原 著
入院統合失調症患者における社会精神医学的側面 一退院 と精神科作業療法に対する意識 を中心に一
小山内 陸 生 加 藤 拓 彦 和 田 一 丸
抄録 作業療法 を行 っている統合失調症者84例 を対象 として,対象者の退院に関す る意識 と作業療法 に関する意識 を調査 し た.退院に関する意識では対象者の60例 (71%)が退院を希望 してお り,その うち36例 (60%)が退院に関す る不安 を抱 え ていた.その内容は,退院後の収入に関す る不安,退院後 の 日常生活 (家事 を含 む )についての不安が多 く, これ らの不安解 消のためには,職業 と密接 に関連 した課題および家事 を含む 日常生活 の課題 を作業療法 に取 り入れる必要性が示唆 された.作 業療法 に関する意識では71例 (85%)が効果がある と回答 していた ことか ら,作業療法は,退院を希望す る者 にとって退院 後の生活 の訓練の一環 として認識 され,退院を希望 しない者 にとっては気分転換や楽 しみな ど病棟生活 の リズム形成の方法 と して認識 されていると考え られた. また, リハ ビリテーシ ョンを促進するためには,統合失調症患者の理解度や対人関係の特 徴 を考慮 した作業指導の必要性が示唆 された.
弘前医学 58:25‑34,2007
キーワー ド:統合失調症;退院;作業療法.
ORI GI NALARTI CLE
PSYCHOSOCIjuJASPECTS OF INPATIENTS WITH SCIIIZOPHRENIA:
WITH SPECIAL REFERENCE TO THEIR RECOGNITION ON LEAVING HOSPITju AND OCCUPATIONAL THERAPY
TakaoOsana
i
,TakuhikoKato,and Kazumaru W adaAbstract Weinvestigatedtherecognitionofschizophrenicinpatientsonleavinghospitalandoccupational therapy.Thepresentstudyincluded84patients.Sixty(71%)ofthesubjectsansweredthattheyhaveintention todischarge.Thirty‑six(60%)ofthe60patientshadanxietieswithreferencetodailylivingandtheirfuture income.Theseresultssuggestthatthetrainingofhouseholdaffairsandtheprofessionaltrainingshouldbe includedintheprogram ofoccupationaltherapytodecreaseanxietiesoftheinpatients.Seventy‑one(85%)ofthe subjectsansweredthattheoccupationaltherapyhadtherapeuticeffectstotheirdisease.Theoccupationaltherapy appearedtobeconsideredasthetrainingforleadingsociallifeforthepatientswhohopedfordischarge.Onthe otherhand,theoccupationaltherapyappearedtobeconsideredasthewayofchangingtheirmoodorrefreshment inthewardforthepatientswhodldn'thopefordischarge.Todevelopmoreeffectiveoccupationaltherapyand rehabilitationtoschizophrenicinpatients,thecharacteristicsoftheirabilitiestounderstandandtheirpersonal relationshipsshouldbespeciallyconsidered.
HirosakiMed.∫. 58:25‑34,2007
Ⅹeywords:schizophrenia;leavinghospital;occupationaltherapy.
DepartmentofOccupationalTherapy,Hirosaki 弘前大学 医学 部保健学科 作業療 法学専攻 UniversitySchoolofHealthSciences
Correspondence:T.Osanai
Receivedforpublication,September5,2006 Acceptedforpublication,December7,2006
別刷請求先 :小山内陸生
平成1
8年9月5日受付平成1
8年12月7日受理26 小 山内,他
は じめに
我が国 にお ける精神科病 院 に入院 して いる患者 数 は
30万人 を超 えてお り,統合失調症患者がそ の うち最多で
20万 人以上 を占めて いる1 ) .そ して, そ の精神科 医療 の特徴 は,長期入院患者が 占める 割合が高 い ことと,精神病床 の約
80%が私立 の精 神科病 院 によ って担 われ て いる ことで あ る
1). こ
の ことは,青森県 の精神科 医療 にお いて も上記 の 特徴がそ のままあては まる.一方,近年 の我が国 にお ける精神科 医療 は
, 1988年 の精 神保健 法施 行以来,統合失調症患者 の医療 は入 院 中心か ら, 地域 で の治療へ とそ の中心が移 り
2・3',近年では, 新 規入 院患者 の
75%が入 院後
3カ 月以 内 に退 院 す るよ うにな って いる
4). そ の背景 には統合 失調 症患者 に対す る薬物療法 の進歩 に加 え,生活訓練 施設や グルー プホームな ど社会 の受 け皿 の整備 に 代表 され る精神障害者 を取 り巻 く環境 の改善 に伴 う リハ ビ リテー シ ョン医療 の活性化 が ある.精神 障害分野 の リハ ビ リテー シ ョン治療 のひ とつで あ る作業療 法 は
1901年 に東京 府 立巣 鴨病 院 ( 現 東 京都立松沢病 院)で呉秀三 によって導入 されて以 来5 ' ,精神科 リハ ビ リテー シ ョンの 中心 と して多 くの病 院で実 施 され て い る治療 法 で あ る. そ の 目的は作業活動 を通 して現実検 討能 力や対 人関係 能 力を養 い, 自律的な生活 が送れ るよ うにな る こ
とで あ る
6). 自律 的な生活 とは 自己決定 によ る主 体 的な生活 を意味 し, このよ うな生活 を獲得す る ためには作業療法へ の主体 的な参加が不可欠 とな る. したがって,現在入院 して いる統合失調症患 者 の リハ ビリテー シ ョンを促進す るためには,彼 らの退 院 に関す る意識や リハ ビ リテー シ ョンを 目 的 として参加 して いる作業療法 に関す る意識 につ いて知 る ことは きわ めて重要で ある.退院 に関す る意識や退院後 の社会生活背景 につ いての意識 に つ いて の先行研究報告
7,8)では,多施設共 同研究 に よる対象数の増加 の必要性や前方視 的調査 の必要 性が述べ られて いる.今 回われわれ は研究対象施 設 として,作業療法 (日常 生活能 力,社会 生活能 力,職 業 関連 能 力 向上 のた め の指 導 ・援 助 ・訓 練であ り,具体 的 には手工芸, 園芸,調理訓練 な どが一定 の基準 ・手順 に則 ってな されてお り,治 療 内容 の質 ・量 には施設 による差異 はな い)が実
施 されて いる青森県津軽地域 の
5つの私立 の精神 科病 院 を選択 し,社会復帰訓練 として作業療法 を 行 って いる統合失調症患者 を対 象 とし,対象者 の 退 院 に関す る意識 と退 院後 の生活 に対す る不安お よび作業療法 に対す る意識 を明 らか にす る ことを 目的 として調査 を行 った.
対象 と方法
研 究 の対象は,青森県 内の精神科病棟 を有す る
5カ所の病院 ( 弘前愛成会病院,青い森病院,桜 田 病院,布施病院,芙蓉会病院)に入 院 中の
20‑60歳 の統合失調症患者で あ り,かつ精神科作業療法
による社会復帰治療 (日常 生活 能 力,社会生活能 力,職業 関連能 力向上 のための指導 ・援助 ・訓練 がな され,具体 的 には手工芸, 園芸,調理訓練 な ど一定 の基準 ・手順 に 則 ってな されてお り,治療 内容 の質 ・量 には施設 によ る差 異 はな い)を 3カ 月以上継続 して いる例 とした. これ に該 当 した計
95例 の うち, 面接 調査 が 困難 と判 断 され た知 的 障害や思考 の障害 を有す る患者お よび研究参加 の 同意が得 られなか った患者計
11例 を研究対象か ら 除いたため,最終的な対象者は
84例 ( 男
55例,女
29例)であった.対象者
84例 の調査時
(2004年
10月)の平均年齢 は,
50.3歳 ( 男
50.8歳,女
49.3歳) で あ り,年齢 の分布 は,
20‑29歳 が
3例,
30‑39
歳 が
7例,
40‑49歳 が
20例,
50‑60歳 が
54例で あった.平均発症年齢は
22.4歳であ り,
20歳 未満発症 ( 未成年発症)が
34例
,20歳以上発症 ( 成 年発症)が
50例 で あった.入院期 間は,
5年未満 が
27例,
5年以上
10年未満 が
19例,
10年以上
20年未満が
20例,
20年以上が
18例であった.
著者 らは,調査期間
(2004年
10月)に,個 々の 対象者 に対 して面接調査 を行 ったが,患者 の負担 にな らな いよ う面接 時 問 は
1人
15分 以 内 を原 則 とした.そ の際,全て の対象者 に調査 の趣 旨を伝 え, 回答拒否が可能な こと,拒否 して も不利益 を こうむ る ことがな い こと,調査 内容は研 究 目的以 外 には利用 されず 回答者 に迷惑が及ぶ ことがな い こと等 を説 明 した上で研究参加 に対す る同意 を得 た.
面接 にお ける質 問項 目は以下 の ごとくで ある.
す なわち,①退 院希望 の有 無 ( 一刻 も早 く退 院 し
た い,今後何年か の間 には退院 したい,退院 した
くない,の うちか ら選択) ,②退院希望のある者に は退院できない理 由,退院 した くない者 にはその 理 由,③退院希望 のある者 に対 して,退院 に対 し て抱 いている不安はあるか否か ( ある場合 はそ の 内容 について) ,④作業療法は効果があると考 えて いるか否か,⑤作業療法 を積極的 に行 っているか 否か,⑥作業 のや り方が作業療法士 の 1 回の説明 で理解できるか否か,⑦作業療法 に参加 して いる 他 の患者 と対人関係が うま くとれ るか否か という 各項 目である. また,対象者 の作業療法 に対す る 意識が実際 に参加態度 に表れているか どうか を確 認す るために,作業療法の参加態度 について,対 象者 の作業療法 を担 当 して いる各病院の作業療法 士 による客観的評価 を行 った.作業療法士が評価 した項 目は①対象者が作業療法 を積極的に行 って いるか否か,②対象者が作業 のや り方 を 1回の説 明で理解で きるか否か,③対象者が作業療法 に参 加 している他 の患者 と対人関係が うま くとれ るか 否か とい う内容である. このよ うにして得 られた 対象者 の作業療法 に対す る主観的意識 と,作業療 法士 による行動評価 を比較検討 した.挽計は,
2群間の平均値 の比較 には
t検定 を用 い,分割表の 比較 には
x2乗検定 を用 い, いずれ も
p<0.05を有 意 とした.なお,本研究お よび研究成果報告は, 弘前大学医学部倫理委員会の承認 を得た.
結 果
退院希望 の質 問に対す る回答は,一刻 も早 く, す ぐにで も退 院 した い と回答 した者が
24例 ,今 後何年 か の間 には退 院 した い と回答 した者が
36例であ り合計
60例
(71%)の入院患者が退院 を希
望 して いた.その一方で,退院 しな くてよい,入 院 を続 けた い と回答 した者は
24例
(29%)で あっ た.退 院希望 の有 無 と対 象 の年齢 につ いて は退 院希望 のある
60例 ( 一刻 も早 く退 院 した い
24例 と今後何年か の間 に退院 した
い36例 を含む)の平 均年齢が
49.0±9.2歳 であるのに対 し,退院希望 のない
24例 の平均年齢 は
53.7±4.8歳であ り,後 者 にお ける平均年齢が有意 に高か った
(tTest,
p<0.01).一方 ,退 院希望 の有無 と発症 年齢 な らびに退院希望 の有無 と性別 の間には有意な差異 は認め られなか った. また,退院希望 と入院期間 については退院希望 のあるものの平均入院期 間は
10.2年であるのに対 し,退院希望 のないもののそ れは
15.6年であ り,後者 における入院期間が有意 に長かった
(tTest,
p<0.01) .
表 1に対象 の退院で きないもしくは退院 した く ない と考 える理 由について示 した.退院希望 のあ る もの
60例 の退 院で きな い と考 え る理 由につ い ては,家族への負担お よび就労 ( 仕事)の問題 を 挙 げる ものがそれぞれ
36例,経済 ( 金銭)的問題
34例, 自分 の健康 ( 病気)の問題
31例,住居 の問 題
19例 で あった.退 院希望 のない もの
24例 の退 院 した くない理 由については,家族への負担およ び就労 ( 仕事)の問題 を挙 げる ものがそれぞれ
19例,経済 ( 金銭)的問題
17例, 自分 の健康 ( 病気) の問題
14例,住居 の問題
13例 で あ り,退 院 を希 望するものの場合 と同様であった.
次 に退院 を希望す るものに対 して退院 に対す る 不安の有無およびその内訳 につ いて検討 した.過 院 に対す る不安がある と回答 した ものは退院希望 のある
60例 中
36例
(60%)であった.不安の内訳
表 1.対象の退院できない, もしくは退院 した くないと考える理 由
退院希望 のあるもの (60例) 退院希望のないもの (24例) の退院できない理 由 の退院 した くない理由 家族 へ の負担
就労 (仕事)の問題 経済 ・(金銭)的問題
自分 の健康 (病気) の問題 住居 の問題
36例 (60%) 36例 (60%) 34例 (57%) 31例 (52%) 19例 (32%)
19例 (79%) 19例 (79%) 17例 (71%) 14例 (58%) 13例 (54%)
以上,複数 回答.
28 小山内,他
を表
2に示 したが,退 院後 の収入お よび仕事 につ いて の不安 を回答 した ものが
15例,退院後 の 日常 生活 ( 家事 を含む)についての不安 を回答 した もの が
12例,退 院後 の 自分 の健康 ( 病気)に関す る不 安が
7例,退院後 の通院 に関す る不安が
2例,そ の他 ( 特定 で きな い漠 然 とした不安)
2例 で あ っ た.
表 3に作 業 療 法 の効 果 につ いて の意識 の人数 分布 を示 した. 作 業療 法 の効 果 につ いて,効 果 が あ る と答 えた 者 は
71例 で 全 体 の
85%を 占め て いた. 作 業 療 法 は効 果 が あ る と答 えた もの の 内訳 は, 退 院希望 を有 す る もの
(60例)で は
52例
(87%),退院希望 を有 しな いもの
(24例)では
19例
(79%)で あ り,退 院の希望 の有無 に関わ ら ず,
7割以上 の ものが作業療法が効果がある と答 え,作業療法 に対す る効果 につ いて の回答 と退 院
希望 の有無 との間 には統計的有意差 は認 め られな か った.作業療法 の効果 の内容 は,「 社会復帰 のた めの治療 として,作業経験 が増 える」,「 規則正 し い生活 が送れ る」
,「 気分転換」,「 楽 しみ」 な どで あった.
表
4‑1に作業療法 に対す る積極性 について の 作業療法参加者 自身の 自己評価 と作業療法士 によ る評価 を示 した.作業療法参加者 自身の 自己評価 では積極的 と回答 した ものが
39例
(46%),作業療 法士 にすす め られ れ ば行 う と回答 した ものが
36例
(43%),消極的 と回答 した ものが
9例
(11%)で あ り,作業療法士 の評価 では積極 的 と評価 された ものが
36例
(43%),作業療法士 にすす め られれば 行 うと評価 された ものが
34例
(41%),消極的 と評 価 された ものが
14例
(17%)で あった. また,義
4‑2に作業療法 に対す る積極性 につ いて の患者
表 2.退院希望者が持つ退院 に対す る不安 とそ の内容 (36例) 退院後 の収入および仕事 につ いての不安 15例 (42%) 退院後 の 日常生活 (家事 を含 む) についての不安 12例 (33%) 退院後 の 自分の健康 (病気) に関す る不安 7例(19%)
退院後 の通院に関す る不安 2例 (6%)
その他 (特定で きない漠然 とした不安) 2例 (6%) 以上,複数回答.
表3.対象 の作業療法 の効果 に対す る意識
効果が ある 効果がない わか らない
71例 (85%) 11例 (13%) 2例 (2%)
表4‑1.作業療法 に対す る積極性
積極的 すす め られれば行 う 消極的 患者 自己評価 39例 (46%) 36例 (43%) 9例 (11%) 作業療法士評価 36例 (43%) 34例 (41%) 14例 (17%)
表 4‑ 2.作業療法 に対す る積極性 (患者 自己評価 と作業療法士評価 の対応) 作業療法士評価
患者自己評価
積極 的 すすめ られれば行 う 消極的
積極的 22例 13例 4例
すす め られれば行 う 13例 17例 6例
自己評価 と作業療法士評価 との対応 関係 につ いて 示 した.患者 の 自己評価が積極的で あるの に対 し 作業療法士 の評価 が消極的 とされた症例 は
4例, 患者 自己評価 が消極 的であるのに対 し作業療法士 の評価 が積極的 とされた症例は 1例 のみで あ り, 患者 自己評価 と作業療法士 の評価 に 目立 った帝離 は認め られなかった.
表
5に作業療法 の手順 に対す る理解度 につ いて の作業療法参加者 自身の 自己評価 と作業療法士 に よる評価 を示 した.作業療法参加者 自身の 自己評 価 ( 無 回答 1例 を除 く)では作業療法士 の1回の説 明で理解可能 と回答 した ものが
35例
(42%),
1回 の説明では理解 困難 と回答 した ものが
48例
(58%)で あ り,作業療 法士 の評価 で は
1回 の説明で理解 可能 と評価 された ものが
30例
(36%),
1回の説明 では理解 困難 と評価 された ものが
54例
(64%)で
あった.
表
6に作業療法時の患者 同士 の対 人関係 につ い て の作業療法参加者 自身の 自己評価 と作業療法士 による評価 を示 した.作業療法参加者 自身の 自己 評価 ( 無 回答
2例 を除 く)で は対 人関係 良好 と回 答 した ものが
67例
(82%), 困難 な場合 あ りと回 答 した ものが
15例
(18%)で あ り,作業療法士 の 評価 で は対 人 関係 良好 と評価 され た ものが
42例
(50%)
, 困難 な場合 あ りと評価 された ものが
42例
(50%)
であ り,患者 自己評価 と作業療法士 による 評価 との間に有意な差異が認め られた
(p<0.01,
x
2‑17.122).表
7に対象 の作業療法 に対す る意識 と臨床 因子 ( 性別,発症年齢,調査時年齢,入院年数)との関 係 につ いて示 した.性別,発症年齢
(20歳未満,
20
歳以上 の
2群 に分割)および調査時年齢
(50歳
表5.作業療法 の手順 に対す る理解度
1回の説 明で理解可能 1回の説 明では理解 困難 患者 自己評価 35例 (42%) 48例 (58%) 作業療法士評価 30例 (36%) 54例 (64%) 患者 による自己評価 にお いて無回答1例 を除 く.
表6.作業療法時 の患者 同士 の対 人関係
対 人関係良好 一困難 な場合 あ り 患者 自己評価 67例 (82%)* 15例 (18%) 作業療法士評価 42例 (50%) 42例 (50%)
*p<0.01,Ⅹ2‑17.122.
患者 によ る自己評価 にお いて無回答2例 を除 く
表7.対象 の作業療法 に対す る意識 と臨床 因子 との関係
性別 発症年齢 調査時年齢 入 院年数
男性 女性 20歳未満 20歳以上 50歳未満 50歳以上 10年未満 10年以上 作業 療法効果 あ り 46例 25例 28例 43例 25例 46例 40例 31例 効果 な し .わか らない 9例 4例 6例 7例 5例 8例 6例 7例 作業療法 に積極 的 25例 14例 16例 23例 10例 29例 16例 23例*
すすめ られ て行 う .消極 的 30例 15例 18例 27例 20例 25例 30例 15例 1回の説明で理解可能 23例 12例 12例 23例 13例 22例 22例 13例 理解 困難 32例 16例 22例 26例 17例 31例 23例 25例 作 業療法時対 人関係 良好 47例 20例 25例 42例 23例 44例 35例 32例
*p<0.05,X2‑4.558.
30 小山内,他
未満 ,
50歳 以上 の
2群 に分割)と作業療法 に対 す る意 識 との間 に有意 な相 関は認 め られ なか っ た.一方,入院年数
(10年未満 と
10年以上の
2群 に分割)と作業療法 に対す る意識 との間の相 関 を みた ところ,入 院年数 が
10年未満 の群で は作業 療法 に対 して積極的であると回答 した者の割合が
35% (46例 中
16例)で あったのに対 し,入院年数 が
10年以上の群では積極的であると回答 した者 の 割合が
61% (38例 中
23例)という結果であ り,作 業療法 の積極性 の項 目に関 して有意な差異が認め
られた ( p
<0.05,
X2‑4.558).作業療法士 による評価 については,対象 の作業 療法 に対す る積極性,作業療法の手順 に対す る理 解度,作業療法時の患者 同士 の対人関係の各項 目 において相互 の関係 を検討 したが, この うち作業 療法 に対す る積極性 と理解度 の間に密接な関係が 認め られた ( 表
8) .すなわち,作業療法 に対 して 積極的である と作業療法士が判定 した群 にお いて は,作業療法 の手順 につ いて 1 回の説明で理解可 能な ものの割合が
53% (36例 中
19例)であったの に対 し,すす め られて行 う ・消極的で ある と作業 療法士が判定 した群 にお いてのそれは
23% (48例 中
11例)と有意 に少ない割合 を示 した
(p<0.01,
x 2‑6.742).
言 い換えれば,作業療法 の手順 に対 す る理解度 の低 い患者 の占める割合が,作業療法 に対 して積極的な群 に比べ,積極的でない群で有 意 に高いという結果であった.
考 察
我が国における統合失調症患者は精神科病院 に 入 院 して いる
30万人以上 の患者 の うち
20万人以 上 を占めてお り1 ) ,彼 らの リハ ビリテー シ ョンを 進 める ことが精神科全体 の リハ ビリテー シ ョンを 促進す る上で重要 となる. この傾向は青森県で も 同様であ り,統合失調症患者 の リハ ビリテー シ ョ ンの重要性が増 している.精神科作業療法 は,疏
合失調症患者 を対象 とした リハ ビリテー シ ョン治 療のひ とつである.
精 神科 にお け る作 業療 法 は欧州 で道徳 療 法 ・ 人道療法 のひ とつ として用 い られ,
1901年 に呉 秀三 によって 日本 に導入 された5 ・ 9 ) .そ の内容は, 精神障害者 に手工芸, 園芸,農作業 をさせ る こと によって精神障害者 の注意 を幻覚や妄想な どの異 常体験か ら切 り離す ことを目的 としていた.そ の 後,作業療法は精神科領域 の リハ ビリテー シ ョン 治療 の一部である生活療法 の一部 として 日本全国 の精神科病 院 に広 が って いった
10・11).現在では作 業療法は,「 生活 リズムの獲得」,「 生活 に必要な身 体機能 の獲得」,「 基礎体 力の獲得」,「 遊 び ・楽 し みの体験」 を通 して,精神障害者が 自律的な生活 を送 るための援助手段 として精神科 リハ ビリテー シ ョンの現場で広 く用い られている
6・12). このよう に歴史的 に作業療法は精神科領域 の リハ ビリテー シ ョンの技法 として用 い られて きたが,
1981年 の 「 患者 の権利 に関す る リスボ ン宣言」 に代表 さ れ る患者 の権利 を尊重す る患者中 心 の医療
13,14)が 精神科 リハ ビリテー シ ョンにも求 め られ るように な り,作業療法 の治療的根拠の説明が必要 になっ た. しか しなが ら,
Lloydら
15 ) は,作業療法 の治 療的根拠 を明確 にす るには,治療法の管理,研究 の臨床応用,治療スタ ッフの能 力について の解析 が必要であるが,それ を実行す る ことは難 しい と 概括 して いる. したがって著者 らは,作業療法 の 治療的根拠 を明確化す る手段のひ とつ として,作 業療法の効果 を評価 し,そ の要 因について解析す る ことが重要で ある と考 えた. しか し,作業療法 の効果 に影響 をあたえる要 因には患者 の能 力や病 状な どの個 人要 因,作業療法士 との関係や他 の参 加者 との関係な どの環境要 因があ り,それ らの要 因を総合的 に解析す ることは非常 に難 しい.そ こ で本研究では患者 の意識や意欲な どの患者要 因を 中心 として解析 を行 うとともに, あわせて作業療
表8.作業療法士 の評価 によ る対 象 の積極性 と理解度 との関係 作業手順 の理解度
1回の説 明で理解 可能 1回の説 明で理解 困難
作業療法 に積極 的 19例* 17例
*p<0.01,X2‑ 6.742.
法士か らの客観的評価 の情報 を加 味す る ことで考 察 を深めた.
作 業 療 法 をは じめ と した リハ ビ リテ ー シ ョン 活 動 の効 果 に影 響 を与 え る因子 と して 「 動機 付 け
(motivation)」がある.「 動機付け」 とは リハ ビ リテー シ ョンに対す る意欲 で あ り,対象者 の社会 復帰 に対す る意欲 に反映す る.社会復 帰 に対す る 意欲 の指標 として,本研究では退 院 に対す る意識 と作業療法 に対す る意識 に注 目した.統合失調症 患者 の退院へ の意識 については,非常 に高 い とす る先行研究
8,16,17)があ り, リハ ビ リテー シ ョンに対 す る動機付 けを有 して いる症例が多 い と考 え られ た.今 回の調査で も,一刻 も早 くす ぐにで も退院 した い と回答 した者 と今後何年か の間 には退 院 し たい と回答 した者はあわせて60例で,対象者 の半 数 を超 える割合 の退院意欲表 明があった.
統合失調症患者が実際 に退 院す る場合,退院後 の生活形態 は家族 との同居 生活 またはアパー トや グルー プホーム等 を利用 した非 同居生活 のいずれ か とな る.統合 失調症患者 の生活特徴
10・18)と して 判断力や管理能 力の低 さが指摘 されてお り,かか る特徴 は同居す る場合 にはそ の家族 に負担がかか る ことを意 味す る.梁瀬
19 ) は ,精神 障害者本 人の 能 力障害 で あ る 「 精神 障害者 の 日常 生活 ( ADL) 能 力の低 さ」,「 対 人 関係 の拙劣 さや狭 さ」,「 病気 や障害 の受容 の困難 さ」,「 治療や健康管理 の不十 分 さ」 が家族 の悩 み とな って い る状 況 を指 摘 し ている. また,全国精神障害者家族会連合会 の調 査
20)で は精神 障害者 の家族 の悩 み として 「 将来 の 不安や見通 しが立て られ ない不安や焦 り」,「 病気 が回復 して も働 く場や訓練 の場がな い悩み」,「 医 療費な どの経済的負担
」が指摘 されて いる.今 回 の調査で,退 院できな いまたは した くない理 由 と して,家族 へ の負担 と就 労 ( 仕事)の問題が最 も 多か った ことは, これ まで の家族 との生活 を通 し て,家族 が抱 く不安 を患者 自身 も認識 して いる こ
とを示す.
退 院 に対 す る不 安 が 生 じる原 因 のひ とつ には 入 院 にいた る経 過で 体 験 した生活 破綻 の記 憶 が あ る. 一般 的 には失敗 の記 憶 は, 失敗 した状況 に対 す る不 安 を引 き起 こす 一方 で , そ の状 況 に 対す る対処法 を準備す る ことによって不安 の解消 にもつなが る もの と考 え られ る. しか しなが ら,
統合失調症患者 の行動特性
21 ) として過去 の失敗体 験 を生かす ことができな いため,過去 の体験が不 安 を促進す る方 向へ働 く.今 回の調査 では退 院 を 希望す る者60例 中36例 ( 60%)が不安 を感 じてお り, 自由記載 による不安 の内容 として,経済面や 生活 に関す る不安 が多か った.経済的不安 として 収入面 と支 出面 に分 けて考 える ことがで きる.収 入面 の問題 としては期待 できる収入金額が少な い とい う予測 が不安 の主 な原 因 とな る.収入 を多 く す るには就労が解決手段 とな るが,仕事 の手順 な どの飲 み込 みの悪 さや注意 の障害
21 ) を有す る彼 ら に とっては難 しい課題 で ある. これ らの不安 内容 は
壷 10・18,
21 ) の指摘す る生活 の管 理 の問題 と一致 し てお り,今 回の調査対象 とな った統合失調症患者 が入院 に至 る経過 の中で,金銭面での苦労や 生活 に関す る苦労な どの体験 の存在が推察 され る. し たがって,彼 らの不安 を軽減 させ るには,退 院後 の収入 に直結す る具体 的な職業 に関す る訓練 を作 業療法 の内容 に取 り入れ る ことが重要で ある. ま た,著 者 ら
22・23)は,統合 失調症患者 の社 会 生活 に 対す る不安 につ いて,実 生活 上 の経験 を有 して い る ものは有 して いない ものに比べて不安が少な い ことを報告 した. かか る結果 か ら,生活 に関す る 不安 を解 消す るためには,掃除 ・洗濯 ・食事 の準 備 な どの 日常生活 の課題 を作業療法 を通 じて体験
をす る ことが重要である ことが示唆 され る.
作業療法 の効果 に対す る参加者 の意識 は リハ ビ リテー シ ョンへ の動機付 け に影響 を与 える因子 と して重要で ある. なぜ な ら,作業療法参加者が作 業療法 の効果 に疑 問を抱 くと彼 らに とって作業療 法 の時間は無意 味な時間 と認識 され るが,効果が ある と認識 され る と作業療法 に対す る積極性が生 ず るか らで ある.Meeら
24)は精神 障害者 が意 味 を 感 じる ことがで きる作業が作業療法 に対す る動機 付 け を高 め ると報告 して いる.今 回の調査では作 業療法参加者84例 中71例 ( 85%) が作業療法 の治 療効果が ある と回答 して いた.そ の効果 の内容 は
「 規 則正 しい生活 が送れ る
」,「 社会復 帰 のた めの
治療 として,作業経験 が増 える」 とい う社会 生活
を意識 した ものや,「 気分転換」,「 楽 しみ」 とい う
気分 ・感情 と関連 した ものな どで あった
.「 規則正
しい生活 が送れ る」 と 「 社会復帰 のための治療 と
して,作業経験が増える」 と答 えた もの に とって
32 小山内,他
作業療法は退 院 して社会 に復帰す るための手段 と して位置づけ られてお り,社会復帰 に対す る意欲 を高 める要 因 とな って いる と考 え られ る. また,
「 気分転換」,「 楽 しみ」 とい う気分 ・感情 の効果 を答 えた もの につ いて も,作業活 動 によ って精 神 障害 者 の注 意 を幻覚 や 妄想 な どの異常体 験 か ら切 り離す とい う作業療法 の特徴9 ) が治療 的 に働 いて い る と考 え られ る. 作 業療 法 の効果 に関す る先行研究では,作業療法 を通 して作 品を作 る こ とによって作業 に没頭す ることが統合失調症患者 自身に良い影響 を与 えて いる とい う報告2 5 ) や作業 に参加 す る ことが 自己能 力 の形成や 自己 同一性 の確立,生きる意味の再構築 に寄与す る とい う報 告
26・27,28)があ り,今回の対象者 も同様 の ことを実感 できていることを示 している.
作業療法の効果 につ いての対象者 の評価 を退 院 意欲 を有す るもの とそ うでないものに分けて分析 してみる と,作業療法は効果が ある と回答 してい るものは退院を希望す る群
(60例)で
52例
(87%)で あ り,退 院希望 を有 しな い群
(24例)で
19例
(79%)であ り,退院の希望 の有無 にかかわ らず高 い割合 を示 していた. この ことは,作業療法は, 退院 を希望す るものに とっては退院後 の生活 の訓 練 の一環 として とらえ られ,退院を希望 しない者 にとっては気分転換や楽 しみな ど病棟生活 の リズ ム形成 の方法 として とらえ られている と考 え られ た.
作業療法 に対す る積極性 につ いての作業療法参 加者 自身の 自己評価 は,積極的 と回答 した ものが
39例
(46%),作業療法士 にすすめ られれば行 うと 回答 した ものが
36例
(43%),消極的 と回答 した も のが
9例
(11%)で あ り,参加 に対 して否定的な ものは少なか った. この ことは,作業療法 の参加 者が作業療法 の効果 を感 じている ことを反映 して いると考 え られ る. また作業療法士 による評価で も,積極 的 と評価 された ものが
36例
(43%) ,作 業療法士 にすす め られれば行 うと評価 された もの が
34例
(41%),消極 的 と評価 された ものが
14例
(17%)であ り,作業療法参加者の 自己評価 とほぼ 同様 の結果 を示 した. この ことは,参加者の積極 性が実際の作業療法 に対す る態度 に反映 していた ためと考 え られる.
作業療 法 の手順 に対す る理解 度 につ いて の作
業療 法参加 者 自身 の 自己評価 は,作 業 療法士 の 1回 の説 明 で 理解 可 能 と回答 した ものが
35例
(42%),
1回の説 明では理解 困難 と回答 した もの が
48例
(58%)で あ り,半数以上が
1回の説明で は理解 困難 と回答 して いた.統 合 失調症患 者 の 特徴 として作 業能率 の低下 ,集 中力 ・持続 力 の 低 下,融通 性 が乏 しい,疲 れやす い, 習得 が遅 い,手順が悪 い等
10' の仕事場面で の障害や注意 障 害や思考 障害な どの認知機能 の障害
21 ) が あ り, こ のため周 囲の状況 の理解 に乏 しい ものが少な くな い ことか ら,作業工程 の理解 について も同様 の傾 向が現れた と考 え られ る.作業療法士 の評価 で も
1回の説 明で理解 可能 と評価 され た ものが
30例
(36%),
1回の説 明では理解 困難 と評価 され た も のが
54例
(64%)であ り,作業参加者の 自己評価 と同様の傾 向を示 した. したが って,統合失調症 者 に対 して作業指導 を行 うとき, これ らの障害 を 考慮 した指導法が必要 となる.
作業療法時の患者 同士 の対人関係 につ いての作 業療法参加者 自身の 自己評価では対人関係良好 と 回答 した ものが
67例
(82%),困難な場合 あ りと 回答 した ものが
15例
(18%)であったのに対 し, 作業療法士 の評価では対 人関係良好 と評価 された ものが
42例
(50%),困難 な場合 あ りと評価 され た ものが
42例
(50%)であった.患者 同士 の対人 関係が困難 な場合がある と判断 している割合は, 患者 自身よ りも作業療法士 にお いて有意 に高か っ た.統合失調症患者 の対 人関係 の取 り方 の特徴で ある,人づきあいが苦手,社会常識が不十分,他 人へ の気配 りを欠きやす い,他人 との協調困難, 自分 の判 断や評価 が的外れ等
10)の生活 障害 の存在 が,患者 自己評価 と作業療法士評価 の差異 となっ て現れた可能性が示唆 される,
対象の作業療法 に対す る意識 と臨床 因子 との相
関 をみた ところ,作業療法 に対す る積極性 と入院
期間の長 さとの間に有意な相関が認め られた.
10年以上の長期入院者 に作業療法 に積極的 に参加 し
て いる者 の割合が有意 に商 いという今 回の結果 は
い くつかの要 因に起 因 している と考 え られ る.す
なわち,長期入院者では作業療法 をよ り長 く継続
している者が多 く,作業療法が病棟 の 日常生活 に
おける リズム形成 の方法 として肯定的に とらえ ら
れてお り,そ の ことが作業療法へ の積極性 に結び
ついている可能性 も指摘 されよ う.
また,作業療法士 による評価 にお いては,作業 療法の手順 に対す る理解度の低 い患者 の占める割 合が,作業療法 に対 して積極的な群 に比 し,積極 的でない群で有意 に高か った ことが注 目され る.
作業療法 の手順 の理解が困難な患者 は注意障害や 思考 障害 を含 む認知機能 の障害
10,21)が よ り重度 で ある可能性がある. こうした患者が作業手順 をよ く理解で きない場合,作業療法 に目的 を見 出す こ とがで きず,その結果 として作業療法 に対す る動 機付けが暖味 になって しまう危倶が生 じる. こう した事態 を避 けるため,作業療法士 は,理解度 の 低 い患者 の存在 を考慮 し,個 々の患者 の理解 力に 応 じた個別 の作業療法 プログラムを作成す る必要 性がある.
以上の調査 によ り,入院中の統合失調症患者 の 退院意欲は十分 に高 く,作業療法に積極的に取 り 組 んでいる ことが明 らか になった.作業療法 に対 す る意識では多 くの ものが効果がある と感 じてお り,作業療法 の積極性 につながっている と考 え ら れた. また, リハ ビリテー シ ョンを促進す るため には,統合失調症患者 の退院 に関す る不安 の解消 および患者の理解度や対人関係 の特徴 を考慮 した 作業指導の必要性が示唆された.
ま と め
1
.青森県内の精神科病 院
5施設 において作業療 法 を行 って いる統 合失調症患者
84例 を対 象 とし て,対象者の退院に関す る意識 と作業療法 に関す る意識 を調査 した.
2.
退 院 に関す る意識 では対 象者 の
60例
(71%)が退院 を希望 していた.一方,退院希望者 の うち
36例
(60%)が退院 に関す る不安 を抱 えて いた.
不安 の内容は退院後 の収入 に関す る不安,退院後 の 日常生活( 家事 を含 む) につ いての不安が 3割以 上 を示 した. これ らの不安解消 のためには,職業 と密接 に関連 した課題および家事 を含 む 日常生活 の課題 を作業療法 に取 り入れ る必要性が示唆 され た.
3.
作業療法 に関す る意識では
71例
(85%)が効 果がある と感 じてお り,退院の希望 の有無 にかか わ らず
7割 以 上 の割合 を示 して いた. この こと は,退院を希望す るものにとっては退院後 の生活
の訓練の一環 として とらえ られ,退院 を希望 しな い者 にとっては気分転換や楽 しみな ど病棟生活 の リズム形成の方法 として とらえ られて いる ことが 示唆 された.
4.
作業療法 についての患者の 自己評価 と作業療 法士 による評価 との比較検討 を行 った結果,対人 関係 に関す る項 目で有意な差異が認め られた. ま た,作業療法士 による評価項 目間の相 関 を見 た と ころ,患者 の作業療法 に対す る積極性 と理解度 と の間に密接な関係が認め られた.
謝 辞
稿 を終 えるにあた り, ご指導, ご校 閲を頂 きま した弘前大学医学部医学科神経精神医学講座兼子 直教授,医療情報部羽 田隆吉教授 に深謝 いた しま す.本研究 の調査 にあた りご協 力いただきました 弘前愛成会病院,青 い森病 院,桜 田病院,布施病 院,芙蓉会病院の院長な らびに作業療法士 の皆様 に深謝いた します.
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