• 検索結果がありません。

資料 3 立地 機能に応じた市場間での 役割分担と連携強化 平成 26 年 12 月

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "資料 3 立地 機能に応じた市場間での 役割分担と連携強化 平成 26 年 12 月"

Copied!
31
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平 成 2 6 年 1 2 月

立地、機能に応じた市場間での

役割分担と連携強化

(2)

注:本資料に掲載された情報やデータの出典について特に記載がない場合、その出典は農林水産省食

Ⅰ 立地、機能に応じた卸売市場のあり方(役割、ビジネスモデル)・・・・・・・・・3

Ⅱ 各市場の役割に応じた市場間連携・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

Ⅲ 中央卸売市場の適正な配置等①(再編措置)・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13

Ⅳ 中央卸売市場の適正な配置等②(中央拠点市場)・・・・・・・・・・・・・・・ 20

Ⅴ 地方卸売市場の適正な配置等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25

(3)

○ 検討会委員からは、卸売市場全体を一括りで考えるのではなく、後背人口や近隣における産地、

実需者の拠点等の有無、高速道路などの物流インフラの整備状況等の立地条件や、集荷・分荷機

能、加工・調製などの付加機能等に応じて、それぞれのビジネスモデルの構築、役割分担を明確

にし、その公共的役割を果たしていくことの重要性が指摘されている。

1.立地、機能に応じた市場の役割、ビジネスモデルに関する意見等

■ 検討会で出された主な意見 ※実需者や生産者等に対するヒアリング結果をもとに整理 〇 中央卸売市場と地方卸売市場では役割が違うと思うが、 やはり自分たちが何屋になるかという、自分たちのビジネス モデルをしっかりと考えていくべき。(川野委員、第1回) 〇 現状、有機栽培や特別栽培農産物といった小口・多頻 度納入で流通されている商品が、基幹物流で市場の流通 に合流できないか。(近藤一海委員、第1回) 〇 価格形成可能な卸売市場と地域の配送機能を担う卸売 市場といった形で機能分担を明確にし、市場参入を進める ことも必要。(野﨑委員、第1回) 〇 市場の立地、規模によって役割、課題も異なる。大消費 地、中小都市の消費地、産地近隣都市、産地の各市場を 一括りにするのは無理。(濱田委員、第1回) 〇 卸売市場について、全国的に統一した機能を掲げるのは 難しいのではないか。それぞれの市場が置かれた立地や 規模によって機能を整理することが必要。(矢野委員、第2 回) 〇 産地集荷市場、大量一括荷受市場、消費地総合市場 など、各市場の特色を活かしたビジネスモデルを構築して いく方法性を打ち出していくべき。(川田委員、第2回) 〇 地方市場は、地元産地との連携、地元業者の市場利用 度上昇等を図り、市場機能を一層強化することが必要。( 〇 市場毎に歴史的経緯や食・商習慣が異なり、商圏も様 々。卸売市場においては、国や地方自治体の役割を明確 にし、市場の役割や重要性等をアピールしつつ、地域実態 に応じた施設整備や柔軟な運営を図ることが必要。(永井 委員、第2回) 〇 多様なニーズに対応するため、市場毎の立地条件や規 模等の特性に応じて機能分荷・分担することで、市場全体 として公共的役割を果たすことが必要。(日浦委員、第2 回) 〇 水産物に関しては、生鮮品をどう伸ばすかが大事な点で あり、サプライチェーンをどう構築し、市場流通の中で鮮魚 流通を拡大していくかが重要。(濱田委員、第3回) 〇 産地及び実需者ニーズにどう応えるかという点を突き詰 めると、将来的な卸売市場のあり方として、総合食品流通 センター化に向かうのか、従来通り卸売機能を中心として いくのかという方向性は、真剣に検討すべき点。(矢野委 員、第3回) 〇 各々の市場が卸売会社の規模、中央市場か地方市場 など、その市場の特性に合った展開をしていく必要。また、 現行のルールも、そのような取組を容認するような仕組み にする必要。(川田委員、第4回)

立地、機能に応じた卸売市場のあり方(役割、ビジネスモデル)

(4)

○ 後背人口が相対的に小さい地域に立地する卸売市場などにおいて、集荷・分荷機能の強化・

効率化を図るだけでなく、その立地や地域の特色を活かし、地域農水産業との密接な連携や、加

工等の実需者対応への重点化、さらにはそれらを複合した取組を通じて、取扱物品の価値を向

上させ、経営を発展させている事例が見られる。

■ 地域農業と連携した集荷・販売

2.独自の強みを発揮できる役割やビジネスモデルの確立を目指した取組事例

(株)赤岡青果市場 (地方卸売市場赤岡青果市場開設者・卸売業者) 【取組概要】 ○ 高齢化の進展等により労働力不足にある市場周辺の産 地において、地域農家を支え、生産意欲の向上につなが る各種取組を展開。 ○ 農産物の集荷に当たっては、社員が各農家を早朝に巡 回し、集荷することで農家負担の軽減、コミュニケーション の深化を図るとともに、各農家における農作物の生産概 況を把握することによって、出荷見込み量を把握。 ○ 営農指導員の資格を有する社員を産地に派遣し、農薬 の使用方法や栽培技術等の営農技術を指導。 ○ 規格外・小口ロットの農産物を地元小売業者向けに取り 扱うことで、系統の出荷ロットを満たす量の農作物を出荷 できなくなった小規模農家からも販売受託。 【効果】 ○ 契約農家は3,000軒を超えるとともに、正社員60名のほ かパート雇用も行い、地域に産業と 雇用を創出。 ○ H24年には、農家生活を豊か にする各種取組が認められ、 (株) 丸勘山形青果市場 (地方卸売市場丸勘山形青果市場開設者・卸売業者) 【取組概要】 ○ 連携相手の生産者等から直接仕入れ、小売業者等に販売 する「生産者直結方式」や、通い容器、バラ詰め等による集荷 により、流通コストを削減。 ○ 市場で共同選果作業、パッケージングを行う体制を整備。 ○ 新規就農者等への支援として、金融機関、農業関連企業等 とともに「農業よろず相談所 inやまがた」に参画。 ○ 山形県特産のさくらんぼをはじめとした各品目ごとに部会を結 成するとともに、栽培講習会の開催等を通じ実需者ニーズを フィードバックし、品質の向上、産地育成に注力。 ○ 差別化が可能な商品を発掘し、量販店に商品企画を提案。 ○ 県内量販店のニーズが高い山形県独自栽培品種について、 地場・県外産地での作付けを進め、県内量販店へ周年供給。 【効果】 ○ 県内登録生産者数、出荷団体数は各々5,430名、550団体。 ○ 売上高もH元年の約10億円から、H23年には100億円に増 加。

(5)

■ 地域水産業と密着した実需者ニーズへの対応 埼玉川越総合地方卸売市場 【取組概要】 ○ 小売業者や業務実需者からの加工処理に対する要望 の増加を受け、加工処理施設を積極的に誘致。 ○ これまでに、市場外事業者によるカット野菜加工工場、マ グロ加工工場、青果集配センターなどを市場内に誘致し、 外食事業者、量販店、給食事業者等に販売。 【効果】 ○ 加工業務に対する小売業や外食産業の需要やニーズは 旺盛であり、卸会社、仲卸会社との取引拡大も期待される ことから、今後とも、前向きに取り組んでいく予定。 ○ 加工後にリパックすることで、不良品混入率が低下。また、 適切な温度管理や衛生管理が行われていることが、品質 管理に対する市場全体の意識向上に寄与。 ○ 開設者にとっても、遊休地・施設が有効活用されるととも に、収益の向上に寄与。 ■ 加工・業務用ニーズに対応した機能強化 金沢市中央卸売市場 【取組概要】 ○ 本市場の水産物卸売業者が地元漁協と連携し、県内で 当日朝に水揚げされた「朝獲れ」の水産物を、当日中に新 鮮な状態で地元消費者に提供する流通システムを構築。 ○ 通常のセリに加え、朝8時30分(冬期は9時)から「朝獲れ の地魚」だけを扱う「朝セリ」を開催。 ○ 金沢市周辺のホテルや飲食店などにおける週末の観光 需要に応えるため、以前は休市日としていた日曜日にも「朝 セリ」を行っている。 ○ 「朝獲れ」の水産物の一部を、当日午前中に水産加工施 設においてフィレや切り身等に加工し、地元スーパーや飲食 店に納入するシステムも構築中。 【効果】 ○ 「地産地消」、「地域密着」の観点から、地元漁協と連携し て鮮度の良い水産物を加工等の実需者ニーズにも対応し つつ、地域内で流通させることにより、市場の活性化だけで なく、地域水産業の売上げ増加に貢献。 ○ 「朝獲れ」のブランド力が高まり、地元消費者に浸透。 ○ 施設の遊休時間帯に朝セリを行うことによって、市場施設 の稼働率が向上。

(6)

ビジネスモデルの例 必要となる取組(機能強化)の例 1.産地連携による魅力ある生産物の集荷・販売 【方向性】 消費者ニーズを捉えた魅力ある生産物の集荷 - 高品質、高品位商品の安定した集荷 - 産地シーズの把握と実需者ニーズの発信 - 産地と連携した商品・ブランド開発 ○生産物の品質・魅力の向上 ・ 産地における栽培マニュアル整備や、トレーサビリティシステム、特別な栽培方法 の導入 ・ 栽培指導に必要な人材育成 ・ トレーサビリティシステムを含む商品情報管理のためのICT施設整備 ○6次産業化 ・ 市場流通ネットワークを活用した原料及び販路の確保 ○市場機能を活用した情報の受発信 ・ ブランド化のためのマーケティング、PRや実需者への企画提案 ○生産者との連携 ・ 農家の負担軽減に向けた集出荷の簡便化や規格変更 ・ 共同選果場等の施設整備 2.加工・業務用ニーズに対応した機能強化と商品 開発 【方向性】 実需者ニーズへの的確・迅速な対応に向けた付 加機能の強化(総合食品流通センター化) - 安定して高い品質を有する商品の製造・販売 - ワンストップサービスを可能とする品揃えと付 加機能の強化 ○実需者ニーズに合致する商品の開発 ・ 市場取引を通じた実需者ニーズの把握と商品企画 ・ 産地開発等を通じた加工・業務用に適する生産物の集荷 ○高度化された品質管理のもとでの加工・調製 ・ 品質管理高度化規範の策定・運用や品質管理に係る外部認証の取得など 組織的・体系的な品質管理 ・ 専門事業者の市場内誘致も含めた施設整備 ○実需者要望に対する迅速かつ的確な対応 ○ 地域内における生鮮食料品等の安定的な供給を基本としつつ、市場流通において、取扱物品に適切な価値を見 いだし、またその価値を高めていくことにも重点を置いたビジネスモデルを構築していくことが重要と考えられる。そ のようなビジネスモデルとしては、「産地連携による魅力ある生産物の集荷・販売」、「加工・業務用ニーズに対応し た機能強化と商品の開発」、「輸出等の新たな需要開拓」やこれらの複合型等が考えられる。 ○ また、大消費地を後背に抱える市場においては、大規模な集荷・分荷機能に重点を置いたビジネスモデルが考え られる。 ○ 各ビジネスモデルを発展させる上では、各モデルにおいて求められる取組を経営戦略に基づき重点的に講じるこ とが必要であり、その際は選択と集中を意識してソフト・ハード両面にわたる機能強化が必要となる。

3.卸売市場のビジネスモデルと機能強化の例

(7)

ビジネスモデルの例 必要となる取組(機能強化)の例 3.輸出等の新たな需要開拓 【方向性】 国内市場の縮小を踏まえた新規かつ安定した需 要確保、拡大 - 輸出マーケットの確保 - ニーズに合致する加工調製、保管、輸送 - 輸出体制の整備に向けた市場内業者の協働 - 産地連携等を通じた海外ニーズに合致する商 品確保 ○輸出需要等の把握 ・ 海外販売マーケット、バイヤーの確保、海外の卸売市場との連携 ・ 輸出想定国、地域における輸入規制の把握 ○輸出体制の整備 ・ 国産農水産物の輸出拠点化に向けた国際空港や港湾との連携 ・ 輸出手続を卸売市場内で行うための体制整備 ・ HACCPや、ハラールなど輸出先の要求事項に対応した施設、体制の整備 ○輸出先のニーズにマッチした商品の集荷、開発、 ・ 海外食文化にマッチした商品の集荷・開発とPR ・ 輸出や新食品に対応した加工施設の導入 4.大規模な集荷・分荷機能の発揮 【方向性】 後背の巨大な消費需要に対して大量の生鮮食料 品等を円滑かつ安定的に供給 - 大規模産地からの安定的な集荷 - 大量の荷の迅速な価格決定、分荷、供給 - 多数の産地、実需者との情報受発信 ○大規模集荷のための取組 ・ 契約取引やニーズ共有を通じた大規模産地からの安定的な集荷 ・ 大規模実需者ニーズに対応するための産地リレー出荷の構築・調整 ・ 産地との情報共有、栽培指導等を行うための人材育成 ○迅速な分荷のための取組 ・ 大量の荷に対応した駐車場、搬送施設の整備など場内物流動線の確保 ・ ICTを活用した受発注、ピッキングシステムの整備 ○大規模市場としての取組 ・ 市場内における衛生・品質管理の徹底 ・ 実需者、消費者への地域特産物のPRや産地への情報還元

(8)

4.立地、機能に応じた卸売市場のあり方(役割、ビジネスモデル)(今後の

方向性と課題)

○ 卸売市場においては、少子高齢化を伴う人口減少の進展等の環境変化に対応しつつ、今後とも

地域の生鮮食料品等の流通において重要な役割を果たしていく必要がある。このため、中央卸売市

場においても、地域内における生鮮食料品等の安定的な供給を基本としつつ、取扱物品に適切な価

値を見いだし、その価値を高めていくことに重点を置きつつ、多様なビジネスモデルを確立していく必

要があると考えられる。その際、産地連携による魅力ある生産物の集荷・販売、加工・業務用商品の

開発・販売、輸出等を通じた新たな需要開拓等のモデルやその複合型に取り組んでいくことが考え

られるが、その他、どういったモデルが考えられるか。

○ 市場流通を活性化する観点からは、各市場がそれぞれの立地条件や強み・弱みを踏まえ経営展

望の中で目指すべきビジネスモデルを定め、戦略的・計画的に機能強化や他市場との連携・役割分

担を進めることが重要と考えられる。各卸売市場がそれぞれのビジネスモデルを着実に発展させて

いくためには、産地との連携、実需者ニーズへの対応等に係る付加機能の充実、環境整備など、必

要な機能強化・施設整備の方向性を市場関係者が一体となって選択し、集中的な取組を計画的に

進めることが必要と考えられるが、他市場との差別化を具体的にどのように進め、個々の卸売業者、

仲卸業者等の企業としての戦略とどのように円滑に調整し、相乗効果を高めていくべきか。

(9)

取組を 行っている 234(23%) 取組を 行っていない 779(77%) 仲卸業者 取組を 行っている 46(35%) 取組を 行っていない 86(65%) 卸売業者

○ 中央卸売市場の卸売業者、仲卸業者の一部においては、共同集荷・仕入れ等の市場間連携を

進めており、その割合は卸売業者で4割、仲卸業者で2割程度となっている。

○ 具体的な内容としては、卸売業者、仲卸業者ともにハブ拠点となる中核業者を決め積載効率を

向上させる取組を進めている業者が多く、そのほか、卸売業者では共同仕入機構の組織、仲卸

業者では市場間ネット取引システムの開発に取り組んでいる業者が多くなっている。

1.市場間連携に向けた取組状況

各市場の役割に応じた市場間連携

n=132 48% 33% 17% 15% 58% 18% 26% 12% 0% 50% 100% 中核卸を決め、そこをハブ拠 点として積載効率を向上 共同仕入機構を組織 市場間ネット取引システムの 開発 その他 卸売業者 仲卸業者 n=46 n=1,013 ■ 市場間連携の取組を行っている業者の割合 (H25年度) ■ 市場間連携の取組を行っている業者の取組内容別の割合 (H25年度、複数回答)

(10)

○ 各卸売市場の役割に応じた市場間連携の強化について、検討会委員からは、中央卸売市場と

地方卸売市場間も含めて、地域の実情に応じて、それぞれの強みも活かしつつ、双方向に有効

な関係をもった連携体制を構築することの重要性が指摘される一方、輸送費の面から特定の市

場に荷が集中することや、販売面の競合といった課題も指摘されている。

2.市場間連携に関する意見等

■ 検討会で出された主な意見 〇 市場間連携は、販売面での競合が課題であり、その解決 のためには経営資本の一元化が必要。(遠藤委員、第2回) 〇 拠点市場と、地方市場を含むその他市場との連携により、 仲卸業者の機能を活用し、その他市場のユーザー、特に地 方量販店への安定供給を図ることが必要。(伊藤淳一委員 、第2回) 〇 地域の実情に応じて、青果市場と水産市場の統合や、基 幹市場とその他の市場との役割の明確化、相互の連携によ る効率化を図っていくことが必要。(永井委員、第2回) 〇 卸売業者間での自発的な合併、連携等により実態としての 市場間連携が進展しつつあり、民民のネットワークを変更す るような絵を新たに描くのではなく、自発的取組に対する制 度面の障害を取り除くといった側面支援的な対応がふさわし いのではないかと考える。(日浦委員、第2回) 〇 市場間連携の中で産地・商品開発を行い、顧客に提案す ることは今までほとんどなかったが、連携を深めることで、そ の地域特有の農産物が他地域でも売れる場合もあり、市場 間連携を深めることが必要。(大竹委員代理、第3回) 〇 集配機能の強化、ターミナル機能を持った市場整備を進 め、物流ネットワークの構築をしながら輸送費高騰等の運 送問題を解決できないか。(野﨑委員、第1回) 〇 仕入れ機能が低下しているのであれば、県域を越えた仕 入れ協同組合を立ち上げる等、近隣市場との提携による 補強が検討されるべき。(福田委員、第1回) 〇 ネットワークを構築しても、市場間の経済力に差がある場 合は、一方だけに負担が生じ、継続取引が困難。また、地 方の市場がネットワークのみで必要量を確保することは難し く、産地・業者との直接取引が重要。(川田委員、第2回) 〇 各市場が特徴ある、差別化された産地・商品を強みとし て活かすことを基本に、双方向に有効な関係を持った連 携・協働体制づくりをすることが有効。(川田委員、第2回) 〇 輸送コスト増大を踏まえて、青果物流通における効率的 な輸送のあり方について検討が必要。(倉﨑委員、第2回) 〇 中央に生産物を集中させ、地方に配分・転送することは、 運賃経費増大等に伴い中央・地方の格差を生じさせる危 険があり、慎重に対応すべき。(倉﨑委員、第2回)

(11)

○ 卸売市場の中には、それぞれの役割、強みを活かしつつ、集荷・販売の効率化、強化に向けて

市場間で連携を進めている事例がある。

前橋生鮮食料品総合地方卸売市場と 渋川魚菜地方卸売市場との連携(集荷・販売先の拡大) 【取組概要】 ○ 群馬県卸売市場整備計画において、群馬県は県内の 地方卸売市場で構成する県卸売市場連合会と連携し、 卸売業者の連携・統合を促進することを明記。 ○ 具体的な取組として、地域拠点市場である前橋生鮮 食料品総合地方卸売市場の前橋青果(株)と渋川魚菜 地方卸売市場の協同組合渋川魚菜市場が業務提携 し、市場間連携による取引を実施。 【効果】 〇 市場間連携により、渋川魚菜市場にとっては、引き続 き地域内地域内流通を担いつつ、前橋青果を通じた地 場野菜の販路拡大が可能となり、前橋青果にとっては、 集荷エリアの拡大や品揃えの充実が可能となった。

3.市場間連携に係る取組事例

■ 地域拠点市場を中心とした連携 大田市場水産物部と小田原市公設水産地方卸売市場との 卸会社間連携(付加価値の創出) 【取組概要】 ○ 東京都中央卸売市場大田市場水産物部の卸売業者 は、H25年10月から、首都圏に近い地方市場の小田原市 公設水産地方卸売市場の卸売業者と連携し以下の実証 事業を実施。 ① その日の早朝に相模湾で獲れたばかりの鮮魚を大田市 場に運び、「おおたの朝獲れ鮮魚」として、その日中に首都 圏の飲食店等に流通。 ② その際は、顧客のニーズに基づき魚種やサイズを揃え、 刺身や寿司ネタなどのメニューで首都圏の消費者の夕食 に提供できる商品力を高め実施。 ③ トラックの帰り便には、大田市場で活け締めした魚を積 載し、小田原市公設水産地方卸売市場で販売することに より、物流コストの低減化を図る。 【効果】 ○ 実績(実証期間内) H25年10月4日~11月1日(計4回実施) ■ 消費地市場と産地の市場との連携

(12)

■ 市場間連携のイメージ図

4.各市場の役割に応じた市場間連携のあり方(今後の方向性と課題)

○ 各市場が取引する生産者や実需者のニーズに的確に対応しつつ、かつ、それぞれの地域内

に生鮮食料品等を安定的に供給するため、双方向での集荷共同化や、販売の相互連携など効

果的な市場間連携を推進する必要があると考えられる。その際、どういった課題・障害があり、そ

の解決に向けて資本関係の構築の他どういった取組や手法が効果的と考えられ必要となるか。

○ 大都市の中央卸売市場と地方都市の卸売市場の連携においては、地方都市市場は大都市市

場からの荷を受けるだけでなく、特色ある地域産品や差別化が可能な商品などの強みを活かし

た集荷・販売により、相互の共存共栄関係を築くことが重要。その際、地方都市の市場が講ずべ

き取組としてどういったものがあるか。

■ 市場間連携のイメージ

大都市の 中央卸売市場 地場 産地 ・全国の大産地から一括して荷を受け周辺市 場へ効率的に分荷。 ・周辺市場から地域ブランド品を集約すること により、消費地市場にとっては品揃えの強 化、地方の市場にとっては販売量の拡大や 中小産地 ・地域で集荷ロットを集約し、産地からの直接集 荷や大都市市場からの転送を効率化。 ・地域ブランド品を集約し、大消費地への販売に 係る輸送を効率化。 ・一次加工を地域で連携して行い、大都市市場 大都市の 中央卸売市場 ・全国展開の実需者のニーズや オールジャパンでの輸出に対応 するため、連携して産地の出荷 調整、周年供給計画の策定 全国展開の実需者 海外への輸出 地方都市の卸売市場 (中央市場又は拠点的地方市場) 地方市場 地方市場 地元の 消費者及び実需者 大消費地の 消費者及び実需者 地場 産地 大産地 大産地 地域連携 広域連携 大規模市場間連携 連携 連携 中小産地 連携

(13)

○ 卸売市場法第4条第3項においては、基本方針で卸売市場の適正な配置の目標を定めるに当たって、「生鮮 食料品等の流通の広域化及び情報化の進展状況を考慮した卸売市場の再編について配慮しなければならな い」とされている。 ○ これを受けて第9次卸売市場整備基本方針において①開設区域内の需要を満たしているか、②取扱数量が 一定規模以上あるか、③取扱数量が3年連続減少等となっていないか、④市場としての経営又は卸売業者の 経営の安定が確保されているか、という4つの指標が再編基準として定められている。 ○ 4つの指標のうち3以上の指標に該当した中央卸売市場においては、市場運営の広域化、地方卸売市場への 転換などの5つの再編措置のいずれかを選択する必要がある。

1.中央卸売市場の再編基準

① 当該中央卸売市場における取扱数量が当該市場に係る開設区域内に おける需要量未満であること。(開設区域外への出荷割合が一定以上の 場合はこの限りではない) ② 当該中央卸売市場における取扱数量が青果物にあっては65,000トン未 満、水産物にあっては35,000トン未満、花きにあっては6,000万本相当未 満であること。 ③ 当該中央卸売市場における取扱数量が直近で3年間連続して減少し、 かつ、3年前を基準年とする取扱数量の減少率が青果物にあっては 9.9%、 水産物にあっては15.7%、花きにあっては7.4%以上であること。

中央卸売市場の適正な配置等①(再編措置)

≪再編措置≫ 再編基準に該当する中央卸売市場の開設者は、次の措置のいずれかに取 り組むか検討し、早期に具体的な取組内容及び実施時期を決定すること。な お、再編基準に該当しない場合であっても、必要に応じてこれらの措置に取り 組むことが望ましい(自主的再編)。 ① 市場運営の広域化(広域の開設者への地位の承継) ② 地方卸売市場への転換 ③ 他の卸売市場との統合による市場機能の集約 ④ 集荷・販売面における他の卸売市場との連携 ⑤ 卸売市場の廃止その他市場流通の効率化 ④ 以下のいずれかの要件に該当すること。 ア 当該中央卸売市場の市場特別会計に対する一般会計からの繰出金 が直近3年間連続して総務省の定める繰出しの基準(指導監督、流通改 善対策等に要する経費として市場管理費の30%)を超えていること。 イ 当該中央卸売市場における部類に係る主たる卸売業者が直近で3年 間連続して経営改善命令の要件に該当していること。 a. 流動比率が1を下った場合 b. 自己資本比率が0.1を下った場合 卸売市場整備基本方針(H22年10月)第2の1(5)~(6) ≪再編基準≫ 中央卸売市場(食肉卸売市場を除く)であって、次に掲げる指標のうち3以上に 該当するものは、再編に取り組むこと。

(14)

札幌 青森 八戸 盛岡 秋田 仙台 新潟 いわき 宇都宮 福井 さいたま 東京 川崎 横浜 静岡 金沢 京都 岐阜 大阪 大阪 奈良 和歌 山 神戸 姫路 岡山 広島 宇部 徳島 高松 高知 松山 久留 米 宮崎 長崎 鹿児島 沖縄 34 52 43 50 35 39 52 50 10 36 2 46 48 42 49 50 5 37 47 50 52 10 37 59 47 32 51 浜松 54 名古屋 24 6 52 6 53 41 49 7 32 33 北九州 福岡 30 24 凡例 ●:開設者が都府県のもの ○:開設者が市のもの 数値は開設(業務開始)年を表す(年号は昭和) ○ 全67市場(40都市) 青 果:53市場(38都市) 水産物:36市場(30都市) 食 肉:10市場(10都市) 花 き:18市場(14都市) その他: 7市場( 5都市) ※平成26年4月1日現在 注:以下の開設者にあっては、複数市場を開設 仙台市2市場、東京都11市場、横浜市3市場、名古屋市3市 場、京都市2市場、大阪市3市場、神戸市3市場、広島市3市 場、福岡市5市場、鹿児島市2市場

(参考)中央卸売市場の配置

(花H4)

(15)

2.中央卸売市場の再編状況

再編措置済み 再編措置予定 ■ 第9次卸売市場整備基本方針策定以降の中央卸売市場の再編状況 再編措置 実施年月 市場名 再編措置実施部門 再編措置 内容 再編措置 実施年月日 青果 水産 花き H23年 3月 松山市水産 ○ 地方転換 平 成 2 3 年 3 月 3 1 日 H23年 4月 甲府市 ● ● 〃 平 成 2 3 年 4 月 1 日 富山市 ● ● ● 〃 〃 H24年 4月 秋田市 ● ● 〃 平 成 2 4 年 4 月 1 日 岡山市 ● 〃 〃 宮崎市* ○ 〃 〃 H25年 4月 宮崎市* ● 〃 平 成 2 5 年 4 月 1 日 佐世保市干尽 ○ 〃 〃 佐世保市水産 ● 〃 〃 H26年 1月 北九州市 ○ 〃 平 成 2 6 年 1 月 1 日 H26年 3月 高知市 ○ 〃 平 成 2 6 年 3 月 3 1 日 H26年 4月 福島市 ● ○ ● 〃 平 成 2 6 年 4 月 1 日 千葉市 ● ○ 〃 〃 船橋市 ● ○ 〃 〃 H25~27年度末 東京都大田 ○ 集 荷 ・ 販 売 面 に お い て 東京都築地市場 と連 携 集 荷 ・ 販 売 面 に お い て 東京都築地市場 と連 携 東京都足立 ○ 再編措置 予定年月 市場名 再編措置予定部門 再編措置 内容 青果 水産 花き H26年度末まで 横浜市南部* ● ○ 横浜市本場に統合し廃止 H27年 4月 横浜市南部* ○ 地方転換 姫路市 ○ 〃 高松市 ● 〃 H27年度末まで 福岡市西部 ● 福岡市青果に統合し廃止 福岡市東部 ● H28年 4月 いわき市 ○ 地方転換 H28年度末まで 青森市 ○ 〃 ≪凡例≫ ○:再編基準該当市場 ●:自主的再編市場 *:同一市場で、段階的に再編措置を実施した(又は予定)の市場 /:部門の設置がない

○ 平成22年10月の第9次卸売市場整備基本方針策定以降、これまでに15市場が再編措置を実

施。そのうち、13市場が、再編措置として地方卸売市場への転換を選択するとともに、今後、5市

場が地方卸売市場に転換することが予定されている。

○ その他の措置を講じた市場としては、2市場が集荷・販売面における他の卸売市場との連携に

取り組み、今後、3市場が他の卸売市場との統合による市場機能の集約に取り組む予定。

(16)

○ 中央卸売市場から地方卸売市場へ転換した市場(平成20年度及び21年度に地方転換)の中に

は、市場機能の強化により取扱金額が増加した市場がみられる一方、引き続き取扱金額が減少

傾向にある市場がみられる。

3.中央卸売市場から地方卸売市場への転換

■ 中央卸売市場から地方卸売市場へ転換した市場の取 扱金額の推移(H20及び21年度に地方転換した市場) (百万円) 注:赤丸は地方卸売市場に転換した時期。 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 H18年度 H19 H20 H21 H22 H23 A市場 (自主再編) B市場 (自主再編) C市場 (自主再編) a市場 (再編基準) b市場 (再編基準) (参考)中央卸売市場から地方卸売市場に転換した事例 秋田市公設地方卸売市場(H24年4月転換) 【効果】 ○ 開設区域や商物一致原則規制の撤廃、せり物品指定 の廃止などにより、市場関係業者の提出書類を大幅に不 要としたほか、市場使用料の削減など、事務の簡素化等 が図られている。 〇 転換に合わせ、指定管理者制度を導入し、市場施設の 使用許可や維持管理、せりの監視業務などを委託するこ とで開設者の人件費は従来に比べ約8,500万円削減。 釧路市公設地方卸売市場(H18年4月転換) 【効果】 ○ 取引に関する各種申請書等の提出が不要となるなど、 開設者・卸売業者双方の事務的負担が軽減。 〇 開設区域や商物一致の規制がなくなったことにより、 ニーズに応じた柔軟な取引や積極的な営業活動が可能 〇 地方卸売市場への転換以降、取扱数量、金額ともに総 体的に増加しており、堅調な推移。 〇 転換に合わせ、指定管理者制度を導入したことにより、 柔軟な管理体制が取れるようになるとともに、管理経費が 削減され、市場使用料の引き下げを実施。 〇 転換によるデメリットは特に感じていない。

(17)

4.中央卸売市場から地方卸売市場への転換の効果

○ 卸売市場整備基本方針に定める再編基準に抵触し、地方卸売市場へ転換した後、指定管理者

制度の導入や他市場の卸売業者との連携等の取組を積極的に進め、市場流通の活性化を実現

している事例がある。

○ 一方で、再編基準のうち主たる卸売業者の財務状況の悪化に関する基準に抵触した市場で、地

方卸売市場に転換したものの、卸売業者の業績が回復せず廃業となり、再編措置がその市場流

通の活性化につながらなかった事例もある。

B市場 ○ 第8次卸売市場整備基本方針に定める再編基準(①、 ②、③、④のイ)に抵触したため、第8次中央卸売市場整 備計画において再編対象に位置づけ。 ○ 再編措置として、H19年に地方卸売市場へ転換。 ○ 地方転換後も取扱量の減少が続き、H25年に突如、卸 売業者が卸売業務を停止し、自己破産を申請。 ○ B市場では卸売業者1社体制だったため、卸売業務停止 後は、開設者が卸売業務を代行し、代行に当たっては仲 卸業者組合に業務を委託し対応。 ○ また、開設者及び仲卸業者が協力して、近隣の大規模 中央卸売市場の卸売業者に支援を要請し、当該卸売業 者からの支援を受けて集荷量の確保に向けて努力。 ○ 現在も卸売業者不在の状況は続いており、新たな卸売 業者の誘致に向けて、開設者及び仲卸業者組合等で検 討中。 A市場 ○ 第8次卸売市場整備基本方針に定める再編基準(①、 ②、③、④のア)に抵触したため、第8次中央卸売市場整 備計画において再編対象に位置づけ。 ○ 再編措置として、H19年に地方卸売市場へ転換。 ○ 開設者は、財政健全化に向け、H21年に指定管理者制 度を導入するとともに、将来的には民営化を視野に入れ、 近隣の大規模中央卸売市場の卸売業者に民営化の意向 を打診。 ○ H24年に、大規模中央卸売市場の卸売業者がA市場の 卸売業者を子会社化するとともに、開設者は開設権をA 市場の卸売業者に譲渡し、市場の民営化を実現。 ○ 新体制の下、取扱規模に応じて卸売棟をコンパクトに立 て替えるとともに、空いたスペースを活用して加工食品卸 の流通センターを誘致し、市場の生鮮品流通と加工食品 流通の連携を図ることとしている。

(18)

○ 検討会委員や生産者等からは、川上、川下側の大型化等を踏まえて、引き続き中央卸売市場

の再編を進める必要性が改めて指摘されるとともに、再編に対する行政の積極的な関与や再編

基準見直しの必要性、再編に当たり食料の安定供給を考慮する必要性等が指摘されている。

5.中央卸売市場の再編に関する意見等

■ 検討会で出された主な意見 (参考) 生産者側や実需者から出された主な要望や意見 〇 川上、川下の価格支配力の強化が進み、中間の市場業 者の利益を圧迫。市場業者の大型化について業者の自発 性に任せるだけでなく、行政もビジョンを持って市場の再編 整備を積極的に先導することが必要。(川田委員、第2回) 〇 卸売市場数が多すぎるため、市場間で出荷者や実需者の 奪い合い等の不必要な競争が行われている。卸売市場再 編について、日本全体の立場から、大きなグランドデザイン のもとに実行することが必要。(伊藤裕康委員、第2回) 〇 流通網、保管技術の発達により中央、地方の区分が不明 確となり、大都市の主要中央市場を除き、中央、地方の区 分制度は意味をなさず、撤廃しても良い。(遠藤委員、第2 回) 〇 再編整備に当たっては、自治体側の財政上の理由のみで 判断することなく、国民に食料を安定的に供給する観点、さ らに、卸売市場が震災等の災害時に果たす役割を考慮する という観点が必要ではないか。(宮本委員、第2回) 〇 拠点市場を除く中央市場の取扱が減少している要因を検 証の上、再編基準を見直す必要があるのではないか。それ により、周辺市場も独自性が発揮できるのではないか。(伊 藤淳一委員、第2回) ○ 市場間で市場経営のあり方の二極化が進展。物流コス ト、販売力等の差から、大きな市場に品物が集まる傾向が 更に加速し、それが小さい市場の集荷、価格形成機能を 低下させるのではないか。 ○ 卸売市場の経営基盤を強化すべきだが、産地も実需者も 統合大型化する中で、市場だけが数が多く、大きくなってい ない。 ○ 地方の市場の集荷力、販売力の地盤低下を危惧。実態 として独自集荷もままならず、転送荷で充足させる市場が 多い。 ○ 中央、地方市場問わず、機能が弱まった市場、経営が悪 化している市場は統合を促し、集約化することが必要。 ○ 市場の再編措置については、卸売市場をめぐる情勢の変 化等を踏まえて不断の検証・検討を行うべき。 注:事務局が行ったヒアリング結果をもとに整理。

(19)

6.中央卸売市場の再編措置のあり方(今後の方向性と課題)

○ 中央卸売市場の再編については一定程度進んだものと考えられるが、現行の再編基準に該当

し、中央卸売市場として求められる機能が十分に発揮されていないと判断される市場については、

必要な措置の実施を通じて、引き続きその再編を進めることが必要ではないか。

○ 再編基準に該当した中央卸売市場は、市場運営の広域化、地方卸売市場への転換等に取り組

むことになるが、各種の再編措置を通じ、取扱数量の増加、開設者の市場経営の状況や主たる

卸売業者の財務状況の改善等に着実につなげていく必要がある。このため、当該市場が再編措

置を選択し決定するに当たり、経営展望・行動計画の策定・見直しを適切に行い、目標を定めた

上で再編措置を具体的にどのように進め、どのような市場のあり方を目指すのかをより明確にす

る必要があるのではないか。その際、指定管理者制度等の導入や入場卸売業者の経営体質の

強化・あり方の検討などを含め、今まで以上に踏み込んだ戦略とすべきではないか。

○ 特に地方卸売市場への転換については、卸売市場として一定規模以上の取扱数量や施設規模

等を有していること等を踏まえ、地方卸売市場に転換した当該市場を都道府県卸売市場整備計画

の中で地域拠点市場として指定し、地域内の卸売市場流通における核としての機能、役割を果たす

よう位置付けることが必要ではないか。また、当該市場はその経営展望等に基づき、必要な機能高

度化や他市場との連携、統合等を計画的に進めることが必要ではないか。

(20)

○ 中央拠点市場は、効率的な流通ネットワークを構築するため、大型産地からの荷を大量に受

け、周辺の中小規模の中央卸売市場と連携した流通を担う中央卸売市場として、一定の取扱数

量等を満たす市場であり、現在、青果物21市場、水産物11市場が位置付けられている。

〇 中央拠点市場においては、大型車両にも対応できる施設や、産地・他市場との迅速な情報処

理に係る施設等の整備を推進することとされている。

1.中央拠点市場の位置付け

■ 中央拠点市場制度の概要 卸売市場整備基本方針(H22年10月)第2の1(2)~(4) 〇 大規模な中央卸売市場と中小規模の中央卸売市場との 間での機能・役割分担の明確化を図り、効率的な流通 ネットワークを構築するため、大型産地からの荷を大量に 受け、周辺の中小規模の中央卸売市場と連携した流通を 行う役割を担う中央卸売市場(中央拠点市場)において、 大型車両にも対応可能な保管・積込施設、全国の産地や 卸売市場との間での情報の迅速な処理を行うために必要 な情報処理施設等の整備を推進すること。 〇 中央拠点市場の指標 中央卸売市場(花き市場及び食肉市場を除く。)であっ て、開設区域外にある複数の中央卸売市場へ出荷を行っ ており、かつ、取扱数量及び開設区域外への出荷割合 が、以下の①又は②のいずれかの指標に該当すること。 ① 青果物:取扱数量290,000トン以上、かつ、開設区域 外への出荷割合が30%以上 水産物:取扱数量140,000トン以上であり、かつ、開設 区域外への出荷割合が40%以上であること。 ② 青果物:取扱数量150,000トン以上、かつ、開設区域 外への出荷割合が45%以上 水産物:取扱数量60,000トン以上、かつ、開設区域外

中央卸売市場の適正な配置等②(中央拠点市場)

青果物 計21市場 ○札幌市中央卸売市場 ○仙台市中央卸売市場本場 ○宇都宮市中央卸売市場 ○東京都中央卸売市場築地市場 ○東京都中央卸売市場大田市場 ○東京都中央卸売市場淀橋市場 ○東京都中央卸売市場北足立市場 ○横浜市中央卸売市場本場 ○岐阜市中央卸売市場 ○名古屋市中央卸売市場本場 ○名古屋市中央卸売市場北部市場 ○京都市中央卸売市場第一市場 ○大阪府中央卸売市場 ○大阪市中央卸売市場本場 ○大阪市中央卸売市場東部市場 ○神戸市中央卸売市場本場・同東部市場(注) ○奈良県中央卸売市場 ○広島市中央卸売市場中央市場・同東部市場(注) ○北九州市中央卸売市場 ○福岡市中央卸売市場青果市場・同西部市場・同東部市場(注) ○鹿児島市中央卸売市場青果市場 水産物 計11市場 ○札幌市中央卸売市場 ○仙台市中央卸売市場本場 ○東京都中央卸売市場築地市場 ○新潟市中央卸売市場 ○金沢市中央卸売市場 ○名古屋市中央卸売市場本場 ○京都市中央卸売市場第一市場 ○大阪府中央卸売市場 ○大阪市中央卸売市場本場 ○神戸市中央卸売市場本場 ○福岡市中央卸売市場鮮魚市場 ■ 中央拠点市場一覧(中央卸売市場整備計画 別添4) 注:卸売市場整備基本方針第2の1の(3)に規定する「開設者が複数の中央卸売

(21)

73 73 73 73 73 74 60 65 70 75 80 85 90 95 100 105 H19年度 H20 H21 H22 H23 H24

○ 平成22年度に中央拠点市場に位置付けられた中央卸売市場の取扱数量の推移をみると、青果、

水産物ともに、中央拠点市場以外の中央卸売市場と比べて取扱数量の減少程度は小さい傾向が

見られた。しかしながら、同様の傾向は中央拠点市場に位置付けられるH22年度以前から見られて

いる。

○ 中央拠点市場における取扱数量が中央卸売市場全体の取扱数量に占める割合は、青果、水産

物ともに、中央拠点市場への位置付けの前後で大きな変動は見られない。

2.中央拠点市場における取扱数量の変化

■ 中央拠点市場への位置付けの前後における取扱数量の変化 注1:H22年度に中央拠点市場に位置付けられた中央卸売市場について、H19年度の取扱数量を100とした各年度の取扱数量の推移(左軸)。 青果 水産物 65 65 66 66 67 67 50 55 60 65 70 65 70 75 80 85 90 95 100 105 H19年度 H20 H21 H22 H23 H24 (%) 中央拠点市場の取扱数量(H19=100、左軸) 中央拠点市場以外の中央卸売市場の取扱数量(H19=100、左軸) 中央卸売市場全体の取扱数量(H19=100、左軸) 中央拠点市場の取扱数量が中央卸売市場全体に占める割合(右軸) (%)

(22)

ひょうご卸売市場協働ネットワーク推進協議会 【設立の経緯】 兵庫県民に良質で新鮮な生鮮食料品を供給し、21世紀に対応できるような新しい流通拠点として、県内の卸売市場がその特性 を発揮し、機能をより充実させるためには、消費者を始め市場の様々なユーザーのニーズに対応し、その個性を十分発揮するととも に、市場間の競争を超えて連携することが必要だとの考えから、この趣旨に賛同する兵庫県内の中央・地方卸売市場の開設者、卸 売業者、仲卸業者団体及び兵庫県によってH14年に設立。 【協議会の構成員】 ・開設者等 9団体:神戸市(神戸市中央卸売市場本場・東部市場)、尼崎市、姫路市(姫路市中央卸売市場)、西宮市、明石 市、加古川市、丹波市、兵庫県 ・卸売業者 8団体 ・仲卸業者 5組合 (計22団体) 【協議会の主な活動】 県内の卸売市場の連携による活性化を図るため、以下の活動を実施。 ① 会員相互の交流と情報交換を活発にするための会議・意見交換会の開催 ② 複数市場の販売力を結集して産地への交渉力・影響力を高め、市場の集荷力強化を図るための協働集荷の実施 ③ 県産品の県内流通拡大のための生産者団体との意見交換会の開催 ④ 県内外の卸売市場の先進事例等に関する研修会の開催 等 【ネットワークを活用した協働集荷の取組実績】 H16年度から開始した複数の卸売市場間での協働集荷の実績は、 県内市場の集荷量全体に占める割合は、1.1%(平成23年度末)と まだわずかではあるが、年々増加傾向。 (協働集荷実績) H25年度 4,545t(野菜:3,576t、果実:969t) H24年度 3,840t(野菜:3,079t、果実:761t) 協働集荷取扱数量の推移 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 野菜 果実  t

3.中央拠点市場を中心とした市場間流通ネットワークの構築事例

○ 複数の卸売市場間で設置した協議会のもと、中央拠点市場を中心とした市場間流通ネットワーク

を構築し、共同集荷、情報共有を進めている事例がある。

(23)

○ 協定等の形でネットワークを構築している中央拠点市場開設者は2開設者にとどまっている。

○ 中央拠点市場制度に対して、検討会委員からは、当初想定した効果が発揮されていないといっ

た指摘がなされているほか、同制度で想定している特定の市場が一括して集荷し、その荷を周辺

市場に分荷するシステムは、中央拠点市場以外の市場にとって輸送コストが増すだけでメリットが

少ない、経営的に一層厳しくなるといった課題も指摘されている。

■ 検討会で出された主な意見

4.中央拠点市場に関する意見等について

〇 中央拠点市場のメリットが定かでなく、その機能を果たすのが 難しい。また、中央拠点市場とネットワークを構築しても、中小 市場は横持ち負担が増すだけでメリットがなく、既に有している 独自取引ルートの方が有用。(川田委員、第2回) 〇 中央拠点市場の要件は、拠点市場の役割を果たせるかどう かという観点からすれば、取扱量での線引きは問題があり、機 能・役割等の条件を基準とすべき。(川田委員、第2回) 〇 中央拠点市場と名前を付けただけでは本来の機能発揮はで きない。(伊藤裕康委員、第2回) 〇 中央拠点市場とその他の市場の二極化が進んでいる中、周 辺市場は、中央拠点市場を経由することにより、卸売手数料 や中央拠点市場からの運送コストが余計にがかかることによっ て一層経営が厳しくなっている。(日浦委員、第2回) 〇 中央拠点市場制度については、その効果をきちんと検証し、 続けていくのか、やめるのかを検討すべき。(伊藤裕康委員、 第3回) ■ 中央拠点市場を中心とした市場間流通ネットワーク の構築状況 (中央拠点市場開設者)(H25年度) 構築している 2(11%) 構築して いないが、 今後行う予定 4(22%) 行っておらず、 計画もない 11(61%) 無回答 1(6%) n=18

(24)

5.中央拠点市場のあり方(今後の方向性と課題)

○ 中央拠点市場は、中央拠点市場とネットワークを構築する市場や産地・実需者との間の連携強化

により、卸売市場全体としての集荷力の向上と流通コストの低減を図ることを目的としており、中央卸

売市場のあり方として引き続き有力と考えられる。

○ 他方、現状では、中央拠点市場を中心としたネットワークの構築は一部でしか進んでいない。 ま

た、中央拠点市場への位置付けが必ずしも出荷・買受先の選定における重要な判断材料となってい

ないとの意見もある。さらに、取扱数量の推移等を踏まえれば、中央拠点市場における集荷・販売力

の強さは、各市場内業者の経営努力等に因る部分が大きいとも考えられる。

○ このため、各市場の経営展望や目指すビジネスモデルとは無関係に、当該市場の現在の取扱数

量等をもとにして、国が中央卸売市場整備計画において定めるという現行の中央拠点市場のあり方

について見直すべき点はないか。

(25)

○ 地方卸売市場数は、廃止や他市場との統合が進む中、減少傾向で推移している。

1.地方卸売市場数の推移

前 後 19年度 香川県中部地方卸売市場 香川県中部地方卸売市場 坂出地方卸売市場 地方卸売市場福岡花市場 地方卸売市場福岡花市場 地方卸売市場福岡西部花市場 20年度 横手水産物地方卸売市場 横手水産物地方卸売市場 大曲水産物地方卸売市場 愛中西尾地方卸売市場 愛中西尾地方卸売市場 愛中一色地方卸売市場 香川県中部地方卸売市場 香川県中部地方卸売市場 丸亀花卉地方卸売市場 21年度 花兼花き地方卸売市場 愛知名港花き地方卸売市場 細野花き地方卸売市場 名古正花き地方卸売市場 地方卸売市場ヤマヱ生花市場 福花園花き地方卸売市場 22年度 大河原町地方卸売市場 大河原町地方卸売市場 白石市地方卸売市場 角田市地方卸売市場 坂出水産地方卸売市場 坂出水産地方卸売市場 多度津水産地方卸売市場 23年度 とやま市漁業協同組合四方地方卸売市場 とやま市漁業協同組合 H19 年度 H20 年度 H21 年度 H22 年度 H23 年度 廃止 市場数 32 16 18 12 17 (単位:市場) ■ 地方卸売市場の統合状況 ■ 地方卸売市場の廃止市場数 1,465 1,325 1,237 1,207 1,185 1,169 1,159 1,144 1,000 1,100 1,200 1,300 1,400 1,500 H10年度 H15 H19 H20 H21 H22 H23 H24 注:年度当初の数である。 (市場数) ■ 地方卸売市場数の推移

地方卸売市場の適正な配置等

(26)

○ 農協や漁協については、単位農協・漁協数がともに約3割減少する中で、その平均販売取扱

高は増加しており、その大型化が進んでいる。

○ 一方、地方卸売市場卸売業者については、取扱金額5億円未満の業者が4割に達しており、1

業者当たりの取扱金額は横ばい若しくは微減傾向にあり、産地側に比べて経営規模の大型化

が進んでいない。

■ 農協及び漁協の単位組合数と 1組合当たりの平均販売取扱高の推移 23 20 29 20 84 36 20 15 20 40 60 80 100 (億円) 青果 水産物 食肉 花き 40 14 16 17 13 0% 20% 40% 60% 80% 100% 5億円未満 5-10億円未満 10-20億円未満 20-50億円未満 50億円以上 (業者割合) ■ 取扱金額規模別の地方卸売市場卸売業者割合 (H24年度) ■ 地方卸売市場卸売業者1業者当たり取扱金額の推移 1,875 1,528 1,368 3,494 2,877 2,484 13 16 17 9 13 14 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 H15 年度末 H20 H24 (単位組合数) 単位農協数(左軸) 単位漁協数(左軸) 野菜販売取扱金額(右軸) 水産物販売取扱金額(右軸) (億円)

2.地方卸売市場の規模

(27)

○ 都道府県は、当該都道府県における地方卸売市場も含めた卸売市場の適正な配置の方針等

を定めた都道府県卸売市場整備計画を策定することができる。平成26年7月現在、40都道府県

が同整備計画を策定している。

3.都道府県卸売市場整備計画

■ 卸売市場法(抄) (都道府県卸売市場整備計画) 第六条 都道府県は、政令で定めるところにより、当該都道府県における卸売市場の整備を図るための計画(以下「都道府県卸売 市場整備計画」という。)を定めることができる。 2 都道府県卸売市場整備計画には、次の各号に掲げる事項を定めるものとし、その内容は、卸売市場整備基本方針及び中央 卸売市場整備計画に即するものでなければならない。 一 その区域又はその区域を分けて定める区域ごとの生鮮食料品等の流通事情に応ずる卸売市場の適正な配置の方針 二 その区域における生鮮食料品等の流通事情に応ずる近代的な卸売市場の立地並びに施設の種類、規模、配置及び構造に 関する指標 三 卸売市場における取引及び物品の積卸し、荷さばき、保管等の合理化並びに物品の品質管理の高度化に関する事項 四 その他卸売市場の整備を図るために必要な事項 3 都道府県は、都道府県卸売市場整備計画を定めようとするときは、当該都道府県の区域内の地方自治法(昭和二十二年法 律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市に協議しなければならない。 4 都道府県は、都道府県卸売市場整備計画を定めたときは、遅滞なく、これを農林水産大臣に提出するとともに、その内容を公 表しなければならない。 5 前三項の規定は、都道府県卸売市場整備計画の変更について準用する。 H26年7月現在 都道府県卸売市場整備計画を 策定している都道府県 40 ■ 都道府県卸売市場整備計画の策定状況

(28)

○ 地域における集荷力の強化を図る上での拠点であって、他の地方卸売市場との統合や他の

卸売市場と連携した集荷・販売活動を行う地方卸売市場として、30都道府県が、都道府県卸売

市場整備計画で地域拠点市場を位置付けている。

○ 一方、地域拠点市場のうち他の地方卸売市場との統合を実施した市場があるのは3都道府県

にとどまり、地域拠点市場のほとんどが他の卸売市場と連携した集荷・販売活動に取り組んでい

る。

4.地域拠点市場の位置付け

■ 地域拠点市場を定めている都道府県 (H25年度) ■ 地域拠点市場制度の概要 定めている 30(64%) 定めて いない 17(36%) n=47 実績あり 3(10%) 実績はな いが、計画 はある 4(13%) 実績も計画もない 23(77%) ■ 地域拠点市場と他の地方卸売市場との統合実績 (H25年度) (定めていない主な理由) ・ 現状の地方卸売市場の配置で適正と判断しているため。 ・ 地域拠点市場の要件を満たす市場が見込めないため。

(整備班)

・地域拠点市場制度の概要(基本

方針等の要約)

卸売市場整備基本方針(H22年10月)第2の2(1)~(3) 〇 地域における生鮮食料品等流通の核となる地方卸売市場の適 正な配置を実現するため、必要に応じて都道府県卸売市場整備 計画に、地域における集荷力の強化を図る上での拠点となる地方 卸売市場(水産物産地市場を除く。)であって、次に掲げる措置の いずれかを講じるもの(地域拠点市場)を定めること。 ➀ 他の地方卸売市場との統合 ➁ 他の卸売市場との連携した集荷・販売活動 〇 地域拠点市場の目標年度における取扱数量の見込み ・青果物を主たる取扱品目とした市場の場合・・・15,000トン以上 ・水産物を主たる取扱品目とした市場の場合・・・7,000トン以上 ・花きを主たる取扱品目とした市場場合・・・2,000万本相当以上 〇 地域拠点市場が他の地方卸売市場と統合する場合は、以下の 要件のすべてに適合することが望ましい。 ➀ 統合の中核となる地域拠点市場の取扱金額が50億円以上又 は卸売場面積が3,000㎡以上 ➁ 統合後の地域拠点市場の取扱金額が100億円以上又は卸 売場面積が5,000㎡以上 ➂ 食品流通構造改善促進法(H3年法律第59号)第4条第2 項の規定により、同法第2条第3項第2号に規定する卸売市場機

(29)

○ 県内に中央卸売市場が設置されていないA県においては、県内全市場の取扱数量に占める地

域拠点市場の取扱数量の割合が青果、水産物ともに大きくなっており、地域内の生鮮食料品等

流通における拠点化が進んでいる。

5.地域拠点市場における取扱数量の推移

注1:A県には中央卸売市場は存在していない。 注2:「地域拠点市場」はA県内の地域拠点市場(青果4市場、水産4市場)の計、「地域拠点市場以外」はA県内の地域拠点市場 以外の市場(青果8市場、水産5市場)の計。 ■ 地域拠点市場における取扱数量の推移(A県の事例) 1,735 1,583 1,550 1,493 1,452 370 307 300 285 252 82% 84% 84% 84% 85% 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 H21年度 H22 H23 H24 H25 80% 85% 90% 95% 100% 地域拠点市場以外の取扱数量 地域拠点市場の取扱数量 地域拠点市場の占める割合 (100トン) 327 319 298 298 353 34 31 22 18 16 90% 91% 93% 94% 96% 80% 85% 90% 95% 100% 0 100 200 300 400 500 H21年度 H22 H23 H24 H25 地域拠点市場以外の取扱数量 地域拠点市場の取扱数量 地域拠点市場の占める割合 (100トン) 青果 水産物

(30)

○ 地域拠点市場を核として、地方卸売市場を統合し、その市場機能を強化する取組も見られるもの

の、検討会委員や生産者側等からは、その機能が弱まった市場や経営が悪化した市場の統合・集

約化、再編の必要性が指摘されている。

6.地方卸売市場の再編に関する意見等

■ 統合等に伴い市場機能が強化された事例 (協)愛媛青果食品流通センター (地方卸売市場愛媛青果開設者) 【取組概要】 ○ H15年に近隣の3市場と運送会社1社で事業協同組合 を組織し、各市場を統合。 ○ 愛媛県内唯一の地域拠点市場として、県内全域が流通 圏となっている。 ○ 県内の4市場と連携し、集荷力の弱い市場へ転送、出 荷を拡大。また、県外7市場とも連携し、集荷を行うなど 品揃えを強化。 【効果】 ○ 県内転送額 3,796千円(H19)→38,267千円(H22)。 ○ 大手量販店の週間販売計画等の需要に対応するた め、生産者との連絡を密にし、必要品目・量を確保。ま た、品目フェア等の販促企画を積極的に提案するなどに より取引が拡大。 ■ 検討会等で出された主な意見 ○ 地方市場は、地元産地との連携、地元業者の市場利用度 上昇等を図り、市場機能を一層強化することが必要。(倉﨑 委員、第2回) ○ 地方市場は卸売業者や仲卸業者の新規参入を進めるべ き。立ち行かなくなった市場には、元気のある卸売業者が系 列化等により積極的に参画していくべき。(福田委員、第3回) (参考)生産者側や実需者から出された主な要望や意見 ○ 地方の市場の集荷力、販売力の地盤低下を危惧。実態と して独自集荷もままならず、転送荷で充足させる市場が多 い。 ○ 中央、地方市場問わず、機能が弱まった市場、経営が悪 化している市場は統合を促し、集約化することが必要。 〇 県レベルで、中核的役割を果たす地域拠点市場を位置づ けることは、県内卸売市場流通の高度化の観点から重要だ が、称号だけでは意味がない。 ○ 拠点市場のあり方や市場の再編措置については、卸売市 場をめぐる情勢の変化等を踏まえて不断の検証・検討を行 うべき。

(31)

7.地方卸売市場の再編のあり方(今後の方向性と課題)

○ 産地、量販店の大型化が進展する中で、地方卸売市場の卸売業者の経営規模を踏まえれ

ば、地方卸売市場の経営体質を強化することが喫緊の課題である。地方卸売市場卸売業者に

対する適切な経営改善指導を図るととともに、小規模の地方卸売市場の統合・大型化を図るこ

とが必要と考えられる。

○ このため、地方卸売市場の経営体質を強化するため、各都道府県において地方卸売市場卸

売業者に対する財務基準の設定を進めるとともに、同基準への抵触など一定の目安に該当す

る地方卸売市場については都道府県卸売市場整備計画において地域拠点市場を核とする市場

の統廃合などの再編を進めることが必要ではないか。

○ 今後、少子高齢化を伴う人口減少が進む中、地方卸売市場における集荷力維持・強化は、地

域内における生鮮食料品等の円滑な供給を図る上で大きな課題であり、都道府県卸売市場整

備計画に基づき、地方卸売市場の再編を通じて各地域内における卸売市場流通全体を活性化

することは急務と考えられる。

○ 特に中央卸売市場が設置されていない都道府県においては、市場統合や他市場との連携の

拠点としてのみならず、産地や実需者のニーズに対応した高機能化を進めるべき市場として、地

域拠点市場を明確に都道府県卸売市場整備計画に位置付け、必要な取組を積極的に進めるこ

とが必要と考えられる。

参照

関連したドキュメント

人権教育リーフレット8「いじめの対応②」 平成 26 年3月大阪府教育委員会 大阪府いじめ防止基本方針 平成 26 年4月大阪府教育委員会 枚方市いじめ防止基本方針 平成

道路の交通機能は,通行機能とアクセス・滞留機能に

このほど金沢市と金沢大学をはじめ金沢市近郊の15高等教 育機関で構成する 「金沢市・大学間連絡会」 は,

あわせて,集荷構成の変更や水揚げ減少などにともなう卸売市場業者の経営展開や産地 の分化,機能再編(例えば , 廣吉 1985 ;中居 1996 ;常

エネルギー大消費地である東京の責務として、世界をリードする低炭素都市を実 現するため、都内のエネルギー消費量を 2030 年までに 2000 年比 38%削減、温室 効果ガス排出量を

大分県国東市の1地区の例 /人口 1,024 人、高齢化率 53.1% (2016 年 4

その目的は,洛中各所にある寺社,武家,公家などの土地所有権を調査したうえ

需要動向に対応して,長期にわたる効率的な安定供給を確保するため, 500kV 基 幹系統を拠点とし,地域的な需要動向,既設系統の状況などを勘案のうえ,需要