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1.3期・井上健0.doc

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Forum 21

Forum 21

氏 名

井上 健

( 3 期)

会社名

日本電設工業株式会社

題 名

デフレ実感

この6月末に東日本旅客鉄道㈱を退任し、日本電設工業㈱社長に就任しました。鉄道電気設備 工事、建築物の電気設備工事を中心の建設業ですから、現在の経済環境を反映し大変苦しんでい ます。あらゆる企業は生き残りをかけて努力をしているところで、費用を削減すればめぐりめ ぐって自社の収益も減少するに訳ですから、まさにデフレ進行中を実感しています。場合によっ ては赤字が分かっていても受注せざるをえない状況です。建設業は人間が工事して設備を構築し ていくので人件費比率が高く、このままだと人件費単価をさらに下げていく方向が進行するで しょう。景気感覚も底を打ったどころか、益々じわじわ下っているような気がします。そうは いっても当社は何とかお客さまへ価値を提供し頑張って参りたい。 小泉政権の政策は個々の方向はそうおかしくないと思いますが、現在の日本社会の課題は自 信・景気回復が第一と思います。どうも政策立案において大局観に欠けているため、政策の優先 順位が違うのではないかと思います。日本が米国の真似をして失敗したころ、米国は間違いを さっさと認め、変更してしまいます。日本民族は変更が得意でないので、真似ではなく日本らし さを見つけるべきです。しかしそうならないのは、日本の進むべき道に対する「基本的理念」の 欠如ではないかと思います。戦後基本理念無しの欧米追従、アジアへのお詫び外交というつけが 疲弊した経済状況下で顕在化している。 国内は不祥事続きですが、政官財のどこが悪いというのではなく、全て悪いのです。殆どの事 件は政官財の癒着の構図から発生しており、自分さえ良ければというエゴの塊です。資本主義経 済下では人間の性悪説を法律等で規制するのは不可能です。今後も悪いことをする人は絶えない と思いますが、それを規制するのは「基本的理念」に裏づけされるモラル感に期待するしかない でしょう。現在は性悪説がモラルを上回っている状況で真のリーダーを期待したいところです。 日本経済新聞8月15日に下記の要旨の社説が掲載され同感しました。 「・・・太平洋戦争の敗戦から何を学んだのか。・・・敗戦の焼け野原から立ち上がり、豊かさ を追求することにきゅうきゅうとしてきた日本は、過去を振り返らずに今日まできた。・・・日 本は今もまた同じような過ちを繰り返している。太平洋戦争敗戦に至る過程と、今日の日本が 『 第 二 の 敗 戦 』 と も 言 う べ き 衰 退 の 道 を た ど っ て い る 経 緯 を 比 較 す る と 驚 く ほ ど 似 て い る。・・・戦争についての根本的原因として永野(永野護『敗戦真相記』の著者)は『日本の国 策の基本的理念が間違っていた』と述べている。すなわち『日本だけ栄えればいい』という考え 方が間違いだったと指摘する。・・・『確固不動の信念と周到なる思慮を有する大黒柱の役割を 演ずるべき一人の中心人物がなく・・・』・・・永野が嘆いてから半世紀以上もたつのに、官僚 跋扈の社会システムは根本的には何ら変っていない。・・・歴史を直視し、そこから教訓を得よ うとしない人々や、そういう人々が構成する社会・国家は進歩しない。次世代に引き継ぐためにも 三度同じてつを踏む愚は繰り返すまい。」

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Forum 21

Forum 21

氏 名

大竹 伸一

( 3 期)

会社名

㈱NTT−ME東京

題 名

精神の時代

フォーラムで仲間と議論した当時のことを振り返ってみると、時代が大きく動く直前であった ことに今更ながら驚く。長く続いた東西冷戦から一転してベルリンの壁の崩壊、ロシアのG7への 加盟と世界の政治勢力の枠組みは大変換を遂げた。これで世界は安定と平和に向かい、輝かしい 未来が開ける筈だと楽天的に信じるものはいないにしろ、昨年のニューヨークのテロのような大 惨事が起こるとは予想できないことであった。 貧困による社会不安、人種・宗教による対立・騒乱など世界ではこれからも続くであろう混沌 は何によって解決できるのだろうか。経済的豊かさの追求、国・民族の支配といった人間の欲 望、宗教に代表される価値観等が十人十色である限り、この構図は続いていくのか。 日本国内を見てもこの十数年間は経済バブルがはじけ、昨今ではデフレスパイラル現象が顕著 で、先行きも不鮮明である。1950年代の鉄鋼・造船を始めとする重厚長大産業による量的充 足を図った「トンの時代」、1960年代の自動車・家電に代表される質的充足を図った「キロ の時代」、1980年代の半導体・マネーにみられる「グラムの時代」、さらに1990年代か ら今日に至るまで急激に隆起した情報・サービス産業の知識追求型の「無重力の時代」へと時代 を引っ張ってきた主役産業も大きく変遷してきている。この先の時代は重さがなくエネルギー感 知型の「精神の時代」へと移っていくのであろうか。 私的にもこの先の拠り所を模索する年齢に達した。若い頃のがむしゃらな生活向上等の物質的 追求から精神的な支えをより深く感じる世代に入った。 世界の変化、国内の動き、自身の心情の揺れを考えると、今更ながらに精神の基本となる教育 の重要性を実感する。フォーラムでの議論にも、勿論教育問題は大きな柱であったと思うが、私 自身は今ほどの精神的なものの見方はしていなかった。今後、経済のグローバル化の定着、日本 の高齢化社会への突入という状況に対して教育も質的な変化を遂げていく筈であるし、変化をさ せなければならない。

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Forum 21

Forum 21

氏 名

桐生 正一

( 3 期)

会社名

サントリー株式会社

題 名

おもえば遠くに。

日ごろ、15年というスパンで考えたりすることは殆どない。幹事の催告で振り返ってみると 私の40歳から55歳の今日に至るゴールデンな15年間。 フオ−ラムに参加したのは、年号が昭和から平成となった時期で、戦争の世紀を濃密に残す「昭 和」が終焉し、おりからのバブルの勢いが盛んな未来を予感させ、ライジングサンが世界から称 揚されているという時代。 10年近い霞ヶ関・永田町担当から、東北支社の企画担当という業務や生活環境の変化と相俟っ て、古い殻から脱皮したような皮膚感覚があり、グローバリゼーションという語に代表される世 界との調和や、連携が何の疑念もなく自然に感じられた時代。 おもえばおおらかなよき時代。 同時に、多少の困難が待ち受けていても何らかの活路が開かれるだけの習熟や知性が国家や社会 、個人に備わったのではと思われた時代。 それからの15年。 失うものだけだったような時間の連続の中で、なにを得たのだろうか。 残念なのはこの15年の慙愧だけではなく、この15年を踏まえたこれからの展望が現在にいた るも充分に示されていないことにある。 さて個人生活。 親族・姻族との永久の別離は世の慣いとしても、この15年はつらい15年。 同い年位の会社の仲間、友人にも随分別れた。 その分、時間や生活の味わいが深くなったような気がしてならない。全く意図しないのに。 15年前に見ていた15年後の豊かな生活は、たぶん達成できているのだ、と思う。 15年前は、高齢化・少子化の進行から来る労働力不足はいかんともし難く、100万単位の労 働人口が不足し、日本人は労働の知的部分を受け持ち、肉体労働的部分に外国人労働者を、とい う議論も少なくなかったような記憶がある。リストラで失業率が5%を超える、という点が最大 の問題はあるが、デフレでの価格ダウンで、消費財、ゴルフのプレー代、ゴルフ会員権、不動産 に至るまで、少なくとも充分に手が届くし入手可能である。 15年前には、しかし、経済の発展がこうした生活財を取り込めるようなことは予感されたよう に思われる。デフレの結果かどうかは別にしても。 全く予感が出来ないものが2ツあり、そのひとつはこれだけのパソコンの急速な普及と、携帯電 話。 「クリック矢の如し」的な生活は何なのだ、と思う。 歩き携帯、というのは何なのだ、と思う。 期待や予想から大きく違ったもの、予想外の展開。その一方で変わらぬ世界と悠久の自然。 この15年。 おもえば遠くに来たものだ。

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Forum 21

Forum 21

氏 名

小山 眞一

( 3 期)

会社名

富士ゼロックス株式会社

題 名

フォーラム21の価値

Ⅰ フォーラム21の価値 早いもので16期もKick Offをし、フォーラム(以下F)21も創立15周年を迎えました。 この間、総勢400名にならんとするメンバー一人ひとりに変らぬ情熱と愛情を注いでこられ た梅津専務理事に心から感謝と敬意を表したいと思います。

F21のMission Statement は“21世紀の日本のリーダーを育てる”であり、Shared Value 即ちみんなで大切にすることは梅下村塾 梅津塾長の指導理念ある“汗を流せ”であります。 この15年間一貫してこの理念を率先垂範し、現役の1年間そしてOB活動と常に厳しさの中にぬ くもりのある塾長がその中心に存在していました。F21のメンバーにとって、期が違っていて も初対面でメンバーであることがわかると、すぐにプロトコルである塾長の話題に入り、 あっという間に打ち解けられるのです。しかもこの400名の集団は年々パワーアップしており 経済界・官界でメディアに登場するメンバーが増えてきました。各界ともTOPに就任するケー スも年々増加傾向にあります。F21はまさに旬を迎えました。 『フォーラム21の価値』を3つの側面から考えてみますと ①経済的価値:各メンバー企業/官庁に於けるフォーラムメンバーの貢献度やリーダー シップは著しく、人的資産価値の高さは申すまでもありません。 ②社会的価値:政官財の健全な交流が可能になりつつあります。 異業種交流が人的ネットワークのみならず、事業提携・新事業創造に発 展し、新たな雇用を創出しつつあります。教育現場に立つメンバーも増 え年々教育界との交流も盛んになってきました。 ③人間的価値:フォーラムメンバー一人ひとりが自らの成長を実感でき、ビジネスリー ダーや官僚を育むプラットフォームになってきました。 フォーラムメンバー間のヒューマンネットワークが拡大し、今や家族ぐ るみの交際にも発展しています。最近では子弟の就職、海外留学、文化 活動支援等も盛んに行われています。 ①∼③がバランスも良く発展したきたことを実証しています。ちなみに①∼③の3つの価値 は企業価値を構成する重要なファクターです。 Ⅱ 成功の秘密を探る F21の価値が高まった理由を私はコーポレイトガバナンスの視点で捉えてみました。ステー クホルダー別に見ますと、まず企業に於ける株主はフォーラムのメンバー企業/官庁でありま しょう。取締役は世話人諸氏、取締役会事務局は世話人会社幹事会、執行役員はCOOである梅 津専務理事及び年度の学年幹事(現役/OB)が該当しましょう。勿論COOの叱声に耐えながら、 黙々と活動を支えて頂いているフォーラム21事務局の木村事務局長はじめスタッフ皆様のお力 があってのことであることは申すまでもありません。社員は当然、現役/OBフォーラムメン バーでありましょう。

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Forum 21

Forum 21

フォーラム21の成功要因は 1 )メンバーのみならず世話人各位も身体を持ち出し共に汗をかいています。 『 囲む会 』『 年次総会出席 』等 2 )メンバー企業/官庁からは物心両面に亘る支援が行われています。 ・研修所/会議室の提供 ・ゲストハウス/飛島の提供 ・国家機関/施設の公開 3 )歴代学年幹事会が幹事長のリーダーシップの下、活発な活動をしています。 縦横の関係重視の為 ・同期会の開催(塾長にリモートコントロールされている感はややありますが…。) ・OB活動が計画的に行われています。 4 )年次総会(一大イベント)をはじめ年間イベント計画が豊富であり、USフォーラムと の連携も密であります。 5 )広報の重要性が認識されています。 既に、F21のホームページも開設され、事務局の全面協力のもとOBを含めた広報活動が 年々盛んに展開されています。 6 )新規メンバー企業の選択も世話人会社幹事会/専務理事との協業で最適メンバー企業の 選任がされています。 7 )何より財務面での安定化が大きいと思われます。 F21事務局の総務・経理機能の充実、表には出ていない実質世話人企業の増加も財政面 で寄与しています。 以上を鑑みてもF21のガバナンスは十分働いております。 Ⅲ これからの課題 1 )しかし塾長への依存度の高さは相変わらずで、崇高な志や情熱で15周年を迎えた今日 も、現役指導の厳しさは継続しております。しかし喜寿を迎えられた現在、ハードな スケジュールへの健康面での懸念も増しております。今後塾長のご負担をどう軽くし ていくか大きな課題といえます。 2 )フォーラムメンバー企業も多少入れ替えが発生しており、継続しない企業のメンバー や他企業と合併したメンバー企業、現役を引退された方、転職・自営の道を選ばれた メンバーの皆様への配慮も大切になってきました。このように時の流れと共に様々な 変遷が見られ、OBメンバーが所属していた企業ベースから個人ベースでもF21の活動に 参加できる場を増やす時が来たように思います。 3 )21世紀の日本を変える為には、F21メンバー資格を持つ企業人・官僚のみならず、やは り日本を動かす最も影響力を持つ政治家との連携が益々大切になってきた様に思われ ます。一部OBメンバーが代議士を志向し、準備に入っている事は聞いていますが、や はり窓口役をひき受けられる政治家の輩出は不可欠でしょう。現在政治の中枢である 官邸に4名もフォーラムメンバーが参加している事は心強い限りです。 Ⅳ 持続的発展に向けて 1 )まず梅津塾長の現役/OB活動をサポートするチームを結成し、ご負担を軽くしていきた いものです。今後は既に定年を迎えられて現役を引退された方、役員を退任された 方、独立された方のボランティアをお願いしていくのは如何でしょうか?

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Forum 21

Forum 21

2 )政治へのインパクトを大きくする為に有望若手代議士との連携を深めていくことは有効 です。昨年より政党を超えた塩崎恭久、安倍晋三、河野太郎、岡田克也各氏との交流を スタートしています。支援組織として何らかの継続的連帯の道を探りたいものです。更 に経済同友会との連携を深めていくことも有効だと思います。 3 )コーポレイトガバナンスの視点でF21にとっての株主の選択を行っていく必要がありま す。※11期以降 ヤマト運輸(株)、(株)電通、オリックス(株)、イオン(株)が参加。時 代を反映し、規制と闘い高付加価値サービスを提供しておられる企業、経営のポリシー として地球環境に熱心に取り組む企業が新たに参加されました。 また取締役のフレキシビリティも大切です。 4 )F21の社会的価値を増大する為に、NPOの設立にもっと積極的に関与することも一案と思 います。例えば教育現場に企業人を派遣するプラットフォームを作るとか。 以上、15周年を迎えたF21の価値について私なりの考えをお伝えしました。皆様のご意見を 賜れば幸いです。 以上

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Forum 21

氏 名

阪田 悦紹 ( 3 期)

会社名

日本冶金工業(株)

題 名

雑 感

路線価が10 年連続で下落している。平成 14 年 8 月に国税庁が発表した全都道府県の平均 路線価は、前年より6.5%引き下げられ,2 年連続で下落した。37 道府県で、下落率が前年と 同率であったり拡大しているとのこと。また,下落率が縮小したのは東京,大阪等10都府県 で、これも前年の半分であり、地価の下げ止まりが更に遠のいた印象を与えている。 日本の地価は平成3 年にピークをつけた後、下落に転じており既に 10 年にわたって右肩下 がりを続けている。(所謂バブルの崩壊過程) 昭和30 年の地価を 100 とした6大都市住宅 地価格指数は平成3年に21,002 となったが,以降は急速に下降しており、平成 12 年では 9,401 となり、実に 56%の下落率となっている。また,下落率の推移を見てみると、東京,大阪、 名古屋の住宅地平均で、一時前年比2%台に縮小した下落率が平成 11 年頃から再び拡大に転 じ、最近では5%台の下落となっている。今回の発表は更にこの傾向を加速した感がある。 この地価の下落が日本経済に与える影響について見てみたい。地価がピークをつける(バブ ルの生成過程)までに土地を大量に取得して、保有を継続した企業群、例えば,建設,不動産 業の一部企業がその後の地価下落の中で、多額の含み損を抱えて極めて厳しい状況に陥ったこ とは周知の事実だ。では、『住宅』という形で土地を保有している個人はどのようになってい るのだろうか。以下に個人の土地取得にかかわるデータを示したい。 (土地取得時期) 平成 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 (土地取得金額) 22.8 兆円 21.0 16.8 15.7 15.2 14.3 14.7 13.3 10.6 10.8 (地価公示下落) 49% 46 41 31 26 24 20 18 16 11 (土地含み損) 11.2 兆円 9.7 6.9 4.9 4 3.4 2.9 2.4 1.7 1.2 (国土交通省データから推計) この表の含み損を合計すると約 50 兆円になるが,現在の地価に徴すれば、含み損が生じてい る取得時期は昭和 62 年からであること、マンション等は土地と上物が一体化しているため取 得金額は土地価格を大きく上回ること,等々を勘案すれば、100 兆円前後の含み損が生じてい ると見ても良いものと思われる。 注目すべきは金額の大きさにもあるが,依然としてその含み損が拡大している(言い換えれば 資産価値が継続して減価している)ということである。また、土地取得資金の多くを借入金で 賄ったとすれば,毎年担保価値が低下しているということでもある。 国民総生産の過半を占める個人消費が盛り上がらなければ景気の回復が覚束ないことは疑 いの余地はない。しかし,個人消費は依然として低迷を続けている。百貨店の売り上げも前年 比割れを続けている。その理由として、景気の悪化・失業率上昇の中で将来の雇用について不 安があること,それ以前に現実の足元の賃金が減少していること,更には,社会保険,健康保 険等の費用支出が増加していること,少子化の展望の中で将来の年金に不安があること、等々 が挙げられているが、個人の家計が上記の如き含み損に蝕まれていることもその大きな要因で はないか。家計のバランスシート不況である。たとえ含み損になってはいなくても、資産価値 が低下している中では、所謂『逆資産効果』が現れているものと思われる。(バブル時代に資 産効果が消費を盛り上げたことの逆の動きが出ていると考えれば理解し易い)個人の株式投資 が盛んな米国において、先般の株価下落が逆資産効果を通じて景気の悪化を誘発するのではな いかと心配されたことは記憶に新しい。 これら諸々の要素の景気への影響度は一概に言えないが,フロー経済の低迷に先だって土地 の価格下落が起こっていることを見れば,まずは、土地価格下落(資産デフレ)の進行を止め ることが第一ではないか。

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Forum 21

中国という、土地も広大で、人もふんだんに雇用できる、そして,夫々が極めて安価に調達 できる国が近隣に存在し,日本企業がその両方を輸入している(日本企業が生産コストの低減 を目的に中国に進出することは,言い換えれば,土地,人という生産資源を輸入していること に他ならない)状況ではなかなか困難なことではある。しかし、かって米国が行った『ニュー デイ―ル』政策に学び、『都市の再生』により土地の付加価値を高め、土地価格の下落を食い止 めることが必要なのではないか。 都市の再生といっても色々なことが考えられる。大規模開発でビル群を建設してそこに巨大 な生活空間を作るのもひとつの方策だとは思うが,それだけで良いのだろうか。 日本は地震国である。数年前の阪神淡路大震災で起こった都市機能の麻痺は地域住民の生活 に甚大な被害を与えた。倒壊した家屋や電信柱が狭い道路を占領して消防活動、救援活動を妨 げたことが震災の被害を大きくしたことは間違いがない。 このような観点で見ると、東京,大阪を始めとして全国の大都市で大震災に耐えられる都市 は皆無ではないか。東京でも住宅の建て込んだ道路幅の狭い,そして、電信柱が林立する地域 は無数に存在する。阪神淡路大震災時の神戸を再現する可能性はないとは言えない。建て込ん だ家屋は空間を利用して集合住宅化し、道路は広げ,そして電線は地中化するなどの地震対策 は土地の付加価値を高めるのではないか。中心部の巨大なビル群は残ったとしてもそこに働く 人たちが通勤できなくなることは大いに有り得る話である 国民生活の安全を保障するとともに,世界経済のひとつの中心地が、何時どのような時にも 円滑に機能できるようにすることも政府の重要な役割であると思う。 最後になりましたが,“フォーラム21”の15周年を心からお祝い申し上げますとともに、 梅津専務理事のこれまでのご尽力に対し深く敬意を表するものであります。

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Forum 21

Forum 21

氏 名

杉本 迪雄

( 3 期)

会社名

NTTコムウェア株式会社

題 名

再生への道のり

日本中に吹き荒れたワールドカップの熱狂も引き潮のごとく過ぎ去り、一抹の虚脱感を味わっ ていた時期もそこそこに、本格的な熱波の到来で、政府発表とは裏腹に日本景気の先行きともど も、憂鬱な状況が続いていますが、諸兄には如何、お過ごしでしょうか。 フォーラム21開設15周年の節目の本年を日本企業再生元年と位置づけ、政・官・業が一体と なり、新たな飛躍のための具体策を真剣に考え、スピード感を持って実行に移していくことが必 要でしょう。 現在、日本経済は低迷を極めているとの評価は、ほぼ全ての業界の偽らざる実感では無いかと 思います。これは、日本型のビジネススタンダードが世界レベルのグローバルスタンダードと 合わないことからくる歪だと理解すべきではないでしょうか。 日本から世界を見る時代は終焉を遂げ、世界の中の日本という捉え方を中心に物事を発想する 時代に転換を図らねばなりません。 1990年代、日本はバブルの絶頂期にありましたが、この間、米国のエクセレントカンパ ニーは日本に学べの大号令の下、日本型経営を徹底的に勉強、積極的に自国企業文化の上に優れ た日本型企業経営の手法を導入したと聞いています。 日本型企業系列の概念に学び、実践されたVIRTUAL COMPANYは今では、日本企 業が当然のように用いるOUTSOURCINGあるいはALLIANCEという形態にまで発 展を遂げ、逆上陸をしてきました。 日本型大量生産体制に内在する組織の壁を是正する取り組みとして生まれた業務プロセス重視 の考え方は、BPR(BUSINESS PROCESS RE−ENGINEERING)と いう言葉を生み、IT業界ではシステム設計に先立つ当然の行為として定着を遂げつつありま す。 欧米型ビジネススタイルと日本型ビジネススタイルの緩やかな融合、とりわけ、20世紀の日 本企業繁栄の優れた遺産を継承しつつ,欧米企業文化の優れたところを吸収する謙虚さが求められ ているのではないでしょうか。 一例を挙げれば、日本型企業文化には、“協業”の美徳が存在します。“協業”文化には仕事 の守備範囲が曖昧であり、グレーゾーンが多く存在する代わりに広く、カバー出来るが故にみん なで補完し合えると言った特徴があります。一方、欧米の“分業”文化は所掌範囲がはっきりと しており、責任の所在も明確である反面、他人の仕事には関心がなく、自己本位に陥りがちと 言った短所もあります。 上述したように、欧米企業が、分業の企業文化に、協業のうまみを加味した独自の企業文化を 形成したのと同様に、日本企業には、歴史的、伝統的な協業文化があり、これに分業の優れた特 徴を加味し、新たな独自文化を醸成することができれば、新たな飛躍のバネとなることが大きく 期待されます。 (以上)

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Forum 21

Forum 21

氏 名

冨岡 征一郎 ( 3 期)

会社名

鹿島建設㈱

題 名

還暦を迎えての雑感

阪神タイガースが例年にない好ダッシュを見せている。指揮官が代ると、同じ

チームでもこれ程大きな変化が遂げられるのかという点で興味深い。人間には4つ

のタイプがあると言われている。タイプAは「自ら燃える人」、Bは「人から火を

付けられると燃える人」、Cは「火を付けられても燃えない人」、そしてDは「燃

えている人に水をかける人」だそうである。集団の中で、タイプAの人が5人いた

ら、その集団(会社を含む)は絶対勝ち抜くと言われている。どうも昨年までのタ

イガースはDタイプの人が強力なリーダーシップを発揮しすぎてA、Bタイプの選

手を抑えつけてしまっていたようである。星野監督自身Aタイプの人だけに、自身

が燃えすぎなければ、うまく選手の心情と溶け合い常勝軍団ジャイアンツと最後ま

で優勝争いをするものと期待できる。

目を転じてわが日本国のリーダーに触れてみたい。小泉首相は就任当初はAタイ

プの人の印象であったが、最近ではBとCタイプの中間の人物であるような気がし

てならない。日本の景気がこれ程までに低迷し、国内外から景気回復へ向けての喫

緊の対策実施を迫られていながら、遅々として具体策の提示がないことや、政官界

周辺で起きている種々の問題に対しても自ら進んで解決に立ち向かう意思が見えな

いことなどを考えると、これでよいのかと頭をかしげたくなる。明治維新を支えた

知力、気力、才覚にバランスのとれたリーダー群に匹敵するような人物の出現を今

期待するのは無理なのだろうか。

このように、世を憂え、人を憂えているようでは、好ましい老境に入ることは難

しいらしい。齋藤茂太氏(1961年生れ)によると、こんな事に気を使っている

ようでは、素敵な老年層の仲間入りはかなわないそうである。過日氏の講演を聴く

機会に恵まれたので、特に印象に残ったいくつかのキーワードをご紹介しよう。

“人生80%”、“少欲知足”:人間誰も100%の者はいない。常に多少の余

裕を残した生き方をすべし。

“一笑一若”、“一怒一老”:人間怒りを先行させては老いが早い。笑いこそが

若さを維持するヒケツである。

また、医者として見た場合、幸せな老後生活を送っている人の多くのタイプは次

の4つの条件を満たしている人だそうだ。

①友人が多い ②姿勢が前向き ③趣味が多い

④物事を人のせいにしない

ということで、氏の推めるシニア・プランは

①好奇心を持て ②マンネリを排せ

③孤独になるな ④感動しろ

を実施することである。

我々F−21のメンバーは身近にU氏という良いモデルを見ているので、なるほ

どと納得するのではないだろうか。私も、還暦を過ぎた今、齋藤茂太氏の推奨され

るシニア・プランに沿って行動しようとひそかに決意しているところである。

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Forum 21

Forum 21

氏 名

堀田 博司

( 3 期)

会社名

日新製鋼株式会社

題 名

とりとめのない話

最近、「星野道夫」のものをよく読むようになった。数年前 娘の本箱に「イニュニック(生 命)」という本があることに気がつき、妙な名前の本を読んでいるなーとちょっと気になった。 その後しばらくの間その事を忘れていたが、本屋で偶然その本を手に取り、立ち読みしているう ちにこれは面白そうだと思い買った。家に帰り子供にいい本を見つけたと言って自慢して見せた ところ、この本は2階の自分の部屋にあり、昔お父さんに面白い本だよといったのに何の反応も 示さなかった、同じ本を2冊も買って、、、と叱られた。 そんないきさつがあって僕は星野道夫を知った訳だが、その後「ノーザンライツ」「旅をする 本」「長い旅の途上」などを読み、今年の僕の誕生日に娘たちが贈ってくれた4冊の写真集を折 りにふれよく見るようになった。僕は写真に写し出された大自然の厳かさ、四季折々の動植物の 豊かな表情に魅せられ、又 作為のない「詩」のような純粋な文章に感銘を受けた。 僕がこれ以上ここで駄文を書いて彼を紹介するより彼の文章を引用し、彼自身に自らを語って もらおう。 「人間の為でも、誰の為でもなく、それ自身の存在のために自然が息づいている。その当たり 前のことを知ることがいつも驚きだった。」 「進歩というものが内包する影に私たちはやっと今気付き始め立ち尽くしている。なぜならば それは人間自身が持ち合わせた影だったのだから、、、」 「森の中に自分の足で踏み入れば、その湿り気を感じることができる。でも森の周りを何度 回ったところで、その形しか分からない。」 「クマの道は次第に分かれた道が多くなり、やがて踏み跡もはっきりしなくなって、いつの間 にか森の中へ消えていった。そこが、人間と、クマの世界の、一つの境界のような気がした。か つて私たちも持っていた、越えてはならない、人間と自然との境界である。」 「壮大なアラスカの自然は結局人間もその秩序の中にいつか帰ってゆくという、当たり前のこ とを語りかけてくる。」 彼は20年近くアラスカの大自然の中で家族と共に暮らし、数々の美しい写真を撮り、文章を書 いたが、6年前シベリアを旅している時、熊に襲われ死んだ。 星野道夫のことを書いている内に僕がここ数年考えてきたこと“21世紀を支配する大切なキー ワード”を記しておきたくなった。それは「自然」「個性」「多様性」「棲み分け」「小さいこ とは美しいこと、良いこと」の5つである。今世紀は一見すると世界は狭くなり、地球(グロー バリズム)、宇宙、といった大きい場での共通性とか、大きいことは効率を生む、といった物の 考え方が支配するかに見えるが、全く逆のことが進んでゆくと思う。各民族、国家、個人はそれ ぞれ自らの独自性、「個性」を主張し、さらに様々な動物、植物も自然の中で自らの生きる場所 を確保しようとする。人間も動植物も同じ「自然」の中でそれぞれ生き延び、さらによりよく生 きようとする。 この様に非常に「多様性」に満ちた世界が現れ、その結果、様々な価値観が生まれ、神々 の 闘争が発生する。従ってそれぞれの個性を持った生き物は自然の中でうまく「棲み分け」ていか ないと常に衝突を繰り返し、やがて滅亡する危険に直面する。だから「小さいことは美しいこ

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Forum 21

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と、良いこと」という価値観が非常に重要になってくると思う。大きいもの、大きくなろうとす る意思は資源の有限性、傷つき易い自然の中では必ず他の者を犠牲にしているのだ。 最後にサラリーマンを卒業した後の夢について語りたい。僕は「日本人の物の考え方」につい て考え、まとめてみたいと思っている。「日本人は本来包容力、寛容性に富み、他人の立場を尊 重し、柔軟に自らを変化させてゆくことの出来る国民」という仮説を僕は持っている。欧米人の 住んでいる自然風土、そして彼らの持っている考え方、宗教と、日本人のそれらとの比較におい て、又、縄文時代からの日本人の歴史の中において、日本人の物の考え方の特色を浮き彫りにし てみたい。 もし、この仮説を客観的に立証できれば、我々日本人は、欧米人が過去数世紀にわたり世界で 果たしたように、今世紀において、あらゆる分野で自信を持って世界に大きく貢献できると思 う。 僕がこのような仮説、方法論を持つに至ったのは、「マックス・ウエーバーの『宗教社会学論 集』」「和辻哲郎の『風土』」「梅棹忠夫の『文明の生態史観』」「川勝平太の『文明の海洋史 観』」「梅原猛」「今西錦司」そして「星野道夫」などに大きな影響を受けた結果であると思 う。 信州沓掛の山小屋「無為庵」でバッハ、モーツアルトの音楽を聴き、絵を画き、散歩し、 「日本人の物の考え方」について勉強し、まとめあげることが僕の夢だ。 (2002年8月31日 沓掛、無為庵にて)

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