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複合脂質に関する生学的研究 第16報 コリン燐脂質定量法に関する検討 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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(1)

札幌医誌 7.(2/3),79〜81(1955)

複合脂質に関する.生.牝学的研究

第16.報 コリン燐脂質定:量怯に関する検討.

    ロ     ロ

     大 野 公.吉

札幌医科大学生化学教室 (主任 大野教授)

 Biochemical,Studies on Compound Lipids

    XVI. On the Quantitative Method df        the・ Choline−Phospholipids       By

      KIMIYoSHI OIINo

Depαrtment〔ゾBiOCんemdStry, Sαpporo Univers吻げMθ磁シ伽θ          ( Chief: Prof. K Odyo)

 燐脂質中のコリンの測定には,先ず酸或はアル カリによる燐脂質の水解,次に水解液中のコリン 測定の2段階に分けられる。

 ゴリン定量法としてはEnantio−Jodide法及び Re㎞eckate法1)が従来一般に使用されている。又 水解法としては従来HC1一メタノール法2), NaOH一 アルコール法3)及びBa(OHN,一アルコール法4)・5)が 一般に使用されている。著者は燐脂質中 のコリン の測定に際してのこれらの3法をReineckate法 を用いて比較検討を試みた。

       実験方法並びに成績

 コリン定量:のReineckate法としてはBeat七ieの比色法,

Thaunhauser等の光電比色法及びRamsay&Stewart6)

のN測定.法があるが,著9・は比色法並びに窒素測定法を採 用した。

 永解剤としては6N−HCIメタノール,1N−NaOHアルコ ール及び飽和Ba(OH),アルコールの3者を使用した。

 先ずコリン1.23mgをそれぞれ上記3水解剤とともに沸 騰水浴上にて還流し,3水解法におけるコリンの安定性を 比較した結果は第1表の如くである。Ba(OH)2法及びHCI一 メタノール法では4或は6時聞加熱により変化がないが,

NaOH一アル= 一一ル法では1時間では著明な変化はないが,

2ないし4時間では最高50%に及ぶコリンの消失が認め

られた。

 燐脂質として次の3製品を使用した。

 1).家兎肝臓より拙出精製せる燐脂質,その約85%が グリセリン燐脂質である。

 2)大豆燐脂質(武田製のいわゆるLecithin)。

 3〕牛脳髄プロダゴンよりピリヂン,漏壷処理により可 及的1 とnc脂質及び硫脂質を除去せるSph{ngomyehn製品。

 これらの3製品を用いて3水解法を比較した結果は第2 表の如くである。

 製品1)及び2)では3方法何れも満足すべき結果を与え るが,製品3)はNaOHアルu 一一ル法のみが満足すべき   第1表種々なる水解法におけるコリンの安定性      について(添加コリン量1.23mg)

加熱時.間

019日4hb

 ル 一一鍔㎏

1.220, 1.231

1.230, 1.227 1.210

 NaOH

アルコール  (mg)

ユ.210,1.102 1.008, O.921 0.821, O.567

Ba (OH) L,

ア・ルコール  (mg)

1.220 1.209

1209

1.218

1) Beattie, E J. R.: Biochem. J: 30, 1554(1936).

2) Thaunhauser, Benotti &Reinstein: 」. Biol. Chem.

 129, 709 (1939).

3) Brante:Biochem. Z. 305, 144(1940)・

4) Williams, Erickson, Arvin, Bernstein& Maey: 」.

79

 Biol. Chem 123, 111(1938).

5) Erickson, Arvin, Teague & Williams: J. BioL  Chem. 135, 677(1940).

6) Pamsay & Stewart: Biochem. J. 35, 39(i941).

(2)

80        大野一複合脂質の生化学XVI

第2表 各種燐脂質製品の各種水解法による]リン測定の比較

ホL幌医誌 1955

燐脂質製品

 (1)

(5.014 mg)

 (II)

 〈III)

(4.25 mg) 

永 解 剤

HCI一メタノール

NaOH一ア/e  一ル

HCI一メタノール   Ba(OH)L.

HCI一メタノール

NaOH一アルコール

加熱時聞

      95

1234560工2345424612

(mg)

ン  :量

ZL&︐包島&.鋸亀⑤αZ島a乳8︑22銑

9392211.20482888741 033444344321111156000000000000000000 493120617990094762222008830985 024444443211111000000000000000

FO4隆り.−ρ0600

O.412 0.423 0.420 0.423

0.424

O.188

24872 755034  004 017000594587008870279000899742002290

    11凸       1一    イ⊥   1

第3表各種隣脂質製品隣合に際しての各種水解法におけるコリン測定の比較

燐脂質製品

(1)+(皿)

口)+(:皿)

肛)+(皿)

コリン含量

 (計算値)

O.212mg(1)

0.327mg(皿)

O.539mg

O. 189mg (ll)

0.295mg(皿)

O.484mg

0.467皿g(][[)

0.123mg(皿)

O.590mg

水 解 剤 HCI一メタノFル

NaOH一アルコール

HCI白メタノ{ル

 Ba(OH)L,

HCI一メタノール

 Ba(oH),,

時 間

4〃〃61〃25〃2〃45 2〃4〃

・リ・値

(実測値)

407854306911197299343339630821877876555554444233555555 0000000000000000α0

実測値   × 100 計算値 1

126827915607410613909991593641888886909999899677999999

(3)

7巻2/3号 大野 複合脂質の生化学XVI 81

果を与え,HCI一メターノール法.はその30%にすぎず,

Ba(OH)2法ではコリンの測定が不可能であった。

 [註1NaOH法の結果はこ.のsphingomyelin中にコリン が14%有含されていることを示す。燐脂質が4%のPを 含有するとせば,分子量は775となり,コリン塩酸塩,分 子量139.6の理論値は18.01%となる。

 弐に3製品を混合して3水解法を比較した結果は第3表

.の如くである。製晶1)或は2)に比して製品3)をやや過利 に加えた場合には,HCI一メタノール法ほNaOH法に匹敵 する数値を示したが,Ba(0恥法ほなお不充分であった。

製品2>1こ比して製品3)を極少:量加えた場合にはBa(OH)2 法もまた満足すべ.き結果を与えた。

  1)肝燐脂質及び大豆燐脂質中のコリンの測定 にはHC1一メタノール法, NaOHアルコール法,及 びBa(OH)2アルコール法,何れ.も満足すべき 結果 を与える。

  2)Sphingomyelin中のコリン測定にはNaOH 法のみが使用し得る。      

  3)Sphingomyelinに適当量の肝燐脂質或は大 豆燐脂質を加えればHC1一メタノール法並びに Ba(OH)2法ともにNaOH法に匹敵する優秀な結果

が得.られる。

      (目召禾030.2.17受f寸)

Summary

   Three hydrolysis−methods of Phospholipids, namely HCI−methanol, NaOH−alcohol and Ba(OH)2−alcohol method were compared as choline determination methods.

   While・a reasonable amount of choline wqs found using the above 3 methods in liver and soybean phospholipids, which are composed mainly of glycerophospholipids, it was found that NaOH−alcohol method alone can be successfully utilized to determine the amount of choline in Sphingomye]in.

   It was noted however that an addition of appropriate amounts of glycrophospholipids to the sphingomyelin preparatiQns, rendered the determination of chQline in sphingomyelin by HCI−method and Ba(OH)fl alcohol method equal to NaOH−method.

       (Received Feb. 17, 1955)

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