プロジェクトの経済評価便覧:?方法編
著者 田部 昇, TABE Noboru
ページ 1‑144
発行年 1973‑12‑20
URL http://hdl.handle.net/10723/1244
0
スクミ き し
は
ア ジア経 済 研 究所 は,昭和 46〜 47年の2カ 年計 画 で,プ ロ ジェク トの
経 済 評 価 方 法 を マニ ュア ル として作 成 す る ため,『 経 済 協 カ プ ロジ ェ ク トの 評 価 方 法 』調 査 委 員 会 (主査 田部 昇 )を設 け,OECD,英 国 海外 開発 庁 等 の作 成 した 既 存 の マニ ュア ル の内容 検 討 を行 な い つ つ,と くに,プ ロジ
ェ ク トの経 済 分 析 の分 野 にお け る方 法論 上 の問 題 点 を研 究 した 。
本書 は そ の成 果 で あ る 。本 便 覧 の作 成 に あ た っ て留意 した点 は,プ ロジ ェ
ク トの性 格,目 的 に対 応 した評 価 方 法 を 選択 す る こと,そ して採 用 され た手 法 に も とづ い て統 計 的 に費 用 と便 益 の 計測 が 可能 とな る よ うな チ ェ ック・ ポ
イ ン トを あ き らか に した こ とで あ る 。
本書 の構 成 は,総論 で プ ロ ジ ェク トの計 画 化 か ら決定 まで の プ ロ セス に必 要 な経 済 評 価 手 法, と りわ け,社会 的費 用 ・ 便 益 分析 (Socia】 Cost Be―
nefit Analysis)につ い て概 説 し,各論 で は,プ ロ ジ ェク トの活 動 型 態 に 固 有 な技 術 的 特 性 に留 意 し, 24種類 の プ ロジ ェ ク トにつ い て そ れ ぞれ 採 用 され た方 法 に も とづ い て統 計 的 に費 用 と使 益 の識 別,そ の定量 化 が可 能 と な る よ うな チ ェ ック ・ ポ イ ン トを解 説 して い る 。補論 は,わが国 で実施 した
開 発 調 査 プ ロジ ェク トの事 例 か ら経済 評 価 の方 法 上 の特 徴 を 11の ケース に つ い て紹 介 してい る。 ,
な お,本書 の続 編 として社 会 的 費 用 便益 分 析 の理 論 的 諸 問題 を扱 う「 理論 編 」,国際 機 関 の調 査 事 例 と方法 論 を紹 介 す る「 国 際 機 関 編 」,お よび,プ
:―
ロ ジェタ ト分析 と評 価 の具体 的作業 に必 要 な経 験 的 デ ー タを集 成 す る「 資 料 編 」 の 刊 行 を予 定 して い る 。
本書 が,発展途 上 国 の 開発 プ ロジ ェク トに参カロされ る専 門 家 の手 引 書 と して利 用 され る こ とを期 待 した い 。
昭 和48年 9月
ア ジ ア経 済 研 究 所 経 済 協 力 調 査 室
:!―
次 目
総論 プロジェタ トの分析 と経済評価
1.: : ! : : : : : .1'i
.… … ・ … : … …
「 il l l
は しが き
1.分析 の範 囲・ 区分・ 手llE … ‐…… ………… …
… …
… …
…ヽ6
(│)
(1)
lli)
(v)
計画 とプ ロジェタ トの関係 ………・ ………:「 … .… … 3 プ ロジ ェタ ト分析 の二 つ の機 能 ……… ̲. 5
経 済評価 の手 順 … ……… …・… ………… ………
1‑‐ 7
潜 在価格 (Shadow price)……
… …‐一 …… ̲… ■…………‐ 10 労 働 の社会 的費 用
…… ……… ‐…… Ⅲ.1二Ⅲ……… 13 資本 の計 算価格 ……… ……・……… │… i ……・ …
… ……115
外 貨 の計 算 価格 …
………二.……… ■.…………・ 18 2
プ ロ ジェ タ ト評価 の諸 段階 15
(│)
(1)
lllil
lv) リ トル・ マ ー リーズ価 額イヒ方 式.,■i…, 19 社 会的費用使益分析の適用 のために…Ⅲ■ 「│ .1■ ..1.̲:・ 121 (│)意義 ……… ………・ …,'……■…卜…… … …Ⅲ`
….21 (1)適用 のための 諸段階 ……… …二…1… ……■■■…Ⅲ…………r… 24
1)残
され た諸 問題…………ム…………■
̲●
∴… …■………■、‐ 29 4.プロジェク トの総 合的評価: ―一考 え方 と審査 内容 一… ………
…・ ::::: ̲… …… … 53
―‖―
各 論 プ ロジ ェタ ト別 経 済 評 価 方 法
は じが き … …:・ …… … ……' … … … … … … …
序 論 農 業 プ ロ ジェ ク
§ 農 業 部 門
卜の経 済 評 価手 法 … … … … …… …
(l)概要
(‖)コ ス ト
00 ベ ネフ ィ ッ ト・
4vlペ ネ フィ ッ ト計 算
(vl IRRの 計算 .
0)感
応 度分析 …… ………… ………
…
…
…
1.農林畜 水産
… … …
… …
……
…
`
一
α
)一
般 的共通 事 項…
……
… …… … …
…
(i)プ ロジェク トの概 要 と背景
(1)技術 的要 件
0)資金・経済的要件
0)特
定 タイ プの プ ロジェタ ト… ………
……
・
(l)試験 研 究,種子 ・家畜改 良プ ロジェ ク ト … …
…… …
・
(D 普 及 サー ビス,訓練 プ ロジエタ ト
… ………
I
(1)金融 関係 プ ロジェク ト
(V)流通,貯蔵 。カロエ プ ロジェク ト
lvl 水産 関係 プ ロ ジ ェク ト
│)林 業 関 係 プ ロジ ェ ク ト 農 業 土 木一― 灌概 一
‑lV―
43 43
45 45 46 48 53 57 59
61 62 65 66 69 72 76 74 175 76 77 79 8o
0 プ ロ ジ ェ ク
0)技術的要件
m)資金,経済的要件
80 81 86 90 9o (vl プ ロ ジ ェ ク トの 目標 Ⅲ
lv)年生 産 額 …… … … … …
0)増
加生 産の影響…
Ⅲ.Ⅲ
… ……
…
…
… 91 01)生産物の価格 …
… …………‐・ … …
…
91
00 価格変動要因 91
ω 市 場施 設 ……… … ….…… 91
侠)生産 物 の品 質 につ い て … ……… … … … … 91
農 業土 木 一一 土 地 改 良 ………‐…… … ……:一‑ 92
(1)プ ロ ジ ェク トの概要 と背 景 … ……… … ・ 92 0)プ ロジ ェク トの地形,面積 … ………1: …… … … 92
(‖)気 象 …… … … …… ……… … … ……… … ……… … …… …∵… 92
6vl 土 壊 ……… … ……… … … … … … 92
l1/1 農 業 の現
0)農
村社会 ID 将 来 にお0‖
)濯
漑 用水ω
建 設事 業
況 : ::::■ … 96
経 済 の現 状 ……… ……… …∴
「
…=■ ……….…… 95
け る農 業 ¨∵.… … ・ ………… 1■ … 95
……… ・ ¨ ―… … ‐ 94
lxl 土 地 95
は
)用
水 (濯漑 プ ロジェ タ ト)………… ………:
… 95 鰊i)労働 力…… … ……
…
… …… ……
… …
…
95
0cl)関 連必要投 資
…………・ …… … …
: r…
………
96
帥)管理
)費用 と便益 の計算
…… …… ………・111.::二 1:… ■■̲
農 業土 木 一一 千 拓事 業 …………・ :::::■ ¨.1.:::̲.■ :̲l.
(│)プ ロジェク トの概 要 と背景
0)技
術 的要 件……… …
………
…… ∴::■ ■…■1.…
(‖
)将
来 にお け る農業発展計画 ……・ …………1.… :.………
lvl 工 事 の種類,内容
.…
……… ……●::1……二…… ………lVl 土 地
■ ……
………
…
…
…1…
…
■
.…
…0)用
水 ………… ……………
… …… …………1… … … …
)労働 力
11)関連必要投資
lxl 管理 … … … ….… … … …
k)便
益 の計算 … ………:… ……… 1 :.§ 工 業 部 門
.
序論
石 油化 学工業 プ ロジェク トの経 済評 価手法・・l… ……
……
(I)産業 として の特徴―― 概要 … …
■
―:……
…
:
(1)評価 の基本 的考 え方
…… li………ふ…:●: :
96 96 97 97 97 97 98 98 99 99 99 99 99
5.石油化 学 … …
fA)計画 の評 価 ―
101 101 106 115 116 (i)プ ロジェタ トの基本構想
…
…
…… ……・:1・ :1 113 0)フィージビリティ調査 のチ三ック・ポイント1… 11■ ….11… …117
0
プ ロジ=ク トの分析 ………… ………… …:.I.:1■│:1 126 (│)プ ロジェ ク トの概 要 と背景
……■
':■
i:1111.ヽ│):¨ ̲125
‐Vi―
0)技術的要件
0)経済的要件 肥 料 工 業
:1・l.214
126
'6. 151
(│)プ ロ ジェク トの概 要 と背景
… ……:… … … ………
161
(1)技術 的要 件
…
… …… …
…
…162
00 経 済的 要件
……
………
11 ,
………154
〔補論 〕 東南アジアにおける石油化学計画の現実 158
(i)ECAFEに
おけ る石油化学計画 ―― 共同市場構 想 の問題 点 一―
……… ……… … ……
138
0)タ イの石油化学計画一― 原料 ナフサ価格 と誘導品計 画へ の影 響 ―一
…
…
…
1
…142
0)イ ランの石油化学計画 ―一 原料志 向プ ロジェク卜 と 日本 の 販 売 ル ー トの 結 合 一― … … … … … ……
ア
そ の他 の工業
0)工
業生 産 の特徴144 148 148 149 150 151 155
155 Jρ5
…156 156
0)製品の選択 … … … … …
0)経営基盤の選択 ………… … …… ……
(V)技術 の選択 lvl 原 料,製品 の供給
§ 交 通 部 門
8 橋
0) 0)
梁
プ ロ ジ ェタ 技 術 的 要 件
A 計 画 一般
卜の概 要 と背景
二V‖二
B C D
壁存 橋架 維持 資金・
施 設 お よび 当 該 計 画 ……… … ……… … 158
使 用 (交通 量 )計画 ……… … … … … …159
管理 …… … …… ……… … … … …… … …… … … 160
経 済 的要 件 … … …… ……… … ・ …… …・161
10. 湾 12. 0) 鉄 0) (") lli) 港 (│) (‖) 0) 空 (i) 0) (‖) 道 (i) 0) m) 道 プ ロジ ェ タ トの概 要 と背 景 …… ………… … … … 技 術 的要 件 … …・ … . ■ … … … … … …∵ 資 金 :経済 的要 件 .: ¨ ……… ………‐∵r…・ …∵¨:… プ ロ ジェ ク トの概 要 と背景 技 術 的 要 件 … … … … … … …・ ……… 資 金・ 経 済的要 件 … ……… … … …:∵ ・ 港 ― …… … … ……… … … … ……… … プ ロジ ェク トの概 要 と背景 ・… … ……… …… … : 技 術 的 要 件 経 済 的 要 件 路 165 165 ‑165 167 ‐ 172 172 173 174 179 179 179 184 188 188 188 193 プ ロジ ェ ク 技 術 的 要 件 卜の概 要 と背景 … … … … Ⅲ 資金 。経 済 的 要 件 § 建 設 部 門
=
13 住宅
,
………… "…… ……・
……… …… ・……
0)プ
ロ ジェタ トの概要 と背景 ―.…
………………
7 7 9 9
―Ⅵ‖―
0)技
術 的(D 資金・
水 道 ′
要 件 …… ……… … … …… … … … … 経 済 的要 件 ……… ……… … ……
198 2o0 202 202 2o3 204 208 208 209 212 216 216 216 217 221 221 222 225
14.
(│)プ ロジェク トの概要 と背景
……・ ・
…
(‖
)技
術 的要 件……… …… …
…
0)資
金 。経済 的要 件…… … … …
:
… 15.洪水 防御………
… ……
… …
(│)プ ロジェク トの概要 と背景
………
…
0)技
術的要件 ………1:… … … … …… … ……0)資金・経済的要件
16. 下 水 処 理 施 設
(I)プ ロ ジ ェ ク
0)技
術的要件卜の概 要 と背 景
00 資金 。経済的要件
17観 光 :
(│)プ ロジェ ク トの概 要 と背景
(1)技術 的要 件
(‖)経 済 的要 件
§ 通 信 部 門
18 電信・ 電話 … ……
…… ……… 1…
…
1
(i)概説 ………
… ……
… ……
1 :
(1)プ ロ ジェ タ トの選定
00 評価方法 … ‐ … …… …… … …
(0 費用・便益計算 の方法 … …….… Ⅲ ― ・
1' マ イ タ ロ ウ エ ー プ … … … …… … … ……… … … …
229 229 250 250 231 255
一IX―
0 0
支出(費用)… ………1……Ⅲ……Ⅲ………二………Ⅲ…255 収入 (便 益)…………………………│… …………■…………■
.257
電 力 部 門 2a 電
0)
(1)
Oll
(V)
0)
(v)
lvil
プ ロジェク トの概要
プ ロジェク トの経 済評価 ………‐…………―……… … …. 経済 評価 におけ る「 代替案 」 の意義│ …‐:… :……■̲………
電 カ プ ロジェタ トの概 況 ………:)Ⅲ.ⅢⅢ…1■……………
プ ロジェタ トの費 用 (C98t)…………・Ⅲ……■………:‐ = プ ロジェタ トの使 益 (Be.eFit)・…‐………… …………= 経済評価 の表示法 …………:…:.……■■̲.I… … …
259 239 240 241 241 245 249 254
§ 福
医療 (病 院)………… …
0)医
療援助の一般 目標 ‐……… ………0)医
療水準を理解するための主要指標 ……… …… …・…0)プ
ロジェタ トの健全性評価のためのチェッタ・アイテム……祉
21. .263
265 264
・264 m―
1
医療 プ ロジェク トの経済 的技 術的1分析―……・ ・Ⅲ…264
Ⅲ
‑2
医療 プロジェク トの開発 段階別 評価 … …│■ r… …1:..2701
§ 教 育 ・ 訓 練 序論
`・
教 育 プ ロジ ェタ トの評価方法
`・
. =
一― プ ランか らプ ロジェタ トヘ
̲…
、・二.…・…:…………Ⅲ273一 文L
6)
(ii)
(││)
(vl
〔補論 〕 プ ロジ
22.教育・ 訓 練
ェタ トの 成果 の評価 具体 例
概 略 ……… ……… …… … … プ ロ ジェ ク ト評 価 の基 本 的 な ステ ップ
プ ロジ ェク トの設計 基 準
プロジェントあ評価基準
276 274 276 277 286 286 286 287
295 295 295 305 505 521
i
a'zg329 530 335 334 336 26
(i)教 育て訓練)援助の二般ビ標
0)プ
ロジェク トの健全性評価のためのチェック・アイテム§ 資 源 海 外 鉱 山 の調 査 ・ 探 鉱 と開発
開 発
序論 … … …… … :■ ■ ……:
0)海 外 鉱 山 の探鉱 。開発 の現状 1■ ■
=…
0)海外鉱山の問題点
資源開発 プ ロジ三ク トの計画化 と分析評価
〔補論 〕 海外鉱山.開発の意義
地 域 開発 ―― 農 村 と都 市
24.地域 開 発 …■ ‑1…… …1… … … …… … … … 序 論 …… … :i … … … … … ……
(l)評価 と予測
0)現状 の分析
(‖
)日
標 の設定tlvl 分析方法
― xl三
補 論 調 査 事 例 345
は しが き 1. イ ン ドネ
経 済 評 価
2.ヵ ン ボ デ
6 イ ン ドネ
価
シ ア ボ マ ラ地 区 ニ ッタル 製錬 所 建 設計 画の
ィア ア ル ミニ ウム製 鋼工 業計 画 の経 済 評 価 シア合 成 。化 学 繊維 工 業 開発計 画 の経 済評 :
545
347 655
660 668 676 584 691 396
4.
5.
6.
Z
&
2
タ イ ベ ン タ イ 首 都 タ ィ 鉄 道 タ イ ソ ン タ イ フ ロ イ ン ドネ
評 価 402
. : 405
……… 413
コタ 市サ トン橋 計 画iの経 済 評 価 圏 環 状 道 路計 画 の経 済評 価 建 設計 画 の経 済 評 価
ク ラ港 建 設 の経済 評 価 …
… テ ィ ング ドック建 設 計画 の経 済評 価 シア 北ス マ トラ諸 河 川 洪水 防御 計画 の経 済
― 卜水 力発 電 計 画 の経 済評 価 ン地 区 農 業 開発計 画 の経 済 評 価
0 1
コ ロ ン ピ ア フ ル ミ ベ トナ ム フ ァ ン ラ
附 録 I 複 利 現 価 表 附 録 Ⅱ 年 金 現価 表
附 録 Ⅲ 参考 文献 … … … 編 者 あ とが き ………
419 426 427 457
―Xlト
編 I プロジェク トの分析 と経済評価
│ま し 力` き
本 随覧 は1発展 途 上 国 にお け る開 発 プ ロ ジ ェ ク トの経 済 価 値 (economic value)を評1画す るた め に必 要 な手 順,原則,お よび手 法 を一 つ の体 系 と して と りま とめ た もの で あ る 。 こ こで経 済評 価 (economic eva l uatiOn また は ecOnomic appraisal)の 対 象 とす る もの は。 私 的 収 益 性 に よ る 私 的 投 資 プ ロジ ェ ク トで は な く。公 共 部 門 の計 画 と規 制 の も とに公的 財 政 支 出 を と もな い っ か つ,社会 的 収 益性 を 基 礎 とす る開 発 プ ロジ ェ ク トを念 頭 に おヽヽてヽヽる。
また 。 プ ロ ジ ェ ク トの種 類 と しては 。 開発 計 画 の枠 組 の 中 で 投 資 決 定 と 資金 配 分 の対 象 とな るす べ て の分 野 を 対 象 と し,下記 の24種類 を と りあ げ て い る 。
(1)農林 水 産 業,②灌 漑,ほ)土地改 良 ,(4)千 拓 事 業 .15)石 油化 学・ 輸)肥料 工 業・ )製造 工 業 。(8)橋梁 。(9)鉄道110港湾 .0〕 空港.12道路=tD住宅・
t」水 道,l151洪水 防 御・ 颯0下水 処 理 施 設,10観光]tD電信 。電 話・ u9マ イ ク ロ ウエ ー プ.鋤電 力 。(21)医療 ・ 病 院 。(2)教育 ・訓 練, C25)資源 開 発,
(24)地域 閉発 一農 村 と都 市 。
総 論 で は,これ ら プ ロ ジ ェ ク ト47D経済 評価 に共 通 す る方 法 論 と して社 会
‑1‑
的 費 用便 益 分 析 の 基本的 考 え方 を概 説 し,同手法 を現 実 に適 用す るた め の 諸 段 階 を提 示 して い る。 な お1方法 論 の理 論 的 諸 問 題 は.続刊 予 定 の「 埋
論 編 」 にゆ ず り,本書 は 実務 上 。 必要 最 少限 の範囲 で言 及す るに とどめ る。
‑2‑
1.分析 の範 囲,区 分,手順
(i)計ldiと プ ロジ ェ タ トの関係
プ ロ ジ ェ ク トの分析 と評 価 は,当該 個別 プ ロジ ェク トと活動 部 門 別計 画 また は全 体計 画 との関連 性 を 所与 の もの と して 出発 す る。 まず この点 をあ き らか に してお く必要 が あ る。 プ ロジ ェ ク ト分析 は,国家 計 画 の枠 組 の 中 で0あ る一 定 の投資 選択 の基準 の も とに。各 種 資源 の配 分計l■Jが与 え られ て は じめ て具 体 化 す る個 別 また は複 数 代 替 的 な プ ロジェ ク トを直接考 察 の 対 象 とす る 。 した が って,個別 プ ロ ジ ェ ク トの 分析 。評 価 を通 じて0国家 レベ ルの投資 選択 θう基 準 の変 更 を 求 め る よ うな機 能 を もつ もので ない 。む しろ 。政 治 的 決 定 を と もな う投 資 選択 の価値 判 断 が,経済 性 ―一 そ れ が 私 的 で あれ 社 会 的 で あれ ―一 の基準 に照 ら して どσうょ うな意 味 を もつ か を明 確 にすることに役 立 つ分 析 トゥー ル と見 るべ きで あ る。
した が って,経済 計 画 とプ ロジ ェ ク トの有機 的連 関 を念 頭 にお きな が ら も。 直接 に は,経済 計 画 を所与 とす る プ ロジ ェク トの 分析 ・評価 で あ り。
経 済 分析 と して は部 分 分析 (partial analysis)の分 野 に属 す る。
(1)プ ロ ジ ェ ク ト分析 の二 つの機 能
プ ロ ジ ェ ク トの分析 作業 には 二 つ の基本 的 にあ い異 な る機 能 が あ る。 こ
‑3‑
れ らは,経済 分析 (economic analysis)と 財務 分 析 (financial analysis)に 大 別 され る 。 この両 者 の区 別 は非 常 に重要 で あ り]その差 異 を明 らか に してお く必 要が あ るq杏便 覧 は主 と■して経 済 分析 に重 点 を お
く。
)経済 分 析 で は,財お ょび サ ー ビス の価 額 化 (valuation)に ,これ ら経 済 資源 の真 実 θう経 済 価値 ない し社 会 的価 値 を反映 す る「 潜在価 格 」
(Shadow price)ま たは「 計 算価 格 」(Accounting price)を 用い
る 。
財務 分 析 は,税お よび補 助 金 を含 む市 場 価 格 (market price)を 使 う ことを原 員Jと す る 。
0 経 済 分 析 で は,税金 お ょび補 助金 を移 転 勘 定 (trans fer paympnt)
と して扱 う。 プ ロジ ェ ク トの生F/r活動1/6投入 され る財 や そ の 果 実 で あ る生 孝 物 に 賦課 され る諸 税 は,社 会 が 当該 プ ロジ ェ ク トの実 施 に ょ って享 受 す る使 益 で あ り,国民 経 済勘 定 の移 転 費 用 に相 当 す る もの で あ る。 また.101 様 の考 え方 か ら.補助 金 は,経済 が 当該 プ ロ ジ ェ ク トの運 営 の た め に支 出 す る もので,社会 全体 か らみ る と費 用 と して考 え るべ き性 質 の もの で あ る。
財 務分 析 は,当該 プ ロジ ェ ク トの投 資 家 の立 場 か ら プ ロ ジ ェ ク トの費 用 と使 益 を査 走 す るか ら,諸悦を 費 用,補助金 を使 益 と して扱 う。
この ょ うに毯 済 分 析 と財務 分析 は,前者 が 国民 経
̀斉
的 観 点 に立 っ て,プ
ロジ ェ ク トに支 弁す る費 用 と,その結 果 発 生 す る(夏益 一一̲直接 的 ,間接 的 一 ― を 比較 す る の1/c対 して,後者 は,企 業な い し投 資 家 θヽ立 場 か ら プ ロジ ェ ク トの 費 用 と使 益 を対 象 とす る。 これ を分 析 手 法 と してみ る と,前者 が 社 会 的費 用便 益 分 析 (Social Cost Benefit Analysis).後 者 は私 的 費FF便益 分析 (Private cOst Benefit Analysis)と そ れ そ れ区 分 し
‑4‑
て よ ば れ る。 プ ロ ジェ タ トの 分 析 ・ 評 価 の作 業 に あ た っ て 。 まず この 方 法 論 上 の 区 別 を あ き ら か に して お く こ とが 必 要 で あ る 。本 便 覧 は 。 世 界 銀 行 や ア ジア 開 発 銀 行 な どの フ ィー ジ ピ リテ ィ調 査 やUNDP投 資 前 調 査 な ど に 採 用 され つ つ 々 ぅ争 合 的 費 用便 益 分 析 の手 法 を念 頭 に ●い て作 成 され て い る 。 │ :■
0)プ ロ ジ ェ ク ト評 価 の諸 段階 : ‐ ヽ
: │ : i :: :
プ ロ ジェ ク トの経 済評 価 は.プ ロ ジ ェ ク トθ)成立 を可 能 な ら しめ る多面 的要 素 ―T撃術 的孝 当性・ 経 営 管理 の組 織0資金 的 妥 当性 な ど一― の なか
│││ : │ 1 1 1:│: :で' I
で 。 とくに経 済性 を 直接 の対象 とす る。 もち ろん,プ ロジェク トの固 有θう 経 済価1直は,財お よび サ ー ビスの生産活動 を支 えるもろ もろ′P技術的 ‐,経 営 的 条 件 と切:り 雄 して は 考 え られ な い 。 しか しな が ら。経 済 評 価 は・ プ ロ
ン 上′:ドお 経 済 価 値 を'ある一 定 あ 価 値 尺 質 た よ っ て 判 断 し よ う とす る最 も 重 要 な 機 能 で あ り。従 来,わが 国 の プ ロ ジ ェ ク ト分 析 と評 価 の作 業 に 欠 け て い た部 分 で もあ つた とい え る。 ‐ .: ‐ ■ ‐
経 済 評価 の適 用範囲 は,図 I「 プ ロ ジ ェ ク ト評 価 の体系 」に:示され る.と お りIIケ:ビ :ジ
=´
:ヽ の計 画化 の段 階 が ら,馨巻凌略 にい た るitヽ ゎ ゆ る事 前 評価 (ex―ante evaluatiOn)θ)部分7/Cあた る 。 ここで 用語 上 の規 定
を行 な うて お くら 111.̲‐ ‐ 「:│ : ̀ │
‐通 常.プ ロジ1ェ:ク ト評 価 (proiect evaliatihnま た│ま っ│=ojeCt●
appFaiSal)と い う場 合.プ ロジ ェ ク ト ″ナ│イ タルに お け:る 時 間 の流 れ に よ って区 分 す る方法 と評価 主体 の差 異 に よる:区分1の 2通 りが あ る。 前者 は■ プロ ジ ェ ク トの計 画化 か ら決 定 まで,を事 前 評 価 てox―ante evaluation).
‑5‑
図 1
〔段
階 〕
プ ロジェク トの計画fヒ
(1)計 画 の 策 定
{2)プロジ ェク トの 概 要作成
U 要請 内容 の審査
0)発 青内容 の分析
14)薬件 審査 の完 了
プロジ ェク トの実施 効果 の 事後評価
プ ロ ジ三 ク・卜評 価 の体系
〔内 容 〕 〔評 価 区 分〕
(1‑1)開発 計画 の分析 (1‑2)ニー ズの把握 (1‑3)プロジ ェタ トの
発堀
(2‑1)プロ ジ ェク ト分 析
(2‑2)フ ィー ジビ リテ
ィレポ ー トの作 成
(2‑6)実殖設計書の作 成
(6‑1)条 件 め 提 出
(5‑2)経 済 評 価 資 金 分 析 技術 。経 営分析
(4‑1)総 合 評 iB (4‑2)結 論 と 勧 古
(略 )
︲ 響
︲ヤ リ︲
フ プ カ ズ数 施
Ⅲ
Ⅳ
(5)効 果 の 査 定 プ ロジェク トの事後評価 と
フ ォロー・ ア ップ .
また 。 プ ロ ジ ェ ク トの実 施 か ら発 生 す る効果 の査定 までを 事 後 評 価 (e文―
ante evaluation)と 呼 ぶo評4面主 体 が 直接 的1/C当該 プ ロ ジ ェ ク トの計 画 当局 や 援 助 実 施 部署 の場 合・ プ ロジ ェク トア プ ンイザ ル(prOj ect
appraisal). また,第二 者 の立 場 か らの基 準 設 定 に よつて評 価 す る場 合・ プ ロジ ェ タ トエ パ リュエーション (prOjeCt evaluation)と , それ
(5‑1)事 後 計 価}
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ぞ れ異 なる合意 が与 え られてい るも│
(0 経 済評価 の手llF
経 済評 価 は つ ぎの手llFに よ り進 め られ る 。
│
第 1段階 プ ロ ジェ ク トの 目的 の検 討
い か な るプ ロ ジェク トも;開発 計 画 の枠 組 の 中 で
̀ぁ る一 定 の政 策 目標 が与 え られ,こ れ に よっ て そ の活動 目的 は規定 され てい る 。開 発計 画 は 国 に よ つ て作 成技 法 が異 な り,かつ また,計画 の背後 にあ る経 済 的 社1会1的政 策 合 意 も多 様 とな る 。単 な る 資金 の ア ロケ ー シ ョンに と ど ま る開 発 計 画 や, 主 要 生 産 資材 の物 量 バランスを基礎 とす る資金 配 分計 画 を とる開発 計 画 もあ
る 。計 画 作 成技 術 の差 異 が あ る と して も,分析 の対 象 とす る プ ロ ジェ:ク:卜 は 与 え られ た 計 画 枠 組 の 中 で達 成す べ き 目的 が示 される。目的 の検 討 を 開 発 計 画お よび社会経済政策 との関連で行な うことがまず作業の前提であ り,最
初 の 出発 点 とな る 。(各論 の「 プロジエクトの概 要1と背景 」 参 照 の こ と。)
第 2段階 プ ロジ ェ ク トの代 替 案 の検 討
与 え られ た 目的 を達 成 す るた め に。経 済 的条 件 ば か りで な く。技 術 の選 択 。生産 方式 な ど次善 の代替 案 の検 討 が 重要 で あ る。 プ ロジ ェ ク ト1の 目的 が・ あ る財 ない しサ ー ビスの提 供 とい うtangibヽle:な生 産 物 にお か れ て い る場 合 。 その最終 日標 に達 す るため の手 段や 技術 の選 択,組み合 わ せ が
重 要 とな る。 これ ら代 替案 の比較 絆 量 は.プ ロジ ェ.ク ト分析 と評 価 の全 ブ ロ セスを通 じ十 分実 施 してお くこ とが重要 で あ る。 (と くに各 論「 20電
力 」 の(1)「経 済 評 価 にお け る代 替 案 の意 義 」参 照 の こ と。 )
また 。 プ ロジ ェ ク ト1の使 益 な い し効 果 が非 定量 的 な場 合,た とえば ,教 育
・ 訓 練・′
医療等 の分 野 の プ ロ ジ ェク トは0最少費 用 の原 則 (Oost mini―
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misatiOn)や費 用有 効 度 分 析 (Oost effectiveness ana l ysisl)に
た ょ ら ぎ るを得 な い 。 この ょ うな場 合 は,最適 な代 替 案 の選 択 が意 志 決 定 ′ の 重要 な 条件 とな る。
第3段階 私 的費 用 便 益 分 析 (Private cOst Benefit Analysis)
費 用便 益 分 析 は,純現 在 価 値 (Net Present Value)あ るい は1内部 収 益 率 (Internal Rate of Return)を 基 礎 に 。割 引 現金 フ ロ=法
(DiscOunted Cash Flow Methο d)(以下・ DOF法 と略 称 )に よる 。 詳 綱 は.各論 序 論「 農 業 プ ロ ジ ェ タ トの経 済 評 価方 法 」.お よび「 20,電 力 」の 項参 照 の こ と。
この段 階 に おけ る費 用便 益 分析 は,財お ょび サ ー ビスの イ ンプ ッ ト(投 入 )と ア ウ トブ ッ ト(産出)を「 市 場 価 格 」(m● rket price)を もって 価 額 化 す る方 法 で あ るか ら,プ ロ̀ジェ ク トの私 的 収益性 を判 断す る際 に 用
い られ る技法 と考 えて ょい 。 , t ‐
これは,す で に技 法 と して一 般 的 に確 立 され て お り,多 くの│コ ンサ ル タ ン トが フ ィー ジ ビ リテ ィ調査 に採 用 して い る伝統的 手法 で あ る。1 1
第 4段階 社 会 的 費 用便 益 分析 (S,ocial cost Bemefil Anhlysis)
発 展途 上国 経 済 は,般的 に市場 価格 が 資源 の最 適 配 分 の調:整機 能 に久 け るため,プ ロ ジェ ク トの費:用 ぉ ょび使 益 の実 質 価 値 を正 し く査 走 す る こと が困難 な状況 て あ,る 。 加え て,政府 の市 場 へ の介 入が 著 し く。 価 格機 構の ゆ がみ が顕 著 な特 徴 とな って い るo l、 」:‐
した が って,この よ うな経 済 に あ って は プ ロ:ジ ェ ク トの供 給 な いt:ネ肖費 す る財 ・ サ ー ビスの費 用 と優益 を正 し く把 握 す るた め に,市場 価 格 に なん らか の 調 整 を加 えた::「計 算 価格 」(ACcounting Price)をも っ│て│プ
ロジ ェク トの経 済 価 値 を計 測 す る必 要 が生 じ る。つ ま り・ プ ロジ ェ′:卜 に
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投 入 す る財 お よび サ ー ビス お ょ び そ の 生 産 物 に つ い て 可 能 な限 り,ぃ 計 算 価 格 を 作 成 し,こ れ を も っ て費 用 と便 益 の比 較 を 行 な う方 法 で あ る 。 この 点
0ま 次 節で 概 説 す る 。
経 済 評 価 の 手 順 と して は,第 る段 階 「 私 的 費 用 F̲益 分 析 」 を行 な い.つ
ぎの ス テ ッ プ と して社 会 的 費 用 便 益 分 析1/Cょ り.両者 の 純 現 在 価 値 の差 異 を 見 つ け3プ ロ ジ ェ ク トに 含 まれ る社 会 的 要 因 の経 済 的 意 義 を 発 見 す る こ
とが 大 切 で あ る 。 l t: l .
(社会 的費 用使 益 分 析 の理 論 的:基礎 と し て 。 Io M̲D̲Ll■ tle,
力〔anual of lndustrial Project Analysis in Developing Countries,Vol.II,OEoD。 1969。 お ょび 巻 末 文 献 Ⅲ Cost―Benefit Anarysis′ )IEE参 照 θヽこ と 。 )
第 5段階 プ ロ ジ ェ ク トの 財 務 分 析
プ 甲 ジ ェ ク トの 財源.資金 の償 還 計 画 な どをI・A討す る 。 第 6段階│プ ロ ジ ェ ク トθ)外部性 の検 討
経 済 評 価 θう主要 な決 定 基 準 は,第 4段階 で 得 られ た純 現 在4面 1直 (NPV)
または,これ を 内部 収 益 率 (IRR)で補 足 した値 で示 され る。 この過 程 で
NPVの 1直に影 響 を与 え る危険 (Ri sk),不確 実 性 (uncertainty)な
どの検 討 を加 え る と と もに,さ らに,外部性 (externalities)の 要 素 を 可ロヒな 限 り判 断 の 中 に と り入 れ る こ とが 重要 で あ る。 費 用腱益 分析 は・
費 用 と年 挙?誓れ をl・31質
̀)量 的
^元
F比較 す る こ とにね らい が あ り。 所得 配 分 の効 果,乗数 効果 ・連 関 効 果,あ るいは,そ の他 の非 定量 的 要 因 な ど θ)いわ ゆ る外 部性 の異 種 ・非 計 量 的 便益 は0分析 の過 程 で 必 ず し も明 示 的
に内 在化 して機 、:ヽ得 な い性 質 の もの で あ る。 ‐
した が って 。分析 手llRと して は,費用便 益 分 析 に も とづ くNPVの 値 と,
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