Liver X Receptor が肝臓の固有 Kupffer 細胞と 遊走マクロファージの機能に及ぼす役割の検討
い し き り や ま た く や
石 切 山 拓 也
(微生物・免疫学専攻)
防衛医科大学校
令和2年度
目 次
第1章 緒言 1頁
第2章 実験材料および方法 4頁
第3章 結果 10頁
第4章 考察 15頁
第5章 結論 19頁
謝辞 20頁
略語一覧 21頁
引用文献 23頁
図表 31頁
1 第1章 緒言
肝臓は胎生期には造血臓器として機能し、生後は蛋白、糖、脂質の代謝臓器
として働く重要な臓器である。その一方で、マウスの肝臓においては natural killer 細胞(NK 細胞)、 natural killer T 細胞(NKT 細胞)を含む豊富なリンパ球や Kupffer 細胞と呼ばれる肝固有のマクロファージ(Mφ)が生後も存在し、免疫臓器とし
ても重要なウエイトを占めている
1-4。特に肝臓の Mφ は門脈由来やいずれかの 経路から体内に侵入した細菌を貪食し取り除く重要な役割を持っていることで
知られているが、近年、当教室では肝臓の Mφ が 2 種類に分類されることを報 告した
5-7。 1 つは卵黄嚢由来で、放射線抵抗性の肝固有 Kupffer 細胞(固有 KCs)
であり、高い貪食能と活性酸素の産生によって細菌の除去を主に行う
8, 9。他方
は放射線に感受性のある骨髄由来の Mφ(遊走 Mφ)であり、主に tumor necrosis
factor-α(TNFα)と NK 細胞・NKT 細胞を活性化する IL-12 を産生し抗腫瘍免疫
に関与する
10, 11。したがって、これら 2 種類の Mφ は肝臓において細菌に対する 防御と抗腫瘍免疫という生体にとって必須の防御能を分担している。
TNFα は感染防御において重要な役割を持っているが、同時に炎症を増強し て、敗血症性ショックにおいて組織障害を引き起こす主要な因子として知られ
ている
12。また、肝臓の TNFα は糖尿病と非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic
steato-hepatitis: NASH)の病態にも深く関与していることが報告されている
13, 14。
2
当教室では高脂肪高コレステロール食 (western diet) で飼育されたマウスにお
いて、遊走 Mφ の数と機能が増強し、IL-12 による抗腫瘍活性は高まるものの、
TNFα による LPS 誘導性の敗血症性ショックに罹りやすくなることを報告した
15
。また、 western diet を与えた fibroblast growth factor 5 欠損マウスは NASH を発 症するが、その発症と増悪には遊走 Mφ とそれらが産生する TNFα が重要な役割 を果たしていることを報告している
16。
Liver X receptor (LXR)はリガンドであるオキシステロールにより活性化され、
コレステロール代謝に関わる遺伝子の転写因子として作用する核内受容体であ
る
17。LXR には α と β の 2 つのアイソフォームがあり、LXRα は特に肝臓、脂 肪組織、 Mφ などに発現し、LXRβ は広く全身の組織に発現している
18。 LXR の リガンドは 24,25(S)-epoxycholesterol や 22(R)-hydroxycholesterol などのオキシステ ロールであり、ATP-binding cassette A1(ABCA1)や cholesterol 7α-hydroxylase
(CYP7A1)、sterol regulatory element-binding protein 1c (SREBP-1c)などのコレ
ステロール・脂質の代謝に関する遺伝子を制御している
19, 20。更に LXR は Mφ
や樹状細胞などの免疫機能も制御し
21、 LXR の活性化は nuclear factor-κB の経路
を抑制することで腹腔内 Mφ の急性炎症性サイトカインの産生を抑制すると報
告されている
22。他の報告では LXR の活性化が、腹腔内 Mφ の炎症性遺伝子の
発現を抑制する一方でその貪食能を増強することが確認されている
23。
3
CD36 は酸化リポタンパクのスカベンジャー受容体としての機能を持ち、血管 内皮細胞や Mφ において発現している
24。また、脂質代謝だけでなく動脈硬化や
NASH などの炎症性疾患にも関与していると報告されている
25。
当教室では LXRαKO マウスに western diet を与えると、 遊走 Mφ が増加し TNFα の産生が増強することで NASH を引き起こすことを報告した
26。また、
Concanavalin-A(Con-A: ソラマメ由来の免疫活性化物質)投与によって引き起
こされる急性肝炎(Con-A 肝炎)においては、NKT 細胞ならびに遊走 Mφ、固 有 KCs が関与し、なかでも固有 KCs が産生する活性酸素が最終的なエフェクタ ーであることを見出した
27。核内受容体の一つである Vitamin D receptor(VDR)
のノックアウトマウスにおいては、遊走 Mφ からの TNFα の産生が亢進している にも関わらず固有 KCs による活性酸素の産生が抑制され、結果として Con-A 肝 炎に抵抗性である
28。 VDR は固有 KCs に強く発現していることが判明している。
これらのことから LXR や VDR などの脂質代謝関連の核内受容体が、肝臓 Mφ を介して肝臓の代謝と免疫の双方に影響を与えると想定するに至った。
こうした背景のもと、本研究では肝臓の固有 KCs と遊走 Mφ の表面抗原の特 徴や放射線感受性の違いをさらに掘り下げ、LXR が両分画の免疫機能及び脂質
代謝に対してどのように影響を与えるか検討した。
4 第2章 実験材料および方法
(1)マウス
本研究におけるマウスを用いた実験は防衛医科大学校動物実験倫理委員会の
承認を得て(承認番号 18064)、ガイドラインと規則を遵守した上で愛護的に行 った。
C57BL/6J マウス(8 週齢、wild type: WT)は Japan SLC(浜松)から購入し、
Nrlh3
-/-(Lxrα
-/-、LXRαKO)マウスと Nrlh3
-/-;Nrlh2
-/-(Lxrα
-/-;Lxrβ
-/-、LXRα/βKO)
マウスは Dr. David J. Mangelsdorf (University of Texas Southwestern Medical Center
at Dallas、TX、USA)より譲渡された。全てのマウスは 12 時間毎の明暗サイク
ルの下で飲水及び摂餌が自由に行える環境で飼育し、 30-50 週齢の時点で実験に 使用した。
(2)マウス肝単核球の採取
マウスを 5 %イソフルランの深麻酔下で安楽死させ、開腹後に下大静脈を切開 した。脱血のため左心室から生理食塩水 10 ml で還流した後、肝臓を摘出した。
摘出肝はハサミで細切した後に 0.05 %コラゲナーゼ(和光純薬、大阪)を含む
Hanks’ Balanced Salt Solution(HBSS)15ml を加え 37 ℃の恒温槽内で 20 分間振
盪した。コラゲナーゼ処理後の組織を 200 G のステンレスメッシュで細胞分離
5
し、33 %パーコール(Sigma)液に混和して比重遠心法を行い、上層の肝細胞を
取り除いた。最後に、混入した赤血球を Red Blood Cell Lysis Buffer(Sigma)に て除去し、チュルク液(和光純薬)による染色で採取した肝単核球の細胞数を
算出した。
(3)フローサイトメトリー法による解析
マウス肝単核球は抗 CD16/32 抗体(BD Biosciences、 Franklin Lakes、 NJ、 USA)
を加えて 4 ℃で 15 分間インキュベートし、 Fc 受容体への非特異的な結合のブロ ッキングを行った。 Kupffer 細胞の表面抗原の解析のため、 allophycocyanin (APC)
標識の抗 CD45 抗体、fluorescein isothiocyanate(FITC)標識の抗 CD11b 抗体、
phycoerythrin (PE)標識の抗 CD36 抗体、抗 CD11b 抗体、抗 Ly6C 抗体、抗 Ly6G 抗体、PE-Cyanin 5(PE-Cy5)標識の抗 F4/80 抗体(いずれも Thermo Fisher、
Waltham、 MA、 USA)、ビオチン標識の抗 Mer 抗体(R&D Systems、 Minneapolis、
MN、 USA)、 Goat IgG 由来の抗 C-type lectin domain family 4 member F (CLEC4F)
抗体(R&D Systems)、二次抗体である PE 標識ストレプトアビジン(Thermo Fisher)および FITC 標識抗 Goat IgG 抗体(R&D Systems)を使用し同様にイン キュベートした。また、細胞内サイトカインの解析の際は、表面抗原の染色後
速やかに Fixation/Permeabilization Solution Kit(BD Biosciences)を用いて細胞膜
6
透過処置を行い、 FITC 標識の抗 TNFα 抗体(Thermo Fisher)もしくは抗 CLEC4F 抗体を追加してインキュベートした。細胞分画の解析には NovoCyte Flow Cytometer(ACEA Biosciences、San Diego、CA、USA)を用い、negative control として各標識抗体のアイソタイプコントロールを使用した。
(4)Clodronate liposomes による固有 KCs の除去
Clodronate liposomes(FormuMax Scientific Inc.、Sunnyvale、CA、USA)を 200
μl / 20 g (body weight)の用量で実験開始 48 時間前に静脈内注射し、マウス肝単
核球の細胞分画を検討した。
(5)放射線照射における固有 KCs と遊走 Mφ への影響の検討
X 線照射装置(MBR-1520R-3、HITACHI、茨城)を用い、低線量(2 Gy)の 放射線照射がマウスの各 Mφ の細胞分画へ与える影響を検討した。採取される 肝単核球の数、 Mφ の分画の変化、細菌貪食能およびサイトカイン産生能につい て検討した。
(6)In vivo における Kupffer 細胞の貪食能の評価
マウスに大腸菌 Escherichia coli (K-12 strain) BioParticles
TM、 fluorescein conjugate
7
(FITC-E. coli、Thermo Fisher)を 5 x 10
7particles / 20 g(body weight)となるよ うに尾静脈から静脈内投与し、 15 分後に肝単核球を採取して Kupffer 細胞の貪食 能を検討した。
(7)サイトカイン産生能の評価
肝単核球を 96 穴平底プレートに 5 x 10
5cells / 200 μl で播種し、グラム陰性桿 菌の外 膜に 存在 する 成分で ある lipopolysaccharide ( LPS 、 Cayman Chemical Company、Ann Arbor、MI、USA)を 10 μg / ml の濃度で添加した。LPS 刺激に より産生されるサイトカインを細胞の分画ごとに評価するために、LPS と同時
に BD GolgiStop
TM(BD Biosciences)を加え、2 時間後に細胞を回収してフロー サイトメトリー法で評価した。
(8)LXR が貪食能へ与える影響の検討
LXR の agonist である T0901317 [N-(2,2,2-trifluoro-ethyl)-N-[4-(2,2,2-trifluoro-1-
hydroxy-1-trifluoromethyl-ethyl)-phenyl]-benzenesulfonamide]] ( Cayman Chemical
Company)は、ジメチルスルホキシド(DMSO)で溶解した後に生理食塩水で
100 倍に希釈し、肝単核球 5 x 10
5cells / 200 μl に対して最終濃度を 1 μM として
添加した。細胞は 96 穴平底プレートに播種し、 37℃、 5%CO
2インキュベーター
8
の中で 18 時間培養した。FITC-E. coli を 5 x 10
5particles / well で添加し、1 時間 後に単核球を回収し貪食能を評価した。
(9)LXR がサイトカイン産生能へ与える影響の検討
(8)と同様に刺激した細胞に、(7)と同様に LPS を加え、6 時間後に回 収した上清において ELISA 法を用いて TNFα、IL-12 を測定した。また、WT マ ウスおよび LXRα/βKO マウスに 5 × 10
8colony forming units (CFU)の E. coli (strain
B、Sigma)を静脈内投与し、1、3、6 時間後の TNFα と 6、12、24 時間後の
Interleukin-12(IL-12)を測定した。
(10)LXR が Kupffer 細胞の貪食殺菌能へ与える影響の評価
pHrodo は中性環境下では蛍光を発しないが、Mφが細菌を貪食した後にファ
ゴライソゾームが形成されることで pH が低下し蛍光発色する色素であり、フロ ーサイトメトリー法にて貪食殺菌能を評価できる。WT マウスおよび LXRαKO マウスから採取した肝単核球を 96 穴平底プレートに 5 x 10
5cells / 200 μl で播種 し、 pHrodo™ Red E. coli BioParticles™ Conjugate for Phagocytosis(Thermo Fisher)
を 50 μl 添加し、1 時間後に細胞を回収し、貪食殺菌している細胞の割合を評価
した。
9
(11)LXR KO マウスにおける脂質取り込み能(エンドサイトーシス)の評
価
Low Density Lipoprotein、 Acetylated、 Dil Conjugate (Dil AcLDL、 Thermo Fisher)
を 100 mg / 20 g (body weight)の用量で、 WT マウス、 LXRαKO マウス、 LXRα/βKO マウスに静脈内投与した。投与 20 分後に肝単核球を採取し、フローサイトメト
リー法で AcLDL を取り込んだ細胞の割合を評価した。また、変性 LDL の受容
体である CD36 の発現を、フローサイトメトリー法を用いて評価した。
(12)統計解析
2 群間の比較は Mann-Whitney 検定で行った。3 群間の比較は WT マウス群を コントロール群とし Dunnett の検定を用いた。統計解析には JMP(バージョン
14)を用い、結果は平均±標準誤差で示した。すべての P 値は 0.05 未満を統計学
的に有意差ありとした。
10 第3章 結果
(1)マウスの肝単核球のフローサイトメトリー法におけるゲーティング法
WT マウスの肝から採取した細胞を forward scatter(FSC)および side scatter
(SSC)を用いて白血球のゲートを作成し、汎白血球マーカーである CD45 陽性 の細胞群から Ly6G 陽性の好中球を除外して、Mφ およびリンパ球(肝単核球)
を抽出した(図 1 A、B、C)。その中で肝 Mφ は F4/80
highCD11b
lowの固有 KCs
と F4/80
lowCD11b
highの遊走 Mφ に分けられたが、コラゲナーゼ処理をしていない
肝単核球に固有 KCs は認められなかった(図 1 D、E)。すなわち、固有 KCs は肝類洞内皮細胞に強く付着している細胞と考えられた。また、貪食した細胞
を破壊する Clodronate liposomes を投与後の肝単核球では固有 KCs は消失し、遊 走 Mφ は増加した(図 1 F)。遊走 Mφ の増加は、Clodronate liposomes を貪食し 活性化後、アポトーシスにより除去される固有 KCs の産生する monocyte chemotactic protein-1(MCP-1)によると考えられた
7。
(2)固有 KCs と遊走 Mφ の表面抗原
表面抗原として固有 KCs の多くが Ly6C
-MerTK
+であったのに対し(図 2 E、
F)、遊走 Mφ は Ly6C
high or lowMerTK
-であった(図 2 A、B)。特異的なマーカ
ーである CLEC4F
29, 30は、固有 KCs の細胞表面および細胞内の染色において陽
11
性であり、遊走 Mφ の細胞表面および細胞内の染色において陰性であった(図 2 C、D、G、H)。
(3)放射線感受性の遊走 Mφ と放射線抵抗性の固有 KCs
固有 KCs と遊走 Mφ の機能の違いをさらに特徴づけるために、マウスに 2 Gy の放射線を照射した後に両者の機能を解析した。固有 KCs は放射線抵抗性であ り遊走 Mφ は放射線感受性であるとの過去の報告
7に一致して、2 Gy の放射線 照射により 1 肝臓あたりから採取される肝単核球の数が 7.2 ± 0.5 x 10
6個から 3.4
± 0.3 x 10
6個へと有意に減少する中で、特に遊走 Mφ とリンパ球の分画の割合が
減少した(図 3 A、F)。一方で、固有 KCs の細胞数は減少せず、総数に対する 割合は増加した(図 3 A、F)。また、放射線照射により遊走 Mφ の LPS 刺激に 対する細胞内 TNFα 産生量は有意に低下したが(図 3 C、 H)、固有 KCs の E. coli の貪食能には低下を認めなかった(図 3 D、I)。すなわち、遊走 Mφ は放射線 により TNFα 産生能が障害され、固有 KCs の貪食能は影響されないという特徴 の違いを新たに見出した。
(4)LXR 活性化による固有 KCs の貪食能の増強と遊走 Mφ の TNFα 産生能の
低下
12
LXR が肝臓の 2 種類の Mφ へ与える影響を検討するため、コラゲナーゼ処理 によって採取した肝単核球に前処置として LXR agonist を 1 μM 添加し(T0901317 群) 18 時間インキュベートした後に、 FITC-E. coli の貪食能を Control 群(DMSO のみ)と比較した。 T0901317 群では Control 群に比較して遊走 Mφ の貪食能は変 化しなかったが(図 4 A、B)、固有 KCs の貪食能は有意に上昇した(図 4 C、
D)。一方で、コラゲナーゼ処理しなかった肝単核球において(固有 KCs は含
まれない)、 T0901317 で同様の前処置をした場合の LPS 刺激で産生される TNFα 量は、 T0901317 群で Control 群に比べ有意に減少していた(図 4 E)。一方、 IL-12 の産生量には変化がなかった(図 4 F)。これらのことから、 LXR の活性化は固 有 KCs の貪食能は増強するが、相反して遊走 Mφ による TNFα の産生は抑制す ることが明らかになった。
(5)LXRα/βKO マウスにおける固有 KCs の割合の減少と貪食能の低下ならび に、遊走 Mφ の増加と TNFα 産生能の上昇
LXRαKO マウスにおける固有 KCs の割合は WT マウスと比べ少ない傾向を認
め(図 5A、 B)、LXRα/βKO マウスの固有 KCs は WT マウスに比べ有意に少
なかった(図 5 A、C)。また、LXRα/βKO マウスにおける遊走 Mφ の割合は
WT マウスに比較して相対的に増加していた(図 5 A、C)。In vivo における固
13
有 KCs の E. coli 貪食能は、 LXRαKO マウスにおいて WT マウスと比較して低い
傾向を認め(図 5 D、E)、LXRα/βKO マウスにおいて WT マウスと比較し有意 に低かった(図 5 D、 F)。また、 in vivo で E. coli を静脈内投与 1 時間後の TNFα 産生能は WT マウスに比べ著しく高かった(図 5 G)。同様に LXRα/βKO マウ スにおいて E. coli 投与 12 時間後の IL-12 の産生能は WT マウスに比べて有意に 高かった(図 5 H)。これらのことから LXRα/β の欠損は固有 KCs の貪食能を低 下させたが、相反して遊走 Mφ からのサイトカインの産生は増加させることが 明らかになった。
(6)LXRαKO マウスにおける固有 KCs の貪食殺菌能の低下
E. coli の in vivo 貪食能は、 WT マウスと比較して LXRαKO マウスにおいて低
い傾向を認めたため、さらに pHrodo E. coli を用いた貪食殺菌能を評価比較した。
その結果、固有 KCs の貪食殺菌能は WT マウスに比べ LXRαKO マウスにおいて 有意に低いことが明らかになった(図 6 C、D)。一方、遊走 Mφ の貪食能に差 は見られなかった(図 6 A、 B)。したがって、固有 KCs の貪食殺菌能には LXRα が必要であることが示唆された。
(7)LXRαKO マウス、LXRα/βKO マウスにおける固有 KCs の変性 LDL の取
14 り込み能の低下
免疫機構における細菌の貪食能だけでなく代謝における肝臓 Mφ の役割を評 価するため、 AcLDL をマウスの尾静脈から静注し 20 分後に固有 KCs、遊走 Mφ の取り込み能を評価した。その結果、遊走 Mφ における AcLDL の取り込み能は 有意な変化を認めなかったが(図 7 A、B、C)、WT マウスに比べ LXRαKO マ ウスおよび LXRα/βKO マウスの固有 KCs は AcLDL の貪食能が有意に低かった
(図 7 D、E、F)。このことから、LXR は肝臓 Mφ の免疫能だけでなく、主に
固有 KCs のリポタンパクの取り込みを介して肝臓の脂質代謝にも関与している と考えられた。
(8) LXRαKO マウスおよび LXRα/βKO マウスの固有 KCs における CD36 の発
現の増加
酸化リン脂質や酸化リポタンパク質を認識する主要なスカベンジャー受容体
である CD36 の発現を比較した。遊走 Mφ における CD36 の発現は明らかな差を
認めなかったが(図 8 A、B、C)、予想に反して、固有 KCs において LXRαKO
マウスおよび LXRα/βKO マウスの両方で WT マウスに比べ CD36 の発現が有意
に増強していた(図 8 D、E、F)。
15 第4章 考察
当教室では肝臓における 2 種類の Mφ を区別することによって免疫学的な現 象をより正確に評価できるようになった
10。固有 KCs はその貪食能によって細 菌感染に対する免疫に必須であり、一方で遊走 Mφ は IL-12 の産生によって抗腫 瘍免疫に不可欠である
7, 10, 16。F4/80
highCD11b
lowの固有 KCs は、MER / AXL /
TYRO3 (TAM) 受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバーである c-MER
(MerTK )
7と Kupffer 細胞のマーカーとして報告されている CLEC4F
29, 30が細胞内 染色および細胞表面の染色で発現していることが明らかになった。これら 2 つ の分子は F4/80
lowCD11b
highの遊走 Mφ では発現していない。したがって、 MerTK
および CLEC4F は肝における 2 種類の Mφ の区別に有用な表面マーカーと考え
られた。
Clodronate liposomes を投与したマウスでは固有 KCs が除去され細菌感染に対
して脆弱になるが、一方で、遊走 Mφ は増加し抗腫瘍免疫はむしろ有意に増強 する
7。逆に、非致死性の放射線照射は固有 KCs に影響を与えないが、遊走 Mφ を減少させ、そのサイトカイン産生能を抑制することを本研究において見出し
た。過去にも当教室では、断続的な低線量放射線照射が遊走 Mφ を消失させ、
高脂肪食を与えた fibroblast growth factor-5 欠損マウスにおいて TNFα の産生を抑
え、NASH を著明に改善させることを報告している
16。この他にも、遊走 Mφ
16
は α-galactosylceramide(α-GalCer)や CpG モチーフを含む合成オリゴヌクレオ チド(CpG-ODN)、四塩化炭素(CCl
4)による TNFα や FasL を介した急性肝障 害に関与していると言われている
31。遊走 Mφ は TNFα を介して NKT 細胞から
FasL を産生させ、α-GalCer 肝炎、 CpG-ODN 肝炎、CCl
4肝炎において最終的な エフェクターとなる
32。CCl
4肝炎では遊走 Mφ 自体が TNFα と FasL を産生し肝 障害を惹起する
33。しかし、Con-A 肝炎においては固有 KCs による活性酸素
(ROS)の産生が最終エフェクターであり、固有 KCs からの ROS 産生のために 必要な Vitamin D receptor (VDR)の欠損マウスでは Con-A 肝炎が軽減する
27, 28。
LXR の活性化は生体の細菌感染に対する防御能を増強することが報告され
34-36
、LXRαKO マウスおよび LXRα/βKO マウスにおいて細菌に対する易感染性
が報告されている一方、 LXRβKO マウスでは易感染性はないとされる
36。また、
LXRαKO マウスにおける高脂肪高コレステロール食を与えた場合、WT マウス
と比べ肝への脂質沈着を伴う NASH になり易いことが分かっている
37, 38。これ らのことから LXRβ よりも LXRα の方が細菌感染防御および脂質の代謝により 強く関与していると考えられる。さらに、LXR の活性化は LPS 投与による肝
Kupffer 細胞(おそらくは遊走 Mφ)からの TNFα の産生を抑制し、LPS による
肝障害を軽減させることも報告されている
39-41。当教室では LXRα/βKO マウス
において遊走 Mφ が増加し、この増加した遊走 Mφ から産生される TNFα によっ
17
て LPS による肝障害が増悪すると報告した
42。
マウスにおいて種々の実験モデルにおける組織障害がヒトと同様に加齢によ
り増悪することから
43-45、本研究においては中高齢マウスを使用した。既報にお
いて、8~16 週齢の LXRα/βKO マウスでは WT マウスと比べて遊走 Mφ が増加 する一方で固有 KCs の減少は認めなかったが
42、本研究においては 30~50 週齢
の LXRα/βKO マウスにおける遊走 Mφ の増加だけでなく固有 KCs の減少も認め
た。中高齢の LXRα/βKO マウスにおいては、WT マウスに高脂肪高コレステロ ール食を長期間与えた場合
16と同様に、炎症反応が増強すると共に遊走 Mφ が 増加した結果として固有 KCs が相対的に減少すると考えられた。
高脂肪高コレステロール食を与えた LXRαKO マウスでは、同条件の WT マウ スに比べ肝および血清の中性脂肪値には差がみられないが、肝および血清のコ
レステロール値が上昇し、肝遊走 Mφ の著明な増加と TNFα 産生による NASH の発症を認めることが報告されている
26。したがって、LXRα はコレステロール
の代謝と脂質合成に必須であり、遊走 Mφ とその産生する TNFα を減少させるこ とで NASH を含む炎症を抑制しているものと考えられた。さらに、LXRα の欠 損は細菌貪食と同様に固有 KCs による LDL の取り込みも障害し、固有 KCs の ファゴライソゾーム形成によるコレステロールエステルと中性脂肪の加水分解
を減少させると考えられた
46, 47。
18
LXR は酸化 LDL の受容体である CD36 の発現に関与すると報告されているが
48, 49
、 本研究において LXRαKO マウスおよび LXRα/βKO マウスにおける固有 KCs
の CD36 の発現は、予想に反し亢進していた。しかしながら、peroxisome proliferator activated receptor γ (PPAR-γ)が CD36 の主な誘導因子であることから
25
、LXR 欠損マウスにおける LDL の取り込み障害を補うため代償的に CD36 が 亢進している可能性が考えられた。
本研究における固有 KCs の貪食能の増強と遊走 Mφ による TNFα 産生の抑制 は、LXR を介するシグナルが細菌感染に対する防御能の増強と TNFα に関連す る代謝疾患(糖尿病、動脈硬化、NASH など)の改善に有用だと考えられる。
しかしながら、LXR の活性化は動脈硬化を改善するが
50, 51、同時に SREBP-1c や carbohydrate response element binding protein (ChREBP)を介した肝における脂 肪酸合成を亢進し、高中性脂肪血症や脂肪肝をきたす
52-54。本研究においても
T0901317 をマウスに経口投与する実験を行ったが、 T0901317 投与により速やか
に肝は白く脂肪肝化し固有 KCs や遊走 Mφ の機能を阻害するためか、経口投与 による両細胞の機能に有意な変化は認めなかった(データ示さず)。LXR の活
性化が治療的手段となり得るためには、脂肪酸合成に影響せず炎症を抑制する
とされる LXRβ リガンド
55, 56などのより副作用の少ない手段の模索が今後必要
になると考えられた。
19 第5章 結論
固有 KCs の表面マーカーは Ly6C
-MerTK
+CLEC4F
+であり、一方で遊走 Mφ の表面マーカーは Ly6C
+MerTK
-CLEC4F
-であった。また、固有 KCs は放射線 感受性が低く、低線量放射線による機能的影響をほとんど受けないが、遊走 Mφ の放射線感受性は高く、低線量放射線によって機能が減弱することが明らかに
なった。
LXR を介するシグナルは固有 KCs の細菌貪食能およびコレステロールの取り
込み能を増強する一方で、相反して遊走 Mφ による TNFα の産生を抑制すること
が明らかになった。
20 謝辞
本稿を終えるにあたり、研究のご指導、ご高閲を賜りました防衛医科大学校
免疫微生物学講座教授 関修司先生に心から感謝の意を表します。また多岐に
わたって御助力頂きました防衛医科大学校免疫微生物学講座准教授 木下学先
生、同助教 中島弘幸先生、同助教 中島正裕先生に感謝の意を表します。
21 略語一覧
ABCA-1: ATP-binding cassette A1 αGalCer: alpha-galactosylceramide
CCl
4: carbon tetrachloride
ChREBP: carbohydrate response element binding protein CLEC4F: C-type lectin domain family 4 member F Con-A: Concanavalin A
CpG-ODN: CpG-oligonucleotide CYP7A1: cholesterol 7α-hydroxylase E. coli: Escherichia coli
IL-12: Interleukin-12 KCs: Kupffer cells
LDL: low density lipoprotein LPS: lipopolysaccharide LXR: Liver X receptor
MCP-1: monocyte chemotactic protein-1 Mφ: macrophage
NASH: non-alcoholic steato-hepatitis
22 NK: natural killer
NKT: natural killer T
ROS: reactive oxygen species
SREBP-1c: sterol regulatory element-binding protein 1c TNFα: tumor necrosis factor alpha
VDR: Vitamin D receptor
WT: wild type
23 引用文献
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31 図 1 マウス肝単核球のゲーティング法
(A) 採取した細胞群から肝単核球が含まれるゲートを作成した。(B) CD45 陽 性の部分が白血球分画であり、(C) Ly6G 陽性の好中球分画を除外し単核球分画 とした。(D) F4/80 および CD11b で展開し、F4/80
highCD11b
lowの固有 KCs と F4/80
lowCD11b
highの遊走 Mφ に分類した(n = 12)。 (E) 固有 KCs はコラゲナーゼ処 理をしていない肝単核球には認められなかった(n = 6)。(F) Clodronate liposomes を投与されたマウスの肝単核球には固有 KCs は含まれなかった(n = 4)。
FSC CD45 Ly6G
SSC
P1 gate
P1 gate Leucocytes
Neutro phils MNCs
Leucocytes Liver cells
Collagenase (+) MNCs
固有KCs 遊走Mφ
Lymphocytes
CD11b
F4/80 固有KCs 遊走Mφ
Collagenase (-) MNCs
10.4
±0.6%
6.7
±1.0%
Lymphocytes 11.4
±3.6%
0.06
±0.01%
A B C
D E
50000 events
30000 events
21000 events
20000 events 固有KCs 遊走Mφ
Lymphocytes 34.8
±1.6%
0.14
±0.03%
Collagenase (+) Clodronate (+)
MNCs F
32 図 2 マウス肝単核球の表面抗原による解析
(A, B) 遊走 Mφ は Ly6C
high or lowMerTK
-であるのに対し、(E, F) 固有 KCs は Ly6C
-MerTK
+であった。 (C, D) CLEC4F は細胞内、細胞表面ともに遊走 Mφ にお いて発現を認めず、(G, H) 固有 KCs の細胞内および細胞表面で強く発現を認め た。 (Ly6C; n = 6、 MerTK; n = 5、細胞内 CLEC4F; n = 5、細胞表面 CLEC4F; n = 3)
Ly6C MerTK
28.8
±3.4% 60.7
±5.0%
10.2
±2.8%
1.1
±0.5%
53.7
±1.3%
A B D
1500 events 2000 events
CLEC4F (intra) C
固有KCs 遊走Mφ
CLEC4F (surface)
49.6
±4.7%
6.5
±0.8% 1.9
±0.5%
69.6
±5.1%
Ly6C MerTK CLEC4F
(intra)
CLEC4F (surface)
E F G H
33
2Gy irradiation
2.6
±0.3%
1.8
±0.5%
12.3
±2.8%
F4/80
CD11b
F4/80
CD11b
E.coli phagocytosis
E.coli phagocytosis 6.7
±1.0%
68.3
±1.8%
10.4
±0.6%
9.8
±3.2%
58.8 *
±3.3%
7.1 *
±1.3%
10.5
±1.3%
A B C
D E
F G
J I
H
1500 events 2000
events
1500 events 1000
events 固有KCs
遊走Mφ
TNFα production
TNFα production 固有KCs
遊走Mφ
32.9
±7.9%
TNFα production
2000 events
85.8
±0.7%
1500 events
E.coli phagocytosis
14.8 *
±1.4%
TNFα production
1000 events
1500 events
E.coli phagocytosis 83.3
±1.8%
図 3 正常マウスの肝単核球と放射線照射後のマウス肝単核球
(A) 正常マウス肝単核球の組成に比し(n = 12)、 (F) 放射線照射後のマウス肝単 核球は総数が減少し、遊走 Mφ およびリンパ球の分画が減少した(n = 6)。 (B, D)
固有 KCs は遊走 Mφ より E. coli の貪食能が高く(各群 n = 5)、(C, E) 遊走 Mφ は
34
TNFα の産生能が高い ( 各群 n = 5) 。 (G, I) 放射線照射により固有 KCs および遊走
Mφ の E. coli の貪食能は変化しないが(各群 n = 5)、 (H) 遊走 Mφ の TNFα の産生
能は低下する (n = 5) 。 (J) 固有 KCs の TNFα の産生能は変化しない (n = 5) 。 *P <
0.05 vs 非照射群。
35
TNFα IL-12
Control T0901317 Control T0901317 400
0 2000
0
(pg/ml) 800 (pg/ml)
4000
*
E F
E.coli phagocytosis
Control T0901317
A B
37.1
±4.2%
42.8
±2.1%
E.coli phagocytosis
Control D T0901317
C
500 events 500 events
73.6
±1.7%
84.5 *
±1.2%
固有KCs 遊走Mφ
図 4 In vitro で T0901317 による処置後の E. coli の貪食能およびサイトカイン産
生能
(A-D) コラゲナーゼ処理にて採取した WT マウスの単核球の貪食能を Control
群と T0901317 群で比較した。T0901317 群で固有 KCs の貪食能が有意に高かっ
36
た ( 各群 n = 12) 。 (E, F) コラゲナーゼ処理をしないで採取した WT マウスの単核
球のサイトカインの産生能を比較した。 IL-12 の産生能は有意な差を認めなかっ たが ( 各群 n = 9) 、 TNFα の産生能が T0901317 群で有意に低かった ( 各群 n = 14) 。
*P < 0.05。
37
F4/80 (among CD45+ cells)
LXRα KO LXRαβ KO
B C
E.coli phagocytosis ( 固有KCs ) D
12h 24h
TNFα IL-12
5000
0 35000
0
(pg/ml) 10000 (pg/ml)
70000
pre 1h 3h 6h pre 6h
* *
H G
LXRαβ KO WT
CD11b
6.7
±1.0%
10.4±0.6%
A
20000 events WT
3.3
±0.7%
12.0±2.9%
2.3
±0.4%
19.6±1.9%
WT 78.1
±4.6%
E F
2000 events LXRα KO
68.3
±1.9%
LXRαβ KO 54.7 *
±8.7%
Count
図 5 WT マウスおよび LXRαKO マウス、 LXRα/βKO マウスの Mφ における固 有 KCs と遊走 Mφ の割合および固有 KCs の貪食能、遊走 Mφ のサイトカイン産 生能の比較
(A) WT マウスと(B) LXRαKO マウス、 (C) LXRα/βKO マウスにおける Mφ の組成。
LXRα/βKO マウスでは固有 KCs の比率が有意に低く、遊走 Mφ の比率が有意に
高かった(WT 群 n = 6、 LXRαKO 群・LXRα/βKO 群 n = 4)。 (D-F) LXRα/βKO マウ
スおよび LXRαKO マウスの固有 KCs の貪食能を WT マウスの固有 KCs の貪食
38
能と比較した。 LXRα/βKO マウスの固有 KCs の貪食能は有意に低かった ( 各群 n
= 3)。 (G) In vivo で E. coli を投与しサイトカインの産生を WT マウスと LXRα/βKO マウスで比較し、 0 、 1 、 3 、 6 時間後の血清 TNFα を ELISA 法で測定した。 1 時 間後の TNFα は LXRα/βKO マウスにおいて有意に高かった(各群 n = 3)。 (H) 0、 6、
12、 24 時間後の血清 IL-12 を ELISA 法で測定した。 12 時間後の IL-12 は LXRα/βKO
マウスにおいて有意に高かった(各群 n = 3)。*P < 0.05。
39
WT LXRα KO
72.5
±4.8%
54.7 *
±6.5%
pHrod – E. coli phagocytosis
WT LXRα KO
A B
D C
2000 events 16.9
± 1.6%
23.5
± 3.9%
3000 events
固有 KCs 遊走 Mφ
図 6 pHrodo E. coli を用いた LXRαKO マウスと WT マウスにおける Mφ の貪食 殺菌能の比較
(A, B) 遊走 Mφ の貪食能は明らかな差を認めなかった。(C, D) 固有 KCs の貪
食能は LXRαKO マウスにおいて有意に低かった。(各群 n = 5)、*P < 0.05。
40
Acetylated LDL
WT LXRα KO LXRαβ KO
82.0
±3.7% 48.1 **
±2.6% 12.9 **
±3.4%
WT LXRα KO LXRαβ KO
B
E
D F
A C
3000 events 6.4
±0.5% 9.8
±1.5% 3.4
±1.5%
8000 events
固有KCs 遊走Mφ
図 7 WT マウス、 LXRαKO マウスおよび LXRα/βKO マウスの各 Mφ における
AcLDL の取り込み能の評価
(A, B, C) 遊走 Mφ の取り込み能は WT マウスと比較し有意な差は認めなかっ
た。 (D, E, F) 固有 KCs の取り込み能は WT マウスに比較し LXRαKO マウスおよ
び LXRα/βKO マウスにおいて有意に低かった。(WT 群 n = 6、LXRαKO 群・
LXRα/βKO 群 n = 3)、*P < 0.05。
41
CD36
WT LXRα KO LXRαβ KO
WT LXRα KO LXRαβ KO
11.4
±0.5% 34.4 **
±2.0% 44.7 **
±2.0%
E
D F
B
A C
3000 events 3.5
±0.7% 5.6
±0.8% 1.8
±0.9%
8000 events
固有KCs 遊走Mφ