cMP 用スラ リーにおける界面活性剤 の加 工特性 に及 ぼす挙動 I nf lue nc eo fS u r f a c t a n t so nPol i s hi ngPe r f o r ma nc e so fCMPSl u r r y
浜元 伸二 1*、土肥 俊郎2、横 山 健三 l
S h i n j i Ha ma mo t o
l,T o s h i r o hDo y
2, Ke n z oYo k o y a ma
l lユ シロ化学工業株式会社Yus hi r oChe m i c a lI nd us t r yCo.
,Lt d.
2埼玉大学 教育学部 機械技術研究室
Me c ha ni c a lEngi ne e r i ngLa b. ,Fa c ul t y ofEduc a t i o n,Sa it a m aUni ve r s i t y
Abs t r ac t
Thei nf lue nc eo ft hr e edi f fe r e nti o nt ypes u rf a c t a nt sonf u
me ds i l i c as l ur r ywa ss t udi e d.Thei nc r e a s eofr e mova l r a t ewa sobs e r ve dwhe n
thes ma l la m ou ntofl o nge ra l kylc ha i na ni o ni cs ur f a c t a ntwa sa dde dt ot hes l ur r y. Thea ddi t i o n ofc a t i o m ics ur f a c t a ntc a us e d
thes i g ni f ic a ntde c r e a s eofr e mo va lr a t e.Thea ddi t i onofnom io ni cs ur f a c t a nts ho we dt he mode r a t ede c r e a s eofr e mo va lr a t e.The s edi f fe r e nc e sofpol i s hi ngpe r f o r m a nc e sa rec o ns i de r e dt obec a us e dbyt he i
nt e r a c t i o nbe t we e ns ur f a c t a nt sa nda br a s i ves / Si O2丘l m f or m e dove rs i l i c onwa f e r .
Ke yWor ds : C
MP,Sl
urry ,Sur f a c t a nt
,Ani o n,Ca t i o n, No ni o n
1.緒言超
LSI
デバイスの高速化 ・高集積化が進む中で、配線の多層化が重要 となっている。この多層配線 を実現す るためのキーテ クノロジー と して平坦 化(
Pl a na ri z a t io n)加 工技術 が あ り、 中で も C
M P( Che m i C a l Me c ha n i c a lPo l i s hi ng)
技術が数多 く導入 されている 1)。今後超LSI
デバイスの高速化 ・高 集積化がますます進行す る中でC
MP加工におけ る加 工 レー トや表面粗 さに対す る要求 もます ま す厳 しいもの となってきている。CM
P加工用スラリーは一般的に水、砥粒お よび 添加剤か ら構成 されている。添加剤の一つである 界面活性剤は、その添加 によ り加工性能 を大きく 変化 させ ることが知 られている。このよ うな変化 を引き起 こす要因 としては、界面活性剤 の添加 に よ りスラ リーの湿潤性 ・浸透性 ・分散性 ・研磨粉*
〒25 3 ‑ 01 9 3
神奈川県高座郡寒川町 田端1 5 8 0
電話 :0 4 6 7 ‑ 75 ‑ 01 7 5 FAX :0 4 6 7 ‑ 75 ‑ 01 5 7 E‑ Ma il:S ‑ ha m a m o t o& s hi r o. c o. j p
23
の排 出性 な どの変化お よび被研磨材料や砥粒‑
の吸着が考えられ る。 従って、界面活性剤 を添 加 したスラリーのCMP加工性能を明確 にす るこ とによ り、加工 レー トや表面粗 さを自由にコン トロールできるスラ リーの開発 が可能 となる と 考える。
本研究では、代表的なアニオ ン界面活性剤 、 カチオ ン系の官能基 を有す る添加剤お よび ノニ オ ン界面活性剤 をヒュ‑ム ドシ リカ分散スラ リ ーに添加 した場合の加工特性 に及ぼす影響 につ いて検討 を行った。
2.実験方法 と加工条件
(1)界面活性剤表 1に検討 に用いた界面活性剤お よび添加剤 を示す。アニオ ン界面活性剤 としては、アル キ ル鎖長の異なる
3
種類の脂肪酸せ っけんを選 定 した。カチオン系添加剤 としてはカチオ ン系の 高いア ミノ基 を有す るポ リエチ レンイ ミンを選 定 した。 ノニオ ン界面活性剤 としては、ポ リオ キシエチ レンアル キルエーテル型 ノニオ ン界面活性剤 を選定 した。
表 1 実験で とりあげた界面活性剤
分類 化合物
アニオン
界面活性剤 カプ リル酸ナ トリウムラウリン酸ナ トリウム オ レイ ン酸ナ トリウム カチオ ン系 ポ リエチ レンイ ミン 添加剤 (分子量
=1 800)
ノニオン
界面活性剤 ‑テル (ポ リオ キシエチ レンアル キル エエチ レンオキサイ ド付加
( 2)
実験方法 ・装置 と評価方法表 2に加工条件 を、図 1に加工装置の外観写 真 を、図
2
に加工装置の概略図を示す。スラリ ーは、表1
に示 した界面活性剤 と純水お よび ヒ ュ ‑ ム ドシ リカ 分 散 ス ラ リー 濃 厚 液( Si
O 22
5 w
t.%)を混合す ることによ り、所定の砥粒濃度( Si
O 21 2. 5wt . %)
と界面活性剤濃度 になるよ う調 製 した。加 工 レー トは、加工前後の酸化膜 の厚 さを干 渉式膜厚計
( SENTECH
社製FTP5 00 )
を用いて 測定 し、膜厚 の変化 を加工時間で割 ることで算 出 した。表
2
加工条件項 目 条件
被研磨材料 酸化膜
( p‑ TEOS
膜) パ ッ ドⅠ C1 000/SUBA400
スラリー ヒユーム ドシ リカ分散スラ リー
( Si
O 21 2. 5 wt . %,pH 1 0. 8)
加工装置 小型修正 リング式研磨装置(ラップマスター
1 5 )
加工圧力500g/c m
2定盤 回転数
30r pm
2 4
図
1
加工装置外観図
2
加工装置概略図3.実験結果
(1)アニオン界面活性剤の影響
図
3
にアニオン界面活性剤 の添加 量を変 えて 調製 したスラリーの加工 レー トを示す。スラ リー にアル キル鎖長 の異 なる脂肪酸せっけんを添加 すると、アルキル鎖長の短いカプ リル酸ナ トリウ ムでは加工 レー トはほとん ど変化 しないが、アル キル鎖長が長い ラウリン酸ナ トリウム とオ レイ150 I? 1⊥ 1ユ 1■
H
? 1⊂∈l 43210000芸 lO9O0 OC8●C1AC1‑Na28‑Na‑Na 0
▲
A
●
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 1
図3加工レー トに及ぼすアニオン界面活性剤の影響
ン酸ナ トリウムでは、低添加量で加工 レー トが高 くな り、添加量が増 えると再度低下す る傾 向が認 め られた。今回検討 した脂肪酸せっけんにおいて は、カプ リル酸ナ トリウム、ラウリン酸ナ トリウ ム、オ レイ ン酸ナ トリウムの順 に表面張力が下が る、分散力や可溶化力が向上す るな ど界面化学的 能力 は強 くなる2)。従って、低添加量時に加工 レ ー トが高 くなったのはアニオ ン界面活性剤 の添 加 によ りス ラ リーの界面化学的作用が高 くなっ たためと考えられ る。その後、添加量の増加 に伴 い加 工 レー トが低下 したのは砥粒お よび被研磨 材‑の界面活性剤の吸着によると考える。
( 2)カチオン系添加剤の影響
図 4にカチオン系添加剤 の添加量 を変 えて調 製 したスラリーの加工 レー トを示す。カチオン系 添加剤 を少量添加 しただけで、加工 レー トは著 し
く低下 した。これはカチオ ン性の強いア ミノ基が 砥粒 または被研磨材表面に存在す るシラノール 基 と強い吸着力で結合 し、スラリーの化学的作用 や機械的作用が妨害 されるためと考える。
0
? 120{ 1≡00
、.ユH 40.5 80上l 60̲ 異 20
\ \
● 0l芦 ●
図4加工レー トに及ぼすカチオン系添加剤の影響
( 3)ノニオ ン界面活性剤の影響
図
5
にノニオ ン界面活性剤 の添加量を変 えて 調製 したスラリーの加工 レー トを示す。加工 レー トはエチ レンオキサイ ド付加モル数の増加お よ び添加量の増加 に伴い低下 した。この理 由 として はノニオ ン界面活性剤 が砥粒お よび被研磨材 に 吸着す るためと考える。特に添加量が少ない試料 での加工 レー トの低下が大 きいことよ り、低添加 量での検討 をよ り広いエチ レンオキサイ ド付加 モル数 において行なった。25
図
6
に横軸 にエチ レンオキサイ ド付加 モル数 (グラフ中ではEO
と略す)を取ったものを、図7
に横軸 に界面活性剤添加 量を取った ものを示 す。検討結果 よ り、以下のことが分かった。① エチ レンオキサイ ド付加モル数 が5モル か ら
9
モル までの加工 レー トは添加 量 に かかわ らず直線 的に低下 し、7‑ 9
モル以 上の付加モル数 ではほぼ横 ばい となる。つ ま り、親水性が低い方が加 工 レー トの低下 は少ない。 この理 由としては、砥粒である シ リカや被研磨材 であるシ リコン酸化膜 の親水性が高いために、親水性の高いエチ レンオキサイ ド付加モル数 の多い ノニオ ン界面活性剤 の方 が よ り強 く吸着す るた めと考える。② エチ レンオキサイ ド付加モル数 が
7
モル 以上 の ノニオ ン界面活性剤 を添加 した場 合、添加量が0. 1 %までは加工 レー トは急激
に低下 し、その後はほとん ど変化 しない。これ は界面活性剤 の添加 量が増 えるに伴 い、砥粒や被研磨材 に吸着す る界面活性剤 が増加 し
、0. 1 %付近で飽和に達す るため と
考え られる。また、界面活性剤の添加 に伴 い、スラリー液の界面活性能力が高まって い くが、0.1%付近で臨界 ミセル濃度に達す るた めにその後変化 しな くなる可能性 も 考え られ る。0
l一
〇一 EO=3 ー E0‑5 ‑‑公一EO=7.⊆ 160≡
\喜 140
⊥l 120
̲HI= 1ユ 00
fミ 80
図5加工レー トに及ぼすノニオン界面活性剤の影響
l
190 180
⊂
∈ 170
\≡
、5 160
⊥.
H
⊂ユl 15コ1400局 131200 ■■ f
t
+ 0.l ‑+ 0.5‑.D‑ 1
● 5
‑
一 一一一「●
0
5 10 15 20 2図6加工レー トに及ぼすノニオン界面活性剤の影響
‑EO付加モル数 ‑
図7加工レー トに及ぼすノニオン界面活性剤の影響 一活性剤添加量 ‑
4.考察
ヒュ‑ム ドシ リカを分散 した
C
MP用スラ リ ーにイオ ン性の異 なる界面活性剤 を添加 した場 合の加工特性‑の影響 について検討 を行 った結 果、界面活性剤添加時の加工 レー ト‑の影響に ついては、そのイオ ン性 によ り大 きく異 なるこ とが分かった。 この理 由 としては、活性剤 と砥 粒/被研磨材表 面 との相互作用 に よる と考 える (図 8)。今回の検討 に使用 したスラ リーはアル カ リ性であるため、砥粒や被研磨材であるS i
O 2表面のシラノール基はマイナスの電荷 を帯びて いる。一方、アニオ ン活性剤 は水 中で解離 し、
マイナスの電荷 を帯び るため
、S i
O 2表面のマイ ナスの電荷 とは反発す る。 これに対 して、カチ オン系添加剤 は水 中でプラスの電荷 を帯び るた め、S i
O 2表面のマイナスの電荷 と引き合い、強 固に結合 して しま う。 ノニオ ン活性剤 は水 中で 帯電 しない ことよ り、S i
O 2表面 との相互作用は 少ない。これ らのことか ら、砥粒や被研磨材表面に最 も吸着 しづ らいアニオ ン活性剤 の影響が最 も少
26
なく、次いでノニオ ン活性剤の影響が少 ない も の と考える。砥粒や被研磨材表面 と強固に結合 して しま うカチオ ン系添加剤 は、結合 した膜 が が保護膜 のよ うな作用 をす るため、加 工を阻害
して しま うもの と推察す る。
図8界面活性剤の種類と砥粒/被研磨材表面との相互作用 5.結言
研磨 レー トや表面粗 さを調整可能 なス ラ リー の開発 を 目的 として、各種界面活性剤 をシ リカ 分散 スラ リーに添加 した場合の加工特性 につい て検討 を行 った。その結果、研磨 レー トは界面 活性剤のアルキル鎖長やエチ レンオキサイ ド付 加モル数、添加 量に大 きく依存す ることが判 明
した。
今後は界面活性剤添加時のスラリー液性状や 砥粒‑の吸着挙動 と加工性能 との関係 を明確化 す る方向で、検討 を行なってい く予定である。
また、シ リカ系以外の砥粒分散スラ リー につい ても同様の検討 を行な う。
[ 讃描き ]
本研究を遂行す るにあた り、ご協力戴 きま し た浮穴仁氏 をは じめ とす る埼玉大学 土肥研究 室の方々、な らびにユシロ化学工業㈱の武藤俊 美氏は じめ関係者の方々に深 く感謝いた します。
<参考文献>
1 )
土肥俊郎 :詳説半導体CMP
技術,2 0 01
,工業 調査会2)稲葉恵一 ら :脂肪酸化学
,1 9 8
1,幸書房3 )
浜元,i肥 ら: 2 0 01
年精密工学会東北支部学術講演会講演論文集
、p3 9( 2 0 0
1)4 )
浮穴,浜元,土肥 ら :2 0 0
1年精密工学会東北支部 学術講演会講演論文集、p41( 2 0 01 )
以上