(財)日本医療機能評価機構 認定病院
10 月より診察・検査のFAX予約受付時間を延長します!
地域の医療機関の皆様方におかれましては,平素は患者様をご紹介いただき,また,FAX予約をご利用いただ
き,誠にありがとうございます。
これまで,当院のFAX予約受付時間は午前9時から午後5時でしたが,
10 月1日(月)より,午後7時まで
に延長いたします
ので,ご利用いただきますようお願いいたします。
旧(平成
19 年9月 28 日(金)まで)
新
(平成
19 年 10 月1日(月)から)
月曜日~金曜日
(祝休日,年末年始を除く)
09:00~17:00
月曜日~金曜日(祝休日,年末年始を除く)
09:00~
19:00
区分
予 約 券 の 送 信
診察予約
ただし,診療科の指定がない予約の 17 時以降受付分については,内科的疾
患の場合は「初診内科」の予約として予約券を発行し,内科的疾患以外の
疾患の場合は,紹介状の内容について外来と調整する必要があるため,翌
日(休日等の場合は直近の平日)に予約券を送信いたします。
検査予約
受信後おお
む ね 30 分
以内(※)に
予約券を送
信いたしま
す。
ただし,17 時以降受付分については,翌日(休日等の場合は直近の平日)
に予約券を送信いたします。
※予約が集中した場合は,予約券の送信が
30 分以内に発送できない場合があります。
紹介患者様のFAX予約は,当院「医師会連絡室」までお願いいたします。
電 話 番 号:(078)302-6031
FAX番号:(078)302-2251
■ 当院医師の異動
(平成 19 年7月1日から平成 19 年9月 30 日まで。異動日順・診療科順。)
神戸市立医療センター
中央市民病院ニュース
住 所:〒650-0046 神戸市中央区港島中町4丁目6番 電話番号:代 表 番 号:(078)302-4321 地 域 医 療 推 進 課:(078)302-4458 FAX:(078)302-4424 医 師 会 連 絡 室:(078)302-6031 FAX:(078)302-2251 U R L:http://www.kcgh.gr.jp/ 発 行 日:2007(平成 19)年9月 25 日(第 13 号) 編集発行:神戸市立医療センター中央市民病院 地域医療部転任・退職
着 任
月日
診療科名
補職名
氏 名
区 分
月日
診療科名 補職名
氏 名
区分
医 長
9/1
外科貝原 聡 採用
8/31
脳神経外科
副医長 石井 暁
退職
9/1
脳神経外科 副医長 小柳 正臣 採用
9/15
心臓血管外科 医 長 半田 宣弘
退職
退職
9/30 小児科
医 員 神田 健志
「肝臓病教室」を開始します!
■趣旨
消化器疾患の中で,肝臓病は重要な位置を占めています。地域の医療機関で
治療中の患者様やご家族の方に,肝臓病に対する正しい知識を持っていただく
ことで病気や治療に対する不安を軽減し,共に病気と闘うために「肝臓病教
室」を定期的に開催いたします。
■内容
・消化器内科スタッフが,毎回テーマを決めて,分かりやすい講義を行います。
・後半には参加者の方の質問にお答えするコーナーも設けております。
・日頃,疑問に思っていること/聞きたいこと等,遠慮なくご質問ください。
・参加は自由ですので,興味のある方はどなたでもご参加ください。
・当日の資料は,お持ち帰りいただけるようにします。
平成 19 年 10 月 11 日(木) 第1回「C 型慢性肝炎—IFN 治療について-」
■オープン
カンファレンスのご案内
オープンカンファレンスは,事前の申し込みは不要ですので,当日会場に直接お越しください。内容などの詳細は
各診療科にお問い合わせください。
診療科
開催日時
開催場所
内 容
眼科
10 月4日(木)
18:30~19:40
当院5階
特別会議室
神戸市立医療センター中央市民病院眼科懇話会
【お問い合わせ先】
当院眼科 地域医療推進担当医長 石田和寛
Tel: 078-302-4321 Fax: 078-302-2487
E-mail: kazuhiro0424@mac.com
歯科・歯科
口腔外科
10 月5日(金)
18:00~20:00
当院5階
501 会議室
退院後の地域連携,急性期病院における口腔ケアの重要性
についての講演
「PEG造設患者における地域連携口腔ケア」
県西部浜松医療センター歯科口腔外科 内藤克美先生
「口腔ケアの新しい可能性」
市立池田病院歯科口腔外科 大西徹郎先生
呼吸器内科
10 月 18 日(木)
17:30~19:00
当院5階
503 会議室
ご紹介いただいた患者さんの症例報告とご相談症例の検討
小児科
10 月 25 日(木)
当院5階
503 会議室
研修医の症例発表
平成 19 年 12 月 13 日(木) 第2回「肝硬変について-実例をあげて-」
月日・
テーマ
平成 20 年 02 月 21 日(木) 第3回「肝臓癌—最新の内科的治療-」
時 間 午後1時 30 分 〜 午後3時 30 分
場 所 当院5階 502 会議室(エレベータホール前)
医師やコメディカルからの講義
内 容
参加者からの質問にお答えする時間
無料
費 用
肝臓に興味のある方ならどなたでも結構です。
対 象
予約不要です。当日,直接会場にお越しください。
診療科だより
~泌尿器科のご紹介~
高齢化社会に伴い,泌尿器科疾患は 年々増加傾向にあり,特に前立腺疾患, 悪性疾患が多く見られます。当科の外 来新患,入院患者数,手術件数は増加、 在院日数も 14 日でほぼ安定しており ますが,治療後,安定した患者は地域 への逆紹介を積極的に行っているため 外来患者数は減少しつつあります(表 1,2)。手術は平日毎日予定が組ま れ,火,木は 2 列で行われるため,外 来は新患外来と午後の専門外来だけに しております(表3)。 ■表 1 神戸市立医療センター中央市民病院泌尿器科の外来・入院患者 平成12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 外来患者数(1日平均) 87 90 79 87 89 87 79 外来新患 (1日平均) 10 10 9 11 11 12 12 入院患者数(1日平均) 25 27 25 27 28 31 32 在院日数 16.3 17.4 14.6 13.5 14.2 14.8 14.2 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 副腎摘除術(腹腔鏡) 3 8 6 10 13 12 12 根治的腎摘除術(開放) 9 12 6 8 2 4 11 根治的腎摘除術(腹腔鏡) 1 0 15 8 14 18 18 腎部分切除術(開放) 8 11 3 1 0 2 1 腎部分切除術(腹腔鏡) 18 0 10 6 4 5 18 腎尿管全摘除術(開放) 4 11 0 0 0 0 1 腎尿管全摘除術(腹腔鏡) 2 1 7 14 10 5 16 腎移植術 1 0 0 0 1 2 4 TUR-BT 66 70 67 87 87 88 128 膀胱全摘除術 13 10 11 12 9 15 17 TUR-P 34 29 24 24 26 10 HoLEP 0 0 0 0 13 57 3 前立腺全摘除術(開放) 23 21 22 35 32 37 15 前立腺全摘除術(腹腔鏡) 1 0 4 2 1 0 22 TVT 2 1 3 7 7 5 4 TVM 3 その他 計 355 360 355 506 495 557 555 3 8 ■表 2 神戸市立医療センター中央市民病院泌尿器科の手術件数 当科では癌の進行症例でも根治を目 指した拡大手術を行う一方で,より低 侵襲の腹腔鏡手術を積極的に導入して おります。腹腔鏡手術には高度な技術 が要求されるため,経験の浅いスタッ フは日々ドライボックスで練習し,ま た生体での腹腔鏡手術の習得のため, 年に数回大型動物での実習を行ってお ります。日本泌尿器科学会,日本 Endourology・ESWL 学会がビデオ審査 により認定する泌尿器科腹腔鏡技術認 定医を現在3名が取得し1名が申請予 定で,技術指導ならびに日常診療を行 っています。 また,前立腺肥大症に対するレーザ ー核出術(HoLEP),尿失禁・性器脱に 対するメッシュを使った新手術(TVT, TOT,TVM)なども多く手がけておりま す。平成 19 年 5 月には,前立腺癌の 小線源治療を開始しました。■表 3 外来診療担当表
泌尿器科外来
月 火 水 木 金 生体腎移植も年々増加しており,夫 婦間移植も行っております。ABO 不適 合移植ではリツキサン投与によって脾 臓摘出を回避する新たな試みも導入し ました。ドナー腎摘は腹腔鏡手術によ り行われ健康な方の QOL をなるべく損なわないよ う心がけております。 当科では毎朝ミーティ ングを行って毎日変化す る患者の状態を全員が把 握できるよう努力してお ります。また疾患ごとの 治療方針をコンセンサス ミーティングで統一し, どの医師が担当しても最 新・最良の診断・治療を 受けていただけるように しております。当院の基 本理念のひとつに,「24 時間体制で救 急医療を実践する」 とあり,当科で も終日当直あるいは待機にて救急疾患 に対応しております。■泌尿器科の歴史
当院は,昭和 56 年に布引から現在 のポートアイランドに新築移転しまし た。泌尿器科は移転当時,松尾光雄部 長(現神戸市健康保険組合健康管理セ ンター)のもと診療が行われていまし た。平成 8 年に竹内秀雄部長(現公立 豊岡病院院長)が着任され,腎癌に対 する開放腎部分切除術,腹腔鏡手術の 導入など手術療法の改良に尽力されま した。平成 14 年に川喜田睦司が着任 して現在に至っております。1 診
清川 川喜田 岡田2 診
白石 交替 大久保 交替 増田 思春期外来 (2,4) 男性機能外 来(不妊症, ED,男性更 年期), 神 経 因 性膀胱・ 自 己 導 尿外来専門
ストマ外 来(3,4)外来
夜間頻尿外 来 特殊X線 検査(午 後) 特殊X線 検査(午 後) 特殊X線 検査(午 前)特殊
外来
新患外来受付は 午前8時 45 分 から 午前 11 時 45 分 まで◇当科の診療の特徴
腹腔鏡手術
腹部に 3-12mm のトロカーを数
個 留置,内視鏡を挿入し,炭酸ガスで腹 部内を充満させてテレビモニターを見 ながら操作手術する方法で,開腹手術 に比べ痛みが少なく,術後の回復も早 く早期退院が可能です。内視鏡で拡大 して見えるため繊細な剥離が可能で, 腹部内圧が高いことと合わせて出血量 が非常に少ないのが利点のひとつです。 副腎腫瘍に対する副腎摘除術,無機能 腎や腎癌に対する腎摘除術,腎癌の腫 瘍部分だけを切除する腎部分切除術, 腎盂尿管癌に対する腎尿管全摘除術, 腎盂尿管移行部狭窄症に対する腎盂形 成術,小児の停留精巣に対する精巣固 定術など多くの適応があります。前立 腺癌は平成 18 年4月より保健適応と なり当院は施設認定を受けております。 腹腔鏡手術は年々増加しており昨年度 は 80 件を超えました(表 2)。これま で 300 件以上の腹腔鏡手術の中で重篤 な合併症はありません。腎癌に対する腎部分切除術
腎癌が比較的小さくて表面から突出 している場合には,腫瘍だけを切除し て残りの正常部分を温存することが可 能です(図1)。腎の血管を一時遮断 して腫瘍を切除します。開放された尿 路を縫合し実質の断面を縫い合わせま す。腫瘍が表面にあって深くない場合 には血管を遮断することなく,マイク ロ波で腫瘍周囲を凝固して切除するこ ともあります。対側の腎機能が良くな い場合に良い適応になります。腎機能 が良い場合でも,将来的に対側腎の機 能が悪くなったり癌が発生したりする 可能性があり,最近では積極的に腎温 存術が行われています。腹腔鏡手術で 行えば低侵襲ですが,阻血時間に限り があり切除,縫合には高度な技術が要 求されます。 本術式で危惧されるのは,局所再発, 残腎再発,遠隔転移の増加ですが,多 症例での根治的腎摘除術との比較検討 で再発,予後において差はないと報告 されています。当科では今年 3 月まで に 43 例の腹腔鏡下腎部分切除術を行 い,局所再発,残腎再発を認めており ません。また合併症として出血や尿瘻 の増加が予想されます。当科の 43 例 中 1 例で出血のため開放手術に移行, 1 例で偽性動脈瘤を発生し動脈塞栓術 を施行,1 例で遷延する尿瘻を認めま したが保存的に軽快しております。前立腺癌に対する腹腔鏡手術
下腹部に5本のトロカーを挿入し て行います(図 2)。以前は経腹膜的 に行っていましたが,腹膜外的に行う ことにより腹腔内の合併症がなくなり ました。腎部分切除術と同様,剥離, 縫合操作など高度な技術が要求されま す。本術式を保険診療で行うための施 設認定には,技術認定医と同等の経験 者が 2 名と前立腺全摘除術を 10 例以 上経験したものがいることが条件です。 ご存知のように慈恵医大青戸病院事件 で死者を出した術式ですが,熟練した 指導医のもとで行えば開放手術よりも 出血量は少なく安全な術式です。前立腺癌
前立腺癌は平成 15 年のデータでは 日本人男性の癌の6%を占め,胃,肺, 結腸,肝,直腸に次いで6番目に多い 癌です。平成 32 年には肺癌に次いで 2 番目に多い癌になると予測されていま す。年間 9000 人以上の方が亡くなっ ておりますが平成 32 年には3倍にな ると推定されます。 当科では昨年8月に施設認定を受け, 今年3月までに 22 例を経験しました。 術後の尿失禁も軽度で,初期のころに 吻合部狭窄が見られましたが,術式の 改良によりまれになりました。1 例直 腸損傷がありましたが,縫合するだけ で軽快しております。そのほかに重篤 な合併症はありません。 診断は血液検査で PSA という腫瘍 マーカーが4を超えている場合に泌尿 器科専門医を受診して行われます。直 腸診や超音波検査,MRI 検査ののちに, 前立腺針生検によって確定されます。 当科では1泊入院で仙骨麻酔によって 生検を行っております。前立腺癌に対する放射線治療
(外照射療法)
根治を目指す前立腺癌の放射線治 療では 72~74Gy 以上のかなりの線量 が必要です。一方で膀胱や直腸へ 70Gy 照射される部分が最小限になるよう調 節しなければなりません。通常の外照 射では治療前に位置決めを行うと治療 終了までその位置を変えることはあり ません。ところが前立腺は直腸の内容 物に応じて日々位置が少しずつ変わり ます。ですから日によっては直腸に多 くの線量があたることがあり,あまり 高用量を照射することができませんで 治療には手術,放射線治療,ホル モン治療などがあります。昨年4月に は腹腔鏡下前立腺全摘除術,小線源治 療が保険で認め られるようにな り,泌尿器科専 門医でもどの治 療法を選択すれ ば良いのか迷う ほどになってお ります。 図 1 腎部分切除術が適応となる腎腫瘍した。その課題を克服するため,毎回 CT で前立腺の位置を確認して照射する 方法が開発されました。それが CT リ ニアックです。神戸市関連の施設であ る先端医療センターに導入されていま す。CT リニアックを用いることで,前 立腺の数 mm 背側にある直腸への被ば くを最小限にしながら高用量の放射線 を前立腺に照射することができます。 これにより直腸出血や肛門の痛みなど の合併症を減らすことも可能となりま した。当科は先端医療センターと協力 して CT リニアックによる前立腺癌の 放射線治療を積極的に行っています。 昨年度は 32 例が治療を受けました。
前立腺癌に対する小線源治療
小線源治療はヨード 125 シード線 源による前立腺癌永久挿入密封小線源 治療といいます。比較的早期の前立腺 癌に対する治療法として欧米では実績 のあるものです。日本では平成 15 年 9月から開始され,平成 18 年4月に 保険適応されました。平成 19 年6月 現在では全国 72 カ所の医療機関で実 施されております。兵庫県では今年, 当院と兵庫医大に導入されました。一 般に前立腺内にとどまっている癌が適 応となります。局所で進行しているも のや転移のあるものでは適応となりま せん。また前立腺のサイズが 40ml を 超える場合にもできないことがありま す。欧米では,PSA が 10 未満で悪性度 の低い,いわゆる低リスク群において 5年非再発率が 80~90%と,前立腺全 摘除術とほぼ同等の治療成績が示され ています。最近では PSA が高いもの, 悪性度の高いものにも少しずつ適応が 拡大されるようになってきております。 経直腸エコーでモニターしながら会 陰から挿入した針の中を通して,大き さ 0.8 x 4.5 mm のシード線源を前立 腺内に 50~100 個挿入します(図 3, 4)。全身麻酔あるいは腰椎麻酔で行 われ 2~3 時間の小手術です。線源で あるヨード 125 はガンマ線を放出しま すが半減期は 2 ヶ月で,1年間にわた り癌病巣を照射します。3泊4日の入 院治療ですが管理区域として隔離する ため個室になり個室料金が必要です。 1年以内は放射線が出ているため何ら かの理由で亡くなった場合は解剖して 前立腺を摘出することが法律で義務付 けられています。 合併症は特に重篤なものはありま せん。前立腺が一時的に腫大するため 尿が出にくくなることがあります。手 術や外照射による放射線治療に比べ性 機能への影響が少ないといわれていま す。また線源が脱落してきて尿に出て くることがあります。手で直接触れず にスプーンなどで拾って専用の容器に 入れて病院へ持参します。 手術はどうも気が進まないとか, 外照射のため2ヶ月にわたり長期間通 院できないといわれる方に是非お勧め します。特に比較的若くて男性機能を できるだけ温存したい症例には良い適 応です。前立腺肥大症に対するレーザー治療
前立腺肥大症の手術には,標準治 療である経尿道的前立腺切除術(TUR-P)や開放手術である前立腺核出術が あります。従来 TUR で削ることのでき る前立腺重量には限界がありました。 これは手術時間が 1-2 時間を超えると 出血量の増加や灌流液の吸収による水 中毒の危険があるためです。術者の技 量によりますが TUR で切除できるのは 前立腺重量 50g ぐらいまででそれ以上 は開放手術が選択されてきました。 そこで登場したホルミウムレーザ ー前立腺核手術(HoLEP)は大きな前 立腺にも適応できる比較的新しい前立 腺肥大症の手術方法です。レーザーは 0.55mm のファイバーから発射され,血 管,組織を凝固,切開するのに用いま すが,水に吸収されるため組織に近づ けないと凝固が起こりません。また切 開するには組織に接触させる必要があ りますが,熱作用が及ぶのは深さ 0.4mm と浅く,非常に安全です。 前立腺をみかんに例えると,外腺 がみかんの皮で肥大した内腺が実の部 分となります(図5)。TUR では実の 部分を削っていくので果汁(血)がこ ぼれてしまいます。一方 HoLEP では実 と皮の間を剥離します。皮から実へ分 布している血管を根元で止血しながら 実を丸ごと取り出して行くため,果汁 をこぼすことがありません。すなわち 出血が少なくてすみ TUR のように時間 制限がなくなります。 TUR では灌流液に水を使用しますが, HoLEP では生理食塩水を使用するので 水中毒の心配もありません。腰椎麻酔 でも可能ですが全身麻酔下に行えば, かなり時間はかかるものの 100g を超 えるような前立腺でも手術が可能です。 核出された腺腫は膀胱内に一旦移動させ,モルセレーターという機器を用い て,細かく切りながら吸引,除去しま す。最後に尿道カテーテルを挿入しま すが,多くの場合血尿がほぼなくなっ た翌日に抜去します。TUR では最低 2 -3 日留置しますので,術後の回復, 退院も早くなります。手術時間が長い こと,やや高度な技術を要すること, 機械が高価であることが欠点です。 今年の3月までに 108 例に HoLEP を 行い,初期のころは術直後の尿失禁や 尿道狭窄が多く見られましたが,最近 ではまれになってきております。前立 腺被膜穿孔で開放術へ移行した 1 例と 腺腫の細切時に膀胱穿孔をきたし開創 ドレナージを要した 1 例を除いて大き な合併症はありません。