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熱ル ミネッセ ンス法 による陶器の真贋判定

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一   考古学 と自然科学   14号  (1982)一

熱ル ミネッセ ンス法 による陶器の真贋判定

市 川 米 太 長 友 恒 人

1.  は   し   め   に

古 陶器 の贋作 にかか わ る問題 は世 界 の各 国 で最 近特 に多 くな って きてい る。 日本 で も今年精巧 に 作 られ た蛇 の装飾 の あ る こ とか ら重文指 定 を受 けた縄文土器が ,そ の部分が最近作 られ た もの であ るこ とが 陶芸家 の発表 でわか って重文指定 が取 り消 され た。 また ,昭 和 35年 に は ,有 名 な永仁 の 壺事 件が あ り ,重 文指 定 の古 瀬戸 の 壺が 昭和 の作品 であ る ことが わか って ,重 文 の古 瀬戸 をみ な調 査 しなお さな けれ ばな らなか った。 この時 は ,  これ まで行 なわれ て きた美術 史家 の銘文様式 な どの 肉眼鑑 定 の外 に ,熱 残留磁 気法 や蛍 光 X線 分析法 な どの 自然科 学 的手法 が使用 され た。 その結果

,

永仁 の壺 の重文指定 が解 除 され た。 この時 に使用 され た熱残留 磁 気法 や蛍 光 X線 分 析法 が現 在 ,自 然 科 学的手法 に よる古文 化財研究 において年代測定 や産地推定 な どの分野 で大 きな成果 をあげてい

る ことは興味深 い。

以上述 べ た ことは ,重 要 文 化財 とい う一 国の文 化財行政 にかかわ る問題 であ るが ,  この外 に美 術 品愛好家 を対 象 に した質作 の問題が ある。現在 では ,古 代 遺跡 か ら発掘 され た各 種 の陶器 には ,ほ

とん どそれ ぞれの質作が あ る よ うで ある。 この中 には陶芸家が趣味 として古代 の技法 で作 った贋作 もあ るが ,大 部分 の質 作 の 目的 とす る ところは ,作 品 を その価 値以上 に高 く買わせ る ことに あ る。

この よ うな賀 作者 た ちは ,美 術 商 の 目を くらます ための技法 を磨 く一方 ,使 用 す る陶土 につ い て も 注意 をは らい ,古 代 に使 われ た原料 と同 じ もの を使用 してい る といわれ てい る。特 に イタ リア とメ キ シコで は ,一 つ の村全体 で組織 的 に質 作が行 なわれ てい るよ うであ る。 この場合 には ,蛍 光 X線

分析法 に よる元素 パター ン法 では真質判定 をす るこ とは で きな い。

熱 ル ミネ ッセ ンス年 代測 定法 は ,昭 37年 頃 か ら英 国の オ ックス フ ォー ド大学 ,米 国 ペ ンシル バニ ア大学 ,日 本 の京 都大 学 な どで研 究 が 開始 され ,昭 和 45年 頃 に は年 代測 定法 の基 礎が確立 され た。 l'2)こ

の間,オ ックス フ ォー ド大 学の考古学 ,古 美術 史研究所 は ,世 界 を リー ドして きた。

この研究所 の フ レ ミングは ,こ の方法 を陶器 の真質 判定 に応用 す る こ とを考 え ,ル ネ ッサ ンス時代 の テ ラコッタゃ唐 の陶器 に適用 して ,そ の有効性 を実証 した。 3,4)彼

は最近 `

美術 品の真 贋 ― そ の科 学的鑑定″ とい う本 を書 き ,妹 尾 氏 の訳 で共立 出版社 か ら出版 され てい る。 なお ,オ ックス フ

ォー ド大 学 ではサ ー ビス と して ,熱 ル ミネ ッセンス法 に よる陶器 の真贋半 J定 を行 な ってお り ,ロ ン

奈良 教育大 学 :奈 良市 高畑町

(2)

ドンのオ ークションには陶器にその証明の付 け られた ものが出てい る。

熱 ル ミネ ッセンス年代測定法には ,数 ミクロンの鉱物粒子を試料 として発光 させ る微粒子法 と 100ミ クロン程度の石英粒子のみを試料 とす る粗粒子法 とがあるが ,フ レ ミングは微粒子法によっ て真質判定 を行なってい る。 3)

熱 ル ミネ ッセ ンス測定は土器や陶器が製作 されてか ら現在までに蓄積 された放射線量を熱発光量 として測定す る ものであ り ,一 般的には製作年代が古いほど熱 発光量が多い。現代に製作 され た陶 器 は熱発光 しないので ,原 理的には容易に真賀判定がで きる。 しか し ,お お よその年代 を求めよ う

とす る場合は年代測定 と同 じよ うな手続 きを取 らなければな らない。 この場合 ,年 代測定では土器

片を粉砕 して多量の試料 を使用 して測定で きるのに対 して ,真 質判定では陶器の破損 を最少にす る ため ,数 十 ミリグラム程度の粉末を採取 して試料 としなければな らない。採取す る陶器の粉末 は少 なけれ ば少 ない程望ましい ことになる。 この よ うな観点か ら我 々は ,採 取 した粉末試料中の全粒径 の粒子 を試料 とす る方法で真贋半 J定 を行ない ,そ の問題点を検討 した。

2  測   定   方   法

粗粒子法 による年代測定 においては約 30g程 度の土器片か ら試料調整によって粒径 100ミ クロン 程度の石英粒子 を約 150ミ リグラム取 り出して試料 とす る。 真賓判定においてはで きるだけ小量の 陶器粉末 に よって■

ll定

しなければな らない。今回の試料調整法 としては ,ま ず ,関 東機器株式会社 製の ミニ タ ー 7を 使用 し ,超 硬質 カッタ ーで陶器の一部分か ら 50ミ リグラム程度の粉末 を採取 し亀 次 に ,  この粉末 を試験管 に入れてアセ トンをそそ ぎ ,超 音波洗浄器に よって約 5分 洗浄 した。 これ に よって ,鉱 物粒子 と粘土 を分離 し ,水 洗によって粘土部分 を除去 した。最後 に鉱物粒子 を 10%の

フ ッ化水素酸に 3分 間浸 し ,酸 処理 をした。 これ らの試料中には石英 を主 とす る種 々の粒径の鉱物 粒子 が含 まれてい る。 このため ,こ の試料 を均質にし熱発光曲線の再現性を良 くす るため ,縮 分器 に よって三分 し ,一 方 にはコパ ル トー 60の 標準線源によって ,500ラ ドの照射をした。 この照射の 試料か らの熱発光曲線 と非照射の他方の試料 か らの熱発光曲線 とを記録 して比較 した。 ■

lj定

法につ いては 〃

考古学 と自然科学 ′

の第 1号 と第 10号 に詳 しい ことが紹介 されてい る。

3  測定結果および考察

1)日 本の古代土器についての予備テス ト

予備 テス トとして ,年 代のわか ってい る古墳時代の須恵器片 ,弥 生後期の土器片お よび縄文後 期 の土器片か ら約 50ミ リグラムの粉末 を採取 した。 この粉末 を上記の試料調整法によって試料 を作製 し ,そ れぞれの熱発光曲線を記録 した。熱発光曲線は ,試 料 を窒素雰 囲気中で室温か ら500℃ まで 加熱す ることによって得 られ る。 空気中では化学 ル ミネ ッセ ンスが現 われ るので窒素中で加熱す る

‑104‑

(3)

ので あるが ,試 料 を充分精選で きない真質判定では 特に高純度の窒素を使用 す る必要がある。

図 1,図 2,図 3に それ らの熱発光曲線が示 して あ る。 図において , Nの 曲線は調整 して得 られた試 料 そのままの ものを加熱 した時の 自然熱発光曲線で

,

土器が焼成 されてか ら現在まで受けて きた自然放射 線による ものである。 ,N+500Rの 曲線は試料 00

ラ ドの コパル ト 60の ガンマ線を照射 した後 ,  これを 加熱 して熱発光 させた もので ,  自然熱発光 に 500ラ

ドの人工のガンマ線照射による熱発光が加わ った も のである。 したが って ,Nの 曲線 と N+500Rの 曲 線の間隔が 500ラ ドに相当す るので ,Nの 曲線か ら 土器が受 けて きた放射線量 を評価す ることがで きる。

B.G。 は自熱 によるパ ックグラウン ドである。熱 ル ミネッセ ンス年代漫 J定 においては ,  これ らの熱発光 曲線か ら土器の受 けて きた蓄積線量 を求 め ,  これを 土器が 1年 間に受 ける年 間線量で割 ることによって 年代が測定で きる。今 回の真質判定 においては ,年

代測定の場合の よ うに試料調整によって 100ミ クロ ン程度の粒径の石英粒子 を取 り出す ことはで きず

,

小量の試料に含まれてい るすべ ての鉱物粒子を試料

図 1  須恵器 の熱発光曲線

N:自 然熱発 光  N+500R:自 然 熱 発 光 に 500ラ ドの 人工照射 の熱発光 が 加 わ った もの。

Fig.1。  TL glow curves for Sueki

N:nattral glow,

N+500R:glow fOr natural plus 500 Rad induced dOsc

としてい るので ,熱 発 光 曲線 の再現 性は悪 く ,正 確 な 蓄積線量 は求 め る こ とはで きない。 また ,真

贋 テ ス トの陶器 につい ては ,年 間線量 も正確 な評価ので きないこと力移 もヽので 精度の高い年 代 は求 め られない が ,真 賀判定 で は その 目的上 ,高 い 精 度は要求 されない。

図 1の 古墳 時代 の須 恵器 につ い て ,熱 発 光量 が減 衰 していない約 350℃ 付近 で蓄積 線量 を求 め ると 約 350ラ ドとな る。一応 ,こ の土器 の年 間線 量 を Q25ラ ドと仮定 す ると年 代 は 1400B.Pと な る。

図 2の 弥 生後期 の土器 につい ては ,  蓄積線量 が 550ラ ドと して求 め られ ,年 間線量 を前 と同様 に

Q25ラ ドと仮定 す る と年 代 は 22∞ B.Pと な る。

図 3の 縄文 後期 の土 器 につ いて は ,蓄 積 線 量が 1000ラ ドとして求 め られ ,年 間線量 を Q25ラ ド と仮定 す る と年 代 は 4o00 BoPと な る。 C25ラ ドと仮定 した年間線量 は ,関 西地 方 にお け る土中 の 自然放射線 量 の平均 値 に近 い もの で ある。以上 で求 めた古代 土器 の年代 は年代 測定 で求 め られ た年 代 と大 きな相違 はな く ,50ミ リグ ラムの 陶器 の粉末 試料 で も真質判定 が要求 す る程 度 の誤差範 囲内

︵Cっ 0﹂︶>卜一∽ZШ卜Z一 コト

2∞    3∞    4∞

TEMPERATURE(・ C)

(4)

で年 代 が求 め られ るこ とがわか った。

o   l∞    2∞   300   4∞   500

TEMPERATURE (° C) 図 2  弥生後 期 の土 器の熱 発 光 曲線

N:自 然 熱発 光  N+500R:自 然 熱 発 光 +500ラ ド分 の熱発光

Fig.2. TL glow curves for Yayoi pottery.

0      1o0     200     000     400     500 TEMPERATURE (° C)

図 3  縄 文後 期 の土 器 の熱発 光 曲線

N:自 然 熱 発光  N+500R:自 然 熱発 光 +500ラ ド分 の熱発光

Fig.3. 1「 L glow curves for Late JolnOn pottery

︵Cコ 0しo︶>︼一゛ZШ卜Z一 コト

︵Cぅ 0﹂︶>卜一゛ZロトZ一 コト

2)真 質 判定 の事例

この よ うな予 備 テス トの 上に立 って ,著 者 の知 人の美術 愛好 家 の所 有す る陶器 につい て真贋 判定 を行 な った。 陶器 は古代 メキ シコの硬質壷 一点 とタイのバ ンチエ ンで発掘 され た陶器数点 とで あ る。

試料 は陳列 中 に見 えない よ うな陶器 の底 や縁 の 内側 の部分 か ら削 り取 った約 50ミ リグ ラムの陶器 粉末 で あ った。

図 4は メキ シヨの硬質壺 の熱発光曲線で あ る。 図におい ては ,  自然 熱発光 曲線 Nは ,N十

"OR

に比較 して非常 に小 さ く ,パ ック グラウ ン ドの曲線 とほ とん ど同 じで あ る。 これ は ,蓄 積線量 が数 ラ ド程 度以下 で あ るこ とを示 し ,現 代作 られ た賀作 で あ る と判定 され る。

図 5,図 6は バ ンチ ェ ンの陶器の代表的な熱発光曲線で ぁ る。 図 5の 熱発 光 曲線か ら求 め た この 陶器 の蓄積 線量 は 230ラ ドで あ る。 図 6の 熱発光 曲線 か ら求 め た この陶器 の蓄積 線量 は 1130ラ ドで あ る。 この二 つの限界 が同一遺 跡 か ら発掘 され た もので あ るこ とか ら ,  もし陶器 の胎土 が同 じで あ る と仮定す る と ,後 者 は前者 ょ り 5倍 古い こ とに な る。 この よ うに して ,今 回の実験 で陶器 が現代 に作 られ た質作 で あ るか ど うか ,お お よその年代 が どれ くらいの もので あ るか な どを判定 で きるこ

‑106‑

(5)

とが明 らか にな った。採取 す る陶器粉末 の量 につ い ては ,50ミ リグ ラムは標準 的 な量 で あ って ,年 代 測定 の場合 と同 じよ うに石英粒 子 な どを多量 に含 む陶器で は 20ミ リグ ラムで充 分で あ り ,粘 土成 分の多 い 陶 器 に つ い て は

100ミ リグ ラム以 上 の粉末量 が必要 で あ った。

必要 とす る陶器粉末 の量 は ,粉 末 を偏 光顕微 鏡 で観 察 し ,結 晶性鉱物 の含有量 を推定 す る

こ とによ って大体 の見 当 をつ け るこ とがで き た。

︵Cコ 0﹂o︶>卜一のZ﹈卜Z一 コト

︵ C D   O ﹂ ︶ ン ト 一め Z ロ ト Z 一  コ ト

︵CD O﹂︶メト一゛ZロトZ一 コト

TEMPERATLRE(° C) バ ンチェ ンの陶器の熱発光曲線

TL glow curves for pottery from B枷 ‐ chiang

図 4

1∞

   2∞    3∞    400   500

TEMPERATURE(° C)

メキシコの硬質壷 (贋 作 )の 熱発光曲線

Fig. 4. TL glow curves for

Mexican pottery ( forgery )

TEMPERATURE(° c)

図 6  バ ンチェンの陶器の熱発光曲線

Fig. 6. TL glow curves for

pottery from Ban-Chaing

図 5 Fig.5.

‑107‐ ―

(6)

4  問題 点 につ いて

以 上に述べ た よ うに ,今 回の実験 におい て小量 の陶土 粉末 に よって陶器 の真贋 の判 定 がで きるこ とが 明 らかに な った。 しか し ,こ の間に真質 の判定 を誤 らせ る要因の あ ること も見 出 され た。 その 一 つ は ,陶 器 の焼成温 度 が陶器 の あ る部分 で 500℃ 以上 の温 度 まで 上 ってぃ ない ために起 る熱発 光 で あ る。 この こ とは ,土 器 の年 代測定 におい て も ,縄 文土 器 の よ うな焼成温 度 の低い土 器 につ い て

,

稀 に見 られ る現 象で あ る。 この場 合 には , 350℃

付 近 の熱 発光強 度 が土 器の焼成 時に零 にな ってい ない た め ,そ れ らの年 代 は異常 に古い値 を示 す。

図 7は 最近 ,縄 文土 器の製作技 法 を模 して作 っ た土 器 を ,野 外 焼 成法 で焼 き上 げ た肉厚 の模造縄 文土器 か らの熱発 光 曲線で あ る。 この土器 の外側 の部分 か ら採取 した粉末 試料 につい ては ,図 4の

自然 発 光 曲線 と同 じよ うに ,ほ とん ど熱発 光せず

,

現 代の作 で あ るこ とを示 した。 しか し土器の底 部 か ら採取 した粉末 試料 は ,図 7に 示 され た 自然発 光 曲線 Nに 見 られ るよ うに , 300℃ を超 え る部分 にお い て ,N+500Rの 人工 熱発 光曲線 とほ とん ど同 じ熱発光強 度 を示 した。 この こ とは ,こ の土 器 の底 部 が充 分焼 成 され てい ない ことを意 味 して い る。 したが って ,真 賀 判定 にお い て ,焼 成温 度

の低い 陶器 につい ては特 に注意 が払 われ なけれ ば な らない。 ま た同様 な意 味において ,土 器 に付 着 し た土 は充分 に取 り除 い た後 に試料 を採取 しなけ れ ばな らない。

第二 には ,年 代測定では同一の粒径の石英粒子 を試料 とす るが ,真 質判定で試料の量 が制限 され てい るため ,多 種 の鉱物粒 子 の混合物 を試料 とす るために起 る問題で ある。 放射線量 に対す る熱 発光効率は ,石 英 において もその起源によって異 な るが ,特 に長石は多種の長石があ り ,そ れ らの 熱発光効率は種類 によって 100倍 程度の差 を示す。測定前に ,試 料 は縮分器に よって 2分 割 され る わけで あるが ,特 に熱発光効率の良い鉱物が少量含まれてい る場合は類似の熱発光曲線を示 さない こ とがある。 図 8に この よ うな場合の例が示 してある。 自然熱発光曲線の Nと ,人 工熱発光曲線の

N+500Rが 高温部 において も類似の形 を示 していない。 この よ うな時は ,お お よその年代 を判定 す ることので きないのは勿論 ,真 質 の判定 をす ることも危険である。

TEMPERATuRE (・ C)

図 7  模造 した縄 文土 器 の底 部 (低 温焼成 部 分 か らの試料 の熱発 光 曲線

Fig.7. TL glow curves for the sample from the bottom of an imitated 」 omOn pottery (fired at low temperature)

︵Cっ 0﹂︶ンP一゛ZロトZ一 コト

‑108‑

(7)

︵rc︐ a﹄︶ント一゛ZU↑Z一 コト

■    

′  

200     300 TEMPERATURE (° C)

図 8  自然熱発光曲線の形 と人工照射熱発光 曲線の形が相似 にな らない場合の熱発 光曲線

Fig.& TL glow curves in which the

pattern of radiatiOn― induced TL disagrees with that of natu̲

ral glow curve.

5お わ り に

以上に述べ て きたょ うに ,陶 器か ら20ミ リグラムか ら50ミ リグラム程度の陶土粉末 を採取 し

,

アセ トンによる洗浄 ,HFに よる酸処理によって試料 を作成 して ,真 贋判定 ので きることが明 らか になった。 しか しまた ,陶 器の焼成温度 ,鉱 物組成 な どについて充分な注意を払わなければ ,真 質 の判定 を誤まるおそれのあることも認め られた。

参 考 文 献

市 川米太 (1968)熱 ル ミネ ッセ ンス法 に よる土 器の年代測定 。考古学 と自然科 学  1 :10‑19

市川 米太 (1977)帝 釈峡 遺 跡 出土 土 器 の熱 ル ミネ ッセ ンス年 代測定 .考 古学 と自然科 学  10 :1‑10.

S.J.Fleming, H.M.Moss and AJOseph(1970)TherlnOluminescence authenticity testing of somèSix Dynasties'figures.ArchaeOInetry. 12: 57‑66

S」 .Flemng and DeStonehalrn(1973)Therln01urFuneSCent autllenticity study arld dating of Renaissance Terracottas.ArchaeOmetry 1 5: 239‑248

1   2

4)

‑109‑

(8)

Thermoluminescence Authenticity Testing of Ancient Ceramics

Yoneta ICHIKAWA and Tsuneto NAGATOMO Department of Physics, Nara University of Education, Nara

The principle and technique of authenticity testing of ancient ceramic art objects

are the same as those of thermoluminescence dating of pottery. But the technique r

must be modified with the limitation of sample size. In the present testing, powder L

sample of approximately 50 me obtained by drilling with a tungsten carbide drill was \ used. The grains were washed with acetone in a test tube put into a uitrasonic

washing machine and treated with cliluted HF for 3 minutes. After these treatments the thermoluminescence of the grain samples was observed.

The testings of authenticity were made for Japanese ancient ceramics of known age

and a Mexican ceramic and Ban-Chaing potteries of unknown age. Results of the present investigation show that the thermoluminescence is very powerful for judgement of authenticity of ceramic art objects.

‑110‑

図 6  バ ンチェンの陶器の熱発光曲線

参照

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