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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

調整変数(moderator)としてのセルフ・モニタリン グおよび自己意識の検討

著者 桜井 茂男

雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学

巻 42

号 1

ページ 195‑202

発行年 1993‑11‑25

その他のタイトル The Investigation of Self‑monitoring and

Self‑consciousness as a Function of Moderator Variable

URL http://hdl.handle.net/10105/1737

(2)

奈良教育大学紀要 第42巻第1号(人文・社会)平成5年 Bull. Nara Univ. Educ, Vol.42, No. 1 (Cult.&Soc.). 1993

調整変数(moderator)としての セルフ・モニタリングおよび自己意識の検討

桜 井 茂 男 (奈良教育大学心理学教室)

(平成5年4月23日受理)

近年、性格特性あるいは態度とそれに対応する行動とのつながりを規定する変数であるところ の「調整変数(moderator or moderator variable)」が注目されている(堀毛, 1986, 1989)。

Bern(1972)によれば、調整変数とは2つの変数間の関係に影響を与える第3の変数のことであ る。たとえば、 Scheier, Buss, & Buss(1978)は質問紙で測定された攻撃性と実験場面で測定さ れた攻撃行動の相関が私的自己意識の高低により異なることを兄いだしているが、この場合、私 的自己意識は調整変数として位置づけられる。調整変数のアイディアは、 1960年代後半に提起 された「態度あるいは特性とそれに対応する行動の一貫性が低い」という指摘(Mischel, 1968;

Wicker, 1969)の解決策のひとつとして登場した。調整変数を見つけることにより、態度あるい は特性と行動の一貫性は高まることが予想されたのである。 Bern & Allen(1974)は、自己の行 動に一貫性があると認識している者は、そうでない者に比べて、自分と他者による自分について の行動評定問の相関が高いことを兄いだした。すなわち、自分の行動に対する一貫性の認知が調 整変数として機能したのである。また、 Kenrick & String field(1980)は、 「他者からどの程度観 察可能か」という観察可能性が同じように調整変数となることを示した。

Snyder & Ickes(1985)は調整変数を4つに分類している。それらは、 (1)予測的(predictor)変 敬:個人の行動の予測が可能(不可能)な特性や気質を明示する機能をもつ変数、 (2)規準的 (criterion)変数:特性や気質による予測が可能(不可能)な行動のタイプを明示する機能をもつ変 数、 (3)個人的(personal)変数:特性や気質による行動の予測が可能な人と不可能な人との分類 を明示する機能をもつ変数、 (4)状況的(situational)変数:特性や気質による行動の予測が可能 な状況と不可能な状況の分類を明示する機能をもつ変数、の4種類である(堀毛, 1989)。先に紹 介したBern & Allen(1974)の研究における一貫性についての自己認知やKenrick &

String field(1980)の研究における観察可能性についての自己認知は予測的調整変数と考えられ る。

ところで、セルフ・モニタリング(selLmonitoring)も調整変数として作用することが予想さ れている(たとえば、堀毛, 1986)。セルフ・モニタリングとは、 Snyder(1974)によれば、社会 的場面からの社会的な適切さに関する情報に基づいて、自分の行動を管理、統制することと定義 される Snyder & Ickes(1985)の分類に従えば、個人的調整変数である。セルフ・モニタリン グ傾向の高い人はその場にあうように行動を調整するため、その行動は必ずしもその人が内にも つ性格特性や態度とは一致しないが、セルフ・モニタリング傾向の低い人は内的な状況によって 行動が表出されるため、行動と性格特性や態度との一貫性が高いと考えられる。すなわち、セル フ・モニタリング傾向の高い人は特性あるいは態度と行動との一貫性が低く、セルフ・モニタリ

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196

fli け <¥ 'K

ング傾向の低い人は両者の一貫性が高いと予想される。セルフ・モニタリングを調整変数に見立 てた研究では、肯定的な結果を報告しているものとしてSnyder & Tanke(1976)や岩測・中 里・田中(1981)があり、否定的な結果を報告しているものとしてBrookingsら(1982)やCheek (1982)がある。否定的な研究ではセルフ・モニタリング尺度の問題点(詳しくは、桜井(1993)を 参照)が影響しているものと考察されている。

自己意識(selLconsciousness)もセルフ・モニタリング同様、個人的調整変数として位置づけ られている(堀毛, 1989)。自己意識とは、自己が自己のどの側面に注目するかの個人差であり、

公的自己意識と私的自己意識が区別されている。 Fenigstein, Scheier, & Buss(1975)やBuss (1980)などによると、前者は社会的対象としての自己に注目することであり、後者は自己の内 的・私的側面に注目することであるという。調整変数としての役割からすると、公的自己意識の 高い人は自分に向けられる他者の目を気にして行動するため性格特性とそれに対応する行動との 相関が低く、逆に公的自己意識の低い人は自分に向けられる他者の目を気にする程度が低いため 当該相関が高くなるであろう。他方、私的自己意識の高い人は他者の目を気にせず自分の考えに 沿って行動するため性格特性とそれに対応する行動との相関が高く、逆に私的自己意識の低い人 は他者の目を気にせず自分の考えに従う程度が低いため当該相関が低くなるであろう。わが国で は、児童を対象とした自己意識尺度が桜井(1992)により開発されている。その研究では公的自己 意識は大人と同じように機能することが碓認されているが、私的自己意識は必ずしもそうではな いことが示された。そして児童期の私的自己意識は自己概念の発達と関連していることが考察さ れている。自己意識を調整変数と見立てた研究には先に紹介したScheierら(1978)などがある。

この他にも調整変数に関する研究は近年盛んに報告されている。 Zuckerman, Koestner, DeBoy, Garcia, Maresca, & Sartoris(1988)はメタ分析を用いて、調整変数に関する研究の総括

を行っているが、その結果では用いられた調整変数はその機能を果していることが認められた。

本研究の目的は、 Scheierら(1978)と同じように性格特性として攻撃性を、対応する行動とし て攻撃行動を取り上げ、調整変数としてセルフ・モニタリングおよび自己意識が有効であるかど うかを検討することである。子供における調整変数の研究は筆者の知る限り見当たらない。調整 変数を発達的にとらえるための初期的な研究として本研究は位置づけられよう。

方   法

被調査者 奈良市の都市部にある公立M小学校の小学5年生97名と6年生104名の合計201 名(男子112名、女子89名)および担任教師6名(男性4名、女性2名)。

質問紙 児童用の質問紙は、教示、例、練習用の項目、および3つの尺度から構成されてい た。 3つの尺度とは、 1)桜井(1993)の児童用セルフ・モニタリング尺度、 2)桜井(1992)の児童 用自己意識尺度、 3)桜井(1991)の児童用攻撃性尺度、である。

桜井(1993)の児童用セルフ・モニタリング尺度は、 Grazianoら(1987)の子供用尺度、 Snyder (1974)およびSnyder & Gangestad(1986)の大人用尺度、 Lennox & Wolfe(1984)の改訂版尺 度、およびLennox & Wolfe尺度の日本語版であるところの堀毛(1986)の尺度を参考に作成さ れている。 20項目、 3下位尺度で構成されている。信頼性と妥当性が確認されているのは、情報 収集と親和的行動の2下位尺度である。

桜井(1992)の児童用自己意識尺度は、公的自己意識項目10項目、私的自己意識項目9項目で

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調整変数としてのセルフ・モニタリングと自己意識

197

構成されている。これは、 Fenigstein, Scheier, & Buss(1975)の原尺度とその日本語版(諸井, 1987)および菅原(1984)の尺度などを参考に作成された。対人不安傾向、自己顕示欲求、孤独感、

コンピテンス等の諸変数との相関分析から、公的自己意識尺度は大人の尺度とほぼ同じ関係を示 したが、私的自己意識尺度は従来の研究結果とははぼ逆の関係を示した。私的自己意識尺度につ いては、小学校高学年段階では自己意識の発達の指標ではないかと考察された。すなわち、 「一 一児童の場合には、むしろ自分の内面にやっと注目できるようになってくる頃であり、そうでき る児童の方が自己意識が発達しており自分をよく認識していると見るならば、そうでない(私的 自己意識が低い)児童よりも対人不安傾向が低く、自己顕示欲求(よい意味で、自己主張)が強く、

孤独感はそれほどなく、自分に自信をもって行動している(コンピテンスが高い)という結果はか なり妥当なもの一一(桜井, 1992)」であると解釈された。したがって、本研究の予測は公的自 己意識尺度のみで支持されるであろう。

桜井(1991)の児童用攻撃性尺度は、 15項目で構成されている。これはBuss & Durkee(1957) を参考に、攻撃の意図や動機あるいは攻撃行動に向かいやすい性格特性を集めて作成されたもの である。攻撃行動を含まない攻撃性尺度として作成されているため、本研究に適している。信頼 性と妥当性は碓認されている。

いずれの項目も4段階評定(「はい」、 「どちらかといえばはい」、 「どちらかといえばいいえ」、

「いいえ」)で回答が求められ、当該概念に対応する反応から4‑1点が与えられた。

教師用の質問紙は、桜井(1991)を参考に、児童の身体的攻撃行動と言語的攻撃行動について、

それぞれその強度と頻度を4段階で回答するように作成された。具体的な質問項目は、以下の通 りである。

①この子の身体的攻撃行動について、その頻度を評定してください。

②この子の身体的攻撃行動について、その強度を評定してください。

③この子の言語的攻撃行動について、その頻度を評定してください。

④この子の言語的攻撃行動について、その強度を評定してください0

なお、評定の仕方については、事前に説明がなされた。本評定では攻撃行動が強いほど、あるい は多いほど高得点になるように各項目に4‑1点が与えられた。また、質問紙には、児童の学年、

クラス、出席番号を表す4桁の番号が付されていた。

手続き 児童用の質問紙は平成2年5月下旬から6月上旬にかけて朝の会の時間と1時間目 の半分をもらい、クラス単位の強制速度法で実施した。児童の氏名と出席番号は特に記入欄を設 けず質問紙が終了した後、質問紙(冊子)の裏に記入させた。氏名と出席番号は末記入が望ましい のであるが、教師による攻撃行動評定とのマッチングのために冊子の裏の余白に記入させるよう にした。担任教師には児童の調査初日に上記質問紙を渡し、記入方法について説明し記入しても

らった。児童の調査最終日に回収した。

結   果

児童用セルフ・モニタリング尺度は3因子が確認された。桜井(1993)と同様に下位尺度を作り アルファ係数を算出したところ、 .57‑.81であり、一応の信頼性が確認された。つぎに公的自 己意識、私的自己意識の2つの尺度を因子分析にかけたところ、桜井(1992)と同じように2因子 が抽出された。信頼性を見るためにクローンバックのアルファ係数を算出したところ、公的自己

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198

桜 叶'^ V,

表1 各尺度の平均と標準偏差

小  5       小  6      小 5・6

尺     度

男子 女子 全体 男子 女子 全体 男子 女子 全体 セルフ・モニタリング尺度

情報収集

同調的行動

親和的行動

自己意識尺度 公的自己意識

私的自己意識

攻撃性尺度

攻撃行動(合計)

30.94 34.71 32.6  9.12 34.89 31.56 29.96 34.80 32.10 (6.95) (5.88) (6.74) (6.95) (6.81) (7.46) (7.01) (6.36) (7.14) 8.78  8.73  8.E  9.34  8.91 8.64  9.06  8.83 (2.74) (2.74) (2.74) (3.00) (2.88) (2.97) (2.88) (2.83) (2.86) ll.35 12.44 11.85 8.63 12.48 10.2  9.89 12.46 11.03 (2.99) (2.70) (2.91) (3.01) (2.76) (3.47) (3.29) (2.73) (3.31)

25.71 27.47 26.5         25.74 24.30 28.40 26.12 (6.64) (6.42) (6.60) (7.25) (5.49) (7.26) (7.09) (6.06) (6.96) 24.01 25.07 24.51 22.75 26.45 24.43 23.45 25.75 24.47 (5.39) (6.08) (5.75) (5.05) (5.03) (5.33) (5.24) (5.63) (5.54) 40.06 34.69 37.57 45.32 39.48 42.85 42.88 37.06 40.30 (10.70) (9.32) (10.43) (8.88) (7.19) (8.70) (10.ll) (8.67) (9.93) 6.74  8.22  6.27  7.37  7.E  6.45  7.C (2.46) (2.42) (2.44) (3.64) (2.00) (3.21) (3.22) (2.23) (2.8

Note. ( )内は標準偏差を示す。

表2 攻撃性と攻撃行動の相関係数と相関係数の差の検定 相関係数

尺    度

上位群  下位群 セルフ・モニタリング尺度

情報収集 同調的行動 親和的行動 自己意識尺度

公的自己意識 私的自己意識

.05   .32"  U

.24"一  .25"

.07   .17   .53

.14   .37 "  1.37 .06   .40 "  1.79 Note. "p<.01, *p<.05

表3 各下位尺度と攻撃性および攻撃行動との相関係数

尺    度      攻撃性   攻撃行動

セルフ・モニタリング尺度

情報収集 同調的行動 親和的行動 自己意識尺度

公的自己意識 私的自己意識

.01 .15*    ‑.19"

‑.41"    ‑.16*

.24"    ‑.13

‑.01     .02 Note. **/><.01, *P<.05

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調整変数としてのセルフ・モニタリングと自己意識

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意識尺度は.81、私的自己意識尺度は.72であった。信頼性は十分と言えよう。

本研究で用いたすべての変数についての男女別、学年別等の平均と標準偏差が表1に示されて いる。情報収集、同調的行動、親和的行動、公的自己意識、私的自己意識の各(下位)尺度の得点 を用いて、上位・下位およそ33%を基準に上位群、下位群を抽出し調整変数としてのセルフ・

モニタリングおよび自己意識の検討を行った。各群で攻撃性得点(アルファ係数は.84)と攻撃行 動得点(4項目の合計:アルファ係数は.87)の相関を検討した(表2参照)結果、情報収集尺度の 下位群に.32、同調的行動尺度の上位群に.24、同じく下位群に.25、公的自己意識尺度の下位 群に.37、私的自己意識尺度の下位群に.40、という有意な相関が認められた。しかし、各上位 群・下位群間の相関係数の大きさの検定では、有意差は認められなかった(表2参照)。なお、被 調査者全員による攻撃性と攻撃行動の相関は.20(♪<.01)であった。また、表3には攻撃性、

攻撃行動とセルフ・モニタリング下位尺度および公的、私的自己意識尺度との相関が示されてい る。情報収集尺度および私的自己意識尺度においてのみ攻撃性あるいは攻撃行動との無相関が認 められた。しかし、相関の大ささからみると、親和的行動尺度と攻撃性の‑ ,41を除き、比較的 低い相関と言えよう。

考   察

表2に示されているように、情報収集尺度および公的自己意識尺度で下位群に有意な相関が、

上位群に無相関が認められ、予測に合致した結果が得られた。これは、情報収集をしない者の方 がする者よりも、また社会的な自分に気を配っていない者の方がいる者よりも、攻撃性と攻撃行 動の一貫性が認められることを示している。しかし、上位群と下位群の相関の大きさには両方と も有意な差は認められなかったため、この程度は期待されたよりも小さいと言えよう。親和的行 動尺度でも相関のパタ‑ンは調整変数に近いものとなっている。全く逆の結果が、私的自己意識 に認められた。大人を対象とした研究では(たとえば、 Scheierら, 1978)、私的自己意識の高い 者は、自分の考えるとおりに行動する傾向が強いため、攻撃性と攻撃行動の一貫性が高いと予想 され、それが支持されている。しかし、本研究では全く逆の結果で、私的自己意識の低い者の方 が攻撃性と攻撃行動の相関が高くなっている。しかも、私的自己意識の上位群と下位群の相関係 数の大きさの差は最大である。本研究で用いた児童用の私的自己意識尺度は大人の尺度とは異な ることがすでに示されており(桜井, 1992)、この結果はその反映と考えられよう。

Baron & Kenny(1986)によると、ある変数が調整変数であるためには、その変数が性格特性 ならびにその性格特性に対応した行動との問に高い相関が認められないことが望ましいと指摘さ れている。表3はこの検討のために作成されたが、この表で見る限り、情報収集尺度、私的自己 意識尺度、公的自己意識尺度あたりまでが好ましいと言えよう。

以上の結果を総合すると、調整変数としては、セルフ・モニタリング尺度のひとつである情報 収集尺度と公的自己意識尺度が有効と結論できよう。ただし、表2でわかるように上位群と下位 群の相関の大きさに有意差が認められておらず、今のところは調整変数の有力な候補と考えてお

くのが妥当である。

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・J OO 桜 井 茂 男

引 用 文 献

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調整変数としてのセルフ・モニタリングと自己意識

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(付記)本研究のデータ収集および分析の面では、尾添慎二君の助力を得た。記して心より感謝する。

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The Investigation of Selトmonitoring and Selトconsciousness as a Function of Moderator Variable

Shigeo Sakurai

{Department of Psychology, Nara University of Education, Nara, 630 Japan) (Received April 23, 1993)

This study was conducted to examine the moderating effects of self‑monitoring and self‑consciousness on the relationship of aggressiveness with aggressive behavior. Two

hundred and one fifth‑ and sixth一grade children completed self‑monitoring scale, self‑

consciousness scale, and aggressiveness scale. These children's aggressive behavior was assessed by their teachers. Based upon results of correlational analysis, information gathering, one subscale of the selトmonitoring scale, and public self‑consciousness moderated the relationship between aggressiveness and aggressive behavior. These results were discussed from the developmental point of view.

参照

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