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(2)TC68/SC2 (3)TC68/SC7 2

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2015 年 8 月 7 日 ISO/TC68 国内委員会 1議事録 日時:2015 年 6 月 17 日(水)10:00~11:30 場所:日本銀行本店 会議室 出席者:TC68 国内委員会・TC68/SC2-7 国内検討委員会メンバー、 TC68 国内委員会事務局 ○ 松本勉委員長(横浜国立大学教授)の議事により、アジェンダ(別添資料) に沿って、報告、審議および承認が行われた。要旨は以下の通り。 1.前回議事録の確認および 2014 年度活動報告書の承認 前回(2014 年 12 月 12 日開催)の議事録の確認、および2014 年度活動報告書 の承認が行われた。 2.2014-2015 年度の投票案件2 事務局より、投票案件につき確認が行われた(シャドー部<黄色>が前回会合か らの変化点)。 (1)TC68(ISO 20022RMG 関係を含む) 1 国際標準化機構(ISO)における金融サービス分野の専門委員会(TC68)が所掌する標準化案 件について、報告、審議および承認を行っており、現在は ISO/TC68/SC2-7 国内検討委員会との 合同会合の形式を取っている。 2 国際規格は、通常、6 段階のプロセスを経て開発されている。そのプロセスは、予備業務項

目(PWI: Preliminary Work Item)→ 新業務項目提案(NP: New work item Proposal)→ 作成 原案(WD: Working Draft)→ 委員会原案(CD: Committee Draft)→ 国際規格案(DIS: Draft International Standard)→ 国際規格(IS: International Standard)。

※ 必要に応じて、DIS 投票時におけるコメントを踏まえた最終国際規格案(FDIS: Final Draft International Standard)の投票が実施され、その場合、7 段階のプロセスとなる。

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(2)TC68/SC2

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3. SC4 年次総会の概要 SC4(ISO 証券関係対策連絡会)事務局である日本証券業協会の椎名氏より、別 添資料に基づき、SC4 の組織構成のほか、下記の通り SC4 年次総会の概要につい て報告が行われた。 (SC4 所管の国際規格の検討状況) (1) WG1(ISO 6166:国際証券識別付番システム <ISIN3>) ISO 6166 については、改訂版(第 7 版)が 2013 年 7 月 15 日付で既に発行され ている。一方、ANNA(Association of National Numbering Agencies)を正式に 登録機関とするための契約交渉が遅れていたため、その契約交渉が纏まった上で 登録機関の運用開始日が決まり、SC4 に通知された段階で、WG1 解散を決議する予 定であった。今回、その運用開始日が決まった旨の通知があったため、WG1 解散 が正式に決議された。 (2)WG6(ISO 10962:金融商品分類コード <CFI4>) ISO 10962 については、改訂版(第 2 版)発行のための DIS が 2008 年に投票で 可決されたが、その後、米国を中心に新しいタイプの金融商品が多く出てきてい る状況の中、現行の ISO 規格開発プロセスでは時間がかかりすぎて対応できない という批判が起きていた。このため、FDIS が 2011 年に投票にかけられたが僅差 で否決され、改めて米国等の要望を反映させた ISO10962.2 が DIS として 2014 年 投票にかけられ、本年 1 月 1 日付で可決された。なお、長期的な視点を踏まえ、 今年度中に予定される改訂版(第 3 版)の発行後も WG6 を解散せず、将来的にど のような金融商品が出てくるかも含めて、引き続きこの問題を検討していくこと になった。 (3)WG8(ISO 16372:発行体・保証人識別コード <IGI5>)

ISO 16372 については、LEI6と内容が類似していることが懸念されたため、LEI

に関する検討状況を踏まえて開発継続の要否を判断することとされ、4 年に及び その開発が休止されていた。今回、IGI が対象とする発行体や保証人にも LEI の

3 International Securities Identification Number の略称。株式、国債、社債等の有価証券を

識別するための世界共通のコード体系およびその管理手順について規定した規格であり、コード 体系は、2 桁(アルファベット)の国名コード(例えば、日本は JP)、9 桁(アルファベットま たは数字)の国内コード(基本コードと呼ばれる)、1 桁のチェック・ディジットの合計 12 桁か ら成る体系である。

4 Classification of Financial Instruments の略称。証券のカテゴリー(株式か債券か)や属

性(「議決権の有無」、「転売制限の有無」等)などを 6 桁コードで表現するもの。

5 Issuer&Guarantor Identifier の略称。

6 LEI(Legal Entity Identifier)は、金融取引主体を識別するための英数字 20 桁コード(英

数字 18 桁+チェック・デジット 2 桁)。リーマンショック時に店頭デリバティブ取引をマクロ的 に把握できなかったことが危機を拡大させたとして、同取引の主体を把握するため、規格として 開発された(ISO 17442)。将来的には、店頭デリバティブ取引だけでなく、他の金融取引の把握 や、マネロン・テロ資金対策などへの利用も展望されている。

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取得を求める方向で欧州の規制当局による議論が進んでいることが明確となった。 さらに、昨年の SC4 年次総会において LEI と IGI のギャップ分析を要請されてい た ANNA より報告があり、発行体や保証人の LEI 取得率は 10%~15%程度である 一方、LEI 取得済みの企業が発行した金融商品のカバー率は 50%~75%にも及ん でいることが判明した。このため、IGI の規格化の意味が薄れているという認識 が高まり、規格開発を担当する WG8 の解散が正式に決議された。 (4)WG14(ISO 18774:金融商品短縮名称・略称コード) ISO 18773(略称コード)は、独自の規格化を取り止め、ISO 18774(金融商品 短縮名称・略称コード)に統合される形で、昨年に DIS 投票が行われ可決されて いる。しかしながら、ANNA を登録機関として正式に指定するための調整が完了し ておらず、規格発行は若干遅れる見通し。 (5)金融商品コード規格の実態について調査を行うスタディ・グループの設立 最近、民間の情報ベンダーが独自の金融商品コード規格を開発して普及させよ うとする動きがあり、特に ISIN の登録機関である ANNA は、ISIN と競合する民間 主導の規格が開発される状況に懸念を示している。このような状況を踏まえ、現 状、デファクトとして利用されている規格を幅広くリストアップし、それぞれの 利用者や提供者の課題や懸念について調査を行うスタディ・グループの設立が決 議された。

4. リエゾン報告:ISO/IEC7 JTC1/SC17(Cards and Personal Identification)

ISO/IEC JTC1/SC17 国内委員長の廣川氏より、別添資料に基づき、SC17 の組織 概要とともに、下記の通り、最近話題となっている規格の動向について報告が行 われた。 (1)ISO/IEC 78128シリーズ(発行者識別番号 <IIN9>体系の見直し) 発行者識別番号(IIN)は金融分野だけでなくヘルスケア分野等を含めて広く利 用されているが、現 IIN 体系に基づく番号枠が将来的に枯渇する懸念が生じてい る。このため、下記の考え方に基づいて対応策の検討が進められており10、今後、 具体的な移行プランも検討される予定である。

・ PAN(Primary Account Number)の最大桁数(19 桁)は変更しない 11

・ PAN のうち、IIN 部分を既存の 6 桁から 8 桁に拡張する。

7 International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議。

8 発行者識別番号(IIN)を含めた最大 19 桁までの Primary Account Number(PAN)を定める。 9 Issuer Identifier Number の略称。IIN は、MII(Major Industry Identifier:業界を示す 1

桁の番号)を左から 1 番目の桁とする 6 桁の識別番号。 10 今後ワーキングドラフトの作成作業を開始する予定。 11 TC68 所管の ISO 8583(カードを使用した金融取引に係るメッセージ規格)に準拠したメッセー ジを処理するシステム(例.国際ブランドのクレジットカードやデビットカードのシステム)で は、PAN の桁数を 20 桁以上に変更した場合、既存メッセージ中の PAN フィールドに情報が収ま らないことに伴うシステムトラブル等の重大な懸念が生じる。

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・ PAN は IIN 部分を含めて現行通り数字のみとし英字は含めない。 (2)ISO/IEC 18328 シリーズ(セキュアエレメントとしての IC カードの機能拡 張) IC カードが管理する入力・出力デバイスに関する規格(ISO/IEC 18328 シリー ズ)の開発が進められている12。この規格によりセキュアエレメントとしての IC カードの機能を拡張しつつ、その安全性を確保することが可能となる。また、TC68 所管の規格として ISO 9564-4 が開発中であるが 13、同規格に示された IC カード

PIN 入力デバイス(ICCPED)として ISO/IEC 18328 に準拠した製品を利用するこ とが出来るようになる。 5. リエゾン報告:ISO/IEC JTC1/SC37(Biometrics) ISO/IEC JTC1/SC37 専門委員長の山田氏より、別添資料に基づき、SC37 の概要 および各 WG の活動状況に加え、下記の通り、SC レベルでの過去 1 年の変化につ いて報告が行われた。 (1) ISO/IEC 19794-514:2005 統合版関連 ISO/IEC 19794-5 については、発行後の技術的訂正や追補が多いため参照しに くいとの声が高まり、統合版の発行が要望されているが、追補がある場合には、 原則的に統合版を発行することができない。この規格は、190 を超える国で使用 されており、e パスポートや e ビザでも利用される重要な規格であるため、現在、 ISO 事務局に対して統合版発行に関する問い合わせを行っている状況。 (2)IEC/TC3/SC3C との間でのリエゾン構築 SC37 では、日本が中心となり、機器・装置用図記号を規格化する IEC/TC3/SC3C との間でリエゾン関係を構築した。 JTC 1 で使う図記号は、上記の IEC/TC3/SC3C または ISO/TC145/SC3 で規格化さ れた図記号を使用する必要がある。しかし、SC37 では、これを認識せずに WG6 下 で ISO/IEC 24779 シリーズ(バイオメトリクスの図記号規格)の開発を進めたた め、混乱状況にあった。今回のリエゾン構築により、ISO/IEC 24779 シリーズの 開発が大きく進展することが期待される。 6. TC68 年次総会の概要(SC2、SC7、ISO 20022 RMG を含む) 2015 年 5 月 4 日~7 日にカナダ・トロントで開催された TC68 年次総会および関

12 「ISO/IEC 18328 Identification cards --ICC-managed devices」は、Part1: General Framework

(DIS 段階)、Part2:Physical characteristics and test methods for cards with devices(FDIS 段階)、Part3:Organisation, Security and Commands for Interchange(CD 段階)の 3 つのパー トで構成される。

13 「Personal Identification Number(PIN)management and security – Part4: Requirements for

PIN handling in eCommerce for Payment Transactions」は、2nd DIS 投票が 5 月に終了し採択 されている。

14 ISO 19794 は、バイオメトリクス・データに関するフォーマットを定義する規格であり、その

うち ISO 19794-5 は、顔画像データのフォーマットを定義している。

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連会合について、事務局より、別添資料に基づき報告が行われた。 (1) ISO 20022(金融業務分野の通信メッセージ規格)関連 ① 中銀への報告手段としての ISO 20022 の活用 会合に先立ち、以下の Business Justification(BJ)15案が RMG に提出さ れていた。 ・ ECB、仏・西・独の各中央銀行による共同提案 ― 金融市場統計報告規制に基づき、欧州中央銀行制度は、2016 年 4 月 1 日より金融機関から短期金融市場取引データを収集予定であり、 同収集を行うための ISO 20022 メッセージの開発を提案。

・ ロシアの Corporate Market Practice Group による提案

― ロシアでは、規制により、居住者⇔非居住者間のクロスボーダー取 引(全通貨が対象)のロシア中央銀行への報告が義務付けられてい る。同報告を行うための ISO 20022 メッセージの開発を提案。 これらの BJ 提案を踏まえ、RMG 会合では、メッセージ開発のために評価 を行う場となる標準評価グループ(Standards Evaluation Group <SEG>)と して、regulatory reporting に関する SEG 設立の是非を議論。その結果、 既存の枠組み16で対応可能であり、新 SEG 設立は行わないこととなった。 ② 即時リテール決済に関する WG の設置 (英国の動向) 英国の 24 時間・365 日稼動(24/7)即時振込システム“Faster Payments Service”では、ISO 8583 ベースの電文フォーマット17を利用しているが、 これに代わる ISO 20022 メッセージを開発するため、2010 年に RMG に対して BJ 提案を行っていた。 しかし、ここにきて 24/7 即時振込システムを構築する動きが他国でも広 がってきたこと18を踏まえ、英国内では「グローバルに活用できるメッセー ジを、英国以外の主体と共同で開発すべき」との声が高まっていた。 (RMG 会合での議論) こうした中、英国から、即時リテール決済で利用する ISO 20022 メッセー ジに関する検討を行う WG(ad-hoc real-time payments working group)の 設置が提案され、承認された。同 WG では、各国の 24/7 即時振込システムや

15 ISO 20022 メッセージを新規開発する際の手続き(書式)。

16 Payments、Securities、Trade Services、Foreign Exchange、Cards & Related Retail Financial

Services の 5 つの SEG。

17 カード決済のオーソリゼーション等に利用されている電文フォーマット。

18 スウェーデン、シンガポール等では既に 24/7 即時振込システムが稼動しているほか、米国、

豪州、ユーロ圏、カナダ等でも同様のシステム構築に向けた検討を行っている。

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カード決済など、end-to-end でデータをやり取りする即時リテール決済に用 いる ISO 20022 メッセージの共通化を図る予定。

③ Business Application Header(BAH)19に関する議論

RMG 傘下の技術支援グループ(Technical Support Group <TSG>20)は、メッ

セージが ISO 20022 準拠(“ISO 20022 compliant”)であるための要件に ついて、検討を行っている。RMG 会合では、TSG から、メッセージ定義書 (Message Definition Report <MDR>)で BAH の利用が必須とされているも のについて BAH の利用を ISO 20022 準拠の要件に含めるかが論点の一つと なっている旨の報告がなされた。 ④ RMG メンバー資格の拡大等 前回の RMG 会合(2014 年 11 月)で、RMG メンバーの資格拡大、および “Livelink”21利用取り止め、を検討する旨の決議がなされていた。今回の RMG 会合では、次の通りその具体策を決定。 ・ RMG メンバー資格を、現行(TC68 の P メンバーとカテゴリーA リエゾン に限定)から、以下の基準を満たすあらゆる主体に拡大。 a) ISO 20022 のユーザー・コミュニティー、または標準化に関して正 当な関心・実績を持つ関係者を代表する組織であること。 b) 代表権や意思決定に関するガバナンスが機能していること。 c) ISO 20022 標準に対する業界の考え方に相応しいこと。 d) RMG やその下部組織の活動への積極的な参加をコミットすること。 e) 非営利団体または同様の非商業的組織であることが望ましい。 f) ISO 20022 に関して地域的またはグローバルな視点を持っているこ と。 ・ “Livelink”に代えて、“Sharepoint”22を利用。

(2) World Wide Web Consortium(W3C)とのリエゾン構築

World Wide Web Consortium (W3C)23は、 Web を用いた資金決済に関す

る検討を行うグループを立ち上げ、TC68/SC7 に対して、カテゴリーD のリエ ゾン構築24を提案(TC68/SC7 での投票を経て 4 月に承認)。今次会合では、 19 ISO 20022 メッセージの Header 部を標準化したもの。 20 ISO 20022 に関する技術面での課題・対応について検討するグループ。 21 メンバー間の情報共有に利用している ISO のシステム。 22 Microsoft が提供する、ウェブ・ブラウザをベースとした共同作業や文書管理を行うプラット フォーム。

23 World Wide Web で使用される各種技術の標準化を推進するために設立された非営利の標準化

団体であり、HTML や XML など多数の標準化を行っている。

24 モバイル金融サービスおよびカード標準が対象。

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W3C のこうした動きが ISO 標準との競合に繋がらないか懸念する声がメン バーから聞かれた。これに対し TC68 議長は、「W3C は、既存の ISO 標準を活 用(leverage)することを考えており、それらと重複する別標準を新たに作 ることを意図していない」と説明。 (3) TC68 の今後の戦略に関する検討 ① 新たな利害関係者に関する検討 中銀への報告に ISO 20022 を活用する動きや、W3C で資金決済標準化に関 する検討が始まる中、TC68 にとって新たに重要な利害関係者となりうる主体 との関与について検討する組織(ad-hoc group on industry engagement opportunities)が設置されることとなった。

② Standards Advisory Group(SAG)の役割拡大

ISO 17442(Legal Entity Identifier <LEI>)の国際的な普及に向けて、 課題評価を行ってきた Standards Advisory Group(SAG)の役割を拡大し、 TC68 関連の国際規格全般について、金融当局・中銀とのコンタクト・ポイン トとすることとされた。 ③ 戦略的な検討を行うためのスタディ・グループの設置 TC68 の活動・組織について戦略的な検討を行うスタディ・グループが設置 されることとなった。 ― 4 月の投票で Karla McKenna TC68 議長の任期延長(~2018 年 12 月) が決議された。しかし、McKenna は 2007 年 1 月から既に 8 年以上議 長を務めている25ことから、TC68 では戦略の見直しや新議長候補の検 討を行うべきとの意識が高まっていた。 (4) デジタル通貨に関するスタディ・グループ(SG)の設立 ① スタディ・グループの概要 デジタル通貨(digital-currencies)26に関するスタディ・グループ(SG) 設立が 4 月の投票で承認された旨、報告がなされた27 ― SG ではレポート作成を行い、6 か月後を目途にドラフトを SC7 に提出 する予定。レポートでは、a)デジタル通貨のビジネスニーズ、その実 現性や影響を評価したうえで、b)ISO 4217(通貨コード)のスコープ にデジタル通貨を含める規格改訂提案を行うことが想定されている。 25 なお、昨年の ISO Directives 改正により、「TC および SC の議長の任期は原則として最大 9 年」とされている。ただし、特別な理由がある場合には、議長の任期が 9 年を超えることが例外 的に認められる。 26 このデジタル通貨については、その通貨が中銀・金融当局から承認されているか否かにかかわ らず、同グループでの検討対象とされる(Bitcoin 等も対象に含まれる)。 27 日本からは、国立情報学研究所・岡田仁志准教授がスタディ・グループに参加。

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― SG 設立提案書では、「ISO の立場は、デジタル通貨の利用を支持する ことではなく、通貨識別や標準メッセージ(例.ISO 20022)の規格を 利用していくことの必要性を認識し、デジタル通貨を利用した金融取 引の STP 化を可能とすること」とされている。 ② 会合での議論 ビジネスニーズや影響の評価を行う前の段階で、デジタル通貨を含める形 での ISO 4217 の改訂が想定されていることについて、日本から疑問を呈し た。これに対し、TC68 議長からは「検討の結果、ISO 4217 の改訂は不要と の結論に至ることもあり得る。」との説明があった。 (5) 通貨・ファンドコード(ISO 4217) 数字 3 桁コードの 900 番台(貴金属・ファンド用のコード)が将来不足す る可能性に対処するため、001~899 番で未だ利用されていない空番号の一定 数を同コードとして利用できるようにすべく、以下の方針が承認された。 イ) 当規格の改訂を担当する WG12 に対し、現行の取扱い(900~999 番の幅 での割り振り)から 001~999 番の幅でコードが割り振れるよう、将来的 な規格改訂を検討するように求める。 ロ) WG12 に対し、001~899 番の範囲でコードを割り振る場合、国連統計局 が管理する国コードとの重複を防ぐため同局との情報交換に努める条項 を含めるよう、メンテナンスガイドラインを修正することを求める。 ハ) デジタル通貨に関する SG における検討の結果、デジタル通貨を ISO 4217 に含める必要がないと判断された場合、イ)、ロ)の検討結果は次回の規 格定例見直し時28に反映する。 (6) 企業識別コード:BIC(ISO 9362) ISO 9362(2014 年版)が 2015 年 1 月から実施29されていることに加え、 新たなウェブサイト www.iso9362.org を立ち上げ、コードと紐付く企業情報30 を管理するツールを提供する予定である旨、報告がなされた。 (7) 法人形態の規格化

法人形態(Entity Legal Form <ELF>)に関する国際規格の開発作業を進 めている TC68/WG8 から、以下の進捗報告が行われた31

28 2020 年頃を予定。

29 経過措置として、BIC1(SWIFT 非接続先について、8 桁目コードを“1”とするルール)は、2018

年 11 月まで利用が認められる。

30 企業情報の更新は、BIC を取得した企業が責任を持って行うことが求められている。

31 ISO 17442 では、LEI(英数字 20 桁のコード)に、当該 LEI を保有する主体についての参照情

報を紐付けて管理することとされている。本作業は、同参照情報での利用を主な目的として、各 国の法人形態を定義・コード化し、その管理手続を含めて規格化を行うもの。

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・ WG 参加国の LEI 付番機関が管理する LEI の保有主体の情報を分析中。 ・ 国コードと紐付け、法人形態に関する各国固有の名称(日本の場合: 株式会社など)をコード・リストの項目として利用する方向で議論が進 んでいる。 ・ 今秋に CD 投票にかけ、そこで寄せられたコメントを踏まえた修正を加 えたうえで、早ければ 2016 年上半期にも DIS 投票にかける。 (8) TC68 関連ポスト TC68 議長の任期延長(前述)のほか、SC・RMG 関連の議長等について、以 下の決議がなされた。

・ SC2 議長:Mark Sutton(英国)→Kim Wagner(米国)。 ・ SC7 議長:Patrice Hertzog(仏国)の任期を 3 年間延長。 ・ Payments SEG の副主査:

Bob Blair(米国)→Harri Rantanen(フィンランド)。 ・ Securities SEG の主査:

Kevin Wooldridge(英国)→Axelle Wurmser(仏国)。 ― このほか、会合後に、RMG 副主査(Vice Convenor)である Bob Blair

(米国)の任期満了に伴う後任候補の募集が行われており、日本から 田貝正之氏(JP モルガン・チェース銀行)を候補者として推薦。 7. トピックス 最近の国際標準化関連の動向や、当事務局からの連絡事項について、事務局よ り、別添資料に基づき、報告が行われた。 (1)ISO 20022(金融業務分野に関する通信メッセージ)関連 ① ISO 15022 variants に関する BJ 提案32

ISO 15022 メッセージ(SWIFT の MT)を使用している金融機関等の ISO 20022 対応や、ISO 15022 メッセージと互換性のあるシステムを開発する必要があ る ISO 20022 ユーザーの支援を目的に、ISO 20022 Variant33登録を SWIFT

が提案。

SWIFT では、オリジナルの ISO 20022 メッセージに一定の制約をかけて ISO 15022(MT)に適合する MX メッセージとして既に管理しており、今回の BJ は、そうしたメッセージを正式に ISO 20022 Variant として登録するもの34

32 BJ 名称は、“Securities Settlement and Reconciliation/ Corporate Actions ― ISO 15022

variants”

33 ISO 20022 Variant とは、オリジナルの ISO 20022 メッセージに対し、各国独自の市場慣行な

どに合わせる形でメッセージ使用領域に一定の制約をかけたもの。

34 本件で ISO 20022 Variant 化の対象となるメッセージ群は、① Securities Settlement and

Reconciliation(S&R)、② Corporate Actions(CA)の 2 種類。

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② ISO 20022 勉強会 (2014 年度開催分の資料の一般公開) 2014 年度に開催した計 4 回の勉強会(うち 2 回は同一内容)で使用した プレゼン資料を、一般公開する旨を確認し、承認を得た 35 (2015 年度の予定) 2015 年度も、TC68 メンバーとその関係者を対象として、ISO 20022 に関す る基本的知識の普及を目的とした勉強会を開催予定。具体的には、昨年度の 第 1 回(ISO 20022 の概要)をアップデートした内容を扱ったうえで、メン バーからの意見も踏まえ、応用的な話題を取り扱う勉強会を別途開催するこ とも検討。 (2)セマンティック・モデル36の規格化 セマンティック・モデルの規格化について、2015 年 1 月に発足した TC68/WG5 で本格的な検討が開始されている。この規格では、ISO 20022 のビジネスモデ ルをベースに、様々な他の通信メッセージ規格との間でインターオペラビリ ティを確保するセマンティック・モデルを開発していく。 今後、これまでの会合(1 月 6 日、 2 月 2~3 日、3 月 13 日)を踏まえて、 以下の方針で検討作業を進めていく予定。 ・ セマンティック・モデルは、ISO 20022 Part9 として規格化する。 ・ インターオペラビリティを実現するために他の言語(FPML や XBRL)や 組織(ISDA)の関係者と協力関係を構築する37 ・ ISO 20022 と他の通信メッセージ規格との間でセマンティック・モデル を構築するためのフレームワークやプロセスを定義できることを確認す るための概念実証(Proof of Concept)を行う。 (3) ISO 12812(モバイル金融サービス) 現在、DIS 投票期間中であり(国際投票期限は 7 月 8 日)、当事務局として は、a)アジアで普及しているカード型モバイル金融サービスが含まれていな いこと38、b)規格案のクオリティが国際規格として必要な水準に達していな 35 現在、TC68 メンバーのみが閲覧できるように資料にパスワードをかけているが、これを解除 する。 36 ISO 20022 のビジネスモデルをベースに、通信メッセージに含まれる様々なデータについてそ の意味や相互の関係性を整理・体系化するものであり、人工知能などの分野で活用されているセ マンティック Web 技術を利用することが想定されている。

37 既に BIAN(Banking Industry Architecture Network)は、WG5 のカテゴリーD リエゾンとなっ

ている。 38 日本で普及しているカード型電子マネーは規格案のスコープ対象外。しかし、これがスマート フォン等のモバイルデバイスに搭載された場合は、規格案のスコープに含まれる。こうした取決 めは、NWIP(新規業務項目提案、2010 年)の段階で、当時の関連メンバーで合意していた由。 もっとも、NWIP には、書面でこの事実が掲載されていないため、当事務局からは異議を申し立

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いことを事由に、反対投票を行いたいと考えている。最終的な投票内容は、本 委員会メンバーの意見を踏まえ決定する39 (4) 今後の TC68 国内委員会の運営に関する件 事務局より、別添資料に基づき、報告が行われた。 現在、TC68 国内委員会(以下、「TC68 委員会」)から独立した組織として TC68/ SC2-7 国内検討委員会(以下、「SC2-7 検討委」)が設置されているが、近年に おける規格開発等に関する検討は TC68 や SC2-7 の所管に関係なく両委員会で 行っているほか、会合も合同開催しているのが実情。 こうした状況を踏まえ、今後、以下の事項について TC68 委員会および SC2-7 検討委に検討をお願いし(メール審議を予定)、異論が無いようであれば、承 諾頂いたこととし、これら事項について対応していく予定。 ・ SC2-7 検討委を廃止したうえで、同委員会メンバーのうち希望者を TC68 委員会メンバーとする。 ・ 「ISO/TC68/SC2-7 国内検討委員会規則」を廃止するとともに、「ISO/TC68 国内委員会運営規約」を変更する。 8. その他 次回の ISO 20022RMG 会合は、2015 年 12 月 1~2 日に東京(日本銀行)で開催 予定。 ― 同会合に本委員会メンバーがオブザーバー参加できるよう、RMG 事務局と 調整中。 以 上 てたものの、受け入れられなかった経緯。 39 当規格案については、DIS 投票で賛成票が 2/3 に満たなかった場合、技術仕様書(TS、規格と しての強制力をもたない)とする扱い。

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