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デジタル・ガバメント実行計画

平成 30 年 1 月 16 日

e ガバメント閣僚会議決定

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目次

1 はじめに ... 4 1.1 本計画の趣旨 ... 4 1.2 計画期間 ... 5 1.3 本計画の構成 ... 5 2 本計画が目指すもの(To be) ... 7 2.1 目指す社会像 ... 7 1) 必要なサービスが、時間と場所を問わず、最適な形で受けられる社会 7 2) 官民を問わず、データやサービスが有機的に連携し、新たなイノベー ションを創発する社会 ... 7 2.2 目指す社会像を実現するために必要となる行政:デジタル・ガバメン ト ... 7 1) 利用者中心の行政サービス ... 7 2) 行政サービス、行政データ連携の推進 ... 8 3 利用者中心の行政サービス改革 ... 9 3.1 「サービス設計 12 箇条」に基づくサービスデザイン思考の導入・展開 ... 9 1) 「サービス設計 12 箇条」 ... 10 2) 「サービス設計 12 箇条」の導入と普及 ... 12 3.2 横断的サービス改革(行政サービスの 100%デジタル化) ... 12 1) 業務改革(BPR)の徹底 ... 13 2) 手続オンライン化の徹底 ... 14 3) 添付書類の撤廃に向けた取組 ... 18 4) ワンストップサービスの推進 ... 19 3.3 個別サービス改革 ... 23 4 プラットフォーム改革 ... 27 4.1 行政サービス、行政データ連携の推進 ... 27 1) 行政データ標準の確立 ... 28 2) 行政保有データの 100%オープン化 ... 29 3) API 整備の推進 ... 31 4) Web デザイン指針等の整理統合・拡充 ... 31 4.2 システム基盤の整備 ... 32 1) 行政情報システムのクラウド化(クラウド・バイ・デフォルト)、政府 情報システムの将来像の検討 ... 32 2) 本人確認等の手法の見直し ... 33 3) 情報システムに関する技術トレンドへの対応 ... 34

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3 4) サービスデザイン思考の導入による e-Gov の刷新 ... 34 5) マイナポータルの API 提供によるサービス連携の拡大 ... 34 6) 法人デジタルプラットフォームの構築 ... 35 7) 制度情報基盤の整備 ... 36 8) 府省共通システムの推進 ... 38 5 価値を生み出す IT ガバナンス ... 39 5.1 サービス改革に対応した推進体制の整備 ... 39 1) 政府 CIO レビュー制度の確立 ... 39 2) サービス改革支援チームによる支援 ... 39 3) 各府省ガバナンスの強化 ... 40 4) 各府省中長期計画 ... 40 5) 人材確保・育成 ... 41 5.2 マネジメント及びプロセスの強化 ... 42 1) 政府情報システム改革の着実な推進 ... 42 2) 情報システム調達に係る諸課題の検討 ... 42 3) 情報利活用と情報セキュリティの一体的推進 ... 43 4) 標準ガイドライン群の充実・拡充・定着 ... 44 5.3 デジタル・ガバメントの推進に係るその他の取組 ... 44 1) デジタル・ワークスタイルの実現 ... 44 2) 広報・普及及び国際展開 ... 45 6 地方公共団体におけるデジタル・ガバメントの推進 ... 48 1) 地方公共団体における官民データ活用推進計画の策定 ... 48 2) 地方公共団体の行政手続のオンライン利用促進 ... 48 3) 地方公共団体におけるクラウド利用の推進 ... 49 4) 地方公共団体におけるオープンデータの推進 ... 49 5) 地方公共団体における適正な情報セキュリティの確保 ... 50 7 フォローアップと見直し ... 51

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1 はじめに

1 .1 本計画の趣旨

2016 年(平成 28 年)12 月に官民データ活用推進基本法(平成 28 年法律第 103 号)が成立し、データ流通環境の整備や行政手続のオンライン利用の原則 化など、官民データの活用に資する各種施策の推進が政府の取組として義務付 けられた。2017 年(平成 29 年)5 月には同法及び高度情報通信ネットワーク社 会形成基本法(平成 12 年法律第 144 号)に基づく取組を具体化するものとし て、「世界最先端 IT 国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」(平成 29 年 5 月 30 日閣議決定)(以下「IT 宣言・官民データ計画」という。)が策定されて いる。 特に、IT 宣言・官民データ計画の重点分野の一つである電子行政分野におけ る取組については、2017 年(平成 29 年)5 月に「デジタル・ガバメント推進方 針」(平成 29 年 5 月 30 日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民デ ータ活用推進戦略会議決定)が策定された。本方針では、本格的に国民・事業 者の利便性向上に重点を置き、行政の在り方そのものをデジタル前提で見直す デジタル・ガバメントの実現を目指すこととされている。 我が国の行政を取り巻く環境は、日々変化している。少子化や高齢化の進行 や大都市圏への人口の集中、単独世帯や核家族世帯の増加、生産年齢人口の減 少やグローバル化の急速な進展に代表されるように、社会構造は大きく変化し ており、これまでのような単一的な行政サービスでは、国民一人一人のニーズ に応えることが難しくなっている。 一方で、近年の目覚ましい IT 技術の進展や、マイナンバー制度の導入によっ て、我が国の様々な個人、法人を繋ぐ情報連携基盤の整備が進められている。 各々の国民に最適化された行政サービスを提供し、国民一人一人に実質的なベ ネフィットを提供するための素地が整いつつある。 本計画は、こうした背景を受け、官民データ活用推進基本法及び「デジタ ル・ガバメント推進方針」に示された方向性を具体化し、実行することによっ て、安心、安全かつ公平、公正で豊かな社会を実現するための計画である。ま た、IT 宣言・官民データ計画に掲げられた重点分野の一つである電子行政分野 を深掘りし、詳細化した計画である。 デジタル・ガバメントの実現に向けた取組を政府一体となって推進するため、 規制改革推進会議における取組等、電子行政の推進に関連する政府部内の各種 計画等と本計画が整合性を持った形となるよう、内閣官房及び関係府省は所要 の調整を実施する。加えて、デジタル・ガバメントの推進に関する国際的な方

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5 針等と協調した形で取組を進めるとともに、国際連合の提唱する持続可能な開 発目標(SDGs1)等の国際的な目標にも資するものとする。

1 .2 計画期間

2018 年 1 月 16 日から 2023 年 3 月 31 日までを本計画の対象期間とする。た だし、個別施策について更に長い期間を設定することが適当な場合はこの限り ではない。 本計画は随時改定を行い、内容の見直し及び段階的な改善を実施する。また、 計画期間終了後の扱いについては、次期計画の策定を前提としつつ、内閣官房 及び総務省において、取組の進捗状況の把握及び次期計画の方向性についての 検討を行う。

1 .3 本計画の構成

本計画は、以下の内容から構成される。 2.本計画が目指すもの(To Be) 3.利用者中心の行政サービス改革 4.プラットフォーム改革 5.価値を生み出す IT ガバナンス 6.地方公共団体におけるデジタル・ガバメントの推進 7.フォローアップと見直し また、別紙において個別サービス改革事項の詳細について記載する。 これらの各項目の関係性は下図のとおりである。

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2 本計画が目指すもの(To be)

2 .1 目指す社会像

本計画は、「デジタル・ガバメント推進方針」を具体化するものであり、同 方針の「第3章 目指すべき社会とこれからの行政サービスのあり方」に掲げ られた、以下の社会像を実現するための実行計画である。以下に掲げる社会像 にも表されるとおり、先端技術の導入によって一人一人のニーズに合った形で 社会課題を解決する「Society5.0」2の実現に資するとともに、安心、安全かつ 公平、公正で豊かな社会の実現を目指す。 1)必要なサービスが、時間と場所を問わず、最適な形で受けられる社会 全ての国民がそれぞれの持つ能力を最大限に発揮し、「持続的で豊かな暮ら し」を実感することができるように、必要なサービスが、時間と場所を問わ ず、それぞれのニーズに対して最適な形で届けられる社会を目指す。 2)官民を問わず、データやサービスが有機的に連携し、新たなイノベーショ ンを創発する社会 社会的課題の迅速かつ柔軟な解決や持続的な経済成長を実現するため、多 様な主体が IT を介して協働するとともに、官民を問わず、あらゆるデータや サービスが有機的に連携し、新たなイノベーションを創発する社会を目指す。

2 .2 目指す社会像を実現するために必要となる行政:デジタル・ガ

バメント

「2.1 目指す社会像」を実現するために必要となる電子行政の要素を以下の とおり定める。 1)利用者中心の行政サービス  利用者にとって、行政サービスが、「すぐ使えて」、「簡単で」、「便利」で ある。  利用者にとって、行政のあらゆるサービスが最初から最後までデジタル で完結される。(行政サービスの 100%デジタル化) 2 「我が国が目指す『Society5.0』は、先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、 『必要なモノ・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供する』ことによ り、様々な社会課題を解決する試みである。」(「未来投資戦略 2017」(平成 29 年6月9日 閣議決定)第1 ポイント 基本的考え方 (今後の取組の視点))

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8 デジタル・ガバメントの実現は、単に情報システムを構築する、手続をオ ンライン化する、手続コストを削減するということを意味するものではない。 行政サービスは、そもそも、国民や企業に価値を提供するもの、又は国民や 企業が価値を創造する一助となるものでなければならない。こうした観点か ら、利用者中心の行政サービス改革を徹底し、利用者から見て一連のサービ ス全体が、「すぐ使えて」、「簡単で」、「便利」な行政サービスの実現を目指す。 サービス改革に当たっては、デジタル技術を徹底的に活用し、行政のあら ゆるサービスが、利用者にとって最初から最後までデジタルで完結する社会 を目指す。この際、サービスのフロント部分だけでなく、バックオフィスの 業務における情報のフローを一から点検した上で、書面や対面の原則、押印 等のデジタル化の障壁となっている制度や慣習にまで踏み込んだ業務改革 (BPR)の検討を行う。 2)行政サービス、行政データ連携の推進  行政サービスや行政データの連携に関する各種標準やシステム基盤が整 備されており、民間サービス等と行政サービス及び行政データの連携が 行われている。  行政サービス及び行政データが、設計段階から、他の機関や他のサービ スとの連携を意識して構築されている。 新たな事業機会の創出や、社会的な課題の迅速かつ柔軟な解決に資するよ う、行政が保有する様々なデータのオープン化や、行政サービスと民間サー ビスの連携を目指す。 具体的には、行政サービスや行政データの連携に関する各種標準、データ 活用のインタフェース、データ連携のためのシステム基盤を整備することに よって、官民を通じたデータ流通を促進する。加えて、行政サービスや行政 データを上記の各種標準に準拠させ、民間企業も含めた他の機関、他のサー ビスとの連携を意識した柔軟なシステムアーキテクチャやデータ構造とする ことによって、サービス同士の融合による新たなイノベーションの創出を目 指す。

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3 利用者中心の行政サービス改革

3 .1 「サービス設計 12 箇条」に基づくサービスデザイン思考の導

入・展開

「2 本計画が目指すもの(To Be)」で記載した行政サービスの利便性向上 については、これまでも累次の各種政府決定において記載されてきた。一方で、 こうした取組は、各種申請手続のユーザビリティの向上やビジネス環境の改善 等、利用者への具体的な価値の提供という点において、必ずしも十分な効果を 挙げてきたとは言い難い3 こうした反省を踏まえ、2013 年(平成 25 年)の内閣情報通信政策監(以下 「政府 CIO」という。)の設置以降、単なる IT 化ではなく、業務改革(BPR)を 前提とし、利用者にとっての価値や便益を創出することを念頭に置いた取組が 進められてきた。この取組は一定の成果を挙げており、これまで成し得なかっ た改革が少しずつ進みつつある。さらに、これによって、「どうやれば成功す るのか」ということについても、ノウハウが蓄積されつつある。 今般、デジタル・ガバメントの実現に向けたサービス改革を進めるに当たり、 これまでの取組から得られたノウハウを活かしつつ、サービスデザイン思考を 導入し、利用者中心の行政サービス改革を推進する。手続のフロント部分の電 子化だけでなく、サービスを受ける必要が生じた時からサービスの完了までの エンドツーエンドにわたる利便性の向上に向けた取組や、利用者の行動様式を 踏まえたサービス提供の在り方に係る検討を実施し、一連のサービス全体にお ける利用者の体験(UX:ユーザーエクスペリエンス)を最良とするサービスの 実現を目指す。 具体的には、利用者が「すぐ使えて」、「簡単で」、「便利」なサービスを追求 し、本計画に示されている「サービス設計 12 箇条」に沿い、一人一人の利用者 の行動、一つ一つの利用者との接点を捉え、サービスの分析及び設計を行う。 これによって、心理状態や行動等を含めた、サービスの利用者の体験全体が最 良となるようなサービスを提供する。さらに、提供されているサービスの内容、 品質が継続的に改善され、向上するような状態を実現する。 3例えば、我が国の行政手続のオンライン化については、「e-Japan 戦略」(平成 13 年 1 月 22 日高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定)以降、国が提供する実質的に全て の行政手続をインターネット経由で可能とすることを目指し、2003 年度(平成 15 年度) までに 1 万 3,000 以上の手続のオンライン利用を可能としてきた。しかしながら、利用者 ニーズや費用対効果についての考慮が不足しており、利用者への具体的な価値の提供には 十分につながらなかったことから、その後の計画において、書面も含めた申請等がない手 続については原則としてオンライン利用を停止する等の取組を行った経緯がある。

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10 1)「サービス設計 12 箇条」 利用者中心の行政サービスを提供し、プロジェクトを成功に導くために必 要となるノウハウを、「サービス設計 12 箇条」として以下のとおり示す。それ ぞれのルールの内容は、「デジタル・ガバメント推進方針」に盛り込まれたサ ービスデザイン思考を具体化したものであり、これまでの IT 化・業務改革 (BPR)の取組から得られたノウハウをベースとしつつ、サービス改革に関す る近年の国際的な動向を取り入れたものである。 各府省は、以下の 12 箇条を踏まえ、行政サービス改革を進めるものとする。 なお、サービスの設計に当たっては、コストの適正化とサービスの向上を 両立させるため、投資対効果の検証を十分に行う。 <サービス設計 12 箇条> 第1条 利用者のニーズから出発する 第2条 事実を詳細に把握する 第3条 エンドツーエンドで考える 第4条 全ての関係者に気を配る 第5条 サービスはシンプルにする 第6条 デジタル技術を活用し、サービスの価値を高める 第7条 利用者の日常体験に溶け込む 第8条 自分で作りすぎない 第9条 オープンにサービスを作る 第10条 何度も繰り返す 第11条 一遍にやらず、一貫してやる 第12条 システムではなくサービスを作る 第1条 利用者のニーズから出発する 提供者の視点ではなく、利用者の立場に立って、何が必要なのかを考える。 様々な利用者がいる場合には、それぞれの利用者像を想定し、様々な立場か ら検討する。サービス提供側の職員も重要な利用者として考える。ニーズを 把握するだけでなく、分析によって利用者が抱える課題・問題を浮き彫りに し、サービスの向上につなげる。 第2条 事実を詳細に把握する 実態の十分な分析を伴わない思い込みや仮説に基づいてサービスを設計す るのではなく、現場では何が起きているのか、事実に基づいて細かな粒度で 一つ一つ徹底的に実態を把握し、課題の可視化と因果関係の整理を行った上 でサービスの検討に反映する。データに基づく定量的な分析も重要である。

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11 第3条 エンドツーエンドで考える 利用者のニーズの分析に当たっては、個々のサービスや手続のみを切り取 って検討するのではなく、サービスを受ける必要が生じた時からサービスの 提供後まで(エンドツーエンド)の、他の行政機関や民間企業が担うサービ スの利用まで含めた利用者の行動全体を一連の流れとして考える。 第4条 全ての関係者に気を配る サービスは様々な関係者によって成り立っている。利用者だけでなく、全 ての関係者についてどのような影響が発生するかを分析し、Win-Win を目指す。 また、デジタル機器が使えない人も、IT を活用することによって便益を享受 できるような仕組みを考える。 第5条 サービスはシンプルにする 利用者が容易に理解でき、かつ、容易に利用できるようにシンプルに設計 する。初めて利用する人や IT に詳しくない人でも、複雑なマニュアルに頼ら ずとも、自力でサービスを利用して完結できる状態を目指す。また、行政が 提供する情報や、利用者に提出や入力を求める情報は、真に必要なものに限 定する。 第6条 デジタル技術を活用し、サービスの価値を高める サービスには一貫してデジタル技術を用い、利用者が受ける便益を向上さ せる。技術の進展に対応するため、IoT や AI 等の新技術の導入についても積 極的に検討する。これまでデジタル以外の手段で提供してきたものであって も、業務の見直しによるデジタルへの移行の可能性を検討し、サービスの改 善を図る。また、情報セキュリティとプライバシーの確保はサービスの価値 を向上させるための手段であることを認識した上で、デジタル技術の活用に よってサービスをセキュアに構築する。 第7条 利用者の日常体験に溶け込む サービスの利用コストを低減し、より多くの場面で利用者にサービスを届 けるために、既存の民間サービスに融合された形で行政サービスの提供を行 うなど、利用者が日常的に多くの接点を持つサービスやプラットフォームと ともに行政サービスが提供されるような設計を心掛ける。 第8条 自分で作りすぎない サービスを一から自分で作るのではなく、既存の情報システムの再利用や そこで得られたノウハウの活用、クラウド等の民間サービスの利用を検討す る。また、サービスによって実現したい状態は、既存の民間サービスで達成 できないか等、行政自らがサービスを作る必要性についても検討する。過剰 な機能や独自技術の活用を避け、API 連携等によってほかで利用されることを

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12 考慮し、共有できるものとするよう心掛ける。 第9条 オープンにサービスを作る サービスの質を向上させるために、サービス設計時には利用者や関係者を 検討に巻き込み、意見を取り入れる。検討経緯や決定理由、サービス開始後 の提供状況や品質等の状況について、可能な限り公開する。 第10条 何度も繰り返す 試行的にサービスの提供や業務を実施し、利用者や関係者からのフィード バックを踏まえてサービスの見直しを行うなど、何度も確認と改善のプロセ スを繰り返しながら品質を向上させる。サービス開始後も、継続的に利用者 や関係者からの意見を収集し、常に改善を図る。 第11条 一遍にやらず、一貫してやる 困難なプロジェクトであればあるほど、全てを一度に実施しようとしては ならない。まずビジョンを明確にした上で、優先順位や実現可能性を考えて 段階的に実施する。成功や失敗、それによる軌道修正を積み重ねながら一貫 性をもって取り組む。 第12条 システムではなくサービスを作る サービスによって利用者が得る便益を第一に考え、実現手段であるシステ ム化に固執しない。全てを情報システムで実現するのではなく、必要に応じ て人手によるサービス等を組み合わせることによって、最良のサービスを利 用者に提供することが目的である。 2)「サービス設計 12 箇条」の導入と普及(◎内閣官房、総務省) 内閣官房を中心に、「サービス設計 12 箇条」を含むサービスデザイン思考の 意義、手法、事例等についてのガイドを取りまとめ、β版を 2018 年 2 月目途 に発行する。また、2018 年内までに、「政府情報システムの整備及び管理に関 する標準ガイドライン」(平成 26 年 12 月 3 日 CIO 連絡会議決定)及び関連文書 (以下「標準ガイドライン群」という。)にサービスデザイン思考の要素を組 み入れる。 KPI:標準ガイドライン群へのサービスデザイン思考の要素の組み入れ (2018 年内)

3 .2 横断的サービス改革(行政サービスの 100%デジタル化)

利用者中心の行政サービスを実現するため、単に情報システムを作るだけで なく、デジタル化の前提として業務改革(BPR)や制度そのものの見直しを実施 した上で、「デジタル・ガバメント推進方針」の別紙「規制制度改革との連携

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13 による行政手続・民間取引 IT 化に向けたアクションプラン(デジタルファース ト・アクションプラン)」(以下「デジタルファースト・アクションプラン」と いう。)に示された以下の3原則に沿い、行政のあらゆるサービスを最初から 最後までデジタルで完結させる。(行政サービスの 100%デジタル化) ①デジタルファースト 原則として、個々の手続・サービスが一貫してデジタルで完結する。 ②ワンスオンリー 一度提出した情報は、二度提出することを不要とする。 ③コネクテッド・ワンストップ 民間サービスを含め、複数の手続・サービスがどこからでも/一か所で実 現する。 行政サービスの 100%デジタル化を実現するため、各府省は、所管する各手 続について、以下の 1)~4)の見直しを検討する。見直しに当たっては法令の改 正まで含めた検討を行い、一括整備法案の策定等の所要の措置を講ずる。 取組に当たっては、内閣官房(IT 総合戦略室)及び総務省は、内閣官房の他 の組織及び内閣府とも連携し、政府一体となった取組を推進する。 1)業務改革(BPR)の徹底(◎内閣官房、内閣府、総務省、全府省) 行政手続の存在を前提とし、そのデジタル化自体が目的化すると、本来目 指している「利用者の利便性向上」が二の次とされてしまうおそれがある。 我が国においても、過去に、国の全行政手続オンライン化が目的化したこと で、そもそも年間手続件数が 0 件の手続のオンライン化や費用対効果の見合わ ない情報システムの構築を行い、結局、利用者の利便性向上や行政の効率化 という成果が十分得られなかった。利用者中心の行政サービスを実現する上 で、行政手続及びそのオンライン化はあくまで手段と認識することが必要で ある。 こうした観点から、デジタル化の効果を最大限に発揮するためにも、以下 の 2)~4)の取組に先立ち、デジタル化の目的である「利用者の利便性の向上」 に立ち返った業務改革(BPR)及び制度そのものの見直しに取り組む。 具体的には、各府省は、サービスのフロント部分及びバックオフィスの業 務の双方を対象に、利用者から見たエンドツーエンドで事実を詳細に把握し た上で、各業務において、利用者がサービスを受ける際の最適な手法につい て検討を行う。 その際、どのようなツールが使えるかという発想ではなく、まず、利用者 のニーズ、利用状況及び現場の業務を詳細に把握・分析した上で、あるべき プロセスを制度・体制・手法を含めて一から検討する。利便性の高い行政サ

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14 ービス及び業務の効率化を実現する上で最も障害になるのが、ユーザー視点 の欠如、現状を改変不能なものと考える姿勢、慣習への無意識な追従などの 「意識の壁」である。業務改革(BPR)の徹底の過程で一から制度等を見直す 中で、これを取り払っていくことが最も重要である。 また、単純に思えた問題事象の裏には日常意識しない様々な原因・問題が 隠れており、表面的な現象に目を奪われ、その部分だけを修復しようとする と、問題の根が残ったままで再発するおそれがある。事実を一つ一つ丁寧に 把握して問題の真因をつかむことで、本当に必要な対策を講じることができ るのであり、既存のルール・仕事のやり方に囚われずに、解決策を組み立て、 業務フローを再設計する。 2)手続オンライン化の徹底(◎内閣官房、内閣府、総務省、全府省) 行政手続のオンライン化のメリットは、簡便な手法で行政サービスを利用 できることによってサービスを受ける際のコストを削減でき、また、24 時間 365 日行政サービスを受けることができるというサービスの大幅な利便性の向 上にある。 「1)業務改革(BPR)の徹底」を行った上で、各府省は、上記のような利 便性の高い行政サービスや、行政機関における業務の効率化を実現するため、 上記3原則に従って、所管する手続について法令・情報システムの改善の取 組を行い、改善の方向性を各府省中長期計画(「5 価値を生み出す IT ガバナ ンス」参照。以下同じ)に盛り込む。 KPI:オンラインによって利便性を高めるべき手続の年間手続件数のうち、 オンラインで処理されている件数の割合(下図参照:Cの年間手続件数/A の年間手続件数) KPI:オンラインによって利便性を高めるべき手続の年間手続件数のうち、 所要の法令・システムが整備されておりオンラインで処理され得る件数の割 合(下図参照:Bの年間手続件数/Aの年間手続件数) KPI:オンラインで処理され得る手続の年間手続件数のうち、オンライン で処理されている件数の割合(下図参照:Cの年間手続件数/Bの年間手続 件数)

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15 ア.行政サービスの利便性向上 業務改革(BPR)を徹底する過程で把握した利用者のニーズを踏まえ、行 政サービスの利便性の向上を図る。特に、現在オンラインで提供されている 行政サービスのオンライン利用率は、高いものから低いものまで千差万別で ある。各府省は、一つ一つの手続について、オンラインで行う場合と書面で 行う場合の実態を把握した上でオンライン利用のインセンティブを付与する など、オンライン利用の利便性向上に取り組む。 <オンライン利用のインセンティブ例>  手続の簡便性(添付書類の扱い、本人確認手法)  許認可に要する処理時間(優先処理等)  利用者の手続コスト 利便性向上の検討に当たっては、各府省は、「4.プラットフォーム改革」 の「本人確認手法の見直し」も踏まえ、マイナンバーカードに搭載された公 的個人認証を活用した本人確認や、同カードと電子委任状を活用した代理権 を確認できる仕組みなど、新たな本人・属性等の確認手法を含む様々な選択 肢の中から、各手続に見合った手法を採用する。 イ.制度・法令の見直し 業務改革(BPR)を徹底する過程で、制度そのものまで踏み込んだ見直し

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16 を行い、デジタル技術の活用による当該手続の代替や、他の手続との統合等、 手続の簡素化や廃止の可能性について検討を行う。 なお、行政手続等の棚卸において、年間の手続件数が 0 件である手続が約 1 万 3,000 種類存在することが明らかとなっている。こうした手続や、年間 の手続件数が少数である手続について、各府省は、内閣官房が整理する基本 的な考え方を踏まえ、手続を規定する必要性を精査し、不要であれば手続を 廃止する。 また、業務改革(BPR)を踏まえ、各府省は、所要の法令・制度の見直し を行う。特に、法令上オンライン手続が認められていない手続については、 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成 14 年法律第 151 号)に係る主務省令を整備するなど、法令上の措置を検討する。 ウ.情報システムの見直し 業務改革(BPR)を踏まえ、各府省は、引き続き情報システムに係る費用 対効果に留意しつつ、所要の情報システムの整備・改修を行い、手続のオン ライン化を進める。この際、フロント部分のシステム化だけでなく、バック オフィス業務の情報システムの整備も視野に入れて検討を行う。また、過去 にオンライン手続を停止したものについても、停止理由を分析し、その理由 によっては、最新の技術動向を踏まえ、廉価で実施できるかを検討する。 エ.民-民手続におけるオンライン化の推進(◎内閣官房、全府省) 民-民手続のうち、法令上、オンライン手続が認められていないものが存 在する。内閣官房は、2017 年度(平成 29 年度)末までに、そのような手続 について、オンライン手続を認めていない阻害要因とともに取りまとめ、公 表する。 あわせて、そのような法令を所管する各府省は、オンライン手続を認めて いない阻害要因の類型に応じて、以下の表を参考にしつつ、2017 年度(平成 29 年度)末までに、必要な法令等の見直しに係る検討を行う。 【表】阻害要因の類型と対応の方向(案) 阻害要因の類型 対応の方向(案) ①国際法上、現物を備え付けること が求められるもの 国際的なデジタル化の動きを踏まえ て対応を検討する。 ②証明書や認可書等の性質を有して おり、書面で提示することが求め られるもの スマートフォンやタブレットなどを 用いた、非書面での対応ができるか どうかを検討する。 ③消費者保護の観点から、書面での 手続が求められるもの 消費者被害の実態を踏まえ、書面に 代えて、オンラインでの手続を認め

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17 ることに伴う被害の拡大のおそれが ないと認められる分野について、あ らかじめ消費者の明確かつ個別の同 意が得られる場合には、消費者の利 便性も勘案し、書面に代えて、オン ラインでの手続を認めることを検討 する。 ④①~③以外の要因で、手続のプロ セスの中でオンラインには代える ことのできない現物が介在するも の 現物が書面である場合、真正性の確 保を前提としつつ、オンラインでの 手続を認めることを検討する。 ⑤出頭又は対面を要するもの 出頭又は対面の必要性を徹底的に検 証した上で、必要性が認められない ものは、出頭・対面を取りやめる。 真に出頭・対面が必要であっても、 テレビ電話など、先端技術の活用に より、出頭・対面に代えることを検 討する。 ⑥手続をオンラインで実施する場合 の情報システムの費用に対して、 効果が低いと判断されるもの システム構築は、民間セクターで判 断するものであるとの考え方に基づ き、法令上の措置(緩和)を検討す る。 一方、民-民手続のうち、法令上、オンライン手続が認められている場合 においても、押印を求める社会慣習などによって、デジタル化が進んでいな い場面もある。 このため、内閣官房は、2017 年度(平成 29 年度)末までを目途に、先端 技術を活用して書面・対面なしで取引を完結させている事例集を取りまとめ、 民間事業者の取組を促す。あわせて、「デジタルファースト・アクションプ ラン」において示されている①株主総会プロセスの電子化、②不動産取引に おける重要事項説明のオンライン化、③国家資格の取得更新時における e-ラ ーニングの活用といった事項を含めて、行政機関において率先的に取り組む べき事項を取りまとめ、順次、実施することにより、官民双方が社会全体の デジタル化に向けた意識改革を行っていく。

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18 3)添付書類の撤廃に向けた取組 マイナンバー制度等を活用し、行政機関が保有する様々な情報を異なる行 政機関同士で連携すること等によって、行政機関に一度提出した情報の再提 出の原則不要化(ワンスオンリー)の実現を目指す。 その第一段階として、既に行政機関が保有している情報について、行政手 続における添付書類の提出を一括して撤廃する。このための法案を、以下の ア及びイの関係法令の改正の検討と合わせ、可能な限り速やかに国会に提出 する。 個々の手続について、具体的には、例えばマイナンバーカードの活用によ る住民票の写しの添付省略など、添付書類の提出をデジタル技術の活用で代 替することはできないか、そもそも添付書類に記載されている情報を取得す る必要があるか、事後に必要に応じて情報を参照することで代替できないか 等の観点から情報取得の必要性を確認することや、取得する情報の行政機関 内における所在を確認すること等を実施した上で、行政機関の他の情報シス テムとの連携の在り方についても費用対効果も含め検討する。また、民間が 発行する各種書類等、行政機関が現時点で保有していない情報についても、 情報連携による取得の可能性や、添付書類そのものの必要性を精査し、可能 な限り添付書類の提出不要化を目指す。 まずは、個人及び法人に関連する添付書類の中でも、件数が多く添付省略 により効果が大きいと考えられる以下の書類の省略に取り組む。 また、下記の取組に加え、「4 プラットフォーム改革」に記載の各種施策 の進捗を踏まえつつ、行政が保有する各種情報の連携を進め、ワンスオンリ ーの実現を目指す。 ア.住民票・戸籍謄抄本等の添付省略(◎内閣官房、◎内閣府、総務省、法 務省、全府省) 行政手続等の棚卸によると、個人が行う行政手続においては、申請時の添 付書類として住民票の写し等を求める手続が 1,180 手続、戸籍謄抄本等を求 める手続が 810 手続存在する。各府省は、これらの手続について添付省略の 可能性を検討する。内閣官房は、2017 年度(平成 29 年度)末までに各府省 の検討結果を取りまとめる。その上で、情報提供を行う立場である総務省及 び法務省の協力を得て、内閣府や添付省略の可能性のある手続を所管する各 府省と連携し、添付書類の省略に向けたマイナンバーカードの活用やバック オフィス連携の仕組みについて検討する。その際、関係府省においては、関 係法令の改正も視野に入れる。法務省は、戸籍事務へのマイナンバー制度の 導入について、2019 年通常国会への法案提出に向けて検討を進める。 各府省は、内閣官房が整理する基本的な考え方を踏まえ、これらの検討結

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19 果を各府省中長期計画の中に盛り込むとともに、内閣官房は、住民票の写し や戸籍謄抄本等の添付省略に向けた方策を取りまとめる。 KPI:住民票の写しの添付が必要な手続の種類数 KPI:戸籍謄抄本等の添付が必要な手続の種類数 イ.登記事項証明書(商業法人)の添付省略(◎内閣官房、◎総務省、◎法 務省、全府省) 登記事項証明書(商業法人)の提出を必要とする全手続について、情報連 携の仕組みが構築される 2020 年度以降、登記事項証明書の提出の原則不要化 を実現する。 法務省は、「登記・法人設立等関係手続の簡素化・迅速化に向けたアクシ ョンプラン」(平成 28 年 10 月 31 日 CIO 連絡会議決定)に基づき、2020 年度 までに、各府省のニーズを踏まえて、情報連携の仕組みを構築する。 各府省は、行政手続等の棚卸の結果を踏まえ、登記事項証明書(商業法人) の提出を必要とする全手続について、添付省略に向けた①業務フローの見直 し、②情報連携手法の検討、③必要となる制度改正の検討を実施する。検討 結果については、各府省中長期計画の中に、添付省略の実施に向けた工程表 として記載する。 また、必要となる制度改正のうち法律の改正が必要な手続については、総 務省の協力を得つつ、内閣官房において、登記事項証明書の添付省略を可能 とするための関係法令の改正を検討する。各府省は、所管する法律について 必要となる制度改正の検討を実施し、内閣官房及び総務省における作業への 協力を行う。 KPI:登記事項証明書(商業法人)が必要な手続の種類数 4)ワンストップサービスの推進 サービスを受ける際の利便性を大幅に向上させ、利用者がその利便性を実 感できるよう、関連するサービスのワンストップ化を推進する。この際、保 有する行政サービスや行政データに関する API の整備を推進し、民間サービス も含めた他サービスとの連携を促進する。これによって、行政サービスだけ でなく、利用者が日常的に接する民間サービスや地方公共団体のサービスま で含めたワンストップ化(コネクテッド・ワンストップ)を推進する。 具体的な取組の第一歩として、行政手続等の棚卸結果から重要性が抽出さ れた、以下の 3 分野をコネクテッド・ワンストップの先行分野として取組を進 め、得られたノウハウや成果を他の分野に展開していく。 また、下記の取組に加え、「4 プラットフォーム改革」に記載の各種施策 の進捗状況を踏まえつつ、民間サービスも含めた他サービスとの連携を促進

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20 し、コネクテッド・ワンストップの実現を目指す。 ア.引越しワンストップサービス(◎内閣官房、関係府省) a)現状と課題(As Is) 転居に際し、様々な行政機関や民間事業者に対して、ほぼ同一の情報を 個別に届け出る必要があり、その都度、手続負担が生じている。また、転 居する者が、住所変更手続をとるべき相手方を網羅的に把握できず、手続 漏れが発生しやすい状況となっている。 一方、インターネットやモバイル端末等の急速な普及に伴い、従前、書 面にて自宅に送られてきていたサービスの利用明細等が専用の Web サイト上 で確認できるようになるなど、現住所に関わらず日常的にサービスを受け られる場面も増えており、転居する者にとって、住所変更手続を行う必然 性が相対的に低下している。 b)実現したい状態(To Be) 転居時において、様々な場面で必要であった住所変更手続が、当事者が 可能な限り意識することなく処理されるように、その回数が最少化される ことにより、新しい生活をスムーズにスタートアップすることができる。 c)具体的な取組(To Do) イ)住所変更手続の廃止検討 各府省は、行政手続等の棚卸を通じて、転居に伴って発生する手続を特 定し、当該手続に係る事務を遂行するに当たり、国民一人一人の現住所を 把握・管理しなければならない理由を整理する。その上で、①現住所がな くても事務を遂行することができる手続、②バックオフィス連携によって 現住所を捕捉できれば事務を遂行することができる手続を洗い出す。これ らの手続については、内閣官房が整理する基本的な考え方を踏まえ、住所 変更手続自体の廃止を検討し、その結果を各府省中長期計画に盛り込む。 内閣官房は、こうした取組を通じ、民間事業者の協力等を得て、民間事 業者においても住所変更手続自体の廃止検討を促進する。 ロ)住所変更手続のワンストップ化 各府省は、個別に住所変更が必要と判断される手続について、原則とし て、手続をオンライン化するとともに申請機能に係る API を公開すること とし、それに向けた検討結果を各府省中長期計画に盛り込む。 KPI:引越しに係る行政手続のうち API を公開しているものの数 KPI:引越しに係る手続のワンストップサービスの実現

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21 イ.介護ワンストップサービス(◎内閣官房、◎厚生労働省) a)現状と課題(As Is) 2025 年には団塊の世代全てが 75 歳以上となるなど、高齢化社会は今後更 に進展することが見込まれており、高齢者の自立支援や重度化防止に向け、 地域の特性に応じて取り組むことが重要である。現在、要介護・要支援認 定者数は 620 万人を超えていることから、介護者の負担軽減の一助として、 行政手続の簡素化や享受できるサービスに関する情報を分かりやすく提供 することが必要である。 介護における負担状況を考える際、関係者毎に抱える課題は異なること から、各視点での現状把握が必要である。 イ)介護者(家族) 介護する立場になるまで介護に関する情報や知識を備えようという意識 が働きにくく、いざ介護する立場になったとしても、どこに相談すればよ いか、情報はどこから得られるかが分からず不安を抱えている。 ロ)行政手続の代行申請が可能な介護支援専門員(以下「ケアマネジャー」 という。)等 要介護・要支援認定の申請等の行政手続については、ケアマネジャー等 が申請者に代わって行うことができるが、オンライン化されている手続は 少なく、申請書の地方公共団体への持ち込み・郵送での負担がかかってい る。 b)実現したい状態(To Be) 介護や介護予防のために必要な行政手続を含むサービス情報を得られ、 行政手続のオンライン化により、時間・場所を問わず、Web サイト上でサー ビスの検索から申請までが可能となるワンストップサービスを実現するこ とで、介護者(家族)の不安の軽減並びに行政手続を申請する者の手続に 係る負担が軽減される。これにより、ケアマネジャー等の介護に従事する 者の負担軽減が図られ、介護サービス利用者への自立支援や悪化の予防に つながるような支援への注力が期待できる。 c)具体的な取組(To Do) 内閣官房と厚生労働省は、デジタルファースト原則の下、介護者(家族) や行政手続を代行することが可能であるケアマネジャー等の負担状況に鑑 み、行政手続等の棚卸結果等を踏まえオンライン化を可能とする行政手続 の選定について検討を行い、2017 年度(平成 29 年度)内にワンストップサ ービス実現に向けた方策を取りまとめる。 厚生労働省は、内閣官房とともに、ワンストップサービス実現に向けて

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22 検討を行い、当該検討を踏まえて各府省中長期計画に盛り込み、2018 年度 以降可能なものからワンストップサービスを開始する。 KPI:課題の整理、方策の取りまとめ(2017 年度(平成 29 年度)) ウ.死亡・相続ワンストップサービス(◎内閣官房、関係府省) a)現状と課題(As Is) 行政手続等の棚卸調査において、「死亡・相続」に関連する手続は多数存 在し、その大半がオンライン化されていない。また、我が国の年間死亡者 数は直近で約 130 万人と増加傾向にある事からも、相続人の手続に係る負担 やその手続を受ける行政機関・民間事業者等の負担軽減に向けた取組が必 要である。「死亡・相続」に関して、死亡届・年金手続・不動産名義変更・ 税務申告といった行政手続は、それぞれ地方公共団体・年金事務所・法務 局・税務署と行わなければならず、金融機関を始めとした民間事業者にお いても、各機関に対し戸籍謄抄本等の提出をするなど繰り返し手続を行っ ており、亡くなった人の財産保有状況等によって必要となる手続先は異な るなど、相続人の負担は大きい。また、行政機関間での手続もデジタル化 されておらず、死亡者数増加に伴う手続件数の増加により行政側のコスト も増大している。 b)実現したい状態(To Be) ①相続財産の把握など必要となる手続先を容易に確認できる仕組み、② 行政手続のバックオフィス連携等による手続の最少化やデジタル化による 業務改革、③オンラインでどこからでも手続を可能とするワンストップ化、 により相続人や行政機関・民間事業者の負担を軽減する。 c)具体的な取組(To Do) 内閣官房は、2017 年度(平成 29 年度)内に「死亡・相続」手続に関する 相続人・各行政機関の負担状況や課題の整理を行い、ワンストップサービ スの対象とする手続を検討する。2018 年度内に関係府省と課題解決に向け た調整を開始し、ワンストップサービス実現に向けた具体的な方策を取り まとめる。2019 年度以降に制度改正等を踏まえ、可能なものから順次サー ビスを開始する。 関係府省は、2018 年度内の方策の取りまとめに向け、内閣官房とともに 課題解決に向け検討を行う。 なお、「死亡・相続」に関する行政機関間の情報連携として、総務省、法 務省及び国税庁は、2018 年6月末までに地方公共団体から税務署長へ通知 する死亡等に関する事項(相続税法第 58 条の規定による通知書)のデジタ ル化やデータ提供方式等を検討し、実現に向けた方針を策定する。

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23 KPI:課題の整理(2017 年度(平成 29 年度)) KPI:方策のとりまとめ(2018 年度)

3 .3 個別サービス改革

横断的な取組に加え、国民・事業者等に対して大きな影響を持つ重要分野に ついては、政府全体で進めるべき取組として先行的にサービス改革を実施する。 以下の観点から選定された(1)から(15)までの各施策について、個別サー ビス改革を推進する。 〇「行政手続等の棚卸」等を踏まえ、特にニーズが高いと判断されるもの  国民・企業の主要なライフイベントに関する手続を含むサービス  各種添付書類を多く求めている手続を含むサービス  手続件数が多く、国民企業等への影響が大きいサービス 各個別サービス改革は、標準ガイドライン群に基づき政府 CIO レビューの対 象に指定するとともに、内閣官房及び総務省が組織するサービス改革推進チー ム(「5.価値を生み出す IT ガバナンス」参照)による支援の候補とする。具 体的な支援施策や支援対象部分、支援内容等については、各府省中長期計画の 策定状況を踏まえつつ決定する。 各事項の詳細については(別紙)「デジタル・ガバメント実行計画 個別サ ービス改革事項(詳細)」参照 (1)金融機関×行政機関の情報連携(預貯金等の照会)(◎内閣官房、内閣 府、金融庁、総務省、財務省、厚生労働省、関係府省) 行政機関から金融機関に対して行われる預貯金等の照会は、いまだ大量か つ多様な書面が残る業務である。官民双方の業務フローを整理した上で、原 則としてデジタル処理を前提とした業務へと移行していくことにより、官民 双方の負担を大幅に軽減するとともに、迅速かつ適正な行政事務の遂行を達 成する。 (2)遺失物法関係サービスの利便性向上(◎国家公安委員会・警察庁) 遺失物法関連サービスについては、2017 年(平成 29 年)4 月の遺失物法施 行規則等の改正において、特例施設占有者指定要件の緩和、電話確認での拾 得物の返還を可能としたところである。この取組の状況を踏まえ、更なる利 便性向上に向け、サービス改革に取り組む。 (3)自動車安全運転センターによる各種証明書発行サービスの利便性向上

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24 (◎国家公安委員会・警察庁) 交通事故証明書の交付について、損害保険会社における業務の効率化及び 交通事故の当事者への迅速な保険金支払等を可能とするため、オンライン申 請を実施する損害保険会社の拡大を図る。 また、運転経歴に係る証明書の交付について、一括申請を行う企業等の事 務負担を軽減するため、Web サイトから企業一括申請に係る申請書及び委任 状の様式のダウンロードを可能とする。 (4)無線局開設手続等に係る行政サービスの更なるデジタル化(◎総務省) 電子申請の普及促進により、無線局開設手続等における利便性の向上や、 速やかな無線局の開設など、行政サービスの向上が進められるよう、個人免 許人が主に使用する「電波利用電子申請・届出システム Lite」において、 「マイナポータル」との SSO(シングル・サイン・オン)を実現する。また、 電波利用ホームページにおいて提供している無線局情報を機械的に取得可能 とするため、現在の無線局情報検索機能に WebAPI を導入する。 (5)住民税の特別徴収税額通知の電子化等(◎総務省) 市区町村から事業者へ提供される住民税の特別徴収税額通知(特別徴収義 務者用)は、電子的な通知が可能となったものの、多くが書面で行われてお り、電子化を進めることにより、官民双方の負担を軽減する。 また、市区町村から事業者を経由して個人へ提供される住民税の特別徴収 税額通知(納税義務者用)は、電子情報処理組織(eLTAX)により特別徴収 義務者を経由し、送付する仕組みを、地方公共団体間の取扱いに差異が生じ ないよう配慮しつつ検討を進める。 (6)電子調達サービスの利便性向上(◎総務省、全府省) 物品・役務に係る競争入札参加資格申請時の添付書類に関し、関係府省の 協力の下、必要性や利用者の負担軽減について再整理し、対応案の検討を行 う。また、電子調達システムの利用率の向上に向け、各府省と利用者の双方 の実態把握及び課題整理を行う。さらに、調達業務の API による情報連携に ついて、民間企業や各府省のニーズを踏まえ、対象データ及び機能の検討を 進める。これらの取り組みによって、公共調達市場における事業者の参加機 会の拡充、柔軟化に資する。 (7)法人設立手続のオンライン・ワンストップ化、法人登記情報連携の推進 (◎法務省、内閣官房、内閣府、総務省、財務省、厚生労働省) 世界最高水準の起業環境を目指して、利用者が全手続をオンライン・ワン ストップで処理できるようにする。また、各行政機関間において法人登記の 情報連携を可能とすることにより、各種手続における法人の登記事項証明書

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25 の添付省略を実現する。 (8)在留資格に関する手続のオンライン化(◎法務省) 我が国の中長期在留者数は増加傾向にあり、在留諸申請の受付に長時間を 要するようになっている。これらの申請をオンライン化することで、地方入 国管理官署の窓口に出頭する負担の軽減、在留審査手続の大幅な円滑化及び 迅速化を実現し、在留資格に関する手続の利便性を高めるとともに、そのた めに必要な情報の把握などにより、在留管理基盤を強化する。 (9)旅券発給申請方法等のデジタル技術の活用による多様化(◎外務省) デジタル技術を活用した申請方法等の多様化に向けて、申請者のニーズを 踏まえた手続の在り方を検討する。旅券発給審査時に必要となる情報等につ いて、引き続き精査・検討し、法務省と協議の上、マイナンバー制度におけ る情報連携の仕組みを活用して審査に必要な戸籍情報の入手が可能となれば、 原則として、旅券発給申請時における戸籍謄抄本の提出を省略することとし、 旅券発給における国民の利便性向上を図る。 (10)相続税申告のオンライン化(◎財務省) 税務手続については、申告納税制度の下、適正・公平な課税の観点も踏ま えつつ、IT の活用等により、利便性の高い納税環境の整備を進めているとこ ろであるが、近年の税制改正、高齢化の進展等により相続税の申告件数が増 加している中、相続税申告書の提出手段を多様化し納税者の利便性を向上さ せるとともに、税務行政の効率化を図る観点から、相続税申告書をインター ネット経由(国税電子申告・納税システム(e-Tax))で提出可能とする。 (11)社会保険・労働保険関係の電子申請の利用促進(◎厚生労働省) 企業の担当者が行政機関へ申請するために必要となる交通費・郵送コスト や行政機関での待ち時間が軽減でき、また、行政機関側においても、紙の記 載内容を電子化する作業が軽減できるよう、対象手続、事業規模等を検討し、 関係機関と調整の上、一定規模以上の事業所については電子的申請を義務化 することで、円滑な社会保険・労働保険関係サービスの提供を実現する。 (12)公的年金関連サービスのデジタル化(◎厚生労働省) 記録管理システム及び基礎年金番号管理システムの刷新により、届書の処 理期間の短縮を図る。また、「ねんきんネット」等の個人向けの情報提供に ついては、一定の条件や費用対効果を勘案しつつ、年金個人情報であること を踏まえたマイナポータルや API 等の適正な活用も含め、利用者にとってよ り利便性等の高い方法で閲覧できる方策等を検討する。

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26 (13)ハローワークサービスの充実(◎厚生労働省) 原則来所が前提となっている求職登録、職業紹介等のサービスをオンライ ン化するとともに、求人検索等、既にオンライン化されたサービスについて 利便性を高め、求職・求人活動一般について、来所を要せず、オンラインサ ービスでそれぞれ自主的に行えるようにする。 また、定型的な事業所サービスのオンライン化により効率化を図る一方で、 不採用が続く求職者、指導等が必要な求人者の支援に対しては、窓口へ来所 勧奨を行うなど個々の求職者の状況を踏まえた個別支援や就職後の定着支援 を強化し、また、求人者に対しては、多様なニーズに対応した効果的なマッ チングを実現するよう、事業所の実態把握を踏まえた充足支援を徹底するな ど、「真に支援が必要な利用者」への支援を充実する。 (14)特許情報提供サービスの迅速化(◎経済産業省) 発明、デザイン、ブランド等によるイノベーションの成果を最大限に活用 し、積極的に世界市場への事業展開が進められるよう、制度利用者や特許情 報を利活用する民間事業者が、特許公報により迅速にアクセス可能とするた め、公報システムを刷新する。また、特許、実用新案、意匠及び商標に関す る書誌情報・経過情報のデータ提供を迅速に行えるよう、システム開発を実 施する。 (15)自動車保有関係手続のワンストップサービスの充実(◎国土交通省、 国家公安委員会・警察庁、総務省、財務省) 自動車保有に係る各種行政手続に関し、IT 技術を活用することにより申請 者負担の軽減、業務の効率化を図り、ひいては労働生産性の向上と新規分野 への人的資源の再配置が進展するよう、オンライン・一括で行うことができ るワンストップサービス(OSS)を充実させる。このため、OSS の未導入の地 方公共団体に対しシステム構築などの環境整備を働きかけるとともに、事業 者等へ申請方法などの周知を行うほか、利用拡大の阻害要因の解決に向けて 検討・取組を進める。また、OSS の対象手続・車種の拡大について、関係府 省等の協力の下、システム開発・環境整備を進めていく。

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4 プラットフォーム改革

4 .1 行政サービス、行政データ連携の推進

多様なサービスやデータをスムーズに連携させ、高度かつ便利なサービスを 実現するためには、連携データや API の仕様を標準化するとともに、それぞれ の情報システム等で保持しているデータを常に適切な品質に維持し、相互運用 性を高めることが必要である。 行政分野においては、こうした標準化の取組は一層重要なものとなる。行政 は、個人や企業等の社会経済活動に必須となるサービスの提供や、統計等の社 会の基礎データの収集及び提供を担っており、社会における情報の流れの基盤 として機能している。したがって、行政分野におけるサービスやデータの標準 化を推進し、サービス及びデータ連携の基盤を整備することは、行政のみなら ず民間事業者等における業務の効率化やデータ活用を促進 4すると考えられる。 また、標準化されたデータを積極的にオープンデータとして公開することで、 官民を通じた幅広いデータの連携やサービスの向上も期待される。 こうした背景を踏まえ、以下の取組を進めることによって、行政サービス及 び行政データ連携基盤の構築及び活用を推進する。さらに、民間との連携を行 うとともに社会のグローバル化に対応するため、連携基盤はグローバルな連携 を前提として進めていく。 なお、各情報システムにおける対応を進めるに当たっては、設計段階からデ ータ連携やオープンデータ等による活用を想定することが重要である。既に構 築されている情報システムや機能について個別に標準化への対応を行う場合、 改修コストの負担や、そもそものデータ収集方法の問題等によって、対応可能 な範囲に限界が存在することが少なくない。情報システムの新規構築や、大規 模な改修及び更改等の機会を捉え、設計段階から適切なシステムアーキテクチ ャ及びデータ構造やデータ収集・管理方法となるよう、対応を行っていく必要 がある。 4 例えば国税庁や金融庁においては、民間事業者等から提出される財務諸表、有価証券報告 書等のデータのフォーマットの一つとして国際的な標準言語である XBRL を利用してい る。これは行政が集計しやすいだけではなく、データを活用する民間事業者等にとって も、企業間又は経年での比較といったデータ活用が容易になるなど、様々なメリットがあ ると言われている。

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28 1)行政データ標準の確立 ア.行政データ連携標準(仮称)の策定(◎内閣官房、全府省) 官民を通じた分野横断のデータ連携を行うためには、日付、公共施設・観 光施設等の住所等の基本的なデータ形式の標準化が必要となるが、行政機関 におけるデータ実装レベルでは、いまだこうした基本的なデータやコードの 記法に揺らぎが存在している。これまでは人が目視で確認する等によりその 揺らぎを吸収してきたが、データ連携が前提となる現在においては、揺らぎ を抑える仕組みが必要である。 このため、内閣官房は、日本工業規格(JIS)や関連する国際標準等とも整 合性をとりつつ、日付、公共施設・観光施設等の住所等の行政データを連携 するための記法の標準を 2017 年度(平成 29 年度)末までに整備するととも に、必要に応じて改定、拡充を実施する。 各府省は、今後データ連携に使うデータを整備する際は、この標準を適用 することとする。また、内閣官房は関係府省と協力して町字識別子及び町字 情報の整備方針を 2017 年度(平成 29 年度)末までに策定する。 KPI:行政データ連携標準(仮称)の策定 KPI:標準化対象データ数 イ.文字情報基盤の活用等による文字環境の整備(◎内閣官房、◎経済産業 省、法務省、財務省、全府省) 文字情報基盤については、2017 年(平成 29 年)に国際標準(ISO/IEC 10646 第 5 版)が完了したところである。本基盤の活用を推進するとともに、 更なる環境の整備を実施し、文字情報に関する相互運用性を確保する。 各府省は、今後情報システムを整備する際、一般的業務に係る行政システ ムにおいては使用する文字の範囲は JIS X 0213 を原則とし、UCS5に従った表 現(符号化及び記述法)でシステムの設計・構築を行う。加えて、現在個別 に外字を使用している情報システムは更改時にその必要性を見直す。この際、 戸籍氏名文字を表すことが必要な場合には、情報システムの現状を把握しつ つ、文字情報基盤を通じたデータ連携を可能とする。 内閣官房は関係府省の協力の下、漢字、代替文字、フリガナ及びローマ字 等を含む文字情報の現状や導入方法に関するガイドを 2017 年度(平成 29 年 度)末までに整備する。 法人名に関しては、内閣官房は関係府省と協力し、法人名の英語表記の普 及を図る。法務省は登記申請書への法人名のフリガナの記載を 2018 年度早期 に開始する。

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29 KPI:文字情報の導入方法に関するガイドの策定 KPI:地方公共団体の調達における文字情報基盤参照割合 ウ.共通語彙基盤の推進、コード体系の確立(◎内閣官房、◎経済産業省、 全府省) 官民を通じた分野横断のデータ交換を促進するため、各情報システムが持 つデータ項目やデータ構造の標準化を推進する。このため、データ交換基盤 である共通語彙基盤の整備及び活用を推進し、データ全体が正確に交換、活 用できる環境を実現する。また、国際的なデータ連携を実現するため、米欧 の行政用データ基盤とグローバルな連携を図る。さらに、語彙を定義する中 でコードを定義する必要がある。既存語彙の関係性の整備等を通じて、社会 の基本となるコードの整理を実施する。 内閣官房は、イベント、施設、設備等の社会基盤に関する分野、広報、調 達、制度、法人活動等の社会活動に関する分野を重点分野とし、本分野に関 する共通語彙基盤及びコード体系を、行政データ連携標準及び文字情報基盤 とともに、2017 年度(平成 29 年度)末までにリスト化(行政データ標準リ スト(仮称))するとともに、必要に応じて改定、拡充を実施する。各府省 は、2018 年度以降、政府情報システムの新規開発又は次期の更改、若しくは 大幅な改修時期を見据え、原則として行政データ標準リスト(仮称)に従っ た形で情報システムの設計・構築を行うことができるようルールを整備する。 さらに、官民データ連携の一環として地方公共団体及び民間への展開を図っ ていく。 KPI:実装ガイド数 KPI:地方公共団体の調達における共通語彙基盤参照割合 2)行政保有データの 100%オープン化(◎内閣官房、総務省、経済産業省、全 府省) 行政保有データの原則オープンデータ化を徹底し、データを活用したイノ ベーションや新ビジネスの創出を後押しする。「官民ラウンドテーブル」の開 催や行政保有データの棚卸結果の公開等を通じ、各府省が能動的に利用者の ニーズを把握し、個人及び法人の権利利益、国の安全等が害されることのな いようにしつつ、ニーズに即したオープンデータの取組を進める。また、行 政保有データが、その収集から管理、提供に至るまで可能な限り自動的に品 質が維持され、機械判読に適したデータ形式やレイアウトで、API 等を通じオ ープンデータとして提供されるように業務・システムの設計・運用を行う。 これによって、行政保有データが民間事業者等によって積極的に活用される とともに、行政内部でも政策の企画・立案等に活用されている状態を目指す。

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30 ア.オープンデータに係るニーズの把握と迅速な公開 各府省が保有しているデータのリストを自ら公開し、利用者からオープン データの公開要望を募ったり、相談窓口や民間事業者等と直接対話をする場 を設けるなど、利用者のニーズを把握するための取組を 2018 年度から継続的 に行う。また、その結果得られた公開要望のうち、オープンデータとしての 公開が可能と判断したものは速やかに公開するとともに、データカタログサ イトへ登録する。また、オープンデータとして公開が不可と判断したものに ついても、条件付きで公開できるものは公開するとともに、公開できない場 合には、その理由を各府省の Web サイト等において公開する。さらに、支障 のあるデータ項目を除いて公開したり、限定的な関係者間で共有する「限定 公開」といった手法の活用も検討する。 KPI:ニーズに即したオープンデータの取組方針とスケジュールの各府省 中長期計画への反映 KPI:各府省において利用者の要望等に応じて新たに公開又は公開内容の 見直しを行ったデータ件数 イ.オープンデータ・バイ・デザインの導入と計画的な推進 内閣官房を中心に、2018 年内までに、標準ガイドライン群について、デー タの収集から提供まで、品質の高いデータが整備され維持される一貫したマ ネジメント(データマネジメント)を基礎とするオープンデータ・バイ・デ ザインの要素を組み入れる。 各府省においては、上記を踏まえたオープンデータ・バイ・デザインの取 組方針とスケジュールを各府省中長期計画に盛り込む。政府情報システムの 新規開発又は次期の更改、若しくは大幅な改修時期を見据え、オープンデー タ・バイ・デザインに基づいたサービス・業務設計及び運用に順次切り替え ていくため、各政府情報システム単位で対応計画を明確に定める。 なお、オープンデータ・バイ・デザインによるデータ提供がなされるまで の間であっても、「オープンデータ基本指針」(平成 29 年 5 月 30 日高度情報 通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議決定)に のっとり、行政保有データ(情報システム以外の各種業務で作成又は収集し たものを含む。)を利用しやすい形でオープンデータとして提供するための 取組を継続的に実施する。 KPI:オープンデータ・バイ・デザインの標準ガイドライン群への反映 (2018 年内) KPI:オープンデータ・バイ・デザインの取組方針とスケジュールの各府 省中長期計画への反映

参照

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