第
1
部
平成 25 年度(2013 年度)の
中小企業・小規模事業者の動向
本節では、2013 年に入って、底堅い個人消費 や企業マインドの改善等を背景に、我が国経済は、 一部に弱さが残るものの持ち直しの動きを見せ、 足下では緩やかに回復していることを概観する。
1.
最近の我が国の景況
2008 年 9 月のリーマン・ショックに端を発す る世界経済危機により、大幅に落ち込んでいた我 が国経済は、2009 年から持ち直しの動きを見せ ていたが、2011 年 3 月の東日本大震災や、同年 夏以降に欧州政府債務危機がリスク要因として一 層認識されるようになったこと、また、同年 10 月のタイでの洪水被害によるサプライチェーンの 寸断等、内外の様々なショックに見舞われた。し かし、2013 年に入って、大胆な金融政策と機動 的な財政政策の実施により、家計や企業マインド の改善等を背景に、我が国の景気は一部に弱さが 残るものの、持ち直しの動きを見せるようになり、 足下では緩やかに回復している。 実質 GDP の推移を見てみると(第 1-1-1 図)、第 1 節
我が国経済の動向
第
1
章
中小企業・小規模事業者の動向
第 1-1-1 図 実質 GDP 成長率と需要項目別寄与度の推移 資料:内閣府「国民経済計算」 (注)1.実質 GDP は 2005 年暦年連鎖価格 GDP。 2.2013 年第 4 四半期は速報値(2 次)。 0.6 ▲1.1 ▲1.1 ▲3.3 ▲4.0 1.8 0.1 1.7 1.4 1.1 1.4 ▲0.5 ▲1.9 ▲0.6 2.6 0.2 0.9 ▲0.4 ▲0.8 0.0 1.1 1.0 0.2 0.2 ▲8.0 ▲6.0 ▲4.0 ▲2.0 0.0 2.0 4.0 (前期比季節調整値、%、%ポイント) (年期) 08 09 10 11 12 13 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 家計 民間企業設備 民間在庫品増加 公需 輸出 輸入 成長率第 1 部
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リーマン・ショック後は急速な景気の悪化を経験 し、2009 年 1-3 月期に前期比▲4.0%まで落ち込 んだ後、2009 年 4-6 月期には、アジアを中心と した海外経済の堅調な成長、エコカー補助金・エ コポイント等の景気刺激策に支えられた個人消費 の伸びに牽引され、プラス成長に転じた。その後、 6 四半期連続でプラス成長を続けたが、猛暑効果 の反動やエコカー補助金の終了の影響も加わっ て、2010 年 10-12 月期には再びマイナス成長と なった。その後、東日本大震災が発災し、マイナ ス成長が続いたが、東日本大震災からの復興需要 や 経 済 対 策 等 を 背 景 に、2011 年 7-9 月 期 か ら 2012 年 1-3 月期にかけて 3 期連続でプラス成長 を続けた。しかし、欧州政府債務危機を背景とし て海外景気が減速する中で、輸出が減速し、2012 年 4-6 月期に 4 四半期ぶりにマイナス成長に転 じ、同年 7-9 月期には、個人消費や設備投資の減 少幅が拡大したことなどから、前期比▲0.8%ま で低下した。 2013 年 1-3 月期には、株価上昇による資産効 果や消費者マインドの改善を背景とした個人消 費、公共投資、輸出の伸びにより、前期比+1.1% のプラス成長となり、4-6 月期には+1.0%、7-9 月期は 0.2%、10-12 月期も 0.2%と 4 四半期連続 のプラス成長を続けている。生産の持ち直し等に よる企業収益の改善が所得や設備投資の増加へと つながり、消費、投資、所得の好循環が動き出し ている。今後も引き続き、企業の設備投資、企業 の収益を向上させ、これを個人の賃金や所得の向 上につなげ、消費が拡大する、そして、消費の拡 大が、再び企業の設備投資の呼び水となる「経済 の好循環」を実現していくことが期待される(第 1-1-2 図)。 第 1-1-2 図 経済の好循環 好循環を実現させるには、民間企業による 積極的な投資・賃金引上げが必要企業業績の改善
賃金の増加
投資の拡大
成長戦略の推進
企業活力の向上 潜在成長力の底上げ経済の好循環
マインドの改善
株価の上昇 消費マインドの改善 期待インフレ率の上昇消費の拡大
次に、リーマン・ショック以降の我が国経済の 動向を、内閣府「景気ウォッチャー調査1」で見 てみると(第 1-1-4 図)、「現状判断 DI」は、リー マン・ショック及び東日本大震災での落ち込みが 顕著であることが分かる。また、2013 年に入っ てからは、概ね 50.0 を超える高水準で安定して 推移しており、過去を遡ると、景気回復局面にあっ た 2006 年以来の水準となっていることからも、 景気が着実に上向いていることが見て取れる。 また、2014 年 4 月に実施された消費税増税に よる経済への影響の見込みを、実質 GDP 成長率 の推移によって見ていくこととする(第 1-1-3 図)。ここでは、消費税がそれまでの 3%から 5% に引き上げられた 1997 年の水準と比較すること とする。日本経済フォーキャスターによる予測の 集計である、公益財団法人日本経済研究センター の「ESP フォーキャスト調査」によれば、今回 の増税においても、前回の増税時程度の落ち込み を予想しており、実質 GDP 成長率は、2014 年 1-3 月期の 4.6%から 2014 年 4-6 月期には▲4.1% に落ち込むと予想されている。しかし、直後の 2014 年 7-9 月期には 2.2%にまで回復すると見込 まれており、前回の増税時よりも速いスピードで 回復すると予測されている。 ▲6.0 ▲4.0 ▲2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 (年率、前期比季節調整済値、%) Ⅳ 1.00 4.60 2.20 1.78 ▲4.10 ▲4.10 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ (年期) 前回引き上げ時(1996 年Ⅳ期~1997 年Ⅳ期) 今回の実績および予測(2013 年Ⅳ期~2014 年Ⅳ期) 第 1-1-3 図 消費税増税による実質 GDP 成長率の推移 資料:内閣府「国民経済計算」、公益財団法人日本経済研究センター「ESP フォーキャスト調査」により作成。 1 内閣府「景気ウォッチャー調査」は、地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て、地域ごとの景気動向を的確かつ迅 速に把握する目的で実施されている。このため、地域の景況感について、より肌感覚に近い「街角の景況感」を知ることができる。
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また、足下の経済の動きを、「景気動向指数2」 で確認してみると(第 1-1-5 図)、2014 年 1 月に は、前月と比較して、景気の先行きに対する予測 を行うときに参照される「先行指数3」は、1.2 ポ イント上昇して 113.1 と 5 か月連続で上昇、景気 の現状を把握するのに用いられる「一致指数4」 は、3.0 ポイント上昇して 115.2 と 7 か月連続で 上昇、景気の転換点を確認するものとして利用さ れ る「遅 行 指 数5」 は、1.2 ポ イ ン ト 上 昇 し て 116.0 と 3 か月連続で上昇しており、三つの指数 全てが改善傾向にあり、景気が拡張局面にあるこ とが分かる。他方で、2014 年 2 月には、前月と 比較して、「先行指数」は 4.6 ポイント下降して 108.5、「一 致 指 数」 は 1.8 ポ イ ン ト 下 降 し て 113.4、「遅行指数」は 0.7 ポイント上昇して 116.7 となっている。 第 1-1-4 図 全国の現状判断 DI の推移 資料:内閣府「景気ウォッチャー調査」 (注)1. 景気ウォッチャー調査は、全国 11 地域においてタクシー運転手、商店主等景気を肌で感じる職業の人に「街角の景況感」をヒア リングし DI 化する調査。 2.各月の調査期間は毎月 25 日から月末。 3. 景気の現状判断 DI は、景気の現状に対する 5 段階の判断にそれぞれ次の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じ て算出。「良くなっている」+1、「やや良くなっている」+0.75、「変わらない」+0.5、「やや悪くなっている」+0.25、「悪くなっ ている」0。 36.9 15.9 27.7 39.0 57.3 57.9 52.6 (DI) (年月) 08 1 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 34 5 6 7 8 91011121 2 3 09 10 11 12 13 14 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 2008 年 9 月 リーマン・ショック 2011 年 3 月 東日本大震災 2 「景気動向指数」は、生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、景気の現状把握及 び将来予測に資するために作成された指標。 3 「先行指数」の採用系列は、「新規求人数(除学卒)」、「実質機械受注(船舶・電力除く民需)」、「新設住宅着工床面積」、「消費者態度指数」等の 11 系列。 4 「一致指数」の採用系列は、「生産指数(鉱工業)」、「営業利益(全産業)」、「中小企業出荷指数(製造業)」、「有効求人倍率(除学卒)」等の 11 系列。 5 「遅行指数」の採用系列は、「第 3 次産業活動指数(対事業所サービス)」、「実質法人企業設備投資(全産業)」、「法人税収入」等の 6 系列。そして、企業規模別、業種別の業況判断 DI の 動きを、日本銀行「全国企業短期経済観測調査6」 (以下「日銀短観」という。)で見てみると(第 1-1-6 図)、2013 年に入って、大企業、中小企業・ 小規模事業者共に一貫して上昇しており、足下の 業況判断 DI は企業規模別に見ても、業種別に見 てもプラスとなっている。特に、中小企業・小規 模事業者の業況判断 DI が、製造業では 6 年ぶり、 非製造業では 21 年 10 か月ぶりにプラスに転ずる など、景気回復の効果が、中小企業・小規模事業 者にも現れ始めている。他方で、大企業に比べて、 中小企業・小規模事業者の回復のスピードには遅 れが見られるため、こうした景気回復の実感を地 域経済を支える中小企業・小規模事業者にまで広 く行き渡らせていくことが今後の課題である。 第 1-1-5 図 景気動向指数の推移 資料:内閣府「景気動向指数」 (注) 「CI(コンポジット・インデックス)」とは、採用系列の前月と比べた変化の大きさを合成して作成した指数。採用系列には、多く の経済指標の中でも景気に敏感に反応する系列が選ばれる。景気変動の大きさやテンポといった量的側面(量感)を把握できる。 116.7 113.4 108.5 113.1 115.2 116.0 100.0 95.0 105.0 110.0 115.0 120.0 (CI、2010 年=100) (年月) 11 12 13 14 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 先行指数 一致指数 遅行指数 6 「日銀短観」は、総務省の「事業所・企業統計調査」をもとに、資本金 2 千万円以上の民間企業(金融機関を除く)を「母集団企業」(現行約 21 万社)とし、その中から、業種別・規模別に設けた区分毎に統計精度等に関する一定の基準をもとに抽出した企業(現行約 1 万社)を調査対象企 業とする標本調査。
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2.
生産・輸出の動向
次に、最近の生産及び輸出の動向を見ていく。 第 1-1-7 図は、我が国の生産・輸出の推移を 見たものである。 東日本大震災により大きく落ち込んだ後、順調 な回復を続けていた我が国製造業の生産活動は、 欧州政府債務危機を背景とした海外景気の減速や 経済対策効果の減退等により、2012 年 5 月以降 は、2010 年の水準である 100.0 を下回り、後退に 転じたが、2013 年 2 月以降は持ち直しの動きが みられるようになっている。 こうした動きを、鉱工業生産指数のうちの「製 造工業」によって見てみると(第 1-1-7 図上)、 東日本大震災の発災により、発災前の 2011 年 2 月には 102.7 の水準にあった生産指数は、震災が 発災した 3 月には 85.8 にまで落ち込んだ。その 後、2011 年 8 月に 100.4 を記録して以降はおよそ 100.0 を超える水準で推移し、緩やかに持ち直し ていたが、欧州政府債務危機を背景とした海外景 気の減速や経済対策効果の減退等により、2012 年 5 月に 98.8 を記録し、それ以降は 100.0 を下回 る水準で推移するようになった。しかし、2013 年に入って、再び持ち直しの動きがみられるよう になり、足下の 2014 年 2 月では 101.5 と 100.0 を 上回る水準にまで回復してきている。また、鉱工 業生産指数に対する寄与度の大きい「輸送機械工 業(船舶・同機関、鉄道車両、航空機を除く)」 についても見ていくと、やはり東日本大震災によ る影響は著しく、震災前の 2 月に 100.1 の水準に あった生産指数は、震災発災直後の 4 月には 49.0 と 大 き く 落 ち 込 ん だ。 そ の 後、2012 年 4 月 に 114.1 まで上昇したものの、それ以降は弱含みで 推移した。2013 年に入ってからはおよそ 100.0 を 超える水準で推移し、足下の 2014 年 2 月では 106.3 となっている。 こうした生産活動の動きの背景にあるのは、自 動車を始めとする輸送機械工業を中心とした輸出 の動きである。これを輸出額の前年同月比で見て 第 1-1-6 図 企業規模別、業種別の業況判断 DI の推移 資料:日本銀行「全国短期経済観測調査」 (注)資本金 10 億円以上の企業を大企業、資本金 2 千万円以上 1 億円未満の企業を中小企業・小規模事業者としている。 24 17 8 4 (年期) 11 12 13 14 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 大企業・製造業 大企業・非製造業 中小企業・小規模事業者・製造業 中小企業・小規模事業者・非製造業 (DI、%) ▲30.0 ▲25.0 ▲20.0 ▲15.0 ▲10.0 ▲5.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0みると(第 1-1-7 図下)、東日本大震災により大 きく落ち込んだ後も、東日本大震災の大幅減の反 動により一時的に前年同月比プラスになっている 月はあるものの(2012 年 4 月)、欧州政府債務危 機による海外景気の減速と円高方向への動きによ り、2012 年も概ね前年同月比マイナスで推移し た。しかしながら、2013 年に入ってからは前年 同月比プラスに転じている。 資料:経済産業省「鉱工業生産指数」 (注) 2014 年 2 月は速報値。 106.3 98.8 114.1 49.0 85.8 102.7 100.1 100.4 101.5 110.0 120.0 (年月) 11 12 13 14 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0 (季節調整値、2010 年=100) 生 産 製造工業 輸送機械工業(船舶・同機関、鉄道車両、航空機を除く) 第 1-1-7 図 我が国の生産・輸出の推移 資料:財務省「貿易統計」 (注) ここでいう「輸送機械工業」とは、「鉄道用及び軌道用以外の車両並びにその部分品及び附属品」を指す。 ▲12.4 ▲51.5 113.1 120.0 (年月) 11 12 13 14 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 輸 出 ▲80.0 ▲60.0 ▲40.0 ▲20.0 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 輸出全体輸送機械工業 (前年同月比、%)
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特に、輸送機械工業の輸出は、東日本大震災に より 2011 年 4 月に▲51.5%と大幅な落ち込みを 見せた後、順調に回復し、2012 年 4 月には東日 本大震災の反動により、前年同月比 113.1%と大 幅な増加を記録した。しかし、同年 5 月以降は急 速に減速し、とりわけ同年 9 月以降は、4 か月連 続で前年同月比マイナスとなった。しかしながら、 2013 年に入ってからは、輸送機械工業は前年同 月比でプラスに転じ、輸出全体の伸びに寄与して いる。 第 1-1-8 図は、我が国の輸出の推移を地域別 に見たものである。 これを見ると、東日本大震災により、大幅に落 ち込んだ我が国の輸出は、欧州政府債務危機の顕 在化等を背景とする海外経済の減速と円高方向へ の動きによって、2012 年に入っても厳しい状況 が続いた。しかし、2013 年に入ってからは、輸 出環境が回復に入るとみられたが、2 月に輸送用 機器及び一般機械での中国向け輸出が減少し7、 アジア向け輸出が大きく減少したことを受けて前 年同月比で減少した。その後は、海外景気の底堅 さ等を背景に、輸出環境が改善に向かい始めたこ と等を受けて、我が国の輸出は円高方向へ推移し ていた 2012 年に比べて大きく増加した。地域別 に見てみると、アジア、米国向けの輸出が好調で あり、かつ、欧州政府債務危機から回復しつつあ る欧州向けの輸出も伸びたことにより、とりわけ、 同年 5 月以降は、前年同月比でおおむね 10%以 上の伸びを示している。 資料:財務省「貿易統計」 第 1-1-8 図 我が国の輸出の伸びと地域別寄与度の推移 アジア EU 米国 その他 全体 11 12 13 14 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 1 9.8 18.6 14.6 1.1 6.3 ▲2.9 ▲10.3 ▲2.3 ▲9.2 ▲12.4 10.0 5.9 2.8 9.0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 2 ▲15.0 ▲10.0 ▲5.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 (前年同月比、%、%ポイント) (年月) 7 中国の春節が 2012 年は 1 月だったのに対し、2013 年は 2 月であったという特殊要因によって輸出数量の前年比伸び率が押し下げられたと考えら れる。次に、第 1-1-10 図は、2005 年を 100 とした時 の規模別の設備投資動向を示したものである。こ れを見ると、足下では、製造業、非製造業共に大 企業の設備投資が伸び悩んでいるのに対して、中 小企業・小規模事業者の設備投資は増加しており、 増加幅も大きくなっている。このことから、足下 では、大企業の設備投資に比べ、中小企業・小規 模事業者の設備投資が伸びてきていることが分か る。
3.
設備投資の動向
続いて、設備投資の動向を見ていく。 第 1-1-9 図は、企業規模別の設備投資(実額) の推移を見たものである。 これによれば、2011 年以降の大企業の設備投 資は 5 兆円から 9 兆円の間で推移しているのに対 し、中小企業・小規模事業者の設備投資は 2 兆円 から 3 兆円で推移しており、大企業の設備投資額 に比べて中小企業・小規模事業者の設備投資額は 低位で推移していることが分かる。 第 1-1-9 図 企業規模別の設備投資(実額)の推移 資料:財務省「法人企業統計季報」 (注)1.資本金 1 億円以上を大企業、1 千万円以上 1 億円未満を中小企業・小規模事業者としている。 2.ここでいう「設備投資」には、ソフトウェアは含まれていない。 11 12 13 Ⅰ 3.0 5.0 5.0 2.0 2.0 3.0 3.0 2.5 2.5 3.4 3.4 2.5 2.5 3.8 3.8 3.1 3.1 5.1 5.1 2.3 2.3 3.2 3.2 2.5 2.5 3.4 3.4 2.3 2.3 3.8 3.8 2.8 2.8 5.0 5.0 2.0 2.0 3.4 3.4 2.2 2.2 3.7 3.7 2.1 2.1 4.0 4.0 0.7 0.7 1.7 1.7 6.1 2.4 0.5 0.5 1.5 1.5 2.0 2.0 0.6 0.6 1.3 1.3 1.9 1.9 0.6 0.6 2.1 2.1 2.7 0.7 0.7 1.8 1.8 2.5 0.6 0.6 1.5 1.5 2.1 2.1 0.6 0.6 1.5 1.5 2.1 0.5 0.5 1.7 1.7 2.2 0.7 0.7 1.7 1.7 2.4 0.6 0.6 1.6 1.6 2.2 0.6 0.6 1.6 1.6 2.3 0.7 0.7 1.8 1.8 2.5 5.9 5.4 5.4 7.8 6.1 5.9 5.4 5.4 8.3 6.2 6.2 5.9 5.1 5.1 8.0 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ (兆円) (年期) (年期) 11 12 13 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 (兆円) 製造業 非製造業 製造業 非製造業 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 中小企業・小規模事業者 大企業第 1 部
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資料:財務省「法人企業統計季報」 (注)1.資本金 1 億円以上を大企業、1 千万円以上 1 億円未満を中小企業・小規模事業者としている。 2.ここでいう「設備投資」には、ソフトウェアは含まれていない。 3.ここでは、4 四半期移動平均を取っている。 第 1-1-10 図 企業規模別の設備投資(指数)の推移 06 Ⅰ Ⅱ 76.1 74.8 75.7 74.2 79.1 73.0 Ⅲ Ⅳ 07 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 08 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 09 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 10 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 11 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 12 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 13 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 大企業 中小企業・小規模事業者 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0 110.0 120.0 130.0 140.0 (2005 年=100) (年期) 製造業 06 Ⅰ Ⅱ 80.3 73.6 81.8 74.8 83.6 75.5 Ⅲ Ⅳ 07 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 08 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 09 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 10 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 11 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 12 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 13 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 大企業 中小企業・小規模事業者 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0 110.0 120.0 130.0 140.0 150.0 (2005 年=100) (年期) 非製造業4.
為替の動向
次に為替の動向を見ていく(第 1-1-11 図)。 2007 年から 2012 年 11 月頃まで続いた円高方 向への動きは、我が国輸出産業の競争力を低下さ せ、企業収益を圧迫してきた。また、輸出を行っ ていない国内企業においても、輸出企業を通じた コスト引下げ圧力の高まり等により、収益環境の 悪化が進んだ。 為替レートの動きを詳しく見てみると、2012 年 11 月頃までは対ドル、対ユーロ共に円高方向 への動きが続いたものの、その後、対ドル、対ユー ロ共に円安方向への動きに転じ、2013 年 12 月に は対ユーロで 144.8 円、2014 年 1 月には、対ドル で 105.4 円まで円安方向に推移した。足下では、 対ドルで 100 円台前半、対ユーロで 140 円前後で 推移している。 資料:Bloomberg (注) 為替レートは日次のデータを使用している。 第 1-1-11 図 為替レートの推移 (年) (円/ドル) (円/ユーロ) 円/ドル(左軸) 円/ユーロ(右軸) 70 80 90 100 110 120 130 140 150 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170 180 長期為替レート(1994 年以降、年別) 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 (円/ドル) (円/ユーロ) 円/ドル(左軸) 円/ユーロ(右軸) 80 短期為替レート(2012 年以降、月別) 75 80 85 90 95 100 105 110 90 100 110 120 130 140 150 (年月) 12 13 14 1 76.12 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 77.7 103.2 105.4 97.2 94.5 127.4 131.9 144.8第 1 部
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5.
石油製品価格の動向
第 1-1-12 図上は、2010 年以降のドバイ原油の 取引価格の推移を、月次で示したものである。こ れを見ると、2012 年以降のドバイ原油の月当た り平均価格は、106.9 ドル/バレルと、2010 年∼ 2011 年の月当たり平均価格 92.0 ドル/バレルを大 きく上回っており、原油価格は高止まりの状態が 続いていることが分かる。 こうした状況の中、国内の石油製品価格は高騰 を続けている。第 1-1-12 図下は、石油製品の卸 売価格の推移を示したものである。これを見ると、 2010 年以降、レギュラーガソリン価格、軽油価 格共に、おおむね原油価格の動きと同様の動きを 示しており、上昇傾向を続けてきたことが分かる。 しかしながら、2012 年 11 月以降は、原油価格が 横ばいで推移する中、為替レートが円安方向へ推 移したことを受けて、国内の石油製品価格は上昇 に転じていることが分かる。 資料:IMF「Primary Commodity Prices」 (注) Dubai Crude Oil の月平均価格。 第 1-1-12 図 原油価格及び石油製品卸売価格の推移 原油価格 (年月) 10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 11 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 13 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 (US ドル/バレル) 0.00 20.00 40.00 60.00 80.00 100.00 120.00 140.00 73.6 117.4 111.2 100.3 108.4 104.1 92.0 106.9 資料:経済産業省資源エネルギー庁「石油製品価格調査」 (注) 元売会社の特約店向け卸価格(消費税抜き)。 (円/リットル) レギュラーガソリン(左目盛) 軽油(右目盛) 石油製品卸売価格 (年月) 10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 11 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 121 2 80 90 100 110 120 130 140 150 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 (円/リットル)前節では、最近の我が国経済の動向を概観し、 2013 年に入って、企業マインドの改善や底堅い 個人消費等を背景に、一部に弱さが残るものの持 ち直しの動きを見せていた我が国経済が、足下で は緩やかに回復していることを見てきた。 本節では、こうした我が国経済の動きを受けて、 中小企業・小規模事業者の景況感、売上・収益、 生産、資金繰り、倒産、廃業、設備投資、雇用等 の状況が、2013 年度を通じて、どのように推移 してきたかについて見ていく。
1.
景況感
まず、中小企業・小規模事業者の景況感を、中 小企業庁・独立行政法人中小企業基盤整備機構「中 小企業景況調査8」(以下「中小企業景況調査」 という。)で見てみる(第 1-1-13 図)。 足下の中小企業・小規模事業者の業況判断 DI は、2008 年 9 月 の リ ー マ ン・ シ ョ ッ ク に よ り 2008 年 1-3 月期の▲28.7 から 2009 年 1-3 月期に は▲48.8 まで大幅に悪化した後、順調に持ち直し ていたが、2011 年 3 月の東日本大震災で、2011 年 1-3 月 期 の ▲26.0 か ら 2011 年 4-6 月 期 に は ▲35.0 まで落ち込んだ。2011 年 7-9 月期に▲26.5 と東日本大震災前の水準にまで回復した後は、足 踏みを続けていたが、2013 年に入ってからは緩 やかに改善しており、足下の 2014 年 1-3 月期に は▲11.1 となっている。ただし、中小企業・小規 模事業者全体の動きに比べると、小規模事業者の 業況判断は低い水準にある。第 2 節
中小企業・小規模事業者の動向
第 1-1-13 図 中小企業・小規模事業者の業況判断 DI の推移 資料:中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」 (注)業況判断 DI は、前期に比べて、業況が「好転」と答えた企業の割合(%)から、「悪化」と答えた企業の割合(%)を引いたもの。 ▲28.7 ▲30.7 ▲48.8 ▲26.0 ▲26.5 ▲17.7 ▲13.8 ▲11.1 ▲14.4 ▲16.9 ▲21.1 ▲19.8 ▲18.7 ▲36.0 ▲35.0 ▲27.8 ▲28.1 08 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 09 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 10 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 11 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 12 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 13 14 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 小規模事業者 中小企業・小規模事業者全体 ▲60.0 ▲50.0 ▲40.0 ▲30.0 ▲20.0 ▲10.0 0.0 (DI、前期比季節調整値) (年期) 8 「中小企業景況調査」は、中小企業基本法に定義する全国の中小企業・小規模事業者 1 万 9 千社を対象に、全国の商工会、商工会議所の経営指導 員及び中小企業団体中央会の調査員による聴き取り調査。調査対象の約 75%が小規模事業者で構成されており、「日銀短観」に比べると、小規模 事業者の割合が高い。第 1 部
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この業況判断 DI の動きを長期で見てみると (第 1-1-14 図)、足下の水準は 1994 年と同程度 の水準にあり、これは 19 年ぶりの高い水準となっ ている。また、この水準は 1994 年の統計開始以 来の過去最高水準であり、中小企業・小規模事業 者全体の景況感は確実に良くなってきていること が分かる。 続いて、月次ベースでより詳細に足下の動きを 見るために、全国中小企業団体中央会「中小企業 月次景況調査9」(以下「中小企業月次景況調査」 という。)で 2011 年以降の中小企業・小規模事業 者の景況感を見てみる(第 1-1-15 図)。中小企業・ 小規模事業者の景況 DI は、東日本大震災直後の 2011 年 4 月に▲58.2 まで落ち込んだ後、回復を 見せたものの長くは続かず、2011 年 9 月頃から 2012 年 2 月頃まで一時期横ばいとなった。2012 年に入ってからは東日本大震災の反動により前年 同月比で上向いているように見えるが、実際は円 高方向への動きが依然として続いていたこと等も あり、2012 年 5 月以降、マイナス幅が拡大して 悪化傾向が続いた。そして、同年 10 月の DI は ▲43.6 と 2011 年 8 月以来の低い水準となったも のの、その時点でマイナス幅の拡大は底を打ち、 2012 年 11 月からはマイナス幅の縮小に転じた。 その後も引き続き改善を続け、2013 年 12 月には ▲3.2 まで改善し、DI はプラスも目前の状況と なった。これは過去を遡ると、1991 年 4 月の▲2.9 とほぼ同水準であり、22 年 8 か月ぶりの高水準 となっており、中小企業・小規模事業者全体の景 況感は確実に改善しているといえる。 第 1-1-14 図 中小企業・小規模事業者の業況判断 DI の推移(長期) 資料:中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」 (注)業況判断 DI は、前期に比べて、業況が「好転」と答えた企業の割合(%)から、「悪化」と答えた企業の割合(%)を引いたもの。 ▲11.1 ▲14.4 小規模事業者 中小企業・小規模事業者全体 ▲60.0 ▲50.0 ▲40.0 ▲30.0 ▲20.0 ▲10.0 0.0 (DI、前期比季節調整値) (年期) 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 94 95 94 年Ⅲ期 96 年Ⅱ~Ⅳ期 14 年Ⅰ期 9 「中小企業月次景況調査」は、都道府県中央会に設置されている情報連絡員(中小企業の組合(協同組合、商工組合等)の役職員約 2,600 名に委嘱) による調査。次に、地域別の業況判断 DI を見てみよう(第 1-1-16 図上)。各地域の業況判断 DI は、マイナ ス幅の縮小傾向が続いており、特に近畿地方、中 部地方、九州・沖縄地方の業況判断 DI は、1-3 月期には、それぞれ▲7.2、▲8.4、▲8.9 までマイ ナス幅が縮小し、他の地域を上回る順調な回復ぶ りを見せている。ただし、あくまでマイナス幅の 縮小であり、全地域とも引き続き業況判断 DI は マイナスであることに留意すべきである。 業種別の業況判断 DI を見てみると(第 1-1-16 図下)、製造業、建設業、卸売業の業況が大 きく改善している。特に、復興需要等を背景に、 建設業の業況改善が著しく、2013 年 10-12 月期 には、+3.9 とプラスの水準にまで改善している。 また、建設業において 1994 年の統計開始以来プ ラス水準を記録したのは 2013 年 10-12 月期が初 めてであり、その水準を更新して過去最高水準と なっている。これは、消費税増税による駆け込み 需要や 2020 年のオリンピックに向けた人員・人 材確保の必要性が高まっていることも起因してい ると考えられる。 第 1-1-15 図 中小企業・小規模事業者の景況 DI の推移 資料:全国中小企業団体中央会「中小企業月次景況調査」 (注)1. 都道府県中央会に設置されている情報連絡員(中小企業の組合(協同組合、商工組合等)の役職員約 2,600 名に委嘱。)による調 査。 2.景況 DI は、前年同月に比べて、景況が「好転」と答えた企業の割合(%)から、「悪化」と答えた企業の割合(%)を引いたもの。 11 1 2 ▲58.2 ▲44.9 ▲28.5 ▲43.6 ▲3.2 ▲3.6 ▲5.5 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 ▲60.0 ▲50.0 ▲40.0 ▲30.0 ▲20.0 ▲10.0 0.0 (DI、前年同月比) (年月)
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第 1-1-16 図 地域別・業種別の業況判断 DI の推移 資料:中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」 (注)期間は 2011 年 1-3 月期~2014 年 1-3 月期。 北海道 東北 関東 中部 近畿 中国 四国 九州・沖縄 ▲12.6 ▲14.5 ▲13.8 ▲8.4 ▲7.2 ▲14.6 ▲11.5 ▲8.9 ▲40.0 ▲30.0 ▲20.0 ▲10.0 0.0 (DI、前期比季節調整値) 地域別 製造業 建設業 卸売業 小売業 サービス業 ▲2.6 3.9 ▲6.7 ▲25.1 ▲14.7 (DI、前期比季節調整値) 業種別 ▲50.0 ▲40.0 ▲30.0 ▲20.0 ▲10.0 0.0 10.02.
売上・収益
次に、中小企業・小規模事業者の売上・収益動 向を見てみる(第 1-1-17 図)。 まず、製造業の売上高について、中小企業・小 規模事業者の売上高は東日本大震災直後に 2011 年 4-6 月期の前年同期比▲28.2%を底にマイナス 幅の縮小を続け、2012 年 4-6 月期には、前年同 期比+0.9%とわずかながらプラスの伸びを記録 した。しかしながら、7-9 月期には、景気後退の 影響を受けて、再び前年同期比マイナスに転じ、 2013 年 1-3 月期までマイナス幅が拡大した。そ の後は、マイナス幅が縮小しており、2013 年 10-12 月期には、+0.9%まで持ち直してきている。 非製造業の売上高については、中小企業・小規模 事業者の売上高は東日本大震災以降も前年同期比 マイナスの状態が続き、減収を続けていたが、 2013 年 4-6 月期に、前年同期比+3.3%とプラス に転じ、足下でも+0.7%と持ち直しの動きを見 せている。 資料:財務省「法人企業統計季報」 (注)資本金 1 億円以上を大企業、1 千万円以上 1 億円未満を中小企業としている。 第 1-1-17 図 規模別・業種別の売上高伸び率の推移 ▲40.0 60.0 (前年同期比、%) (前年同期比、%) (年期) 11 12 13 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ ▲40.0 (年期) 11 12 13 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ ▲3.6 1.3 6.0 ▲28.2 0.9 ▲4.8 ▲2.9 0.9 ▲30.0 ▲20.0 ▲10.0 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 ▲30.0 ▲20.0 ▲10.0 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 製造業 ▲1.0 2.1 5.6 ▲22.6 ▲10.2 ▲11.6 3.3 ▲0.2 0.7 大企業 中小企業・小規模事業者 大企業 中小企業・小規模事業者 非製造業第 1 部
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さらに、売上高経常利益率について見てみると (第 1-1-18 図)、製造業では、大企業と中小企業・ 小規模事業者の水準が 2011 年 10-12 月期に一時 的にほぼ同水準となったものの、その後は大企業 と中小企業・小規模事業者の格差は拡大した。し かし、足下では中小企業・小規模事業者の売上高 経常利益率が大きく伸びたことで、その格差は縮 小していることが分かる。非製造業についても、 同様に、足下では、大企業と中小企業・小規模事 業者の格差は縮小している。3.
生産
次に、中小企業・小規模事業者の生産動向を見 てみる(第 1-1-19 図)。 製造業については、東日本大震災で 2011 年 4 月に 86.7 まで大きく落ち込んだ後、緩やかな回 復を続け、同年 12 月には 92.9 と東日本大震災前 の 2011 年 2 月(92.8)を上回る水準にまで回復 した。しかしながら、2012 年 4 月以降は低下傾 向に転じ、2013 年 1 月には 87.1 まで低下した。 その時点で底を打った後は、緩やかな回復基調が 続いている。また、輸送機械工業の生産指数は回 復基調が続いていたが、足下の 2014 年 2 月の指 数は 89.2 と 100.0 の水準を割って大きく低下して いる。 第 1-1-19 図 製造工業生産指数の推移 資料:中小企業庁「規模別製造工業生産指数」 11 1 2 92.8 86.7 78.1 110.7 92.9 95.595.5 87.1 101.2 95.3 95.3 89.2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 12 中小企業・小規模事業者・製造業 中小企業・小規模事業者・輸送機械工業 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 75 80 85 90 95 100 105 110 115 (季節調整値、2005 年=100) (年月) 資料:財務省「法人企業統計季報」 (注)資本金 1 億円以上を大企業、1 千万円以上 1 億円未満を中小企業としている。 第 1-1-18 図 規模別・業種別の売上高経常利益率の推移 0.0 8.0 (%) (%) (年期) 11 12 13 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ (年期) 11 12 13 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 製造業 大企業 中小企業・小規模事業者 大企業 中小企業・小規模事業者 非製造業 3.5 5.6 7.6 5.5 7.1 2.4 4.0 3.4 2.1 4.8 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 0.0 8.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 4.9 4.7 4.1 5.9 4.6 2.2 4.2 2.6 2.8 3.24.
資金繰り
次に、中小企業の資金繰り DI の推移を見てい く。 中小企業景況調査によると(第 1-1-20 図)、 資金繰り DI は、中小企業・小規模事業者全体、 小規模事業者ともにリーマン・ショックにより大 幅に落ち込み、2009 年 1-3 月期には▲36.2 となっ たが、その時点で底を打って持ち直しの動きを見 せていた。しかし、東日本大震災の発災により大 きく落ち込み、2011 年 4-6 月期には▲26.9 となっ た。2011 年 7-9 月期には▲20.7 と東日本大震災 前の水準を回復した後は、横ばい傾向であったが、 2013 年に入って緩やかな改善を続けている。他 方で、中小企業・小規模事業者全体の水準に比べ ると、小規模事業者の水準は低位で推移している。 この資金繰り DI の動きをより長期で見てみる と(第 1-1-21 図)、 足 下 の 2014 年 1-3 月 期 の ▲12.2 は、1994 年 7-9 月期、1996 年 4-6 月期の 水準と同水準であり、これは約 18 年ぶりの高水 準となっている。また、この足下の水準は 1994 年の統計開始以来の過去最高水準であり、中小企 業・小規模事業者全体の資金繰りは確実に改善し てきていることが分かる。 資料:中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」 (注)資金繰り DI は、前期に比べて、資金繰りが「好転」と答えた企業の割合(%)から、「悪化」と答えた企業の割合(%)を引いたもの。 第 1-1-20 図 中小企業・小規模事業者の資金繰り DI の推移 ▲37.4 ▲36.2 ▲24.1 ▲22.3 ▲22.2 ▲24.3 ▲20.7 ▲15.7 ▲16.0 ▲12.2 ▲14.2 ▲16.3 ▲14.1 ▲17.5 ▲18.1 ▲28.8 ▲26.9 ▲22.9 08 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 09 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 10 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 11 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 12 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 13 14 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 小規模事業者 中小企業・小規模事業者全体 ▲40.0 ▲35.0 ▲30.0 ▲25.0 ▲20.0 ▲15.0 ▲10.0 (DI、前期比季節調整値) (年期)第 1 部
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さらに、月次ベースでより詳細に足下の動きを 見るために、2011 年以降の中小企業の資金繰り DI の動向を、「中小企業月次景況調査」によって 見ると(第 1-1-22 図)、2011 年 3 月に▲36.0 ま で落ち込んだ資金繰り DI は、2012 年に入ってか らは東日本大震災の反動もあって、2012 年 4 月 に前年同月比で▲18.1 まで一時的に改善した後、 マイナス幅が拡大に転じ、同年 10 月には▲25.0 まで低下した。しかし、同年 11 月以降は、回復 のペースを取り戻し、順調に改善を続けている。 そ し て、 足 下 の 資 金 繰 り DI は 2013 年 12 月 に ▲8.2 と高い水準を取り戻している。これは 1991 年 10 月の▲9.9 以来の水準であり、22 年 2 か月 ぶりの高水準となっている。 資料:中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」 (注)資金繰り DI は、前期に比べて、資金繰りが「好転」と答えた企業の割合(%)から、「悪化」と答えた企業の割合(%)を引いたもの。 第 1-1-21 図 中小企業・小規模事業者の資金繰り DI の推移(長期) 94 年Ⅲ期 96 年Ⅱ期 14 年Ⅰ期 ▲12.2 ▲14.2 小規模事業者 中小企業・小規模事業者全体 ▲40.0 ▲35.0 ▲30.0 ▲25.0 ▲20.0 ▲15.0 ▲10.0 (DI、前期比季節調整値) (年期) 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 94 955.
倒産
次に、倒産件数の推移を見ていく(第 1-1-23 図)。2008 年のリーマン・ショック後に大幅に増 加した中小企業・小規模事業者の倒産件数は、 2009 年後半から 2010 年前半にかけて、前年同月 比で大幅なマイナスで推移した。その後も、おお むね、前年同月比マイナス傾向で推移しており、 中小企業・小規模事業者の倒産件数は、着実に減 少してきている。また、足下の 2013 年 12 月の倒 産件数は 749 件となっており、これは過去を遡る と、1991 年 3 月の 772 件と同水準であり、22 年 9 か月ぶりの低水準となっている。 資料:全国中小企業団体中央会「中小企業月次景況調査」 (注) 資金繰り DI は、前年同月に比べて、資金繰りが「好転」と答えた企業の割合(%)から、「悪化」と答えた企業の割合(%)を引い たもの。 第 1-1-22 図 中小企業・小規模事業者の資金繰り DI の推移(月次) (年月) 11 13 14 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 (DI、前年同月比) ▲40.0 ▲35.0 ▲30.0 ▲25.0 ▲20.0 ▲15.0 ▲10.0 ▲5.0 ▲36.0 ▲26.8 ▲18.1 ▲25.0 ▲8.2 ▲9.5 ▲10.7第 1 部
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また、大企業、中小企業・小規模事業者を含め た企業の倒産件数の推移を長期的に見てみると (第 1-1-24 図)、2013 年の倒産件数は 10,855 件 となっており、前年比 10.4%減(1,269 件減)で、 5 年連続で前年を下回り、倒産件数が 10,723 件で あった 1991 年以来、22 年ぶりに 11,000 件を下回 る低水準となっている。 資料:(株)東京商工リサーチ「倒産月報」 第 1-1-23 図 中小企業・小規模事業者の倒産件数の推移 (件) (%) 倒産件数(左軸) 前年同月比(右軸) 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800 (年月) 08 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 09 10 11 12 13 14 1 2 3 12 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 ▲50.0 ▲40.0 ▲30.0 ▲20.0 ▲10.0 749 件 資料:(株)東京商工リサーチ「倒産月報」 第 1-1-24 図 中小企業・小規模事業者の倒産件数の推移(長期) 13 (年) 倒産件数(左軸) 前年同月比(右軸) (件) 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 ▲40.0 ▲20.0 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 (%) 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 10,855 件 10,723 件6.
廃業
次に、廃業の推移を別のデータでもう少し詳し く見てみよう。第 1-1-25 図は、民間調査機関(東 京商工リサーチ社、帝国データバンク社)が集計 した、休廃業・解散企業の数の推移である10。こ れによると、休廃業・解散企業数は、両社ともに 長期的に増加傾向にあり、近年は倒産件数の倍以 上の水準で推移していることが分かる。 こうした状況の中、1998 年以来、連続して 3 万人を超える状況が続いていた我が国の自殺者数 は、2012 年に前年を 2,793 人下回る 27,858 人と なり、15 年ぶりに 3 万人を下回った(第 1-1-26 図)。2013 年も減少し、12 月末現在の暫定値で 27,276 人となった。1998 年に不良債権問題に端 を発した金融危機の発生以来、3 万人を超える高 水準で推移していた我が国の自殺者数は、ようや く減少に向かう兆しを見せ始めている。 資料:(株)東京商工リサーチ、(株)帝国データバンク調べ。 (注)(株)東京商工リサーチの件数は年、(株)帝国データバンクの件数は年度のもの。 第 1-1-25 図 休廃業・解散、倒産件数の推移 06 07 08 09 10 11 12 13 (年、年度) 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000(件) 休廃業・解散件数((株)東京商工リサーチ調べ) 休廃業・解散件数((株)帝国データバンク調べ) 倒産件数((株)東京商工リサーチ調べ) 倒産件数((株)帝国データバンク調べ) 28,943 23,999 24,984 27,361 20,637 21,346 24,968 25,530 26,544 25,743 27,825 25,794 25,138 25,008 26,050 13,245 14,091 15,646 15,480 13,321 12,734 12,124 10,855 9,572 11,333 13,234 12,866 11,496 11,435 10,710 10,102 10 東京商工リサーチは、休廃業を「資産が負債を上回る資産超過」状態での事業停止、解散を「企業の法人格を消滅させるために必要な清算手続き に移行するための手続」と定義している。帝国データバンクは、休廃業・解散を「企業活動停止が確認できた企業のなかで、倒産(任意整理、法 的整理)に分類されない事案」、休廃業を「調査時点で企業活動を停止している状態(将来的な企業活動再開は否定されないが、官公庁等に「廃 業届」を提出して企業活動を終えるケースを含む)」、解散を「企業の解散(主に法人登記で確認)」と定義している。第 1 部
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このうち、自営業・家族従事者の自殺者数は、 2004 年に 4,000 人を割って以来 3,000 人台で推移 していたが、2010 年に 7 年ぶりに 3,000 人を下回 り、その後も減少を続けて、2012 年には 2,299 人 となった(第 1-1-27 図)。 資料:警察庁 HP、内閣府 HP 第 1-1-26 図 自殺者数の推移(年次) 0 (年) (人) 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 27,858 27,283 資料:警察庁 HP、内閣府 HP 第 1-1-27 図 職業別の自殺者数の推移(年次) 0 40,000 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 (年) (人) 19,558 18,937 18,975 18,956 19,863 19,251 19,667 19,601 19,103 17,622 17,383 9,209 8,547 8,941 8,790 9,154 8,997 9,159 8,568 8,207 7,421 7,272 4,215 3,858 3,700 3,567 3,278 3,206 3,202 2,738 2,689 2,299 2,129 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 自営業・家族従事者 被雇用者・勤め人 無職 不詳また、第 1-1-28 図は、「経済・生活問題」を 理由とした自殺者のうち、自営業・家族従事者に おける自殺者数を原因・動機別に示したものであ るが、2008 年から 2012 年にかけて、「事業不振」 や「負債(多重債務)」等を理由とした自殺者は 大きく減少していることが分かる。
7.
設備投資
中小製造業の設備投資動向について見てみる。 日銀短観では、中小製造業の 2013 年度の設備 投資額(計画値)は、前年度比+11.7%と 2 年ぶ りの高い伸びとなり、大企業の 2013 年度の設備 投資額(計画値)が、前年度比+2.1%であるこ とと比べると、中小製造業が大企業製造業を大き く上回る伸びとなっている。大企業製造業、中小 製造業共に、2013 年に入ってからの景気回復に より、相当程度設備投資を計画する企業が増えた ものと考えられるが、大企業は好不況にかかわら ず設備投資を実施している一方で、中小企業・小 規模事業者の設備投資は景気に左右されるとい う、規模の違いによる設備投資のスタンスが表れ ている推察される(第 1-1-29 図)。 資料:警察庁 HP、内閣府 HP 第 1-1-28 図 自営業・家族従事者の原因・動機別の自殺者数 0 900 (人) 14 826 6 1 104 368 22 359 22 47 48 6 453 6 3 101 156 7 175 9 22 17 100 200 300 400 500 600 700 800 2008 年 2013 年 倒産 事業不振 失業 就職失敗 生活苦 負債(多重債務) 負債(連帯保証債務) 負債(その他) 借金の取り立て苦 自殺による生命保険金支給 その他第 1 部
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こうした 2013 年度の中小製造業の設備投資の 動きを、株式会社日本政策金融公庫(以下「日本 公庫」という。)「中小製造業設備投資動向調 査11」により投資目的別に見てみると、2013 年 度の最新の数字(修正計画)の目的別構成比は、 「更新、維持・補修」投資が最も高くなっている ものの、「新製品・新規事業・研究開発」の構成 比が前年度実績比で上昇し、構成比割合が高まっ ていることから、中小企業・小規模事業者は、需 要が減退する中でも新しい分野に取り組んでいる ことが見て取れる(第 1-1-30 図)。 第 1-1-29 図 大企業製造業及び中小製造業の設備投資の推移 資料:日本銀行「全国企業短期経済観測調査」 (注)1.2013 年度は 2014 年 3 月調査の数値。 2.土地投資額を含みソフトウェア投資額は含まない。 ▲6.0 ▲4.0 ▲2.0 16.0 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 (年度) (前年度比、%) 10 11 12 13 9.8 ▲3.5 ▲0.7 1.6 13.3 2.1 ▲4.5 11.3 中小製造業 大企業製造業 11 「中小製造業設備投資動向調査」とは、経済産業省「工業統計調査」を基に把握した全国の従業員 20 人以上 300 人未満の中小製造業を対象とした 標本調査。8.
雇用
次に、雇用環境について見ていく。 完全失業率については(第 1-1-31 図)、2011 年 11 月以降の横ばい状態から、2012 年 5 月以降、 低下傾向となったものの、2012 年後半には 4.1% ∼4.3%の間で一進一退の動きとなった。しかし、 2013 年に入ってからは景気回復と共に、完全失 業率は低下し、足下の 2014 年 2 月には 3.6%とな り、景気回復局面にあった 2007 年 7 月以来 6 年 7 か月ぶりの水準を回復した。 第 1-1-30 図 設備投資の目的別構成比の推移 資料:(株)日本政策金融公庫「中小製造業設備投資動向調査」 (注)1. シャドー部分は景気後退期を示す。ただし、2012 年 4 月に暫定の山が設定されたが、それ以降については、まだ谷が設定されて いないことから、シャドーは付けていない。 2.グラフ内の数字は、2012 年度実績、2013 年度修正計画および 2013 年度当初計画(括弧内)での設備投資 0 40 02 01 00 99 98 97 03 04 05 06 07 08 09 10 11 13 (年度) 12 (%) 更新、維持・補修 省エネルギー その他 能力拡充 省力化・合理化 新製品の生産、新規事業への進出、研究開発 公害防止 (97/5) △ (99/1)▼ (00/11)△ (02/1)▼ (08/2)△ (09/3)▼ (12/4)△ 25.6 23.2(23.8) 11.9 12.3(12.9) 17.2 20.0(19.1) 0.8 1.0(0.8)1.0(0.8) 34.9 35.8(36.4) 2.6 3.1(3.0) 6.9 4.6(3.9) 5 10 15 20 25 30 35第 1 部
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こうした完全失業率低下の背景にあるのは、従 業員の不足感の高まりである。中小企業景況調査 により、中小企業・小規模事業者の従業員過不足 DI の推移を業種別に見ると(第 1-1-32 図上)、 2012 年に入り、製造業は横ばい傾向で推移して いたが、非製造業では低下傾向が続いており、従 業員の不足感が強まっていた。また、2013 年に 入ると、製造業でも急速に従業員の不足感が高ま り、中小企業・小規模事業者の全産業で不足感が 高まっていることが分かる。 また、非製造業を、建設業、卸売業、小売業、 サービス業に分けて詳細に見てみると(第 1-1-32 図下)、建設業での不足感が顕著である。こ れは、東日本大震災の復興需要に伴う人手不足が 顕在化したことが主な要因であるが、足下では消 費税増税による駆け込み需要や 2020 年のオリン ピックに向けた人員・人材確保の必要性が高まっ ていることも要因であると考えられる。 第 1-1-31 図 完全失業率の推移 資料:総務省「労働力調査」 (注)2011 年 3 月~8 月の完全失業率は、補完的に推計した結果。 (年月) 11 13 14 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 (季節調整値、%) 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 4.7 4.8 4.9 5.0 11 年 1 月 4.8 11 年 9 月 4.2 13 年 6 月 3.9 14 年 2 月 3.6第 1-1-32 図 中小企業・小規模事業者の従業員過不足 DI の推移 資料:中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」 (注)従業員過不足 DI は、今期の従業員数が「過剰」と答えた企業の割合(%)から、「不足」と答えた企業の割合(%)を引いたもの。 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 (DI、今期の水準) ▲2.0 ▲4.0 ▲6.0 ▲8.0 ▲10.0 ▲12.0 ▲14.0 全産業 製造業 非製造業 (年期) 11 12 13 14 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 0.0 5.0 10.0 (DI、今期の水準) 建設業 卸売業 小売業 サービス (年期) 11 12 13 14 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ ▲5.0 ▲10.0 ▲15.0 ▲20.0 ▲25.0 ▲30.0
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また、有効求人倍率を見ると(第 1-1-33 図)、 リーマン・ショックにより大幅に落ち込んだ後、 徐々に回復していたが、2013 年 11 月に、景気回 復局面にあった 2007 年 10 月以来、6 年 1 か月ぶ りに 1.00 の水準を回復し、リーマン・ショック 前の水準を回復している。 他方で、大学卒業予定者について、中小企業・ 小規模事業者の求人数及び中小企業・小規模事業 者への就職希望者数の過去数年間の推移を見てみ ると(第 1-1-34 図)、中小企業・小規模事業者 の求人数が足下では横ばいとなっており、中小企 業・小規模事業者への就職希望者数も横ばいと なっている。その結果、中小企業・小規模事業者 の求人倍率も横ばい状態が続いており、中小企業 の雇用のミスマッチ改善に向けた動きは、やや足 踏み状態となっていることがうかがえる。 第 1-1-33 図 有効求人倍率の推移 資料:厚生労働省「職業業務安定統計」 (注)有効求人倍率には、新規学卒者を除きパートタイムを含む。 08 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 09 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 11 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 13 14 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00 1.10 (倍) (年月) 13 年 11 月 1.01 14 年 2 月 1.05 2008 年 9 月 リーマン・ショック9.
販売単価、原材料価格の動向
第 2 節の最後は、中小企業・小規模事業者の販 売単価及び原材料価格の動向を見てみる。中小企 業景況調査によると(第 1-1-35 図)、製造業に ついて、2011 年以降で見ると、売上単価・客単 価 DI が横ばいで推移していたが、2012 年 10-12 月期から 2014 年 1-3 月期にかけて 14.5 ポイント 上昇している。他方で、原材料仕入単価 DI は、 2011 年 7-9 月期から 2012 年 10-12 月期にかけて 30.4 ポイントと大幅に下落したが、2013 年に入っ てからは大幅に上昇してきており、2012 年 10-12 月期から 2014 年 1-3 月期までで 38.3 ポイントと 大幅な上昇となっている。 非製造業についても、同様の傾向にあり、2011 年、2012 年を通じて売上単価・客単価 DI はほぼ 横ばいで推移していたが、2012 年 10-12 月期か ら 2013 年 10-12 月期にかけて 12.0 ポイント上昇 している。他方で、原材料仕入単価 DI は 2011 年 7-9 月期から 2012 年 10-12 月期にかけて 12.8 ポイント下落したが、2013 年に入ってからは上 昇してきており、2012 年 10-12 月期から 2014 年 1-3 月期までで 25.3 ポイントの上昇となっている。 この原材料仕入単価 DI の上昇は、円高方向に 推移していた為替レートが、円安方向に推移して いることを受けて、原材料仕入価格が上昇してき ていることが大きな原因であると考えられる。し かしながら、採算 DI の動きを確認すると、製造 業では、2011 年から 2012 年にかけて一進一退の 状況が続いていたが、2013 年 1-3 月期から 2014 年 1-3 月期までで 19.9 ポイントの改善、非製造 では、2011 年から緩やかな改善傾向を示してお り、足下では 2012 年 10-12 月期から 2014 年 1-3 月期にかけて 8.5 ポイント上昇しており、中小企 業・小規模事業者の収益環境は改善傾向にある。 これらのことから、中小企業・小規模事業者の 認識としては、仕入単価が上昇してきている中で も、採算は改善傾向にあり、中小企業・小規模事 業者の価格転嫁は、一定程度行われていると推察 される。しかし、採算 DI はマイナスに留まって いることから、中小企業・小規模事業者の収益環 境は引き続き厳しい状況にある。 次の第 3 節では、過去の原材料価格の上昇局面 との比較も踏まえつつ、より詳細に価格転嫁の動 向を分析していくこととする。 第 1-1-34 図 中小企業の大学卒業予定者求人数・就職希望者数の推移 資料:(株)リクルート ワークス研究所「ワークス大卒求人倍率調査」 (注)ここでは、従業員 300 人未満の企業を中小企業としている。 0 5 10 15 20 25 30 35 (万人) 2011 年 3 月卒 30.3 4.41 倍 3.35 倍 3.27 倍 3.26 倍 6.9 27.6 8.2 26.6 8.1 26.3 8.1 2012 年 3 月卒 2013 年3 月卒 2014 年3 月卒 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 (倍) 中小企業・小規模事業者の大学卒業予定者求人数(左軸) 中小企業・小規模事業者への大学卒業予定者就職希望者数(左軸) 求人倍率(右軸)第 1 部
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第 1-1-35 図 売上単価・客単価 DI、原材料仕入単価 DI の推移 資料:中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」 (注)1. 「売上単価・客単価 DI」は、前年同期に比べて、売上単価・客単価が「上昇した」と回答した企業の割合(%)から、「低下した」 と回答した企業の割合(%)を引いたもの。 2. 「原材料仕入単価 DI」は、前年同期に比べて、原材料仕入単価が「上昇した」と回答した企業の割合(%)から、「低下した」と 回答した企業の割合(%)を引いたもの。 3. 「採算 DI」は、前年同期に比べて、採算が「好転した」と回答した企業の割合(%)から、「悪化した」と回答した企業の割合(%) を引いたもの。 (DI、前年同期比) 原材料仕入単価 DI 売上単価・客単価 DI 採算 DI 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 製造業 ▲10.0 ▲20.0 ▲30.0 ▲40.0 ▲50.0 52.9 37.4 45.0 42.3 37.7 32.2 26.2 18.3 14.6 30.1 43.3 47.2 48.6 ▲18.3 ▲16.4 ▲16.0 ▲14.5 ▲15.3 ▲16.2 ▲16.0 ▲17.2 ▲16.5 ▲11.1 ▲8.8 ▲6.6 ▲2.7 ▲13.6 ▲19.8 ▲23.7 ▲26.7 ▲33.5 ▲30.6 ▲28.0 ▲24.5 ▲31.4 ▲29.1 ▲31.0 ▲35.1 ▲25.1 (年期) 11 12 13 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 14 Ⅰ (DI、前年同期比) 原材料仕入単価 DI 売上単価・客単価 DI 採算 DI 非製造業 35.2 15.8 22.7 19.4 16.5 15.1 14.7 11.2 9.9 17.3 25.7 29.7 32.0 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 (年期) 11 12 13 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 14 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ ▲10.0 ▲20.0 ▲30.0 ▲40.0 ▲50.0 ▲60.0 ▲31.8 ▲33.4 ▲31.1 ▲30.4 ▲28.8 ▲24.6 ▲27.1 ▲28.5 ▲25.6 ▲19.2 ▲18.1 ▲18.2 ▲16.5 ▲25.5 ▲26.8 ▲27.3 ▲25.9 ▲33.3 ▲34.0 ▲32.1 ▲29.4 ▲37.0 ▲37.1 ▲39.4 ▲44.8 ▲41.0前節で見たように、2012 年 10-12 月期から為 替レートの円安方向への動き等を背景に原材料価 格が上昇しており、一定程度の価格転嫁は行われ ていると推察されるものの、2013 年の中小製造 業の収益環境は引き続き厳しいといわざるを得な い。 一般に、企業にとって、輸入原材料をはじめと する原材料12価格の上昇は、それが自社の製品 価格に完全に転嫁できるのであれば、収益面での 大きな問題とはならず、原材料価格の上昇に伴う 中間投入額13の増加は、最終的に消費者が負担 することとなる。 しかしながら、製品価格に転嫁できない場合に は、費用が増加した分、企業収益は減少すること となり、企業経営にとっては大きな足かせとなる。 特に、中小企業の場合、価格交渉力が弱いなど の理由から、増加費用の製品価格への転嫁が円滑 に行えない企業が現れることが懸念される。した がって、仕入価格14と収益の関係を分析する場 合には、仕入価格の上昇を製品価格に転嫁できる かどうかが、重要なポイントとなる。 本節では、まず、70 年代半ばから最近までの 企業物価動向を概観する。次いで、過去の物価上 昇局面において、中小製造業が、仕入価格の上昇 分のうち、どの程度を自身の製品価格に転嫁でき ているか(以下、「価格転嫁力」という。)につい て、大企業製造業との比較において、定量的に分 析する。そして、足下では、販売価格の上昇によっ て転嫁は一定程度進んでいるものの、長期的には、 中小製造業の価格転嫁力は低下し続けていること を明らかにする。 次いで、この価格転嫁力と収益力(一人当たり 名目付加価値額15)の関係を分析することを通じ て、価格転嫁力の低下が中小製造業の収益力にど の程度の影響を与えているかを明らかにする。
1.
我が国製造業を取り巻く企業物価の動
向
● 1970 年代から 90 年代までの動向 第 1-1-36 図は、日本銀行「企業物価指数」を 用いて、我が国の原材料価格、中間財価格16及 び工業製品価格について、1970 年以降の長期的 な推移を見たものである。 これを見ると、まず、二度のオイルショックに 見舞われた 1970 年代は、原材料価格が急騰する 中、中間財、工業製品価格もこれとほぼ同じペー スで大幅な上昇を続けた。こうしたことから、当 時の企業は価格転嫁を比較的円滑に行えていたこ とがうかがえる。その結果、原材料価格の変動は 激しかったものの、企業収益に与えた影響は限定 的であったものと考えられる。1980 年代に入る と、一転して、原材料価格は大幅な下落に転じた が、工業製品価格の下落幅は相対的に小さなもの にとどまった。その後、80 年代後半から 90 年代 を通じて、工業製品価格は、原材料価格が低迷を 続ける中、緩やかな低下を続けた。こうしたこと から、80 年代後半以降は、企業収益にとっては 極めて良好な環境が長期間にわたり形成されてい たことがうかがえる。 ● 2000 年代以降の動向 ところが、2000 年代に入ると、原材料価格が 大幅な上昇に転じ、中間財価格も上昇に転じる中、 工業製品の価格上昇がこれらに追いつけない状況 が出現する。この間、原材料価格の上昇幅は、第 3 節
中小製造業の価格転嫁動向
12 ここでいう「原材料」とは、第一次産業で生産された未加工の原材料や燃料を指す。 13 以下では、原材料に、後述する中間財を加えたものを「中間投入」という。 14 「仕入価格」とは、後述する「中間財価格」と「原材料価格」を合成したものと定義される。 15 「一人当たり名目付加価値額」とは、名目付加価値(法人企業統計年報に基づくもので、人件費、動産・不動産賃貸料、租税公課、営業利益の合計) を従業者数で除したもので、企業の稼ぐ力、すなわち収益力を表す。 16 「中間財」とは、最終財を生産するために使用される部品や加工品のことをいう。第 1 部
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