• 検索結果がありません。

持続可能な社会の実現を目指すリコーの環境経営

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "持続可能な社会の実現を目指すリコーの環境経営"

Copied!
20
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

持続可能な社会の実現を目指す

リコーの環境経営

リコーは、地球環境問題に対して企業が果たすべき役割をいち早く認識し、1990 年代から環境保全と利益 創出の同時実現を図る環境経営に取り組んできました。長期的な視点に立ってビジョンを描き、目指す姿の 実現に向けた通過点として環境目標を設定するバックキャスティング方式を採用し、製品ライフサイクルの 各ステージで技術開発と保全活動を計画的に推進しています。環境配慮型の製品やサービスを提供するだ けでなく、お客様、パートナー企業と一体となって、より環境負荷の低いビジネスモデルを構築することで、 社会全体の環境負荷低減を目指しています。 2016 年 4 月 7 日 Version 1.1.3

White

Paper

(2)

© 2016 Ricoh Company, Ltd.

目 次

1. リコーの目指す持続可能な社会 ... 1

2. リコーの環境経営の歩み ... 2

3. より長期的な視点に立って環境経営を推進 ... 3

3.1. 環境保全活動を通じて利益を創出 ... 3 3.2. 長期ビジョンと中長期環境目標の設定 ... 3

4. 環境経営の中核となる環境技術開発 ... 5

5. 持続可能な社会実現のためのコンセプト「コメットサークル」 ... 6

5.1. ライフサイクル全ステージで資源の有効活用を促進 ... 6 5.2. 持続可能なものづくりへの挑戦 ... 7

6. ライフサイクルの各ステージで環境負荷を削減 ... 7

6.1. 再生可能資源を使った材料を開発する (資源・調達ステージ) ... 7 6.2. 材料、部品を繰り返し、何度も使う (設計ステージ) ... 8 6.3. 環境負荷の低い生産技術を生み出す (生産ステージ 1) ... 9 6.4. 化学物質使用の影響を最小限にとどめる (生産ステージ 2) ... 11 6.5. 製品使用時の消費電力を下げる (製品使用ステージ) ... 12 6.6. 物流の無駄と輸送の CO2 を減らす (物流・輸送ステージ) ... 13

7. 地球の再生能力を高める生物多様性保全 ... 14

8. 人々の未来をつくる企業を目指して ... 14

参考資料 (活動の歴史・社会からの評価) ... 16

● リコーの環境経営については、Web サイトで詳しく紹介しています。 リコーグループ サスティナビリティレポート 2015 (http://jp.ricoh.com/sustainability/report/) リコーグループの環境経営 (http://jp.ricoh.com/ecology/)

(3)

1 © 2016 Ricoh Company, Ltd.

1. リコーの目指す持続可能な社会

私たち人間の生活や企業活動は、地球環境に育まれた資源や生態系サービス、そして、 それらをもとに築き上げられた社会システムの上に成り立っています。もし地球の生命 力が衰えたら、いまのような資源や生態系サービスの供給が不可能になり、企業もこれ まで通りの経済活動ができなくなるでしょう。リコーが考える持続可能な社会とは、 Planet(環境)、People(社会)、Profit(経済)の 3 つのバランスが保たれ、「人間社会が 環境に与える負荷が地球の再生能力の範囲内に抑えられている状態」を意味していま す。リコーは、この目指す姿を実現するため、資源採掘、エネルギー消費、化学物質の 排出などによる環境負荷を削減する活動と、地球の再生能力を向上させる生物多様性 保全活動に取り組んでいます。自らの事業活動から生まれる環境負荷を最小に抑えな がら、社会にもたらす豊かさや経済的価値を最大化する、このような持続可能な社会に ふさわしいビジネスモデルを確立した企業こそが、ステークホルダーに支持され、将来 にわたって成長、存続することができると考えるからです。 環境負荷が地球の再生能力の範囲内に抑えられ、Planet(環境)、 People(社会)、Profit(経済)の 3 つがバランスのとれた地球 図 1: リコーグループの目指す姿 「Three Ps Balance」1

(4)

2 © 2016 Ricoh Company, Ltd. 現在は人間社会から発生する環境負荷が地球の再生能力を上回っている状態。 環境負荷削減活動と地球の再生能力向上活動により、環境負荷を地球の再生能 力の範囲内に抑える。 図 2: 「目指す姿」実現のためのアプローチ

2. リコーの環境経営の歩み

リコーの環境への取り組みは、「環境対応」「環境保全」「環境経営」の 3 つのステップで 整理されています。最初の段階は、法規制や競合他社の動向に対応して取り組む受け 身の活動である「環境対応」です。次の「環境保全」は、外部からの要請に応じるのでは なく、自ら地球市民としての使命感に基づき、自主的に目標を掲げて行う活動を意味し ます。そして、3 つ目が「環境経営」です。 図 3: 環境保全活動の3ステップ - 環境対応から環境保全、そして環境経営へ

(5)

3 © 2016 Ricoh Company, Ltd. リコーは、1976 年に環境推進室を設立して以来、積極的に環境保全活動を推進してき ました。1992 年、高い目標の設定と全員参加の活動をコミットした環境綱領を制定し、 1997 年には業界初の再生複写機を発売。そして、1998 年、世の中に先駆けて環境経営 の考え方を打ち出し、1999 年には環境報告書を発行、以来積極的な情報開示にも努め ています。2001 年には独自の省エネ技術を搭載した「imagio Neo 350」が複写機部門初 の省エネ大賞最高賞を獲得しました。またさらに、循環型エコ包装の導入、世界初のバ イオマストナーを採用したデジタル複合機の発売など、独自の活動を展開し、環境経営 を進化、加速させてきました。2

3. より長期的な視点に立って環境経営を推進

3.1. 環境保全活動を通じて利益を創出

リコーがいち早く提唱した環境経営、いまやこの言葉は世の中で広く使われるようになり ました。一部では “環境保全と利益のバランスをとって経営する”という意味に解釈され るようですが、リコーでは、環境経営をそのような意味では捉えていません。環境保全 活動で確実な成果を上げるには、長期的な視点に立ち、継続的に行う必要があります。 事業が好調で、十分に収益が上がっている時だけ積極的に活動し、収益が少ない時に は利益確保を優先するというのでは、得られる効果は非常に限られるでしょう。そして、 「企業が途切れることなく環境保全を続けるには、活動によって利益を創出する」ことが 不可欠であると考えたのです。つまり、リコーの環境経営は、環境に配慮して経営を行う という守りの手段ではなく、環境保全と利益創出の同時実現を図る攻めの経営手法な のです。

3.2. 長期ビジョンと中長期環境目標の設定

地球環境保全活動はやり直しがききません。確実に目指す姿を実現する必要がありま す。リコーでは、目標設定の手法として、まず最終的に目指す姿を想定して、その実現 に向けて通過点としての目標を設定していく「バックキャスティング方式」を採用していま す。従来の積み上げ方式による目標設定では、達成しても目指す姿を実現できない可 能性があるからです。

2 リコーの環境経営の歩みについては、P.16 「参考資料」ならびに、環境経営 Web サイト 「活動のあ ゆみ」を参照ください。

(6)

4 © 2016 Ricoh Company, Ltd. 図 4: バックキャスティング方式による目標設定 具体的には、「2050 年長期環境ビジョン」を描き、このビジョン実現の通過点となる「中長 期環境負荷削減目標」を設定しています。これは「省エネ・温暖化防止」に「省資源・リサ イクル」、「汚染予防」を加えた 3 分野での目標を示したものです。活動のターゲットを明 確にし、将来の環境負荷を確実に減らす施策を前もって打つことを可能にしています。 注:汚染予防は 2020 年目標のみ 図 5: リコーグループ中長期環境負荷削減目標

(7)

5 © 2016 Ricoh Company, Ltd.

4. 環境経営の中核となる環境技術開発

企業は社会に対する責任を果たしながら、そもそもの存在意義である企業価値増大や 利益の創出を図る必要があります。そして、企業の活動は、個人の力だけではなかなか 実現できない社会の革新や進化をもたらし、世の中をより良い方向に向けるものである べきです。リコーの環境経営は、環境保全によって利益を創出し、持続可能な社会にふ さわしいビジネスモデルの確立を目指しています。そして、その実現のために重要な鍵 を握っているのが環境技術開発です。環境技術開発は、原材料調達からお客様先での 使用、リサイクルまでのライフサイクル全体において環境負荷の低い製品を提供してい く基盤となります。また、社会の持続可能性を脅かす気候変動問題、資源枯渇、環境汚 染などの課題を解決に導く唯一の手段とも言えるでしょう。 リコーでは、将来の持続可能な社会をイメージし、長期的な視点から社会に必要とされ る技術、社会の変革を促す技術の開発に積極的に取り組んでいます。 図 6: 環境技術開発の取り組み

(8)

6 © 2016 Ricoh Company, Ltd.

5. 持続可能な社会実現のためのコンセプト

「コメットサークル」

5.1. ライフサイクル全ステージで資源の有効活用を促進

いまや、多くの企業が環境保全活動に取り組んでいますが、それぞれの企業が自社の 活動で直接排出する環境負荷に責任をもつだけでは、社会全体の環境負荷を減らすこ とはできません。リコーは、1994 年、持続可能な社会実現のコンセプトとして「コメットサ ークル」を制定しました。製品のメーカー・販売者としてのリコーグループの領域だけでな く、その上流と下流を含めた製品のライフサイクル全ステージで環境負荷を把握し、減ら していく考え方を表したものです。環境負荷に最も影響を及ぼすのは、製品の基本設計 を握っているメーカーであることを自覚し、材料・部品メーカーや物流・輸送部門、お客 様企業など各ステージとのパートナーシップを結びながら、主体となってこのコメットサ ークルを回しています。3 ■コメットサークルの見方 図のそれぞれの球体は、持続可能な社会を構築するためのパートナーです。右上の「原材料供 給者」によって自然環境から取り出された「新規資源」は、上のルートを右から左に流れる間に「製 品」となってユーザー(お客様)に届けられます。使用済みの製品は、下のルートをたどって、左か ら右へと流れます。 図 7: 持続可能な社会実現のためのコンセプト「コメットサークルTM

3 コメットサークルについての詳細は Web「コメットサークル」をご覧ください。

(9)

7 © 2016 Ricoh Company, Ltd.

5.2. 持続可能なものづくりへの挑戦

コメットサークルは、資源を効率よく、繰り返し循環させるための輪です。ループの層は リサイクルの優先順位を示しています。内側のループは、資源の経済的価値をより高く 維持する製品・部品のリユースです。そして、リユースができない部品は外側のループ、 つまりマテリアルリサイクルに回りますが、その場合も高品質な素材への再生や、再生 した素材を再び自社内で使うクローズドループのリサイクルによって経済価値を追求し ます。このように、重層的な資源循環を行うことで、再生資源を有効に活用し、新規資源 の利用を抑えることができます。 近い将来に迫る鉱物資源の枯渇の問題を考えると、たくさんの資源を投入しなければ 成り立たないものづくりは持続可能とは言えません。リコーは、ライフサイクルでの資源 の価値を最大化し、新しく投入する資源を大幅に減らしたものづくりに挑戦しています。

6. ライフサイクルの各ステージで環境負荷を削減

6.1. 再生可能資源を使った材料を開発する (資源・調達ステージ)

地球から新たに原材料として採掘し、製品に投入する資源を減らすため、リコーは画像 機器部品に適した再生材料の開発と、再生可能資源を活用するための技術開発を積 極的に進めています。 再生材料の開発では、鉄スクラップ 100%のリサイクル鉄である電炉鋼板を東京製鐵株 式会で社と共同で開発し、2012 年 7 月に業界で初めて複合機に搭載しました(図 8 参 照)4。また、複合機のトナーの主成分である樹脂材料に再生可能な植物由来樹脂を採 用したバイオマストナー5 を開発し、2009 年 11 月に世界で初めてバイオマストナー「for E トナー」(バイオマス度6 25%)を搭載した複合機を発売しました(図 9 参照)。

4 電炉鋼板開発ストーリー「共に目指した環境への思いが、業界初へと結実した。」も併せてご覧くださ い。 5 バイオマスとは、化石資源を除く、再生可能な生物由来の有機性資源です。 詳細は「バイオマストナー技術」を参照ください。 6 リコーでは部品に含まれる植物由来樹脂の割合をバイオマス度とし、「%」で表記します。

(10)

8 © 2016 Ricoh Company, Ltd. 事務機で求められる薄さ (2mm 以下)や電気伝導性、加工性などの品質性能確保に成功。 図 8: 電炉鋼板を採用した部品と電気炉 図 9: バイオマストナーの循環図

6.2. 材料、部品を繰り返し、何度も使う (設計ステージ)

リコーでは、1990 年代初めから「省資源・リサイクル」を環境保全活動の柱のひとつと 位置づけ、市場から回収した複合機、レーザープリンター、トナーカートリッジ、消耗部品 などのリサイクルに取り組んできました。使用済み製品として回収されるリコー製品は、 日本で年間 20 万台以上に上り、現在はその全数を再資源化、または再生機として利用 しています。 そして、この再生機の品質と生産性を支えているのがリサイクル対応設計です。1993 年に発足した環境適合設計委員会(当初は別名称)は、コメットサークルに基づいてリ 電炉鋼板を採用した 構造部品

(11)

9 © 2016 Ricoh Company, Ltd. サイクルを前提とした設計方針を策定しました。今では、プラスチック成形部品への材料 種類の表示、再使用を想定した強度設計、高付加価値部品の再利用、高品質素材のリ サイクル、解体・分別性の向上、包装材を減らすための強度設計などにより、高い製品 リサイクル率を実現しています。7 図 10: リサイクル対応設計の具体例

6.3. 環境負荷の低い生産技術を生み出す (生産ステージ 1)

ものづくりの現場では、「生産プロセス革新」「高効率設備の導入」「自然エネルギーの 導入」の 3 つのアプローチで継続的な環境負荷削減活動を進めています。とくに、「生産 プロセス革新」は生産ラインのコンパクト化により、ライン自体の省エネに加え、付随設 備の省エネという波及効果が得られ、大幅なエネルギー消費やコストの削減が実現して います。エアシリンダーを動力として台車を利用した「台車生産ライン」(図 11 参照)は、 大幅な省エネに加え、多様なお客様のニーズに応える多品種少量生産に適しており、 生産量の変動に柔軟に対応できるリコー独自の生産方式です。他にも、従来の 40 分の 1 のスペースでトナー充填できる「オンデマンドのトナー充填機」(図 12 参照)、空調のエ ネルギー消費を大幅に削減する「感光体コンパクト生産ライン」(図 13 参照)など、世界 各地のリコーの生産拠点では、低コスト、低環境負荷、生産性の高い生産技術を次々と 導入しています。

7 リコーのリサイクルについては、「省資源・リサイクル」を参照ください。

(12)

10 © 2016 Ricoh Company, Ltd. エアシリンダーを動力として、製品を載せた台車が移動する仕組みで、仕掛かり在庫、 リードタイム、スペース、メンテナンスもそれぞれ 70 ~80%削減。さらに、スペースが 減ることで空調や照明の省エネ効果も得られる。 図 11: 台車生産ライン 8 小型でどこでも設置できるので、お客様に近い販売会社や物流拠点でサテライト生産 が可能。ボトル輸送の環境負荷削減とリードタイム短縮にもつながっている。 図 12: オンデマンドのトナー充填機 9 大きなエネルギーを消費するクリーン空調の容積が従来ラインに比べて 1/92 に縮小。 設備投資コストも約 1/3 に削減。 図 13: 感光体コンパクト生産ライン 10

8 詳細は「台車生産ライン」を参照ください。 9 詳細は「小型トナー充填機」を参照ください。 10 詳細は「感光体コンパクト生産ライン」を参照ください。

(13)

11 © 2016 Ricoh Company, Ltd.

6.4. 化学物質使用の影響を最小限にとどめる (生産ステージ 2)

私たちの身のまわりはたくさんの化学物質であふれています。しかし、そのすべての物 質で人体や環境への影響が明らかになっているわけではありません。リコーは、これら のリスクに備えて、SAICM11 の考え方に則った化学物質の把握と管理に努めています (図 14 参照)。1993 年からは、「製品に使用される可能性のある環境影響化学物質」に ついて独自の基準を設けて、削減に取り組んできました。製品づくりにかかわる全部門 が一体となって化学物質管理体制の強化を進め、2006 年 3 月にはサプライヤー企業に おける化学物質マネジメントシステム(CMS)をグローバルに構築。同時にグループ内の 体制の強化を図り、2006 年 7 月に国内・海外の製品含有化学物質マネジメントシステム (MSC)の構築を完了しました(図 14 参照)。 図 14: 化学物質管理の仕組み また、2008 年には製品に含まれる化学物質の管理対象の範囲を拡大し、対象物質が 製品のどこにどれだけ含まれているかをトレースし、量を管理する仕組みを構築しまし た。これにより、現時点では禁止されていない化学物質が、将来的に含有禁止となった 場合でも、迅速に対応できる体制が整いました。

11 国際的化学物質管理に関する戦略的アプローチ(Strategic Approach to International Chemicals

Management:SAICM)。2006 年 2 月、国際化学物質管理会議 (ICCM)が取りまとめ、国連環境計画 (UNEP)によって承認された。

(14)

12 © 2016 Ricoh Company, Ltd.

6.5. 製品使用時の消費電力を下げる (製品使用ステージ)

リコー製品のライフサイクル各ステージの CO2 排出量を見ると、最も大きいのが製品使用時 の環境負荷であることがわかります。 図 15: リコーグループの事業活動におけるライフサイクルでの CO2 排出量 リコーは、ライフサイクルでの環境負荷削減を考えた時に、製品そのものの省エネ12 が重要 であると認識し、1997 年に省エネに関する技術委員会を発足。2001 年、省エネ複写機の草 分けとなった「imagio Neo 350/450」を発売して以来、独自の技術 QSU (Quick Start Up)や低 温定着トナーなどを搭載した省エネ性能の高い製品を生み出してきました。その後も積極的

に省エネ性能と使いやすさの両立を追求し続け、2013 年発売のカラー複合機13では、DH

(Direct Heating)定着方式によるカラーQSU 技術、低融点トナー「カラーPxP-EQ トナー」など

14の独自技術を搭載し、トップレベルの環境性能を実現しました。2005 年発売のカラー複合 機15と比較して、標準消費電力量(TEC)16 は約 89%削減。また、スリープモード時の消費電 力はわずか 0.6W17に、スリープモードからの復帰時間は 5.1 秒に削減しました。 図 16:標準消費電力量の比較

12 「複写機・複合機の省エネ技術の進化」「環境経営の軌跡・QSU 誕生」をご参照ください。 13 2013 年発売のRICOH MP C4503 SPF 14 省エネ技術:カラーQSU(DH 定着方式)」、「省エネ技術:カラーPxP-EQ トナー」、「省エネ技術:ス マートポジションモータシステム」をご参照ください。

15 2005 年発売の imagio Neo C455 モデル 75。カラーQSU 誕生前の機種で、カラーPxP トナーを採用。

16 Typical Electricity Consumption: 国際エネルギースタープログラムで定められた測定法による数値。

(15)

13 © 2016 Ricoh Company, Ltd. また、クラウド環境やスマートフォン、タブレット端末の利用が拡がり、人々のワークスタ イルが急激に変化しているいま、リコーは、より業務効率がよく環境負荷の低い、新たな コラボレーションを提案しています18。ビデオ会議システムやプロジェクター、インタラクテ ィブホワイトボードなどの映像システムやソリューションなど、新しい分野の製品ラインア ップを拡充し、多様化するお客様の働き方にあわせたオフィス全体の環境負荷削減を 支援しています。

6.6. 物流の無駄と輸送の CO2 を減らす (物流・輸送ステージ)

物流プロセスにおける「包装」「輸送」「空間」「積み替え」「保管」の 5 つの無駄の視点を 切り口に、積載効率向上、モーダルシフト、輸送ルートの最適化などの活動をグローバ ルに展開し、環境負荷低減とコスト削減を同時に進めています。「包装」については、 1990 年代から段ボール資源を節約した「エコ包装」の導入などに積極的に取り組み、 2001 年には、繰り返し使える樹脂製の包装材「循環型エコ包装」(図 17 参照)を導入しま した。 2011 年度、日本国内で出荷された MFP の 約 72%、全 75 機種中 61 機種で使用され、 包装材の削減効果は年間約 1,451 トン、 CO2 換算で約 1,900 トンに上る。 図 17: 循環型エコ包装 また、効率の良いリサイクルを実現するための製品回収ネットワークを構築しています。 お客様に製品をお届けする「動脈物流」と、使用済み製品を回収する「静脈物流」を設け、 これらを一体化させた循環型ロジスティックスを構築しています。

18 ホワイトペーパー 「これからのビジネスを支える新たなコラボレーション(PDF)」 を参照ください。

(16)

14 © 2016 Ricoh Company, Ltd.

7. 地球の再生能力を高める生物多様性保全

地球環境を保全するには、社会が排出する環境負荷を抑えるとともに、地球が自らもつ 回復力を維持し、高めていくことも重要です。リコーは、1990 年代から、地球の再生能力 の源である生物多様性に着目し、世界各地で生態系保全活動に取り組んでいます。ま た、事業活動と生態系との関係性を明確にするため、製品のライフサイクルや土地利用 などと生態系との関係を一覧できる「企業と生物多様性の関係性マップ」を作成しまし た。 図 18: 企業と生物多様性の関係性 このマップにより、リコーの主力である画像機器の製造は、紙パルプや金属資源などの 原材料の調達、紙資源などで生態系への影響が大きいことがわかりました。この結果を もとに、2010 年に「リコーグループ製品の原材料木材に関する規定」を制定するなど、事 業活動で生物多様性へ直接及ぼす影響にも配慮しています。19

8. 人々の未来をつくる企業を目指して

地球温暖化、資源の枯渇、生態系の劣化などの環境問題は、私たち企業の経営にさま ざまなリスクをもたらします。一方で、これらのリスクを課題と捉えて、早い段階から手を 打ってきた企業にとっては、環境や社会の変化が機会ともなり得るのです。リコーは、環 境経営を日々、進化させ、省エネ製品の開発や省エネ・省資源活動によるコストダウン、

19 詳細は「生物多様性保全」を参照ください。

(17)

15 © 2016 Ricoh Company, Ltd. 枯渇が懸念される資源の代替材料開発、業務効率向上と環境負荷削減を図れるスマ ートなワークスタイルを実現する製品やソリューションの提供といったさまざまな活動を 展開しています。こうした取り組みにより、環境負荷を最小に抑え、持続可能な社会を実 現するビジネスモデルをいち早く構築し、人々の未来に貢献できる企業となることを目 指しています。 図 19: 生物多様性に配慮した緑地管理を行っているリコーインダストリーフランス 図 20: マングローブの植樹の様子(14 番目の森林生態系保全プロジェクト、メキシコ)

(18)

16 © 2016 Ricoh Company, Ltd.

参考資料 (活動の歴史・社会からの評価)

活動の歴史(ダイジェスト版) 1976 年~2015 年 1976 年 ●環境推進室設立 1990 年 ●環境対策室設立 1992 年 ●リコー環境綱領を制定 ●複写機「FT 5570」がブルーエンジェルマーク(初版)を取得 1993 年 ●製品使用禁止化学物質の設定 ●リサイクル製品設計基本方針を発表、リサイクル対応設計レベル1施行 ●リコーグループ、オゾン層破壊物質(特定フロン、特定ハロン、四塩化炭素など)の全廃を達成 1994 年 ●持続可能な社会実現のための概念「コメットサークル」完成 ●プラスチック部品に材料名およびグレード表示を開始 1995 年 ●リコー環境マネジメントシステムガイドライン初版を発行 ●エネルギースター対応製品を発表 ●リコー御殿場事業所が、ISO14001 認証を取得(日本の認証機関による第1号の認証)

1996 年 ●化学物質管理システム「RECSIS(Ricoh Environmental and Chemical Safety Information System)」が稼動 ●リコーUK プロダクツが、BS7750/ISO14001 の認証を取得 1997 年 ●79 種類の管理化学物質を設定 ●リサイクル部品を使用することを前提に開発された業界初のリマニュファクチャ専用複写機「Spirio 5000RM」を発売 1998 年 ●リコー環境行動計画を策定 ●環境推進室と環境対策室の機能を統合し、社会環境室設立(現サステナビリティ推進本部) ●リコーグループグリーン調達ガイドラインを発行 ●リコー福井事業所、再資源化率 100%(ごみゼロ)を達成 1999 年 ●リコーグループ環境報告書を初発行 ●リコー、「環境ボランティアリーダー養成プログラム」開始 ●生物多様性保全のための森林生態系保全プロジェクトを開始(於バングラデシュ) ●リコー、1998 年度の環境会計を発表 ●タイプ III 環境ラベルによる製品の環境負荷情報を開示(imagioMF6550) 2000 年 ●リコー、複写機でエコマークを初取得(業界初) 2001 年 ●循環型エコ包装を初めて市場に投入

●省エネ技術「QSU(Quick Start-Up)」を初めて搭載したデジタル複合機「imagio Neo 350/450 シリーズ」を発売 ●社会環境室から社会環境本部に改組

2002 年 ●世界のリコーグループ主要生産拠点でごみゼロを達成 ●リコーが、国連「グローバル・コンパクト」に参加表明 ●環境行動計画に「生態系保全活動」を盛り込む ●リコーグループの目指す姿「Three Ps Balance」を提唱

(19)

17 © 2016 Ricoh Company, Ltd. ●紙製品に関する環境規定を制定

2004 年

●オフィス機器で初めて次世代蓄電デバイス「キャパシタ」を活用した省エネ技術「HYBRID QSU」を採用した imagio Neo 752/602 シリーズを発売 ●化学物質管理システム(CMS)認証制度 開始 ●リコー大森事業所のVOC試験所が、「材料研究および材料試験に関するドイツ連邦研究所」(略称:BAM)から、メーカーとし て世界初の認証を取得 ●RoHS 指令に準拠した製品の発売開始 2005 年 ●リコーアメリカズコーポレーションが、世界最大級の高校生による科学コンテスト ISEF(国際学生科学技術コンテスト)で「リコ ー・サステナブル・デベロップメント賞」を授与

●高速デジタル複合機「imagio Neo 602ec/752ec」の筐体の一部に複写機・プリンター業界では初となるバイオマスプラスチック を採用 2006 年 ●省エネ技術「カラーQSU」を搭載したデジタルカラー複合機「imagio MP C4500/C3500 シリーズ」を発売 ●リコー、「2050 年長期環境ビジョン」を公表 ●リコーグループで、製品含有化学物質マネジメントシステムを構築 ●非生産事業所 1,022 拠点の所有地・借用地の土壌汚染調査を完了し、生産事業所を含めたリコーグループの全サイトで土壌汚染リ スクが把握され、管理された状態となる 2007 年 ●低温定着を実現するカラーPxP トナー(重合トナー)を採用した「imagio MP C7500/C6000」を発売 2009 年 ●「リコーグループ生物多様性方針」を制定 ●「省エネ」「省資源」「汚染予防」の 3 分野で、リコーグループ中長期環境負荷削減目標(2020、2050 年)を設定 ●リコー初のデジタルフルカラー再生機「imagio MP C3500RC/2500RC シリーズ」を発売 ●世界初、バイオマストナーを採用したデジタル複合機「imagio MP 6001GP」を発売 2011 年 ●IPM 手法による事業所緑地管理活動を開始 2012 年 ●統合報告書「リコーグループ サステナビリティレポート 2012」を発行 ●部品の一部に 100%鉄スクラップを原料とする電炉鋼板を採用した「imagio MP 9002/7502/6002/6002GP シリーズ」を発売 2013 年 ●電子製品環境評価基準「EPEAT」に対応し、複合機、プリンターなど 62 機種登録 ●インドでトナーボトルのリユースとトナー充填を開始 ●「RICOH MP C2503/C1803 シリーズ」発売、業界初の針なし綴じインナーフィニッシャー(RICOH MP C2503 シリーズ専用オ プション)を提供 2014 年 ●銀座に、リコーの100%自然エネルギー広告塔完成 ●「世界銀行グループ・カーボンプライシング支援イニシアティブ」および「1 兆トン共同声明」に賛同 ●リコーエレメックスの社有林「リコーえなの森」での森林保全活動を開始

●グローバルな CSR・環境活動推進のスローガン「Driving Sustainability for Our Future.」を制定 2015 年 ●リコー環境事業開発センター開所を発表

●リコーグローバルエコアクション 10 周年の活動を世界各地で実施

●インドの EPEAT に業界で初めて対応、複合機、プリンターなど 35 機種を登録

(20)

18 © 2016 Ricoh Company, Ltd.

社会からの主な評価

■日本経済新聞社 環境経営度調査 第 1 位 ・第 2 回(1998 年)・第 3 回(1999 年)・第 8 回(2004 年) ■ドイツのエコム社による「企業の社会的責任」格付け 世界第 1 位

・1998 年(電機・電子産業部門) ・2000 年(IT/Electronics 部門) ・2002 年(OA 機器・家電部門) ・2005 年(IT 部門) ・2009 年(IT 部門) ・2012 年(IT 部門) http://www.oekom-research.com/index_en.php?content=news=news_20090310170845(英語) ■「Dow Jones Sustainability Indices」構成銘柄に採用 2002 年~2008 年(7 年連続)、2013~2015 年(3 年連続)

■第 12 回 地球環境大賞 対象受賞 2003 年

■WEC(World Environment Center)ゴールドメダル受賞 2003 年(アジアの企業として初の受賞) ■社会的責任投資インデックス「FTSE4Good Index Series」に採用 2004 年~2015 年(12 年連続)

■トーマツ審査評価機構による環境格付けにて、最高ランクの AAA に評価される 2005 年~2008 年(4 年連続) ■Global 100:世界で最も持続可能な 100 社に選ばれる 2005 年~2014 年(10 年連続)

■第 5 回 日本環境経営大賞 環境経営パール大賞(最高賞)受賞 2007 年

■米シンクタンク Ethisphere Institute 社の世界で最も倫理的な企業(2016 World's Most Ethical Companies)に選定 2009 年以来 7 度目 ■Deloitte 社より「環境負荷ゼロ成長をリードする企業として選定される」(Zero Impact Growth Monitor 2012) 2012 年

■日本政策投資銀行から「DBJ 環境格付」最高ランクを取得 2012 年

■仏調査会社 EcoVadis 社によるサステナビリティ調査において、最高ランクの「ゴールド」評価を取得 2014 年~ ■CDP により気候変動情報開示先進企業に選定 2014 年~2015 年(2 年連続)

参照

関連したドキュメント

職場環境の維持。特に有機溶剤規則の順守がポイント第2⇒第3

職場環境の維持。特に有機溶剤規則の順守がポイント第2⇒第3

前ページに示した CO 2 実質ゼロの持続可能なプラスチッ ク利用の姿を 2050 年までに実現することを目指して、これ

 大都市の責務として、ゼロエミッション東京を実現するためには、使用するエネルギーを可能な限り最小化するととも

 大都市の責務として、ゼロエミッション東京を実現するためには、使用するエネルギーを可能な限り最小化するととも

3R・適正処理の促進と「持続可能な資源利用」の推進 自然豊かで多様な生きものと 共生できる都市環境の継承 快適な大気環境、良質な土壌と 水循環の確保 環 境 施 策 の 横 断 的 ・ 総

3R・適正処理の促進と「持続可能な資源利用」の推進 自然豊かで多様な生きものと 共生できる都市環境の継承 快適な大気環境、良質な土壌と 水循環の確保 環 境 施 策 の 横 断 的 ・ 総

3R・適正処理の促進と「持続可能な資源利用」の推進 自然豊かで多様な生きものと 共生できる都市環境の継承 快適な大気環境、良質な土壌と 水循環の確保 環 境 施 策 の 横 断 的 ・ 総