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住まい方を考慮した住宅の最適断熱遮熱計画に関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)住まい方を考慮した住宅の最適断熱遮熱計画に関する研究. 田上 1. はじめに. 美沙子. 表 -3 各生活パターンの暖冷房方法. 住宅で消費されるエネルギーは増加傾向が続いて. 呼称 終日. 空調部屋 空調時間[時 ] 設定温度 全館 終日 おり、こうした事態に鑑み、1999 年には住宅の省エネ Ⅰ 居間 ∼ : 7 9 18∼23 ①27℃、18℃ ルギー基準を改正・強化した次世代省エネルギー基準 Ⅱ:主寝室 ∼23 ②25℃、22℃ 22 通常 (以下、次世代基準)が告示された。この次世代基準 Ⅲ:子供室 1 8∼9 18∼19 のいずれか。 は、住宅内でのエネルギー消費量を削減させるために、 [夏、冬の順 ] Ⅳ:子供室 2 18∼19 20∼23 日中 Ⅰ ∼ 9 18 住宅の断熱遮熱の強化を勧めている。しかし、断熱遮 夜間 Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ 23∼7 28℃、16℃ 熱を強化することが必ずしも省エネルギー、省コスト 上記に示す「終日」「通常」「日中」「夜間」を組み合わせる 対策につながるとは言えない。 生活パ 空調パタ 設定 生活パ 空調パタ 設定 ターン ターン ーン 温度 ーン 温度 そこで、本研究では省エネルギー性、省コスト性の 生活 A ① 生活 F 通常+日中 ② 終日 高い住宅の最適断熱遮熱計画を行うために、次世代基 生活 B ② 生活 G ① 通常+夜間 準では考慮されていない住まい方や回収年数などの項 生活 C ① 生活 H ② 通常 生活 D ② 生活 I 通常+日中 ① 目を取り入れた検討を行う。 生活 E 通常+日中 ① 生活 J ② +夜間. 2. 計算条件. 本研究は、多数室室温変動・熱負荷計算プログラム. 3. 建物形状計画. TrP を用いて、表-1 に示す計算条件の下、福岡におけ. 次世代基準は、住宅を建てる際に必要な性能を規定. る最適断熱遮熱計画に関する数値シミュレーションを. した「建築主の判断基準」と具体的な仕様からなる「設. 行った。壁体部の断熱性能の変更パターンを表-2 に示. 計及び施工の指針」からなっている。この「設計及び. す。また、生活パターンは、空調部屋、空調時間、設. 施工の指針」に示されている仕様を採用した場合、年. 定温度の違いにより、表 -3 に示す計 10 パターンを想. 間暖冷房負荷や Q 値(熱損失係数)、μ値(夏期日射. 定した。なお、 4 節以降は全て標準問題モデルを用い. 取得係数)など、手間のかかる計算を省略できるメリ. た検討である。. ットがあるが、建物の形状によっては暖冷房負荷が予. 住宅モデル 気象データ *1. 空調期間. 表 -1 計算条件. 想以上に大きくなる可能性もある。ここでは、次世代. 建築学会標準問題モデル + 実在住宅 4 棟 標準年 EA 気象データ(福岡) 暖房期間 冷房期間 11/13∼4/14 4/15∼11/12. 基準で示されている断熱仕様を 5 棟の住宅モデルに用 いた場合に、建物形状が暖冷房負荷に与える影響につ. *1 空調期間は日平均外気温度を 15 項で単純移動平均することで 平滑化し、15℃以下となる日を暖房期間、それ以外を冷房期間 とした。. 表 -2 壁体部の断熱材*1 厚さと標準住宅での Q 値. *2. 新Ⅴ 新Ⅳ 新Ⅱ 次Ⅳ*2 次Ⅱ 次Ⅰ. 天井 [mm] 60 60 80 180 180 260. 壁 [mm] 30 40 50 80 80 135. 床 [mm] 20 30 55 115 175 175. *1 断熱材は住宅用グラスウール断熱材 16K を使用。 *2 新Ⅴとは新省エネルギー基準で提案されている第Ⅴ地 域の断熱仕様を用いたケース、次Ⅳとは次世代省エネ ルギー基準で提案されている第Ⅳ地域の断熱仕様を用 いたケースを表す。 *3 Q 値は複層ガラスを採用した時の標準問題モデルにお ける値である。. す。なお、開口部計画などの影響を受けない、建物形 状と暖冷房負荷の直接的な関係を調べるために、ここ では窓がない住宅モデルを用いた検討を行った。. *3. Q値 2 [W/K・m ] 3.02 2.75 2.44 1.99 1.96 1.74. いて検討した。表-4 には各住宅モデルの建物仕様を示. 図 -1 に、各住宅モデルに次Ⅳレベルの断熱仕様を用 いた場合の暖冷房負荷を示す。同じ断熱仕様を用いて 表 -4 各住宅モデルの建物仕様 2. 述べ床面積[m ] 建物容積[m 3] 外被面積*1[m 2] 2 Q 値[W/K・m ] *2 μ値 体形係数[m 2/m 3]. 標準棟 126.7 309 280.3 1.29 0.012 0.906. A棟 143.0 352 325.8 1.32 0.013 0.926. *1 外被面積には壁体、天井、床を含む。 *2 μ値は第Ⅳ地域における値である。. 31-1. B棟 149.3 367 337.1 1.31 0.012 0.919. K棟 134.1 331 320.0 1.41 0.014 0.968. M棟 187.6 455 388.6 1.20 0.010 0.854.

(2) も、建物形状やプランの違いにより暖冷房負荷には大. 準」では暖房負荷の評価を、Q 値を用いて行うことか ら、図 -2 には Q 値と暖房負荷の関係を示す。Q 値と暖 2. 房負荷に関する R 値は 0.69 で相関関係は高いと考え られる。しかし、 「設計及び施工の指針」の中で示され ている仕様を用いるのは、Q 値の計算を省略できると. 年間暖冷房負荷[MJ/m 2・年]. 2 46( MJ/m ・年)もの差が出ている。「建築主の判断基. 冷房負荷. いうメリットがあるからなので、容易に算出できる体 形係数を用いて暖房負荷との関係を調べた。体形係数 とは中国の基準でも用いられている建物容積に対する 外被面積の比のことである。この指標を用いたのは、 Q 値と体形係数を算出する式を変形した場合、式(1)、 式 (2)の括弧のような共通項が出てくるためである。 i. i. i. + 0.175 H ・・式 (1). 163. 156. 157. 68. 73. 64. 95. 83. 93. 107. 91. 標準棟. A棟. B棟. K棟. M棟. 100. 154. 100. 64. 0. 図 -1 各モデルの暖冷房負荷(窓なし、終日空調時) 120 100 80 60 40 20 0. 2. R = 0.69. 1.15. 1.20. 1.25 1.30 1.35 Q値[W/ m2・K]. 1.40. 1.45. 図 -2 Q 値と暖房負荷の関係. 図 -3 には体形係数と暖房負荷の関係を示す。同じ断 熱仕様を用いた場合、建物形状によって異なるのは式 (1)、式 (2)の括弧内、すなわち体形係数であるため、体 形係数と暖房負荷に関する R2 値は 0.65 で相関関係は 高い。以上の結果より、次世代基準の「設計及び施工. 暖房負荷[MJ/m 2・年]. ∑A K H. + 0.35 × 0.5 B L 1 = HK + ・ N S0 S 0 HN HN・L + S 0 L 1 S = = + ・・式 (2) HN・S 0 S 0 HN. Q=. 暖房負荷. 207. 200. 暖房負荷[MJ/m 2・年]. きな差が出ている。特に暖房負荷に関しては、最大で. の指針」において同じ断熱仕様を採用した場合に建物. 120 100 80 60 40 20 0. 2. R = 0.65. 0.80. 0.85. 形状の違いによる暖房負荷の差をなくすためには容易. 0.90 0.95 体形係数[m 2/m 3]. 図 -3 体形係数と暖房負荷の関係. に算出できる体形係数を用いた基準の設定が有効であ. 4. 断熱計画 断熱性能が暖冷房負荷に与える影響について、表 -2 に示した計 6 パターンの断熱性能を標準問題モデルに 用いて検討した。なお、開口部仕様は、複層ガラス + カーテン +庇の組み合わせを採用した。 図 -4 には、生活 A(終日空調)における、断熱性能. 年間暖冷房負荷[MJ/m 2・ 年]. る。また、断熱性能の高い住宅を計画するためには体 形係数(外被面積)を考慮に入れた計画が必要である。. 400 300. と暖冷房負荷の関係を示す。間欠空調の場合は断熱性 能を高くしても、暖房負荷の削減以上に冷房負荷が増 加しているため、全体の暖冷房負荷はほとんど変わら ない値をとっている。 このように、断熱性能と暖冷房負荷の関係は生活パ ターンによって異なり、最適断熱仕様を決定する際に 31-2. 年間暖冷房負荷[MJ/m 2・年]. 図 -5 には、生活 C(間欠空調)における、断熱性能. 352. 330. 313. 152. 134. 108. 200. 196. 新Ⅴ. 新Ⅳ. 279. 暖房負荷. 73. 278 71. 260 55. 100. 205. 206. 206. 205. 新Ⅱ. 次Ⅳ. 次Ⅱ. 次Ⅰ. 0. 図 -4 断熱性能と暖冷房負荷の関係(生活 A). 断熱性能を上げるにつれ、暖冷房負荷も小さくなって めには断熱性能を上げるほどよいことがわかる。. 冷房負荷. 200. と暖冷房負荷の関係を示す。終日空調時においては、 いることから、暖冷房負荷が小さい住宅を計画するた. 1.00. 冷房負荷 100 75. 101. 99. 35. 31. 100 26. 98 18. 99 17. 97 13. 66. 67. 74. 80. 81. 83. 新Ⅴ. 新Ⅳ. 新Ⅱ. 次Ⅳ. 次Ⅱ. 次Ⅰ. 50 25. 暖房負荷. 0. 図 -5 断熱性能と暖冷房負荷の関係(生活 C).

(3) は、生活パターンを考慮した検討が必要である。ここ. 表 -5 断熱材費用、暖冷房費用と回収年数(生活 A). では、断熱性能を上げた時の断熱材費用の増分が暖冷. 断熱 性能. 断熱材 費用[円]. 新Ⅴとの 差[円]. を用いて最適断熱性能を生活パターンごとに検討した。 新Ⅴ 新Ⅳ 表 -5 には、生活 A(終日空調)における各断熱仕様. 103,317 125,591 173,412 335,121 378,916 519,670. ― 22,274 70,095 231,804 275,599 416,353. 房費用の削減分の何年で回収できるかという回収年数. 新Ⅱ 次Ⅳ 次Ⅱ 次Ⅰ. の断熱材費用と暖冷房費用、またその費用の新Ⅴレベ ルとの差額、さらに新Ⅴを用いた場合と比較して断熱 性能を上げたときに何年で回収できるかの回収年数を 示す。終日空調を行う住宅においては、断熱性能を上 げるほど、暖冷房費用の削減効果も大きく、次Ⅰレベ ルの断熱仕様を採用しても 16 年以内での回収が可能 である。表-6 には、その他の生活パターン(生活 B∼ 生活 J)において、各断熱仕様を採用した場合の回収. 断熱 性能. C(間欠空調)では、断熱性能を上げた場合、回収に は膨大な年月がかかるため、断熱強化を行っても省コ. 新Ⅴ 新Ⅳ 新Ⅱ 次Ⅳ 次Ⅱ 次Ⅰ. ストにはつながらない。生活 D、生活 E、生活 G、生 活 I の場合は、断熱性能が新Ⅳレベル( Q 値= 2.75 (W/m2・ K))の場合、30 年以内での回収が可能である。 また、生活 F、生活 H、生活 J の場合は断熱性能を新. 生 活 B. 生 活 C. 生 活 D. 3 4 7 8 10. 43 296 348 547 408. 21 42 63 76 83. Ⅱレベル( Q 値= 2.45(W/m2・ K))まで上げても、30. 生 活 E. 生 活 F 基準 30 14 148 28 207 46 278 53 249 61. [年 ]. 生 活 G. 生 活 H. 生 活 I. 生 活 J. 19 40 67 83 94. 14 25 42 50 58. 16 36 60 75 84. 11 20 34 40 47. 表 -7 住宅の開口部計画. 年以内での回収が可能である。このように、最適断熱. 全ての開口部が単板ガラス 全ての開口部が複層ガラス 全ての開口部が Low−E ガラス 居住室*の開口部のみ複層ガラス (その他は単板ガラス) 居住室の開口部のみ Low−E ガラス (その他は単板ガラス). CaseA CaseB CaseC. 性能は、住宅内での生活パターンや希望回収年数によ って異なり、これらのことを考慮に入れた断熱性能の 決定が本当の省エネルギー、省コスト対策と言える。. CaseD. 5. 遮熱計画. CaseE. 層ガラスや Low-E ガラスの価格は単板ガラスと比較. 回収 年数*2 [年] ― 4.5 5.9 10.9 12.7 15.9. 表 -6 新Ⅴレベルを基準にした時の回収年数. らにおいても 16 年以内での回収が可能であるが、生活. ガラス +レースカーテンを提案している。しかし、複. 新Ⅴと の差 [円] ― 4,927 11,841 21,318 21,732 26,199. *1 暖冷房費用は暖冷房機器の COP を 3、電気料金を 23(円 /kWh) として、式(3)を用いて算出した。 暖冷房費用 [円 /年 ]=暖冷房負荷[MJ/m2・年 ]/ 3.6[MJ / kWh] /暖冷房機器の COP×述べ床面積 [m2] ×電気料金[円 /kWh] ・・・式( 3) *2 回収年数は式( 4)を用いて算出した。 回収年数 [年 ]=断熱材費用の新Ⅴとの差/暖冷房費用の新Ⅴ との差・・・式(4). 年数を算出した。終日空調時は、生活 A、生活 B どち. 次世代基準では第Ⅳ地域の開口部仕様として複層. 暖冷房 費用 *1 [円 ] 40,979 36,052 29,138 19,661 19,247 14,780. * 居住室とは、居間、主寝室、子供室 1、子供室 2 を含む。. 表 -8 ガラス費用、暖冷房費用と回収年数(生活 A). して、それぞれ 4 倍、 9 倍近くするため、これらの省 エネルギー効果を明らかにした上での採用が望ましい。 ここでは、表-7 に示す開口部計画を行った場合の暖冷 房負荷との関係より、最適な開口部計画を検討する。 なお、数値シミュレーション結果より、開口部計画と 暖冷房負荷の関係は生活パターンによって異なること が明らかになったので、最適遮熱計画も断熱計画と同 様、回収年数を用いて生活パターンごとに行う。 表 -8 には、生活 A(終日空調)における各開口部計 画のガラス費用と暖冷房費用、またその費用の CaseA との差額、さらに CaseA を用いた場合と比較して開口 部計画を変更したときに何年で回収できるかの回収年 数を示す。終日空調(生活 A)を行う住宅においては、 いずれの開口部計画を採用しても、22 年以内での回収 が可能である。回収後の暖冷房費用のことや、住宅内 31-3. 開口部 計画. ガラス 費用[円]. CaseA CaseB CaseC CaseD CaseE. 71,064 284,256 621,810 211,032 432,648. CaseA との差 [円] ― 213,192 550,746 139,968 361,584. 暖冷房 費用 *1 [円 ] 96,366 78,889 70,980 85,031 75,392. CaseA との差 [円] ― 17,477 25,386 11,335 20,974. 回収 年数*2 [年] ― 12.2 21.7 12.3 17.2. *1 暖冷房費用は表-5 の式( 3)と同様の手順で算出した。 *2 回収年数は式( 5)を用いて算出した。 回収年数[年 ]=ガラス費用の CaseA との差/暖冷房費 用の caseA との差・・・式(5). 表 -9 CaseA を基準にした時の回収年数 開口部 計画 CaseA CaseB CaseC CaseD CaseE. 生 活 B. 生 活 C. 生 活 D. 8 16 8 12. 102 111 70 82. 53 92 38 65. 生 活 E. 生 活 F 基準 58 33 66 54 39 23 47 38. [年]. 生 活 G. 生 活 H. 生 活 I. 生 活 J. 57 88 40 64. 40 77 29 54. 40 57 28 41. 27 48 29 34.

(4) 表 -10 PMV 制御を用いた暖冷房制御方法. での快適性のことを考慮に入れると、全ての開口部を Low-E ガラスにするのが望ましい。表-9 には、その他. 夏:PMV>1 の時、設定温度で冷房 冬:PMV< −1 の時、設定温度で暖房 夏:PMV>1 の時、PMV=1 になるように冷房 冬:PMV<-1 の時、PMV=-1 になるように暖房 通常の暖冷房方式で、設定温度を満たしていな い時に設定温度で暖冷房. PMVⅠ. の生活パターン(生活 B∼生活 J)において、各開口. PMVⅡ. 部計画を採用した場合の回収年数を算出した。各開口 部計画に対する回収年数は生活パターンによって異な. TEMP. り、30 年以内での回収を希望する場合には、居住室の 開口部のみを複層ガラスにするのがよいパターンが多. PMV Ⅰ 空 気 温 度 PMV Ⅰ 表 面 温 度. 34. い。しかし、回収年数に対する考え方は個人によって. TEMP 空 気 温 度 TEMP 表 面 温 度. 年数を考慮に入れた最適遮熱計画が重要となってくる。. 温度[ ℃]. 32. 異なるので、今後は、個人の生活パターンや希望回収. 30 28. 6. 住まい方計画. 26. 前節までの考察より、居住者の住まい方が暖冷房負. 24. 4. 荷に与える影響が大きいことがわかった。今後、居住. 8. 12. 16. 20. 24. 時間[h]. れまでに検討してきた以外の住まい方も考慮に入れる 必要がある。そこで、ここでは、住宅内での着衣量を 夏は薄着の 0.47(clo)、冬は厚着の 1.1(clo)にし、居住者 の感覚に基づいた暖冷房を行う住まい方を想定するた めに、PMV を用いた暖冷房制御方法について検討した。 なお、代謝量は 1.1(met)とする。表-10 に PMV 制御に よる暖冷房制御方法を示す。また、 PMVⅠ、 PMVⅡ、. 年間暖冷房負荷[MJ/m 2・年]. 図 -6 PMV 制御を行った時の夏季空気温度、表面温度. 者の住まい方により近い状況を想定するためには、こ. TEMP による暖冷房を行った場合の夏季リビング空気. 冷房負荷. 400 300. 暖房負荷. 270 65. 279. 200. 249 70. 100. 179. 204. 206. PMVⅠ. PMVⅡ. TEMP. 73. 0. 図 -7 PMV 制御による暖冷房負荷削減効果. 温度、壁体平均表面温度を図-6 に示す。夜間、壁体の. 表 -11 最適断熱遮熱計画例. 表面温度は下がり、 PMVⅠ、 PMVⅡを用いた場合は、. 住まい方、希望回収年数の設定 夏季設定温度 [ 25 ] ℃ 冬季設定温度 [ 22 ] ℃ 夏季就寝時設定温度 [ 28 ] ℃ 冬季就寝時設定温度 [ 16 ] ℃ 生活パターン 生活 H 夏、PMV 許容範囲 1.0 冬、PMV 許容範囲 -1.0 夏、冷房前の換気が可能か Yes No 夏は薄着、冬は厚着が可能か Yes No 希望回収年数 [ 40 ] 年以内 判定結果 最適断熱仕様 [ 新Ⅱ ] レベル 最適遮熱仕様 [ 居住室のみ複層ガラス ] 回収年数 [ 37 ] 年. PMV が 1.0 を越えないことから冷房は行われていない。 また、日中は壁面の表面温度が高くなるため、PMVⅡ を用いた場合は、PMV を 1.0 とするために、冷房の設 定温度が低くなっていることがわかる。このように、 PMV を用いた暖冷房制御の検討を行うことにより、人 間の感覚により近い住まい方を想定することができる。 さらに、これらの暖冷房制御を行った場合の年間暖冷 房負荷を図 -7 に示す。PMV を用いた暖冷房制御を行 うことにより、壁体からの放射熱や居住者の着衣量な どを考慮した人間の感覚に最も近い暖冷房が行えるだ けでなく、暖冷房負荷削減効果もあることがわかった。 7. 最適断熱遮熱計画の実行. PMV Ⅱ 空 気 温 度 PMV Ⅱ 表 面 温 度. 8. おわりに. これまでに行ってきた検討をもとに、住まい方を考. 本研究では、省エネルギー性、省コスト性の高い住. 慮した最適断熱遮熱計画の実行方法を述べる。まず、. 宅を計画するために、最適断熱遮熱計画に関する検討. 居住者は表 -11 に示す住まい方と希望回収年数の設定. を行った。まず、断熱性能が高い住宅を計画するため. を行う。その後、最適断熱、遮熱計画を 4 節、 5 節で. には、体形係数を考慮に入れる必要があることがわか. 示した手法を用いて行うことにより、判定結果として. った。また、最適断熱遮熱性能は居住者の住まい方や. 回収年数に見合った最適断熱遮熱仕様が決定される。. 希望回収年数によって異なり、これらを考慮した断熱. このように、省エネルギー性、省コスト性の高い住宅. 遮熱計画が、本当の省エネルギー性、省コスト性の高. を計画していくためには、居住者の住まい方や希望回. い計画方法であることがわかった。今後は、これらの. 収年数を考慮した最適断熱遮熱計画が重要である。. 評価を容易に行えるプログラムの開発も必要である。. 31-4.

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