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特集 島嶼部をめぐる日中政治外交関係の検証

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ICCS Journal of Modern Chinese Studies Vol.8(3) 2016

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特集 島嶼部をめぐる日中政治外交関係の検証

人間文化研究機構現代中国地域研究 愛知大学拠点政治外交班編

本特集は 2012 年度来継続して政治外交班 により実施されている、尖閣諸島問題をめぐ る日中政治外交関係を再検証する研究プロジ ェクトにおける研究活動の一端を紹介するも のである。その検証対象は、201097日、

尖閣諸島付近で操業中だった中国漁船が海上 保安庁の巡視船2隻に体当たりする事件のそ の後の展開と日中政治外交関係であるが、い ずれこの研究プロジェクトの全容については、

事件当時における一部政府関係者へのインタ ビューなども含め、書籍のかたちで上梓され る予定である。

最近においても、2016315日アルゼ ンチン海軍が「違法操業中の中国漁船を撃沈 した」と発表、動画を公開した、といった2010 年の事件と同様の事件が起こっている。

http://www.huffingtonpost.jp/2016/03/15/story_n _9473928.html

だが、アジアにおける島嶼部をめぐる国際 政治の諸問題には、必ずしもこのアルゼンチ ンの事例と同じように扱えるわけではないさ まざまな歴史的文脈が残されている。

すなわち、アジアにおける冷戦下にあって、

アメリカは、第二次世界大戦後処理でアジア 諸国の島嶼部問題をあいまいなままにするこ とで、自らの影響力をより深く残存させる戦 略をとったことは、すでに周知の事実である。

サンフランシスコ条約の性格がそれをよく物 語っており、日本とロシア(ソ連)との所謂 北方領土問題も、中国との間の所謂尖閣諸島 問題も、その直接の基底には、アメリカのあ いまい戦略がある。これは何も冷戦期アメリ カの特殊な戦略であるというわけではない。

ネイション・ステイト・システムにおける諸

国間の領土帰属問題が大国間関係において操 作的に扱われるのは常である。したがって、

それが当事者同士の単純な二国間関係の政治 外交関係に還元しえないことは言うまでもな い。あいにく、現況の日本外交には、そうし た大国間関係の中で適切な立ち回りができる ような条件が、十分備わっているとはいえな いようである。所謂尖閣問題の始まりに際し て、日本の外交関係当局は、その後数年の日 中関係の冷え込みを想定していたようである が、その解決のシナリオを示せぬまま、米中、

中露関係の展開を座視せざるをえないように すら見える。

今回の特集では、政治外交班研究会を軸と し、共催者をえて開催された以下のワークシ ョップの記録の一部を掲載している。これら に関連して他にも諸記録を整理中であるが、

上述のようにプロジェクトの成果の上梓をお 待ち頂ければさいわいである。

⑴2013818日(於車道校舎第4会議室)

時殷弘教授・加々美光行教授対談

⑵2013819日(於名古屋校舎厚生棟3 W31-32会議室)

米中首脳会談後の日中関係を軸とした東アジ ア政治の行方(時殷弘教授他)

⑶2013928(於車道校舎コンベンションホール)

学術シンポジウム「尖閣から東アジア協同体 への道」基調講演(仙谷由人 元内閣官房長 官・弁護士)

〔鈴木規夫:政治外交班主査〕

参照

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