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Desdemona の愛と0thello におけるその意義 : 特にカタルシスに関連して

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(1)

特 に カタル シス に関連 して① 一―

英文学教室 岡 村

この論文では

,Dcsdemonaの

愛 (特 に

, Ohelloに

対 す る

)と

, Or/2¢′′οに お けるその意 義を 考 え るのであ るが

,そ

の考察 の最終 日標 は,OJ/J冴み は Shakespcareの悲劇 としては

,

ど の程度に 完全 な ものであるか

,更

に具体 的にいえば

,こ

の劇を観て我 々はどの程 度の カタル シス(Catharsis) を感ず るか (これ は その完全 さを測 る一つの もの さ しにす ぎないのだけれ ど

)と

い うことで ある。 だか ら

DesdcmOnaの

愛 につ いて考え るまえに

,悲

劇の Catharsisに つ いて言及 してみたい。 1 悲劇 の効果 には Catharisと い う概念がある。ア リス トテ レスがは じめて使 った言葉であ るが

,そ

の説 明が不十分なため

,ル

ネ ッサンス以来

,

この言葉 の解釈 ははなはだ多 岐に分 かれている。 ア リ ス トテ レスの『詩学』

,第

六章 の 冒頭 の部分 を引用 しよ う。

A tragcdy is thc ittlitation of ttn action that is serious, has magnitudc, and is complcte in itsclf; in languagc writh plcasurablc acccssorics, cach kind intrOduccd scparatcly in diffcrent parts of the work; in a dramatic as distinct fl・ Oni a narrativc fOrm, with incidcnts arousing pity and fcarぅ ■vhereby to provide an Oudet For such emotions,②

今 日にいた るまで に Catharsisに つ いてな されて きた解釈 を

Gcral F.Elseは

7つ

の項 目に総括 して い る。Elscの総括を秋 山健氏の総訳 にて引用す るが③

,

この論文 の推論 を進めてゆ くのに都合 の よい二つの項 目だけを と り出 してみよ う。

(1)ほ

とん どの解釈 が原典 中の「 あわれみ とおそれ」を観客の感動 と とり,「 あわれみ とおそれ」 が観客の うちにひきお こされ

,

つ いで浄化 (puriaCd)さ れ るか

,浄

(purgCd)さ

れ る もの と と って■ヽる。

(2)こ

れ らの解釈 はすべて (暗黙 の うちに

)こ

の効果は 自動的 な もので

,あ

らゆ る悲劇 によ って ひ きお こされ る事を前提 としている。 ―― ――――ω にっいで はァCatllarsis―はプ

'ゾ

トのなかにお りこまれているのではな く

,我

々観客 の う ちに もた らされ る感情であ る

,と

い うことだ。(2)か らいえ ることは

,こ

の効果 は

,当

然 の ことなが ら, Shakespearc悲蹂」に もひ きお こされ る。 ここまで は我 々の間に大 した意見の相 違 はないであ ろ う。 ここで もっと論究 したいのは,ShakCSpearc悲劇で は

,恐

れ と哀れみだ けによつて ,Catharsisが 十分 に働 くか とい うことで ある。悲劇 が観客 の心 にひきお こす

,恐

れ と哀れみについては

,次

の よ うに ① 木稿は 日本英文会学第十九 回中・ 四国支部大会における発表に加筆

,訂

正 したものである。 ② Aristotic, 乃′ι力∫, trans.」ohn War ngton (Evcryman's Library, 1963), p. 12.

③ 秋山健

,「

カタルシスーー最近のもう一つの説」

,『

英語青年』

,GXH(1966),p.162.

明 俊

(2)

鳥 取 大 学 教 育 学 部 研 究 報 告 第 18巻 説 明 出来 る。悲劇の

hCrOの

没落 に対 し,そのす ぐれた人 間が死ぬ とき,我々はそれを愛惜 し

,哀

れ み の情を感ず る。そ して正義 もし くは道徳 的秩序が hCr。 の少 しの欠陥を も仮借せず に死 によ って 罰す るとき

,我

々観客 は恐怖を感ず る。 しか し恐れ と哀れみが働 けば

,

十分な Catharsisが もた ら され るので あろ うか。″カク∫働ι磁″を例 に とってみ ると

,

その

hCFOの

Brutusの最 後 はた しか に 哀 れみ と恐れの強烈な感情をひきお こす。が十分 な Catharsisは 感ぜ られない。 その理 由 として, 対 岡勇氏 は次のよ うに考えてい る。「Brutusは単 な る恩 わ くの為 に

,Cacsarが

万一 皇 帝 にな った と きは

,手

にあまると思 って

, Cacsarを

殺害 した。その後適切な手段 を しなか ったために

,ロ

ー マ を混乱にお としいれ

,国

民 を不幸 においや りなが らも

,彼

の死に面 して は

,そ

の こ とを反省 もせ ず

,そ

れ に対 して責任を感ず るよ うな こともな く

,

しか も私 の友人 は最後まで私 を裏切 らなか った とい って

,楽

天 的な ことをい って死んでゆ く。それに対 して は

,我

々はや りきれな い ものを感 じ, 我 々の魂 が きよめ られた とは決 して感 じな い。 だか ら悲劇 の最後で,Catharsisが もた らされ るの は

,恐

れ と哀れみのほかに,her。 が 自分 の非 を悟 り

,

自分 の罪を当然 と考えて身を と じること, 即 ちher。 が 自己認識に達す るの も欠 くことので きない条件である。つ きつめ ると

,Shakespcarcの

悲 劇 は 自 分の生命 とひきかえに 自己認識 に達 す るはな しだ とい うことがで き る。」④ 更 に村岡 氏 に よれば「 その 自己認識 は

,ハ

イル マ ンな どによると

,自

分 もまた罪を まぬがれ ない人 間だ とい う認識で あ って

,こ

れがあ るた め

,悲

劇 は芸術 に相応 しい教化の手段 た りうる

,

とい う。 しか しシ ェイ クス ピアは 自己認識 につ いてそ うい う消極的な意 味ばか りでな く

,も

っと積極的な意味 も認 め て いたよ うに思われ る。無論

,シ

ェイ クス ピアは

,悲

劇 の主人公が

,生

命 と引 き換 え に 自分 とい う ものを掴んだとき

,神

を認識す るばか りでな く

,神

と同一化 され るな どと主張 して い るわ けではな い 。 しか し

,シ

ェイクス ピアが最後 に 自分 を知 った主人公 に人 間以上 のせ たけを与えていることも 事実である。狂気 にな る直前 の リアや

,『

わた しは火 と空気。他の元素 はこの世 に残す』 と言 って 死 んで い くクレオパ トラなどを想起 しただけで も

,

その辺の事 情 は 明 らかで あろ う。」③ だか ら 死 ぬ直前での③

hCroの

自己認識 が深 ければ深 いほ ど,Catharsisがょ り十分 に働 き

,

よ り成 熟 した Shakespeareの悲劇 としての大 きな条件 を備え ることにな る。

0ル

′′οの位置づ けには

,

い くらかの 方 面 か ら考察 され ることが可能であるが

,こ

こで は OthCl10の自己認識について考察す ることにす る。す ると

,Othel10の

最後 の 自己認識 に対 して

,Othel10に

対 す る

Dcsdcmonaの

愛 は どの よ うな 関 連 と意義 を もっているのであろ うかを考 え るのが

,こ

の論文 の 目標 にもな るわけだ。

2

では

Desdemonaに

ついて考えてみよう。彼女は踊 りも

,料

理 も

,裁

縫 も

,歌

もうまい。優 しさ と寛大 さがあり

,OthClloの

言葉をか りて言えば

,目

がいた くなるほど美 しい。そ れ で い て 知的 で

,威

厳があり

,帝

王 とともに寝て

,そ

の事業を指図する資格だってある女である。いつの時代に あ って も

,理

想的な女の原型であるように思われる。だか ら彼女は高貴な何人 かの人か ら結婚の申 し込みを受ける資格があった。どんな縁談 にも耳をかさず

,彼

女は顔浪の一将軍

OhClloに

恋を し て

,結

婚する。Othelloは ムーア人であるが

,エ

リザベス朝では

,そ

れは ncgrOと 同 じ意味である 東北大学文学部における

,村

岡教授の「某文学特殊講義」 (昭39年度

)か

ら引用させていただいた。 村岡勇「エリザベス朝文学―自然観との関連について」

,東

北大学『文化』

,XXX,pp.540-1.

死の直前ではなく

,劇

の中頃でherOが自己認識すると

,悲

劇にはならない。hCrOの死が回避され るか ら。ShakCSpcarcの 悲劇の hCroは すべて死ぬ一そのことが特質であるから。 ヘ ー ヽ   ふ と し ④ ⑤ ③

(3)

こ と,`FsOOty bosom''をし,``thiCk lips"を も って い て

,人

々か ら軽蔑 され

,偏

見 を も って な が め られ て い た こ とは

,A,C Bradlcyゃ D.Wilsonが

指 適 して い る通 りで あ るO。 彼 等 の結 婚 に

は大 きな不 釣 合 が あ るが

,父

BrabantiOは ど う して も理 解 で きず

,次

の よ うに言 う。 Shc is abuscd , stolcn frOm mc and corruptcd

By spcns and medicines bought Of mountcbanks ; For nature so prcpostcrously to crr,

Bcing not dcficicnt, blind, or lamc or scnsc, Sans witchcrart could not.(1・ 3 60‐)

ま た Emiliaは 後 にな って 彼 女 が思 って い る さま を OthClloに向 か って, ``black devil"(5,2.

160)と

ヵゞ, OthCllo と

Desdcmonaの

結 婚 を “mOst Filthy bargain'9(5.2.160)と ぃ ぅが, これ は エ リザ ベ ス朝 にお け る多 くの イギ リス女性 の心 を代 弁 して い る と考 えて よい。彼 女 の父や Emilia に よ って 代 表 され るよ うな偏 見 を越 えて

Desdcmonaは

OthCl10を愛 す るが

,そ

の理 由は

Oncl10

が未 知 の危 院や 困難 を もの と も しな いで

,そ

れ らを乗 切 る こ とに

,む

しろ喜 びを感 じて い る雄 々 し い彼 の姿 の た めで あ る。 そ して彼女 は OthCl10を心 の 目で み る。

I sa、ハr Othello's visagc in his Hlind,

And tO his hOnOurs and his vahant parts, Did my sOut and fortuncs consccr2te.(1,3.252ぃ )

人 種 の この 強 い偏 見 を飛 び越 え させ たの は

,DesdcmOnaの

純 粋 で 高貴 な精神 愛 と い う こ とが で き る。 しか し次 の言 葉 か らわ か る通 り

,彼

女 の愛 は 同 時 に 肉体 的 で もあ る。

That l did 10vc the ヽ100r to live with him, My dOwnright viOlcncc and scorn Of fortuncs May trumpet to thc world, ヽこy hettrt's subdued Even to hc utmOst plcasurc of my 10rd.(1.3248つ

彼女 は結婚 した以上 は

,十

分 な意 味で妻であろ うとす る。 精 神的 に も

,肉

体 的 に も

,

彼 を愛 し てい る。 十分 な意味で夫 を愛 している妻がす るよ うに

,

彼女は OthCl10の生 活態度 とも一体化 し よ うとす る。Othelloの戦 士 として の生 き方 に魅力 を感 じたのであるか ら

,彼

女 もその生 き方 を学 ば うとす る。 彼 が

``O,my fair warrior!"(21.180)と

呼 びか け

,

彼女 自 身 も “

unhandsomc

warrior as l am''(3,4.156)と 言 って い るのをみて も

,わ

か るとお りである。 そ して彼女 と一緒

Cyprusに

行 くことにな る。結婚生活は私的な もので あ り

,戦

争は公 的な ものであるが

,

公私 両 面 において

,彼

にか しづ いてい る姿勢がある。 このよ うな彼女が

,こ

の後 に起 った事件 に どの よ う に反応 し

,OthCl10に

対 す る彼女の菱は どのよ うに変化す るかを考えてみよ う。

3

IasOは

Cassioの地位 を奪 うために

, Gassioと

DcsdcmOnaの

関係 を Othelloに疑 わ させ よ う

⑦ A.C.Bradlcy,S/t財 ♂ψ♂,″

'″

夕ヵ (London,19o4),pp.198-202,」 .Do Wilson(ed.),

(4)

鳥 取 大 学 教 育 学 部 研 究 報 告 第 18巻 とす る。いわゆ る ``tCmptatiOn sccnc''が 始 まるのだが

,そ

の有力 な根拠 を OthClloに提供 したの が

,Dcsdcmonaの

ハ ンカチであ る。彼女は OthCl10か らもらった大事 な刺繍 の してあ るハンカチ を落 したが

, Iagoの

民 にだん だん とはま りか けて きた OthClloに とが め られ る。「 な くした り, 人 にや った りす ると

,そ

れ こそ大変 な災地がお きるぞ

Jと

言 われ

,ま

たハ ンカチの神秘的な由来 を 聞か され

,彼

女 は驚 きな くしたので はない と二 度 も嘘 を言 う。 いつ, どこで

,ど

のよ うにしてハン カチをな くしたのか

,ま

たなぜOthCll。 が執拗 にハンカチを見せ ろ と言 ったかを

,彼

女 は深 く考 え よ うとは しない。彼女はあ とでその紛失 を歎 くばか りで, OthCll。 の心 を全然理解す ることはで き ない。そ して彼女はす ぐさま

,嫉

妬 の当の相手である Cassioの復 職 の願 いを もちだす 。 彼が退場 した あ と

,

この原 因を国事 のせ いに して

,そ

の時「男のかた って本 当の相手 は大 きな事件 のはずだ の に

,小

さな ことにい らい らす るものなのよ」

(34.148-9)と

考 え る。男女 関係 の ことについて は

,は

るか によ く知 ってい るEmili2と 同様 に

,我

々もOthelloが嫉妬 に狂 い は じめた と思 う。 ハ ンカチの粉失 を通 じて

,浮

気 の相手 との関係を OttClloが疑 って い るのだが

,彼

女 はそれ に全 然気 がつかない。だか ら OthClloの 疑感がます ます高 まっている第四幕第一場 において も

,不

注意 に次 のよ うに言 う。

A most unhappy one; I would do 14uCh T'atone thcnl, for thc love l bear to Cassio. また OthCl10の後任 に Cassioが任命 された と聞いて,

I am glad On't.

と。堪 え きれ な くな った OthCl10は 彼女 をな ぐる。そ して

,第

四幕 第二場で OthClloが彼女 に姦通 した と言 って責 め ると

,彼

女 は

To whom,my lordP with whom?how am l false.(4,3.41)

と答 え る。 ここで彼女は OthCl10の 怒 りの原因はヴ ェニスか らの手紙 にあるとしか考えない (4.2.

43)。 なぜ な ら

,彼

女は姦通 した事実 はない し

,す

る意 図 もない。 だか ら彼女 に とっての この事実

を人が疑 うわけがない と思 ってい る。純粋な子供の論理 とい うべ きで あろ う。彼女 は OthellCの き たない面 に気がつかない

,Bradleyの

言 うよ うに

,

彼女 は未熟 な ``a child of naturc''① で あ る。 この論理の単純性 は

,彼

女 の信念 に裏打 ちされて いない暖味 な態度 と ともに

,彼

女 の特質 とな る も ので ある。暖昧 な態度の例は次に最 も明白に示 され るで あろ う。 寝 室 の場面 (第五幕第二場

)の

前 に

,彼

女は死 を強 く予感 す る。だか ら寝 床 にはい前 に

,任

力努 力 して

,弁

解 し

,無

実 を明 らか に して

,そ

れで も

,駄

目な ら知 られず に逃 げ るか

,ま

たは死を平気 で うけて, 自 らの死 によ って

,OthClloを

教化す るとい う彼女 の強 い愛 の態度 を続 け るべ きだ と思 う。それが理性 あ る大人 の態度で あろ う。 しか し彼女 は Othel10がくる前 に眠 って お り

,

しか も彼 の殺意が明 らか にな ると

,極

力 これ を避 けて

,慈

悲を願 うとか

,追

放 して くれ とか

,そ

れで も駄 目 な ら殺すのをり」日まで待 って くれ とか

,30分

で も

,い

や一言祈 りを言 う間で も待 って くれ と

,執

拗 に何度 も生 を乞い願 う。 ここで は彼女の態度は一定 していず

,暖

昧で あ り

,そ

の前提の 思 索 が な く

,女

性 特有 の大 きな弱 さが あ る。 この節で ま とめ るな らば

,次

の よ うに言えるだろ う。

Dcsdcmonaは

自分 で その根拠 を与えて い

(5)

ない

,Othclloの

嫉妬 について は全然理解で きない。 しか し前の節でみ た 彼 女 は 偏見 のために誰 に もわか らない

,Othelloの

本 当の姿をつか まえて い る。 だか ら彼女 は知性 は相 当に高 いが

,

あ る 前提 において は

,彼

女 の知覚 は低 い もので あ ると

,言

わ ねばな らない。彼女は大胆な ところもある が

,臆

病 な ところ もあ るといえ よ う。結局彼女の知性や

,知

覚や

,態

度 の底 に流 れて い る ものは, 統一 が とれていない といえ る。彼女の内に該盾 を合んでい る。 この ことは

,彼

女が 明確なそ して確 固た る信念を もっていないせ いだ と思 う。その理 由は

,信

念 とは成熟 した大人が もつ態度で あ り, 美 醜 な どを経験 し

,鋭

い知覚力で見 つめて

,思

索 して の ち生 まれ る もので あ る。そ の態度 には

,人

生 の理想的な ものを求 め る反面

,そ

れ に対 立す るものを識別す ることが必要であるか らであ る。彼 女 は鋭 い知覚力 も

,対

立概ム を識月1する力 もない といえ る。強い信念 を もっていない

Desdemona

,こ

の後 に述べ る彼女の至高 な菱 とどのよ うな関係を もっているかを考 えてみよ う。

嫉妬に狂った

OthCl10は

DcsdcmOnaを

な ぐるが

,こ

の後も彼女は

OthCl10の

誤解をとこうとは

せず

,た

だ無限の忍耐と寛大さと謙虚さの態度を続

tす

ることになる。そして彼女の絶大なる善意で

Othclloの

嫉妬を解釈する。

'「Fis knect l should be used so,vcry ttcct.

How have l bccn bchavedぅ that he Hight stick Thc small'st opinion On my lcast misuscP(4.2.109-) ま た次 の よ うな利 白 もあ る?

Thcse that dO teach young babcs Do it∼ vith gcntle mcans and casy tasks: Hc might have chid mc so.(4.2.H2‐ )

そ して 彼 女 は OthCl10から うけ た冷 遇 も

,叱

責 も

,不

機J/1な顔 もみ な うれ しい とい う境 地 にな って

い る。

Thttt evcn his stubbOrnncss, his chccks and fro訥 ′ns―

Prithcc, unpin mc__havc gracc and favOur in thcm (4 3.20‐ )

そ の理 由を追求 して

,相

手 の悪 い と ころを認 め

,そ

れ を直 さす よ う

,相

手 に認 識 さす ので は な い 。 次 の科 白は彼 女 の この態 度 を よ く表 わ して い る。

Hcaven mc such uses scnd,

Not to pick bad frOm bad,but by bad mcnd (1 106)

こ うい う態度 は と うて い普 通 の人 間 が とれ る もので は ない。彼 女 は殆 ん ど絶 対 愛 ともい え る愛 を も って い る とい え よ う。 次 の Emiliaとの会 話 に注 意 してみ れ ば一 層 明 白 にな るで あ ろ う。Dcsdcmo‐

naは

も し 自分 が 死 ね ば, ``WCdding shccts''で 死 休 を くるんで欲 しい と

Emiliaに

頼 む 。 この こ とは次 の意 味 を も って い る。 彼 女 は このよ うな不 幸 な結婚 で さえ

,死

後 まで

,即

, HCllmttnが

言 って い るよ うに

,

象 微 的 な意 味 で「 永 遠 の愛

Jの

態 度 で 考 えて い る③。 ま た あん な仕 打 ち を さ れ た の だか ら

,「

Othelと。 さまに会 わなか った らよか ったわ ね」 と

Emiliaが

言 うと

,彼

女 は

(6)

鳥 取 大 学 教 育 学 部 研 究 報 告 第 18巻

So、vould nOt I: my lovc doth so approvc hiェ

n,(4.3.18)

と答 え る。 また二人 の仲 をだれかが中傷 してい るか もしれない とい う

Emiliaに

封 して も

,彼

女 の 答 え は次の よ うで あ る。

If such thcrc be, heaven pardon him!

また彼女の貞節 は

,た

とえ浮気 の報 酬 に全世界 を くれて も

,

くずれない もので あ る。それ ぞれ の点 において Emiliaと は大 きな対 照をな してい るといえよ う。 彼 女 の愛が最 もよ く表 わ されて い るのは

,

その last wordsに おいてで あろ う。 彼女 は無実の罪 で

,最

後 の祈 りの時 間 も与 え られず に殺 され る。 そ して Othelloも確認 して い るよ うに (``Still as

the gravc"52.97)死

ん だ と思われた。 しか し彼女は意識 を とりもどして

,

最 後 の力をふ りしぼ って,Emili分 の「誰が殺 したの」 に答 える。

Nobody:I mysett farewell,

Commcnd mc to my kind lordi O,1ぁ rcwcll;(5.2125)

この科 白は普通 の人 間の言 え るもので はない。 ここに最 も明確な形での

,

無条件的 な神 の愛 に も 似 た絶対 的愛 が あ る といえ よ う。 この よ うに罪 とが もな く無 慈悲 に殺 され よ うとして も, OthCllo を恨む ことな く

,た

だ彼 に善意を施そ うとす る意図ばか りがある。絶大 な る優 しさと

,慈

悲心 が あ

る。そして一度死んだと思われていてこの言葉を言ったので

,あ

たかも彼女は再生

,復

活したよう

な感じを我 々に与えるのである。

この場面になると

,

彼女の愛はキリス トのイメイジさえもって

い る。 I・

Ribncrに

よ る と⑩

,

先 に 引用 した

`FcOmmCnd me to my kind 10rd"は

キ リス トが人 類 の 罪 を負 って 死 ん だ と同 じよ うに

,Dcsdcmonaも

OthClloの罪 を負 って 死 ん だ ので あ る。 ま た 彼 女 の蘇 生 は キ リス トの復 活 に も比 す べ き もの だ と

,言

って い る。 この よ うに あ ま りに強 い キ リス ト説 は別 と して も

,当

時 の観 客 は

,DesdcmOnaの

最 後 の場 面 で は

,彼

女 を普 通 の人 間 を 超 え た 高 い存在 に

,キ

リス トに近 い存在 に考 え て い た に違 い な い 。劇 の最 後 に近 づ くにつ れ て

,こ

の よ うな イ メ イ ジで

Desdemonaを

描 写 して い るの が 目立 つ (勿論 そ れ 以 前 に もあ る。 例 え ば ``thC diVine

Desdemona''21.75)

E,%ケJゲα. C), thc morc angcl she,

And you the blackcr devill(5.2 133‐ )

2ηゲιガα.O,she was hettvc』 y trucI(5.2.138) 0励夕′わ。 From the posscssion of this heavcnly sight! Blow mc abOut in winds,roast mc in sulphur.(52.281)

彼 女 の愛 は絶 対 的

,キ

リス ト的愛 で あ り

,ど

ん な に冷 た くされ て も

, OthClloを

救 お う とす る気 持 が あ る とい え よ う。 しか し彼 女 の至 高 な愛 は

,そ

の根底 に確 固 た る信 念 が ない ま ま に普 通 の人 間 を 超 え た非 常 な高 さ に達 して い る と

,い

うこ とに我 々は注 意 す る必要 が あ る。 とい うの は

,至

高 な愛 とい う もの は キ リス トの例 に まつ まで もな く

,菩

,美

醜 な どの対 立 概 念 を一 度 は 鋭 く知 覚 し

,識

別 しな けれ ば な らな いが

,

そ の後 に は じめて

,

善 も悪 も

,

美 も醜 も (それ が具 体 的 に表 わ す もの ⑩ lrVing Ribncr,P′″θ駒∫ぢ″ ∫んαルψ夕 '万,25砕冬 ♂ゥ (London, 1960),p.112.

(7)

も合 めて

)み

なよ ろ しい

,

愛 す べ きもの だ とい う域 に到達 す る

,

もの だ と思 う。 彼女 の至高 な愛 は

,そ

の根底 が暖昧で ぐらつ いているとい うことがで きる。彼女の

OthCHoに

対 す る強い愛 と

,そ

れ を救お うとす る気持 に もかかわ らず

,彼

を十分 に教化 し

,救

うには

,や

は り幾分の限界が あ ると 思 わ ざるを得 ない。

4

次 には

,Dcsdcmonaの

愛 の この姿勢 と

OtheJOの

最 後の 自己認識 とは どんな関係 にあ るかを考え てみよ う。 とい うのは

,ShakCSpcarcの

悲劇 において は

, hCrOの

自己認識 に hCrOincが大 き く関 係 してい る ところが あ る。特 に 0崩ガんで はそ ぅで ぁ る。 ここで はhCrOと hCrOincの 密接な触 れあ い

,疑

,愛

な どに視点が あて られてい るので あ って

,他

の劇 のよ うに

,野

望 とか

,復

讐 とか い う ものを成就す る過程 にたまたま hCrOineが介在 して くるので はな く

, herOの

対 象が hCroincその 人 に向け られてい るか らで あ る。だか ら

Desdemonaの

性格や愛 し方 が直接 Othelloに 伝わ り

,彼

の他人を認識 した り

,

自己認識 した りす る程度 の如何 は

, DcsdcmOttaに

特 に大 き く 負 うてい るの で あ る。結婚 を契機 として

,

精神 において も

,

肉体 において も

,

また生活 において (公私 にわ た る

)DesdemOnaは

OthClloと一体化 しよ うと努 めた こ とは既 に述べたが

, Dcsdcmonaを

愛 して い た Othel10も 同様 に彼女 と一体化 しよ うと努 めた

,あ

るい は無意識的 にそ うなった ことはい うま で もない。その程度が どれ だけ

,Ohel10は

Dcsdcmonaに

負 うて い るかを考えてみ るので あ る。 この劇 の大団 円に近 づ くにつれて

,こ

の両者 の関係 は明白になる といえよ う。OthClloは

Iagoの

陰謀 によ り

,嫉

妬 に狂 い

,つ

いには最愛 の

Desdemonaを

殺 す ことにな る。 しか し彼女を殺 す のは た だの殺象で はな く

,彼

の誤解 の上 にな り立 ってい るのだが

,正

義 のため

,そ

の使 者 と し てで あ る。

It is thc cause, it is thc cause, my soul. Lct me not name it to you, chastc starsI

It is thc causc,(5 2 1‐)

殺 した後

,彼

の正 義 の根 拠 で あ る

DcsdcmOnaの

不 貞 さが

, Emiliaの

反 対 に あ って ぐ らつ き は じ め る。彼 は絶 対 間 違 いを犯 して いない こ とを確信 して い なが らも

,万

一 彼 が 間違 った場 合 は

,堕

地 獄 の 罪 だ と と っ さに考 え る。

0, I Ⅵ′Cre damncd bencttth all depth in hcl19 But that l did prOcced upOn just grounds To this cxtrcmity。

(52■

40‐ )

彼 が正 直 だ と思 って全然疑 わなか った

IagOの

正体 が

Emmaの

反対 によって暴露 され

,Cassioヘ

の嫌疑 もとりさ られ る。彼 はついに

,DesdcmOnaが

貞節で あ った こと

,

自分が犯 した行為 は途方 もない間違いで あ った ことを認 めざるを得な くな る。す る と

OhCl10は

次 のよ うに言 う。

O iH…starred Ⅵ′cnch!

Palc as thy smOck! Vhen we shall mcet at compt, This 100k of thinc 、vJl hurl my soul frOm hcaven,

(8)

鳥 取 大 学 教 育 学 部 研 究 報 告 第 18巻

And ficnds lvill snatch at it Cold, cold, my girll Evcn likc thy chastity

O curscd, curscd slavel Vhip mc, yc dcvils, FroHx thc pOsscssion Of this hcavcnly sight! Blow mc about in windsl roast mc in sulphur!

Vash mc in stccp‐do、γn gultt of liquid fircl

O Dcsdcmon!dcad Dcsdcmoni deadI O1 01(52275‐

)

彼 に と って は

,Dcsdemonaは

“hCavenly justicc''(1.Ribnerの言 葉

)に

み え

,そ

れ が 彼 の dam‐ natiOnを 要求 し

,彼

自身 も地 獄 の責 苦 を 映 願 して い る とい え よ う。 あ ま りに も強 く彼 女 を愛 して い

たか ら

,し

か も彼 女 の愛 の 本 当 の姿 が わ か ったか らこそ

,OthCliOは

自分 の行 為 に対 して

, Hk悪

。 罰則― 堕 地獄 の責 ― を求 めて い るので あ る。 そ して 岐 後 の行 “

O Dcsdcmonl dcad DcsdcmonI

dead1 01 01"は

彼 の 最 愛 の者 の生 命 を 自 ら絶 って しま った とい う完全 な文 章 とは な らな い悲 しみ の絶 叫 と

,そ

の行 為 に刃 す る 自分 の罪 の深 さ と

,

自分 は地 獄 に行 って もよ い

, Dcsdcmonaは

自分 が 以 前 に思 って い た通 りの立 派 な女 性 で あ った とい う歓喜 を

,表

わ して い る も の と 思 わ れ る。 Othelloは彼 女 の価値 と 自分 自身 に対 す る十 分 な認 識 が あ る と言 え よ う。 月1な 言 葉 で 言 え ば,

Dcsdcmonaの

至 高 な愛 に よ って こそ

,OthClloは

彼 の 罪 の十 分 な 認 識 を し

,悔

い改 めた ので あ るか ら

,彼

は救 わ れ た とい え よ う。

Dcsdcmonaが

OthClloを救 お う と して そ の 罪 を 負 って 死 に

,

復 活 した キ リス トの イ メ イ ジを も って い る こ と と考 え あわ せ て み るな らば

,ま

たShakCSpcarcが彼 女 を 慈 悲 の権 化 と して

,注

意 深 く描写 して い る こ と も考 え て み るな らば

,

この こ とが 了解 され るで あ ろ ぅ。 しか しLodovico,Montan。 以 下 大 勢 の人 を前 に して の彼 の last wordsに 我 々は 注 意 を は ら う必 要 が あ る。

Soft you; a wOrd or two bcFOrc you go

l havc donc thc statc somc servicc, and tlley know't No morc of that. I pray you, in your lettcrs, IIVhen you shall thcsc unlucky dccds relatc,

Spcak of me as l am i nothing cxtenuatc, 〕 Nor sct do、vn aught in mancc,「 Fhcn must you spcak

or one that lovcd not wisely but too Ⅵrcll,

or onc not easily jcalous but, bcing、 vrought, . Pcrplcxcd in thc cxtremci of onc whosc hand,

Likc the basc lndian, threw a peari away

Richcr than all his tribe; of onc、 vhosc subducd eyes, Albeit unuscd to the mclting mOOd,

DrOp tcars as fast tts thc Arabian trecs Their mcdicinable gum――Sct you doTvn this: And say bcsides, that in Alcppo oncc, h/Vhcrc a malignant and a turbaned Turk

Bcat a Vcnetian and traduccd thc statc, I took by th'thrOat thc circumcised dOg

(9)

And smote him―

thus.

ル ∫

,ゐ

d¢

この個所 は異論があるところではあ るが

,Othel10は

自己中心 に物 を考 えす ぎてい る といえ る。T,

S.Eliotが

指適 してい る が

,Othel10の

「 自己劇化」 (〔`SClf―dramatization'')① が あ る。最大 の

窮地 にた って

,大

勢 の人 を前 に して は

,彼

は現実か ら逃れよ う

,自

分 自身を元気 づ けよ うと努 めて い る。 自分 の ことは悪 く思われないよ うに と

,考

えて い る。 自分 の信 じや す さのため に, Dcsdc‐

mOnaを

殺 した彼 の罪 や

,Emiliaの

死 とい う 犠牲 をだ した ことや

,CasSiOを

ま きぞえに した こと ゃ

,Gyprusの

人心 を乱 した ことに対 しては

,彼

は何 も言 っていない。Othclloの この態度 は, T・

S.Eliotの

説 を引用す れ ば

,「

一 つ の倫理的な態度 とい うよ り

,む

しろ美酌態度を とり 〔中略〕, この態度 の根底 には

,ス

トア主義が あるが

,

この態度 こそはまさしくキ リス ト教的謙虚 さ (ヒ ュ ミ リテ ィ

)と

は正反対の ものなのだ。」⑫ 既 にわか るよ うに

,こ

の場面で の OthClloの態度は統一が とれていない。

GratianO一

人 だけい る時 に言 った言葉 と

,大

勢 の人 を前 に して言 った彼 の last wOrdsと は

,異

な るので あ る。 前者で は

,彼

には ク リスチ ャン と して の態度

,倫

理 的態度があると言え る。後者で は

Desdcmonaの

特質 といえ る ク リスチ ャン・ ヒュ ミリテ ィとは正反 対 の ス トア的態度が あ る。

Dcsdcmonaの

愛 も

,

彼 が

Dcsdcmonaを

思 う気持 もあま り合 まれていない。彼がみえをきるために

,そ

れ を無理や りに, 背 後 に押 しの けてい る。

OhClloは

彼女 の愛 の本 当の姿がわか った後 で は

,

強 く彼女 を 愛 し て い る

,む

しろ嫉妬す る以前 よ りも

,

もっと強 く彼女を愛 してい ることを我 々は知 ってい る。そのため に こそ彼 は 自殺 しな ければな らなか った。 しか し彼 の last wordsで は

,

そ の気持をゆがゆて人 に 言 い

,自

分 に もそ う信 じさせ よ うと して い る

9自

害 とい う行 為 は

,過

去 の行 為 に刈 して彼 が責 任を とった こ とを意味す るが

,

しか しその姿勢 には分裂が あるか ら

, Othelloが

救われ た と頭 で は考 え て も

,や

は り彼の魂が さまよってい ると感ぜ ざるを得 ない。

Brutus Oゃ

Hamlctの

最 後の認識の 度合 よ りも

, OthCWoの

それ は高 い とは言え るが

,

まだ彼 にもこのよ うな分裂 があ るので あ る。 Othclloの最後の姿勢 の矛盾は

,

第一 には

,

当然の ことなが ら

, OthCllo自

身 の責 任で はあ るけ れ ど

,特

に両者 のふれあいは密接な関係 を もち

,

また祝点があて られてい るこの 劇 の 性 格 か ら ぃ って

,Desdcmonaの

いわゆ る “Child of naturc''の 姿勢のままで

,愛

の高 みに達 した姿勢 のせ い も

,ま

たそのよ うな彼女 の愛が彼 を救お うとしたけれ ども

,そ

の愛 の性格か らい って

,彼

の心 の中 に

,十

分 に反 映 されなか ったためで もあ ると思 う。

5

最後にこの劇全体をみてみるな らば

,こ

れは完成に近づいた作品 で あ る と い え よ う。

G B.

Harrisonが 完成の域に達 した ShakCSpcare悲劇について使っている “dCCp tragcdy''0と ぃぅ言葉

O Cf.T,S.Eliot,“

Shakcspcarc and thc Stoicism or Sencca,"島 ∫ヮ∫(Kenkyslla, 1953).

ToS.Eliot,″

.οザけpp.129-30. ⑬ カ カ″∫働θ∫,″ における自己認識をしていない BrutuSの 最後に対 して

,村

岡氏は次のように 言 っ て い る。「 日本的な比崎の言い方をすれば

,彼

の魂は解脱 しないで

,あ

の世で迷 っているのだ。死ぬまざわに自 分の非を悟 り, 自分の死を当然 と考え

,死

んでゆ く人はその悟 りによつて慰め られ

,死

んでゆ くための精神 的な支えをもつている。そのようにして死んでゆ くな ら

,そ

の人の為に安 らかな冥福を祈ることが出来 る。 しか し迷 ったまま死んでゆ く人の場合には

,我

々の気持は安 銹かではない。

J東

北大学文学部「特殊講義」 (39年度)。 ②

Cf.G.B,Harrison,説

,ルd/7ια″''身age,テ,∫ (1951).

(10)

鳥 取 大 学 教 育 学 部 研 究 報 告 第 18巻

,0ル

′′οに十分 あてはまるで あろ う。0筋冴んに使われた劇構成上のテクニ ックは申 し分 ない。人 間 の心理描写 もす ぐれてい る。 テーマ も時間 と空間 を こえて普 遍 的 で あ る。そ して我 々は Othel10 の最後 に対 しては

,pityも

fCarも 十分 に感ず る。即 ち Othel10は勇気が あ り

,気

高 い人 格者で あ

るが

,そ

れが信 じやす さのために

,Ittgoの

罠 にかか って

Dcsdcmonaを

殺 し

,

自らも死 なな けれ ば な らない とき

,我

々は同情 と哀惜 の気持を持つ し

,ま

た彼が少 しの欠陥のために死 ぬよ うにな っ た ことに激 しい恐れを感ず る。OthClloは不 幸 に死 ぬけれ ど

,

この劇を見終 って我 々は

,

気 の めい るよ うな感 じを もたない。苦 しみ

,悩

ん だ OthCl10 1ま

,拡

大 して言 って人間 とい うもの は

,

決 し て ちっとぎけな もので はない こと

,Hamletの

言葉 をか りれ ば

,「

人 間 とはなん と素晴 しい ものだろ ぅか」 (2.2.307)と 叫びた くな る。 しか し

, OthClloは

偉大 な人 間で はあ るけれ ど も

,最

後 に 自 己認識―神を知 ること

,神

と合―す るとい うことに近 い意味を もってい る― に達 した

Lcar王

ほ ど に は

,神

の域 には達 しないまで も

,人

間以上 の高 い存在 にはな りえないので あ る。 そ の 理 由は, Othclloの 自己認識の不十分 なせ いで あると思 う。OthCl10の 最後に対 して

,彼

の魂が成仏 していな い

,

さまよ ってい ると我 々は感ず る。 とにか く我 々は彼 に対 して

,な

にかや りきれ ない後味の悪 い 気持 を もち,十分 な Catharsisが 働 けば感ず るで あろ うよ うには

,我

々の気持が清め られた とは決 し て 感 じない。結局 この理 由のために

,

この劇 は成功 した作品で はあ るけれ ど

,れ

7Dgル″ ほ どに完成 した ShakesPcareの悲劇 とはいえないで あろ う。そ して この責 任の一つは

, Desdemonaの

愛 の姿 勢 に帰せ られ ると思 う。「女性 的要素 は劇 〔シエイクス ピア悲劇〕の発展 に直接大 きな影響 を与え ることはまれで あ る。」〇 とい う説 もあ るけれ ど

,こ

の劇を考 えれば

,既

述 した よ うに, Desdemo‐

naと

その女性 的要素 (慈悲心 な どの

)の

役割 は重大で あ る し

,ま

Lcarを

悟 りに導 いた COrdelia の例 もあわせて考 えれば

,

よ リー層 hCroincの役 の 重大性 は 明白になるで あろ う。 結局 Shakc_ SpCareの悲劇 において も

,heroincの

重大性 に我 々は もっと注意 を払 う必要があ るので はないだろ

うか。

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