あなたにも作れる
コミュニティ Web サイト
XOOPS Cube を使った動的コンテンツ Web サイト構築入門
はじめに
本書はインターネットサーバーに最新の CMS(コンテンツマネジメントシステム)である XOOPS Cube の導入と動的 Web サイト構築の入門書としてお使いいただけるように配慮し て構成されています。XOOPS Cube のインストレーションから Web サイト構築、モジュー ルの設定及び使い方、テーマデザインのカスタマイズまでを、手順に沿って学習できるよう に構成してあります。XOOPS Cube の入門書として、初めて XOOPS Cube を使う方がより 実践的な形で学習できるように配慮しました。手順通りに設定すれば、どなたでも XOOPS Cube を利用した動的コンテンツの Web サイトを構築できます。表現を変えれば、「車の構 造やしくみを勉強するのではなく、運転の方法を覚える」というような学習に重点を置いて 解説しています。最初にインストールや設定、使い方を習得し、その後に構造やしくみを理 解していくという形で学習を進めていけば実り多いものとなるでしょう。 本書では XOOPS Cube のシステム的な細かいことにはあまり触れていません。サイトを構 成し、運用する実践的な手法を解説しています。XOOPS Cube システムの構造や細部のしく みについては、他の専門書と合わせてご活用ください。また、システムのカスタマイズやモ ジュールのカスタマイズを行いたい場合は、PHP を学習しておこなうことをお勧めします。 2010 年 9 月 佐藤 浩
V
※ Windows Vista の zip ファイル展開について補足事項
Windows Vista、Windows7 に標準で実装されている zip ファイル展開機能は、Windows XP に比べて非常に遅く、展開に時間がか かります。圧縮ファイル展開用のフリーウェアを利用すると、zip ファイルの展開時間が飛躍的に短縮できます。XOOPS Cube のイン ストール時は多くの zip ファイルを展開する必要がありますので、時間を短縮したい場合には、圧縮ファイル展開用のフリーウェア の利用をご検討ください。
※テキストエディターについて補足事項
Windows に標準で付いている 「メモ帳」 は、「EUC」 コードのファイルを表示できません。XOOPS Cube 関連のファイルには 「EUC」 コードで記述されたファイルが多数あります。学習を始める前に複数の文字コードに対応しているテキストエディターを準備してく ださい。
Index
ご利用の前に必ずお読みください
本書は情報の提供のみを目的としています。本書の運用は必ずお客様自身の責任と判断に よって行ってください。本書の情報を利用した結果について著者はいかなる責任も負いませ ん。本書で解説するソフトウェアのバージョンアップ、Web サイトの更新等により将来的 に機能や画面デザインなどが本書の説明と異なってしまうことがありますのでご了承くださ い。 以上の注意事項をご承諾いただいた上で本書をご利用ください。注意事項を読まずにお問 い合わせ等をいただいた場合、著者は対応いたしかねます。あらかじめご承知おきください。Windows Vista、Windows7 は米国およびその他の国における Microsoft Corporation の登 録商標です。その他、本文中に記載されている製品の名称は、すべて関係各社および関係団 体などの商標または登録商標です。また、本文中では記号Ⓒおよび TM マークは省略してい ます。
本文中で使用しているソフトウェア
ブラウザ Internet Explorer 8 FTP クライアント FFFTP テキストエディター NoEditor メールクライアント Outlook目次
第1章 インストールのための準備
XOOPS Cube(ズープスキューブ)について
2
XOOPS Cube を利用して構築したサイトのサンプル
2
ライセンスについて
3
XOOPS Cube インストールのための事前準備 1
4
動作環境の確認
4
XAMPP とは
4
XAMPP を入手する
5
XAMPP Windows 版のインストール
7
XAMPP の動作確認
12
XOOPS Cube で使用するデータベースを準備する
14
XOOPS Cube インストール時に必要なデータベース情報
14
実際の運用サーバーの場合
14
XOOPS Cube インストールのための事前準備 2
20
XOOPS Cube のダウンロード
20
第2章 インストール
XOOPS Cube のインストール
24
ローカルテスト環境へのインストール
24
運用サーバーへのインストール
27
目次
Index
第3章 セットアップ
モジュールのインストール
42
XOOPS モジュールとは
42
D2 モジュールと D3 モジュール
43
作業フォルダの作成
43
system モジュールのインストール
44
ALTSYS モジュールのインストール
50
Protector モジュールのインストール
58
bulletin モジュールのインストール
65
d3blog モジュールのインストール
68
d3forum モジュールのインストール
71
TinyD モジュールのインストール
74
webphoto モジュールのインストール
77
sitemap モジュールのインストール
81
tellafriend モジュールのインストール
84
Inquiry forXCL モジュールのインストール
87
モジュールのアンインストール
90
第4章 XOOPS Cube Web サイトの設定
サイトの基本設定
98
モジュールの管理
101
各モジュールの個別設定
116
「お知らせ」(bulletin)モジュールの設定
121
「マイブログ」(d3blog)モジュールの設定
131
「フォーラム」(d3forum)モジュールの設定
144
「業務案内」(TinyD)モジュールの設定
161
「フォトアルバム」(webphoto) モジュールの設定
168
「サイトマップ」(sitemap)モジュールの設定
176
「友達に知らせる」(tellafriend)モジュールの設定
179
「お問合せ」(inquiry for XCL)モジュールの設定
182
第5章 コンテンツの作成
表示ブロックの管理
186
ホームページの表示ブロックについて
188
ブロックのインストール
189
カスタムブロックの作成
199
XOOPS Cube のコンテンツ入力
202
イメージ・マネージャー
202
コンテンツ入力方法
206
実際にコンテンツを作成する
216
「業務案内」(TinyD)のコンテンツ入力
221
第6章 XOOPS Cube のデザイン変更
テーマの管理
226
テーマのカスタマイズ
230
デフォルトテーマをカスタマイズする
230
デフォルトのテンプレートを変更する
234
オリジナルテーマを作る
249
コンテンツエリアを3カラムで構成する
257
VIII
目次
第1章
インストールのための準備
コンテンツエリアを左側メニューの2カラムで構成する
264
コンテンツエリアを右側メニューの2カラムで構成する
268
特にデザインに影響する CSS
284
巻末付録
xoops Smarty 変数一覧
314
URL 関連
314
HEADER 関連
316
コンテンツ関連
319
BLOCK・レイアウト関連
321
ユーザー制御関連
324
XOOPS Cube(ズープスキューブ)について
XOOPS Cube はコミュニティポータルサイト構築用のオープンソースソフトウェアです。 CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)という、データベースを使った動的にコン テンツを生成するシステムであり、XOOPS Cube を使うことで、個人のホームページから本 格的なコミュニティサイトまで、幅広いジャンルの Web サイトを手軽に構築することがで きます。Chapter 1
XOOPS Cube を利用して構築したサイトのサンプル
XOOPS は多くの Web サイトで解説されていますので、代表的なサイトをご紹介しておき ます。 XOOPS Cube 日本サイト http://xoopscube.jp/ 日本 XOOPS ユーザーズグループ http://www.xugj.org/ライセンスについて
XOOPS Cube はオープンソースライセンスの元でリリースされているオープンソースソフ トウェア(OSS)です。そのため、XOOPS Cube のソースコードはいつでも誰でも入手する ことができ、また、再配布も可能となっています。XOOPS Cube Core は修正 BSD ライセンスを採用しています。 ライセンスの詳細については各 Web サイトでご確認ください。 BSD ライセンス(日本語)掲載サイトの確認 OSG-JP
http://sourceforge.jp/projects/opensource/wiki/licenses%2Fnew_BSD_license XOOPS Cube Legacy は XOOPS 2.0 系との互換性保持をその目的の一つとしており、 XOOPS 2.0 系のソースコードを使用しています。そのため、同梱されている XOOPS Cube Core 以外は、XOOPS 2.0 系と同様に GPLv2 ライセンスとなっています。
ソースコードに英語版のライセンスが添付されています。 Package_Legacy_2_1_7\Package_Legacy\docs\GPL_V2.txt ウィキペディア フリー百科事典における GPL についての解説 http://ja.wikipedia.org/wiki/GNU_General_Public_License
4 5
Chapter 1
XOOPS Cube インストールのための事前準備 1
動作環境の確認
XOOPS Cube を動作させるには AMP 環境が必要となります。
AMP 環境とは Apache(Web サーバー)・MySQL(データベース)・PHP(言語インタプリター) の 3 つの頭文字をとった略語です。
それぞれはインターネットサーバーに実装される機能で、実際にはサーバー管理者が管理 します。
最近ではレンタルサーバーでもこの環境を提供しているところも多数ありますが、本書で は実際のインターネットサーバーに設置する方法と、テスト用としてご自分のコンピュータ に XAMPP for Windows を使って環境を設定しインストールする方法を解説します。
環境に合わせてお進みください。
ご自分のコンピュータに XAMPP for Windows をインストールして動作環
境を準備する
XAMPP とは
Windows または Linux 上に簡単に AMP 環境を構築できるツールで、APACHE FRIENDS で 提供しています。(本書執筆時の最新版は1.7.3ですが、下記の問題により1.7.1を使用します。)
注意
XOOPS Cube Package_Legacy_2.1.8 は PHP5.3.x に対応しておらず、PHP5.2.x を利用する 必要があります。
XAMPP for Windows 1.7.2 以降は PHP5.3.x が実装されているのでうまく動作しません。 XAMPP for Windows 1.7.1 以前のものをインストールします。
※実際の Linux サーバーでは標準の Apache(Web サーバー)・MySQL(データベース)・ PHP(言語インタプリター)を組込むのが本来の運用方法です。
XAMPP を入手する
APACHE FRIENDS から XAMPP for Windows をダウンロードする。
http://www.apachefriends.org/jp/xampp-windows.html にアクセスして XAMPP for Windows をダウンロードします。
ホームページに記載してある「旧バージョンのダウンロードサイト Source Forge」へ移動 して XAMPP for Windows 1.7.1 のインストーラーをダウンロードします。
XAMPP Windows 版の 「xampp-win32-1.7.1-installer.exe」をダウンロードします。
Chapter 1
XAMPP Windows 版のインストール
ダウンロードしたファイルをクリックするとインストールが開始されます。 使用する言語に「Japanese」を選択して「OK」ボタンをクリックします。Windows Vista を使用している場合はセキュリティメッセージが表示されますので「OK」 ボタンをクリックします。
8 9 セットアップウィザードが開始されるので「次へ」ボタンをクリックします。 インストール先選択画面になります。 デフォルトのインストール先は「c:\xampp」になっています。 インストール先を確認して「次へ」ボタンをクリックします。 オプション選択画面になります。 デフォルトのまま「インストール」ボタンをクリックします。 インストールが開始され、しばらくするとインストール完了の画面が表示されます。 「完了」ボタンをクリックしてインストールを終了します。
Chapter 1
コントロールパネルを起動するかたずねてくるので「はい」ボタンをクリックしてコント ロールパネルを起動します。
※コントロールパネルはデスクトップに作成される「XAMPP Control Panel」ショー トカットアイコンでも起動できます。 「Apache」「MySql」のスタートボタンをクリックしてそれぞれ起動します。 Windows Vista をご利用の場合は次のようなファイアーウォールのセキュリティ警告画面 が表示される場合があります。 ファイアーウォールのセキュリティ警告画面が表示されら「ブロックを解除する」ボタン をクリックして許可します。 これで「Apache」「MySql」の起動は完了です。 起動後は「閉じる」ボタン(「×」)をクリックしてかまいません。 閉じてもタスクバーに表示されているので、クリックで再び画面が表示されます。
Chapter 1
12 13
Chapter 1
XAMPP の動作確認
ブラウザで「http://localhost/」 または 「http://127.0.0.1/」 を開きます。 トップページが表示されるので、「日本語」をクリックします。 上記の画面が表示されればインストールは完了です。 左側メニューの「phpinfo()」をクリックすると現在の PHP の設定が確認できます。 XAMPP 各種設定はこの画面から行うことができます。XAMPP に実装されている Apache が参照するフォルダは「xampp\htdocs」となります。(デ フォルト)
XAMPP に XOOPS Cube をインストールするには、「htdocs」フォルダにファイルをコピー してブラウザでアクセスしてセットアップします。
XOOPS Cube で使用するデータベースを準備する
XOOPS Cube インストール時に必要なデータベース情報
サーバー名 データベース名 データベースユーザー名 データベースパスワード で、標準の文字セットコードを EUC に設定します。 (バージョンによっては UTF-8 を設定する場合もあります。)実際の運用サーバーの場合
サーバー運営者が提供している方法でデータベースを作成します。XAMPP 環境でデータベースを作成する
XAMPP の管理画面で「phpMyAdmin」をクリックします。 ※ページ下部にセキュリティ警告メッセージが表示されますが、後で設定できるので そのまま進みます。 画面上部にある「特権」パネルをクリックします。Chapter 1
16 17 画面上の「新しいユーザーを追加する」をクリックします。 ユーザー追加の画面が表示されるので、新しいユーザーとデータベースを一括で作成しま す。 ここでは「xoops_test」というユーザーとデータベースを作成します。 ログイン情報設定項目 ユーザー名 左側のリストで「テキストフィールドの値を利用」を選択して右側のフィー ルドにユーザー名「xoops_test」を入力します。 ホスト 左側のリストで「ローカル」を選択すると自動的に右側のフィールドに 「localhost」が入力されます。 パスワード 左側のリストで「テキストフィールドの値を利用」を選択して右側のフィー ルドにパスワードを入力します。 パスワードは半角英数なら何を入力してもかまいません。 もう一度入力してください 確認のため上記と同じパスワードを入力します。 パスワードを生成する パスワードを自動的に生成したい場合に使います。 「作成する」ボタンをクリックすると自動的にパスワードが生成されて。パ スワードともう一度入力してくださいのフィールドに自動的に入力されます。 パスワードを生成した場合は忘れないようにどこかに記録しておきます。 ユーザ専用データベース 「同名のデータベースを作成してすべての特権を与える」を選択してユーザー の追加と同時にデータベースを作成します。 設定後、同じ画面の下部にある「実行する」ボタンをクリックします。 これで「xoops_test」というユーザーと同名のデータベースが作成されます。 ※ここで設定したアカウントおよびパスワードはデータベースを利用するためのもの なので、他のアカウントおよびパスワードとは区別して管理しておきます。
Chapter 1
ここで作成したデータベース情報
サーバー名 「localhost」 データベース名 「xoops_test」 データベースユーザー名 「xoops_test」 データベースパスワード 「ご自分で設定したパスワード」 次にデータベースの文字コードセットを設定します。 画面左側のデータベースリストから、今作成した「xoops_test」をクリックします。 データベース管理画面に切り替わりますので、画面上部の「操作」パネルをクリックします。 画面下部に表示された「照合順序」のリストから「ujis_japanese_ci」を選択し、となり にある「実行する」ボタンをクリックします。 データベースにクエリが実行されて完了メッセージが表示されます。 これで XAMPP でのデータベース設定は終わりです。 ブラウザを終了します。Chapter 1
20 21