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総合的な学習の時間に関するカリキュラム開発研究

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Academic year: 2021

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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

総合的な学習の時間に関するカリキュラム開発研究

著者 小柳 和喜雄, 谷口 義昭, 松村 佳子, 倉持 祐二

雑誌名 教育実践研究指導センター研究紀要

9

ページ 121‑131

発行年 2000‑03‑31

その他のタイトル Curriculum Development on 'Integration Learning Time'

URL http://hdl.handle.net/10105/4183

(2)

小柳和善雄(教育実践研究指導センター)谷口義昭(木材加工教室)

松村佳子(理科教育教室)倉持祐二(付属小学校)

CurriculumDevelopmenton IntegrationLearnlngTime

WakioOYANAGI,YoshiakiTANIGUCHI,KeikoMATSUMURA,YujiKURAMOCHI,

(NaraUniversityofEducation)

要旨:本研究報告は、平成11年度センタープロジェクト(1)のチームで取り組んできた、総合 的な学習の時間のカリキュラム開発に関わる調査・開発研究の成果のうち、具体化できたプラン

(案)2編と実践報告を1編を今年度の研究のまとめとして提出している。

キーワード:総合的な学習の時間、カリキュラム開発、横断的・総合的学習 1.はじめに

本研究報告は、総合学習「奈良プラン」カリキュラム開発研究の継続研究に位置づく。これは、

これまで2年間にわたり取り組んできた調査研究の成果1)を、カリキュラム案として具体化して いく初年度の試みである。

今年度プロジェクトチームは、数回にわたる会合 を持ち、その中で、どのように「総合的な学習の時 間」をとらえるかについての論議や、以下のような

カリキュラム案を出し合い検討を行ってきた。

1.1.「総合的な学習の時間」をどうとらえるか これまで「総合的な学習の時間」をめぐっては、

様々な実践報告がなされるとともに、その存在や学 習イメージを巡って様々な類型が先行研究として行 われてきた。しかし、いくら類型を示されても、い ろいろ成立する形態があることは理解できるが、

「総合」を通じて目指される学習の姿がなかなかはっ きりしてこなかった。実践報告をよみ、このような 形で展開すればいいのかというイメージは形成され るが、これが本当のところ「総合」だと考えていい のかというとなかなか判断しにくいことが多かった。

またあえて言えば、教科発展的な総合や、教科横断 的な総合、教科学習・特別活動・道徳を組み合わせ た総合などは、確かに総合的な学習の1つの姿であ ると思われるが、よく考えてみると、図1に示され

図1 従来の領域

礫科

C三).特別活動

図2 今後の領域(案)

(3)

小柳和書雄・谷口 義昭・松村 佳子・倉持 祐二

る現行の指導要領の領域モデルで表現が可能である。あえて総合といわなくてもいいことになる。

では、「総合的な学習の時間」の独自性とはどのようなものをいうのだろうか。平成14年以降取 り組まれる領域・時間をモデルとして表すと図2のようなものが描ける。この図の他と何も重な らない総合の部分が、その独自な学習特性を持った部分となるだろう。この学習イメージとはど のようなものなのだろうか。

以上のように、本プロジェクトでは、今年度このような独自性論議もふまえて検討を重ねてき た。誤解を招かないために述べるが、本プロジェクトでは、独自性を追求した「総合的な学習の 時間」を展開する必要があると主張しているのではない。そのような論議を通して改めて、教科 発展的な、横断的な総合や様々な領域をクロスする総合など、様々な総合の特徴を明らかにし、

その有機的な機能連関を検討しようとしているのである。またこのような検討を通して、はじめ て教科学習それ自体が

図3 教科指導と総合的な学習の時間の関係

教科指導 総合的な学習の時間

___ 一__._こ__.___−_−___

知鼓    問題解決力等 白 と外界との 関係の振ノ

持っている独自性もはっ きりしてくると考えた からであった。

さらに話を発展させ、

次のような論議も行っ た。教科が教科として 成立する根拠をできる だけ絞っていった場合、

最後に残るのはやはり 教科の中で独自に扱う 文化遺産としての知識 ではないか。その知識 をベースにした様々な力、例えば問題解決力を育成しようとしているのが教科学習ではないだろ うか。一方、総合的な学習の時間の場合、新指導要領の総則の表現を解釈し、独自性を検討する と、その存在根拠は、学習者が自己と外界(出会う人や様々な事象)との関係を振り返り、自分 で意味づけを行い、自分にとっての課題を明確にしていくことをベースにし、それを遂行してい くために関連知識や様々な力、問題解決力などが問われてくるのではないだろうか。どちらも問 題解決力を育成して行くにしても、ベースが異なるのではないだろうか、などを論議してきた。

これはプロジェクト内でも決着がついているわけではない。先に述べたことと同様に様々な視点 から教科と総合の関係を考えていく論議を通じて、総合的な学習の時間を多角的な視点から見て

いこうとして行ってきた取り組みであった。

プロジェクトでは、このような論議を行いながら、それぞれの見方・考え方を具体化し、その 中で検討を積み重ねていく必要性を痛感し、各自テーマ案を出す試みに移っていった。

1.2.テーマ案

「葛(国柄)」「米」「素材から製品化へ(木材,ものづくり)」「奈良公園と鹿」

「奈良で算数しよう」「釣り」「マークを探せ」

紙面の都合上、すべてを掲載できないため、今回はプラン(案)2編と実践報告1編に絞って

以下報告する。      (小柳和喜雄)

(4)

2.カリキュラム案報告

2.1.テーマ「おじいさんやおばあさんとゲームをしよう」

2.1.1.ねらい

1)生涯学習について理解を深める。

2)団体競技や遊びのルールを身につける。

3)地域のお年寄りや障害者と積極的に交流する。

4)対象学年:小学校5、6年 全時間数:110時間

時  間 学  習  活  動 用 意 す る もの 、 留 意 点

I 生 涯 学 習 活 動 につ いて 話 し合 お う ・生 涯 学 習 につ いて 考

(5 ) ・生 涯 学 習 活 動 につ いて 調 べ 、 発 表 し え させ 、 積 極 的 に活 動

よ う す る意 識 を 高 め た い。

ゲ ー トボ ー ル ・図書館 や インターネ ッ

トな どで 調 べ る。

・ゲ ー トボ ール の 用 具 を準 備 す る。

(1 0 〜 1 5 ) ・ゲ ー トボ ー ルの 歴 史 を さ ぐろ う

・ゲ ー トボ ー ル の ル ー ル を学 習 しよ う

(2 0 〜 2 5 )

・ゲ ー トボ ー ルの ゲ ー ム の しか た を教 ・地 域 の ゲ ー トボ ー ル

え て も らお う 協 会 の 会 員 を 講 師 に招

く。

・ゲ ー ム はル ール の 基 で プ レーす る こ とを 理 解 させ る。

・老 人 ホ ー ムや 敬 老 会

・ゲ ー トボ ー ルの 練 習 を しよ う

・地域 のお じい さんや お ばあ さん とい っ

し ょに ゲ ー トボ ー ル大 会 を開 こ う を訪 問 す るか 、 学 校 に

・大 会 を反 省 しよ う 招 待 して 、 老 人 と交 流

を はか る。

IV グ ラ ン ドゴル フ ・図 書館 や インターネ ッ

トな どで 調 べ る。

・グ ラ ン ドゴ ル フの 用

(10 〜 15 ) ・グ ラ ン ドゴ ル フ の歴 史 を さ ぐろ う

・グ ラ ン ドゴ ル フ の ル ー ル を学 習 しよ

具 を 準 備 す る。

・グ ラ ン ドゴ ル フ を練 習 しよ う

(5 〜 10 )

・身 障 者 と と もに グ ラ ン ドゴル フ大 会 ・身 障 者 の 施 設 を 訪 問

を開 こ う す るか 、 学 校 に招 待 し

て、 交 流 を はか る。

・大 会 を反 省 しよ う

その 他 の生 涯 学 習 活 動 の 研 究 ・図書館 や インターネ ッ トな どで 調 べ る。

(10 〜 1 5 ) ・お も しろ そ うな生 涯 学 習 活 動 を さが そ う

・さ が した活 動 を た め して み よ う

(5)

小柳和喜雄・谷口 義昭・松村 佳子・倉持 祐二

新しい生涯学習活動の提案

・新しい生涯学習活動を考えよう

・新しい生涯学習に必要なものを作ろ

・考えた生涯学習活動をためそう

・考えた生涯学習活動について話し合 おう

・工夫して創造する能 力を養う。

・道具がうまく使える 技能を養う。

ノコギリ、キリ、カ ナヅチ、カッターナイ

フなどを準備する。

・構想した活動を積極 的に実践する態度を育 てる。

2.1.3.実践にあたって

生涯学習には多くの内容が含まれるが、ここでは学校と地域の老人や障害者との共生を目指し た活動を通して学習することをねらいとする。大きく次の3つの内容を年次展開する。

1)生涯スポーツとして広く普及しているゲートボールに注目し、はじめにその起源から学習す る。ゲートボールがなぜ国内で広く普及するに至ったかを調査し、発表する。つぎに、ゲームの ルールをあらかじめ調べて、子どもたちが互いに相談し合いながら打ち方などを練習する。

ゲートボールの概要を理解した後、実際にゲームの指導をしてもらうために講習会を開く。こ の場合、地域のゲートボール協会と交渉して会員を講師として招稗する。可能ならば、この講師 にはおじいさんやおばあさんがよいと恩われる。講習会によって、子どもたちはゲームの楽しさ を味わうだけでなく、ルールを正しく守ることも学ぶであろう。

最後に、地域の老人と合同でゲートボール大会を開催する。この大会を通して、子どもたちは 老人と交流をはかることができる。

ゲートボールを総合的学習として実践している小学校が新聞で紹介され、この中で子どもたち は意欲的に取り組んでいる様子が報告されている2)。

2)ゲートボールとゴルフを組み合わせたグランドゴルフが老人や障害者の間で親しまれ、次第 に普及しつつある3)。実施する場所は特別な施設でなく、学校のグランドでよい。また競技ルー ルもいたって簡単であり、集団で競技ができるという特長がある。この競技は車椅子に乗っても 可能であることから、全国各地で障害を持っ方々との交流が積極的にはかられている。したがっ て、身障者と合同でグランドゴルフ大会を行うことによって、相互に幅広い交流がはかれる。

3)ゲートボールやグランドゴルフ以外で、集団活動ができる新しい競技または遊びを子どもた

ちに創造させ、それを実践させる。この活動によって子どもたちに自分で考え、実行する能力を

付けさせることができる。この場合、子どもたちから出てくる発想を大事にして、教師も一緒に

なって考えたり、活動する学習体制の構築が望まれる。加えて、この活動が単なる遊びに終わら

ないように、活動後にはグループ単位で相互評価を実施する必要がある。   (谷口 義昭)

(6)

2.2.テーマ「葛に親しむ」

2.2.1.ねらい

葛は、日本各地で山野や川の土手、線路脇などで見られる蔓植物であるが、一般に雑草と同じ ように見られて意外と気づかれていない豆科の植物である。しかし、その繁殖力は旺盛で育っ場 所を選ばないようにさえ思えるほどいたるところで、樹木やフェンスなどを覆い尽くしているの がみられる。秋の始めには、赤紫色の甘い香のするきれいな花を付け、秋の七草の一つに選ばれ 古くから和歌などにも登場する。また、根から取れる葛粉は、良質の澱粉で、葛湯や葛餅、葛き りといった和菓子の材料になり、風邪薬である葛根湯の材料でもある。この葛粉や葛根湯は、古 くから吉野地方で生産され伝統産業として今も残されている。

葛は、日本のみでなく外国でもみられる。アメリカでは葛フェスティバルが行われるところも あったり、中国やフィリピンなどでは砂漠や火山灰地の緑化に一役かっており、地球環境保全に も役立っている。

活動する期間は、春から冬にかけてかなり長くなるが、葛について調べたり、成長の様子を観 察したり、実際に葛根をとって葛粉を作り、自分たちでお菓子を作ったりすることを通して、葛 を核にして様々なことを学び、私たちの生活と植物の関わりを気付くことができるようにするこ とをねらいとする。

2.2.2.展開例

時  学  習  活  用 意 す る も の 、 留 意 点

I . 葛 に つ い て ○ 図 書 室 で 、 辞 典 や 図 鑑 な ど で 調 辞 書 、 辞 典 、 図 鑑 な ど 参 考

調 べ る ベ る に な る 図 書

( 1 〜 .2 h ) ○ イ ン タ ー ネ ッ ト で 調 べ る 。 ノヾソ コ ン

(k u z u o r k u d z u ) に 関 す る ホ ー ム ペ ー ジ

(h ttp :w w w .W n O k .c o m / fe st iv a l.h tm l)

h t tp :w w w .C p tr 、u a .e d u k u d z u /k u d z u te a .h tm )

イ ン タ ー ネ ッ トで 様 々 な 情 報 を 見 つ け ら れ る よ う な 指 導 を す る 。

外 国 の 情 報 は 、 英 語 で 書 か れ た も の が あ る の で 和 訳 を す

る 。

葛 の 特 徴 を し っ か り と つ か ん で お く よ う に す る 。

Ⅱ . 葛 の 観 察 ○ 戸 外 に 出 て 葛 を 探 し 、 ど の よ う 植 物 図 鑑 、 葛 の 写 真 、 イ ラ

( 4 〜 6 h ) な 植 物 で あ る か を 実 際 に 確 か め る 。 ス ト、 ス ケ ッ チ ブ ッ ク 、 メ ジ ャ ー

・薫 の い く つ か の 特 徴 に 注 目 し て 蔓 と と も に ス ケ ッ チ す る 。

・観 察 す る 株 を 決 め て 、 定 期 的 に

(も の さ し )、 カ メ ラ な ど 4 月 中 旬 頃 、 越 冬 し た 前 年 成 長 の 様 子 を 記 録 す る 。 ま で の 茎 (多 年 性 茎 ) の 所 々

・ 新 芽 と 成 長 し た 葉 と を 比 較 し て 、 に あ る 節 か ら 新 茎 (当 年 性 茎 )

(7)

小柳和善雄・谷口 義昭・松村 佳子・倉持 祐二

葉 の つ き か た に 注 目 しな が ら 成 長 を 出 す 。 当 年 性 茎 は 、 各 節 か 記 会読を 取 る 。 ら 1 本 の 葉 柄 を 出 し 、 3 枚 の 小 葉 を そ の 先 に 広 げ る 、 こ の 頃 は ま だ 新 芽 が 小 さ く 、 蔓 も 短 い た め 見 つ け に く い 。

5 月 6 月 頃 に 探 す と 、 新 芽 と比 較 的 成 長 し た も の の 両 方 を 見 る こ と が で き る の で 、 観 察 の 時 期 と して は こ の 頃 か ら が よ い で あ ろ う 。

葉 の 特 徴 は 、 1 、 形 は 、 は ぼ 円 形 で 先 端 は細 く な っ て 短 く尖 り、 浅 く 3 裂 す る か 波 状 に な る。 2 、 厚 み が あ り、 上 面 は 緑 色 で 下 面 は 少 し 白 色 を 帯 び て い る、 な ど で あ る。

葉 の 成 長 非 常 に 速 く 、 10 日 程 度 で 最 大 (約 1 6 cm ) に ま で 成 長 す る。 毎 日観 察 し て も 大 さ さ の 変 化 が は っ き り認 め ら れ る ほ ど で あ る。 少 な く と も

3 日 に 1 度 は観 察 し 、 記 録 を す る の が 望 ま し い 。

(植 物 の 生 活 誌  堀 田 満 著 、 平 凡 社 )

Ⅲ . 葛 の 澱 粉 ○ 葛 の 繁 殖 力 の 強 さ の 原 因 に つ い 保 冷 剤 、 保 冷 箱 、 ミキ サ ー 、

(4 〜 6 h ) て 話 し合 う 。 氷 、 水 、 コ ー ヒ ー 、 フ ィル ター 、

・春 か ら 夏 に か け て の 成 長 は 、 ビ ー カ ー、 ス ポ イ ド、 ヨ ウ 素 根 に 蓄 え られ た 澱 粉 を 使 う こ と に 液 、 顕 微 鏡 、 葛 粉 、 じ ゃ が い 気 付 く。

・夏 か ら秋 に か け て 、 葉 で 作 ら れ た 澱 粉 を 根 に 蓄 え る こ と を 知 る。

も 澱 粉 な ど

糞 で 合 成 さ れ た 澱 粉 は 、 植

・光 合 成 で 葉 に で き た 澱 粉 を 観 物 組 織 内 で 酵 素 分 解 を 受 け や

察 す る 。 す い た め 、 採 取 し た 葉 を 処 理

1 、 天 気 の よ い 目 の 午 後 日 当 り し て し ま う ま で 低 温 に 保 つ こ の 良 い と こ ろ に あ る 妻 を と り 、 保 と。

冷 箱 に 入 れ 低 温 に して も ち 帰 る 。 ろ 過 す る と き に は 、 フ ィ ル 2 、 取 っ た 葉 約 3 0 g を 細 か く ち ク ー の 自 ず ま りが 生 じる の で 、 ぎ り 、 氷 と6 0 0 g 程 の 水 と と も に 何 回 か に 分 け て 行 う と よ い 。

ミ キ サ ー に 入 れ て くだ く 。 葉 で 合 成 さ れ た も の が 澱 粉 3 、 コ ー ヒ ー フ ィ ル タ ー の よ う で あ る こ と を 確 か め る だ け で な 目 の 細 か い も の で 、 2 、 の 液 を あ れ ば 、 ヨ ウ 素 反 応 の み で も ろ 過 す る 。

4 、 ろ 過 し た 液 を 冷 蔵 庫 内 に 1 日 お く。

5 、 静 か に 上 づ み 液 を と り 、 残 り の 液 が 少 な く な っ た ら 、 ス ポ イ

ドで 取 り 除 く。

6 、 底 に 白 い 沈 殿 物 が 残 る の で 、 乾 燥 さ せ る 。

7 、 乾 燥 さ せ た 白 い 粉 の 1 部 に ヨ ウ 素 液 を 注 い で 色 の 変 化 を 確 か め る 。

8 、 6 、 で で き た 粉 を 顧 微 鏡 で よ い 。

(8)

観 察 し、葛 粉 や じ ゃが い も澱粉 と 比 較 す る。

Ⅳ. 葛粉 作 り ○ ビデ オ で 吉 野地 方 の 葛粉 作 りに ビデ オ 『和 州 吉 野 葛  身 近

(4 〜 8 h ) つ い て学 び、 奈良 県 の 伝統 産業 に な 植 物 の 葛 が食 品 に な るまで』

つ い て 知 る。 味 の 素 食 の 分化 セ ンター制 作、

○葛 の根 を掘 る こ とを体 験 す る。 農 山 漁 村 文 化 協 会 発 行 。

○葛 根 か ら葛 粉 を取 る作業 見学 し、 パ ン フ レッ トな ど 『葛 粉 が 自分 た ち で も葛粉 作 りを体 験 す る。 で き る まで 』 天 極 堂

○葛 粉 を使 って葛 餅 な どをつ くり、 (h l.0742−27−5011)

葛 の 味 を楽 しむ。 見 学 先 ;井 上 天 極 堂

(御 所 市 恥1.0745−67−1665)他 参 考 書 ; 『製 葛 録 』 大 蔵 永 常 著

根 を 掘 る ため の 道 具 、 葛 餅 な どを っ くるた めの 道 具

この 作 業 は晩 秋 か ら冬 にか け て 行 うの が よ い。

葛 の 根 を 買 い求 め て 葛 粉 取 りの 作 業 を 行 う。

そ れ も無 理 な らば 、 葛 粉 を 作 る過程 を見 学 し、葛粉 を買 っ て 葛 料 理 を 楽 しむ 。

奈 良 県 の 伝 統 産 業 や 、 伝 統 芸 能 につ い て も触 れ る とよい。

V . 葛 の蔓 で遊 ○ 秋 ま で観 察 を した 葛 の つ るを か 蔓 を刈 り取 る道 具 、 工 作 の

りと る。 た め の道 具 や 飾 りな ど

春 か ら観 察 した葛 が寒 くな っ

(1 〜 2 h ) ○ 持 ち帰 った 蔓 を使 って、 ク リス マ ス リー ス や篭 な どを作 る作 業 を

す る。 た ら どん な 姿 に な るか を 観 察

して か ら、 蔓 を と る。

で きた 作 品 は各 々飾 った り、

使 った り して 楽 しむ 。 葛 の 蔓 の 使 い 方 (葛 布 な ど の伝 統 産 業 ) に つ いて も学 ぶ とよ い。

2.2.3.実践される先生へ

この例は、まだ机上のものです。時間を短縮したり延ばしたりしながら、この中の少しでも実

践をしていただけると嬉しいです。御意見をおよせ下さい。

(松村 佳子)

3.実践報告

3.1.はじめに:本報告とプロジェクトの経過について 3.1.1.「米」をテーマにした総合学習をすることの意味

このプロジェクトは、米をテーマにした総合学習である。まず、子どもにとって米をテーマに

(9)

小柳和善雄・谷口 義昭・松村 佳子・倉持 祐二

した総合学習にとりくむことの意味を考えてみたい。

このプロジェクトは、「ぜひ、子どもたちに農業体験をさせてあげてください。『っながるいの ち』のことも、耳からではなく、体で感じさせてください」という彩さんのお父さんの声をきっ かけにして出発した。お父さん自身が農業に従事されていることから、農業体験そのものの教育 的な意義をとらえての申し出だろう。

以前から、「米づくり」を学んだ子どもの中に何が育ったのかをみるたびに、わたし自身も社 会科の「米づくり」の学習に何か物足りなさを感じていた。それは、「米づくり」を学んだ子ど もたちが見せる、社会科という教科の枠をこえたところでの学びだったのかもしれない。これま でにも、「米づくり」の見学、田植えなどの体験、バケツでのイネの栽培・観察など、社会科の 学習を総合的にすすめてはきた。しかし、今回は、これまで社会科学習の中ではじゅうぶん保障 しきれなかった農業体験をベースにして、子どもたちと農業とを向き合わせてみることにした。

そうすることで、2年生の生活科学習の内容としている「お米ができるまで」や「米づくりの仕 事」だけの学習に終わらない、米そのものをまるごと学習の対象にした総合学習をすすめること

ができると考えたからである。

農業体験をベースにした総合学習をすすめるには、地域の人やおうちの人の協力は欠かせない。

それは、米づくりそのものが共同的な仕事だからである。彩さんのお父さんの紹介で、地域に住 む水越さんと出会うことができた。水越さんは、学校から歩いて約40分(バスで20分)のところ で、有機無農薬農業にとりくんでおられる。子どもたちとの米づくりを快く引き受けてくださっ た。とともに、水越さんと彩さんのお父さんとわたしでの、教える内容を含めた総合学習づくり がはじまった。農業を肌で感じとってほしい、自分たちが食べるお米はどうやってつくっている かを知ってほしい、育てたものを食べる喜びを子どもたちにもなど、さまざまな願いがうまれて くる。米をテーマにした総合学習のよさは、子ども・父母・地域の人・教員との共同がうまれて くることかもしれない。

さらに、学級のみんなが共通の目的をもって、いっしょに「つくる」「食べる」といった学習 体験を積み重ねていくことで、子どもどうLが結びっき、仲間とともにできることを増やしてい

くこともできる。

3.1.2.米をテーマにした総合学習で子どもに何を学ばせたいか

4年の学習としては、「自分のくらしと米とのつながり」に焦点化させたい。目に見えない文 化を含めて、自分たちのくらしそのものが米と深いっながりをもっていることを感じとってはし

いと思っている。そのためには、4年の社会科の学習である「奈良盆地の米づくりと水」で、自 分たちがもち米を育てる田んぼの水はどこからくるのかを調べる活動も必要だし、植物としての イネの体や成長を学ばせることも必要になってくる。その点では、「米」にかかわる中でうまれ きた子どもの問題意識にそって、学習を広げていきたいと思っている。「米と自分のくらし」と いうテーマでの学習は、自分のく′らしから米づくり農家かかかえる今日的な問題を考えるという 5年の日本の農業の学習にもっながっていく。

3.1.3.今年度の活動報告

総合学習のテーマ:10クラスのおもちをつくろう

(1)目標

(10)

1)10クラスみんなでもちを食べるために、有機無農薬で米づくりをしている水越さんに米づ くりのやり方を教えてもらいながら、もち米を育てる仕事(もみまき・田植え・草取り・稲刈り など)から、もち米をもちにつくりかえる仕事(とぐ・蒸す・つく・まるめる・味をっけるなど)

までを、自分たちの力でとりくませる。

2)イネの成長を追いながら、栽培植物であるイネは、種から芽が出て、分けつを繰り返しな がら成長し、花が咲いてたくさんの実がなることをわからせる。

3)雨が少ない奈良盆地では、米づくりに必要な水を確保するために、田んぼからは遠くはな れた山間にまでため池(丸尾池)をっくっていることをわからせる。

4)稲(ウルチ米ともち米を合わせて)の体のそれぞれの部分は、自分たちのくらしのさまざ まなところに利用されていることをわからせる。

5)「10クラスみんなでもちをっくって食べたい」という共通の願いを実現させることを通し て、学級の仲間づくりをすすめる。

(2)指導の流れ(全58時間)

第I 学級のめあてをつくる 第Ⅱ 稲を育てる

2時間 20時間

・もみまき・カップでの苗育て・田植え・草とり・稲の観察・稲刈り 第Ⅲ くらしの中の稲さがし         4時間

第Ⅳ 稲でつくる       14時間

・収穫祭でのもちっき ・しめなわ作り ・障害児学級との交流会 第Ⅴ まとめ       18時間

・絵に表現・文集づくり ・学習発表

(3)展開

学  習  活  用 意 す る 物 留  意 

I . 「水 越 さ ん か ら 田 ん ぼ を か り る こ 写 真 ○  子 ど も た ち に 、 め あ て づ く り と が で き た 。 さ あ 、 ど う す る ?」 (水 越 さ ん 米 づ く り へ の 願 い

(2 時 間 )

Ⅱ.

と い う 教 師 の 提 案 に 対 して 、 子 ど 田 ん ぼ )

・箱

が う まれ る まで じっ も た ち の 話 し 合 い が は じ ま る。 く り と 話 し合 わ せ

何 を 育 て る の か 、 育 て た も の を ど う す る の か で 意 見 が 分 か れ た 。 自分 た ち の 手 で で き る も の と し て、

も ち づ く り が 共 通 の願 い に な っ た。

9  も み ま き ・苗 代 づ く り

る 。

○  も み が 垂 な ら 稲 を 育 て る 底 の 浅 い 箱 に 土 を な ら し て し き ・土 な い よ うに 、 グル ー

(2 0 時 間 ) つ め 、 そ の 上 に 、 重 な ら な い よ う ・た ね も み

・記 録 用

プ で 協 力 して と り に し て も み を お い て い く。 く ま せ る 。

塾  田 ん ぼ の 大 き さ を 測 る 0  1 k m 歩 き を し 子 ど も た ち の 歩 幅 で 、 一 周 が お よ カ ー ド た 時 の 記 録 を 恩 い そ 2 9 0 歩 。 1 キ ロ メ ー トル の 歩 幅 出 さ せ て 、 田 ん ぼ を 子 ど もた ち は以 前 に 測 って い る の の お お よ そ の 大 き で 、 お お よ そ の 大 き さ は つ か め る 。 さ を 測 ら せ る。

(11)

小柳和喜雄・谷口 義昭・松村 佳子・倉持 祐二

③ バケツ田んぼを作る

プリンカップにたねもみをおいて、

苗代をつくる。稲の成長の観察と、

稲の成を見て米づくりの仕事の計 画を立てる。

④ 田植え

グループで力を合わせて、水越 さんの田んぼと学校のバケツ田ん ぼに手で植える。

⑤ 草取り

バケツ田んぼの稲の成長と照ら して、草取りに出かける「イグサ」

を手分けしてとっていた。

⑥ イネの観察

稲の背丈を測ったり、花が咲い ているところを観察した。

⑦ 丸尾池の見学とイネの観察 奈良盆地に多いため池の学習を 兼ねて見学した。田んぼと丸尾池

とをつなぐ用水路を探検した。

Ⅲ.

くらしの中の 稲さがし

(4時間)

IV.

稲で作る

(14時間)

⑧ 稲刈り

バケツ田んぼのイネも実がふく らんでいるのを確かめて、稲刈り に出かける。おうちの人の協力と 子どもたちとの連携プレイで仕事

をすすめた。

くらしの中にある稲からできる ものさがLを調査する。調査をま とめていくと、予想以上の多さに、

子どもたちもびっくり。調査した ものの中から、自分たちでつくっ てみたいものを選んでいく。

(丑もちを作る会

実行委員の計画で、米を育てた 田んぼに臼と杵を用意して、「今 までに育てたお米でおいしいおも ちをつくる会」をする

・プリン カップ

・土

・たねもみ

・田植え用

ロープ

・サンダル

・着替え

・タオル

・サンダル

・着替え

・タオル

・ものさし

・虫メガネ

・地形図

・鎌

・軍手

・長ズボン

・ひも

・調査カー

・まとめ用

・イネから できた製品

・イネ

・せいろ

・臼と杵

・手ぬぐい

・もち米

○ 瑚王ごとに競争 して育てさせる。

○ 赤米・黒米・

かおり米などの品 種の違う米も育て

て観察させる。

○ おじいちゃん の植え方を見て、

2〜3本の苗をま とめて、土にしっ かり植え込むよう にさせる。

○ 草を取りなが ら、田んぼにすむ 生きものの採集や 観察をさせる。

○ イネが成長し ている様子を、1 週間〜10日おきに 記録させる。

○ 丸尾池から出 発して、米作りを している田んぼま で歩かせ、水の流 れをつかませる。

○ グループごと に、刈る、束ねる 仕事をさせていく。

鎌を使って、力を 合わせて稲刈りを

させる。

調査の前に、

ネを分解して、

ネの体づく り

名前)を確かめ

稲からできた 実物と物の名前を 対応させる。

○ 稲と人びとの くらしとの結びつ きを、場面設定を して物語として表 現させる

○ もちのつき方・

もちの食べ方など、

グループで相談し ながらとりくみを

(12)

前日からもち米を洗って水につ けておき、当日は蒸すところから 始めた。おうちの人の協力があり、

ぶた汁・焼きいもを食べることが できた。

・皿と椀

・箸

・調味料

(きなこ・

しょうゆな ど)

すすめさせる。

○ もち米からど うやって食べるも ちになっていくの かをつかませる。

Ⅴ.

まとめる

(18時間)

※3学期の とりくみ予定

(珍しめなわ作り

明大くんのおじいちゃんにしめ なわ(わじめ)作りを教えてもら う。わらをなうところに悪戦苦闘 していた。

③障害児学級との交流会 自分たちが育てたもち米を他の 人にもおもちにして食べてもらい たいという願いから、障害児学級 の友だちとの交流を計画した。わ らで作った輪を使っての輪投げ大 会や、もちっきをする。こうした 活動と合わせて、障害についての 学習にもとりくんだ。

全校でとりくむ美術展への作品 として、1年間のもち作りのとり くみを絵に措いていく。

また、絵のとりくみと並行して 作文にもとりくみ、文集にまとめ て、お互いのとりくみの様子を交 流させる。

さらに、1年間のとりくみをカ レンダー風にまとめたものを使っ て、学んだことを水越さんやおう ちの人も前で発表する。

○ おじいちゃん の手の動作をっか ませる

〇 日分でわらを 編みながら、しめ なわを完成させる。

○ 障害児学級の 友だちと力を合わ せてもちをつくっ て食べる。

○ 障害児学級と の交流を通して、

障害について学ば せる。

〇 日分が絵に何 を表現したいのか をはっきりさせて とりくませる。

○ 横向きの人の 重なりを絵に表現

させる。

○ 心に残ったこ とを作文に綴らせ る。

〇 一人ひとりが 学んだことを伝え られるように、表 現方法を工夫させ

(4)今後の展望

わたしは、子どもにとって学ぶ意味のある総合学習をっくりたいと考えている。総合学習づく りには、2つのやり方があるように思う。

一つは、学習テーマを設定し、いくつかの教科の学習をあらかじめ関連させながら学習をすすめ ていくやり方である。「平和と人権」「性と人間」をテーマにしたいくつかの教科の総合学習がそ れである。また、同じ教科の内容をクロスさせながら総合学習を展開することもできる。社会科 を例にとれば、5年生の自動車工業と公害学習と道路問題と地方自治などをクロスさせながら総 合学習としてとりくんでいくことも可能であろう。このやり方では、それぞれの教科で教える内 容や教材はあらかじめ決まっている。

もう一つは、教師の問題提起(課題提起)を子どもたちが受けとめ、学習経験を広げていきな

がら、そこからうまれた子どもの問題意識にそって、子どもたちが学んだことを関連づけながら

(13)

小柳和書雄・谷口 義昭・松村 佳子・倉持 祐二

学習を深めていくというやり方である。それゆえ、子どもたちの学習経験すべてが教材であり、

子どもの問題意識の方向にそって価値ある教育内容を選択していくことになる。学習テーマは設 定しつつも、学習がすすむにつれて、教科や教科外の活動と関連させながらの学習である。この やり方では、子どもの学びと向き合い、子どもが何を考え、何に目を向けているのかをっかみ、

子どもの考えを子どもどうし、あるいは外の世界のさまざまな事象や人の考えとっないでいくこ とが大事になってくる。そのためにこそ教育内容研究を重視しなければならない。

いずれの総合学習づくりのやり方でも、認識の内容と方法をあいまいにせず、学習のねらいを 明確にすることは大事にすべきことである。

わたしは、これまでの教科教育の中での子どもの学びは、きわめて総合学習的であったととら えている。それゆえ、子どもの学びのありように視点をすえた教科教育の充実・発展の延長に総 合学習があると考えている。わたしが考える総合学習づくりの2つのやり方は、教科教育におい ても、総合学習においても、子どもの中にどのような学びをっくっていくかという点では通じて くる。       (倉持 祐二)

4.今後のプロジェクトの方向性

本プロジェクトでは、今年度カリキュラム案で具体化した内容を実践的に検討していくことと、

さらに幅広い視野から具体化できるカリキュラム案を複数計画していくことの2つを柱に、来年 度以降、質的に量的にも「総合的な学習の時間」で利用可能な様々なカリキュラムパッケージを 検討していくことを計画している。

<付記>

本研究は以下のプロジェクトメンノヾ一によって行われたものある。紙数の関係から各メンバー が立案したカリキュラム案や考え方などすべては掲載できていないが、数回にわたる会合の中で 検討をしてきた一部を今回報告している。

<註>

1)岩本ほか(1998)総合学習「奈良プラン」カリキュラム開発研究、奈良教育大学教育実践研 究指導センター研究紀要Vol.7、187−207。岩本ほか(1999)中学校における「総合的な学 習の時間」展開を巡る諸問題、奈良教育大学教育実践研究指導センター研究紀要Vol.8、139−

151、参照。

2)日本教育新聞(1999)ゲートボールで総合学習、 99.12.17付け。

3)岡本重夫,平埜美帆(1993)「ニュースポーツ」分類と現状、奈良教育大学大学 教育方法改善経費報告書、98−131。

研究プロジェクトメンバー:

岩本廣美(社会科教育)、小柳和善雄(実践センター)、重松敬一(数学教育)、鈴木洋子(家庭 科教育)、谷口義昭(木材加工)、比留間良介(美術教育)、松村佳子(理科教育)、森本弘一(理 科教育)、竹村景生(附属中学校数学)、谷口尚之(附属中学校社会科)、倉持祐二(付属小学校 社会)、櫻本塁己(付属小学校社会)(付属小学校社会)、園部勝章(付属小学校理科)、中産寿弥

(付属小学校社会)、中野喜久(奈良教育大学大学院)、

参照

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