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海外調査研究報告1

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海外調査研究報告1

o出張期間

。訪問国名

。訪問機関名

。調査目的

西

清 勝

1984年3月30日〜4月27日。

インド,スリランカ,シンガポール,マレーシア。

マドラス大学,コロンボ大学,シンガポール国立大学,マラヤ大学。

「東南アジア・南アジアにおけるプランテーション産業の変貌とインド系住民」

○研究調査概要

 私が本研究調査を思いたったのは,ここ数年来取りくんできたインド人移民(印僑)に 関する研究を一応とりまとめた結果(第42回国際経済学会全国大会での報告〔1983年10月 23日,於日本大学〕,拙稿「マラヤの経済発展とインド人移民労働」,国際経済学下編『国 際経済』第35号,所収),さらに研究をすすめるためには現地の研究者と会い意見を交換 すること,新しい資料を収集すること,そして何よりもインド人移民およびその後喬たる インド系住民の状況を自分の目で確かめることが必要であると考えたためである。

 インド人移民とは特殊なより正確に言えば未開拓な研究分野であり,例えばわが国の研 究者は10人にも達しないほどわずかである。しかし,インド人移民が低開発地域の経済開発 に果した役割は極めて大きく,また東南アジアから南アジア,東アフリカへと広汎に存在 する「複合民族社会」(multi−racial society)の問題を考える場合にも不可欠なものである。

 インド人移民は少数の商人,金融業者あるいは官吏や専門技術職につくものを除き圧倒 的多数がプランテーション労働者であるが,その90%近くは南インドの人々,とりわけ旧 マドラス州(現タミール・ナードウ州)出身のタミール人である。

 従って,調査対象としてまず第一にインドのマドラス(インド人移民の主要な出港地で もあった)を,次いでインド人移民の重要な渡航先であったスリランカとシンガポール・

マレーシアを選択した。

 飛行機便の関係もあり,ニューデリーを経由してマドラスに着いた。マドラスでは美し い海岸(マリーナ・ビーチ)に近い赤レンガの瀟洒なマドラス大学に行き,同大学東南ア ジア研究所で資料を収集した。スリランカに渡り,コロンボ大学にBastiampillai教授を 訪ね,またNuwara Eliyaの広大な茶プランテーションを見学した。マドラスには「ホ

ット・ホッター・ホッテスト」の3つの季節しかないという。そのあまりの酷暑と日本人 の嗜好にはとてもあわない食物のためすっかり身体の調子をくずしてしまい,インドとス

リランカでは予定していた研究調査を十分行えず残念だった。       

 インド洋をわたりシンガポールに着いた時は正直言ってホッとした。シンガポール国立 大学ではかねがねお会いしたいと思っていたJohn Wong教授を訪問し,実に楽しい有 意義な時間をもつことができた。同大学の東南アジア研究所では,所長のK.S. Sandhu 教授は多忙のためお会いできなかったが,秘書の方から懇切な研究資料の案内をしてもら

っことができた。

 マレーシアではクアラルンプール回外の広大なゴム・プランテーションを見学し,マラ ヤ大学を訪問した。経済学部長のFong Chan Onn教授は私の研究テーマに理解を示し,

研究室を一つ貸与され自由に使わせていただいた。マレーシアに滞在していた間この「自

分の」研究室に通った。また同大学インド人研究所(経済学部のすぐ隣りにある)は以前

から是非とも訪問したいと思っていた所だが,所長のSingaravelu教授に会うことがで

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き, マレーシアにおけるインド人移民の研究状況についておたずねし,日本のそれについ ての質問に答えた。インド,スリランカの場合と対照的にシンガポールとマレーシアにお いては予想以上の研究成果をあげることができ満足している。

 末尾になり恐縮だが,今回の研究調査にあたって多くの方々のお世話になった。研究者 のみならず図書・資料関係の職員の方々,またジェトロや現地邦人の皆さんにこの場を借 りて厚く御礼申し上げたいと思う。とくに,シンガポールで経済学部の同窓生の方々から 御招待をうけたことは忘れがたい楽しい思い出として残っている。

海外調査研究報告II

立 山 杣 彦

0出張期間 1984年3月17日〜4月5日

。訪問国名 インド

。訪問機関名 Indian Institute of Public Administration(IIPA)

o研究課題インド公企業をめぐる諸問題 O研究調査概要

 私は,今回のインド訪問まで,同国を書籍・論文等の活字を通してしか見ることができ なかった。実際に現地を訪れインドの現実の一端に触れることができたことは,きわめて 有意義であった。ことに,2週間にわたりインドの人達と生活を共にすることができ,貴 重な体験をした。すなわち,アジア経済研究所主任研究員伊藤正二氏より紹介して戴いた IIPA財政部門M. J. K. Thavaraj教授の御世話でニューデリーの同研究所のHOSTEL に宿泊し,インドの人達と共にインド式の部屋で寝起きし,インド式の食事をしたのである。

インド到着直後に宿泊した欧米式のホテル(植民地社会における「白人の飛地」のような 感じ)での生活とは,正反対と言ってもいい位であった。インドに対する感想等について は,紙数の関係から詳しく述べることはできないが,人口・就業問題の深刻さは予想以上 であり,きわめて衝撃的であった。日本との文化・民族性の相違もきわめて印象的であ った。また,衛生状態の劣悪さ,通信網の不備も気になった。

』私は,今回のインドでの公企業研究のための出張に際し,次のような目標を設定した。

(1)資本・経営・技術面での「多国籍企業」を中心とする外国資本とインド公企業との関係,

および援助等を媒介とする先進資本主義国政府(世銀等の国際機関)とインド公企業との 関係を明らかにすること;(2)資本・経営・技術面での土着財閥とインド公企業との関係を 明らかにすること;(3)公的金融機関の民間企業に対する融資・株式保有および公私共同部 門の実態を明らかにすること;(4)1960年代末以後における「国有化の洪水」の経済的・政 治的契機を明らかにすること。

 以上の問題領域および関連領域について,IIPAおよび日本貿易振興会ニューデリー事務 所において資料収集を行うとともに,前出のThavaraj教授および同事務所市場調査員 S.Majumdar氏より聴取調査を行った。以上の詳細についてここで触れる余裕はないが,

今後,収集した資料等を使用し,以上の問題領域について一定のまとめをやっていく予定 である。

 最後に,貴重な機会を与えて戴いた東南アジア研究助成会に深く感謝の意を表したい。

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