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杉原敏夫

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Academic year: 2021

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(1)

経済・経営時系列分析における 季節変動成分の分析と予測

杉原敏夫

Abstract

Some methods, using "Structured Neural Network", "Principal

Components Timeseries" and their combinations including AR model, to analyze and predict seasonable variation of economic timeseries are proposed. The results of evaluation to these methods are shown in the case of "Passenger New Car Sales in Japan Market" and compared

with each other. The measure of evaluation is MSE (mean square of er- ror) between predicted seasonal pattern and corresponding observed seasonal pattern. From the results of these evaluation experiments, out- standing efficiency of the method using "Principal Components Times- eries" is shown, and the combination of "Principal Components

Timeseries" and "Neural Network" is considered to be a powerful method for these analysis and prediction.

Keywords: seasonal variation of timeseries, seasonal pattern, neural network, principal components timeseries, AR model

1.季節変動の変動解析と予測の必要性 1.1.経済・経営時系列の分析法

経済・経営時系列が他の時系列に対して持つ著しい特徴の一つに挙げられ

るのに季節変動があるのは周知の事実である。これは経済・経営活動が年,

(2)

半期,四半期とした周期的活動をその基本構造に持つと言うところから派生 するものであり,その領域における時系列の検討に際しては見逃すことの出 来ない特徴である。このことを考慮して,経済・経営領域における時系列の 解析においては,通常は観測された時系列から季節変動成分を分離し,分離 された季節変動成分と傾向・循環・不規則成分など,残りの成分は独立して 分析される。分離する方法は

Box‑enkins

法に見受けられる観測時点聞の 階差を取る方法,あるいはセンサス局法 X‑1U こ見られる移動平均を駆使し た方法などがあるが,ここでは実際によく使われる対移動平均比率法により 抽出された年間の季節指数をもとにしてその変動解析を試みる。

経済・経営時系列の分析においては,観測された時系列は一般に次の

4

つ の成分から成るものとされる。 iを時点(月次)を表すインデックスとする

と ,

‑ 傾 向 変 動 (T

j)

トレンドとも呼ばれ,長期的な変動を表す要因

‑ 循 環 変 動

(Cj)

周期的な変動であるが,その周期が

12

ヶ月を越える変 動要因

・ 季 節 変 動

(Sj)

周期が

1

ヶ月から

12

ヶ月までの周期的変動要因

・不規則変動

(0

トレンドや周期的でない不規則な変動要因 以上の

4

つの変動を包含した観測時系列は次のように記述される。

Yj Tj 

Cj 

Sj + I Yj=TjCjSj.Ij

︑ ︑ ︐ ︐ ︐

Ei

︐ ︐ ︐ . ︑ ︑

(2) 

(1)は各変動要素が和の形で全体の時系列を構成するものであり,加法モデル と呼ばれている。

(2)

は積の形で構成するものであり,乗法モデルと呼ばれて いる。これらの組合せには様々なものが考えられるが,ここでは特に季節変 動に焦点を当てる立場をとり,次のような構成とする。

Yj (TCI) Sj  (3) 

すなわち,観測時系列を季節変動成分とそれ以外の変動成分との

2

つに分

離して,前者についての年次変動を考察するものとする。

(3)

対移動平均比率法は移動平均法を利用した季節変動の分離方法としては簡 単なものであり,

X‑ll

のように移動平均を繰り返した複雑な処理ではない。

しかしながら,その処理の簡素さにより,もともとの観測時系列のもつ情報 の保持力は高いものと考えられ,季節指数そのものの変動分析において,そ のもの自体にもとづいて分析・予測の評価を行うことが出来るものと考えら れよう。

1. 2.

対移動平均比率法による季節変動成分の抽出

乗法モデルにおける対移動平均比率法の手順は以下のものである。

①  観測系列

{YJ

に対して,中心化

12

項移動平均を行う。この操作によ り,季節変動は除去され,結果として生成された時系列は近似的に

{  (TC

I)J

系列となる。

②  上記の操作により生成された{ (TC

I)J

を用いて, {Y

(TC

I)J

に より,

{(SI)J

の生成を行う。なお,①の操作により,時系列の前後

6

ヶ月が欠項となるので,必要があればその前後について補充をおこない,

もとの観測値系列と同等の長さにする。

③  { 

(SI)j}

について,季別(月別)に

3

項反復移動平均を行う。その結 果は季節変動要素の近似値時系列となる。すなわち,

{SJ

の近似値が 得られる。

①  年間における { S j } の和が

12

となるように, (すなわち,月次の平均 値が 1となるように)暦年調整を行い,結果としてそれを季節指数

{R

k}

とする。

上記の①から④までのプロセスにより得られた季節指数はその成分が

12

のベクトルであり,

{Rk}

は成分が

12

のベクトル時系列となっている。

1. 3.

季節指数の時間的変化

後に示す事例(1

991

年から

2000

年までの国内新車登録台数)において,最

(4)

初と最後及び中間(1

996

年)の季節指数を描いたものが,図‑

1

である。

1.

1. 秘1.4 1.2 ~ 1

0.8  0.6 

[図ー 1 季節指数の時間的変化]

季節指数の変化

10  11  12 

時系列分析の主たる目的はその予測にある。観測時系列の傾向,循環,季

節,不規則変動の各要素への分離は,前 3者による独立した処理による予測

値を算出することにより,指定された年における月次の予測値を得るための

分析フレームワークである。したがって,分離された{(TC

I)j}

系列によ

る月次の予測値に対して,同年における季節指数

{Rd

の予測値も必要で

ある。すなわち, {R

k}

に時間的構造変化がある以上, {(TC

I)J

の予測値

に平均化された季節指数を乗じて全体の予測値を得るのではなく,季節指数

{R

k}

そのものについても予測値が必要である。以上のプロセスを考慮に

入れた全体の時系列分析のシステムを図ー

2

に示す。

(5)

[ 図

‑2 季節指数の予測を採り入れた時系列分析]

{YJ 

{Y 主 }

(TCI) 傾向循環成分の分析I{(TC*)m} 

と予測

.季節変動パターンの変動分析

2.

1.補外法による予測

季節指数の予測値を得る方法としてよく利用されるものであり, ( 4 ) 式によ り計算されるものである。

R~=Rm ー l+(Rml-Rm-2)/2

( 4 )  

(m‑

)時点において過去の (m 一

2

)時点の季節指数の値も採り入れ て , m 時点の季節指数を予測しようとするものである。

2.2.

階層型ニューラルネッ卜ワークによる分析と予測

ある年次における季節指数をニューラルネットワークの入力層に,次年次

の季節指数を出力層にセットし,ニューラルネットワークを学習させ,学習

されたネットワークに予測する前年の季節指数を入力し,出力として季節指

数の予測値を得ょうとするものである。図に示せば,図

‑3

のようになる。

(6)

[‑3

階層型ニューラルネッ卜ワークによる予測法]

{Rt Rk+1}

によるネットワークの学習

Ck=l

2

, . . . ,   m ‑

l) 

階層型ニューラルネットワーク

{Rm-1} の入力による予測値 {R~} の出力

学習後

階層型ニューラルネットワーク

2.3.

時系列主成分による季節指数の予測

主成分分析は複数の変量からそれより少数の合成変量を統合化する方法で あり,もともとの変量間に相関性が高い場合により小数の合成変量でもとも との変量空間の構造を記述する有効な方法である。ここで,季節指数の時系 列に適用する仮説としては,その時間的な変動は季節指数の特徴となる最大 成分の変化にもっともよく反映されていると言うことである。主成分分析に 入力する変量としては複数年の季節指数を指定する。すなわち,対象となっ た複数年の季節指数の主成分をそれらの年にわたる代表値として採り上げる わけであり,累積寄与率としてはほぼに近いことが要求される。これは 図

‑4

にてその概要が示される。

[‑4 時系列主成分を利用した季節指数の予測]

時系列を変量とした主成分分析

{R m‑

1

, . . . ,   Rm‑l} 

(1に近い累積寄与率が必要)

t

(7)

‑4

においては

E

年間を区間として次年度の季節指数を予測したもので あるが,この方法でもって

E

年間を

1

年ずつ区間移動させれば,変動区間を

予測季節指数の時系列 {C~} が算出される。

2.4.

主成分時系列についてニューラルネットワークを適用した予測 すでに挙げた,

2.3.

2.2.

を組み合わせた方法である。すなわち,主成分 分析によって生成された主成分の時系列について階層型のニューラルネット ワークを適用した方法である。概要を図

‑5

で示す。

[‑5

主成分による階層型ニューラルネ";トワークによる予測法]

{Ck

Ck+1}

によるネットワークの学習(

1

, 

2

, . . . ,   m) 

階層型ニューラルネットワーク

{Cm-1} の入力による予測値 {C~} の出力

入力

学習後

階層型ニューラルネットワー

{Cm‑1

2.5.

主成分時系列について

AR

法を適用した予測

2.3.

で示したように,季節指数の時系列から主成分分析によって得られた

主成分時系列

{Ck}

の各々の成分について

AR

モデルを適用するものであ

る 。

Ck

は各月に対応した

12

個の成分を有し,その各々の年次にわたる変動

AR

モデルによって分析・予測しようとするものである。

Ck

について第 j

成分を

Cjk

とするとその推定と予測のためには次の手順が必要とされる。

(8)

① 

{Cjk}

についての定常化

ARモデルを当てはめる前提として,時系列の定常化が必要であり,

{C

jk}

についても定常化の処理がなされ,それを {P

jk}

とする。

② 

{P

jk}

について A Rモデルを適用し,それによる

Cm+

1) 時点で の予測値を P j

+1

とする。それに対して定常化の逆処理を行い,もとも

との主成分予測値

q+1

を算出する。

③ 

q+1

について暦年調整を行う。これは,各

Cjm+1

について独立して 推定・予測を行うので,季節指数の特徴としての全体としての和が

12

と いう調整が必要である。暦年調整の方法は1.

2.

と同様な方法である。

定常化についてはもとの時系列についての階差を取る方法,傾向線を差し引 く方法などがあるが,変動が小さければ後者が簡便である。

3.

事例研究

3. 

1.事例について

事例として

1991

"'2000

年における国内新車登録台数を採り上げる。この 事例において観測された時系列から{

CTC)J

を除いて得られる季節変動時 系列

{SJ

を示すと図

‑6

のようになる。

10

年間にわたっての季節変動時系列

{Sj: 

1

, 

2

, . . . ,  

120}

により,

12

ヶ月分の成分を有する季節指数

{Rk}

10

個が得られる。すなわち,

{Rk : 1

, 

2

, . . . ,  

10} 

このうちの

3

つ(1

991

年 ,

1996

年 ,

2000

年)についての概形はすでに図‑

で示した通りである。

3.2.

各方式による予測とその評価方法

以下 I こ各方式による実例とその予測値の評価を示す。評価指標としては予

測季節指数 { R j t:  j 

1

, 

2

, . . . ,  

12}

と対応した年における観測季節指数

(9)

1 .

1 .

封 一宮 山

震1.

2 1

0.8  0.6 

[ 図

‑6 季節変動時系列(新車登録台数.1991 ‑2000) ] 

季節変動時系列

13  25  37  49  61  73  85  97  109  月数(1991‑2000)

{Rjk  : 

1

, 

2

, . . . ,  

12}

の差の

2

乗平均値

(MSE)

でもって表す。す なわち,

MSEk1;=1 (Rjt ‑Rjk)  (5) 

[図‑ニューラルネッ卜ワークにおける入力/出力構成]

{R

k} 

k= 1  10 

学 習 期 間 〉 予 測

学 習 期 間 〉 予 測

学 習 期 間 〉 予 測

(10)

‑ニューラルネットワークによる方法

ニューラルネットワークにおける入出力データの構成法は図

‑7

に示す通 りである。

例えば,

1996

年の季節指数の予測に対しては,次のように入出力データを 構成し,ネットワークを学習させる。

入 力

出 力

R R R R  

R R R R  

学習後のネットワークに対して,

R5

を入力し,出力として

R

6"の予測値 を得る。予測値は

1996

"'2000

年までの

5

年について算出される。

‑主成分時系列分析による方法

主成分を抽出するための区間は上記のニューラルネットの学習期間と同じ

5

年とする。すなわち,主成分抽出方法は図

‑8

に示される方法によるもの である。

[図‑

時系列主成分算出期間データ構成]

{Rk} 

k= 1 

10 

算 出 期 間 〉 予 測

算 出 期 間 〉 予 測

算 出 期 間 〉 予 測

(11)

この方法では

{R1

R2'  R3'  R4'  R5}

によって主成分が抽出され,それ によって次年度の予測値

R

6"が得られる。なお,この方法による

5

年につい ての主成分の累積寄与率は次の通りであり,第 1主成分により十分に季節指 数を代表しているものと考えられる。

サンプル時系列

第 1

主成分による累積寄与率

{R"R2

Ra

R4

R5}  98.5% 

{R2

Ra

R4

R5

R6}  98.8% 

{R3

R4

R5

R6

R7}  97.8% 

{R4

R5

R6

R7

R8}  97.9% 

{R5

R6

R7

R8

Rg}  98.2% 

‑主成分時系列に対してニューラルネットワークを適用した方法

上記の主成分分析により得られる第

1

主成分は,

1995

年までの

5

年間によ るものから,

1999

年までの

5

年間によるものまでの

5

つである。なお,続く ニューラルネットワークの学習に対する要件から,

1994

年以前の

5

年間によ る第

1

主成分を計算し,

C4

としてそれらに追加する。主成分データのそれ らを

k

の値にあわせて,

{C4

, 

C5

, 

C6

, 

C7

, 

Cs

, 

Cg} 

とする。これらに対して,

2

.4.による方法により,ニューラルネットワーク を学習させ,学習したネットワークにより予測を行う。ただし,

1999

年 ,

[図‑9  主成分のニューラルネットワークにおける入力/出力構成]

{C

k} 

k=4  10 

学 習 期 間

〉 予 測

学 習 期 間

〉 予 測

(12)

2000

年の

2

つの年において予測値の評価を行うため,学習期間を

4

年とした。

‑主成分時系列について

AR

モデルを適用した予測

1994

年以降

1998

年の

5

年間及び

1995

年以降

1999

年までの

5

年間についての 主成分時系列について各成分ごとに(すなわち月

2

月,... .   .  .    , .

12

月 の各月ごとに)

A R

モデルを適用して,

1999

年 ,

2000

年についての各月ごと の予測値を求める。この様子を図一

10

に示す。この場合,予測値は各月ごと に行っているために,全体として

1999

年 ,

2000

年の各々において暦年調整を 行っている。

[図ー

10

主成分の

AR

モデルによる予測]

{Ck} 

k=4  10 

AR

計算期間 〉予測

AR

計算期間 〉予測

3.3.

各方法による予測値の評価

上記各方法による予測値の評価を表一 lに示す。なお,主成分時系列につ いてニューラルネットワークを適用した場合と主成分時系列について

A R

モ デルを適用した場合については予測値は

1999

年 ,

2000

2

年である。評価値 はいずれも,観測季節指数と予測季節指数との聞の

MSE

値である。

表 ‑1から言及できる点を挙げてみよう。

5

年平均から見て,ニューラルネットワーク適用及び主成分時系列の採 用による予測の効果はかなり高いものがある。

2

年間平均から見ると,主成分時系列の適用と主成分時系列へのニュー

ラルネットワークを適用した方法とはほとんど差がない。

(13)

[表一

1

予測値比較表

(MS E)] 

原時系列へ 主成分時系 主成分時系 主成分時系 主成分時系 のニューラ 列による適 列へのニュー 列への

A R

列への

A R

補 外 法

j

レネットワー 用法 ラルネット モデルの適 モデルの適

クの適用 ワークの適 用(予測値) 用(推定値) 用

1996  0.001797  0.001893  0.001670  0.001163  1997  0.008571  0.009408  0.01102  0.006928  1998  0.003586  0.001149  0.001166  0.000721  1999  0.002729  0.001893  0.001473  0.001521  0.002003  0.001370  2000  0.004943  0.003098  0.003054  0.003121  0.004075  0.002665 

平均

A 0.003836  0.002496  0.002264  0.002321  0.003039  0.002013 

平均

B 0.004327  0.003488  0.003677  0.002569 

平均

A : 1999

年 ,

2000

年の

2

年平均 平均

B : 1996年~2000年までの 5 年平均

2

年間平均から見て,主成分時系列への

AR

モデル適用は原時系列に 対してのニューラルネットワーク適用よりも誤差が大きい。したがっ て,ここで行ったような第 1主成分時系列への

AR

モデルの採用は,

AR

モデルの次数を含め,留意が必要である。

‑しかしながら,推定値については

AR

モデルは他のいずれよりも高い 精度を示しており,

AR

モデルそのものの適用については意義はあるも のと考えられる。

以上の事項について,第 2,第 3の点については主成分時系列のニューラ

ルネットへの適用と

AR

モデルへの適用において他と同様な

5

年間比較が

(14)

必要であるが,各年における相互比較からうかがってもおおむねこのような 傾向は示しているものと言えよう。

なお,ここでの評価尺度として

MSE

を用いたが,季節指数のパターンの 比較においてはそれらの聞の形状の類似性を考える必要があり,そのために は

MSE

と同様,相互の相関係数などを考慮する必要がある。しかしながら,

比較される全ての季節指数が暦年調整により,全成分の和が

12

となるように ウェートが調節されており,相互間のバイアスは除去されているものと考え られ,

MSE

単一の評価指標でも十分対処できるものと考えられる。

.結論と今後の課題

ここでは,経済・経営時系列に特徴的に見受けられる季節変動要因の時間

的変動を解析・予測するために各年ごとの季節指数の構造変化をいくつかの

方法によりモデル化し予測を試みた。第一に言及できることは,ニューラル

ネットワークの効果であろう。ニューラルネットワークの適用のかたちとし

ては様々なものが考えられるが,本論文では入出力のサンプルデータとして

ある年とその翌年の季節指数という,もっともシンプルな構成をとり,学習

を行った。事例考察の結果としては,通常用いられる補外法よりも格段の精

度が得られ,ニューラルネットワークによる非線形効果も含んだ総合的な構

造変化が予測値に反映されたものと考えられる。第二としては主成分時系列

の適用の有効性である。過去における季節変動の構造変化は第

1

主成分とし

て統合化され,様々な変動要素の共通成分が抽出され,予測値に反映されて

いるものと考えられ,事例においては上記のニューラルネットワークの適用

をしのぐ精度が得られた。また,主成分時系列の対してのニューラルネット

ワークの適用をも試みたが,非適用の場合とそれほどの効果の向上は見受け

られない。過去の変動の反映がすでに主成分の採用によって吸収されている

ものとも考えられよう

o

同様なことは主成分時系列への

AR

モデルの採用

(15)

についても言いうるものと考えられる。この場合は線形モデル適用のためと 考えられるが,ニューラルネットワーク適用の場合よりも効果は低下してい る 。

AR

モデルについてはもっと長期的な予測期間を考慮する必要もあろう。

以上の考察については,変動解析・予測の方式を「新車登録台数」という 単一の事例に適用した結果についてのみ検討したものであるが,

r

新車登録

台数」は典型的な季節変動を含む時系列であり,経済・経営時系列を代表し ているものである。そのことを考えれば,ここでの事例検証の結論は一般的 な季節変動要因の解析と予測にも当てはめることが可能なものと考えられよ う。今後はもっと極端な季節変動を有する,および比較的ゆるやかな季節変 動を有する事例に適用を試みる必要がある。

参 考 文 献

1.本多正久「経営のための需要の分析と予測

j

,産能大学出版,

2000

10 

2.  T.Sugihara

, 

H.Tsubone An Adaptive Demand Forecasting Approach for Supply  Chain Management", Proc.4th. Intemational Symposium of Logistics, 1999. 7  3.

杉原敏夫「サプライチェーン・マネジメントのための

OLAP

需要予測

j

,長崎大学経

済学部研究年報,

No.16

, 

pp.3750

, 

2000.3 

4.

荒木創,他「階層型ニューラ

l

レネットワークを用いた需要変動量のパターンに基づく 需要予測

j

, 日本経営工学学会誌,

Vo1.47

, 

No.2

, 

1996.6 

5.

佐伯親良「最近の景気指標分析の展開

j

,九州大学経済学会,経済学研究,

Vo1.6 1 No.3

. 4 ,  

pp.207224

, 

1995.10 

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