食べ物と健康のトピックス
◆健康のトピックス
~冬の感染症に注意しましょう~
みなさんはもうインフルエンザ予防接種はお済ですか?インフルエンザは潜伏期間が短く感染力が 強いことが特徴で、毎年流行期の 12 月下旬から 3 月の上旬にかけては多くの人がインフルエンザに かかっています。また近年、冬季に流行するノロウイルス感染症による食中毒が増えています。 そこで今回は冬の感染症を代表するインフルエンザとノロウイルス感染症についての情報をお届 けします。★インフルエンザについて★
インフルエンザはインフルエンザウイルスの感染によって起こる病気です。インフルエンザは大 きく分けて A 型・B 型・C 型の 3 種類があります。このうちヒトの間で流行を起こし問題となるの は、A 型と B 型です。 インフルエンザは通常の風邪よりも症状が重く死に至ることもあります。また、短期間で大流 行を引き起こすのも特徴です。 粘膜で急激に増加する ・のどや胸の痛み ・下痢や腹痛 ・腰痛 流行 その他 ・発熱もあるがインフルエンザほど高くなく の 重症化することはめったにない 特徴 ・短期間に小児から高齢者まで感染が広がる ・65歳以上の高齢者での死亡率が高まる ・のどの痛み ・感染力は弱く、ウイルスは徐々に増える 感染力 ・38度以上の発熱 ・頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状 ・鼻水 ・鼻がむずむずする ・水のような鼻水 ・くしゃみや咳 主な症状 ・短期間に膨大な人に感染する ・徐々に感染が広がっていく ・肺炎などを併発し、重症化することが多い ・インフルエンザウイルス 原因 ・感染力が強く、ウイルスが気管の インフルエンザ 通常の風邪 ・多くのウイルスや細菌インフルエンザの種類と特徴
種類 流行の状況など A 型 毎年流行するほか、爆発的な大流行があります。 また細菌性の肺炎を高率に併発します B 型 散発期に小流行を繰り返します(最近は 2 年に 1 度の流 行)インフルエンザと通常の風邪の違い
予防接種以外で、日常でできる予防法をご紹介します。 ①流行期には人混みを避けましょう 人混みを避けることが予防となりますが、冬場は外出しないというわけにはいきませんので、 外出する際にはなるべくマスクを着けましょう。マスクを付けることによって他人からの感染 を防ぎ、また他人に感染させることも防ぐ効果があります。 ②外出後は、うがい、手洗いをしましょう うがい、手洗いをしている方は結構いらっしゃると思いますが、実は顔などにもインフルエン ザウイルスは付着している場合があります。お子様が嫌がらない場合は、万全を期すために洗 える部位は洗うようにするとよいでしょう。 ③室内の湿度を保ちましょう インフルエンザウイルスは乾燥した状態で活発に活動します。インフルエンザウイルスの活動 を抑えるためにも加湿器などを使って部屋の湿度を保ちましょう。その際、部屋の換気も定期 的に行って下さい。 ④体力を保ちましょう 体力が低下していると、インフルエンザウイルスに感染しやすくなります。バランスのとれた 食事、十分な睡眠、そしてあまり厚着をしないことを心がけましょう。 高熱が出た場合、早いうちに医療機関を受診しましょう。もしインフルエンザと診断されたら… ○できるだけ安静にし、十分な睡眠と栄養をとり、体力をつけましょう。 ○インフルエンザウイルスの空気中での活動を抑えるためにまた室内の湿度を 60~70%に保つ よう心がけましょう ○水分を十分に補い脱水症状を予防しましょう
インフルエンザの予防方法
インフルエンザにかかったら…
★ノロウイルス感染症について★
ノロウイルスは人だけに感染して下痢やおう吐などの症状を引き起こし、人の小腸で増えるウイルス です。ノロウイルスは、生ガキやホタテの刺身などノロウイルスに汚染された食品を食べて感染する 場合や、感染した人のふん便やおう吐物などから感染する場合があります。一年中発生は見られます が、11 月くらいから 2 月頃の冬季が発生のピークになる傾向があります。 ○吐き気 ○嘔吐 ○下痢 ○腹痛 ○発熱 小児では嘔吐が、成人では下痢が多く見られます。これらの症状は 2~3 日で回復します。 ※ノロウイルスに感染しても発症しない場合や軽い風邪の症状の場合もあり、自分で感染している ことに気付かず、知らないうちに家族などに感染してしまうことがあるので注意が必要です。 ①家族全員が、きちんと手を洗うことが感染予防の基本です。 ほとんどの場合、感染経路となるのが手指です。次の場合には手を洗い、消毒をしましょう。 ○食事の前 ○トイレに行った後 ○調理の前 ○ふん便・おう吐物の処理の後 “手洗いの方法” つめを短く切り、指輪をはずし、石鹸を十分泡立ててブラシなどで手指(指先・指の間・親指 の周り・手首・手のしわ)を洗います。すすぎは温水による流水で十分に行い、清潔なタオル などでふきます。 ②子どもさんや高齢者などの抵抗力の弱い方には、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱 しましょう。 食品の中心の温度 85℃以上で 1 分間以上の加熱 特に、食材(特に二枚貝)を加熱する際には中心部まで十分に加熱しましょう。ノロウイルスとは?
ノロウイルスの主な症状
ノロウイルスの予防方法
③下痢やおう吐物の症状がある場合の汚物処理 使い捨ての手袋、マスク、エプロンを着用し、おう吐物等が飛び散らないようにペーパータオ ルなどで静かにふき取ります。ふき取った後は次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度 1000ppm)で 床を浸すようにさらにふき取り、その後水拭きをします。使用後はビニール袋に入れて包んで 捨てましょう。 ④調理台や調理器具等の殺菌について。 洗剤などを使ってしっかり洗い、その後次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度 200ppm)で浸すよう に拭きます。まな板、包丁、食器、タオル等は消毒(85℃以上の熱湯消毒または家庭用塩素系 漂白剤が有効です)をしましょう。また、魚介類(二枚貝)などを調理する場合は、生のまま 食べる野菜などを取り扱う調理器具とは使い分けましょう。 参考:市販の漂白剤を使った消毒液の作り方 濃度 200ppm・・・2 リットルのペットボトル 1 本の水に原液をペットボトルのキャップに 2 杯 1000ppm・・・500ml のペットボトル 1 本の水に原液をペットボトルのキャップ 2 杯 ※ 金属部分に使用する場合は腐食するため、10 分たったら水拭きをしてください。 なお、換気を十分に行ってください。 ○早めに医師の診断を受けましょう。 ○下痢やおう吐の激しい場合は脱水症状を起こさないよう水分を補給しましょう。 特に乳幼児や高齢者のような体の弱い方は注意が必要です。 ○汚物(ふん便・おう吐物)の処理は確実にしましょう ・汚物を処理する際にはマスク・使い捨て手袋などを着用し、使用後はビニール袋に入れて、 密封して捨てましょう ・作業後は必ず石鹸を使って手を洗いましょう ・使用したトイレ、嘔吐した場所、家庭内の直接触れる機会がある場所(手すり・ドアノブ 水道の蛇口など)を消毒しましょう。 ノロウイルスの消毒には次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤にも含まれています) が有効です。アルコールは効果がありません。 ・汚物の付いた衣類などは消毒してから洗濯しましょう ○ タオルの共有をさけましょう 入浴・洗顔等で体に直接触れるタオル等は共有をさけ、使用後は熱湯(85℃以上)で 1 分以上 の加熱をしその後、洗濯をしましょう。