1.研究のねらいと目的
近年、消費者の嗜好や選好が急速に多様化しており、それに伴う消費者行 動の複雑化が都心商業空間で顕著にみられるようになってきた。インター ネットショッピングの利用の増加やユニクロや H&M といった流行をとりい れた低価格の商品を短いサイクルで供給するいわゆるファストファッション とよばれる業態の店舗の都心への進出も消費者行動の複雑化の動きに拍車を かけている。このようなことから、消費者の商品や店舗の選択の目はいっそ う厳しいものとなりつつある。
以上のような状況のもと、都心に立地する百貨店や従来の専門店の戦略立 案はこれまで以上に困難になってきている。特に、激化する競争に勝ち抜く
商業施設選択に関する消費者の 意思決定の因果構造モデリング
*栫 井 昌 邦
†中 村 亮
‡斎 藤 参 郎
§*本研究を進める中で、福岡大学経済学部の大石迪夫教授より、有益なコメント を頂戴した。ここに記して厚く謝意を表したい。
†福岡大学経済学部 准教授,福岡大学都市空間情報行動研究所
‡松村石油株式会社
§福岡大学経済学部 教授,福岡大学都市空間情報行動研究所 所長
−241−
( 1 )
ために他の店舗にない独自性を出し、他店舗との差別化することで、自店舗 の優位性を消費者にアピールする必要に迫られている。そのために、各々の 店舗は、ポイントサービスによる顧客の囲い込みや拡大をはじめ、独自の商 品開発や品揃えによる付加価値の提示、ファッションアドバイザーなどの新 サービスの提供、ターゲット層の絞込みやシフト等、店舗のオリジナリティー やよいイメージを消費者に訴求するための様々な戦略の実施の試みをおこ なっている。ところが、このような戦略の考察や実施のための科学的な方法 は十分であるとはいえず、実際現場の観察や経験に依拠した試行錯誤を通し てなされることがほとんどである。ここで、体系的に戦略立案を支援のため の方法の確立が大いに望まれるところである。
消費者の嗜好が多様化するなかで、有効なマーケティング戦略を考察して いくためには、これまで以上に自店舗やその店舗が属す商圏の消費者の特徴 を詳細かつ正確に把握していくことが重要であろう。具体的には、従来多く の消費者行動モデルでとりあげられてきた性別や年齢といった社会経済属性 ばかりでなく、価格志向、ブランド志向、そして品質志向といった消費者の タイプや活気がある、商品の品揃えがよい、流行の先端、といった消費者が 店舗に対して持つ評価、といった要素をモデルに反映していく必要がある。
このような問題意識から、福岡大学経済学部栫井研究室は、福岡大学都市 空間情報行動研究所と共同で、2006年12月2日と3日に福岡都心部における 消費者の嗜好・意識・行動調査を企画、実施した。調査では、福岡都心部の 主要商業施設への出向頻度や購買金額とともに、各商業施設の属性に対して もつ評価やファッションに対する購買態度の評価に関する項目を尋ねている。
本研究の目的は、この調査データにもとづき、消費者の意思決定の構造を モデル化することである。具体的には、観測された消費者の商業施設に対す る評価や購買態度に対する評価、出向頻度といった特性と直接観測すること が不可能である態度イメージや認知イメージ、そして購買意欲といった構成
−242−
( 2 )
概念を導入し、構造方程式モデリングにより、それら特性間の因果構造のモ デル化をおこなっていく。
2.分析枠組
2.1 使用するデータ
本研究では、2006年に福岡大学経済学部栫井研究室と福岡大学都市空間情 報行動研究所が企画・実施した、福岡都心部における消費者の嗜好・意識・
行動調査の調査データを使用する。調査概要を表2. 1に示す。
調査では、福岡市天神地区に立地する岩田屋、大丸・エルガーラ、福岡三
越、 VIORO 、天神コアといった主要商業施設に対する出向頻度や支出金額、
これらに対する認知イメージを尋ねている。以下の分析でこれらの調査項目 に対するデータを用いることとする。
岩田屋は、現在は三越伊勢丹ホールディングスの子会社となっているが、
古い歴史をもつ福岡の地場の有力百貨店であった。現在、本館と新館の2棟 で構成されている。大丸・エルガーラも本館と東館エルガーラの2棟で構成 されている百貨店である。福岡三越は1997年に西日本鉄道との合弁により開 業し、バスセンターを併設するターミナルデパートとなっている。 VIORO は2006年9月にオープンし、20代後半から30代の大人の女性をターゲットに した専門店である。天神コアは10代から20代前半をターゲットとした専門店 で、特にギャル系とよばれるファッションアイテムを取り扱うショップを中 心とした店舗構成をしている。天神地区は、九州最大の商業集積地である。
商業施設選択に関する消費者の
意思決定の因果構造モデリング(栫井・中村・斎藤) −243−
( 3 )
表2.1 福岡都心部における消費者の嗜好・意識・行動調査の概要 福岡都心部における消費者の嗜好・意識・行動調査 調査日時 2006年12月2日、3日
12:00〜19:00
調査場所 岩田屋本館、大丸/エルガーラ、福岡三越、天神コア 有効サンプル数 536サンプル
調査方法 各調査場所への来街者を対象にした15分程度の聞き取りアンケート調査
主な調査項目
(1)個人属性
居住地、年齢、性別、職業など
(2)居住地から調査地点までの所要時間
(3)福岡都心部主要商業地区、主要商業施設への出向頻度及び支出金額
(4)商業施設へのイメージ評価(7段階)
岩田屋、大丸エルガーラ、福岡三越、VIORO、天神コア
(5)ファッションに対する態度評価(7段階)
(6)その他
好きなブランド、好きな商業施設、当日の買物行動
2. 2 分析の方法
本研究では、次のように2段階で因果構造モデルのパラメータの推定を 行っていく。
(1)消費者の消費者の態度イメージ、認知イメージに関する調査項目から、
それらを構成する構成概念を分析し、その構成概念スコアを計算する。
(2)構成概念スコアを用い、社会経済属性、態度イメージ、認知イメージ、
購買意欲、購買行動間の因果構造モデルを構築し、パラメータの推定を 行う。
2. 3 因果構造モデルの仮説
本研究では、消費者の購買行動に対する意思決定について、以下の因果構 造を仮定する。
−244−
( 4 )
男性 女性
35.3 64.7
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
図3.1.1 性別
社会経済属性→消費者の購買態度→商業施設に対する認知→
購買意欲→購買行動
ここで、消費者の購買態度イメージとして、消費者が価格、品質、ブラン ド、店員の服装等に対し、どのようなものを重視するかといった変数、消費 者の商業施設に対する認知イメージとして、雰囲気の明るさや商品の品揃え 等、各商業施設の評価に関する変数を用いる。購買行動としては、商業施設 に対する出向頻度と1回あたりの支出金額を使うこととする。
3.福岡市天神地区における主要商業施設来店者の態度・認知イメージ分析
3.1 福岡市天神地区における主要商業施設の来店者特性
図3. 1. 1、図3. 1. 2、図3. 1. 3、図3. 1. 4は調査したデータの性別、年齢、職 業、結婚の有無を集計したものである。
商業施設選択に関する消費者の
意思決定の因果構造モデリング(栫井・中村・斎藤) −245−
( 5 )
10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代以上
26.9 53.0 7.0 4.5
1.9 1.9
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
4.9
図3.1.2 年齢
高校生 短大・大学生 専門学校・浪人生 専業主婦 事務系勤め人 技術系勤め人 販売・サービス系勤め人 労務系勤め人 会社役員 自営業 自由業 パート・アルバイト 農林漁業 無職・家事手伝い その他
12.7
35.4 6.5
5.0 5.6
9.3 7.1 3.2 1.3
1.9 0.7
3.5 0.2
2.6 4.1
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0 50.0 図3.1.3 職業
−246−
( 6 )
既婚 未婚
16.6 78.7
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
図3.1.4 既婚・未婚
3. 2 福岡市天神地区主要商業施設の来店者の態度イメージ
調査では、被験者に購買態度についての評価を7段階で尋ねている。図3. 2 は各々の項目について平均をとったものである。
平均が5以上となった項目は、「価格を重視する」「品質を重視する」「デ ザインを重視する」「機能性を重視する」となっている。また「店に行くま での時間を重視する」「店に行くまでの距離を重視する」「店に行くまでの交 通費を重視する」という項目は平均で4を下回っていた。
以上より、消費者は商品自体の特性を重視している傾向があること、店に 行くまでの時間距離等コストに対する重視度が低い傾向を掴むことができる。
商業施設選択に関する消費者の
意思決定の因果構造モデリング(栫井・中村・斎藤) −247−
( 7 )
価格を重視する 品質を重視する 流行を重視する 個性を重視する ベーシックを重視する デザインを重視する 機能性を重視する 店員の接客を重視する 店員の服装コーディネート を重視する 店の認知度や人気を 重視する 店に行くまでの時間を 重視する 店に行くまでの距離を 重視する 店に行くまでの交通費 を重視する
ブランド名を重視する
7 6 5 4 3 2 1
図3.2 福岡都心部主要商業施設の来店者の態度イメージ(平均)
3. 3 福岡市天神地区主要商業施設の来店者の認知イメージ
調査では福岡市天神地区の岩田屋、大丸・エルガーラ、三越、 VIORO 、 天神コアに対する店舗イメージを7段階評価で尋ねている。図3. 3は各々の 項目について平均をとったものである。各々の項目について、岩田屋、大 丸・エルガーラ、三越といった三つの百貨店のグラフの形状が似ていること は、興味深い。また VIORO のグラフもこれらの百貨店と同様の形状をして いるが、「都会的な雰囲気である」「おしゃれな雰囲気である」という項目で 突出して高い評価を受けていることが分かる。また、天神コアのグラフはこ れらの店舗と異なる形状をとっている。特に、「活気がある」「若者が多い」
「流行の先端」「商品の価格が安い」などの項目で消費者に高い評価をされて いることが分かる。
−248−
( 8 )
雰囲気 が明るい
活気がある若者が多い 年配者
が多い 男性が多い女性が多い
清潔 感がある
お店に高級感がある 流行
の先端 伝統がある
店舗数が多い
お店 の構造が
分かりやすい
都会的な 雰囲気で
ある
お洒落な雰囲気である 商品
に魅力がある 商品の品揃
えがよ い
商品の価格が高い商品の価格が安い 商品に高級
感がある
商品のブランドが魅力 品質の高い商品
がある
流行の商 品がある
買い 物以外でも
楽しめる
ゆったりで きる場所がある
家族
・カップルでも楽しめるカフェが充実 してる
交通の便がよ い
人が多くにぎわってい る 7.00
6.00 5.00 4.00 3.00 2.00 1.00
岩田屋 大丸・エルガーラ 三越 VIORO 天神コア
図3.3 福岡都心部主要商業施設別の来店者の認知イメージ(平均)
4.消費者の態度・認知イメージを考慮した商業施設への購買行動分析
4.1 分析データの加工
調査では福岡市天神地区の岩田屋、大丸・エルガーラ、三越、VIORO、
天神コアに対する認知イメージに対する評価、出向頻度、支出金額を尋ねて いる。本研究では、これらの変数に関するデータを、1つのサンプルに対し あたかも5つの観測値が得られたデータとみなし、合併したデータを作成し た。これにより、1つの枠組みのなかで、各商業施設に対するイメージを評 価することが可能になる。さらにはこれを業態別、属性別に比較することも 可能となる。
また本章では、態度イメージ、認知イメージを構成している観測変数に、
構成概念スコアを用いている。構成概念スコアとは複数の観測変数から構成 される潜在変数について、各サンプルが個別にもっている得点のことをいう。
商業施設選択に関する消費者の
意思決定の因果構造モデリング(栫井・中村・斎藤) −249−
( 9 )
表4. 1には構成概念スコアを求めるために用いた観測変数と潜在変数を示す。
構成概念スコアの計算方法は,例えば豊田(2007)を参照されたい。
表4.1 各構成概念スコアの構成要素
態度イメージ 認知イメージ
潜在変数 観測変数 潜在変数 観測変数
利便性 店に行くまでの時間を重視する 店に行くまでの距離を重視する 店に行くまでの交通費を重視する
おしゃれ 流行の先端
都会的な雰囲気である お洒落な雰囲気である 店員センス 店員の接客を重視する
店員の服装コーディネートを重視する にぎわい
雰囲気が明るい 活気がある
人が多くにぎわっている 流 行
ブランド名を重視する 流行を重視する
店の認知度や人気を重視する
休 憩
買い物以外でも楽しめる ゆったりできる場所がある 家族・カップルでも楽しめる カフェが充実している 商品力p
品質を重視する 個性を重視する デザインを重視する 機能性を重視する
商品力a
商品に魅力がある 商品の品揃えがよい 商品のブランドが魅力 流行の商品がある
4. 2 態度イメージ・認知イメージの因果構造モデル
2. 3節の因果構造モデルの仮説に基づき、パラメータの推定を行った。分 析結果を図4. 2に示す。また非標準化推定値の推定結果を表4. 2に示す。図4. 2 の丸のノードは潜在変数、四角のノードは観測変数を表している。
−250−
( 10 )
利便性
女性ダミー 買物1回あたりの支出額
1ヵ月あたりの出向頻度 25歳以上ダミー
e1
店員センス e2
流行
態度イメージ 認知イメージ 購買意欲
e3
e13
商品力a e4 GFI=.965 AGFI=.947
.26
.28
−.04
.59 .45
.31
.77 .66 .49 .83
.28 .51
.46 .54
おしゃれ e7
にぎわい e8
休憩 e9
商品力p e10
e12 e11
e5
e6
図4.2 個人属性・態度イメージ・認知イメージの因果構造モデル分析結果(標準化推定値)
表4.2 個人属性・態度イメージ・認知イメージの因果構造モデル分析の推定結果(非標準化推定値)
推定値 標準誤差 検定統計量 確率 態度イメージ 女性ダミー 0.079 0.009 8.996 ***
態度イメージ 25歳以上ダミー −0.011 0.008 −1.323 0.186 認知イメージ 態度イメージ 1.869 0.212 8.807 ***
購買意欲 認知イメージ 2118.703 341.436 6.205 ***
買物1回あたりの支出額 購買意欲 1
1ヶ月あたりの出向頻度 購買意欲 0 0 4.76 ***
利便性 態度イメージ 2.936 0.354 8.296 ***
店員センス 態度イメージ 3.626 0.291 12.459 ***
流行 態度イメージ 3.411 0.275 12.402 ***
商品力a 態度イメージ 1
おしゃれ 認知イメージ 0.708 0.022 32.67 ***
にぎわい 認知イメージ 0.9 0.031 29.102 ***
休憩 認知イメージ 0.662 0.031 21.603 ***
商品力p 認知イメージ 1
注)***は0.001以下であることを示す 商業施設選択に関する消費者の
意思決定の因果構造モデリング(栫井・中村・斎藤) −251−
( 11 )
図4. 2より、 GFI =0. 965、 AGFI =0. 947と、高い適合度が得られている。
社会経済属性から態度イメージへのパスをみると、「女性ダミー」から「態 度イメージ」へのパス係数が0. 28、「25歳以上ダミー」から「態度イメージ」
へのパス係数が−0. 04を示しており、態度イメージに対し女性や若年層が正 の影響を与えており、仮説と合致するものとなっている。但し、「25歳以上 ダミー」から「態度イメージ」へのパス係数は有意ではない。「態度イメー ジ」から「認知イメージ」、「認知イメージ」から「購買意欲」、「購買意欲」
から「買物1回あたりの支出額」および「1ヶ月あたりの出向頻度」へのパ スは、それぞれ0. 31、0. 28、0. 51、0. 46を示しており、正の影響を与えてい る。また「認知イメージ」を構成する観測変数をみると「商品力」と「おしゃ れ」へのパスが0. 83、0. 77を示しており、強い正の影響を与えている。
4. 3 商業形態別個人属性・態度イメージ・認知イメージの因果構造モデル 4. 2節のモデルにもとづき商業形態別(百貨店、専門店)に多母集団分析 を行った。ここで岩田屋、大丸、三越は百貨店とし、VIORO、天神コアは 専門店として取り扱った。分析結果を図4. 3‐ a 、図4. 3‐ b に示す。また非標 準化推定値の推定結果を表4. 3‐ a、表4. 3‐ b に示す。
−252−
( 12 )
利便性
女性ダミー 買物1回あたりの支出額
1ヵ月あたりの出向頻度 25歳以上ダミー
e1
店員センス e2
流行
態度イメージ 認知イメージ 購買意欲
e3
e13
商品力a e4
GFI=.958 AGFI=.938
.25
.28
−.04
.59 .46
.35
.82 .72 .48 .79
.19 .51
.45 .52
おしゃれ e7
にぎわい e8
休憩 e9
商品力p e10
e12 e11
e5
e6
図4.3‐a 商業形態別個人属性・態度イメージ・認知イメージの因果構造モデル分析結果(標準化推定値)(百貨店)
表4.3‐a 商業形態別個人属性・態度イメージ・認知イメージの因果構造モデル分析の推定結果(非標準化推定値)
推定値 標準誤差 検定統計量 確率 態度イメージ 女性ダミー 0.08 0.011 7.426 ***
態度イメージ 25歳以上ダミー −0.013 0.01 −1.282 0.2 認知イメージ 態度イメージ 1.864 0.236 7.895 ***
購買意欲 認知イメージ 1732.342 493.921 3.507 ***
買物1回あたりの支出額 購買意欲 1
1ヶ月あたりの出向頻度 購買意欲 0 0 2.647 0.008 利便性 態度イメージ 2.818 0.421 6.698 ***
店員センス 態度イメージ 3.635 0.35 10.386 ***
流行 態度イメージ 3.24 0.316 10.257 ***
商品力a 態度イメージ 1
おしゃれ 認知イメージ 0.819 0.028 28.804 ***
にぎわい 認知イメージ 1.044 0.04 26.431 ***
休憩 認知イメージ 0.691 0.039 17.52 ***
商品力p 認知イメージ 1
注)***は0.001以下であることを示す 商業施設選択に関する消費者の
意思決定の因果構造モデリング(栫井・中村・斎藤) −253−
( 13 )
利便性
女性ダミー 買物1回あたりの支出額
1ヵ月あたりの出向頻度 25歳以上ダミー
e1
店員センス e2
流行
態度イメージ 認知イメージ 購買意欲
e3
e13
商品力a e4 GFI=.958 AGFI=.938
.28
.29
−.04
.53 .43
.23
.66 .54 .50 .95
.46 .55
.45 .58
おしゃれ e7
にぎわい e8
休憩 e9
商品力p e10
e12 e11
e5
e6
図4.3‐b 商業形態別個人属性・態度イメージ・認知イメージの因果構造モデル分析結果(標準化推定値)(専門店)
表4.3‐b 商業形態別個人属性・態度イメージ・認知イメージの因果構造モデル分析の推定結果(非標準化推定値)
推定値 標準誤差 検定統計量 確率 態度イメージ 女性ダミー 0.079 0.015 5.102 ***
態度イメージ 25歳以上ダミー −0.011 0.014 −0.752 0.452 認知イメージ 態度イメージ 1.762 0.43 4.094 ***
購買意欲 認知イメージ 2364.499 361.923 6.533 ***
買物1回あたりの支出額 購買意欲 1
1ヶ月あたりの出向頻度 購買意欲 0 0 4.782 ***
利便性 態度イメージ 3.162 0.644 4.907 ***
店員センス 態度イメージ 3.62 0.517 7 ***
流行 態度イメージ 3.739 0.534 7 ***
商品力a 態度イメージ 1
おしゃれ 認知イメージ 0.497 0.03 16.407 ***
にぎわい 認知イメージ 0.613 0.045 13.688 ***
休憩 認知イメージ 0.575 0.045 12.743 ***
商品力p 認知イメージ 1
注)***は0.001以下であることを示す
−254−
( 14 )
図4. 3‐ a 、図4. 3‐ b よりモデルの適合度は GFI =0. 958、 AGFI =0. 938であ り、高い適合を示している。百貨店と専門店でパス係数の比較を行っていく こととしよう。「女性ダミー」と「年齢ダミー」から「態度イメージ」への 推定値は百貨店と専門店で違いがみられない。「態度イメージ」から「認知 イメージ」への推定値は百貨店が0. 35、専門店が0. 23となっており、百貨店 の方が態度イメージから認知イメージへの影響が強いことがわかる。「認知 イメージ」から「購買意欲」へのパス係数の推定値は、百貨店が0. 19、専門 店が0. 46となっており、専門店の方が認知イメージが購買意欲に対し強い影 響を与えていることがわかる。「購買意欲」から購買行動へのパス係数の推 定値は同程度であった。
5.結論と今後の課題
本研究では、消費者の態度イメージ、認知イメージ、購買意欲を潜在変数 として組み込み消費者の商業施設選択の意思決定構造を説明する3つの因果 構造モデルの構築を行った。いずれのモデルも仮説と合致したものであり、
また高い適合度を得られたことから、これらのモデルの有効性を示すもので あると考えられる。これらのモデルをベースに、具体的な客単価を高め、来 店頻度を高める具体のマーケティング戦略に結びつけることが今後の課題で ある。
参考文献
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[2]栫井昌邦・斎藤参郎, 来街地ベースデータにもとづく都心部来街者の出向 頻度特性ルールの抽出,『地域学研究』,日本地域学会,
Vol
.36,No
.4,pp
.993‐商業施設選択に関する消費者の
意思決定の因果構造モデリング(栫井・中村・斎藤) −255−
( 15 )
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[4]斎藤参郎・栫井昌邦・中嶋貴昭, 来街地ベースサンプリングによる都心商 業地への入込者数予測モデルの構築と評価 ,『地域学研究』Vol. 29,No. 1,
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[7]豊田秀樹,『共分散構造分析[Amos 編]−構造方程式モデリング−』,東京 図書,2007.
−256−
( 16 )