理科教育(地学分野)における防災教育のあり方
教 科 ・ 領 域 教 育 専 攻 自然系(理科)コース 猪 股 義 信
第
1
部 理科教育(地学分野)における防災教育1
.はじめに阪神・淡路大震災を契機に,防災教育への関 心は高まっている反面 学校防災教育計画の準 備は進んでいないのが現状である。本研究では 防 災 教 育 を 意 識 し た 学 校 教 育 を 実 践 す る た め に,防災教育の現状,防災教育に対する意識,
防災教育における理科教育の役割などを明らか にすることを目的とするo
2.
研究の方法 1)アンケート調査① 調 査 対 象 :4
7都 道 府 県 教 育 委 員 会 防 災 教 育
担当者。②調査期間:2000年 8月‑‑12月o③調査内容:防災教育の目的,内容,実施状況,
震災前後での防災教育の変化等 20項目を質問
指 導 教 官 香 西 武
体的な削減から自然災害と関連した自然現象の 取り扱われる内容も減少しているo しかし,防 災 教 育 の 目 標 は 学 習 指 導 要 領 , 総 則 」 に 一 致 す る こ と が 多 い 。 ま た
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総 合 的 な 学 習 の 時 間」創設の意義と一致する点が多く,その中で,自然災害についての学習や防災教育を行うこと は,理科学習としての発展として期待できるo
しかし
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総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 は , 各 学 校 が 地域や学校,生徒の実態等に応じて行うわけで あるから,必ずしも自然災害や防災教育に関わ ることを学習するわけではない。ここでは,あくまでも自然災害の学習は理科 の時間(地学分野)で行うことを前提に防災教 育を踏まえた中学校理科地震分野の学習を考察
した。
紙によって調査し,
46/47都道府県教育の回 4.
まとめ答を得たo
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自然科学的視点2)防災教育を意識したカリキュラム開発
3.
結果・考察~(…'æ-ω40孟
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の学習内容
・防災教育〈知識的要素〈社会科学的視点
の構造 の学習内容
道 徳 的 要 素 に 安 全 教 育 的 視 点 の学習内容
・防災教育は,特別活動,理科,社会,保健体育,道 徳などの教科・領域で行うようにする。評価に ついても日常の活動で行うことができる。
・知識的要素の自然科学的視点の学習は,理科 図「防災教育の目的J の調査結果 で必ず実施する。
改訂された学習指導要領では,学習内容の全 ・「自然災害についての知識教育Jは,災害発
生のメカニズムを理解し,被害を回避する方法 を知ることにより,災害発生時に災害に対する 不安を取り除き,落ち着いた行動をとるため の教育であるという位置づけが考えられるo
第
2
部 理科教育(地学分野)における基礎研究 一徳島県に分布する黒瀬川帯の白亜系‑1 .
はじめに震災をもたらす地震は,断層として大地に刻 まれているo 地質調査を行ない過去の地殻変動 を明らかにすることは防災教育上重要であるo
本調査地域は,徳島県相生町,上勝町,上那 賀町にまたがり,秩父累帯黒瀬川帯及び秩父南 帯が分布する地域にあたる。本研究は,南海層 群が分布する坂州ユニットの白亜系斜面海盆堆 積相の層序・時代を調査し 南海層群と近接す る物部川層群との関係、を明らかにし,さらに,
西南日本内帯に分布する下部白亜系と外帯の本 調査地域を比較することにより,西南日本内帯
・外帯の形成について考察することを目的とす る。このことは, 日本列島の形成を考える上で 重要な課題である。
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図1 竹ヶ谷地域地質図
2 .
地質概要・地質時代(図1
,2)
本調査地域は,断層によって南から南部,中 部,北部の
3
ブロックに分けられる。南部は菖 蒲層,竹ヶ谷層(新称)が,中部は,中谷層(新 称),猪奥谷層(新称)が,北部は杉地層が分 布する。._~.地I,.~宅器包骨量|・漏地縮 1
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調査地域と他地域との白亜系の対比 菖蒲層の堆積年代は産出化石からH a u t e r i v i a n
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, 竹 ヶ 谷 層 はA p t i a n
, 中 谷 層 は l;Ia u t e r i v i a n
,... ,.B a r r e m i a n
,猪奥谷層はA p t i a n
,杉 地層はA p t i a nでる
o これらはすべて,斜面海 盆堆積相である。3.
結 論①各ブロック内では整合で,各ブロックは断層 によって画されている。中部ブロックの地層は,
南 部 ブ ロ ッ ク の 地 層 の 繰 り 返 し の 可 能 性 が あ る。
② 南 海 層 群 と 物 部 川 層 群 の 産 出 化 石 の 違 い か ら , 両 層 群 の 成 因 に 左 横 ず れ 説 」 と 「 ク リ ッべ説jがあるo 物部川層群・南海層群の両層 群産出化石の違いは,距離的な堆積環境(温度) の違いではなく,生息環境(塩分濃度や砕屑物 等)の違いにより生じたものである。両層群は 近接した地域で堆積したものである。本調査地 域内
A p t i a n相当層からは,他地域から報告さ
れている両層群を特徴付ける化石が産出する。これは,両化石群が近接した地域で生息してい たため,混在する堆積環境があったためである。
③西南日本外帯前期白亜系の菖蒲層から産出す る汽水生異化石と岩相は,内帯前期白亜系の吉 母層の汽水生貝化石と岩相に共通性がある。こ のことから,外帯と内帯の成因として,クリッ ベ説が有効で、あるo