平成 30 年 10 月 地震・火山月報(防災編)
Monthly Report on Earthquakes and Volcanoes in Japan
October 2018
気
象
庁
Japan Meteorological Agency
震度1以上を観測した地震と
火山現象に関する警報発表中の火山
(平成 30 年 10 月 31 日現在) 1吾妻山 2草津白根山 (白根山(湯釜付近)) 3草津白根山 (本白根山) 4西之島 5硫黄島 6福徳岡ノ場 7霧島山 (えびの高原(硫黄山 )周辺) 8霧島山 (新燃岳) 9桜島 10口永良部島 11諏訪之瀬島5
火山現象に関する 警報発表中の火山7、
4
9
6
2
11
3
、
10
8
1
気象庁では、平成9年11月10日より、国・地方公共団体及び住民が一体となった緊急防災対応
の迅速かつ円滑な実施に資するため、気象庁の震度計の観測データに合わせて地方公共団体
*及
び国立研究開発法人防災科学技術研究所から提供されたものも震度情報として発表している。
また、気象庁では、地震防災対策特別措置法の趣旨に沿って、平成9年10月1日より、大学や
国立研究開発法人防災科学技術研究所等の関係機関から地震観測データの提供を受け
**、文部科
学省と協力してこれを整理し、整理結果等を、同法に基づいて設置された地震調査研究推進本部
地震調査委員会に提供するとともに、気象業務の一環として防災情報として適宜発表する等活用
している。
本誌で使用している震源位置・マグニチュードは世界測地系(Japanese Geodetic Datum 2000)
に基づいて計算したものである。
注* 平成30年10月31日現在:北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、 埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知 県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、 徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県、札幌 市(北海道)、仙台市(宮城県)、千葉市(千葉県)、横浜市(神奈川県)、川崎市(神奈川県)、相模原市(神 奈川県)、名古屋市(愛知県)、京都市(京都府)の47都道府県、8政令指定都市。 注**平成 30 年 10 月 31 日現在:国立研究開発法人防災科学技術研究所、北海道大学、弘前大学、東北大学、東京大学、 名古屋大学、京都大学、高知大学、九州大学、鹿児島大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国土地理院、 国立研究開発法人海洋研究開発機構、公益財団法人地震予知総合研究振興会、青森県、東京都、静岡県、神奈川県 温泉地学研究所及び気象庁のデータを基に作成している。また、2016 年熊本地震合同観測グループのオンライン臨 時観測点(河原、熊野座)、米国大学間地震学研究連合(IRIS)の観測点(台北、玉峰、寧安橋、玉里、台東)の データを利用している。 □本書利用上の注意 ・震央分布図中の語句について M:マグニチュード(通常、揺れの最大振幅から推定した気象庁マグニチュードだが、気象庁 CMT 解のモーメントマグニ チュードの場合がある。) Mw:モーメントマグニチュード(特にことわりがない限り、気象庁 CMT 解のモーメントマグニチュードを表す。) depth:深さ(km) UND:マグニチュードの決まらない地震が含まれていることを意味する。 N=xx,yy/ZZ:図中に表示している地震の回数を表す(通常図の右肩上に示してある)。ZZ は回数の総数を表し、xx,yy は 期間別に表示色を変更している場合に、期間毎の回数を表す。 ・発震機構解について 本書での発震機構解の図は下半球投影である。また、本書での発震機構解は、特にことわりがない限り、初動による発 震機構解である。初動発震機構解が求められない場合や、十分な精度が得られない場合には、初動発震機構解に替えて CMT 解を掲載する場合がある。 ・発震機構解の図中の語句について P:P軸(圧力軸) T:T軸(張力軸) N:N軸(中立軸) ・Global CMT解について Global CMT解は、米国のコロンビア大学とハーバード大学で行っている、世界で発生した規模の大きな地震のCMT解を求 めるプロジェクト(Global CMT Project)により求められた解である。 ・M-T図について 縦軸にマグニチュード(M)、横軸に時間(T)を表示した図であり、地震活動の経過を見るために用いる。 ・震央地名について 本書での震央地名は、原則として情報発表時に使用したものを用いるが、震央を精査した結果等により、情報発表時と は異なる震央地名を用いる場合がある。なお、情報発表時の震央地名及びその領域については、各年の「地震・火山月報 (防災編)」1月号の付録「地震・火山月報(防災編)で用いる震央地名」を参照のこと。 ・震源と震央について 震源とは地震の発生原因である地球内部の岩石の破壊が開始した点であり、震源の真上の地点を震央という。 ・地震の震源要素等について 2016 年4月1日以降の震源では、M の小さな地震は、自動処理による震源を表示している場合がある。自動処理による 震源は、震源誤差の大きなものが表示されることがある。 震源の深さを「CMT 解による」とした場合は、気象庁 CMT 解のセントロイド(破壊の重心)の深さを用いている。 地震の震源要素、発震機構解、震度データ等は、再調査後、修正することがある。確定した値、算出方法については、 地震月報(カタログ編)[気象庁ホームページ:https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/bulletin/index.html]に掲 載する。 ・火山の活動解説の火山性地震回数等について 火山性地震や火山性微動の回数等は、再調査後、修正することがある。確定した値については、火山月報(カタログ編) [気象庁ホームページ:https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/bulletin/index_vcatalog.html]に掲 載する。 ・本書で使用した地図等について 本書中の地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の『数値地図 25000(行政界・海岸線)』を 使用した(承認番号 平 29 情使、第 798 号)。また、震央分布図等に表記した活断層は、地震調査研究推進本部の長期 評価による。・図版作成には一部 GMT(Generic Mapping Tool[Wessel,P., and W.H.F.Smith, New, improved version of Generic Mapping Tools released, EOS Trans. Amer. Geophys. U., vol.79 (47), pp.579, 1998]) を使用した。
● 日本及びその周辺での主な地震活動
1
北海道地方の地震活動
7
東北地方の地震活動
13
関東・中部地方の地震活動
16
近畿・中国・四国地方の地震活動
22
九州地方の地震活動
23
沖縄地方の地震活動
24
その他の地域の地震活動
26
● 南海トラフ周辺の地殻活動
27
● 日本の主な火山活動
70
北海道地方の火山活動
81
東北地方の火山活動
83
関東・中部地方及び伊豆・小笠原諸島の火山活動
85
近畿・中国・四国地方の火山活動
89
九州地方の火山活動
90
沖縄地方の火山活動
94
火山現象に関する特別警報、警報、予報及び情報等の発表履歴
95
● 世界の主な地震
113
● 世界の主な火山活動
115
●
付録
1.震度1以上を観測した地震の表
116
2.過去1年間に震度1以上を観測した地震の最大震度別の月別回数
146
3.日本及びその周辺におけるマグニチュード(M)別の月別地震回数
147
4.緊急地震速報の提供状況
148
5.長周期地震動階級1以上を観測した地震
155
目 次
平成 30 年(2018 年)10 月に日本国内で震度4以上を観測した地震の回数は 11 回(9月は 21
回)
、日本及びその周辺で発生した M4.0 以上の地震の回数は 96 回(9月は 137 回)であった(図
1)
。
10 月中に発生した主な地震を表1、震度1以上を観測した地震の震央を図2、M4.0 以上の地震の
震央を図3、震度4以上を観測した地震の震度分布図を図4に示す。10 月中に震度5弱以上を観
測した地震は1回、津波を観測した地震はなかった(9月は震度5弱以上を観測した地震が2回、
津波を観測した地震はなかった)
。
10 月5日 08 時 58 分に胆振地方中東部の深さ 31km で M5.2 の地震が発生した。
この地震により、
北海道厚真町、むかわ町、平取町で最大震度5弱を観測したほか、北海道地方と東北地方で震度
4~1を観測した。気象庁は緊急地震速報(警報)を発表した。
「平成 30 年北海道胆振東部地震」の地震活動は、減衰しつつも継続しており、M4.0 以上の地
震が7回発生した。一連の地震活動により、死者 41 人、負傷者 749 人、住家全壊 415 棟などの被
害が発生した(11 月6日現在、総務省消防庁による)
。
図1 平成 30 年 10 月に日本及びその周辺で発生した M4.0 以上の地震の震央分布図
(図中に日時分、マグニチュードを付した地震は M5.0 以上の地震、または M4.0 以上で最大震度5弱以上を 観測した地震である)1
表1 平成 30 年 10 月に日本及びその周辺で発生した主な地震
(注1)(注2)(注3) M M w M H S T 掲 載 月 日 時 分 (注4) ペ ー ジ 1 「 平 成 30年 北 海 道 胆 振 東 部 地 震 」 の 地 震 活 動 期 間 中 、 最 大 震 度 4 以 上 を 観 測 す る 地 震 が 5 回 発 生 し 、 こ の う ち 最 大 規 模 の 地 震 は 、 10月 5 日 8 時 58分 に 胆 振 地 方 中 東 部 で 発 生 し た M5.2の 地 震 ( 最 大 震 度 5 弱 ) で あ る 。 10月 5 日 8 時 58分 の M5.2の 地 震 に 対 し て 、 緊 急 地 震 速 報 ( 警 報 ) を 発 表 被 害 : 死 者 41人 、 負 傷 者 749人 、 住 家 全 壊 415棟 な ど ( 11月 6 日 現 在 ) 4 、 8 ~ 11 2 10 4 0 15 千 葉 県 東 方 沖 4.7 4.6 ・ ・ S ・ 4 : 茨 城 県 神 栖 市 波 崎 * 千 葉 県 銚 子 市 川 口 町 銚 子 市 若 宮 町 * 緊 急 地 震 速 報 ( 警 報 ) を 発 表 5 、 17 3 10 7 10 14 愛 知 県 東 部 5.0 ― ・ ・ S ・ 4 : 長 野 県 根 羽 村 役 場 * 売 木 村 役 場 * 5 、 18 4 10 12 13 15 千 葉 県 北 東 部 5.2 5.3 ・ ・ S ・4 : 千 葉 県 多 古 町 多 古 横 芝 光 町 宮 川 * 横 芝 光 町 栗 山 * 山 武 市 松 尾 町 五 反 田 * 5 、 19 5 10 15 16 10 栃 木 県 北 部 3.7 ― ・ ・ S ・ 4 : 栃 木 県 日 光 市 湯 元 * 5 、 20 6 10 22 19 47 福 島 県 沖 5.0 4.9 ・ ・ S ・ 4 : 福 島 県 相 馬 市 中 村 * 6 、 14 10 23 13 34 6.1 5.8 M ・ ・ ・ 3 : 沖 縄 県 与 那 国 町 久 部 良 与 那 国 町 役 場 * 10 24 1 4 6.3 5.7 M ・ ・ ・3 : 沖 縄 県 与 那 国 町 久 部 良 与 那 国 町 役 場 * 緊 急 地 震 速 報 ( 警 報 ) を 発 表 8 10 26 3 36 宮 城 県 沖 5.7 5.7 ・ ・ S ・ 4 : 岩 手 県 一 関 市 花 泉 町 * 宮 城 県 気 仙 沼 市 赤 岩 な ど 2 県 14点 緊 急 地 震 速 報 ( 警 報 ) を 発 表 6 、 15 9 10 26 12 4 国 後 島 付 近 5.5 5.7 ・ ・ ・ ・3 : 北 海 道 斜 里 町 ウ ト ロ 香 川 * 標 津 町 北 2 条 * 羅 臼 町 緑 町 * 羅 臼 町 岬 町 * 12 10 10 27 9 8 茨 城 県 沖 5.0 4.8 ・ ・ ・ ・ 3 : 茨 城 県 日 立 市 助 川 小 学 校 * 日 立 市 十 王 町 友 部 * 21 7 与 那 国 島 近 海 25 最 大 震 度 ・ 被 害 状 況 等(注6) (注5) No. 震 源 時 震 央 地 名 9/6~ (注1)主な地震とは、図1の領域内で発生した①M6.0 以上、②震度4以上、③内陸 M4.5 以上かつ震度3、④海域 M5.0 以上かつ震度3、 ⑤その他注目した地震を指す。 (注2)震源時、震央地名、マグニチュードは再調査後、修正することがある。 (注3)空欄については、複数の地震による活動のため、記載していない場合がある。 (注4)Mw欄の「―」はMwが求められていないことを示す。 (注5)MHSTの各項目について、M:M6.0 以上の地震、H:被害を伴った地震、S:震度4以上を観測した地震、T:津波を観測した地 震、として該当項目にそれぞれの記号を記した。 (注6)最大震度の観測点名にある*印は地方公共団体もしくは国立研究開発法人防災科学技術研究所の震度観測点であることを表す。 被害状況について出典の記載がないものは総務省消防庁による。平成30年10月 地震・火山月報(防災編)
2
図2 平成 30 年 10 月に震度1以上を観測した地震(図中の番号は、表1の番号に対応)
図3 平成 30 年 10 月に発生した M4.0 以上の地震(図中の番号は、表1の番号に対応)
7
2
1
5
10
8
9
3
4
6
7
2
1
10
8
9
3
4
6
3
1 10 月5日8時 58 分 胆振地方中東部
(M5.2、深さ 31km、最大震度5弱)
(表示範囲は震度分布図の拡大図(左図)と同じ)
<推計震度分布図について> 地震の際に観測される震度は、ごく近い場所でも地盤の違いなどにより1階級程度異なることがある。また、このほか震度を 推計する際にも誤差が含まれるため、推計された震度と実際の震度が1階級程度ずれることがある。 このため、個々のメッシュの位置や震度の値ではなく、大きな震度の面的な広がり具合とその形状に着目して利用されたい。平取町
拡大図
推計震度分布
むかわ町
厚真町
平成30年10月 地震・火山月報(防災編)
4
4 10 月 12 日 13 時 15 分 千葉県北東部
(M5.2、深さ 52km、最大震度4)
5 10 月 15 日 16 時 10 分 栃木県北部
(M3.7、深さ3km、最大震度4)
6 10 月 22 日 19 時 47 分 福島県沖
(M5.0、深さ 49km、最大震度4)
図4 震度分布図及び推計震度分布図
(各図の左上の数字は表1、図2、図3の番号に対応する。
+
印は震央を示す)
※その他の地震の震度分布図については、気象庁 HP の震度データベース (https://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/index.php)をご覧ください。8 10 月 26 日 03 時 36 分 宮城県沖
(M5.7、深さ 49km、最大震度4)
平成30年10月 地震・火山月報(防災編)
6
○北海道地方の地震活動
図5 北海道地方の震央分布図(2018 年 10 月1日~10 月 31 日、M≧0.5)
[概況]
10 月に北海道地方で震度1以上を観測した地震は 50 回(9月は 286 回)であった。
10 月中の主な地震活動は次のとおりである。
「平成 30 年北海道胆振東部地震」
(図5中の領
域 a)の地震発生数は緩やかに減少している。10
月1日から 31 日までの最大規模の地震は、5日
08 時 58 分に胆振地方中東部で発生した M5.2 の地
震(最大震度5弱、深さ 31km)であった。また、
震度1以上を観測した地震が 35 回(最大震度 5
弱:1回、4:4回、3:2回、2:6回、1:
22 回)発生した。
(p4、8~11 参照)
。
26 日 12 時 04 分に国後島付近の深さ 20km で M5.5
の地震(図5中のb)が発生し、北海道斜里町、
標津町、羅臼町で震度3を観測したほか、北海道
東部で震度2~1を観測した(p12 参照)
。
a
b
7
「平成 30 年北海道胆振東部地震」の地震活動
2018 年9月6日 03 時 07 分に胆振地方中東部の深さ 37km で M6.7 の地震(最大震度7、「平成 30
年北海道胆振東部地震」
)が発生した。その後、この地震の震源を含む南北約 30km の範囲(下図領域
a)で地震活動が活発になった。
10 月末現在、地震発生数は緩やかに減少しているが、地震活動は継続している。10 月1日から 31
日までの最大規模の地震は、10 月5日 08 時 58 分に発生した M5.2 の地震(最大震度5弱)である。
また、M4.0 以上の地震が7回、最大震度4以上の地震が5回発生した。
一連の地震活動により、死者 41 人、負傷者 749 人、住家全壊 415 棟などの被害が発生した(11 月
6日 10 時 00 分現在、総務省消防庁による)
。
表 「平成 30 年北海道胆振東部地震」による被害状況
(平成 30 年 11 月6日 10 時 00 分現在、総務省消防庁による)
都
道
府
県
地方
人的被害
住家被害
非住家
被害
火災
死者
負傷者
全壊
半壊
一部
破損
重傷
軽傷
人
人
人
棟
棟
棟
棟
件
北
海
道
空知
1
5
2
69
石狩
1
4
320
103
566 3,861
33
胆振
39
10
339
310
722 4,124
2,226
2
日高
1
1
39
2
55
542
1
渡島
10
1
10
宗谷
1
十勝
2
16
1
釧路
1
計
41
18
731
415 1,346 8,607
2,260
2
10 月の最大規模の地震震央分布図
(2018 年9月6日~2018 年 10 月 31 日、深さ0~60km、M≧2.0)
10 月の地震を赤く表示
M5.0 以上の地震(10 月は震 度4以上を観測した地震) に吹き出しをつけている。 北海道周辺の地図a
石狩低地東縁断層帯 南部 石狩低地東縁断層帯 主部 震央分布図中の茶線は、地震調査研究推進本部の長期評価による活断層を示す。平成30年10月 地震・火山月報(防災編)
8
通番
発震時
震央地名
深さ
M
最大震度
1
10 月1日
11 時 22 分
胆振地方中東部
35
4.7
4
2
10 月5日
08 時 58 分
胆振地方中東部
31
5.2
5弱
3
10 月8日
21 時 53 分
胆振地方中東部
32
4.3
4
4
10 月9日
02 時 45 分
胆振地方中東部
32
4.3
4
5
10 月 12 日
09 時 14 分
胆振地方中東部
23
4.6
4
領域a内のM-T図及び回数積算図
領域a内の時空間分布図(南北投影)
領域a内の断面図(東西投影)
領域a内の時空間分布図(東西投影)
北
南
東
西
西
東
9
1 2 3 4 5弱 5強 6弱 6強 7 回数 累計 9月6日 03時-24時 72 34 16 6 1 0 0 0 1 130 130 9月7日 00時-24時 22 8 7 2 0 0 0 0 0 39 169 9月8日 00時-24時 10 9 1 1 0 0 0 0 0 21 190 9月9日 00時-24時 13 3 0 1 0 0 0 0 0 17 207 9月10日 00時-24時 7 6 1 0 0 0 0 0 0 14 221 9月11日 00時-24時 3 4 1 2 0 0 0 0 0 10 231 9月12日 00時-24時 3 2 0 1 0 0 0 0 0 6 237 9月13日 00時-24時 0 1 2 0 0 0 0 0 0 3 240 9月14日 00時-24時 0 0 2 1 0 0 0 0 0 3 243 9月15日 00時-24時 3 3 0 0 0 0 0 0 0 6 249 9月16日 00時-24時 3 0 0 0 0 0 0 0 0 3 252 9月17日 00時-24時 4 0 0 1 0 0 0 0 0 5 257 9月18日 00時-24時 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2 259 9月19日 00時-24時 1 1 0 0 0 0 0 0 0 2 261 9月20日 00時-24時 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 261 9月21日 00時-24時 2 0 1 0 0 0 0 0 0 3 264 9月22日 00時-24時 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 265 9月23日 00時-24時 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 265 9月24日 00時-24時 0 1 1 0 0 0 0 0 0 2 267 9月25日 00時-24時 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 268 9月26日 00時-24時 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 269 9月27日 00時-24時 1 1 0 0 0 0 0 0 0 2 271 9月28日 00時-24時 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 272 9月29日 00時-24時 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 273 9月30日 00時-24時 3 0 0 1 0 0 0 0 0 4 277 10月1日 00時-24時 5 0 0 1 0 0 0 0 0 6 283 10月2日 00時-24時 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 284 10月3日 00時-24時 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 286 10月4日 00時-24時 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 286 10月5日 00時-24時 3 0 0 0 1 0 0 0 0 4 290 10月6日 00時-24時 0 1 1 0 0 0 0 0 0 2 292 10月7日 00時-24時 3 0 0 0 0 0 0 0 0 3 295 10月8日 00時-24時 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 296 10月9日 00時-24時 2 0 0 1 0 0 0 0 0 3 299 10月10日 00時-24時 1 1 0 0 0 0 0 0 0 2 301 10月11日 00時-24時 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 302 10月12日 00時-24時 0 1 0 1 0 0 0 0 0 2 304 10月13日 00時-24時 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 305 10月14日 00時-24時 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 306 10月15日 00時-24時 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 307 10月16日 00時-24時 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 307 10月17日 00時-24時 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 307 10月18日 00時-24時 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 308 10月19日 00時-24時 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 308 10月20日 00時-24時 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 309 10月21日 00時-24時 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 309 10月22日 00時-24時 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 309 10月23日 00時-24時 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 309 10月24日 00時-24時 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 310 10月25日 00時-24時 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 311 10月26日 00時-24時 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 311 10月27日 00時-24時 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 311 10月28日 00時-24時 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 311 10月29日 00時-24時 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 312 10月30日 00時-24時 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 312 10月31日 00時-24時 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 312 173 81 35 20 2 0 0 0 1 312 312 総計 時間帯 最大震度別回数 震度1以上を 観測した回数
平成30年10月 地震・火山月報(防災編)
10
10 月 26 日 国後島付近の地震
2018年10月26日12時04分に国後島付近の
深さ20kmでM5.5の地震(最大震度3)が発生
した。この地震は、発震機構(CMT解)が北
西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、陸
のプレートの地殻内で発生した。
2001年10月以降の活動をみると、今回の地
震の震源付近(領域a)では、M4.0程度の地
震がしばしば発生している。2017年11月30
日には、今回の地震の震央から北東に約80km
離れた場所でM5.4の地震(最大震度1)が発
生した。
1923年以降の活動をみると、今回の地震の
震央周辺(領域b)では、M5.0を超える地震
は4回発生していた。今回の地震の震央から
西南西に約120km離れた場所では、1956年3
月6日に網走沖でM6.3の地震(最大震度3)
が発生し、ごく軽微な被害が生じた(「日本
被害地震総覧」による)
。また、網走では7
cm(平常潮位からの最大の高さ)の津波を観
測した(「北海道の地震津波」
(札幌管区気象
台)による)
。
b
a
今回の地震震央分布図
(2001 年 10 月1日~2018 年 10 月 31 日、 深さ0~30km、M≧2.0) 2018 年 10 月の地震を赤く表示震央分布図
(1923 年1月1日~2018 年 10 月 31 日、 深さ0~50km、M≧5.0) 2018 年 10 月の地震を赤く表示領域b内のM-T図
領域a内のM-T図及び回数積算図
震央分布図中の茶線は、地震調査研究推進本部の 長期評価による活断層を示す。 北海道周辺の地図 国後島 知床半島 図中の発震機構は CMT 解 今回の地震 (2018 年 10 月 26 日~31 日)平成30年10月 地震・火山月報(防災編)
12
図5 東北地方の震央分布図(2017 年8月1日~8月 31 日、M≧0.5)
[概況]
8月に東北地方で震度1以上を観測した地震は 35 回(7月は 49 回)であった。
8月中の主な活動は次のとおりである。
※2016 年 11 月 22 日の地震(M7.4)付近で発生した震度 1以上を観測した地震のうち、深さが 40km より浅い震 源の地震を計数している図6 東北地方の震央分布図(2018 年 10 月1日~10 月 31 日、M≧0.5)
[概況]
10 月に東北地方で震度1以上を観測した地震は 54 回(9月は 51 回)であった。
10 月中の主な活動は次の通りである。
22 日 19 時 47 分に福島県沖の深さ 49km で M5.0
の地震(図6中の a)が発生し、福島県相馬市で
震度4を観測したほか、東北地方と関東地方で、
震度3~1を観測した。
(p6、14 参照)。
26 日 03 時 36 分に宮城県沖の深さ 49km で M5.7
の地震(図6中のb)が発生し、岩手県、宮城県
で震度4を観測したほか、北海道から関東信越地
方にかけて、震度3~1を観測した。(p6、15
参照)。
a
b
13
- 9 -
10 月 22 日 福島県沖の地震
2018 年 10 月 22 日 19 時47 分に福島県沖の深さ
49km で M5.0 の地震(最大震度4)が発生した。
この地震は発震機構(CMT 解)が西北西-東南東
方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレート
と陸のプレートの境界で発生した。
1997 年 10 月以降の活動をみると、今回の地震
の震源付近(領域b)では、「平成 23 年(2011
年)東北地方太平洋沖地震(以下、東北地方太平
洋沖地震)」の発生以降、地震活動が活発化し、
M5.0 以上の地震が 12 回発生している。
1923 年以降の活動をみると、今回の地震の震
央周辺(領域c)では、1938 年 11 月5日 17 時
43 分に M7.5 の地震が発生した。この地震により、
宮城県花淵で 113cm(全振幅)の津波が観測され
た。この地震の発生後、地震活動が活発となり、
同年 11 月 30 日までに M6.0 以上の地震が 24 回発
生していた。これらの地震により、死者1人、負
傷者9人、住家全壊4棟、半壊 29 棟などの被害
が生じた(「日本被害地震総覧」による)。
c
領域c内のM-T図
a
東北地方太平洋沖地震発生 (2011 年3月 11 日~2018 年 10 月 31 日) 今回の地震 福島県領域a内の断面図(A-B投影)
b
A
領域b内のM-T図及び回数積算図
震央分布図
(1997 年 10 月1日~2018 年 10 月 31 日、
深さ0~100km、M≧3.0)
東北地方太平洋沖地震発生以前に発生した地震を○、 東北地方太平洋沖地震発生以降に発生した地震を○、 2018 年 10 月に発生した地震を○で表示 図中の発震機構は CMT 解A
B
今回の地震震央分布図
(1923 年1月1日~2018 年 10 月 31 日、
深さ0~100km、M≧5.0)
1938 年 11 月1日~11 月 30 日に発生した地震を○、 東北地方太平洋沖地震発生以降に発生した地震を○、 それ以外を+で表示B
東北地方太平洋沖地震 宮城県 今回の地震 宮城県 福島県 茨城県 茨城県平成30年10月 地震・火山月報(防災編)
14
c
領域c内のM-T図
2018 年 10 月 26 日 03 時36分に宮城県沖の深さ
49km でM5.7 の地震(最大震度4)が発生した。
この地震の発震機構(CMT 解)は西北西-東南
東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレ
ートと陸のプレートの境界で発生した。また、
同月 23 日 20 時 06 分にこの地震の震源付近(領
域b)で M4.7 の地震(最大震度3)が発生した。
1997 年 10 月以降の活動をみると、今回の地
震の震源付近(領域b)では、M4.0 以上の地震
が数回発生していたが、東北地方太平洋沖地震
の発生以降に活発化し、今回の地震を含め M5.0
以上の地震が2回発生している。
1923 年以降の活動をみると、今回の地震の震
央周辺(領域c)では、
「1978 年宮城県沖地震」
(M7.4、最大震度5)が発生し、死者 28 人、負
傷者 1325 人、住家全壊 1183 棟等の被害が生じ
る(「日本被害地震総覧」による)など、M7.0
以上の地震が7回発生している。
(2011 年3月 11 日~2018 年 10 月 31 日)a
東北地方太平洋沖地震発生b
A
B
福島県 今回の地震領域a内の断面図(A-B投影)
A
今回の地震震央分布図
(1997 年 10 月1日~2018 年 10 月 31 日、
深さ0~100km、M≧3.0)
東北地方太平洋沖地震発生以前に発生した地震を○、 東北地方太平洋沖地震発生以降に発生した地震を○、 2018 年 10 月に発生した地震を○で表示 図中の発震機構は CMT 解B
宮城県領域b内のM-T図及び回数積算図
震央分布図
(1923 年1月1日~2018 年 10 月 31 日、
深さ0~100km、M≧5.0)
東北地方太平洋沖地震発生以前に発生した地震を薄い○、 東北地方太平洋沖地震発生以降に発生した地震を濃い○、 で表示 岩手県 東北地方太平洋沖地震 宮城県 「1978 年 宮城県沖地震」 今回の地震 初動15
[概況]
10 月に関東・中部地方(三重県を含む)で震度1以上を観測した地震は 61 回(9月は 51 回)であった。
10 月中の主な活動は次のとおりである。
4日 00 時 15 分に千葉県東方沖の深さ 31km で
M4.7 の地震(図7中のa)が発生し、茨城県神
栖市及び千葉県銚子市で最大震度4を観測した
ほか、関東地方及び福島県で震度3~1を観測
した(p5、17 参照)
。
7日 10 時 14 分に愛知県東部の深さ 42km で
M5.0 の地震(図7中のb)が発生し、長野県根
羽村及び売木村で最大震度4を観測したほか、
関東地方から近畿地方にかけて震度3~1を観
測した(p5、18 参照)
。
12 日 13 時 15 分に千葉県北東部の深さ 52km
で M5.2 の地震(図7中のc)が発生し、千葉県
山武市、多古町及び横芝光町で最大震度4を観
測したほか、東北地方南部、関東甲信越地方及
び静岡県で震度3~1を観測した(p5、19 参
照)
。
図7 関東・中部地方の震央分布図(2018 年 10 月1日~10 月 31 日、M≧0.5)
○関東・中部地方の地震活動
15 日 16 時 10 分に栃木県北部の深さ3km で
M3.7 の地震(図7中のd)が発生し、栃木県日
光市で最大震度4を観測したほか、福島県、栃
木県及び群馬県で震度2~1を観測した(p5、
20 参照)
。
27 日 09 時 08 分に茨城県沖の深さ 10km(CMT
解による)で M5.0 の地震(図7中のe)が発生
し、茨城県日立市で最大震度3を観測したほか、
東北地方及び関東地方で震度2~1を観測した
(p21 参照)
。
a
c
e
d
b
平成30年10月 地震・火山月報(防災編)
16
- 14 -
2018 年 10 月4日 00 時 15 分に千葉県東方沖の
深さ 31km で M4.7 の地震(最大震度4)が発生し
た。この地震の発震機構(CMT 解)は南北方向に
圧力軸を持つ型である。
1997 年 10 月以降の活動をみると、今回の地震
の震源付近(領域b)では、東北地方太平洋沖地
震の発生以降地震活動が活発になり、M4.0 以上の
地震が時々発生している。
1923 年以降の活動をみると、今回の地震の震央
周辺(領域c)では、M6程度の地震が時々発生
している。また、1923 年9月1日に発生した関東
地震の前後や東北地方太平洋沖地震の直後にはや
やまとまって地震が発生している。
震央分布図
(1997 年 10 月1日~2018 年 10 月 31 日、
深さ0~120km、M≧2.0)
2018 年 10 月の地震を濃く表示領域b内のM-T図及び回数積算図
領域a内の断面図(A-B投影)
a
b
今回の地震(2011 年3月1日~2018 年 10 月 31 日)
東北地方太平洋沖地震発生B
A
A
震央分布図
(1923 年1月1日~2018 年 10 月 31 日、
深さ0~100km、M≧5.0)
領域c内のM-T図
c
B
今回の地震 の震央位置 今回の地震 CMT17
10 月7日 愛知県東部の地震
2018 年 10 月7日 10 時 14 分に愛知県東部の深
さ 42km で M5.0 の地震(最大震度4)が発生した。
この地震は、フィリピン海プレート内部で発生し
た。発震機構は、東北東-西南西方向に張力軸を
持つ横ずれ断層型である。
1997 年 10 月以降の活動をみると、今回の地震
の震源付近(領域b)は、定常的に地震活動の見
られる領域であるが、M5.0 以上の地震が発生した
のは今回が初めてであった。
1923 年以降の活動をみると、今回の地震の震央
周辺(領域c)では、1997 年3月 16 日に M5.9 の
地震(最大震度5強)が発生した。この地震によ
り、負傷者4人、住家一部破損2棟の被害が生じ
た(
「日本被害地震総覧」による)
。
震央分布図
(1997 年 10 月1日~2018 年 10 月 31 日、
深さ0~60km、M≧1.0)
2018 年 10 月の地震を赤く表示領域b内のM-T図及び回数積算図
a
今回の地震震央分布図
(1923 年1月1日~2018 年 10 月 31 日、
深さ 30~60km、M≧4.0)
領域c内のM-T図
今回の地震b
愛知県
静岡県
愛知県
領域a内の断面図(A-B投影)
B
A
B
A
今回の地震c
平成30年10月 地震・火山月報(防災編)
18
- 14 -
2018 年 10 月 12 日 13 時 15 分に千葉県北東部の
深さ 52km で M5.2 の地震(最大震度4)が発生し
た。この地震は発震機構が西北西-東南東方向に
圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートとフィ
リピン海プレートの境界で発生した。最近では、
ほぼ同じ場所で同年5月 17 日に M5.3 の地震(最
大震度4)が発生した。
1997 年 10 月以降の活動をみると、今回の地震
の震源付近(領域b)では、M6.0 以上の地震が時々
発生しており、東北地方太平洋沖地震の発生以降、
地震活動が活発になった。
震央分布図
(1997 年 10 月1日~2018 年 10 月 31 日、
深さ0~150km、M≧2.0)
2018 年 10 月の地震を赤く表示領域b内のM-T図及び回数積算図
領域a内の断面図(A-B投影)
a
b
今回の地震(2011 年3月1日~2018 年 10 月 31 日)
東北地方太平洋沖地震発生B
A
A
震央分布図
(1923 年1月1日~2018 年 10 月 31 日、
深さ0~100km、M≧5.0)
領域c内のM-T図
c
B
今回の地震 今回の地震1923 年以降の活動をみると、今回の地震の震央
周辺(領域c)では、M6程度の地震が時々発生
している。1987 年 12 月 17 日に発生した千葉県東
方沖地震(M6.7、最大震度5)では、死者2人、
住家全壊 16 棟などの被害が生じた(被害は「日本
被害地震総覧」による)
。
関東地震 千葉県東方沖地震19
平成 28 年 11 月 地震・火山月報(防災編) 14
-10 月 15 日 栃木県北部の地震
2018 年 10 月 15 日 16 時 10 分に栃木県北部の深
さ3km で M3.7 の地震(最大震度4)が発生した。
この地震は地殻内で発生した。発震機構は北西-
南東方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型である。
1997 年 10 月以降の活動をみると、今回の地震
の震央付近(領域a)では、東北地方太平洋沖地
震の発生以降、地震活動が活発になり、2013 年2
月 25 日に M6.3 の地震(最大震度5強)が発生し
た以降は、さらに活発になった。
震央分布図
(1997 年 10 月1日~2018 年 10 月 31 日、
深さ0~20km、M≧2.0)
2018 年 10 月の地震を赤く表示 青色の▲は活火山を示す領域a内のM-T図及び回数積算図
領域a内の時空間分布図(東西投影)
a
東北地方太平洋沖地震発生震央分布図
(1923 年1月1日~2018 年 10 月 31 日、
深さ0~40km、M≧5.0)
領域b内のM-T図
今回の地震の 震央位置b
今回の地震1923 年以降の活動をみると、今回の地震の震央
周辺(領域b)では、1949 年 12 月 26 日に M6.2
と M6.4 の地震が短い時間で連続して発生し(今市
地震)
、死者 10 人、負傷者 163 人、住家全壊 290
棟などの被害が生じた(被害は「日本被害地震総
覧」による)
。
福島県 新潟県 栃木県 茨城県 埼玉県 長野県 群馬県 今市地震平成30年10月 地震・火山月報(防災編)
20
震央分布図
(1923 年1月1日~2018 年 10 月 31 日、
深さ0~150km、M≧5.0)
2018 年 10 月の地震を濃く表示2018 年 10 月 27 日 09 時 08 分に茨城県沖の
深さ 10km(CMT 解による)で M5.0 の地震(最
大震度3)が発生した。この地震は陸のプレ
ートの地殻内で発生した。発震機構(CMT 解)
は東西方向に張力軸を持つ型であった。
1997 年 10 月以降の活動をみると、今回の地
震の震央周辺(領域a)では、M5.0 以上の地
震が時々発生している。また、2011 年7月 31
日に M6.5 の地震(最大震度5強)が発生する
など、東北地方太平洋沖地震の発生以降、地
震活動が活発となった。
1923 年以降の活動をみると、今回の地震の
震央周辺(領域b)では、M6.0 以上の地震が
時々発生している。このうち 1938 年5月 23
日に発生した M7.0 の地震では、福島県小名浜
で 83cm(全振幅)の津波が観測された(
「日本
被害地震総覧」による)
。
領域b内のM-T図
a
領域a内のM-T図及び回数積算図
今回の地震 今回の地震 東北地方太平洋沖地震発生b
※
2018 年 10 月 27 日の地震の深さは CMT 解による 福島県 茨城県 茨城県 福島県 広域図震央分布図
(1997 年 10 月1日~2018 年 10 月 31 日、
深さ0~60km、M≧3.0)
2018 年 10 月の地震を濃く表示 図中の発震機構は CMT 解21
○ 近畿・中国・四国地方の地震活動
図8 近畿・中国・四国地方の震央分布図(2018 年 10 月1日~10 月 31 日、M≧0.5)
[概況]
10 月に近畿・中国・四国地方で震度1以上を観測した地震は 30 回(9月は 22 回)であった。
10 月中、特に目立った活動はなかった。
平成30年10月 地震・火山月報(防災編)
22
○九州地方の地震活動
図9 九州地方の震央分布図(2018 年 10 月1日~10 月 31 日、M≧0.5)
[概況]
10 月に九州地方で震度1以上を観測した地震は 16 回(9月は 28 回)であった。
10 月中、特に目立った活動はなかった。
23
○沖縄地方の地震活動
図 10 沖縄地方の震央分布図(2018 年 10 月 1 日~10 月 31 日、M≧0.5)
[概況]
10 月に沖縄地方で震度1以上を観測した地震は6回(9月は 12 回)であった。
10 月中の主な活動は次のとおりである。
23 日 13 時 34 分に与那国島近海の深さ 26km で
M6.1 の地震(図 10 中のa)が発生し、沖縄県与
那国島で震度3を観測したほか、多良間島から与
那国島にかけて震度2~1を観測した。この地震
の震央付近では、24 日 01 時 04 分に深さ 28km で
M6.3 の地震(図 10 中のb)が発生し、与那国島
で最大震度3を観測したほか、宮古島から与那国
島にかけて震度2~1を観測した(p25 参照)
。
a b
平成30年10月 地震・火山月報(防災編)
24
19
-2018年10月23日13時34分に与那国島近海の深さ
26kmでM6.1の地震(最大震度3、今回の地震①)が発
生した。この地震の震央付近では、24日01時04分に
M6.3の地震(最大震度3、今回の地震②)が発生した。
この地震の発震機構(CMT解)は、地震①は南北方向
に圧力軸を持つ型、地震②は南北方向に圧力軸を持つ
横ずれ断層型であった。地震①②の発生後、地震活動
は減衰している。
2010年4月以降の活動をみると、今回の地震の震央
周辺(領域a)では、M5.5以上の地震が時々発生して
おり、2015年4月20日10時42分にM6.8の地震(最大震
度4)が発生し、同日20時59分にM6.4の地震(最大震
度2)が発生している。
1960 年以降の活動をみると、
今回の地震の震央周辺
(領域b)
では、
M7.0 以上の地震が2回発生している。
1966 年3月13日に発生したM7.3 の地震
(最大震度5)
では、与那国島で死者2人、家屋全壊1棟などの被害
が生じた(被害については「日本被害地震総覧」によ
る)
。2001 年 12 月 18 日に発生した M7.3 の地震(最大
震度4)では、与那国島で 12cm、石垣島で4cm の津
波を観測している。
a
震央分布図
(2010 年4月 1 日~2018 年 10 月 31 日、
深さ0km~50km、M≧3.0)
2018 年 10 月以降の地震を濃く表示 図中の発震機構は CMT 解震央分布図
(1960 年1月1日~2018 年 10 月 31 日
深さ0km~100km、M≧6.0)
領域a内のM-T図及び回数積算図
西表島 石垣島 西表島b
領域b内のM-T図
与那国島 台湾 与那国島 台湾 海溝軸 海溝軸 今回の地震② 今回の地震① 今回の地震①(2018 年 10 月 22 日~10 月 31 日、
M≧2.5)
今回の地震② (この期間は検知能力が低い)25
○その他の地域の地震活動
a
図 11 日本周辺で発生した主な地震の震央分布図(2018 年 10 月1日~10 月 31 日、M≧4.0)
[概況]
10 月に日本周辺で発生した M6.0 以上の地震は2回であった(9月は3回)。
10 月中に図5~10 の領域外で特に目立った活動はなかった。
図5(北海道地方) 図6(東北地方) 図7(関東・中部地方) 図9(九州地方) 図 10(沖縄地方) 図8(近畿・中国・四国地方)17 日 03 時 21 分に硫黄島近海で M6.3 の地震(最大
震度1以上を観測した地点なし、図 10 中のa)が発
生した。また、同日 03 時 23 分にも硫黄島近海の深
さ 11km(CMT 解による)で M6.6 の地震(図 10 中の
b)が発生し、東京都小笠原村で震度1を観測した
(p●参照)
。
平成30年10月 地震・火山月報(防災編)
26
平成 30 年 11 月7日に気象庁において第 13 回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第 391 回
地震防災対策強化地域判定会(定例)を開催し、気象庁は「最近の南海トラフ周辺の地殻活動」として次
の内容の南海トラフ地震に関連する情報(定例)を発表した。これに関連する資料をp29~p69 に掲載
する。
現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考
えられる特段の変化は観測されていません。
1.地震の観測状況
10月7日に愛知県東部の深さ42kmを震源とするM5.0の地震が発生しました。この地震は、発震機
構が東北東・西南西方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、フィリピン海プレート内で発生しまし
た。
11月2日に紀伊水道の深さ44kmを震源とするM5.4の地震が発生しました。この地震は、発震機構
が北東・南西方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、フィリピン海プレート内で発生しました。
プレート境界付近を震源とする主な深部低周波地震(微動)を以下の領域で観測しました。
(1)紀伊半島北部から東海:9月18日から10月17日まで
(2)四国西部:9月29日から10月15日まで
(3)四国東部から中部:10月10日から10月15日まで
(4)四国東部から中部:10月30日から継続中
(5)紀伊半島西部:11月3日から継続中
2.地殻変動の観測状況
上記(1)から(5)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置されている複数の
ひずみ計でわずかな地殻変動を観測しました。また、周辺の傾斜データにもわずかな変化が見られ
ています。また、上記(1)
、
(2)の期間に同地域及びその周辺のGNSSのデータでも、わずか
な地殻変動を観測しています。
GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継
続しています。
GNSS観測によると、2018年6月頃から、九州北部でこれまでの傾向とは異なる地殻変動を観
測しています。
2018年9月までのGNSS-音響測距観測によると、2017年末頃から、紀伊水道沖の海底でそれ
までの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。
3.地殻活動の評価
上記(1)から(5)の深部低周波地震(微動)と、ひずみ、傾斜及びGNSSデータに見ら
れる変化は、想定震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくりすべりに起因する
ものと推定しています。
GNSS観測で観測されている2018年6月頃からの九州北部の地殻変動は、日向灘北部のプレ
ート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
GNSS-音響測距観測で観測されている2017年末頃からの紀伊水道沖の地殻変動は、紀伊水
道沖のプレート境界浅部におけるゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状
況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震
の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない
と考えられます。
気象庁では、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況を定期的に評価するため、 南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、地震防災対策強化地域判定会を毎月開催して委員の意見提供等を受け、現在の状況を「最 近の南海トラフ周辺の地殻活動」として取りまとめ南海トラフ地震に関連する情報(定例)を発表している。27
[「最近の南海トラフ周辺の地殻活動」についての頁で使われる用語] ・「想定震源域」 南海トラフ沿いの大規模地震発生時に、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界が破壊されると想定される領域。「想定震源域」 全体もしくは一部が破壊されると考えられている。 ・「クラスタ」、「クラスタ除去」 地震は時間空間的に群(クラスタ:cluster)をなして起きることが多くある。「本震とその後に起きる余震」、「群発地震」などが典型 的なクラスタで、余震活動等の影響を取り除いて地震活動全体の推移を見ることを「クラスタ除去」と言う。例えば、相互の震央間の 距離が3km 以内で、相互の発生時間差が7日以内の地震群をクラスタとして扱い、その中の最大の地震をクラスタに含まれる地震の代 表とし、地震が1つ発生したと扱う。 ・「長期的ゆっくりすべり(長期的スロースリップ)」 想定震源域の深部で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界が数ヶ月~数年間かけてゆっくりとすべる現象で、数年~十年程 度の間隔で繰り返し発生していると考えられている。例えば、東海地域では、前々回は 2000 年秋頃~2005 年夏頃にかけて発生し、前 回は 2013 年はじめ頃から 2017 年はじめ頃にかけて発生した。 ・「深部低周波地震(微動)」 深さ約 30km~40km で発生する、通常の地震より長周期の波が卓越する地震を「深部低周波地震」と言う。長野県南部~日向灘にか けては帯状につながる深部低周波地震の震央分布が見られる。深部低周波微動は、P 波や S 波が明瞭ではなく震動が継続するもので、 現象的には深部低周波地震と同じであるが、解析手法に違いがあるため、深部低周波地震が観測されない場合にも観測されることがあ る。 ・「短期的ゆっくりすべり(短期的スロースリップ)」 「短期的ゆっくりすべり」は、長期的ゆっくりすべりが発生する領域のさらに深部の、深部低周波地震(微動)の発生領域とほぼ同じ 領域でのフィリピン海プレートと陸のプレートの境界のすべりと考えられている。数日~1 週間程度継続する「短期的ゆっくりすべり (短期的スロースリップ)」が観測されるときは、ほぼ同時に深部低周波地震(微動)活動が観測されることが多い。短期的ゆっくりす べりは、数ヶ月から1年程度の間隔で繰り返し発生している。
注)地震活動および地殻活動の解析には Hirose et al. (2008)、Baba et al.(2002)によるフィリピン海プレートと陸のプレートの境 界データを使用している。