理 学 療 法 学 第24巻 第6号
322〜328
頁 (1997年 )報
告
臨床 実習学
生
の
要
望
・
満足度
・
批判
*高 橋
のり
子
**菊 地 延 子
田 中 正 則 横 田
一
彦
海 島 麻 衣
五 日
市克利
金 子
秀 雄
要 旨9
年 間41
人
の臨床
実習前後
アンケー
ト調 査か ら,学
生の要望
,満足度
,批判
にっ い て集
計 を行い,
その結 果よ り実 習の実 態,
今 後の課 題,
解 決の方 向性を検 討 し,
以 下の こ と が明 らか とな っ た。学
生は真摯
に実習
に臨んで お り, 綿 密な指導
を望んで い る が,指導
法にっ い て は学
生の自
主性
,自
立性
を尊
重して欲
しい とい う要
望が あ る。実習
の満
足度
は90
% と高い値を示 し,
当部 門が実 習 をシ ス テム化 して きたことの反 映である と考え られるが,
批判
と して学 生が望ま しくないと考
え る教 育 行動
もあっ たD自
主 性, 自
立 性 を向
上さ せ る方
法を含ん だ部門内
の教育行動
を確
立 するこ と が,今後
の課 題で あ る と思わ れ た。 キー
ワー
ド 臨床 実 習,
要 望と満 足 度,
批 判 は じ め に臨床実習
は,
理 学 療 法士 養 成 教 育の重 要な一
環 で あ る が,指導
者の 立場
か ら考え ると,
指 導 者に は教 育の専
門的
知識
や,実習性
を指導
する時 間 を 確 保 する困 難さ等の問 題がある。 さ らに今後
は養
成校
,養成数
の急 激な増 加に対 して受 入 れ実 習 生 数の 増 大, 学 士・修士
を含
ん だ養成
形態
の多様化
に応じて教育目
標,
指 導 法を再構成
する,
とい う対
応が求
め られて いる。
当部門
は1963
年
に開設
以来
,大学病院
として, 診 療,
教 育,
研 究の発 展に努め,
臨 床 実 習にっ い’
Requests,
Satisfaction and Crltical Comments of Phys−
ica監Therapy Students in Clinical Training
“
* 東 京 大 学 医 学 部 附 属 病 院 リハ
ビリテ
ー
ショ ン部(〒 113 東 京 都 文 京 区 本 郷7
−
3−
1)Noriko Takahashi
,
RPT,
NQbuko Kikuchi,
RPT,
Masa−
nori Tanaka,
RPT,
Kazuhiko Yokota,
RPT,
Mai Umi−
shima
,
RPT,
Katsutoshi Itsukaichi,
RPT,
HideoKanekQ
,
RPT :D申partment of Rehabilitation,
Universi−
ty of Tokyo Hospital
(受 付日 1995年7月2811/受 理日 1997年5月31日) て も
,
そ の理 念,
目標,
指導
法 を構 築 し,
福 屋1>, 菊 地2)が報告
してい る。 これ ら を基本
に,1985 年
「臨 床 実 習ハ ン ドブ ッ ク」 を作 成 し,
指 導の 基 準化
を 行い,検討
を 加えっ っ 実習
シス テム を発 展さ せて い る。当部門
の指導
法の特
色は, 実習
指導
統括
責 任 者に よ る実
習 運 営, 実習
前後
アン ケー
ト調 査の実 施,
2
入の指 導 者による1
人の実 習 生へ の指導
理 学
療
法 部 門 全 職 員の実習参
加, 職 員 間 及び指導
者, 学 生 間, 話 し合い の 定 例 化, プレ テス ト,
中 間 評 価の実 施な どである。臨床実習前後
ア ンケー
ト調
査 を開始
してか らす で に10 年
を経
てお り,実
習に改善
を加えっ っ も,
教育
行 動 確 立の困 難さ等 問 題が あ る。 ア ン ケー
ト を集 計 し,
そ の結 果か ら実 習の実 態 今 後の課 題 解 決の方 向 性 を 検 討 する ことが,
本 論 文の 目的で ある。 対 象 対 象は1985
年度
か ら1993
年 度まで の9
年 間の.
契 ⊃ 燭 二 知 b 沿 刃 煢 9 槍 只 鐙 ” 騒 瓣 砲 恤 醸 」 鞍 思 管 癬 鞭 9 囎 津 融 痙.
価 怪 ⊃5
、
颱K
臨 騨 懸 齷e
鰹 ぐ.
5 粕 ト 榊 寵 曇 蝦 の 燭.
魚 謡 ゆ 萇 食 曲、
謁 喫 旨 轡 黜 螺e
回 ぐ.
二 狛 み 舶 細 興 面 収 」 悩 9 囎 簑 知K
麭 刪 ゆ 銘 “ 頭 刃 二 誕 胞 駅 鯊 9 悩 搏 回 ぐ.
歩 悩 D 冫 懸 翼 脚 嘩 督Q
ぐ 〉 の 訳 」 癬 靼 飽 杓 呱 θ.
極 樋 」 3 醤 韓型
昇 韻.
甑 蠧e
ぐ 黜 螺 世 蟹e
回 ぐ{
°
,
)
縮e
亘 ぐ 一 螺.
起 二 細 £ 毅 e 《 組.
轡e
諭 ゆ 旭 授 哽 ”}
§Q
細 驪 壇 恕 靆 赫心
(
ご ※ ( } 砲 駅 欄 避 e 申 めマ
嶬
( 砲 曜 顕.
呈 e 申 n 剰 p 農 骨 蝦 倒 肆 寸 裂 「 煢 縛 起 伺 蹕 9 価 冊oっ
凝 p 引 瓢 冊 価 組 輝四
紀 p 祠 懸 魚、
幽
一
醗
瀬
鑾
概
P
疲 掴 蠻 約 楚 萇 即 心 農 o 爿 思 駆.
灸 収 ⊃ 燭 魯 祠 怒 麺 魏 騨QU
思 £ 蝦 V 二P5
曝P
」 却 ← q 廉 龍 〈 V.
萇 劇 JP 矧 姻 慧 蝋 撫 躙 湘 珮Q
丹 邏 黙 黜 騾 〈 V.
灸 翼 O 悩 粉 仁 羅Po
細 思 桓 嘱 楚 滯 ゐ ^ X 口e
申 ◎ 〈 〉.
萇 価 櫛 ニ レ 」 醍 薙 思 罧 盤e
恤 歯 皐 ム 丶 X 冂e
> の θ 八 〉.
灸 極 櫛3Pj
喫 耀 思 螻 朧e
脚 鰍 伝 蜃 ゆ 価 蕊9
臘 鋸 〈 〉.
萇 極 悩 ニ レ 」 製 遑 黒 惣 瞳 ゆ 極 寝 2 勞 U 蝦 ⊃ 騾 爬e
櫓 嘱 粒 駟 蝋 終 〈 V.
る 極 櫛3PO
曜 攫 思 温 鯔Q
> のQ
ぐ 噸 騾e
申 越 櫓 嘱、
粒 帥 翼 騨e
申b
葭 膕引
陥 雕 騨 懸 渥 θ,
3
狗 ト 初 綿 緯 思K
〈 〉 囎 ψ 蜘 ゆ 極 跚 構.
レ ニp
思 脳 哩 胆e
駟 騾 送 櫪 §.
価 胞 二 轡 麺 磁 狛 ト 嚼 灘 霧2
椢 暑 む 禦 ゆ 柵 汐.
価Pe
諭 噸 極 司 窶.
尊 細 膩Q
ζ 鯡 顯、
∂ 遡 卑 砲 灸 心 勾 る 訳 罵 “ に 慧 皐 唄 終 癖 耙e
> の、
鴬 塹 鰹e
」 憂 綱 驪 黄 」 潔 駟 蝋 置 暗 【 N 】,
裂 二 細 £ 訳 ゆ 総 粒 江 邸Q
重 細 驪 Q 回 ぐ 腫 § 刃〔
ご.
e
ゆ ゆ 極 畢 卑 脚 馴 爆e
姻 齢.
D 蔭 騾 皿 罫 O °っ 如 齢 擢 彫 鰍 麺 韆 口 胞 僅 暗 節 並 §.
田 駄 思 遡 諸 潔 細 騾 逆〔
ご ※ ( ) ( ) ( ),
3 初 」−
鞠 細 糞 楚 萇 槍 簑 刃 ゆ5
」 妊P
⊃ 腫 柵 思 嬋、
旨 勲 覊Q
馭 騾 伝 齷.
O.
ρ,
司.
二 狛 」 L 粕 陣 興 皰 漁K
尼 密 量 呱 甅 帝=
e
掴 懸 \ 裡,
二 狗 ∠ レ の 姻 ○ 尼 萇 面 ゆ 勾 。 灸 や 堀 9 総 煢 週 リ ニ 」 掻 レ O 勲 蕪、
却 ゆ3
収 二 諏 想 難P
《 顧 ( の バ 囚Q
汐 燭 ぐ ( ( ( 芭(
ご ))
).
二 鞠 L 抽 祁 緯 脚 帥 滋 拠 ゆ 価 別 釋 塑e
即 <(
)
< N冖
憑 e > の @ 鰥 齟 遡 魍.
坦 轟.
榔 齟「
面 掣”
廼 粮 e 八 m へ 短 ー 業 1 〆0
.
5 絢 ト レ 」 砲 ○ 黒 與 魯 緋 蕪 雕 鰍 ゆ 極 酬 綻 羣 細 麗 遊 鯉 置 諏 騾 髭 韻 【一
】324
理学療 法 学 第24
巻第6号実習生
41
人
。最終学年
で,男性
21
人
,女性
20
人。 年 齢は,20
歳か ら37
歳で,
平 均24
±5
歳。 年齢分
布は,20
代36
人,30 代 5
人。 学 歴は,高
校 卒 業32
人,
大 学 卒 業8
人,
専 門 学 校 卒 業1
人。実習受
入校
は,都内
を中
心に6
校
であ っ た。方
法
学
生を指導
し た職員数
は,3
年
以 上の臨
床 経 験 を有 するIO
名で, 5
人はすで に旧 職 員であっ た。 ア ンケー
ト実施法
は,実習
開始
日 より3
日目まで に開始 時ア ンケー
トを, 実 習 終 了H
に終 了 時ア ン ケー
トを提 出さ せ た。集
計
法はア ンケー
ト調
査か ら,
選 択 肢部
分に関 して は集計
を行
い, 記述部分
につ い て は, まと め る段 階で 内容に よ り分 類 し集 計 した。 臨 床実習前
後
の アンケー
ト で,今
回 調 査し た内 容を表 1
に示 す。結
果1.
希 望 する実習指導方法 一開始時一
スー
パー
ビ ジ ョ ン の方 法 は選 択で,
個 別 密 着19
人,
遠 位 監 視U
人,
密着
と遠位
の中間 10
人, 放 任1
人であっ た。その
他
, 希 望 する方 法, 特に行いたい こと,指
導して欲 しい こと,
指導
で特
に考
慮して欲
しい こ と の設問
には,今
回は集計
してい ない が,89
に わ た る実習
可能項
目か ら希
望を選 択した後
で もな 表2 実 習指 導E
,
特に希 望 すること一
開 始 時一
疾患,
評 価,
治 療の考え方や実 施にっ いて 綿 密 な 指 導 を望 む すみやか な指 導 を 望 む 職 員が行っ て いる治 療の見 学 をし たい ケー
ス レポー
ト,
課 題レポー
トへ の助 言を して もら い た い 時問的ゆとりを持た せ てもらいたい その他24
RU4444
1 表3
臨床 実 習の満足度一
終了 時一
No 満 足 度 設 問 十分満足 人 〔%) まあ まあ 満 足 人 (% ) 少し不満 人 (% ) 不 満 人 (%) そ の 他 意 見 を 人 (%) 無 回 答 人 (%) コメ ン ト数 人 〔%) 臨 床 実 習言「画 及 びその実 施 等で貴 方は そ の弱 点へ のSV の援 助に満 足 してい ますか 2夏 (51) 18 (44) L (2) 0 (O) L (2) 0 (0) 6 (15) 本実習で貴方の希望 した ことに対 する 配 慮に満 足して いま す か 14 〔34) 23 (56 ) 2 (5) 2 (5 ) 0 〔o) 0 (0 ) 5 〔12 ) 貴 方に対す る臨 床実習の 評価に満足 し ていますか 27 (66) 3 (2の 1 (2> 0 〔O) 2 (5 ) 3 (7) 5 (12) SVのコ
メ ントや 助 言の時 期に 満 足 し て います か /7 (42) 19 (46) 3 (7) o (o) L (2) 1 (2) 4 (IG) No.
.
そ のコ メン ト等は匿方にとっ
て役に立 ち ま したか 将来PTと し て働いてい くた め にこ の 実習は役に立 ち ま した か役に立っ
たら そ れ は ど ん な点ですか ラ 役 た % 分 っ 十 立 、 ノ 28 (68) 32 (78) まあ まあ 役 立っ
た 人 (%) 13 (32) 7 (17 ) あ ま り役 立 たな かっ
た 人 (%) o (o) o 〔の 役 立 た な か っ た 人 (%) 0 (O) O (0) ラ 他 を % ( の 見 そ 意 人 O (0) o (o ) 無 回 答 人 (%) e (o) 2 (5) コメ ント数 人 (%) 4 (!o) 37 (90) Nα\
満 跛 設 問 適 当 人 (%) ほ ぼ適 当 人 (%) や や 多い や や 少ない 多 すぎ る 少な す ぎ る そ の 他 意 見 を 人 附 無 回 答 人 附 コメ ント数 人 槻 実 習 期 間中の担 当患 者 数は適 当で した か 13 (鋤 19 〔46) 2(5) 3 o(o) 0(0) 4 (10) 0 (G) 11 (27) 了項 目の平 均 22人 (54%) 晒人 (37 %)
お
,
41
人中
31
人
の学
生が記入
しており,
回答数
の合 計は55
で あっ た。 内 容を表2
に示 す。 疾 患,評価
,治療
の考
え方
や実施
にっ いて綿 密な指 導 を 望 むと し た もの が 24 人で, 他に比
べ て き わ だっ て多
か っ た。2
.
臨 床 実 習の満
足度
一
終
r
時
一
満 足 度は十 分 満 足か ら不 満 まで の4
段 階と,
そ の他
意 見を とする評価
基準
で,7 項
目の設 問ごと に選 択 した。 設 問ご との満 足 度を表3
に示 す。7
項 目
の平均
で十 分 満 足 と した もの は22
人,
ま あ まあ満 足と し た もの は 15 人であ っ た 。 不満
を表
明し た学
生の記
述 内容
は,ど ん どん
質
問して欲
し かっ た。 そ うす れ ば,
自分で も 自分の 弱 点 が わ か る。 私の入 間 性の弱点
へ の援助
はい ら ない。自分
で弱点
を 勉強
し た り,
調べ た りする時 間が あ ま りと れ な くて残
念であ っ た。考
え る時間
が 足 り ない。 指 導 者が先 回 りして ア ドバ イス を して くれ る。自分
は何
か と考
え込む方で,
答えを出 すのが遅い の で,
も う少
し学
生が考
え る時間
が欲
しかっ た,
等で あっ た。満足度
の7
番 目
の設 問
で,将
来PT
と して役
立 っ 点の記 述 式の部 分に は37
人
が記 入 してお り,
複数書
い て い る学
生 もい るので合 計72
であっ た。 分 類 し た内 容を表4
に示 す。 問題の把 握,考
察, 方 針など統 合 的なこと,
医 師との 関 係やチー
ム ア プ ロー
チ , 患者
の障害像
を把握
する た め の方法
, リ ス ク管
理, 患者
との接
し方
や医療従事者
と して の責 任,
等が多か っ た。 表 4 将 来PT
と して役 立っ 点一
終 了 時一
問題の把握, 考 察, 方 針な ど統 合的なこ と 医 師 との関 係や チー
ム アプロー
チ 患 者の障 害 像 を 把 握 するための方法 リス ク管 理 患者との接し方 や 医 療 従 事 者 と しての責任 な ど資質 的な事 評価,
治 療で学べ た事が書いてあ る もの 理学療 法 士 とし て働いてい く自信 記 録 法 を 学べ た 知 識のな さ が よくわか っ た その他 人119
( 口8
1
1
87
几 03 り 0 表5
臨 床実習へ の助 言,
批 判 等一
終了 時一
指導内容や方 法につ い て賛同や感謝を 示す もの31
人 指導 者の態度の問 題や長 所 を伸 ば す 指 導 を望 む 指導の不 十 分さ 希 望し た症 例が実 習できな か っ たROM ,
MMT,
フ ァ シ リテー
シ ョ ン テ クニ ッ ク等を もっ と や り た か っ た 限 定 処方の問題 時 間が足 りない 実 習が管 理され す ぎるこ とへ の指摘 プレテ ス ト の負 担 指 導 者 以 外の ス タッ フの評価, 治療場 面 を見学した かっ た その他 13131111
OQり
7ρ
06 1 273
.
臨 床 実 習へ の助言 ・批判等
一
終
了時
一
記 述のみで4
つ の設 問ご とに ほぼ記 入 して い る ので, その合計
は142
で あ っ た。 内容
を表 5
に示
す。 しか し批判等
を記
入 する設問
に もか か わ らず,
31
は批 判では な く,
賛 同や感 謝を示す内 容が具 体 的に記 入さ れて いた。 これ らの う ち指
導 内 容に対
するプラス評 価は,
実 習が シス テム化されて い ること, 全職
員が指 導に参 加 してい ること,
医 師 か らの説 明が役
立っ こ と, 記録法
の 確 立等
であ っ た。批判等
を示す内容
におい て指導
法で は,指導
者
の 態度
や指導
の不十分
さ,時間
の 足りなさ,実
習
が管
理 さ れすぎ るこ とへ の指摘等
が多
か っ た。実習内容
につ い て は,
希 望し た症 例が実 習で き な かっ た,評価
,技術
の実習
を もっ とや り たかっ た等
が多
かっ た。 限定処方
の 問 題にっ い て は,1986
年の処 方 形 態の変 更に伴い,
そ の後の2
年 問に集中
して い た。教育行動
であ る指導者
の 態度
や指導法
にっ い て, ア ンケー
ト に記 入さ れて い たものを学 生が考え る,
望ま しい と望ま しくない に分 けて表6
に示 す。 項 目 的に は似てお り,
内容
は相
反 するもの であっ た。管理 さ れす ぎるこ と につ い ての
具体
的 内容
は,
あ ま りにも
綿密
, も う少
し自由に動け た ら(
評価
や指導
が常
に指導者
の立ち合いの も とに行わ れ326
理学 療 法学 第24
巻第6
号 表6
学生が考え る臨 床 実 習 指 導 者の望 ま しい教 育 行 動 と 望 ま し くない教 育 行 動 望ましい教育行動 望ま し く な い教育行 動SV
の 態 度 ○ 人を育て よ う と す る意 志が あ る ○性 格まで考慮す る ○積極 的に指 導す る 4人 ○ 話し かけづ らい雰 囲 気が ある ○学生の性 格や個 性,
心 理状態へ の配 慮が足 りない ○ 短所の み を指 摘す る ○消極 的な指導 態度 正3
人 匕 日 キ 導 浬、 ○文献や資料の紹介を す る ○疾患,
治療法,
ケー
ス レポー
ト,
記録の書き 方,
等十 分で適 切 な指導を する 15人OSV
独自の考え を示さ ない ○ 評価,
問 題点,
考察の過程や関連を深 く追求し た 指導を し ない ○フェー
スシー
ト,
課題 レポー
ト,
症例 報 告 等で指 導が少な い ○学生に任せ る ところ と,
任せ ない ところ が はっ き り し ない 13人 て い る)。 効 率 的な指導
シ ス テム だ が,
画一
的
に な ら ない よ う注 意が必要
。 学 生 を過 少評
価 し て い るような ところもあっ た と思 う。も う
少
し 学 生 を 信 用 して,
任せ るところ は任せ て欲 しい。自分
の ペー
ス で患者
との 関係
がっ く りづ らか っ た (指 導 者が いっ もい る)。 沢 山 教えて もらう こ と に慣
れ,
頼りす ぎた。 助 言が多 す ぎて 自分 で考
え るこ とがあま り なかっ た,
等である。
考
察
1
.実態
学 生の要 望 か ら,
疾 患, 評 価,
治 療にっ い て綿密
な指導
を望む と した もの が際
立っ て多
か っ た の は, 学 生の実習
に臨む真 摯な姿勢
の 現れであろう。
個 別 密 着によ る指導
を19
人の学
生が 選択
して い る こと か ら も窺 われる。 し か し一
方 個 別 密 着で な い指 導 を 望 む もの が22
人い る とい うことは,
綿密
な指導
を望みつ つ も,不満
や管
理 さ れす ぎる と い う批 判に もあ る ように, 学 生の 自主性
,自
立性
を尊 重 して欲しいとい う気持
ちの あ ら わ れで あ る と考え られる。 満 足 度と して は,
十 分 満 足と ま あ ま あ満 足を合 わせ る と,
ほぼ90
%で高い満 足 度 を示
したといえ る。 これは実習
をシ ス テ ム化
しっ っ 徹 底を図っ て き た た めであ り,
将 来PT
と して 役 立っ 点で,
障 害 像の把 握や リス ク管 理 等 が 多い の は, ハ イ リス ク患者
の多
い大学病院
で,指導者
の指 導 留 意 点の 反 映で ある と思 わ れる。 批 判の 内 容で,
指導
者の態 度や指導
法などで 学 生が望ま し い とする もの と望まし くない と するもの が,
ほ ぼ 同数
であっ た。 これ は教 育 行動
につ い て さ らに十 分 検 討 して い く必 要 性が示 唆 さ れ たと考 え られる。 2.
今 後(フ)課 題学 生の
自
主性
,自
立 性 を尊 重 する指 導 法の検 討があ げら れ る。文
献か ら み る と福 屋 1) は,
指 導者
は学
生の援助者
と な るこ と と述べ て い る。早
川3〕4)は,
指 導 者は実 習 生の人 間 的 可 能 性を受 容 し,
学 生が 理学 療 法 士になる にふ さ わ しい産 婆 的役割
を果
たす 必要
がある と記して い る。 坂 本 5 ) は,
指導
者の特
徴を生か しなが ら, それ を絶対的
な も の と して学
生に押
しっ け ず,教育
は学
ぶ もの の自
己啓 発を促し援 助 することで あ る と報告
してい る。実習性
が患者
を触
っ て,
診て,
動か して,感
じ考
え る。 そ こ に学
生の 心か らの 喜 びや苦 しみ がある と思 われ る。 学 生と指導者
に は, 知識
,経験面
と も大 き な 開 きが あり,
指 導 者が認 識 する内 容 を 学 生が同じ よ うに理解
す るこ と は困難
で あろ う。指
導者
は学
生の理 解 度や到 達さ せ るべ き 目標を明 確 に認識
しっ っ ,目標
の 達成
の みに心 を奪
われ ず,学
生の何が,
どこまで変化
し たの か, 注 意深
い観
察
と評価
,指導
が重 要で ある。 教 育 行 動 を 職 場内
でさ らに確
立 する必要性
があると考
え られる。Jarski
ら6)の論 文で は ア ンケー
ト調 査か ら,
学 生 に とっ て最
も効果
的な教育行
動につ い て報 告され て い る。3
.
解決
の方向性
自
主牲, 自
立性
を尊重
する指導法
と して,
学 生の能
力や変化
に応 じて個 別 密 着か ら遠 位 監 視に 指 導 法を徐々に変えて い く。 ま た指導者
が評価
や 治 療 法 を すべ て教 えて し ま うの で はな く,
学生
の 行 っ て い るこ と を指導者
は よ く観察
し, 学 生 が 何 を どの よ うに考えてい るの か を学 生か ら よく聞き,指導者
の意 見 も述べ,
くい違 う点につ い て は十
分話
し合
う とい う姿勢
が必 要であると思 わ れる。 教 育 行 動を職 場 内で確
立す る た めには,実習中
の指導者
間の意 見 交 換 を十 分に行 うと ともに,
教 育行動
の各職員
の認識
にっ い て職場
内ア ン ケー
ト調 査などを行い,
それ らの 結 果 を もとに さ らに討 論 を深
め る方法
も あ る と考
え ら れ る。 本 論 文の要 旨は,
第30
回日本 理 学 療 法 士 学 会 におい て発 表 し た。 謝辞
:臨床実習前後
ア ンケー
トに ご協
力い ただい た,
実 習 生の皆 様に感 謝い た しま す。 また,
とも に臨 床 実 習 指 導 を 行っ て きた,
旧 職員
の方々 に感謝
いた し ます。 文 献 」) 福屋靖子 :臨床教育の あり方・
総論 理・
作療 法 12(D
:17−
23,
1978.
2
) 菊地延子 :臨 床実 習 指導 法につ いて.
臨床理学 療 法10
(3
):127− 134,1983.
3
) 早 川 進 :Supervision
(1).
理 学 療 法 学12
〔4}: 253−
258,
1985.
4) 早 川 進 :望 ま し きSupervision
.
理学 療 法 学19
(1
):83− 92,
1992.
5) 坂 本 年 将 :臨 床 実 習にお ける知 識,
技 術,
人 闇 関 係の指 導に対 す る学 生の意 識 理 学 療 法 学19
(6
):585− 591,
1992.
6
)Jarski
R,
et al.
:Clinical teaching in physical therapy :Student and teacher percertions.
Phys328
ve#ta21i\
fi
24igeg
6e
<Abstract>
Requests,
Satisfaction,
andCritical
Comments
ofPhysical
Therapy
Students
in
Clinical
Training
Noriko
TAKAHASHI,
RPT,
Nobuko
KIKUCHI,
RPT,
Masanori
TANAKA,
Kazuhiko
YOKOTA,
RPT,
Mai
UMISHIMA,
RPT,
Katsutoshi
ITSUKAICHI,
RPT,
Hideo
KANEKO,
RPT
Dopartment
ofRehabilitation,
UbeiverstCJ,
of
Todyo
HbsPital
RPT,
Requests,
satisfactionlevels,
and critical comments of41
physical
therapystudents were collected
by
administering questionnairesbefore
and after clinica.1practice over a
9-year
period,
The
actual condition ofpractice,
future
problems,
andpossible solutions were assessed
frorn
the
answersto
the
questionnaires andthe
following
conclusions weredrawn:
1.
The students were taking thepractical
training seriously and were willing toundergo
detailed
training,
but
with regardto
the
training
method, some ofthem
expected theirindependence
or autonomyto
be
respected.2.
The
satisfactionIevel
washigh
(90%).
This
is
considerdto
be
reflectedby
the
systematized practicaltraining
in
ourdepartment.
Certain
educational activitieswere criticized