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大学教育におけるスマートデバイス活用の可能性 : 留学生と日本人学生との比較調査の結果を踏まえて

著者 陳 那森, 山下 泰生, 窪田 八洲洋

雑誌名 研究紀要

号 18

ページ 37‑45

発行年 2017‑03

URL http://id.nii.ac.jp/1084/00000481/

(2)

大学教育におけるスマートデバイス活用の可能性

Ⅰ はじめに

 若者のスマートフォン(以下,スマホ)の所持率が2011年を境に,初等中等教育段階から増加 の一途を辿っている。そしてこの傾向と相まって,LINE のような人気アプリが若者を中心に絶 大な支持を集め,今や彼らにとっては不可欠なコミュニケーションの手段とまで普及してきてい る。そうした中で,これらのデバイスやツールの特性を十分に理解せずに利用しているがゆえに,

トラブルに発展し社会的関心を集めるなどの個別事例が起きているのも事実である

1)

。しかしな がら,総務省情報通信政策研究所(2014.7)の調査では, 「総合的に見ればインターネットや情報 通信機器は,日常生活でも,さらには教育の分野でも,適切に利活用することにより, ( 「ネット 依存」などの)負の部分を圧倒的に上回るメリットをもたらすものである」と分析している

2)

大学教育におけるスマートデバイス活用の可能性

-留学生と日本人学生との比較調査の結果を踏まえて-

The Possibility for the Use of Smart Devices in the University Education:

Based on the Results of the Comparative Survey between the Foreign and Japanese Students

Abstract

In recent years, the use of the Internet through the smart device that is the representation of smartphones is rapidly increasing. On the other hand, in the ICT environment of the university, place and time for the use are still largely constrained, which is a problem for its easily-used spread. The possibility for the use of smart devices in the undergraduate education of the university has been examined. The results of the nationwide survey, which had been considered for about two years, and the results of the comparative survey between the foreign and Japanese students,which was added as a pilot study, have been reported in this paper. The analysis result suggested that the students respond actively to the use of smart devices in or out classroom although they apprehensive about the use of Internet.

キーワード:大学教育,グローバル化,スマートデバイス

関西国際大学研究紀要 第18号,2017年,37-45

陳   那 森*   山 下 泰 生**   窪 田 八洲洋***

Nasen CHEN  Yasuo YAMASHITA  Yasuhiro KUBOTA

関西国際大学人間科学部

**

関西国際大学グローバル教育機構

***

関西国際大学教育総合研究所客員研究員

(3)

-  -38

また,教育活動への有効活用という観点からすれば,初等中等教育段階から利用し始め,大学に 入学する段階では,ほとんどの若者は,既にこれらのデバイスやツールを使いこなし,かつ高い 操作スキルを自然に身につけているという点は注目に値すべきであろう

3)

 一方で,大学が提供する

ICT

環境では,場所や時間的制約は依然大きく,利用しやすさの面で 課題がある

4)

。一般的に,大学等における

ICT

環境は,導入業者との契約形態により,3~4年 利用してからでないと更新されない。そのため,日進月歩の

ICT

環境の技術的変化に追いつかな い場合がほとんどである。このことはハードウェアの更新とソフトウェアのバージョンアップの 両方に言える。また,大学等の

ICT

環境におけるパソコンなどのクライアントマシンは,不特定 多数のユーザの利用が想定されているため,利用時間と利用場所に制約が設けられている場合が 多い。そのため,ユーザにとっては,必ずしも利用しやすい環境になっていないのが現状である。

そこで,本研究では,スマホを主役としたスマートデバイスの技術動向や利用実態の調査研究に より,特に大学の学士課程教育におけるスマートデバイスの活用に対する問題点や課題を明らか にし,新たな技術への対応も視野に入れた教育への適応可能性について検討した。今回は,約2 年間の検討を経て全国規模で実施した本調査の結果,およびパイロット的に追加実施した留学生 と日本人学生との比較調査の結果について報告する。

Ⅱ 調査の概要

1.日本人学生を対象とした全国調査

(1)調査の目的

 この調査は,大学生およびその予備軍である高校生が,どのような通信機器を用いて,どういっ た場所でどれだけの頻度でどのぐらいの時間をかけて利用しているかを把握すると共に,これら の通信機器やツールを学習活動への有効活用について,どのように捉えているかを明らかにする ことを目的とした。

(2)調査の対象と時期

 調査対象は,大学生および高校生・高専生とした。また,対象者がすべての都道府県を網羅し ており,人口比に応じたデータ収集ができた。

 調査時期は,2016年01月15日(金)22:40から2016年01月17日(日)23:28であった。回収数は,

予定の1,000サンプルを上回る1,032サンプルであった。

(3)調査の方法

 この調査は,Web 調査を専門とする株式会社マクロミルに依頼して実施した。調査票の設計段 階から,専門スタッフのアドバイスを受けながら,できるだけ被験者が回答しやすいような工夫 を施した。そして,マクロミルが保有するモニタの中から,前述の調査対象の学校種別比率が【高 校生・高専生3:大学生4】 ,男女比率が【男子1:女子1】になるように制御しながら調査が進 められ,回収サンプル数に達し次第,リサーチを終了した。

04陳 那森ほか②.indd 38 2017/03/01 8:47:00

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関西国際大学研究紀要 第18号 大学教育におけるスマートデバイス活用の可能性

2.留学生を含めたパイロットテスト

(1)調査の目的

 これまでの調査では,日本人学生を対象としていた。しかしながら,日本の大学では多くの留 学生を受け入れている現状に鑑み,留学生も含めた比較検討が必要であると考えるに至った。そ こで,今回は,前掲全国調査内容の一部を用いて,パイロット的に留学生と日本人学生との比較 調査を実施した。

(2)調査の対象と方法

 パイロットテストは,Google 社が提供するフォーム機能を利用して作成し,Web アンケート 形式で2016年6月初旬から下旬にかけて実施し,回答結果は自動回収した。調査対象者は,K大 学に在籍する1年生から4年生の計89名(男62名:女27名,日本人学生69名:留学生20名)であっ た。

Ⅲ 調査の結果

 本稿では,留学生を調査対象に含めたパイロットテストの結果を中心に報告する。日本人学生 を対象とした全国規模調査結果の詳細については他稿に譲ることとして,ここではその結果の概 要について述べるにとどめる。

1.全国調査結果の概要

 調査項目に対する集計結果の一部を図1~図3に示す。

 図1は最もよく利用する場所と時間帯の割合を示している。それによると,最もよく使う場所 は「自宅(下宿) 」の73%に, 「電車・バスの中」の11%と「キャンパスや学校の教室内」の8%

が続く。最もよく使う時間帯は「帰宅後就寝まで」の63%に, 「学内の空き時間」の13%と「自宅

図1 スマホを最もよく利用する場所と時間帯の割合

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(下宿)から通学途中」の10%が続く。

 図2は,具体的な学修場面でスマホは有効利用できるかを問うたものである。 「とてもそう思 う」と「少しそう思う」学生の割合は,何れの学修場面でも5割弱から7割強を占めている。

 しかし,この結果とは対照的に, 「インターネット利用上の不安」項目においては,

6割から8

割強の学生は,何らかの不安を抱えていることが,図3から読み取れる。そこで,これらの「イ ンターネット利用上の不安」項目と「スマホの学修への利用の可能性」項目との相関分析を行っ てみた。その結果,両者の間には,非常に弱い相関(r=.25)しかないことが判明した。

こうした結果から,キャンパス内の空き時間や帰宅後就寝までの比較的長時間に渡り,スマホを 利用している今の大学生は,インターネット利用に対する不安の程度にほとんど関係なく,スマ ホの学修活動への有効活用に関しては比較的積極的に捉えていることがうかがえる。

図3 ネットワーク環境利用における不安度

図 2 各学修場面におけるスマホの有効性

図 3 ネットワーク環境利用における不安度

2. パイロットテストの概要

以下では,留学生を調査対象に含めたパイロットテストの結果について述べる。

日本で学ぶ留学生のインターネットの利用環境は,基本的に日本人学生と同様であると考えられ る。この点は,最もよく利用するデバイスやアプリ,および最もよく利用する場所と時間帯に,日 本人学生と留学生の間に大差が見られないことからも読みとれる(図 4~図 7)。主な調査項目に 対する集計結果を図 8~図 11に示す。

図 8は,授業のある日と授業のない日に分けて,スマホの1日の平均利用時間を比較したものであ る。それによると,いずれの学生区分においても,授業のある日に比べて授業のない日に長時間利 用する者が多い傾向にあることが読み取れる。特に,日本人学生に比べると,授業のない日の留学 生の長時間利用者の割合が顕著に多い結果となっている。

図 9は,具体的な学修場面でスマホは有効に利用できるかについて,日本人学生のデータを「と てもそう思う」の降順に並べ替えた上,留学生のデータを対応付けさせたものである。それによる

.32 .22 .21 .20 .15 .13 .10

.41 .45 .40

.43 .33

.40 .46

.17 .23 .28

.25 .32

.33 .30

.09 .10 .12 .12 .21

.15 .14 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

教員が出した問題や質問への解答・回答 授業内容に関連するその場での情報の収集 授業内容の事後学習(確認テスト等)

宿題や簡単な課題 文章による次の授業内容の事前学習 ビデオによる次の授業内容の事前学習 ノートテイク(ノートをとること)や記録

4.とてもそう思う 3.少しそう思う 2.あまりそう思わない 1.全くそう思わない

.24 .26

.29 .33 .34 .36 .37 .46

.50 .53

.42 .33

.37 .41 .36

.48 .39

.37 .36 .31

.26 .28

.26 .22 .23

.14 .19

.13 .12 .13

.08 .12

.09 .04 .06 .02 .04 .04 .02 .03 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

コンピュータウィルスに感染すること 名前、住所、パスワードなどの個人情報が他人にもれること 自分が見たサイトや送受信したメール内容が他人に知られること 気づいたら、スマホがなくなっていた場合 電波が届かない(圏外)エリアに長時間滞在することになった場合 Twitter(ツイッター)などに自分に対する中傷や悪口などが書かれる

こと

スマホのバッテリー・充電がなくなりかけている場合 インターネットや携帯メールのデマ情報、有害情報に惑わされること 身に覚えのない高額の請求を受けること 自分のスマホやパソコンの中身を知られたり、データの変更や盗用を

されること

4.とても不安に思う 3.少し不安に思う 2.あまり不安に思わない 1.全く不安に思わない

図2 各学修場面におけるスマホの有効性

図 2 各学修場面におけるスマホの有効性

図 3 ネットワーク環境利用における不安度

2. パイロットテストの概要

以下では,留学生を調査対象に含めたパイロットテストの結果について述べる。

日本で学ぶ留学生のインターネットの利用環境は,基本的に日本人学生と同様であると考えられ る。この点は,最もよく利用するデバイスやアプリ,および最もよく利用する場所と時間帯に,日 本人学生と留学生の間に大差が見られないことからも読みとれる(図 4~図 7)。主な調査項目に 対する集計結果を図 8~図 11に示す。

図 8は,授業のある日と授業のない日に分けて,スマホの1日の平均利用時間を比較したものであ る。それによると,いずれの学生区分においても,授業のある日に比べて授業のない日に長時間利 用する者が多い傾向にあることが読み取れる。特に,日本人学生に比べると,授業のない日の留学 生の長時間利用者の割合が顕著に多い結果となっている。

図 9は,具体的な学修場面でスマホは有効に利用できるかについて,日本人学生のデータを「と てもそう思う」の降順に並べ替えた上,留学生のデータを対応付けさせたものである。それによる

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.15 .14 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

教員が出した問題や質問への解答・回答 授業内容に関連するその場での情報の収集 授業内容の事後学習(確認テスト等)

宿題や簡単な課題 文章による次の授業内容の事前学習 ビデオによる次の授業内容の事前学習 ノートテイク(ノートをとること)や記録

4.とてもそう思う 3.少しそう思う 2.あまりそう思わない 1.全くそう思わない

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.29 .33 .34 .36 .37 .46

.50 .53

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コンピュータウィルスに感染すること 名前、住所、パスワードなどの個人情報が他人にもれること 自分が見たサイトや送受信したメール内容が他人に知られること 気づいたら、スマホがなくなっていた場合 電波が届かない(圏外)エリアに長時間滞在することになった場合 Twitter(ツイッター)などに自分に対する中傷や悪口などが書かれる

こと

スマホのバッテリー・充電がなくなりかけている場合 インターネットや携帯メールのデマ情報、有害情報に惑わされること 身に覚えのない高額の請求を受けること 自分のスマホやパソコンの中身を知られたり、データの変更や盗用を

されること

4.とても不安に思う 3.少し不安に思う 2.あまり不安に思わない 1.全く不安に思わない

04陳 那森ほか②.indd 40 2017/03/01 8:47:01

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関西国際大学研究紀要 第18号 大学教育におけるスマートデバイス活用の可能性

2.パイロットテストの概要

 以下では,留学生を調査対象に含めたパイロットテストの結果について述べる。

 日本で学ぶ留学生のインターネットの利用環境は,基本的に日本人学生と同様であると考えら れる。この点は,最もよく利用するデバイスやアプリ,および最もよく利用する場所と時間帯に,

日本人学生と留学生の間に大差が見られないことからも読みとれる(図4~図7) 。主な調査項目 に対する集計結果を図8~図11に示す。

 図8は,授業のある日と授業のない日に分けて,スマホの1日の平均利用時間を比較したもの である。それによると,いずれの学生区分においても,授業のある日に比べて授業のない日に長 時間利用する者が多い傾向にあることが読み取れる。特に,日本人学生に比べると,授業のない 日の留学生の長時間利用者の割合が顕著に多い結果となっている。

 図9は,具体的な学修場面でスマホは有効に利用できるかについて,日本人学生のデータを「と てもそう思う」の降順に並べ替えた上,留学生のデータを対応付けさせたものである。それによ ると, 「授業内容に関連するその場での情報の収集」は,いずれの学生区分においても「とてもそ う思う」の割合が最も高く,スマホの即時性が高く評価されていることがわかる。

 また,「ノートテイク(ノートをとること)や記録」では, 「とてもそう思う」留学生(30%)

の割合が日本人学生(13%)より倍以上高くなっている。このことから,留学生が日本人学生よ りもスマホをノート替りの記録メディアとして頻繁に利用している実態が浮き彫りになった。こ のことが留学生の日本語の習得などに影響があるかどうかについて,今後の研究成果に期待した い。

 さらに,学生区分別に, 「とてもそう思う」と「少しそう思う」を足し合わせた値の平均値を算 出したところ,留学生群で0.736,日本人学生群で0.692となった。この二つの平均値の差が統計 的に意味のある差かどうか確かめるためにt検定を行ったが,有意な差は見いだせなかった(t=0.71,

df=6, ns)

 図10は,ネットワーク環境利用における不安度について,日本人学生のデータを「とても不安 に思う」の降順に並べ替えた上,留学生のデータを対応付けさせたものである。それによると,

「とても不安に思う」上位5項目は,順番に小差はあるものの,いずれの学生区分においても同様 の5項目がランクインされていることが読みとれる。一方, 「とても不安に思う」項目の最下位 は,いずれの学生区分においても, 「スマホのバッテリー・充電がなくなりかけている場合」と なっており,携帯式バッテリーパックの普及やスマホそのもののバッテリーの持ち時間が延びて いることが考えられる。

 さらに,学生区分別に, 「とても不安に思う」と「少し不安に思う」を足し合わせた値の平均値 を算出したところ,留学生群で0.715,日本人学生群で0.654となった。この二つの平均値の差が 統計的に意味のある差かどうか確かめるためにt検定を行ったが,留学生群の平均値のほうが有 意に大きいという結果になった(t=2.75, df=9, p<0.05) 。

 図11は,スマホによる学修コンテンツ視聴の有効性について,日本人学生のデータを「とても そう思う」の降順に並べ替えた上,留学生のデータを対応付けさせたものである。それによると,

すべての項目において, 「とてもそう思う」と回答した留学生の割合が日本人学生より大幅に高く

なっていることが読みとれる。そこで,学生区分別に, 「とてもそう思う」と「少しそう思う」を

足し合わせた値の平均値を算出したところ,留学生群で0.833,日本人学生群で0.667となった。こ

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の二つの平均値の差が統計的に意味のある差かどうか確かめるためにt検定を行ったが,留学生 群の平均値のほうが有意に大きいという結果になった(t=5.18, df=5, p<0.01) 。

 以上の結果から,総じていえば,今回取りあげたすべての学修場面,およびすべての学修コン テンツの視聴に対し,日本人学生に比べて,留学生のほうがより多くのネット利用に対する不安 を抱えながらも,スマホの学修活動への活用について,より積極的に捉えていることが推測され る。

図4 主たるスマートデバイスの使用状況

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図5 主たるソーシャルメディアの利用状況

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図6 スマートデバイスを最もよく利用する場所

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図7 スマートデバイスを最もよく利用する時間帯

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関西国際大学研究紀要 第18号 大学教育におけるスマートデバイス活用の可能性

Ⅳ おわりに

 本稿では,大学の学士課程教育におけるスマートデバイスの活用の可能性について検討するた めに実施した全国規模実態調査の結果の概要,およびパイロット的に追加実施した留学生と日本 人学生との比較調査の結果について述べた。

 前者の分析結果から,授業内外を問わず,日本の大学生は,ネット利用に対する不安を抱えな がらも,スマートデバイスの学修活動への活用を積極的に捉えていることが示唆された。後者の 分析では,全国実態調査の傾向を継承しながらも,大多数の質問項目においては,日本人学生群 よりも,留学生群のほうの平均値が有意に大きい結果が示された。しかしながら,今回はサンプ ル数が少ないため,より詳細な調査が今後の課題として残された。

 いずれにせよ,グローバル化が進行する大学教育へスマートデバイスを本格的に活用するには,

留学生や非所持者への対応,教える側の意識改革など様々な課題があるものの,これだけ学生に

図8 スマホの1日の平均利用時間の比較

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図9 各学修場面におけるスマホの有効性の比較

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-  -44

広く支持され,肌身離さず所持し利用されている実態に鑑みれば,今後の大学等における教育環 境の設計や構築は,スマホを主たるアクセスデバイスの一つとして想定されるべきであろう。

図10 ネットワーク環境利用における不安度の比較

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(10)

関西国際大学研究紀要 第18号 大学教育におけるスマートデバイス活用の可能性

【引用文献】

1)陳那森・山下泰生,情報環境の社会的進展を重視したユーザビリティの高い新たな教育環境の可能性に

関する提案,日本教育情報学会第30回年会論文集,pp168-169, (2014.8)

2)

総務省情報通信政策研究所,高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査報告 書,平成26年7月

<http://www.soumu.go.jp/main_content/000302914.pdf>

3)

陳那森・山下泰生・窪田八洲洋, 「授業外学修におけるスマートデバイスの活用の可能性について」 ,日 本教育情報学会第31回全国大会予稿集,pp.314-315, (2015.8)

4)

中島ゆり,お茶の水女子大学の課題:平成22年度「お茶大生の学習環境と生活・意識に関する調査」報 告,お茶の水女子大学教育機構紀要『高等教育と学生支援』第2号,pp.64-76, (2012)

【参考文献】

大谷誠・江藤博文・渡辺健次・只木進一・渡辺義明,シングルサインオンに対応したネットワーク利用者

認証システムの開発,情報処理学会論文誌

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入江公啓,SNS

による教育・学習支援の試み

,

志學館大学研究紀要 Vol.30,No.1(2009)

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村上正行・山田政寛・山川修,SNS

を活用した教育・学習の実践・評価,教育システム情報学会誌 Vol.28,No.1,

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(2011)

村田和也,

藤本貴之

,

スマートフォンの授業利用を実現させつつ“授業目的外使用”を制限させる授業補助

環境の構築

, 情報処理学会, 2013-Interaction

(1EXB-34)

pp.267-269,

(2013)

和田康宏・大西克実・中野秀男,BYOD

を活用した授業支援システムの開発と評価,情報学 Vol.11,No.2,

pp.1-18,

(2014)

図11 スマホによる学修コンテンツ視聴の有効性の比較

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参照

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雑誌名 金沢大学日本史学研究室紀要: Bulletin of the Department of Japanese History Faculty of Letters Kanazawa University.

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