マイ コン通信 を用 いた遠隔測定
宮坂忠昭 春原眞一
1 緒 言
マイクロコソピューク ( 以下 ‑ 1イコン)が各分野に用い られ,その応用が皿的Tf 的に拡
火充実 して きた.t k J T H l 的 も多) J 鳩 にわた り,個性 化されてきている.例 えば,記憶村 立を大 きくし多i l tの情報を より詩 も速に処F J i す る一方,枚数 の コソピューク間をつなぎf l l f 俄の交換 を す るいわゆ るマイコ ソ 池信等がそれである. これは,‑ー ドお よび ソフ ト面で もっと容易に 扱 える顎h J 2が塵 えは,次u L ・ 代のマイ コソ利用のr r 7 心的位置づけを もつ可能性がある.
先にマイコソ地位を教育に利用す る簡単な方法を発表 したが ( I ) ,情報 の遠隔地への 伝達 と い う機能の他にマイコソの制御 とい う機能を付加 して,ある物理量の遠隔測定を試みた.本 方法は遠隔地の電気丑に変換 され る全ての物理丑例 えは温度,時間,計数等の測定の可能性 を もっている. これは一見複雑かつ多額の致用が必要 と思われ るが ,BASI C を理解す る方 な ら誰で も可能で しか も低額 な牡用で行 える特徴を もってい る.図 1 に システムの一部を示 す.
2 実 験 方 法 2・1 測定内容 とその理論
応m物理実験 の一項 r l 「 剛性率の測定」におけ る周期 T( S )を このJ 6法に よって測定 した
図 1 マイコン通信の HOST 側
* 基礎専門 応用物理 教授
* * 一般料 物理教室 技官
原稿受付 昭和 61 年 9 月 30 日
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詳細な内容については応物実験の専門書に譲 るとして,その内容を略記する.円環の振 り子 を水平,垂直の二つの姿勢で被測金属の針金でつるし,その慣性モーメソ ト( I )と周期 (T)
とか ら剛性率 ( 〟) を求める.基本式は
・% ‑‑k O ( I )
であ り ,‑k O は針金のね じれ応力による力のモーメン トである. よって周期は次式で 示 さ れる.
・‑ 2 打 J i
針金の長さ l ,半径 a ,その材質の剛性率を n とすれば k‑打 a r l / 2 1 なので 8 7 r Z l
n = #
( 2)
( 3)
となる.振 り子の姿勢を水平,垂直に変えた場合の周期をそれぞれ T l ,T℡とす ると次式か ら n が求め られる. ここで
8 7 r l Zl‑ Z 2
・1 2lT2 2 ‑ 意 I I ‑I 2 )∴n ‑ 7 許 可
・ 1 ‑ 〟等 , I 2 ‑ M( 誓 ま . 蛋)
( 4)
以上の式における諸量は次のとお りで あ る.円環の質量 M ,外半径 b ,内半 径 C ,厚 さ
d ,針金の半径 a ,長 さ t ,これ らは 1 / 1 0 0 の精度で測定 して, あ らか じめマイコンに記憶 さ せてお くが, この うち針金の半径 α は式( 4 ) からわかるようにこの測定精度が結果に大 きく 影響するので 1 / 1 0 0 0 程度の測定精度を必要 とする.
2・2 周期 (T) の測定
従来は望遠銃を通 して円環につけたマークの動 きを観測 し,望遠鏡内の十字線を通過する 時刻を 1 0 周期ずつ 1 0 回測定,記帳 し計算で求めた.しかし被測金属にもよるが,周期測定だ けで 1 0 分 〜5 0 分 ( ‑姿勢で)かか り, このため 目の疲労 と数えまちがい等によって測定誤差 が入 り易かった.
このため円環の吊 り手の一面にマグネ ットに粘 りつけた ミラーを付着させ,他の一面にこ れ らの慣性モーメン トと等 しくなるような同様なマグネッ トをつけてバランスを とった. こ のことは,吊 り手の慣性モーメン トを無視できるとい う本実験の性質上,問題ない. この ミ ラ‑にレーザ光線を入射 させて,反射光を光センサに よって電気的信号に変えた.円環のね じれ振動による振れ角¢と時間 との関係および光センサか らの出力を図 2 に示す.周期 Tl を測定するために,偶数あるいは奇数回の信号をクロックを作動させるための予備 トリガと
して用いるようにした. この信号は測定回数の計数およびレーザ光源を点燈させる目的にも
併用 される.
マイ コ ン通信を用いた遠隔測定
2・3 システム
2・3・1 マイコン.内容が充実 し, また安価に なった MSX コンビュ‑メ ( 2 ) ( 3 )
を用いた. この BASI C は 8 ビッ トマシン 中で も高速に位置 し, ソフ トは各 メーカ共 通に使用可能で‑‑ ドについても同様であ る利点を もつ.最大の利点は,大量のア ド レス空間を確保す るためにスロッ トの機能 を もたせた ことであ り ,4 個の基本ス ロッ トのそれぞれに 4 個の拡張スロッ トを接続 す ると最大 1 M , , ' ィ トのマイコンになる.
このス ロッ トは 5 0p の端子を もつ もので 1 8( mm)×1 0 8( mm) のカセ ッ T .テープの ケ‑ス程度の挿入 口を本体の上部あるいは 側面にもち, これに自作 も含め各種イソタ
(i)
(d )
振 れ 角 T. 出 力 パ ル ス トリガ ー 信 号 hr
t ; 0 t l = T l 図 2 周期 ( T) を測定する過程
1 3 3
‑フェース (カー トリッジ)を挿入す ることに より,簡単に周辺装置 とアクセス可能 となる.
これは,従来のマイコソが本体の後方にイソクーフェース用の端子をおき, しか も各社独 自 の高価なイソクーフェース ( 例えば A/ D,D/ A 変換器等)を使用せねはな らなか った こと を考えると, 自由な発想でかつ手軽に外部系 とマイコソを接続す る目的には最 も適 した横器
と考える. HOST 側には フロッピーデ ィス ク ( 以下 F. D) 内蔵の MSx2 を用 いてみた. こ れは将来プログラムやデータのや りとり( DOWNLOAD,UPLOAD) に備えるためである.
TERMI NAL 側には,最 も安価なかつ小型の ものを用いた.拡張ボ ックスに より 3 ス ロッ ト使用可能である.
2・3・2 周辺機器.図 3 に示す ように HOST 側に通常用い られる DI SPLAY,PRI N‑
TER の他に操作性のよい クイ ックデ ィス クドライブを用いた. これは記録 メデ ィアとして 2 . 8 イソチの両面記録可能なデ ィスクを使用してお り, ラソダムアクセスは 不能 な も の の 1 2 8K バイ トの記憶容量を もち,使用すると F.D と変わ らない操作性を もつ ことがわかった.
TERMI NAL 側 としては,上記 HOST 側の周辺機器の他に MSX ス ロッ ト用 F.D 杏採 用 した. この 目的は将来の拡張のためであ る.本実験の測定 目的に合致す る入 出力用インタ ーフェースを自作 した. 82 5 5 A‑5 の PPI を使 った一般的回路で, MSX ス ロッ トの ピソ番 号 さえ間違えなければ容易に作動す る.光 センサは この場合 8 個 まで独立に使用可能で, 出 力ポー トも 8 個用意 しているが, 本実験は簡単な制御系なのでそれぞれ一個の使用で よい.な お レーザ光源の制御は本来ならこの出力ポー トを使用すべ きだが ,MSX のカセ ッ トイソタ
‑フェースのモータ on,o f f機能が‑‑ ド,ソフ ト共に用意 されてお り,1 ). レ‑使用に好都合 なので これに よった.なお自作入出力イソクーフェースのモー ド指定は OUT&H83,&H82 で,入力ア ドレスが &H81 ,出力ア ドレスが &H80 ,&H82 である.スチ ッピソグモ‑タ駆 動装置は山洋電気の同 ドライブ用 I C,PMM871 3 を用いて自作 した.入力パルス は TTL
レベルであ り ,up,down クロック信号の 2 つで正逆転可能で使い易い.なお これ ら駆動パ
ルスは機械語に よってつ くり,高速性 と制御性 とを高めた.
1 3 4 長野工業 高等専門学校紀要 ・ 弟1 7 号
HOS' 1 、 Tl HiM IN^l J
軌定 系
団3 遠隔測定装置の構成
一 ・2・3‑ ・3 クロック.周期測定のクロックとして ,MSX の内部 クロックを使った.こ れは 1 / 6 0 秒ごとに発生す る割込み用の信号を基準 としているので,その精 度 は 1 / 6 0‑0 . 0 1 3 秒程度である・測定周期を T‑1 0 秒とすれば,全測定精度に及肘 影響 は 土 2
(辛) と考え
られるので約 0 . 2 6 % で他の物理量の測定を考えれば,満足できるものと思 う. しかしもっと 高精度の測定対象にはこれでは不満足であ り,高精度外部クロックを用意せねばならない.
2・3・4 ステ ッピングモータ.ね じれ振動を開始 させるには,円環の縁を両手で触れ 中心がずれないように少 しずつ回転させ約 9 00 ず らした後静かにはなす. この操作が意外に むずか しく,慎重に行なってもね じれ振動以外の振動が重合 してしま う.そこで図4 に示す ように被測金属の針金をステッピソグモータによって回転させて,ね じれによるずれ応力を 生 じさせた.ステ ッピングモータの軸に針金を くわえるタラソプを取付け, これを天井の鉄 製 の桟に固定 した. これによって任意の時刻に任意の振れ角をマイコン制御によって与える ことができる.使用ステッピングモータは,保持 トルクが 6 . 0( kgc m) をもってお り,実験 の内容から軸の固定 としては,問題ないと考えている.
I2・3・5 RS・ 23 2・ C 用モデム.市販の MSX 用 RS‑ 2 3 2I C 用インターフェース (カ
ー トリッジ)を HOST,TERMI NAL それぞれのスロットに挿入すれば,簡単に相互通信
機能を もたせることが可能になる.当初音響 カプラを経て構内電話回線を使用 し′ たが,伝送
速度が最高 1 2 0 0 bps で本実験 日的にはやや遅 く,また構内の場合ノイズ混入によるエラー
がみられたので,高速性 と信頼性の高い光イソクーフェースを用いてみた.図 5. プラスチ
ックファイバーコー ドにより最高 4 0 ( m) ,最高 1 9 2 0 0 bps のボーレー トで通信ができる. こ
れは自由に切断可能で静電気や電磁誘導の影響がなく使い易い. ここでは,実験室 と研究室
マイコン通信を用いた遠隔測定
図 4 以 i 助 川 スf ・ッビングr e‑{ J
図 5 光イソクーフェース 図 6 遠隔測定フPチ1 ・ ‑ ト
とを 30( m) のそれで結び ,1 9 2 0 0bps で通信 を行 な ってい る. このモデ ムは,光 77 ・イバを 変更す ることで過信距離をのはせ るし,長時間の使用で も性能等に問題 な くか つ £ 御L n i であ る.
2・4 遠隔測定用プログラムの構成
2・4 ・1 MSX 用通信モー ド.通信を始め る前に送受信 の約束 ごとつ ま り通 ィ . てモー ド の設定が必要 であ る.本実験 では ,CALLCOMI NI( "0:8N3 XNNNN ′ ′ ,1 9 2 0 0 ,1 9 20 0 , 5 ) で ,RS‑ 2 32‑ C のポー ト0を呼ぶのが CALLCOMI NI( " 0 :, デ ータ長は 8 ビッ ト: ( 8 ) , パ リテ ィはな し :( N) , ス トップ ビッ トは 2 : ( 3 ) , 又 on of fはす る : ( Ⅹ) ,CS・ RS /、ソ ドシ
ェークはな し : ( N) , 自動 ライ ンフィー ド追加削除はな し : ( N) ( N) , シフ トイ ソア ウ トコソ ト ロールはな し : ( N) ,受 ・送信 ボー レー トは共 に 1 92 0 0 bps: ( 1 9 2 0 0 ) ,( 1 9 2 0 0 ) , タイムア ウ
トは 5 秒 : ( 5 ) の意味であ るが詳細は専門書に茂 る.
2・4・2 プ ログラムの7 ローチ ャー ト 図 6 に プログラムの フ ローチ ャー トを示す.
マイ コソ通信におけ る送受信 の基本手順は ,OPEN (データ ファイルを背筋す るための,逮
受信/てッファの ファイルを開 く)か ら PRI NT #または I NPUT # ( 送受信 のバ ッファか
ら送受信 のデータを送 り出すか受け とる) の後 , CLOSE (ファイルを閉 じる)でデータ通
信を終 了す る.
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マイコン通信を行 う場合重要なことは ,HOS T 側で命令を与えた場合,確実に TERMI ‑ NAL 側に伝達 されかつ実行 されたか どうか確認することである. このために実行後,単に プログラムのみで返すのでな く ( ェコ‑パ ック) ,実行確認 の システムを通 した後の情報を 返送 させ HOST 側で確認後次のステ ップに進む ようにする.これ と合わせて ,TERMI NAL
側の測定操作が どこまで進んでいるのかを HOST 側で把捉できるよ うにす る.例えば本実 験では,ステ ッピングモータが作動す ることで,光センサに よる電気的出力が生ずるので, これを再びマイコンに取 り込 んで, この情報を HOST に返送すれば よい.測定操作の確認 には,ディスプレイ上に過程を表示す るのみでな く,随所に MSX が特徴 とす る音楽 ( 育) を入れて,聴覚に よる情報伝達 も用いた.
3 実 験 結 果
実験の結果,遠隔測定を簡単に行 うために得た基本プログラムの一部を図 7, 8 に示す.
図 7 の HOST プログラムの内容を略記す る. 1 0 ‑40 初期設定 ,5 0 実験開始の許可及び命 令 ,1 2 4 測定確認の受領 ,1 2 5 ‑1 3 0 測定値の受領 ,1 6 0 ‑1 6 3 測定値の処理 ,1 9 0 ‑2 0 0 再 測 定 を問 う ,2 2 0 ‑2 3 0 終了処理.
図 8 の TERMI NAL プログラムの内容は ,1 0 ‑3 0 初期設定 ,4 0 ‑3 3 0 S. M. 駆動用機械 語サブルーチソ ,1 0 0 0 ‑1 0 2 0 開始命令待ち ,1 0 40 レーザ光 ON ,1 0 5 0 ‑1 0 6 5 レーザ発光感知 とその送信 ,1 0 7 0 ‑1 1 2 0 測定命令開始待ち及び開始 ,1 1 5 5 ‑1 21 0 測定値の送信 ,1 2 2 0 ‑1 5 1 0 時間間隔測定用サブルーチン,である.なお剛性率 ( 〟) を求めるためのプログラムは発表 ずみであるので,省略 してある.
図 9 に遠隔測定結果を示す, これ らの各値は文字列で送 られた ものを数値変換 してあるの で, その結果をさまざまにデ ィスプレイ上で 表示 しか つ XY プロッタなどで 図表化可能で ある. TERMI NAL での測定が終了後 ,1 0 回の測定値を受領す るのに約 2 .1 秒であった. こ れはほ とんど瞬時に感 じ,光通信の高速性 と信頼性を示 している.
10 ▲TEL MEASUF i . 】 NG HDST 15 CL8
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80 ZNPUT ●1 . q●J PRI NTq事I PLAY' ' 04E' '
'DF uVE' 9O IF I+.'LASER EXCI TED' THEN lOO ELSE I O◎
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163 PRINTJ TA【 l fl O IJ' MEAN.Tl■ ' A(10)/10
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.○○. ○○.00. eO. 001I 290 DATA ¢◎. D3. D3‑ 白色. B〇一 BE. aE一 a2.CJ 蛇 .CD. ). ^ヽ̲ 45. nF Del' hl nF D830 L うA
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00l' D859
図 7 ホス ト用プT ]グラム
マイコン通信を用いた遠隔孜I J 定
PR 川 Tr PRI NTl' U ATI NC )THE MESSAGE OF STAR
TJ'OPENJCロM O l■ AS +l
I NPUT l l l一 句事
IF QJ■ ■ l〝 THENl◎3◎ELSE l◎e◎
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END
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PI H T暮(l◎)
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P■INP( ▲H81)
lF PIAHFE THEN 1 370 ELSE134¢
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ZF P・ L AHFC THENlAl や ELSE l39O TlME■O
T+( I )lSTR*( Tl) PLAYrD5EJ
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図8 ター ミナル用プログラム
4 結 言
30( m) 隔 てた研究室問 のマイ コンを光 ファイバを用 いた光イ ン ターフェースで結 び, マイ コン通信を用い簡単 な遠隔測定 を試 み た. システムはいた って簡単で しか も廉価 に構成 され てい る. プ ログラム も特別な知識がな くて も作成可能であ るが, 留 意 点 は HOST と TERMI NAL が相互 の状態 を確認 しなが ら進 める よ
うにす る ことであ る.
ここでは時間間隔の測定例を報告 したが,電 気量 に変換 され る 物理量は全 て本方法が可能でそれ らに よる制御系を簡単な手段 で 構築で きる発展性 を もっている.
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