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神戸市 における被災者の住宅再建 プロセスに関す る調査

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(1)

長崎大学工学部研究報告 第29巻 羊52 平成11

神戸市 における被災者の住宅再建 プロセスに関す る調査

100

高 橋 和 雄 *・松 ノ木 祐 一 **

SuⅣeyonProcessofRecontmctionsofDwellingbyVictimsinRobeCity

by

KazuoTAKAHASHI*andYuuichiMATSUNOKI**

ManyhouseswerebrokenbyHanshinAwajiGreatEarthquake・tnthispaper,processofreconstructionof housesinRobecitylSStudiedbynewspapersandinterviews.Landreadjustmentprojects,determinationprocess, coummumitycreationcouncil,urbanimproverKntandconstructionplansofpublichousingarereported・

1.は じめに

平成7117日に発生 した ,阪神 ・淡路大震災 か ら2ヶ月後の都市計画決定 によ り,神戸市内6地 区 に対 して震災復興土地区画整理 事業,2地区 に対 して 震災復興市街地再開発事業 を含 む住宅再建支援 が決定 した.その上で ,神戸市震災復興住宅整備緊急3ヶ年 計画 とともに ,住宅再建 プログ ラムに基づいて神戸市 は ,各種補助 の活用 を手がか りと した自力再建支援 , 民間賃貸住宅再建支援等の さま ざまな個人 レベルの住 宅再建 を支援 し,恒久住宅確保 に個人 との協力 を軸 に して従前の生活 を取 り戻 そ うと してい る.震災後の被 災者の居住環境確保 は重要 な課題で ある. しか し,震 災後3年 が経過 した現在 において ,住宅再建 は ,当初 描 いていた予想通 りには進んでいない.そ こで ,本研 究では ,被災者の 自宅再建 プロセスを調査 して ,現状 と課題 を明 らかにす る.調査の方法 と して ,神戸新聞 等 によ りまず事態の推移 を時系列的 に整理す る. その 上 で神戸市刊行物 ,各種 資料 を用 いて計画内容 ,経過 な どを把握す る. さらに ,応急仮設住宅入居者 ,神戸 市役所担当者 および まちづ くり協議会代表者 にヒア リ ング調査 を行 い ,住宅再建計画の課鳶 を検討す る.

2.調査方法

神戸市 において阪神 ・淡路大震災 による8万戸 もの 住宅 の倒壊 ・焼失 か ら,住宅 の再建 ,都市 における道

平成1010月16日受理

'社会開発工学科 (Depa爪mentofCivilEngineering) ''大 日本 コンサル タン ト(DainipponConsultant,Co.)

路 ,公園等の都市基盤 の復興 がを図 られている.

本研究 では神戸市の 自宅再建の プ ロセスを時系列 的 に追 ってい くために ,神戸新聞によって状況 を把握 し, 神戸市提供資料 ・刊行物 ,まちづ くりニュース,パ ン

フ レッ ト等 を利用 して情報 を整理 し,住宅再建 プロセ ス ,問題点 を把握す る. さらに ,応急仮設住宅 入居者 , 神戸市役所の担 当者 ,まちづ くり協議会 と,住宅再建 に係わ る箇所に ヒア リング調査 を行 い ,それぞれの現 況 ・生 じた問題 をどう解決 して きたか ,これか らの展 望 ・今後の課題等 につ いて話 を聞いた (秦‑ 1).

‑ 1 ヒア リング詞査対象

調

衣99 応舶庇細 投2 5.6 ふれあいセンター 応桝瑚 臆

灘 搬 it城9ll,1210 神司胡艮 肝 帝椴所

22.23衣101 まちづ<り臓 まちづくり協牡会 朋区

まちづくり儲 会 まちづ<り協 益金

(2)

110 高積 和堆 ・松 ノ木祐一

以上3個所の ヒア リング調査 と,新聞等の刊行物 に よる情報源 をまとめ ることにより,住宅再建 を分野別 にその過程 を明 らかにす る.

3.被災者の住宅再建計画について 3.1 ■業手法の選定経緯

阪神 ・淡路 大震災 に よる大規模 な住宅 の倒壊 や焼 失 ,また ,道路 ,公園 ,公共施設等 ,都市 を構成す る 大量の インフラの喪失 を受 け ,神戸市は震災復共土地 区画整理事業 および震災復興市街地再開発事業 による 面的整備 ,防災 まちづ くり拠点の整備 ,地区計画道路 の整備 ,住宅 の耐震化 ・不燃化 ,公園 ・広場 の整備 , 老朽住宅の共同建て替 え等町の復旧 ,復共作兼 を一体 的に進め る方針 を決めた.まず ,元の位置における住 宅の乱立 を防 ぐために一定の建築制限 を神戸市の整備 予定地区 に課す建築基準法第84条等 ,法 による建築制 限が課 された. しか し,今回のように大規模で ,早急 な住宅再建 ,都市整備 を行 った例 は過去 にな く,しか も採用 された事業 が阪神.淡路大震災か らの復 旧過程 においてその まま当てはめよ うとして も,元 々この事 業手法が確立 され ,用い られて きた背景 とは全 く異 な る性格上 ,手直 しをす る必要性が生 じた.そこで ,案 災特例 を始め ,さまざまな形で弾力的に運用す るため に ,緩和処置 が諌 じられ ,事業 をで きるだけ円滑 に進 め る らゎ ,かつ ,従前の居住環境 が再生 で き得 るよ うな さま ざまな特例措置 な どの形 でサポ ー トして き た.

3.2 主 な市街地の整備手法

ここでは,阪神大震災後の震災復旧においてのみな らず ,都市 を開発す る上で有効な手段 として用い られ る主な市街地の整備手法 を列挙す るとともに ,それぞ れの整備手法 についての簡単 な説明 を加 える.今回の 阪神 ・淡路大東災において ,主 な都市基盤および住宅 の復興手段 と しては ,土地区画整理事業 および市街地 再開発事業 が用い られ ,未曾有の大量都市基盤 インフ

ラ ・住宅の回復 を行 っている.

(1)土地区画整理事業1)

土地区画整理手業 とは,事業区域内で ,それぞれ元 の土地 か ら公平 に土地 を出 し合 って (減歩),生活道 路や公園 ・広場 ・幹線道路等の公共施設 を整備 し,宅 地の形 を整 えることにより,事業区域全体の生活環境 の向上 を図ることを目的 とした,まちづ くりの方法で ある.権利者 は従前の権利の まま,元の条件 に合 う宅 地 に配置換 え され る (換地).

(2)市街地再開発■業 1)

市街地再開発事兼 とは ,緬区 を立休的に整備 し,土 地の合理的かつ健全な高度利用 と都市機能の更新 をは かる事業である.

この事業 は ,低層の木造建築物 が密集 し,生活環境 の悪化 した平面的な市街地 において ,細分化 された敷 地 を広 く統合 し,不燃化 された共 同建築建築物 に建て 替 え,あわせて公園緑地 ・広場 ・街路等の公共施設 と オープンスペースを確保す ることによって ,快適 で安 全 な都市環境 を再生 させ るもので ある.

4.土地区画整理事業および市街地再開発事業の■業 手法遺定理 由

阪神大震災 は ,我が国において初 めて社会的な講横 能 が高度に集積 した都市 を直撃 した「都市直下型地震」

で あり,現在の都市における地震災害に対す る脆弱性 が露呈 した. その具体的内容 は ,次 の5点 に示 され る.

(》 木造密集地城等都市基盤の未整備 な市街地 で火災 が発生 し,広範 な焼失が生 じた ことによ り,市衝地 の防災性の向上 を図 る上での面的整備等の重要性 が 認識 された.

(診 避難地 .避難路 ,防災拠点等が適切 に確保 されな かった地域 において ,避難 ,支援 ,復旧等の活動 に 支障 が生 じた り,土砂災害 ・2次災害の危険個所等 が発生 し,都市 にとって安全確保のための施設整備 の重要性 が認識 された.

住民 による日常の まちづ くり活動の有無が ,復興 の立 ち上 が りの速度 を左右す ることが明 らかにな り,その面 での行政の支援 策の必要性 が認識 され .

④ 神戸市の戦災復興土地区商整理事業 が行われた地 域 において ,道路 ,公園 ,耐火建築物等によ り延焼 が くい止め られた実績がある一方で .老朽木造住宅 が密集 し,都市基盤整備が遅れ た市街地 においては 広範 な地域の焼失が見 られた.

神戸市 は昔 .耕地整理 を行 ってお り,100m単位

角で田畑の整理 を行 った.荷車用の道 さえあれば良 かったため.1.8m‑2.7mの私道で構成 されていた.

それ を今回防災 目的で,4‑6mの公道 に作 り替 える 必要 があった.

以上の5点か ら,震災後の都市における防災対策に つ いては ,都市計画道路等の骨格 的施設の計画的な整 備 .防火地域の拍定等による建築物の不燃化による避 難路等の確保 による防災性の向上等の都市 レベルでの 防災対策に加 え,震災に伴 い同時多発火災への対応力

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神戸市 における被災者の住宅再建 プロセスに関す る調査

を備 えるため ,地区 レベルでの避難路の確保 ,延焼防 止機能の確保等 を図 ることが必要である.地区におけ る延焼防止機能 は ,道路 ,公園等の施設の整備状況 , 建築物の建て詰 まり状況 ,建築物の構造 ,老朽度等に 起 因するところが大 きく,これ らの状況の改善 を図っ てい くことが課題 となる.特 に密集市街地 においては, 道路 ,公園等の公共施設の整備状況 が十分ではな く, 老朽木造建築物 が密集 している状況 にある.

地区 レベルの防災性の向上 を図ってい く上 では ,道 路 ,公園等の公共施設の整備 により,避難路 ,延焼防 止機能の確保等 を図ることが重要であるが ,この場合 , 個々の施設等の整備 によるだけでは ,必要 な積能の確 保 が困難であることか ら,地区内の道路 ,公園等の公 共施設 と耐火建 築物等 を一体 的 に整備す る ことによ り,地区 レベルの避難路 ,延焼防止機能の確保 を図 る ことがで きる. また,これ とあわせて ,被災家屋の除 去 ,敷地 ,建物等の共同化 ・準耐火の促進等 によ り, 地震時の同時多発火災による焼失被害の現象効果 を得

ることがで きるよ うになる.

さらに ,災害復興 を神戸市単独 でや ろうとす ると, 予算の不足 によ り,十分 な措置 を講 じることがで きず , 国庫補助 を受 ける必要 があった.そのために ,新 しい 事業方法で対応す ることがで きず ,既存の確立 された 方法で ,災害復興 をせ ざるを得 なかった.一方で神戸 市 は ,戦災復興 における戦災復興土地区画整理事業 を 行 った地区で ,一定の延焼防止効果が認め られてお り,

さらに面的な整備手法の必要性 か ら,土地区画整理事 莱 ,市街地再開発事業 が採用 された (図‑ 1).

一 1 恒久住宅取得の概要

5.土地区画整理事業

5.1 震災復興土地区画整理事業

神戸市では,震災発生後 ,平成7126日に震災 復興本部 を設置 し,131日に 「震災復興市街地 ・住 宅緊急整備の基本方針」 を発表 した. この基本方針に 基づ き,21日に建築基準法第84条 による建築規制 6地区 (約233ヘ クタール) に適 用 した. その後 ,

111

221日に神戸市内5地区 ,すなわち ,東灘区森南地 (16.7ヘクタール),灘区六甲道駅西地区 (19.7ヘ ク タール),兵庫 区松 本地区 (8.9ヘ クタール),長 田区 御菅地区 (10.1ヘ クタール),長 田区新長田 ・鹿取地 (69.2へ クタ‑ル)について ,区画整理事業 を適 用 す ることを決定 した (‑ 2,秦‑ 2).

1 4

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③ 既lIl 竃 9:i‑̲T4TS3:蓋i 8 .3o L ミ78 4 84 4 34 14=2

44 12 まちづ くり協議会区域指定図

‑2 ‑2と地区名の対応表

地 区 名 該当番号 (※)

森南地区 ①

′ヽ @

松本地 云 ④

御菅地区 ⑤

斬良田 .鷹取地夏 & @

‑2の番号 に対応

2月28日か らは土地区画整理事業の施工区域の地区 計画案の縦覧 を2週間にわたって行 い,316日に兵 庫 県都 市 計 画地 方 音 議 会 にお い て ,区画整理 地 区 (124.6ヘ クタール)の震災復興区画整理事業地区 を決 定 した.

‑3 まちづ くりの進め方

従 来 の都 市 計 画 で は ,都 市 計画 決 定 一事業 決 定 (‑ 3) とい う形 を取 ってい くが ,今回は第1段階

(4)

112 高構 和雄 ・松 ノ木祐一

の都市計画決定‑第2段階の都市計画決定一事業決定 とい うよ うに,2段階の都市計画決定が行 われ る.

まちづ くり協議会結成後 ,その中で役員会 を結成 し, まちづ くり協議会役員 ,神戸市の それぞれの地区の担 当戦員 ,ゴンサル タン トの3着 を交 え,現地相談所 , まちづ くりセンターの コンサル タン ト派遣制度 による まちづ くり専門家の ア ドバ イス ,住民への アンケー ト 調査 を利用 し,まちづ くり提案 を作成 ,提出 し,2 階 目の都市計画案の決定 となる. また,計画の進捗状 況 は,まちづ くりニュース ,住民総会 を通 じて ,住民 へ定期的に伝 えられ る.

さらに ,神戸市 か らの事業計画案の捷示 を経 て ,辛 業計画の決定 となる.

その後地区計画 を作成す るにあたり,住宅再建 ・防 災 ・公園等について ,それぞれ専門部会 を結成 し,地 区内の景耕 ,道路の舗装方法 ,街路樹 ,街灯の設置場 所 ,電線類地 中化 ,無電柱化等地区内の設置物 に関 し ての決定 を行 い ,地区計画の素案の作成作業 を始める.

また一方で ,事業化決定後 に仮換地指定の相談 を,個 人個人行 ってい く.

区画整理審議会委員の選挙 ,審議 を経 た後地区計画 の素案 を提 出 し,現地事務所等で公告 ・縦覧 を終 え, 神戸市 は ,仮換地指定 をは じめ ,仮換地指定 を終 える

と,順次住宅再建 となる.

5.2 共同 ・協調建替2)

(1)共同建替

被災市街地復興土地区画整理事業施工地区内に 「 興共同住宅区」 を設 け,申 し出により換地 を住宅区内 に集約す ることとし (被災市街地復興特別措置法11条 , 1214条),一定規模以下の宅地 については ,申 し出 によ り復興共 同住宅 区内の土地の共有部分 を与 える (被災市街地復興特別措置法13,14条) とす る新制 度 が与 えられた. これによ り.共同住宅の建設 を希望 す るものや施工地区内に散在す る小規模宅地 について

図‑4 建物の共同化

住宅内に換地 を集約 し,共同住宅 を建設す ることを可 能 としている (一 4).

以下 ,共同建築物 についての権利関係 ,建て替 えの メ リッ ト,間薦点 について述べ る.

(a)共同建て替 えの メリッ ト

土地 を有効 ,高度利用す る事によ り,保留床 (自分 が使わない建物の床)が生 まれ ,この保留床 を売却す ることにより,あるいは賃貸住宅 に した りして ,建築 資金の全部 または一部に充 当す ることが出来 る.売却 の場合 は地権者の土地持ち分は減 るが,資金負担分 を 軽 くし,実質的には必要 な住宅や事務所 を確保す るこ

とが出来 る.

(b)建築費補助

地方公共団体が施工す る事業 においては ,土地区画 整理法上 ,保留地は ,その処分対価 を事業費に充てる 目的で定めるもの しか認め られていない. しか し,被 渓地では ,被災者向 けの公営住宅や防災施設等の公共 施設の建設が必要 となるため ,保留地 によ り適切 な用 地 を確保 しようとす る制度 と して ,公営住宅確保分 と

して一定の効果 を上 げると期待で きる.

共同建香は ,有料建築物等整備事業や住宅市街地総 合整備事業による公的資金の導入 (補助金)が可能で ある.一定の条件 を満たせば ,補助対象項 目にかかる 費用の うち,5分の 4 (被災市街地の特例 として ,捕 助率が改善 された.普段は 3分の 2)の補助金 を国 ・ 地方公共団体 が負担す る.残 りの5分の 1に対 しては , 地元地権者の負担になる. (秦‑ 3).

‑3 補助対象項 目3)

調査設計計画升 jj雌 朔棚 事務費

①鮒 (証幽物 ①虫鱒

② 1 角離 鵬 .御用温

③雌梅軒一 ②臓姫繍

座換 犠牌 鱒

力切る

(C)問題点

共同化 に関す る問題点 をまとめると (図‑ 5)の結 果 となる.資金面 を除いて ,一番の問題点 はグループ をいかにまとめるか,と言 うことである.共同化 を希 望す るグループの中で ,誰か一人 ,共同化への意志 を

(5)

神戸市 における被災者の住宅再建 プロセスに関す る調査

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‑ 5 共 同化の法的な問題点

牽引 してい くリーダー存在 が不可欠 で ある ,これ は , 共 同化の規模 が大 きくなればなる程言 えることで ,烏 合の衆では ,共同化 がスムーズに運 ばず ,話 し合 いが 長期化 した結果断念 して しまうおそれがある.代表者 は率先 して設計 ,グル ープ間の調整 ,完成予想図 を示 す ,一戸建 てに対 して建築費用の低廉化 を納得 させ る 等 ,作業 を進めてい き共 同化の メ リッ トをその グル ー プ内に強調 し,グル ープの意志 をまとめなければグル ー プへ 共 同化へ の 意 志 が固 ま らな くな って しま う.

(‑ 6).

16 共 同化 グループの間寓点

(2)協調建 て替 え

協調住宅化 (図‑ 7)す ることで ,排水施設設備費 , 電気工事費 ,建築費等 がほぼ同 じ為 ,それぞれ個別 に 住宅 を建 て るのに比べ ,コス トを安 く抑 えることが可 能 になる. しか も,家のデザ インをお互 いに揃 えるこ

とで壁 を接す ることがで き,結果 と して建ぺ い率 をか さ上 げで きるよ うになる.

Li 一 .i/ ・ .'T1 4 . ‑7 建物の協調化

113

ただ ,隣 り合 う住宅 同士壁 を共有す る形 になるので , グル ープの何人かがプ ライバ シーを阻害 され るとして 協調建 て替 えの合意形成 が進 まな くな り. この ために 一戸建 て を希望す る住民 が出て きて ,協調住宅 もやは

り計画途 中で頓挫す るケースが見 られ た.

共同建 て替 えと同様 に ,協調建 て替 えを志望す るグ ループの 中に信用で きるコンサル タン トな り,建築士 がいて完成予想図 を描 き,グル ープを説得 し信用 させ , 協調建 て替 えの メ リッ トを協調す ることで住民の同意

を取 り付 けなければ協調化 は難 しい と言 えよ う.

資金 的な問題 が もっとも大 きな課題である.高齢の ため ロー ンを組めなかった り,2重 ローンになるため 拒絶 した り,決断の意思 を統一 しない と再建 で きな く なる. しか も,そ うい った計画段階での遅れ等 によ り 時間 が経過す ることによって ,住民同士の協調建 て替 えへの統一意志 が揺 らぐ問題 も生 じている.

5.3 震 災復興土地区画整理事業の経過 と現状 ‑4 震災復興土地区画整理事業の現状 4)

地区名 世 帯 数 事 業 の 進 行 状 況 森有 I.50ltW T3裂 3丁目も979月に企民

一6 秦を掘出 ブ棚 1.$一6割10世辞 11% 蜘粕定 4一494世好 54%朝 弧 指定 薪斑1柑ヒ a2‑5割67tg 14%

松本 I.24‑506tW A)%棚

世相敦 554t# 14% 定971lOノ別働

‑3 灘 二

哲西 3‑3割31世辞 定 脚 瑞 江 1.74711蛸ぎ 979ユ抑 二L0%を仮換

一3‑5 地碇

現在の進行状況 を見 てみ ると (秦‑ 4参照),森南 地区 を除 いて ,事業計画 が決定 し,御菅西地区 を除 い て仮換地指定 が進め られてい るが. ヒア リングによれ ば その過程 にお いて 多 くの住 民の反対 が あった とい う. これ らは まちづ くり協議会の役員の対応 によ り住 民の理解 を得 ることが出来 たが ,役員の精神的な負担 が重 いために ,役員会 か ら脱退す る人 もいた. まちづ くり協議会の体力が震災後2年 目,3年 目と時間の経 過 とともにな くなって きている,役貝会 を脱退す る住 民や ,住民総会の出席率の減少等がこれ を示 してい る.

震災復興 区画整理事業の事業区域の まちづ くり協議会 には ,面積 と世帯数 を元 に して ,年間20‑100万 円の 活動助成金 が支給 され ているが ,まちづ くりの根拠 と

(6)

114 高橋 和雄 ・松 ノ木祐一

なるまちづ くり助成の震災特例要綱 は3年 が期限.辛 103月末で効力は失効 して しまう. しかも,まち づ くりの助成金が今年の3月で失効す ることが決定 し てお り,今後の協議会の活動 に支障 を来す もの と思わ れ る.一方 ヒア リング調査により,まちづ くり協議会 の役割 が ,神戸市への住民の意見の総意 を伝 えるもの か ら,仮換地指定が始 まるとともに住民間の意見調整 , 対案の提示等 ,地区内の調整へ と変化 して来ているこ

とが分 かった.

6.市街地再開発事業

平成7317日の都市計画決定 により神戸市内2 地区が指定 された. これに対 して反対の意見書等が数 多 く出 されたことによ り,神戸市は決定後住民 との協 議の中で ,実質的に都市計画の2段階化 となった. こ れ を受 けて当該地区の 中で ,計8地区の まちづ くり協 議会が結成 され ,以後 まちづ くり計画案の作成 に取 り

かかっていった.(図‑ 8)

‑8 震災復興市街地再開発事業地区

今回は対象 となる権利者 が非常 に多いため ,第2 の全面 買収 によ る管理 処分方式 が採 用 され ,以後 , (図‑9)の よ うな方法で事業 が進め られ た.その過 程で公園の形状 ・配置の変更案 ,近隣公園の必要性 , 建物の床価格 ,再開発事業 における用途配置へ と,棉 次兼定作業 が進め られていった.第二種 による全面買 収方式 による再開発事業が進め られてい く中での問題 は ,突然の事業計画決定 による混乱 を収め ることと, 大 多数の中で少数の意見 をどう凍み上 げ,意見の総体

として まとめ るかとい うことであった.一方で ,住民 はそれぞれ残存建築物等資産の補価額 ,再開発 ビルの 床価格 ・入居時期等 ,自分の生活関連事項 に集 中 し, 全体 と しての意見の統一が難 しかった.

‑9 市街地再開発事業の流れ

事業計画が管理処分の段階 に入 り,資産評価 ,取得 床指定が進め られてい く中で ,再開発 ビル建設費の大 部分 を占め る保留床の処分 (‑10)が進 まないば か りか,従前資産評価額 が低 く見積 もられてお り,ヒ ア リング調査 によると,ビルの建設計画が途中で頓挫

しているケースがあった.

‑10 再開発 ビルの建設費 7.公的住宅の確保

大規模 な住宅の損失分補填 としての公的住宅の大量 供給 (秦‑ 5) は,資金難 による被災者の恒久住宅取 得手段 ,応急仮設住宅解消手段 として公的住宅への入 居は位置付 け られている.公営住宅の建設予定戸数は 当初16.000戸で あったが,22,910戸 に上方修 正 した

(‑ll).

また ,平成10年から施行予定であった公営住宅法の 前倒 しと,寅災特例の特別減免により2重の家賃低減 策が採用 された. しか し,震災特例は ,5年間の時限 立法で あ り,平成12年 には失効す る.被災者 は高齢者

(7)

神戸市 における被災者の住宅再建 プ ロセスに関す る調査

‑5 神戸市のす まい復興 プ ランの概要5)

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公蜘 公馳り上ー .2怖 lGl仰 戸 鰍用雪応じた州拾.租 借眠り 彰鶴 見捜し 桝蜘 し .t邸や肘劫こ応じた供給 .商蛤蔀頚i放した盤

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‑11 公営住宅供給場所 と戸数

が多いことか ら収入手段 としての雇用が少 な く,2重 の家賃低減化措置無 しには住み続 けるのが難 しくなる 可能性 がある.

公営住宅取得の方法 として抽選方式 による振 り分 け が行 われているが ,これは従前の居住地区への回帰 に は繋 が らず ,従前居住地区に戻 るためにもう1段階踏 まなければ戻れ ない構図 となっている.

現在従前の居住地区に戻 って きていない住民 を,土 地 区画整理 事業 地 区で見 てみ ると国‑12の よ うにな る. これ を見 ると,従前居住地区にいまだ戻 っていな い住民がい る.

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115

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10

爾 六 甲 六 斬長 松 本 御 t 卿

鷹取 鷹取

遭駅 遭 田駅 西 豪第 真第

西 地 区名

図‑12 地区別の世帯数 回復率

8.まとめ

本調査では,神戸市 を例 に住宅の 自力再建 を可能 と す る震災復興土地区画整理事業 および震災復興市街地 再開発事業 を中心 に ,公営住宅 における住宅供給 を含 めた恒 久住宅取得 の プ ロセスを各分野 にわ けて証 明 し,住宅分野の復旧 ・復興のプロセスの明示 とともに そこに顕在化 して きた問題点 を明 らかに した.

その結果 ,分 かった ことをまとめ ると

(1) まちづ くり協議会の役割 が今 後 ,上物整備へ の 支援 中心へ変化 してい る.

(2)共 同 ・協調建菅 はプ ライバ シー保護 の面 ,一戸 建 てへの思い入れの強 さの面で ,被災者 は ,あまり 望 まない.また ,建 て替 えグループ間の合意形成 が 法的 ,権利調整等の理由で難航 している.

(3)共 同 ・協調建菅 を成功 させ るには建替 グル ープ の 中に信用で きるコンサル タン ト,建築家が必要 で ある.外部の人間に対 しては不信感 を抱 き信頼で き ないことが主要 因 と して考 えられ ,グル ープでの建 て替 えに関 して消極的になるケースが ,多々見 られ るようで ある.

(4) まちづ くり協議会 に対 して ,今後の住宅再建 の 相談役 として失効後 も機能す るために ,何 らかの資 金 を補助す る必要 がある.

(5)再開発 ビルの建設 が難航 していることの原因は , 従前資産評価額の低下 ,保留床の処分状況の停滞 で あることと思われ る.

(6)住民 に対 し,事業 内容の必要性 を納得 させ るこ とで ,事業初期の混乱 による計画の遅れ を減 らす こ とが出来 ると思われ る.

(7)再 開発 ビルの建設資金 調達方 法の大半 を占め る 保留床の処分過程 において ,補助金の導入等によ り 価格 を抑 え,処分 を容易にす る必要 がある.

(8)恒久住宅 と して入居 した公営住宅 の家賃 に関 し て ,時限立法 による家賃軽減 であること,入居す る 被災者 が高齢者 が多 く収入手段 と しての雇用が期待

(8)

116 高橋 和雄 ・松 ノ木祐一

で きず,2重 の家賃軽減化措置無 しには住み続 ける のが難 しくな ることが分 かった.

(9)公営住宅 につ いて ,時限立法特別家賃減 免制度 と,公営住宅 法の応能応益負担 による段階的な家賃 減免 を組み合 わせた2重の家賃減免制度 は ,公営住 宅への移行 によ り応急仮設住宅の早期解消 とい う面 か ら勘案す ると一定の効果 を上 げているが ,恒久的 な住宅椿 には至 らず ,時限立法 と して初期的な住宅 間者の解決法 に留 まってい る.ゆえに恒久的な対策

とな りうる方策 を練 る必要 がある.

(10)特別減 免制度 が失効す る平成12年度末 まで に従 前地 区への転居 を可能 とす る法的な便通措置 などの 道標 を指 し示 す必要 がある.

本研究 を行 うにあたって ,神戸市都市計画局復興区 画整備部 ,神戸市内の街づ くり協議全役貞 ,応急仮設

住宅団地の民生委貞 ,および神戸市 中部土木事務所の 板東啓一郎氏にお世話 になった ことを付記す る.

1)都市防災実務ハ ン ドブ ック編集委貞会 :都市防災 実務ハ ン ドブ ック地震防災絹 ,ぎょうせ い ,全249 ,1997.9.

2)神戸市弁護士会寮災復興対策本部 :震災復興の街 づ くりと法 ,三省堂,pp.91‑95,1996.8.

3)全国市街地再開発協会 :民間 による市街地再開発 事業の あ らま し,1997.9.

4)神戸新聞 :199811

5)神戸市 :神戸の住 まい復興 プ ランへ 「住みたい町 . 住み続 けたい町.神戸」の一 日も早 い再生 を目指 し て〜,1996.7.

参照

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