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これからの生保販売とネット生保

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(1)

これからの生保販売とネット生保

出 口 治 明

■アブストラクト

本稿は,少子高齢化と1940年体制からの脱却問題に直面しているわが国の 社会構造の変化に伴い,生命保険業界においても,低廉な保険料以外にも保 険商品のわかりやすさ,商品比較情報の必要性など,消費者の真のニーズを 踏まえたビジネスモデルの転換が不可避であることを指摘する。それらを受 けて,新しいモデルの典型の一つであるネット生保の位置付けと意義を述べ,

これからの生保商品・サービス,及び情報開示や比較情報の充実などの企業 姿勢を含めた生保販売のあるべき姿と,目指す方向のために必要な仕組み,

特に販売におけるベストアドバイス義務の担保について考察するものである。

■キーワード

1940年体制,約款と保険料表の開示,ベストアドバイス義務

1.これからの生保販売を考える2つの前提

将来のわが国の生命保険販売について検討するためには,その大前提とし て, 少子高齢化 と 1940年体制からの脱却 という2つの問題に正面か ら向き合う必要がある。

2.少子高齢化が最大の環境要因

わが国の少子高齢化は,かつてどの先進国も経験したことのないスピード

*平成22年10月23日の日本保険学会大会(早稲田大学)報告による。

/平成22年1月20日原稿受領。

(2)

で進むものと想定されているが(図1),生命保険が人に保障を販売するビ ジネスである以上,巨視的に見れば,少子高齢化は,顧客の絶対数が減少す るのであるから生命保険業の衰退を意味すると考えて差しつかえないであろ う。

但し,少子高齢化については2つの留意点をあげておきたい。

①少子高齢化は,人類の5000年の歴史の歩みの中では極めて特異な現象で あって,国境の管理を厳しくした近代の国民国家でのみ見られる現象で あること。

②フランスのPACSにその典型例が見出せるように,近代の国民国家で あっても政策によっては少子高齢化に歯止めがかけられること。思うに,

わが国で十分な少子化対策がこれまで行われなかった根本原因は1票の

図1 少子高齢化の進展

出所:国立社会保障 人口問題研究所 日本の将来推計人口 (2006年12月)

(3)

格差に求められるのではないか 。

ところでわが国特有のこれまでの生命保険販売のビジネスモデル(本稿で は以下 レガシー・システム と呼ぶ)は,専業主婦を常時大量に導入し,

ある程度の大量脱落を与件としてセールスフォースに仕立て上げることをそ の根幹としている。一方,少子高齢化の下では,わが国の生産年齢人口が大 幅に減少し,今後10年間で約700万人の労働力が不足すると指摘されてい る 。

この不足を補うためには,移民もしくは専業主婦に頼る以外に術はない。

移民に対して理解に苦しむほどの拒絶反応を示すわが国の現状を考えれば,

専業主婦に多くを頼らざるを得ないことは火を見るよりも明らかであろう。

そうなればセールスフォースの成り手が絶対的に不足することになる。すな わち,レガシー・システムの下では,顧客が消える前にセールスフォースが 消えてしまう可能性が極めて高い。その前兆は,東京等の大都市圏では既に 現われているようだ。

このように考えれば,少子高齢化に対してわが国の生保が成長し続けるた めには以下の3つの対応策しかあり得ないことが明らかとなる。

①業務の多様化

②海外進出

③レガシー・システムから(セールスフォースに依存しない)新しいビジ ネスモデルへ転換

3.業務の多様化と海外進出

業務の多様化や海外進出を行うためには株式会社の方が都合が良い。その

1)

http:

//

www.ippyo.org/ 1票の格差の下では,地方の高齢者が政治リーダ

ーに選出されやすいが,彼らには,おそらく都会で女性が働きながら子育てを 行うことの困難さが十分に理解できない。そして,分からないことに対しては 施策が打てないことが一般的である。

2) 国立社会保障 人口問題研究所 日本の将来推計人口 (2006年12月)

(4)

傾向は世界的に見ても明らかである(表1)。第一生命が2010年4月に株式 会社化に踏み切ったのは,おそらくそれが主因であろう。

わが国では,相互会社の方が(利益を株主配当に回す必要がないため)顧 客にとって有利であるとの議論が後を絶たないが,この議論は相互会社も株 式会社も常に全く同水準の収益を稼げるという(およそあり得ない)前提を アプリオリに置いてその分配を論じているだけであって,おそらくグローバ ルには全く通用しないガラパゴス化した論理という他はない。

そもそも相互会社は,収益のほとんどすべてを顧客に還元するという理念 に立脚しているが,現在のわが国が置かれている歴史的にも特異な低金利局 面で,例えば5年利差(のみ)配当保険のような商品は,相互会社が販売す

表1 生命保険相互会社の株式会社への転換

1

2 3 4 5 6 7 8 9 10

プルデンシャル メトロポリタン ティーチャーズ エクイタブル ネーションワイド ノースウェスタン ハートフォードライフ リンカーンナショナル プリンシパル

コネチカットジェネラル

01年転換 00年転換 株式会社 92年転換 株式会社 相互会社 株式会社 株式会社 01年転換 株式会社

1 2 3 4 5

クラリカ マニュライフ サンライフ ロンドンライフ カナダライフ

99年転換 99年転換 00年転換 株式会社 99年転換

1 2 3

AMP   MLC

ナショナルミューチュアル

98年転換 株式会社 96年転換

注:順位は1999年単体総資産順位。ただしオーストラリアは98年。なお表中の 株式会社 は設立当初から株式会社であることを示す。

出所:田中周二編 生保の株式会社化 東洋経済新報社(2002年)

(5)

べき商品だろうか。大いに疑問なしとしない。埼玉県民共済に代表される共 済の躍進は,理念を忘れたわが国の相互会社に対する一種のアンチ・テーゼ として,あるいは理解されるべきものかも知れない。

4.ビジネスモデルの転換

レガシー・システムから(セールスフォースに依存しない)新しいビジネ スモデルへ転換するためには,大別して2つの方法が考えられる。1つは保 険会社はメーカーに徹し,販売チャネルを有する主体(銀行や法人代理店・

プロ代理店等)に生命保険を販売して貰う方法である。簡単に製販分離論と 言っても良いが,その典型がバンカシュランスであり,この場合,保険会社 はバンカシュラーとして純化するケースも出てくる。わが国では,第一フロ ンティア生命やフコクしんらい生命が典型的なバンカシュラーであり,外資 系生保にもバンカシュラー路線を取っているところが数多くある。

もう1つは,ダイレクト販売であり,その典型がネット生保ということに なろう。わが国ではネクスティア生命とライフネット生命の2社がある。ネ ット生保は世界的に見てもまだ始まったばかりであるが,アメリカでは2006 年から2008年の間に販売高が倍増する勢いを示したと言われている 。

5.世の中の大きな流れ 〜1940年体制からの脱却〜

これからの生保販売を考える上で,少子高齢化と並ぶ重要な前提条件は 1940年体制からの脱却の問題である。1945年から始まったわが国の敗戦後の 復興プロセスは,総力戦遂行を目的とした1940年体制 によって成し遂げら れたと考えるべきである。

これを金融について巨視的に見れば,銀行・信託・証券・保険を問わず,

大蔵省の行政指導の下ですべての金融商品・サービスの内容や値段は均一化

3) アメリカ生命保険マーケティング調査協会

HP  http:

//

www.limra.com

/

Research/ Recent.aspx(なお,現在当該リリースは参照不可)

4) 野口悠紀雄 1940年体制−さらば戦時経済 東洋経済新報社(1995)。

(6)

し,民間の金融機関は,全く同じ内容の金融商品を販売するだけの販売会社 に成り下がったのである。しかし,この社会主義的・統制経済的な1940年体 制は,結果から見れば大成功を収めた。わが国の民間貯蓄は増大し,資本の 蓄積が急速に進んだのである。なお,巷間良く言われる護送船団行政は,

1940年体制の論理的な帰結に他ならない。けだし,経営とは,市場・顧客に 提供する商品・サービスの内容と値段を自ら決定することに他ならないが,

その意味における経営は,大蔵省とその下請を受け持っていた生命保険協会 等の業界団体が実質的に担っていたのである。経営権なき販売会社が一定の モチベーションを維持するためには どこも潰さない という護送船団行政 が必然であった。

ところで,全く同一の金融商品・サービスを金融機関がひたすら販売する という1940年体制は,その結果として広く金融界に次のような影響を及ばす に至った。

①金融商品・サービスを比較するという発想自体が市場に生じない

②乗合代理店を営むというインセンティブが市場に生じない。代理店は一 社専属となる。

③金融機関の(不動の)順位は,販売網の多寡に従うことになる。すなわ ち銀行なら店舗数,生保ならセールスフォースの数で順位が決まる。こ の結果,経営者に 数は力である という 信念 が生まれ易くなる。

1940年体制は,わが国をGDP世界第2位の大国(1968年に西ドイツを追 い抜く)に押し上げる原動力となったが,経済規模が大きくなり世界経済に 占めるわが国の比重が高まるにつれて,特に金融については自由化の要求が 高まってくることは,歴史の必然であった。1980年に行われた外為法の改正 を嚆矢として,金融制度改革,金融ビッグバン,金融商品取引法の制定,郵 政の民営化,保険業法の改正(1939年法から1995年法へ)等の一連の動きは いずれも,金融を1940年体制の世界から,(通常の商取引と同様に)自由な 競争の世界へと転換しようとする試みであった。いわば,経営権が最終的に 民間金融機関に 大政奉還 されたのである。

(7)

保険業法について言えば,原則禁止の世界(39年法)から原則自由の世界

(95年法)への転換であり,保険商品やサービスの自由な競争を通じて顧客 利便の増進を図ることがその法改正の主たる眼目であった。

6.95年法と生命保険業界の対応

保険業法改正後15年の検証は別稿 にゆずるが,筆者の仮説は 生命保険 業界は,保険業法の改正に叛旗を翻した というものである。既に業法改正 時点で,前述した少子高齢化の問題等は十分に認識されていたので,金融庁 は,製販分離という経営の選択肢を増やす観点もあって銀行窓販の解禁 に 踏み切ろうとした。ところが,生命保険業界は,一社専属のセールスフォー スの維持が難しくなると考え,政治家にロビー活動を展開して,10年間徹底 抗戦したのである。同様に,保険商品・サービスの自由競争の展開を見据え て,経営の健全性を担保すべく金融庁が準備した予定利率引き下げ にも,

生命保険業界はそっぽを向いたのである。

このような後向きの対応の背景にあった考え方は, 数は力 であり 一 社専属のセールスフォースの維持こそが生命保険業界の力の源泉である と いう旧態依然とした認識であったが,戦後半世紀にわたったレガシー・シス テムの大成功が,21世紀初頭のいわば失敗(構造転換の遅れ)の母になった のではないかと思われる。(私見では,日本経済の失われた15年問題も同様 である)。そして,このレガシー・システム墨守の行き着いた先が保険金不 払い問題であったと考える。

7.保険金不払い問題の本質とその教訓

生命保険業界を揺るがせた保険金不払い問題については,既に様々な総

5) 出口治明 生命保険入門 新版 岩波書店(2009年)pp.168‑173及び 保 険学雑誌 第604号

pp.1‑74。

6) 生命保険入門 新版

pp.157‑161。

7) 生命保険入門 新版

pp.137‑149。

(8)

括 がなされているが,その本質は,社団法人全国消費生活相談員協会の資 料に簡潔極まりない形で次のように要約されている。

一般的な性向として,一社専属の販売チャネルは,商品・サービスの比較 情報を嫌悪する。これは洋の東西を問わない真理である。わが国の生命保険 業界は マーケットのニーズの多様化 を錦の御旗として,特約を多用し複 雑なパッケージ商品を創り上げた。特約を多用すれば,比較が難しくなるこ とに加えて商品全体の保険料が上昇するため,まさに一石二鳥の戦略であっ たのである。

普通の業界であれば,商品を複雑にすればクレームが生じやすくなるので,

セールスのレベルを上げて対応しようとする。不動産を販売する宅地建物取 引主任者の資格試験が,昔と比べて格段に難しくなったことがその好例であ ろう。ところが 数は力 を信奉する生命保険業界は,生命保険の販売資格 試験を従来通り実質100%合格のまま据え置いた。女性の社会進出が高まる 中で,100%合格を維持すれば,販売員の資質の低下は巨視的に見ればおそ らく必然であろう。そして,生命保険業界は,結果的に見れば,それで良し と考えたのではあるまいか。極論すれば,従来通りのGNP営業(義理,人 情,プレゼント)を主として展開すれば良く,顧客は生命保険の内容を必ず しも熟知する必要はないと。(そうでなければ,例えば,約款の非開示は理 解が出来ない)。

不払い問題:保険会社・保険業界の構造的問題の露呈

=保険商品の著しい複雑さ

+説明しない(できない)募集人の資質

+保険会社の顧客の不知に乗じた戦略

出所:社団法人全国消費生活相談員協会(2008年4月24日)

8) 保井俊之 保険金不適切不払い・支払漏れとその行政対応 リスクと保険 第5号 日本保険・年金リスク学会(2009年3月)pp.123‑135等。

(9)

このような情況が保険金不払い問題を引き起こしたことはある意味では当 然すぎるほど当然である。この問題から教訓を得ようとすれば,次のように なろう。

①生命保険商品をシンプルにわかりやすくすること

②(特に,複雑な商品を売るのであれば)お客さまにきちんと説明するこ と(生命保険募集人,代理店の資質の向上)

③メーカーと消費者の間の情報格差(情報の非対称性)を縮めること なお,消費者アンケート調査(図2)や,IBMが世界各国の消費者と保 険会社の経営幹部層を対象として同時に実施したアンケート(図3)でも,

似たような結果が導き出されている。要するに,市場・消費者は, 経営の

図2 消費者が生命保険に望むこと

出所:SBIアクサ生命(当時)・ライフネット生命 ネット生保に関する共同調査

(2009年4月)

(10)

透明性や,商品の安さ,わかりやすさ,比較 を求めているのである。しか し,現状はどうか。現状の生保販売は,95年法が施行されて15年近くが経過 したにもかかわらず,1940年体制のまま推移しており,実に68.1%もの人々 が一社専属の営業職員から生命保険を購入し(表2),また,その当然の帰 結として,67.7%もの人々が加入時に商品比較を行っていない(表3)。

図3 IBM の世界アンケート

Value

… 今後の保険で重要と思う事項

Pay Higher Premium

… 当該事項により高い保険料を払うか

… 消費者

● … 保険会社の経営幹部

出所:IBM  Institute for Business Value consumer survey (2008年)

(11)

表2 生命保険の加入チャネル (%) 生命保険会社の営業職員

出所:生命保険文化センター 生命保険に関する全国実態調査 (2009年) 一部省略

表3 生命保険加入時の商品比較経験(複数回答) (%) 家庭に来る営業職員

職場に来る営業職員

インターネットを通じて

テレビ・新聞・雑誌などを通じて 通信販売

生命保険会社の窓口 郵便局の窓口や営業職員 銀行・証券会社を通じて 保険代理店の窓口や営業職員 勤め先や労働組合等を通じて その他

不明

52.5 15.7 8.7 2.9 5.7 1.9 2.9 2.6 6.4 3.0

1.3

他の民間の生命保険会社の生命保険(かんぽ生命を除く) 25.0

生協や全労災の生命共済 5.7

3.9 郵便局の簡易保険(かんぽ生命を除く)

2.9 かんぽ生命

2.4

JA

の生命共済

生命保険以外の金融商品

(損害保険や預貯金,公社債,株式等)

0.9

不明 1.1

特に比較はしなかった

出所:生命保険文化センター 生命保険に関する全国実態調査 (2009年) 68.1

4.9

67.7

(12)

8.これからの消費者と生命保険

現状の生保販売は,前述した通り,生命保険業界の徹底抗戦が功を奏して ほぼ1940年体制のままであり,いわば登る山が1つ(営業職員という一社専 属チャネル)しかない富士山型のチャネル構造を呈している(図4)。

しかし,10年単位でこれからの将来を展望すれば,保険業の根幹となる保 険業法が95年に既に抜本改正されているのであるから,保険商品・サービス の比較情報が充実し,チャネルも多様化した登る山がたくさんある ヶ岳型 の世界に移行していくことは明らかであろう。

大政奉還がなされたのであるから経営者が自らの知恵を絞り,商品・サー ビスの自由競争を通じて生命保険の世界を良くして行くべきであるという95 年法の根本理念は,つまるところ,メーカー(保険会社)はより良い保険商

図4 生命保険販売チャネルのあるべき姿

(13)

品・サービスの開発競争を通じて市場・消費者に多様な選択肢を提供し,市 場・消費者の選択によって自然淘汰が行われ,保険の世界が進化していくと いう考え方に立脚している。裏を返せば,消費者は, 保険商品・サービス を十分比較して,理解し,納得した上で購入するべきである ということで ある。そして,そのためには,保険商品・サービスの比較情報の充実・発展 が不可欠である。ところが,現状では,正確な比較情報そのものが作れない という大きな隘路が横たわっている。

わが国の典型的な生命保険商品は,図5のようにパッケージ化されている。

ここで,比較情報を提供しようとすれば,例えば,1つの商品(単品)であ る 入院特約 の内容(約款)と値段(保険料表。有配当保険については配 当金モデルを含む)が広く一般に開示されていなければならない。しかし,

現状は表4の通りであって,わが国で営業している生命保険会社全47社の内 わずか7社しか約款と保険料表を公表していないのである。これでは保険商 品・サービスの比較情報の作りようがない。筆者は生命保険が免許事業であ ることに鑑みれば,生命保険会社が免許を受けて販売するすべての保険商品 の内容(約款)とその値段(保険料表)は,行政がその公表を強制すべきだ と考えるものである。それが ヶ岳型の世界を実現する一番の早道であろう。

この他にも,世界のどこにも類例を見ないと思われるガラパゴス化した販 売規制,すなわち構成員契約規制の廃止や銀行窓販規制等の緩和についても 早急に見直し・検討が必要であると考える。

(14)

図5 典型的な生命保険の商品(イメージ)

(15)

表4 生命保険会社の HP 上での約款・保険料表の開示状況

(筆者調べ 2010年11月時点)

No. 保険会社名 約款 保険料表

1 アイエヌジー生命保険株式会社 × ×

2 あいおい生命保険株式会社 ×

3 アイリオ生命保険株式会社

4 アクサ生命保険株式会社 × ×

5 朝日生命保険相互会社

6 アメリカンファミリー生命保険会社

7 アリアンツ生命保険株式会社 × ×

8 アリコジャパン ×

9 AIGエジソン生命保険株式会社 ×

10 AIGスター生命保険株式会社 ×

11 オリックス生命保険株式会社

12 カーディフ生命保険会社 × ×

13 株式会社かんぽ生命保険

14 クレディ・アグリコル生命保険株式会社 × ×

15 ジブラルタ生命保険株式会社 × ×

16 住友生命保険相互会社

17 ソニー生命保険株式会社

18 ソニーライフ・エイゴン生命保険株式会社 × × 19 損保ジャパン・ディー・アイ・ワイ生命保険株式会社 ×

20 損保ジャパンひまわり生命保険株式会社

21 第一生命保険株式会社 ×

22 第一フロンティア生命保険株式会社 ×

23 大同生命保険株式会社 × ×

24 太陽生命保険株式会社

25 チューリッヒ・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド × 26 T&Dフィナンシャル生命保険株式会社 ×

27 東京海上日動あんしん生命保険株式会社

28 東京海上日動フィナンシャル生命保険株式会社 × ×

29 日本興亜生命保険株式会社

30 日本生命保険相互会社

31 ネクスティア生命保険株式会社

32 ハートフォード生命保険株式会社 × ×

33 ピーシーエー生命保険株式会社

34 富国生命保険相互会社

35 フコクしんらい生命保険株式会社 × ×

36 富士生命保険株式会社

37 プルデンシャル生命保険株式会社 ×

38 プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社 × ×

39 マスミューチュアル生命保険株式会社 × ×

40 マニュライフ生命保険株式会社 × ×

41 三井生命保険株式会社 ×

42 三井住友海上きらめき生命保険株式会社

43 三井住友海上メットライフ生命保険株式会社 × ×

44 みどり生命保険株式会社 × ×

45 明治安田生命保険相互会社

46 メディケア生命保険株式会社

47 ライフネット生命保険株式会社

… 全面開示 △ … 一部開示 × … 非開示

(16)

9.ベストアドバイス義務をどう担保するか

ヶ岳型の世界が実現した暁には,営業職員等の一社専属チャネルはもは や不要となるのだろうか。そうではないと考える。例えば独立したFP(フ ァイナンシャル・プランナー)に家計を診断してもらった後で,最適の生保 商品を一社専属チャネルから購入すれば,特段問題は生じないと思われるか らである。

また,乗合代理店が主要チャネルになれば生保販売に係わるほとんどの問 題は解決するかと言われれば実は,必ずしもそうではない。乗合代理店にも 大きな問題が潜んでいるからである。それは,乗合代理店に課せられている ベストアドバイス義務をどのように政策的に担保するかという問題である。

人間は弱い生き物であり,乗合代理店が,ともすれば販売手数料の大きい 商品を販売しがちであるという傾向は全世界に共通して見られる現象である。

この問題については,ニューヨーク州が10年に及ぶ討議を経て,顧客の要求 に応じて販売コミッション(図6)を開示するという法改正を行い ,2011 年1月から全面施行されることになった。販売コミッションの開示自体は,

わが国でも不動産や投資信託の販売時点で広く行われている慣習であって何 も目新しいものではない。わが国では既に付加保険料を開示している会社も 現れている 。

9)

http:

//

www.ins.state.ny.us

/

press/2009/ NSReg194 .pdf  NY

州 保険募集 人報酬の透明性に関する規則(文末付録参照)

10) ライフネット生命は2008年11月21日以降,全商品について付加保険料を開示 している。

(17)

今後10年の生保販売を展望すれば,わが国でも乗合代理店のベストアドバ イス義務を担保するために,いかなる法制度が有効・必要かという議論が俎 上に上がることは避けられないであろう。この問題をわが国の実情に照らし ていかに考えるかという大きな課題を,日本保険学会の全国大会(2010年10 月23日)に参加された皆さんに提起して,本発表の結びとしたい。

(筆者はライフネット生命保険株式会社代表取締役社長)

(付録)

NEW  YORK  STATE

INSURANCE DEPARTMENT   PROPOSED  

REGULATION  NO.  

194 (11

NYCRR

30)

PRODUCER  COMPENSATION  TRANSPARENCY

I, James J. Wrynn, Acting Superintendent of Insurance of the State of   New  York, pursuant to the authority granted by sections  

201

and

301

and

図6 保険料の構成と販売コミッション

(18)

Article

21

of the Insurance Law, do hereby promulgate a new  Part

30

to Title

11

of the Official Compilation of Codes, Rules, and Regulations of   the State of New  York

(

Regulation No.  

194)

, to take effect upon publica- tion in the State Register.

(

ALL NEW  MATTER)

A  new  Part

30

is added to read as follows:

30.1 Purposes.

The purposes of this Part are:

to implement the New  York Insurance Law  by regulating the acts and practices of insurers and insurance producers with respect to transparency   of compensation paid to insurance producers and their role in insurance   transactions in this state; and  

to protect the interests of the public by establishing minimum  disclo- sure requirements relating to the role of insurance producers and the com- pensation paid to insurance producers.

(中略)

30.3 Disclosure of producer compensation, ownership interests and role in the insurance transaction.  

Except as provided in section

30

.

5

of this Part, an insurance producer selling or renewing an insurance contract shall disclose the following infor-   mation to the purchaser orally or in a prominent writing not later than application for the insurance contract or the renewal,:  

whether the insurance producer represents the purchaser or the insurer for purposes of the sale;  

that the insurance producer will receive compensation from  the selling insurer based on the insurance contract the producer sells  

(

if applicable

)

;

that the compensation insurers pay to insurance producers may vary depending on a number of factors, including the insurance contract and   the insurer that the purchaser selects, the volume of business the producer   provides to the insurer or the profitability of the insurance contracts that   the producer provides to the insurer; and  

that the purchaser may obtain information about the compensation expected to be received by the producer for the sale and for any alterna-   tive quotes obtained by the producer by requesting such information from the producer.  

If the purchaser requests more information about the producerʼ s com- pensation prior to the issuance of the insurance contract, the producer

 

(19)

shall disclose the following information to the purchaser in a prominent writing no later than the issuance of the insurance contract, except that if   time is of the essence to issue the insurance contract, then within five   business days:  

a description of the nature, amount and source of any compensation to be received by the producer or any parent, subsidiary or affiliate based in   whole or in part on the sale;  

a description of any alternative quotes obtained by the producer, in- cluding the coverage, premium  and compensation that the insurance pro- ducer or any parent, subsidiary or affiliate would have received based in whole or in part on any such alternative quotes;  

a description of any material ownership interest the insurance producer or any parent, subsidiary or affiliate has in the insurer issuing the insur-   ance contract or any parent, subsidiary or affiliate;

3

a description of any material ownership interest the insurer issuing the insurance contract or any parent, subsidiary or affiliates has in the insur-  

ance producer or any parent, subsidiary or affiliate; and

a statement whether the insurance producer is prohibited by law  from altering the amount of compensation received from  the insurer for the   sale.  

If the purchaser requests more information about the producerʼ s com- pensation after issuance of the insurance contract but less than three years after issuance, the insurance producer shall disclose to the purchaser   in a prominent writing the information required by subsection  

30

.

3⒝

of this Part within thirty days.  

If the nature, amount or value of any compensation to be disclosed by the insurance producer is not known at the time of the disclosure required   by subdivision

30

.

3 ⒝

or

of this section, then the insurance producer   shall include in the disclosure:  

a description of the circumstances that may determine the receipt and amount or value of such compensation, and  

a reasonable estimate of the amount or value, which may be stated as a range of amounts or values.  

If the disclosure required by subdivision

of this section is provided

orally, the insurance producer shall also disclose the information required  

by subdivision

of this section to the purchaser in a prominent writing  

no later than the issuance of the insurance contract.  

(20)

An insurance producer shall not make statements to a purchaser contradicting the disclosures required by this section or any other mislead-   ing or knowingly inaccurate statements about the role of the insurance producer in the sale.  

(中略)

30.6 Obligations of an authorized insurer.

The amount of any compensation that an authorized insurer or its agent pays to an insurance producer shall be maintained by the insurer in accor-   dance with Part

243

of this Title

(

Regulation

152)

.

(後略)

参照

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