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雑誌名 北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター年報

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Academic year: 2021

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鉄棒における〈後方浮支持回転〉の肩回転加速技術 の学習方法に関する研究

著者 廣田 修平, 松本 裕也

雑誌名 北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター年報

巻 8

ページ 117‑119

発行年 2017

URL http://id.nii.ac.jp/1136/00002725/

(2)

─  ─ 117

2018年3月 March,2018 北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター年報 第8号

Bulletin of the Northern Regions Lifelong Sports Research Center Hokusho University Vol.8

鉄棒における〈後方浮支持回転〉の肩回転加速技術の学習方法に関する研究 Study on “Free Hip Circle Backward” 

Shoulder Acceleration Technique of Horizontal Bar

廣 田 修 平

1)

  松 本 裕 也

2)

Shuhei H

IROTA1)

  Yuya M

ATSUMOTO2)

キーワード:肩回転加速技術,肩角増大,肩角減少

Ⅰ.はじめに

 本研究では,鉄棒における〈後方浮支持回転〉の効果 的な学習方法を提示する。〈後方浮支持回転〉は,学校 体育現場でしばしば学習課題として取り上げられる〈後 方支持回転〉の上位の発展技として位置づけられる

1)

。 しかし,基礎技となる〈後方支持回転〉の習得後に,上 位技の〈後方浮支持回転〉が自然と習得されるかという とそうではない。〈後方浮支持回転〉の中核的技術とし て肩回転加速技術

2)

が知られており,この技術の習得が この技の達成の是非に大きく関わっている。しかし,こ の技術の習得においてつまずきを抱える学習者が多い。

そこで筆者は,先行研究において〈後方浮支持回転〉の 肩回転加速技術の地平構造を分析することで,この技術 を支える地平としての運動感覚を提示した

3)

。本稿では,

先行研究で提示した〈後方浮支持回転〉の肩回転加速技 術の地平構造を基に,肩回転加速技術を習得するための 具体的な学習方法を提示することを目的とする。

Ⅱ.肩回転加速技術の地平構造

 ここでは,〈後方浮支持回転〉の肩回転加速技術の学 習方法を提示するに先立ち,その根拠となるこの技術の 地平構造を確認しておく。この技の指導現場において「肩 をはずす」という指導言語が頻繁に用いられる。この「肩 をはずす」という指導言語は字義通りの肩関節を外すと いう意味ではなく,①肩の後方移動と,②肩回転加速技 術を意味しているということは,筆者が先行研究で述べ たとおりである

3)

。また,筆者はそのうえで〈後方浮支

持回転〉の肩回転加速技術は①鉄棒を前方に押し肩角を 広げる動感と,そこから②鉄棒を大腿前部に引きつけ肩 角を狭める動感地平に支えられているということを提示 した

3)

。上記内容は先行研究ですでに取り上げた内容で あるため,詳しくはそちらを参考とされたい。

Ⅲ.肩回転加速技術の学習方法

 先行研究で示した通り,〈後方浮支持回転〉における 中核的技術である肩回転加速技術は①鉄棒を前方に押し 肩角を広げる動感と,そこから②鉄棒を大腿前部に引き つけ肩角を狭める動感地平に支えられている。つまり,

上記①,②の動感地平を築くことが〈後方浮支持回転〉

における肩回転加速技術の習得につながると考える。こ こでは,①,②の動感地平を築くため,「肩角増大の動 感学習」と「肩角減少の動感学習」に大別し,その具体 的学習方法を提示する。

1.肩角増大の動感学習

 第一に,肩角増大の動感学習について確認していく。

肩角増大の動感学習は①鉄棒を前方に押し肩角を広げる 動感地平を築くことを目的としている。

 ここでは,図1に示す通り,支持体勢から後振りを行 い後方に着地するという学習を行うと良い。この学習は 後振りの勢いをそのまま後方移動につなげられるため,

容易に達成しやすい課題である。また,学習者がさらに 積極的に肩角増大を行うために,図2のような学習を行 うと良い。この課題は床面で学習者を幇助し,肩が支持 点より前方に位置する水平支持体勢から肩の後方移動を 行うというものである。学習者の状況に合わせて後方移

1)北翔大学生涯スポーツ学部スポーツ教育学科 2)北翔大学スポルクラブ(体操)

(117 〜 119)

(3)

─  ─ 118

鉄棒における〈後方浮支持回転〉の肩回転加速技術の学習方法に関する研究

図1 支持体勢から後振り下り

図2 幇助つき肩の後方移動学習(倒立棒)

図3 幇助つき肩の後方移動学習(鉄棒)

図4 肩角減少の学習(鉄棒)

(4)

─  ─ 119

北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター年報 第8号

動を助成する幇助者の力を加減していくと良い。さらに,

この課題を発展させ,図3のように,鉄棒で支持後振り を行い,水平支持体勢で幇助を受け,先の課題同様,肩 の後方移動を行う課題も有効である。

2.肩角減少の動感学習

 第二に,肩角減少の動感学習を提示する。これは肩回 転加速技術のうち,②鉄棒を大腿前部に引きつけ肩角を 狭める動感地平を築くために設定する課題である。

 ここでは,図4のように,床に足を接地し低鉄棒を握っ た体勢から行う課題である。図4の通り開始体勢では肩 角が広がっており,そこから一気に逆懸垂体勢になるこ とで急激に肩角が減少し,肩の回転加速を体験しやすい 学習課題である。開始体勢から逆懸垂体勢になる際,そ の場で少し上に飛び上がると,その次の逆懸垂体勢への 体勢変化のタイミングがとりやすい。また,開始体勢の 足の位置を後方にすることで肩角がさらに広がった体勢 からの学習が可能となるため,学習者の状況に合わせた 学習段階の設定が容易な課題である。

Ⅳ.おわりに

 本研究では,筆者が先行研究で取り組んだ〈後方浮支 持回転〉の肩回転加速技術の地平構造分析による知見を 基に,①鉄棒を前方に押し肩角を広げる動感と,そこか ら②鉄棒を大腿前部に引きつけ肩角を狭める動感を身に つけるために有効だと考えられる学習方法を提示した。

本研究では,〈後方浮支持回転〉の肩回転加速技術のみ に焦点を当てて,その習得につながる学習方法を提示し たため,この技の手首返しの技術等については今後の研 究の課題とする。

付 記

 本研究は,平成28年度北方圏生涯スポーツ研究セン ター・センター選定事業として実施した。

 申告すべき利益相反なし。

文 献

1)東京書籍:ビジュアル新しい体育実技.p.39,東京 書籍株式会社,東京,2011.

2)金子明友:教師のための器械運動指導法シリーズ3.

鉄棒運動.pp.130‑132,大修館書店,東京,1984.

3)廣田修平:鉄棒における〈後方浮支持回転〉の地平

構造分析.北翔大学北方圏生涯スポーツ研究セン

ター年報,7:151‑153,2016.

参照

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