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鉄道経営近代化の足どりと今後の方向 Railway Modernization and its Future Prospects

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Academic year: 2021

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(1)

(1)創業期

 日本の鉄道は、明治 5 年新橋−横浜間開業に始まる官鉄(国鉄)がその第一号である。明治政府 の殖産興業政策の柱でもあり、諸外国に遅れをとった国の近代化の基盤として鉄道はその路線を伸 ばしていく。

 明治10年代以降は民間資本も鉄道に参入、官私協働して鉄道の建設を進める。経済成長に伴う需 要、軍需輸送等増大する需要を満たすため、明治39年「鉄道国有法」により、主要幹線は国営、地 方鉄道は民営として効率化を図る。

(2)鉄道の発展期

 大正時代に全国鉄道網の概成により、鉄道は大衆の足として、又経済活動の原動力として国民生 活のなかに定着し、発展する。昭和初期の不況を経て、日本の大陸進出など国力伸張に伴い、鉄道 は昭和10年代に戦前の全盛期を迎える。又民鉄を中心として大都市圏の電車路線が都市の発展を支 えるに至る。国・民鉄共道路未整備もあり独占性高く経営収支も良好に推移する。

鉄道経営近代化の足どりと今後の方向

Railway Modernization and its Future Prospects

講師  須   田       寬

(東海旅客鉄道株式会社 相談役)

平成26年度第1回学術講演会(講演抄録)

(2)

(3)戦前の興隆期(鉄道独占の時代)

 戦時体制に入り客貨の需給逼迫、幹線では東海道・山陽線の「弾丸列車計画」(東京〜下関間最 高時速200km/hの高速鉄道建設)に着手(昭和16年着工、18年中止)、大都市圏では交通調整によ る企業合同など輸送の効率化を国策として進める(昭和16 ~ 17年)。

(4)敗戦と鉄道の復興

 戦局悪化で国・民鉄共戦災による輸送混乱を招く。敗戦後、復員・引揚輸送、占領軍輸送等に忙 殺されたが、併行してその戦災復旧に努める。インフレ嵩進もあり運賃値上げを繰り返すが、物価 上昇に追いつかず鉄道の経営収支は悪化する。経営立て直しのため、国鉄は国の直営から公共企業 体(日本国有鉄道)に改組され、民鉄も会社の再編成が進む。

 朝鮮戦争の特需を機に日本経済は立ち直りの兆しを見せ、鉄道需要も次第に復元する。30年代か ら経済は高度成長期に入り、鉄道は再び需給逼迫に陥り抜本的な輸送力増強に迫られる。

(5)高度成長時代の鉄道(増強から競争へ)

 経済成長による需要増加の半面、道路の整備が急進し、自動車の普及さらには国内航空の急速な 発展があり、輸送市場は鉄道にとって厳しさを増す。鉄道は輸送力増強と共に経営全般の近代化・

効率化に迫られる。

(6)輸送の近代化・効率化(新幹線の建設)

 東海道新幹線の昭和39年開通による、東海道の鉄道の近代的システムチェンジにはじまり、40年 代は上信越線、東北線、北陸線、中央線、九州各線等、主要幹線の電化、複線化が相次いで完成、

大都市圏鉄道についても国・民鉄共車両の新性能化と路線網の強化(環状線、地下鉄の整備等)が 急速に進み、鉄道は全体として近代化体質改善を進めその面目を一新する。

(7)輸送市場の変化

 鉄道増強のための過大な投資が経営を圧迫、並行して進んだ輸送市場の変化(競争激化)が鉄道 経営にとって厳しく、投資負担と鉄道シェアの減少によって鉄道経営は厳しさを増す。民鉄は事業 多角化で急場を凌いだが、国鉄は経営弾力性が小さいこと(運賃は法定、事業範囲の制約)、労使 関係の悪化等で経営は破綻に瀕し、その経営は大きい転換点を迎える。

(8)特性分野への特化

 輸送市場の変化から鉄道へのニーズも変化し、鉄道は幹線(高速)鉄道、大都市圏鉄道等その特

性を活かせる分野に特化せざるを得なくなり、その中で経営の効率化(国鉄の民営化、民鉄会社の

多角経営)を図ってその役割を果たすこととなる。地方交通(ローカル)線は公的補助を前提とし、

(3)

シビルミニマムの必要性から維持するものを除き逐次淘汰される。

(9)輸送システム産業の中核へ

 現在鉄道は公的補助のあるもの(新幹線、大都市圏鉄道等)、新交通システム(リニアモーター カー、LRT、モノレール等)を除いて新規建設参入はなくなっている。今後の鉄道の生きる道は 特性分野を中心に効率経営で発展させると共に、他交通手段と連携した「総合的輸送システム産業」

の中で中核的役割を果たすことである。過度の競争から脱皮して、その特性を活かせる分野を中心 に、そこに経営の重心を移すと共に、新技術の導入、新経営手法の導入によってさらに新しい特性 分野を発見、もしくは創造していくことも期待される。他交通機関はもとより、社会生活を支える 様々な他の産業との連携協働の中に将来の生きるべき道があると考えられる。

(付表説明:民鉄収支)

・ 大手民鉄会社は一応健全経営を維持しているが、自動車普及、人口減少が見られるため、都市部 の乗客の伸びが鈍りローカル支線の維持が困難になりつつある。

・ 地方民鉄は黒字会社が半数あるが、そのほとんどは兼業によるもので鉄道自体の収益性は低い。

又社内でのそのウェイトも低い。

・ 路面電車は走行環境の良い所とそうでない所で明暗を分けている(道の広いところ軌道敷へ自動 車乗入禁止のところは収支償う)。全体として各鉄道の持っているローカル鉄道(線)の経営が鉄 道経営の大きい負担となっている。

(表 1)大手民鉄 16 社の収支(単体)(平成 25 年度)

(参考)

経常利益 当期純利益 輸送人員

(百万円) 増減率 (百万円) 増減率 (千人) 対前年 16社計 376,130 14.2 235,162 19.6 9,809,791 2.6 関東 9 社 248,081 16.2 156,523 16.8 7,408,721 2.8 関西 5 社 99,178 8.5 61,992 25.9 1,939,750 1.8 名鉄・西鉄 28,871 18.6 16,647 24.1 461,770 3.2 関東 9 社:東武、西武、京成、京王、小田急、東急、京急、東京メトロ、相鉄

関西 5 社:近鉄、南海、京阪、阪急、阪神 (注)交通新聞(平成26年5月28日)による

(4)

(表 2)ローカル鉄道経常収支(H23)

種別 経常損益(千円)

中小民鉄 20,058,903 転換鉄道 △2,187,854 路面電車 63,709,036 並行在来線 247,799 計 81,827,884

※路面電車のみH24年度実績

※「数字で見る鉄道2013」を参照

(表 3)ローカル鉄道経常収支別内訳(H23)

種別 経常黒字 経常赤字 計 中小民鉄 39社 31社 70社 転換鉄道 6社 27社 33社 路面電車 5社 14社 19社

並行在来線 3社 1社 4社

計 53社 73社 126社

※路面電車のみH24年度実績

※「数字で見る鉄道2013」を参照

都市圏民鉄

(大手、準大手)

(21社)

都市圏鉄道

中小規模民鉄 (70社)

第 3 セクター鉄道(33社)

路面電車 (19社)

並行在来線 ( 4 社)

ローカル支線

幹線鉄道 都市圏鉄道 ローカル支線

( 6 社) JR社線

ローカル鉄道

(図-1)鉄道の分類

(5)

車 両    料金制度  その他 

【新幹線50年の総括図】

   

昭和

45  

   

 

昭和

50  

   

   

   

   

   

21 0k m /h   16両)    

食堂車

小窓  

ト 

 

】   

11  

15  

ア  22 0k m /h   22 0k m /h   】 

24   27 0k m /h  

ー  【

】 

11   27 0( 28 5) km /h  】 

19   喫煙ルーム   】 

25

(改   1- 1   

39  

2- 2   

40  

3- 3   

42  

(万博)   3- 6   

45

4- 4   

47

5- 5   

51  

HKひかり新設) 

6- 4   

60  

(花博)   7- 4   

1

(の み)   1- 7- 3   

5

 

(続行) 

1- 7- 3   

9

2- 7-  

13  

7- 2-

   

15  

  8 -2 -2( 3)  

17  

  9 -2 -2( 3)  

24  

10 -2 -2( 3)

   

26     B,C料金      

39

  A,B   ) 

     

40

車制度

   

44  

料金統合   40 0円東名間)    

     

47  

統合完成  

) 

 

50  

み(付加)   料金設定    

レス

  予約    

13  

自由席料金統合  のぞみ料金差変更   

     

15  

EX    

24      

39   24 80 三島駅   (新設)    

44   岡山直通  

     

47  

博多直通    

50  

JR発足    

62  

三河安城駅   新富士駅   掛川駅   (新設)  

     

63  

地上設備   買取り    

  走行試験    

品川駅    

15  

   

23  

3月) 

リニ)  営業主体建設主体指名  整備計画決定    建設指示                 (5月) 

   

25  

4月  環境影響評価準備書公告、閲覧(9月)  ×=運賃料金改定消費税にものを除く  

× × × × × × × × × 

8日 ) 

× × 

︵万博︶

昭和

60

平成

10

平成

20

平成

25

平成

26

60

45

一部禁煙車

平成26年7月1日 於 1号館142教室

参照

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