年女性. に非正規労働の形態は多様であり,そこで働く. は今後の活動の担い手としての活躍が期待され. 労働者も多様である。 労働組合の非正規労働者. るはずの存在であるにもかかわらず,これまで. の組識化はこうした彼ら・彼女らの働き方の多. 日本の労働組合が「大企業の企業別組合中心」,. 様性に即したアプローチの検討が必要となる。. 「男性正社貞中心」であったために,彼女たち. また,最近の動きとして,介護労働者や派遣 こ. にとって労働組合は遠い存在になっている。. 労働者については,クラフトユニオン(9)ゼネ. うした距離感は,裏を返せば,若年女性は労働. ラルユニオン(10)という形態の新しい組合が誕. 組合にとって最も組織化が難しい層であるとい. 生している。 こうした労働組合の形態は,労働. えるだろう。 彼女たちをいかに労働組合に取り. 組合による職業訓練や鈴木・早川で提示されて. 込めるかが,非正規労働者の組織化,さらに労. いたような「労働者供給・派遣事業」を組合自. 働組合の組織拡大のメルクマールになるのでは. 身が行う可能性を持っている(ll)。. ないだろうか0. や派遣労働者の組織化は労働組合全体の組織拡. そこで,本稿の前半で整理した最近の労働組. 大に大きく結びつくだけでなく,パートタイム. 合研究が提起する労働組合の組織拡大,活性化. 労働者の組織化と同様に多くの女性や若年男女. に向けた戦略を手がかりに,女性や若者,特に. を労働組合運動に取り込むことができる。. 「若年女性」という存在を通じて,今後労働組. 派遣労働については,その中心は若年女性で占. 合にとってどのようなアプローチが必要かにつ. められており(12)派遣労働者の組織化は,労. いて考察を試みたい。. 働組合と非正規労働者,そして若い女性との距 離を近づけるかもしれない。. 介護労働者. 労働組合と若い女. (1)非正規労働者の組織化. 性たちとの接近は,労働組合にとって,労働組. まず,非正規労働者の組織化についてみる. 合の存在すら意識していない彼女たちへのア. と,鈴木・早川では,パートタイム労働者の組. ピールの場面を増やすことだけでなく,彼女た. 織化が労働組合の活性化に結びつくと指摘して. ちの関心事から労働組合の活性化のヒントを得. おり,その際,パート専従役員のキャリアにつ. られることも考えられる。. いての検討の必要性が提起されていた0. パート. 特に. ただし,派遣労働. 者,請負労働者など間接雇用の非正規労働者の. タイム労働者の組織化は,結果として,多くの. 組織化,組合運営の難しさは,企業別組合中心. 女性や若者の組織化につながり,また,パート. でかつ組織率の低迷が続く日本の労働組合で.
(11) 182. は,たとえ派遣労働者,請負労働者として組合 性以上に,若年女性の職業生活においてもプラ 員になったとしても,その後正規労働者に転換 スの効果をもたらす可能性があり,それは結果 した際,組合員籍を維持できない,という点に として,労働組合の有効性を若年女性にアピー 企業別組合の枠を超えた労働組合の形態ルし,彼女たちと接近するチャンスになるかも ある。 は,既存の企業別組合との連携や,組合員に対 しれない。 また,労働者教育,労働組合教育に関して, する継続的なサポートという視点からの検討が 必要である0. アメリカでは大学の労働教育との連携が行わ れ,中でも女性のリーダーシップ訓練がより多. (2)労働組合の教育. くの女性を組織化する方向に結びつけられてき. 労働組合による教育は,主に組合員を対象とたことなど,労働組合による教育の有効性が確 したものに限られているが,従来の組合員向け 認できている(13)日本においても大学生を対 の教育の充実だけでなく,その対象を組合員以 象とした労働組合教育の試みがはじめられてい 外に拡大する方法も検討していかなければなら るが(14)こうした大学との連携を今後,若年 中村・連合総研の分析結果が示す ないだろう。 男女の組織化に結び付けていくための検討も必 ように,労働者の権利の理解度が高いほど,「労 要である。 働組合は必要」とする比率が高まるのであれ (3)市民NPOとの連携 ば,教育の内容を未組織労働者も含めた労働者 先に取り上げた2つの研究では,市民に労働 のための教育に拡大することで,労働組合‑の 組合の存在や活動をアピールし,また組織化に 関心を高めることにもつなげることができる。 特に,若年女性は労働者の権利に関する理解つなげることが提起されていた。 また,その 際,他の市民組織やNPO等との連携も視野に 度が他の層に比べて低く,労働者教育の必要性 これまで,日本 が最も高い層であるといえる。. 地域における活動,他の組織 いれられている。. との連携について若年女性の組織化という視点 における職業能力形成は新規学卒採用後の企業 内教育が中心であり,学校教育ではあまり行わ から考えると,労働組合がNPO等で活動を行 また1990年代以降,従来の れてこなかった。. う女性労働団体(15)やここ数年設立されている. 「学校経由の就職」という仕組みが崩壊してい フリーター,「ニート」対策,若年者の就業支 る中で,若者たちは就職に対するサポートの少 援を行う団体と連携していくことも1つの可能 そして,若者の ない労働市場の入り口に在る。. 性として考慮すべきであろう。. 女性や若者を対象としたNPO等の組織との 中でも女性は相対的に組織率の高い正社員への 連携だけでなく,「若者,女性が生き生きと活 ルートも若年男性以上に限定されたものとなっ つまり,労働者教育はその後の彼女ら 躍できる組合活動」を実現するためには,若者 ている。 を中心に展開されている組織からその運営手 のキャリア展開において,非常に重要なものと 労働組合による労働者教育 なるはずである。. 若年労働に関 法を学ぶこともできるだろう。. わる問題に取り組む団体の1つであるNPO法 は,教育内容の検討が必要ではあるが,若年男.
(12) 労働組合と若年女性. 183. 人POSSEは,労働組合役員からの「学生の実. そして,彼女たちの多くを占める非正規労 い。. 態を教えてほしい」との問いかけから活動がス. 働者の組織化を進め,「企業別組合」中心の既. タートしているPOSSEのメンバーは学生や. 存枠組みを超えたアプローチを検討することが. フリーターが中心であり,その主な活動は「若. 必要であり,何よりも彼女たちとの接近を図る. 者の『働くこと』に関する問題‑の取り組み」. ための方策を探らなければならない0. と「若者が集まり,交流し学べる場をつくる」. また,本稿では取り上げることができなかっ. ことである。 また,POSSEでは女性メンバー. たが,労働組合と若年女性との関係を考える. を対象に「g‑posse」というグループを作り,セ. 際,労働組合内部の男女平等推進(女性)組織. ミナーや参加者同士の交流を実施している。. 組. と若年男女組合員が活動の対象となる青年組織. 織の中での女性への焦点の当て方,また,イン. の位置づけを検討する必要がある。. ターネット等を通じた情報発信の仕方は,従来. 中の若年女性はこれら2つの組織の両方に位置. の労働組合運動にはなかった若者たちの視点や. づけられながらも,労働組合の中での彼女たち. 工夫が活かされているように見受けられる(16). の存在はみえにくい。 日本の労働組合における. NPO等との連携を探るだけでなく,こうした 組織の構造や道営から労働組合の組織構造,活 動のあり方を再検討することも必要だろう。. 労働組合の. 男女平等推進組織,青年組織はその位置づけが 時代とともに変化し,労働組合の各レベル,各 組織によってその形態は様々である。. しかし,. こうした労働組合内部の女性や若者について分 5. 今後の課題. 析した研究は日本ではほとんど存在しない(17). 日本の労働組合がおかれている現状と最近の. また,最近の研究で指摘されているように,若. 労働組合研究で提起された視点から,労働組合. 年層を中心に「組合離れ」が進んでいるという. にとっての「若年女性」という存在をみてきた。. 側面もあり,少なくとも現在の手法では,労働. その結果,「若年女性」という存在が労働組合. 組合の有効性をより広くアピールするための方. の組織拡大,そして労働組合研究の主要な対象. 法として,限界があることは否定できない。. として位置づけられてこなかったことが明らか. かし,実際の活動の中では,女性,若年男女組. となるが,昨今の労働組合研究における非正規. 合員においても,「親近感」が必要とされる場. 労働者の組織化,企業別組合の枠組みを超えた. 面があり,組合員間,組合職員や役員と組合員. 組織の検討,また教育活動,NPO等との連携. との間の「情報共有」という点で,男女平等推. といった視点は,労働組合にとって最も距離の. 進組織や青年組織が実施するイベントにも一定. 遠い「若年女性」との関係の構築を考察する上. の有効性があると考えられる。. でも共通する重要な視点であった。. も若年女性組合員が属する男女平等推進組織,. 今後,労働組合が組織を維持・拡大していく. 青年組織の組織構造やその活動内容を詳細に検. ためには,組合自身が若年男性のみならず若年. 討する必要がある。. 女性の組織化を進め,活動の主要な担い手とし. また,海外においては,本稿でも触れた労働. て育成していく必要性に気づかなければならな. 組合による教育に関して,女性組合員に対する. し. こうした点から.
(13) 181. 教育訓練,組合内部でのキャリアアップ,組 合における女性のリーダーシップなどについ. 働組合の戦略的選択として主に「組織化モデル」, 「サービス・モデル」,「パートナーシップ・モデ ル」の3つのモデルが示されている[鈴木・早川. ての研究が行われている[Briskin2006;Kirton 20061cまた,組合内部の女性組織との関係で は,(男性とは)分離した女性の組織化[Colgan andLedwith1996;Briskin1993]や組合における 女性グループの目的[ColganandLedwith1996;. 2006:285]。 (3)労使関係の変化について,戎野は経済・社会環 境の変化に伴い,企業は国際化の流れを受け,ま た労働者は自らの働き方や労働に対する孝え方が 多様化しており,従来の日本的労使関係が,「疎隔 化した労使関係」‑と変化しているとし,さらに. BraithwaiteandByrne1995;Parker2002]につい. 労使関係が「短期化」,「個別化」している,とす る。また,国際化や非正規労働者の増加によって,. てなどの議論がされており,そのほか,女性の. 従来とは異なる性格を持つ労使関係が生み出され. 組合への加入と参加による家族,組合,仕事,. ており,それらが日本的労使関係の代替的役割を 果たすことによって,労働組合が様々な労使関係. フェミニズムへの影響についての研究も行われ さらに,労働組合と若. の中の1つを代表する組織に過ぎなくなっている,. ている[Kirton2005]。 年層との関係については,若年層の労働組合に. と指摘している[戎野2006]c. 対する意識[WaddigtonandKerr2002]や若者. あるわけではない2007年6月時点のパートタイ. を対象とした組織化[Tannock2001]について. ム労働者の推定組織率は4.8%である。 (5)雇用者数は非農林業における数。 休業者を除く。. これらは,日本の労働組合にお の研究もある。. (4)ただし,非正規職員・従業員全てが非組合員で. (6)熊沢は若年層と労働組合との関係について,労. いて組合と女性,若年男女との関係を考えてい. 働組合は労働のきびしい状況に悩む若者からもっ. く上でも,参照すべき研究であり,こうした海. とも忘れられた存在であり,既存の労働組合は長. 外における先行研究を踏まえた組合と若年女性 との関係の考察についても今後の課題とした OR 〔投稿受理日2008. 5.24/掲載決定日2008.6.16〕. 注 (1)厚生労働省「労使関係総合調査(労働組合活動. 時間労働や仕事のノルマによる正社員の心身の疲 労,フリーターの生括不安定を含む若者労働の現 状を克服するには制度疲労に陥っており,無力で ある,と指摘する。[熊沢2006:39‑53,113‑115]。 (7)首都圏,関西圏に居住する20歳から59歳までの 民間雇用労働者を対象とし,㈱インテ‑ジのモニ ターを使用している。 調査期間は2007年3月31 日〜4月10日。 有効回答数は738件,有効回収率は 82.0%である。 本分析の性・年代グループ別の内. 実態調査)」から労働組合員の平均年齢階級別割合. 訳は,女性34歳以下が116名,女性35歳以上が167. をみると,2000年調査では,34歳以下が25.9%を占. 名,男性34歳以下150名,男性35歳以上305名であ. めていたが,2005年には19.8%とたった5年間で また,この調査以 6.1%ポイントも低下している。. り,調査対象者の組合加入率は24.4%である。ま. 外に労働組合員に関する年齢別のデータはない。 (2)労働組合を労働市場の変化や経営者の人事管理. で使用されているデータと同じ調査である。 (8)厚生労働省「労働力需給制度についてのアン. 政策に受身的に対応するアクターとしてではなく,. ケート調査」(2005)よると,請負労働者の性別割. 「戦略的アクター」として捉え,労使関係制度など. 合は男性69.9%,女性29.8%,年齢別構成は20代が. の外部要因の制約のなかでも一定の組合再活性化. 35.4%,30代が34.3%,40代が15.7%,50代以上が. にむけての政策あるいは戦略の選択の幅をもつこ とを前提とする0 組合再活性化研究の中でも特に. 10.7%であり,平均年齢は34.8歳となっている。 (9)たとえば,Ulゼンセン同盟日本介護クラフトユ. 労働組合の組織拡大に焦点をあてた研究では,労. ニオン(NCCU,2000年結成)がある。. た,この調査は,中村・連合総研(2005)の分析.
(14) 労働組合と若年女性. 185. do)たとえば,Ulゼンセン同盟人材サービスゼネラ. い状況が生じている,とする。 その上で,フェミ. ルユニオン(JSGU,2004年結成)がある。 (ll)連合が設立した職業紹介,人材派遣会社である. ニズムの視点,特にジェンダーの視点での分析や. ㈱ワークネットでは,登録し,派遣スタッフとし. 重要課題に位置づけること,そして,企業,雇用. て仕事をする労働者を対象にワークネットスタッ フユニオンが組織されている。 この組合の上部団. 形態を超えて理解を促進し,課題とエネルギーを. 体は連合ユニオン東京である。. という視点から,労働組合における女性組織の必. (12)厚生労働省「派遣労働者実態調査」(2005)年に. 要性を指摘している[本間2000]。. 非正規労働者のジェンダー問題を労働組合運動の. 共有できる多様なネットワーク活動が必要である. よると,派遣労働者総数のうち62.8%が女性で占 められている(事業所調査)0. また,年齢階級別に. 参考文献. みると,女性派遣労働者のうち,64.0%が34歳以下. (日本語文献). で占められている。 AFL‑CIOと労働組合女性連合(CLUW)は,全. 戎野淑子2006. 『労使関係の変容と人材育成』,慶. 米大学労働教育協会(UCLEA)と地域サマー・ス. 共学殊2004. 「パートタイマーの組織化と意見反映. クールを主催し,女性組合員教育を行っている。 [Needleman2001:183]o. システム‑同質化戦略と異質化戦略」,『日本労働. (14)労働者教育と教育文化活動の振興を目的として. 木下武男2000. 「労働連動フェミニズムの提起一労. 設立されている社団法人教育文化協会では,2005. 働連動にフェミニズムの視点を‑」,『女性労働研. 年度より複数の大学で寄附講座を実施している。. 究』No. 38,pp・6‑14.. (15)最近の動きとして「働く女性の教育ネットワー. 熊沢誠2006.. ク」(2004発足),「働く女性の全国センター」(2007. も「燃えつきもせず」‑』ミネルヴァ書房.. 発足)など女性労働者を支援する全国組織が誕生 している。 また,海外では,労働組合と他の女性. 厚生労働省「労働組合基礎調査」.. 労働団体との連携についての研究も行われている. 実態調査)」.. [Cook1992など]。. ‑2005.. POSSEホームページhttp://www. 年5月18日),今野[2006]を参照。. jp/(2008 np∫∫‑e.. 応義塾大学出版会.. 研究雑誌』No. 527,pp. 31‑47.. ‑2000,2005.. 『若者が働くとき‑「使い捨てられ」. 「労使関係総合調査(労働組合活動. 「派遣労働者実態調査」.. ・2005. 「労働力需給制度についてのアンケート調 査集計結果」.. (17)日本においても,企業の人事管理施策の1つで. コリン・J・ボイルズ1994. 「女性の組合意識と加入. あるファミリーフレンドリー施策を取り上げ,労. 行動」,橘木俊詔・連合総研編『労働組合の経済学』. 働組合の女性担当部門の存在の効果を明らかにし た研究がある[前田20031c. pp. 31‑53. 今野晴貴2006. 「労働問題に取り組むNPO結成一. また,フェミニズムの視点からの労働組合に関. 学生,フリーターなど青年自身が調査や討論会」,. する研究として,木下はこれまで日本の労働組合. 『月刊労働組合』Sep.9pp. 25‑29. 鈴木玲・早川征一郎編著2006. 『労働組合の組織. は女性労働者が増加し続けているにもかかわらず 未組織労働者を組織しようとせず,さらに民間大 企業の労働組合が協調的に変化してきたことに伴. 拡大戦略』御茶の水書房. 総務省統計局「労働力調査」.. い女性の連帯が切断されてきたことを指摘し,さ. 都留康2002.. らに,新しい個人加盟の労働組合と既存の労働組. ロ的・制度的分析』東洋経済新報社. 中村圭介・連合総合生活開発研究所編2005. 『衰退. 合の中で女性活動家が結集すること,そしてこれ らを支えるための個人加盟のボランティアによる NPO組織として,新しいネットワークを構築する 必要性を述べている[木下2000]。 また,本間は, 労働組合のジェンダーに対する意識の低さや,男 性中心の活動スタイルによって女性が参加しにく. 『労使関係のノンユニオン化‑ミク. か再生か:労働組合活性化への道』動草書房. 日本労働組合総連合会2003. 「連合評価委員会最終 報告」 本田一成2005. 「パートタイマーの組織化の意義一 基幹労働力化と処遇整備に注目して」,『日本労働.
(15) 186. (戸塚秀夫監訳2001.『新世 研究雑誌』No. 544,pp. 60‑73. Gregory,Routledge. 『若者と仕事「学校経由の就職」を 本田由紀2005. 紀の労働運動‑アメリカの実践』,緑風出版pp. 超えて』東京大学出版会.. 182‑206. 「労働組合女性部(婦人部)とフェ 本間童子2000. Parker,Jane2002. WomensGroupsinBritishUnions", ミニズムー運動を前進させるツールとして‑」,BritishJournalofIndustrialRelations,40:1,23‑48. 『女性労働研究』No. 38,pp. 15‑23. Tannock,Stuart2001. YOUTHATWORKTheUnionized 前田正子2002. 「ファミリーフレンドリーな職場と Fast‑foodandGroceryWorやIace,Philadelphia,Temple 労働組合の役割」,『日本労働研究雑誌』No. 503, pp. 43‑53・ 「NPO活動のための法的環境整 山口浩一郎2003. 備」,柑本労働研究雑誌』No. 515,pp. 21‑31.. (大石徹訳2006. 『使い捨てられる UniversityPress. 若者たちアメリカのフリーターと学生アルバイ ト』,岩波書店) Waddington,J. andA.Kerr2002. Unionsfitforyoung. 連合総合生活開発研究所2007. 「第13回勤労者短観. ∫trialRelationJJournal,33:4,298‑315. workers,Indu. 勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査 報告書」. (英語文献) Braithwaite,M. andC.Byrne1995. WomeninDeri,∫ion makinginTradeUnion∫,Brussels,EuropeanTradeUnion Confederation. Briskin,Linda1993. Unionwomenandseparate organizinglnWomenChallengingUnion∫蝣,Femini,∫m, BriskinandP. DemocracyandMilitancy,editedbyL. Mctermott,Toronto,UniversityofTorontoPress,pp. 89‑108. 2006.. Victimisationandagency:thesocial. constructionofunionwomensleadership,Indu∫trial Relation,JJournal,37:4,359‑378. Colgan,FionaandLedwith,Sue1996. Sistersorganising ‑womenandtheirtradeunions,InWomanin Organi∫ation∫:ChallengingGenderPolitics,editedby Ledwith,SueandFionaColgan,London,Macmillan Business,153‑185. Cook,AliceHanson,Lorwin,ValR. andDaniels,Ailene Kaplan1992. TheMOプ/DifficultRevolution:Womanand TradeUnioni∫,IthacaandLondon,CornellUniversity Press. Kirton,Gill2005. Theinfluencesonwomenjoiningand ∫trialRelation∫Journal,36: participatinginunions,Indu. 5,386‑401. 2006.. TheMakingofWomenTradeUnionists,Ashgate. PubCo. Needleman,Ruth1998. WomenWorkers:Strategiesfor InclusionandRebuildingUnionism,InANewLabor MovementfoγtheNewCentury,editedbyMantsios,.
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