Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design防災 情報等
緊 急 地 震 速 報
：地 震 発 生 を 知 ら せ
る
ピ ク トグ
ラ
ム
の
開 発
太 田 幸 夫 ／ 多摩 美術 大 学
キー
ワー
ド：地震速報
、
P
波
、
S
波
、
身
を守れ地 震 が 発 生す る と まず
P
波 が到着
し、
そ の後
、
P
波よ り数倍
大 き
いS
波
が到 着 す
る。震 源
の近
くでP
波
をキ
ャッチし て、
地
震の規模
と位
置を瞬 時に割
り出し、
そ れ を即 時に広く 知 ら せ る ことがで き れば
、
S
波
が 到着
す る前
に必
要 な防災行 動
を起
こす こと が可 能となる。
こう した 認 識 に 基 づいて文 部 科 学
省
の高度
即 時 的 地 震情 報伝
達 網 実 用 化 プロジェ ク トの一
つ、
緊 急 地 震 速 報 伝 達 方 法 （人 向 け） 検 討ワー
キング グルー
プ （主 査 ：鈴 木 崇 伸、
東 洋 大 学工学 部環
境 建築
学科
教 授、
構
成メ ン バー
：内 閣 府／
国 立 身体 障 害
者 リ ハビリ テー
ショ ン セ ンター
研究 所 ／ （独 ） 産 業 技 術 総 合 研 究 所／ （
独 ） 消 防研
究所 ／
気象
庁／ （
社） 共 同
通信社 ／ （
独 ）
産業
科学 技術
研究所 ／ （
社 ）電
子情報 技術 産業 協会 ／
NPO
法 人
サ イ ンセ ンター
他
、
事
務 局 ； 1丿 ア ル タ イ ム 地震情 報
利 用協議
会）
で は平成
16
年度
、
ピ ク トグ
ラム とサ イン音
が特
に有 効
な 緊急 地
震 速 報の人 向 け 報 知 方 法で あ ることをま と めあ げ、
平 成17
年度
に は ピ ク トグ ラ ム（
「地 震」 「身
を 守 れ」 の2
種 類）
と サ イン 音 を 試作
して標 準 化
を準備
し た。
サイン音 とは、
短い メ ロ ディや 電子音によっ て、
特 定の行 動 や 意 味を、
言 葉ではな く音に置き換える こと によっ て伝 達 する もの。
サ イン音
そのもの に は意
味 が な く、
抽 象性
が高
いた め、
「地 震 発 生 」 の旨 を 伝 達 す る、
つま り注 意 を 引 く手 段 と して用 いる。
よ り具 体 的に退 避 行 動 を 促 す 内 容の伝 達には、
ピク トグ ラ ム や アナ ウンスとの組 み 合 わ せ を 用い る。
ピク トグ ラ ム デ ザ イン の基 本 方 針 を 以 下の通 り設 定 した。
1 ．
前 提 条 件 は 屋 内で、一
定の管 理 下 に あ ること。
将 来 的 に は 屋 外 や一
般 利 用 者 を も 対 象とす る。
2 、
地 震 発 生の旨 を 瞬 時 に 理 解 可 能であること。
3
，
地 震 発 生 時に は、
様々な危 険 要 因か ら、
様々な 行 動によって
身
を守
ることに な るが、
全て の要 因と行 動の組 み 合 わせを 表 現 す ること は 難 しい。
「地 震 」 と 「身 を 守 る」 こと を 示 すピク トグラ ム を表示 す る こ と に よ り
、
そ れ を見た人に 「地震が 発
生
した ため身
を守
る」 こと を促 す
こ とを想 定 す
る。ま た
、
ピク トグラ ム の妥当性 （
認識 率）
を ア ン ケー
ト に よっ て調査
し た。 回答 者
は緊急 地
震速 報
に理解
が ある人
79
名
、
緊 急 地 震 速 報 や 地 震につ い て特
段の 理解
の ない人113
名
。
1
．
緊急
地 震情 報
や 地 震 に対
す る 理解
の有 無
に か か わ らず
、
「地 震 」 ピ ク トグ ラ ム は74
％、
「身 を 守 る」 は78
％の認 識 率 であっ た。
2 ，
「地震
」の調 査 法 は、
ISO9186
（
図記
号 ：分 か り や す さの 確 定 お よ び理解 度の試 験 方 法 ） と同 じく、
始め は 図形を 示 して そ の意
味
を質 問
し て い る。
しか しつづい て 正 し い意 味
を解
説
し た後
、
形
がそ の意味
を正 し く表
現し て い る かどう か を質
問す る。
3
，
「身
を守
る」 につ い て は12
種類
の図 形の バ リエー
ショ ン を 示して、
そ れら が何を意 味して いる かを 問 う。
つづい て正 しい
意
味 を解
説 して、
そ れ ら の中
か ら そ の意
味 を 表 現 してい る と思 う もの4
点、
そ う思 え ない4
点 を選 ば せる。
4
．
ア ン ケー
トの結 果、
地 震の波 型 が 電 気に似て い る と の 回答 も一
部に見られた。
それ 故、
波の 形の細 部 を 調 整した 結果、
よ り良いピク トグ ラム を 提
案
することができ た。
5．
ピ ク トグ ラ ム と サ イン音の試 用 期 間 を 数 年 置い てか ら、
そ れ ぞ れ を デフ ァク トスタンダー
ドとして普 及 してい くこと が 予 定 さ れている。
緊 急 地 震 速 報ピク トグラムの理 解 度 を 調べ る ア ンケー
ト調 査 方 法 は、
上 記の ごと く、
最 初 は 形 を 示 してその意 味 を 答 えても ら う 形 式 をとり な が ら、
続いて ピク トグ ラ ムのデ ザ イン コ ンセ プ トと ピ ク トグラムの正 しい意 味 を 示 して、
そ の意 味 と 形の整 合 性 を 質 問 して い る。
今 後の プロ ト タ イ プ に な り う る 妥 当 性 と 有効
1
生を もっ評 価 法といえるだろう。
．
◎ 太 田 幸夫 ◎太田 宰夫28
デザイン掌研 究特 集 号sPecia ［issue o“apanese socie置y「o「the sCienGe ofdesign
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