あ と が き
過日、新採で赴任した中学校の時の教え子たちの集まりに招待され、昔話に花を咲かせ楽しい一時 を過ごしました。中学1年生で担任をし、翌年度他校への転勤以来でしたので、その子たちと会うの は実に27年ぶりでした。40歳になっても中学校当時の無邪気さが見え隠れし、なっかしい気持ちで大 勢の人と話をしました。その会に、現在静岡市に住んでいる教え子(女性)が出席しており、いろい ろな話をするうちに、彼女の子どもの友だちが附属小学校に通っていたということで、附属静岡小学 校の子どもの話へと進みで行きました。附属小学校の子どもは明るく伸び伸びしており、自分の考え や気持ちをしっかり話すことができる子が多いということ、そして、ひとりひとりが個性的で上級生 になるにつれ意欲的で追究心が旺盛になるということを聞き、外部の人が附属小学校の子どもをどう 見ているのかの一端を知ることができたと同時に少しうれしい気持ちになりました。なぜなら、本校 の日々の営みが、私たちのめざす「自らをきりひらく子」の具体的な姿で評価されたように思えたか
らです。
さて、本校では平成12年度にそれまでの5年間の研究の成果を「学びをひらく〜その子ならではの 学びを求めて〜」にまとめ、本校の研究・実践を広く世に問う機会といたしました。平成13年度以降 は、5年間の研究の成果を踏まえ、「その子ならではの学び」をさらに探る方向で、日々の授業実践 を積み上げてきております。
昨年度からは、「自分らしくな?ていく 子どもと教師との営み」を副題にかかげ、また、本年度 は次のノ2点を視点に研究を進めてきました。
(1)友達の論理との絡みにおけるその子ならではの学びを構想する。
(2)「とらえ・願い・関わり」からその教師の内面に迫り、教師の学びを探る。
子どもの学びをとらえようとする研究を進める中で、私たちは児童や教材に鋭く迫る教師にも着目 してきました。そこには、ひとりひとりの子どもの表れや感じ方・その子の思いやこだわりなどをと らえようとする教師、その子らしさを発揮させることを願い子どもに関わろうとする教師、自分のと らえ・関わりをふり返り、自らの内面を見っめる教師等々、研究を通して自らを鍛えようとする教師 の姿がありました。そして、子どもについて語る教師、語り合う教師集団がありました。
私たちはこのような研究実践を通して、子ども同士、子どもと教師、教師同士が、互いに信頼のき ずなで強く結ばれ、子どもや教師にとって自らを成長させる学びの場としての学校が創造できるので
はないかと思っております。し、かし、研究を深めれば深めるほど、新たな課題が生まれてくるのが現 状です。本紀要に記載されている実践記録は、本校教官が、子どもたちひとりひとりのより確かな成 長を願い、日々実践した記録です。ご一読の上、皆様方のご教示、ご批正をいただければ幸いであり
ます。
来年度はいよいよ国立大学法人化スタートの年になります。本校も新しいシステムの中で特色ある 学校づくりをめざすことになりますが、私たちは、実践的な教育研究を核にした学校づくりを継続し ていきたいとの強い意志を持ち、さらに力強い歩みを進めてまいります。今後ともご支援の程よろし
くお願い申し上げます。
終わりに、本年度本校の研究活動に、終始温かなご指導、お力添えをいただきました諸先生方に心 より御礼申し上げます。
平成16年3月
静岡大学教育学部附属静岡小学校 副 校 長 池 谷 久 治
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