非臨床群における強迫観念と不合理な信念
その他のタイトル Obsessions and irrational beliefs in non‑clinical samples
著者 久本 博行
雑誌名 関西大学社会学部紀要
巻 36
号 2
ページ 95‑118
発行年 2005‑03‑25
URL http://hdl.handle.net/10112/1813
非臨床群における強迫観念と不合理な信念
久 本 博 行
Obsessions and irrational beliefs in non‑clirlical samples Hiroyuki HISAMOTO
Abstract
The obsessions of non‑clinical samples were investigated by using Japanese version of Padua lnventory(PI). Subjects were 185 university students (76 males and 109 females). In addition, it divided into a high, a medium, and a low group of the obsession by the score of PI, and the relation between height of the obsession and irrational belief was examined. Japanese Irrational Belief Test (JIBT) by Matsumura (1991) was used as a scale of irrational belief. There were significant differences in five scales "Self expectation",
、
、Problemavoidance", "Helplessness over inside", "Dependence", and "Helplessness over outside" of JIBT. It w邸 foundthat irrational belief strengthens, too, if the obsession is strong in non‑clinical samples.
Key Words: Obsessions, Obsessive compulsive disorder, Irrational Beliefs, Non ‑clinical samples, Padua Inventory, Japanese Irrational Belief Test
抄 録
杉浦、丹野 (2000)によって日本語化されたSanavio (1988)のPaduaInventory (PI)を用い、非臨床 群の強迫観念についての調査を行った。被験者は、大学生185名(男子76名、女子109名)であった。さら に、 PIの得点により強迫観念の高、中、低群に分け、強迫観念の高さと不合理な信念の関連について調べ た。不合理な信念の尺度として、松村 (1991)による日本版IrrationalBelief Test (Japanese Irrational Belief Test: JIBT)を用いた。そして、 JIBTの「自己期待」、「問題回避」、「内的無力感」、「依存」、「外的 無力感」の5尺度に有意差があった。臨床群だけでなく、非臨床群においても強迫観念の強度が高いもの ほど、不合理な信念を持つことが示された。
キーワード:強迫観念、強迫性障害、不合理な信念、非臨床群、 PaduaInventory、日本版IrrationalBelief Test
関西大学『社会学部紀要』第36巻第2号
1. はじめに
強迫性障害(以下OCD: Obsessive Compulsive Dおorderと略)は、強迫観念 (Obsession) と強迫行為 (Compulsion)によって特徴づけられる障害で、本人自身は不合理であると 認識しながらも不快な考えやイメージ、衝動(強迫観念)にとらわれ、その不安や精神的 苦痛を回避するために儀式的行動(強迫行為)を行うものである。
OCDの有病率はDSM‑N‑TR (2000)では、生涯有病率2.5%、1年有病率は0.5 2.l % となっている。 Okasha(2000)、Taylor (2002)、加藤・飯田 (1994)などでも生涯有病率 は、 2 3%の値である。このようにOCDは稀な障害ではなく、比較的よくみられるも のである。また、 OCDと類似した症状は、非臨床群においてもよくみられるものである。
このことは、 Rachman& de Silva (1978)が指摘して以来、多くの研究者によって確認さ れてきている (Salkovskis& Harrison 1984、Clark& de Silva 1985、Edwards& Dickerson 1987、 Niler & Beck 1989、Freeston,Ladouceur, Thibodeau & Gagnon 1991) o Rachmanら (1978) の研究では、大学生を中心とした被験者124名のうち約80%のものが、 OCDと同様の強迫 観念を経験していることを見出している。このように強迫観念は、誰にでも共通して見ら れるものなので、侵入思考 (intrusivethoughts)とも呼ばれている。
Rachmanら (1978)は、強迫観念があること自体は異常ではないし、その強迫観念の 内容にも臨床群と非臨床群では違いがないが、臨床群の強迫観念は、長く続き、強烈で、
不快、頻度が高い、その不安をやわらげようとする衝動が強いといったところに非臨床群 との違いがあると述べている。
このRachmanら (1978)の研究以降、非臨床群の強迫症状について調査し、臨床群と 比較するアナログ研究と呼ばれる研究方法が盛んに行われるようになってきた (Gibbs, 1996, Warren, Gershuny, & Sher, 2002)。
同じような強迫観念が生じても臨床群と非臨床群では、このような違いがなぜ生じるの であろうか。 OCDへの認知的アプローチには、大きく分けて2つの立場がある。 1つは 一般的な認知過程の機能障害とみる見方で、 OCDの注意バイアスや記憶バイアスなどの 情報処理について、正常者や他の不安障害との違いを調べるものである。しかし、情報処 理についての研究では、現在のところ多くの研究者間に一致した認知の障害は、あまり見 出されていない (McNally,2000: Amir & Kozak, 2002: Muller & Roberts, 2005)。
もうひとつのアプローチは、人間は自己の体験をどのように意味づけ、評価するか、と いう認知の評価的側面に重点を置き、 OCDの症状は特異的な、非機能的信念に基づくも
のと考える立場である。この考えに立つOCDのモデルはいくつか提案されているが、そ の中で最もよく知られその後のOCD研究に大きな影響を与えたのが、 Salkovskis(1985) のものである。彼のモデルでは、 OCDを発症する人は、非機能的信念として次のような ものをもっている。
(1) ある行為について考えることは、その行為をするようなものである。
(2) 自分や他人の災難を防げないのは、そもそも災難の原因となることと同じである。
(3) 責任は、他の要因によって軽くなるものではない。(例えば、起こる確率が低い。)
(4) 侵入思考が起こった時にそれを無効にしようとしないのは、侵入思考に含まれてい る災難を求めているのと同じことである。
(5) 人は自分の考えをコントロールできなければならない。
このような非機能的信念をもったものが、なんらかの引き金となる刺激から強迫観念を 体験すると、自動思考が生じ、抑うつ気分や不安が高まり、その抑うつ気分や不安を抑え るために中和行動や回避行動がとられ、これが強迫行動 (Compulsions)となる。そして、
Salkovskisは、 OCDの非機能的信念は自分や他者が危害を被ることについての責任に関係 している、と考えたのである。治療方針としては、侵入思考は誰にでもあるので侵入思考 の変容を目指すのではなく、侵入思考に対する自動思考やその自動思考を生じさせている 非機能的信念の変容を目指すようにする。これが、 SalkovskisのOCDの認知モデルである。
このSalkovskisの研究以降、 OCDの発症基盤となる非機能的信念 (OCDにつながる信念 ということから強迫的信念とも呼ばれている。)についての研究が盛んになり、強迫に関 す る 信 念 と し て 以 下 の 6つ の 主 要 な 領 域 が 見 出 さ れ て い る (ObsessiveCompulsive Cognitions Working Group, 1997)。
(1)責任の過大視
この信念は、人はきわめて重要な能力を持っており、それは主観的にみて重大な否定的 結果を、招いたり、予防したりできる、というものである。こうした結果は、起こらない ようにすることが不可欠であると考えられている。災難を予防したり、取り消したりする ために何かをする責任や不作為や作為による誤りの責任と関係している信念である。例:
「私はうまくいかないことを、自分の責任だと思うことがしばしばある。」「もし、私が危 険を予測した時に何もしなかったら、私は悪い結果を自分のせいだと思う。」、「惨事を聞
くと私の責任だと考えるのをやめられない。」
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(2)思考の過大評価
浮かんだ思考やイメージ、衝動が何か非常に重要なことを暗示しているという信念であ る。思考と行為の融合や魔術的思考を反映している信念である。ほんの少しでも「悪い」
ことを考えると「悪い」結果になりうる、という信念である。例:「悪いことを考えるこ とは、本当に悪いことをすることと同じである。」、「暴力的なことを考えることは、自制 心を失ったり、暴力的になることを意味する。」
(3)自分の思考をコントロールすることについての過剰な気遣い
侵入的な思考やイメージ、衝動を完全にコントロールする重要さを過大に評価すること。
例:「十分な精神力を養うことで、自分の心を完全にコントロールできるようになるべき である。」、「自分の思考をコントロールできればもっとよい人間になれるだろう。」
(4)脅威の過大評価
危害の確率や重大さを過大に評価する信念である。例:「世界は危険な場所であると思 う。」、「私の人生では、小さな問題がいつも大きな問題になっていくように思う。」
(5)あいまいさに対する不耐性
この領域は3つのタイプの信念を包含している。①確信の必要性についての信念②予 測できない変化に対する対処能力が乏しいという信念③本質的にあいまいな状況で、適 切に機能することの困難さについての信念。例:「自分が必死でやれば、絶対に確信が得
られる。」、「あいまいなものには耐えられない。」
(6)完全主義
これは、①全ての問題には完全な解決策がある。②何かを完全にすることは可能であり、
必要なことである。③ちょっとした間違いでさえ重大な結果を招く。といった信念である。
例:「完璧になるまで、やり続けることが重要である。」、「私にとって、一部分の失敗は、
完全な失敗と同じぐらい悪いことである。」
その後Rachrnan (1997)は、侵入思考に対し破局的な誤った解釈をすることがOCDに とって重要な要因であると述べている。これは、 Clark (1986)のパニック障害の認知理 論に基づいており、 Clarkの理論では、パニック障害の人はちょっとした身体感覚の変化
身体感覚に対する 破局的な解釈
きっかけとなる刺激
(内的あるいは)外的
↓
知覚された脅威
身体感覚
図,.パニック発作の認知モデル Clark (1986)
不安
などを破局的に解釈し(心臓発作が起こる、窒息してしまう、気絶してしまう、気が狂っ てしまうなど)、その結果不安が増幅しさらにその不安が過呼吸、心拍数の増加、震えな どの身体的不安反応を引き起こし悪循環に陥っていく、と考えられている(図 1.)。 Rachmanはこの理論をOCDに応用し、例えば「鍵をかけ忘れたのではないか。」といった 考えが浮かんだとき、「鍵をかけ忘れて泥棒が入り、現金や銀行預金が全て盗まれ、明日 から生活できなくなってしまう。」といった破局的解釈を行うことが重要だと考えたので ある。
そして、 Salkovskisら (1998、1999)は、これらを統合して図2.のようなスキーマを 提案している。これは、初期経験やきっかけになる出来事から強迫的信念をもつようにな り、侵入思考が生じると破局的な誤った解釈を行い、その結果不安や抑うつ気分になった り、中和行動を起こすようになり、そうした行動がさらに侵入思考を増加させる、という ものである。
このように、 OCDの認知理論はモデル化され精緻化されてきており、治療方法も進歩 してきている。 OCDに対する心理療法でもっとも効果があるのは、認知行動療法である
関西大学「社会学部紀要j第36巻第2号
初期経験 重大な出来事
(OCDに対する脆弱性)
(OCDのきっかけになる出来事)
仮定,一般的信念
(例えば, 災難を防がないことは,それを起こすことと同じくらい 悪いことだ, 後悔するより安全なほうがいい)
衝 動 疑 念
侵入思考についての意味 対する責任を誤って解釈する
活性化
図2.強迫観念の原因と維持についての認知仮説の統合スキーマモデル Salkovskis, Forester & Richards (1998)
が (March,et al., 1997)、 行 動 面 へ は 曝 露 反 応 妨 害 法 (ER/P:Exposure and Response Prevention)が使われ、認知面へは強迫的信念への働きかけを行う種々の方法 (Steketee, 1999 ; Morrison & Westbrook, 2004)が開発されてきている。
2. 目的
では、 OCDのもとになる強迫観念はどのように生まれてくるのだろうか。この点につ いては、まだ何も分かっていない (Rachman、1997)。強迫観念は多くの人が経験してい ることではあるが、ストレスによって増加することも知られている (Horowitz、1985)。 Rachman & de Silva (1978)やSalkovskisら (1984)の非臨床群における侵入思考の調査 でも、人によって侵入思考の頻度が違っている。これらのことは、強迫観念そのものを減 らす方法があることを物語っているのではないだろうか。もし、強迫観念そのものを減ら す方法が分かれば、 OCDの治療に応用することができるのである。
「どのような認知のメカニズムが強迫観念を増やすのだろうか。」ということについて、
「非臨床群における強迫観念の個人差はどこからくるのであろうか。」ということから考え ていきたい。 Salkovskisらのモデルでは、非臨床群においては侵入思考があっても、強迫 的信念がないためにOCDとならないと考えることができる。つまり、強迫的信念は破局 的解釈の基盤とはなり得ても、侵入思考そのものを増やすものではないのである。そこで、
非臨床群における強迫観念と、一般的に不合理な信念と考えられている個人の信念体系と どのような関係があるかを明らかにすることにより、強迫観念を発生させる基盤となる信 念を明らかにできると考えられる。
今回の研究では、非臨床群における強迫観念と不合理な信念にどのような関係があるか を明らかにすることを目的とする。
3. 方法
(1)被験者
被験者は、大学生男子76名、女子109名合計185名であった。被験者の平均年齢は、男子 が20.2オでその標準偏差は0.9オ、女子は20.0オでその標準偏差は1.2オ、全体では、平均 20.1オ、標準偏差1.1オであった。
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(2)手続き
強迫観念の指標として強迫性障害の測定尺度のPaduaInventory (以下PIと略)を、不 合理な信念の測定尺度として日本版IrrationalBelief Test (以下JIBTと略)を上記被験者
に実施した。
強迫性障害の症状を測定する尺度には、 Yale‑BrownObsessive Compulsive Scale (以下 Y‑BOCSと略(浜垣他、 1999))やLeytonObsessional Inventory (以下LOIと略(権他、
1992))、MaudsleyObsessional Compulsive Inventory (以下MOC!と略(細羽他、 1992;吉 田他、 1995))など各種のものがある。これらの尺度の多くが、強迫性障害の臨床群と非 臨床群を判別することを目的として作成されている。そのためこれらの尺度を非臨床群に 実施するとほとんど得点が0に近くなってしまうことが多く、非臨床群を対象としたアナ ログ研究には不向きである。また、強迫症状ではなく強迫性格を測定しているような項目 が含まれている尺度もある。
PIは、 Sanavio (1988)によって作成された尺度で60項目からなっており、各項目につ いて〇:全く煩わされない 4: 非常に煩わされるまでの5件法で評定するものであ る。これは他の尺度にくらべ項目内容に偏りが少なく、いろいろな強迫症状に対応してお り 、 上 記 の よ う な 問 題 も な く 、 非 臨 床 群 で の 研 究 (Sternberger&Burns,1990; Oppen, Hoekstra & Emmelkamp, 1995; Kyrios, Bhar & Wade, 1996; Macdonald & de Silva, 1999; Mancini, Gragnani, et al. 1999; Mataix‑Cols, Sanchez‑Turet & Vallejo, 2002; Goodarzi &
Firoozabadi, 2005)も多い尺度であることから、今回はこれを使用した。 PIについては杉 浦、丹野 (2000)が日本語版を作成し、その信頼性や妥当性を検討しており、今回の研究 では杉浦らの日本語版PIを使用した。
JIBTは松村 (1991)によって開発された尺度である。この尺度は1.自己期待、 2.
問題回避、 3.倫理的非難、 4.内的無力感、 5.依存、 6.協調主義、 7.外的無力感 の7尺度があり、各尺度10項目の質問項目から構成されている。そして、 1: まったくそ う思わない 5: まったくそう思うまでの5段階で評定するものである。松村はこれ まで開発された不合理な信念の測定尺度を検討し、それらの項目には「信念」より「不安 反応」を問う尺度や、行動の原因となる「信念」よりも行動傾向を問うような項目が多い 尺度、項目分析に問題のある尺度があることを指摘している。そうしたことから、松村は 従来の尺度を翻案せず独自に尺度を作成している。
松村は尺度を作成する際、 Ellisによる論理療法に基づき尺度を構成しているが、他の関 連文献や質問紙も参考にしており、かなり幅広く100項目を超える項目から尺度構成を
行っている。そのためいろいろな認知の歪みを捉えられる尺度となっている。 JIBTにつ いては、森ら (1994)が20項目にした短縮版を開発している。これは、 1.自己期待、 2.
依存、 3.問題回避、 4.倫理的非難、 5.無力感の5尺度があり、各尺度4項目から なっている。今回はこの短縮版では十分に非臨床群の認知の歪みの程度を捉えることがで きないのではないかと考えられ、短縮版を使わず松村の原版を使用した。
なお、 JIBTの各尺度の意味は、松村によれば次のとおりである。
1. 自己期待:私は欠点のない人間でなければならない。といった項目で構成される尺 度で自分の行為や能力に対する高い期待を表している。
2. 問題回避:面倒がふりかからぬよう目立たないでいる方がいい。といった項目で構 成される尺度で責任や面倒なことがらからの回避を表している。
3. 倫理的非難:重罪を犯した人は厳しく罰せられて当然だ。といった項目で構成され る尺度で、道徳的、倫理的な悪行に対する非難の信念を表している。
4. 内的無力感:状況が思わしくない時は投げ出したくなって当然だ。といった項目で 構成される尺度で、憂うつ、怒り、悲しみ、動揺といった感情のコントロールに関 する無力感の正当性を表している。
5. 依存:常に指示してくれる人がいなければならない。といった項目で構成される尺 度で、友人や両親、目上の人に対する依存の必要性を表している。
6. 協調主義:この世は親切と安らぎの場所であるべきだ。といった項目で構成される 尺度で、全体の幸福があってはじめて個人の幸福があるという考え方を表している。
7. 外的無力感:いつも人が私を悩ませる。といった項目で構成される尺度で、他人や 社会、過去のできごとや災害に対するコントロール不可能感の正当性を表している。
4. 結 果
(1) Plの結果
PIの基礎統計量を表1.に、得点の分布図を図3.に示した。表1.には従来の研究で 発表されている統計量をあわせて掲載している。この表からPIの得点には、研究者に よって平均値に差があることがわかる。今回杉浦、丹野 (2000)による日本語版を用いた のであるが、杉浦らの平均値は他の研究者のデータよりも高く、今回のデータは杉浦らの データに比べかなり低い平均値であった。
Sanavio (1988)は、 PIを因子分析し「過剰な心的活動のコントロール障害」、「汚染」、
関西大学『社会学部紀要」第36巻第2号
表1. Pl総得点の基礎統計量
·~""' 平均 垣 濫 后 辛
Sanavio (1988) 男 489 53.60 27.70 女 478 62.50 29.20 合 計 967 58.00 28.78 Sternberger (1990) 男 294 42.08 26.27 女 384 41.01 25.40 合 計 678 41.33 25.77 van Oppen (1992) 男 188 25.80 20.80 女 242 29.40 20.70 合 計 430 27.83 20.80 Kyrios et. al. (1996) 男 138 43.80 24.80 女 165 41.60 27.80 合 計 303 42.70 26.40 Macdonald et. al. (1999) 男 287 26.70 23.60 女 1568 23.60 23.50 合 計 1855 24.00 23.60 Mataix‑Cols et al. (2002) 男 162
女 701
合 計 863 51.59 29.00 杉浦,丹野(2000) 男
女
合 計 317 61.37 29.52 久 本(2005) 男 76 53.10 32.30 女 109 48.70 29.70 合 計 185 50.50 30.80 Goodarzi et. al. (2005) 男 84 45.30 29.60 女 135 45.60 29.30 合 計 219 45.48 29.35
5 0 5 0 5 3 3 2 2 1
述睾
0 5 0
ー
100%
80%
60%
40%
20%
0%
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得点
図3. Pl得点ヒストグラム
表2. Plの尺度得点
正確
「確認」、「行動のコントロールを失う衝動や心配」の4因子を抽出し、尺度化を行ってい る。杉浦ら (2000)もこれに従い因子分析を行い、尺度構成を行っている。彼らは「疑 惑」、「衝動」、「確認」、「汚染」、「正確」の5因子を抽出している。
今回杉浦らと同様に因子分析を行い、 5因子を抽出した。杉浦らが主成分分析の結果を Varimax回転しているのに対し、今回はVarimax回転の結果をさらにPromax回転し、斜交 解をもとめた。その結果は、従来の研究結果と同時に表2.に掲載している。基本的な因 子構造は杉浦らの分析結果とよく似た結果を得たが、因子の回転の違いから若干の差異も 散見された。
しかし、先行研究との比較できるように独自の尺度構成は行わず、尺度得点は杉浦らの 尺度に従って算出した。表2.にPIの尺度得点を示している。これをみると「疑惑」、
「確認」、「汚染」については、大学生ではおおよそ1項目あたり 1点の評定をしているこ とがわかる。しかし、「衝動」と「汚染」の2つの尺度ではその反応出現頻度が、かなり 少ないことがうかがえる。